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2014 年第 2 四半期 金利商品の四半期レビュー
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第 2 四半期のハイライト
金利市場での2014年1~6月の出来高が前年同期比7%増に
低ボラティリティの市場環境にも関わらず、好調だった前年よりも出来高が伸びた
市場全体の1日平均出来高は 670 万枚
四半期末の取組高(建玉残高)は 4410 万枚
米国債の現物市場に対する浸透率が過去最高の 73.4%に
金利オプションの1日平均出来高(第2四半期)が前年同期比27%増の138万枚となり、
32%は電子取引
ユーロドル金利オプション(全種合計)の 1 日平均出来高は 77 万 9185 枚で、前年同期比 28%増
米国債週次オプションの 1 日平均出来高は 5 万 8139 枚で、前年同期比 17%増
ユーロドル金利週次ミッドカーブオプションの出来高累計が、2013 年 11 月 18 日の上場から 2014 年 6 月末
までに 32 万 6640 枚に
30日物フェデラルファンド(FF)金利先物・オプションの取引が活発に
1 日平均出来高 2万 2539 枚(第 2 四半期)は、前年同期比 16%増、前期比 16%増
7 月 10 日(FOMC 議事録の公開翌日)に年初来最高となる 10 万 3000 枚超の出来高を達成
30 日物 FF 金利先物オプションで取引ができるように
米ドル建て受渡決済金利スワップ先物(DSF)で取引参加者の拡大続く
1 日平均出来高 6415 枚(第 2 四半期)は、前年同期比 17%増
2014 年 6 月 16 日に取組高が 13 万 1000 枚超を記録
清算型OTC金利スワップで顧客ニーズにかなり適合したサービスを提供
6 月の 1 日平均取引金額は前年同月比 120%増の 1450 億ドルとなり、3 月実績を 10%上回る過去最高を記録
現在、ポジション残高は 16兆ドルを超え、加速度的に増加中。第 2 四半期のポジション残高での市場シェアは
平均 51%
対象商品の範囲を 18 通貨建てに大きく広げ、利用者にとって最も資本効率の良い取引機会を提供
2014 年に入って新たに 60 社が当グループの清算サービスを利用し、開業来の総顧客数は 460 社を超えた
清算会員 8 社がポートフォリオ管理サービスを提供中
o 60 を超える口座が、このサービスを享受
o このポートフォリオ管理サービスで合計 34 億ドルの節約を実現
金利商品の最新情報は「cmegroup.com/interestrates」をご覧ください。
cmegroup.com/interestrates
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四半期展望
Bluford Putnam(CME グループチーフエコノミスト)のマーケットインサイト
米国では経済指標の動向から、FRB(米連邦準備理事会)が 2015 年の意外に早い段階で FF 金利の
誘導目標を引き上げ、ゼロ金利政策を解除するシナリオが浮上している。しかし、利上げに踏み切っ
た場合、米国債市場がどのような反応を示すかについては不透明だ。あまりインフレの兆候が見られないなか、主に雇用市場の改
善から FRBが利上げに踏み切れば、利回り曲線(イールドカーブ)は平坦化すると予想される。短期金利が長期金利よりも大きく
上昇するからだ。その逆のシナリオは、雇用市場の改善とともにインフレが加速する場合である。この場合、市場は FRB がインフ
レの対応に後れをとっていると判断し、利回り曲線は、ほぼ全体的に上昇すると予想される。
2014 年後半に入ったときの状況から見て、米国経済は健全といえるだろう。正味の新規雇用者数は着実に増えており、失業率は
低下し続けている。米中西部や北東部の異常寒波で、2014 年第 1 四半期の実質 GDP は大幅なマイナス成長に陥ったものの、それ
でも雇用市場は改善し続けた。大半の企業が、マイナス成長は一時的なものであると認識していたわけだ。実際、第 2 四半期の
GDP では成長率の回復が予想されている。こうした健全な経済成長から、2015 年の早い段階で失業率が 5.5%まで低下するとい
う最高のシナリオが実現する可能性は高い。
ただし、注目されている雇用統計や失業率が景気の全体像を描き出しているかについては、FRB 内外で多くの議論がある。悲観論
者は、別の指標を 2~3 挙げて、パートタイムの雇用が相対的に高いこと、労働参加率が低いこと、失業期間が長期化しているこ
となどを指摘している。私たちは 2014 年 6 月の調査レポートで(全文は http://www.cmegroup.com/education/featured-
reports/the-yellen-fed-and-us-labour-market-dynamics.html に)、さまざまな労働市場指標について、より標準的な見解と
対比しながら、動学的な解釈を試みた。この動学的分析では、労働力成長率の低下、労働者の高齢化、そして e コマース(電子商
取引)がもたらしている雇用慣行の変化といった長期的要因に重点を置いたアプローチをとった。また、景気後退後に州・地方政
府で人員削減があり、2013 年半ばにようやく一段落したことを指摘した。この重大かつ一過性の現象によって 85 万人の雇用が失
われたため、かなり堅調だった民間部門の雇用が見えにくくなったわけだ。レポートでは、あらゆるケースでこうした動学的要因
の重要性をすべて適切に評価して分析した結果、悲観論者が指摘するよりもはるかに米国の雇用市場が健全であると論じている。
インフレについては、2014 年後半に物価が上昇し始める可能性を示す、かすかな兆候がいくつか現れてきた。ただし、物価上昇
圧力のいくらかは、変動が激しい食品・エネルギー部門によるものだ。FRB は、これらを除いたコアインフレ率を重視している。
長い目で見れば、より長期の米国債ほど、コアインフレ率を上回るプレミアムを維持するのが普通だ。したがって、FRB の利上げ
決定に債券市場がどう反応するか判断するには、インフレへの見解を考慮しなければならない。そしてその根拠は、少なくとも私
たちの考えでは、雇用市場のデータよりも、はるかにあいまいである。
利上げ決定の前に、まず QE(量的緩和)を終了させなければならない。2014 年第 4 四半期には、そうなるはずだ。QE 終了とい
う節目を迎えれば、利上げの議論が新たに緊急性を帯びてくる。そして注意しておきたいのは、得てして市場を動かすのは実際の
決定ではなく、その議論であることだ。米国の景気拡大の力強さから、この議論が意外に早く熱気を帯びてくる可能性は高い。
Putnam 氏のさらなる見解やコメントは「cmegroup.com/putnam」をご覧ください。
本レポートに掲載された例は、いずれも状況を仮定的に解釈したものです。あくまで説明のために使用しています。また、本レポートに記載されて
いる見解は、筆者個人のものです。必ずしも CME グループならびにその関連機関の見解ではありません。本レポートおよびその情報を、投資助言も
しくは実際に市場で経験した結果として受け取らないようにしてください。
2014 年第 2 四半期 金利商品の四半期レビュー
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商品概況
ユーロドル金利先物
ユーロドル金利オプション
ファンド(レバレッジドマネー)からの
売り建玉が増加
ファンドの売り建玉が 2013 年末から急
増、200 万枚を超える(総建玉の 8%弱)
ファンドの投機玉が売り越しとなるのは金
融危機後初めて
短期金利のリスク管理手段として、ユーロ
ドル金利先物は融通が利く、流動性の高い
商品である
出所:CFTC 建玉明細報告
利回り曲線の起点となる期近の取組が回復
金融危機前は、オプション取引の 70%を
四半期限月が占めていたが、FRB の超低金利
政策を受けて、白(1 年目)や赤(2 年目)
の四半期限月で取引が減少し、その中心は
ミッドカーブオプションへと移った
しかし FRB の利上げ観測から、取引は再び
白や赤の四半期限月へと移っている
cmegroup.com/interestrates
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商品概況
金利オプション
米国債
第 2 四半期の 1 日平均出来高
(北米取引時間)
76,000
第 2 四半期の 1 日平均出来高
(欧州取引時間)
3,000
市場外取引:出来高の約 11%
ブロック取引で流動性への間口を拡大
ブロック取引が認められている金利オプシ
ョンでは、世界中の取引参加者に、融通の
利いた取引環境が提供されており、北米
取引時間(RTH)だけでなく、欧州取引
時間(ETH)、アジア取引時間(ATH)
でも当市場の流動性にアクセスできる
RTH 以外の時間でも、取引参加者はブロッ
ク取引で CME グループに上場している
先物・オプションのメリットを簡単に享受
できる
4 四半期連続で、金利オプションのブロック
取引の 1 日平均出来高が、全体的にかなり
増加した
なかでも目覚ましいのが ETH での債券オプ
ションのブロック取引である
第 2 四半期の 1 日平均出来高
(北米取引時間)
12,000
第 2 四半期の 1 日平均出来高
(欧州取引時間)
21,000
市場外取引:出来高の約 4%
現物市場に対する浸透率が過去最高を記録
6 月の米国債先物・オプション出来高が、
現物市場に対して 73.4%の浸透率となり、
過去最高となる
他の代替手段に比べて、格段に高い選好度を
示しているといえる
債券リスクの管理と資産リスクの最適化に、
上場先物・オプションの利用が広がっている
2014 年第 2 四半期 金利商品の四半期レビュー
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商品概況
大口建玉の保有者数
受渡決済金利スワップ先物
金利市場で大口建玉の保有者数が過去最高に
金利先物・オプションで大口建玉の保有者数が
1600 を超え、過去最高の水準に
この増加は、現物市場に対する浸透率が上昇
し、また低ボラティリティの市場環境にもかか
わらず取引が活発である事実と合致する。この
流れは、市場参加者が OTC 商品の代替手段と
して先物に乗り換えてきているという見方を
支持しているといえる
出所:CFTC 建玉明細報告
米ドル建ての成長が続く
2014 年 6 月 16 日の取組高は、過去最高の
13 万 1404 枚(131億ドル相当)を記録
2014 年 6 月の 1 日平均出来高は、過去最高の
1 万 2179 枚を記録
2012 年 12 月の上場以来、累積出来高は
220 万枚を突破
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商品概況
清算型OTC 金利スワップ
ポジション残高は増加の一途、2014 年 3 月時点で 12 兆 5000 億ドルが、7 月中旬には 16 兆ドルを超える
2014 年の新規顧客はすでに 60 社を数える
清算サービス開始以来、世界 460 社を超える市場参加者が利用、優れた資金効率の機会を生かしている
対象商品の範囲
詳細は「cmegroup.com/otc」をご覧ください
2014 年第 2 四半期 金利商品の四半期レビュー
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付加価値のあるツール
FedWatchツール(cmegroup.com/fedwatch)
FF 金利先物・オプションは、FRB が翌日物金利
に変化をもたらす可能性に対するヘッジや投機の
手段として非常に効果的である
CME グループが開発した FedWatch(フェド
ウォッチ)ツールで、市場参加者は FRB が金融
政策を変更する確率を評価できる
FedWatch ツールでは、現在の確率だけでなく、
前日の確率、1 カ月前の確率も確認できる
金融危機前、FF 金利先物・オプションの 1 日
平均出来高は 12万枚以上であった
これから 12 カ月の間に FRB が金融引き締めに
動くとの予想から、当該限月の取引が活発に
なり始めている
2014 年 7 月 11 日までの 1 週間における FF
金利先物の 1 日平均出来高は 5万 8500 枚弱で
あった
7 月 10 日には 10 万 3751 枚の出来高を記録
して、年初来の 1 日平均出来高は 21%増の
2 万 2629 枚になった
機械的ルールに基づいて算出される適正 FF金利
が上昇中である。左のチャートはその一例で、
FRB が完全雇用と物価安定という二大使命を
達成するために FF 金利の誘導目標をどのように
設定すべきかを示している
1997 年 1 月~2007 年 12 月のデータに基づい
て簡単な回帰分析を行うと、現在の失業率 6.1%
と PCE(個人消費支出)1.48%から、適正 FF
金利は 77 ベーシスポイント(0.77%)となる
失業率を 5.5%、PCE を 1.8%(数か月で到達
可能な水準)として分析してみると、適正 FF
金利は 2.4%となる
cmegroup.com/interestrates
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付加価値のあるツール
米国債とユーロドル金利の相場情報を日々更新
ユーロ建て受渡決済金利スワップ先物の分析ページ(cmegroup.com/dsfanalytics)
米ドル建てとユーロ建ての受渡決済金利スワップ(DSF)の価格、金利、リスクが一目で分かる
米ドル建て DSF もしくはユーロ建て DSF と、それに相応する OTC 市場のスポットスワップもしくはフォワード
スワップを簡単に比較できる
インプライドレートの最良近似値を表示
CME では、米国債商品とユーロドル金利
商品に関する情報を日々電子メールで自動
配信している。このメールからオプション
市場の動向やプットとコールの比率といっ
た情報をタイムリーに入手できる
このサービスのお申し込みは
david.reif@cmegroup.com まで
2014 年第 2 四半期 金利商品の四半期レビュー
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新着情報
クーポンブレンディングによるポジション圧縮
自動・自在のサービスが、すべての市場参加者に利用できるように
これまで、自己口座と顧客口座にある 32 のポートフォリオが、このサービスを利用して、想定取引総額で平均
18%、ポジション項目で平均 33%の削減を達成
この革新的サービス(特許出願中)の利点は次のとおり
清算型 IRS 取引に参加しているすべての顧客が、この斬新なポジション圧縮サービスを自動的かつ自在に利用
できる
特徴は同じだが、設定されている固定金利や想定取引金額が異なるスワップの固定金利の支払・受領をひと
まとめにできる
取引時間終了後の処理業務の一環として、あるいは選択的な一時的処理として、毎日自動的に利用
できる柔軟性がある
未決済のポジションを終了する、または継続するとき、取引規模が圧縮されているため、課せられる手数料が
低くなり、またポートフォリオのポジションを管理する第三者のコストが下がることで、
さらなるコスト効率がある
詳細は「http://www.cmegroup.com/trading/otc/compression-via-coupon-blending.html」を
ご覧ください
CME GROUP グローバル拠点
シカゴ+1 312 930 1000
シンガポール+65 6593 5555
ヒューストン+1 713 658 9292
東京(03) 3242 6232
ニューヨーク+1 212 299 2000
カルガリー+1 403 444 6876
サンパウロ+55 11 2565 5999
ワシントン D.C.+1 202 638 3838
ロンドン+44 20 3379 3700
香港+852 3180 9387
ソウル+82 2 6336 6722
CME GROUP 本社
20 South Wacker DriveChicago, Illinois 60606cmegroup.com
先物取引やスワップ取引は、あらゆる投資家に適しているわけではありません。損失のリスクがあります。 先物やスワップはレバレッジ投資であり、取引に求められる資金は総代金のごく一部にすぎません。そのため、先物やスワップの建玉に差し入れた当初証拠金を超える損失を被る可能性があります。 したがって、生活に支障をきたすことのない、損失を許容できる資金で運用すべきです。 また、一度の取引に全額を投じるようなことは避けてください。すべての取引が利益になるとは期待できません。 本資料に掲載された情報およびすべての資料を、金融商品の売買を提案・勧誘するためのもの、金融に関する助言をするためのもの、取引プラットフォームを構築するためのもの、預託を容易に受けるためのもの、またはあらゆる裁判管轄であらゆる種類の金融商品・金融サービスを提供するためのものと受け取らないようにしてください。本資料に掲載されている情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。助言を意図したものではなく、また助言と解釈しないでください。掲載された情報は、特定個人の目的、資産状況または要求を考慮したものではありません。本資料に従って行動する、またはそれに全幅の信頼を置く前に、専門家の適切な助言を受けるようにしてください。本資料に掲載された情報は「当時」のものです。明示のあるなしにかかわらず、いかなる保証もありません。
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