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第64回 診療放射線技師国家試験

エックス線撮影技術学

問68 診療放射線技師が実施できる業務内容はどれか。

1. 麻酔薬を投与する。

2. 造影剤の選択を行う。

3. 注射針を静脈に刺入する。

4. ゾンデを胃内に挿入する。

5. 患者にX線検査に関する説明を行う。

問68 診療放射線技師が実施できる業務内容はどれか。

1. 麻酔薬を投与する。

2. 造影剤の選択を行う。

3. 注射針を静脈に刺入する。

4. ゾンデを胃内に挿入する。

5. 患者にX線検査に関する説明を行う。

問69 X線CT撮影で発生するおそれがあるのはどれか。

1. 放射線肺炎

2. 赤血球の減少

3. 騒音による聴力障害

4. 脳動脈クリップの逸脱

5. 心臓ペースメーカの誤作動

1.放射線肺炎

放射線治療で起こり得る事例

2.赤血球の減少(2~6Gy)

放射線治療で起こり得る事例

3.騒音による聴力障害

MRIで起こり得る事例

4.脳動脈クリップの逸脱

MRIで起こり得る事例

5.心臓ペースメーカの誤作動

パルス状にX線を照射する装置による心臓ペー

スメーカへの連続照射により誤作動が生じる。

心臓ペースメーカの添付文書から抜粋

パルス状の連続したX線束を照射する透視・撮影(数秒以内での連続した撮影、パルス透視、DA 撮影、DSA 撮影、シネ撮影等)を行う場合、一時的にペーシングが抑制され、徐脈性不整脈の発生やその影響によるめまい、失神等が現れる可能性がある。

パルス状の連続したX 線束を照射する場合には、本体の植込み部位にX 線束を照射しないようにすること。やむを得ず、本体の植込み部位にパルス状の連続したX 線束を照射する場合には、患者に“両腕挙上”をさせる等をして本体の位置を照射部分からずらすことができないか検討すること。それでも本体の植込み部位にX 線束の照射をさけられない場合には、検査中、競合ペーシングをしない状態で固定ペーシングモードに設定するとともに、脈拍をモニターすること。又は一時的体外ペーシングの準備を行い、使用すること。

パルス状の連続したX 線束が照射された場合、本体内部のC-MOS 回路に影響を与えること等により、オーバーセンシングが起こり、ペーシングパルス出力が一時的に抑制されることがある。

心臓ペースメーカーは、心臓の鼓動が途切れたり、一定以上の間隔を超えてしまったりすると、それを察知して電気刺激を心臓に送り、心臓が正常なリズムで鼓動することを補助する。

センシング=感知ペーシング=電気刺激

問70 X線写真の鮮鋭度が向上するのはどれか。

1. 撮影時間を長くする。

2. 撮影距離を短くする。

3. 感光材料の粒子径を大きくする。

4. 被写体-検出器間距離を短くする。

5. X線管焦点を小焦点から大焦点にする。

撮影距離を長くすると

半影

焦点

被写体

検出器(IP,F/S,FPD)

半影

焦点

被写体

検出器(IP,F/S,FPD)

被写体検出器間を小さくすると

半影

焦点

被写体

検出器(IP,F/S,FPD)

半影

焦点

被写体

検出器(IP,F/S,FPD)

小焦点にすると

半影

焦点

被写体

検出器(IP,F/S,FPD)

半影

焦点

被写体

検出器(IP,F/S,FPD)

問71 体表ポイントと脊柱の位置の組合せで正しいのはどれか。

1. 喉頭隆起 ―――――― 第1頸椎レベル

2. 胸骨角 ――――――― 第7頸椎レベル

3. 剣状突起 ―――――― 第2胸椎レベル

4. 腸骨稜 ――――――― 第4腰椎レベル

5. 恥骨結合上縁 ―――― 仙骨レベル

問71 体表ポイントと脊柱の位置の組合せで正しいのはどれか。

1. 喉頭隆起 ―――――― 第1頸椎レベル

2. 胸骨角 ――――――― 第7頸椎レベル

3. 剣状突起 ―――――― 第2胸椎レベル

4. 腸骨稜 ――――――― 第4腰椎レベル

5. 恥骨結合上縁 ―――― 仙骨レベル

問72 OMラインの定義はどれか。

1. 外耳孔中心と外眼角を結ぶ線

2. 両側の乳様突起下縁を結ぶ線

3. 外耳孔上縁と眼窩下縁を結ぶ線

4. 大後頭孔後縁と硬口蓋後縁を結ぶ線

5. 硬口蓋後縁と後頭骨の最低点を結ぶ線

頭部基準線

≪眼窩耳孔線≫OML:orbitomeatal line

・眼窩中心(外眼角)と外耳孔中心とを結ぶ線

≪ドイツ水平線≫IOML:infraorbitomeatal line

・眼窩下縁と外耳孔上縁とを結ぶ線

≪耳垂直線≫auricular line

・外耳孔中心を通り、眼窩下縁外耳孔線に垂直な線

頭部基準線

外耳孔中心と外眼角を結ぶ線 OMライン

両側の乳様突起下縁を結ぶ線 フィッシュゴールド線

外耳孔上縁と眼窩下縁を結ぶ線 ドイツ水平線

大後頭孔後縁と硬口蓋後縁を結ぶ線 チェンバレン線

硬口蓋後縁と後頭骨の最低点を結ぶ線 マックグレゴール線

問73 胸部立位X線写真を後前方向で撮影する理由はどれか。

1. 気管分岐部を描出する。

2. 生殖腺の被ばくを軽減する。

3. グリッドのしま目を除去する。

4. 心臓陰影の拡大率を小さくする。

5. ホルツクネヒト〈Holzknecht〉腔を描出する。

胸部立位X線写真を後前方向で撮影する。

4.心臓陰影の拡大率を小さくする。

(心臓の拡大防止と肩甲骨の除去が目的)

1.気管分岐部を描出する。

・高圧撮影で骨陰影を除去する。

2.生殖腺の被ばくを軽減する。

・腰から下に鉛エプロンを使用する。

3.グリッドのしま目を除去する。

・移動型グリッド(ブッキー)を使用。

5.ホルツクネヒト〈Holzknecht〉腔を描出する。

・RAO … ホルツクネヒト腔

・LAO … 大動脈窓

問74 成人の胸部立位X線撮影で正しいのはどれか。2つ選べ。

1. 低電圧で撮影する。

2. 撮影前に隆椎の位置を確認する。

3. モリブデンフィルタを使用する。

4. 撮影距離を150~200cmに設定する。

5. 肺野濃度が2.0以上になるように撮影条件を設定する。

問74 成人の胸部立位X線撮影で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.低電圧で撮影する。

・高電圧撮影(120~140kv)

2.撮影前に隆椎の位置を確認する。

・絞りの上縁を隆椎に合わせる。

3.モリブデンフィルタを使用する。

・120~140kvで3㎜Al

4.撮影距離を150~200cmに設定する。

・遠距離撮影によって心陰影拡大抑制

5.肺野濃度が2.0以上になるように撮影条件を設定する。

・適正濃度範囲 0.7~1.8

・平均濃度は1.5程度

問75 腹部X線写真を呼気で撮影する目的はどれか。

1.可検領域の拡大

2.腹部血管の描出

3.X線管の負荷軽減

4.腸管内ガスの排出

5.クロスオーバー効果の抑制

呼気で撮影する目的

1.腹部領域の可検域を広げる。

・呼気にすると腹部領域が広がり可検域は広くなる。

問76 左側臥位腹部正面X線撮影が診断に最も有用なのはどれか。

1.腎結石

2.急性膵炎

3.慢性胃炎

4.消化管穿孔

5.腹部大動脈瘤

急性腹症の定義

突如として急激な腹痛が起こり、急性の経過をとる疾患の総称。外見からだけでは判断しにくい疾患を急性腹症としているため、一見すれば判断できる腹部外傷は通常急性腹症に含めない。

消化管穿孔 、腸閉塞(イレウス)、腹膜炎、虫垂穿孔、胆嚢穿孔、大動脈解離、子宮外妊娠破裂、腸重積(成人)、ヘルニア嵌頓、壊死型虚血性腸炎、重症炎症、急性虫垂炎、急性胆嚢炎、急性膵炎

急性腹症のX線撮影

有用な単純X線写真

1. 胸部立位正面

2. 腹部背臥位正面

3. 腹部立位正面

4. 腹部側臥位正面

なぜ、立位が有用か

消化管穿孔…腹腔内遊離ガス(フリーエアー)の検出

腸閉塞(イレウス)…鏡面像(ニボー)の検出

腹部X線撮影

消化管穿孔 イレウス(立位) イレウス(臥位)

胸部X線撮影

腹腔内遊離ガス(フリーエアー) 胃内ガス

消化管が穿孔(穴があく)すると消化管内のガスが横隔膜直下に腹腔内遊離ガス(フリーエアー)として描出される。少量の場合、右横隔膜直下に見られるが左横隔膜直下にも描出されることがある。胃内ガスと見誤らないように注意すること。

問77 膝関節の撮影法はどれか。

1.レーゼ法

2.ストライカー法

3.ステンバース法

4.ローゼンバーグ法

5.コールドウェル法

レーゼ(Rhese)法:視神経管撮影法

目的:視神経管の描出

体位:ドイツ水平面を15°後傾

正中矢状面を検側へ35°回旋

ストライカー法(肩関節撮影法)

≪目 的≫習慣性肩関節脱臼にみられる上腕骨頭後外側の骨欠損像を描出する。

≪体 位≫背臥位で半軸位撮影。患者の体軸をカセッテの中心線と平行にする。上腕は垂直より45°拳上し、肘関節を曲げて首相を頭部におき、前腕を垂直より15°内側へ傾斜させて上腕を内線する。

≪中心線≫カセッテに垂直な中心線で、腋下に入射する。

≪画 像≫肩甲骨関節面、鎖骨および烏口突起が上方を向き、上腕骨頭後部が関節表面として描出される。

ステンバース(Stenvers)法

目的:内耳道、錐体、乳突蜂巣

体位:腹臥位

正中矢状面を検側へ45°回旋

ローゼンバーグ法(立位膝関節撮影)

≪目 的≫変形性膝関節症の診断。

≪体 位≫立位で膝を屈曲させ荷重する。

≪中心線≫管球を頭側から角度をつける。

≪画 像≫荷重をかけた時の関節間隙で手術の必要性を診る

コールドウェル(Caldwell)法

目的:副鼻腔の描出

(特に前頭洞の描出に優れる。)

体位:腹臥位、正中矢状面を垂直

眼窩耳孔線を垂直にし、頭尾20°で入射する。

問78 乳房X線写真を別に示す。正しいのはどれか。

1. C‐C方向の撮影である。

2. 脂肪性乳房の画像である。

3. 大胸筋が描出されている。

4. 拡大スポット撮影像である。

5. 乳房下軟部組織が描出されていない。

マンモグラフィ画像

CC方向画像 MLO方向画像

脂肪化の程度による画像の変化

a)ほぼ脂肪化している

d)ほとんど乳腺が残っているc)乳腺50% 脂肪50%

b)少し乳腺が残っている

MLOは大胸筋を含める。

大胸筋

乳房下軟部組織

問79 X線管に照射筒を装着するのはどれか。

1.歯科撮影

2.頸椎撮影

3.胸椎撮影

4.腰椎撮影

5.手指骨撮影

口内撮影X線装置(デンタル法)

① ノンスクリーンフィルムを使用する。

② グリッドは使用していない。

③ 固定陽極X線管を用いる。

④ 照射筒(コーン)で照射野が決まる。

問80 上部消化管X線造影で鎮痙薬を投与する理由はどれか。2つ選べ。

1. 胃泡を消失させる。

2. 胃の蠕動を抑制する。

3. 胃液の分泌を抑制する。

4. 造影剤による副作用を予防する。

5. 硫酸バリウムの粘稠度を低下させる。

鎮痙薬(ちんけいやく)

副交感神経遮断薬(商:ブスコパン)

効果:消化管X線検査及び消化管内視鏡検査の前処置。

(禁忌)1.出血性大腸炎の患者

[症状の悪化、治療期間の延長を来す恐れがある]。2.緑内障の患者

[眼内圧を高め、症状を悪化させることがある]。3.前立腺肥大による排尿障害のある患者

[更に尿を出にくくすることがある]。4.重篤な心疾患のある患者

[心拍数を増加させ、症状を悪化させる恐れがある]。5.麻痺性イレウスの患者

[消化管運動を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。6.本剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

問81 24時間後に追加撮影が行われることがあるのはどれか。

1. 食道造影

2. 冠動脈造影

3. 内視鏡的逆行性胆管膵管造影

4. 逆行性尿道造影

5. 子宮卵管造影

子宮卵管造影(Hysterosalpingography,HSG)

子宮卵管造影は造影剤を子宮腔内に注入し,子宮,卵管,骨盤腔内へ拡散する造影剤を撮影して,卵管疎通性を評価する検査。

方法:カニューレまたはバルーンカテーテルを子宮頸管内に入れ,造影剤を注入する。

造影剤:油性造影剤と水性造影剤があるが、水性造影剤は吸収,排泄が早く,造影剤の貯留から推測する卵管の癒着などの診断には油性造影剤の方が適している。

撮影1.子宮腔に充満した像2.卵管を通過し小骨盤腹膜腔内に流出した像3.小骨盤腹膜および付属器表面に付着した像

・水溶性造影剤 15~60分後・油性造影剤 24時間後

問82 造影CT後の三次元処理画像を別に示す。画像処理はどれか。

1. 最小値投影法

2. 最大値投影法

3. 多断面変換表示法

4. ワイヤーフレーム法

5. ボリュームレンダリング法

問82 造影CT後の三次元処理画像を別に示す。画像処理はどれか。

1. 最小値投影法

2. 最大値投影法

3. 多断面変換表示法

4. ワイヤーフレーム法

5. ボリュームレンダリング法

問83 右足のX線写真を別に示す。矢印で示すのはどれか。

1. 距 骨

2. 踵 骨

3. 楔状骨

4. 舟状骨

5. 立方骨

問83 右足のX線写真を別に示す。矢印で示すのはどれか。

1. 距 骨

2. 踵 骨

3. 楔状骨

4. 舟状骨

5. 立方骨

立方骨

舟状骨

問84 上部消化管X線造影検査後の腹部立位X線写真を別に示す。矢印で示すのはどれか。

1. 空 腸

2. 回 腸

3. 結 腸

4. 盲 腸

5. 十二指腸

問84 上部消化管X線造影検査後の腹部立位X線写真を別に示す。矢印で示すのはどれか。

1. 空 腸

2. 回 腸

3. 結 腸

4. 盲 腸

5. 十二指腸

問85 上部消化管X線造影写真を別に示す。考えられるのはどれか。

1. 潰 瘍

2. 進行癌

3. ポリープ

4. 慢性胃炎

5. 粘膜下腫瘍

胃癌の分類

胃癌の分類

早期癌:癌の浸潤が粘膜下層に止まるもの

進行癌:癌の浸潤が筋層に及ぶもの

大きさから

直径10mm以下 すべて早期癌

直径10~20mm以下 ほとんど早期癌

直径20~30mm以下 早期癌or進行癌

直径30mm以上 ほとんど進行癌

スキルス(硬癌)腫瘤や潰瘍をつくらず、周囲組織にびまん性に浸潤していく。癌の浸潤によって粘膜は肥厚し、胃壁の進展性が消失する。

問86 腹部CT冠状断像を別に示す。背側から腹側に向かって2番目の画像はどれか。

1. ア

2. イ

3. ウ

4. エ

5. オ

問87 頭部CT像を別に示す。考えられるのはどれか。

1. 脳 炎

2. 髄膜炎

3. 硬膜下血腫

4. 硬膜外血腫

5. くも膜下出血

くも膜下出血