Post on 21-Jul-2020
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2015 JACIC研究助成事業成果報告会
函館工業高等専門学校 山﨑 俊夫
Google Earthに代替する実用的な景観シミュレータを構築するためのデータ活用に関する研究
GISと3DCGで作る3次元都市モデル
本システム Google Earth
建物表現 箱モデル
傾斜屋根モデル
箱モデル+立体写真モデル
地形表現 標高5mメッシュ,標高10mメッシュ
の精度で3角メッシュにより再現
必ずしも正確とは言えない
製作時間 約8時間 なし(表示したい場所(地名,
建物名)を入力するだけ)
操
作
性
鳥瞰
ビュー
良い(全方向,地下に視点を設定可
能)
良い(広範囲)
地上
ビュー
良い/ウォークスルー可能 (視点
高の任意設定可能,衝突検知機能)
良い(視点高は2m固定)
本システムとGoogle Earthの比較
橋梁架替案に対する景観シミュレーション
橋梁取付部のフォトモンタージュ(道路案内表示の後ろに斜張橋の主塔が見える)
左:Google Earth-道路勾配なし 右:本システム-道路勾配あり
橋梁取付部より対岸方向を見るフォトモンタージュ
左:Google Earth-河川高水敷との高低差なし 右:本システム-河川高水敷との高低差あり
「カメラを配置」して「ウォークスルー」を「アニメーション」したムービー
Google Earthにより「地面レベルのビュー」でマウス操作によりウォークスルーしたムービー
「カメラを配置」して,「視野」・「焦点距離」を変更
Google Earthにより「地面レベルのビュー」は「視野」・「焦点距離」の変更不可
「カメラを配置」して「視点高さ1.5m」「焦点距離50mm」による「ウォークスルー」を「アニメーション」したムービー
Google Earthにより「地面レベルのビュー」は視点高さが地面から2.0mに固定
Google Earth 本システム
建 物 表 現 ・立体写真モデルによるリアリ
ティが高い
・建物形状の修正が不可能
・リアリティを高めるためには個別のモデリン
グが必要
・建物形状の修正がGISソフトにより可能
地 形 表 現 ・正確ではない
・地形形状の修正は不可能
・標高10m・5mメッシュの精度で表現が可能
・3DCGソフトにより細部の修正が可能
視 点 高 さ ・2.0m(地面レベルのビュー/固
定)
・上空方向は無限大
・1.5mに設定可能
・上空方向は無限大
・地下レベルでの設定も可能
焦点距離・視野 ・設定不可能 ・焦点距離を自由に設定可能(10mm~
2063mm)
・視野を自由に設定可能(1.00度~120.00度)
ウォークスルー ・ウォークスルーの機能がない ・地形形状に対して視点高を固定したウォー
クスルーが可能
Google Earthと本システムの景観シミュレータとしての機能比較
Google Earthにおける衛星写真と建物モデルの相違
Google Earthにおける衛星写真と建物モデルの相違
要 件
・頂点座標(2次元データ)の3次元化
サーフェスモデリング
◎ 頂点座標&屋根属性 => 傾斜屋根の屋根座標を算出!
G I Sデータ G I Sデータ
階数情報
屋根形状情報
3次元化の方法
寄棟屋根
片流れ屋根
切妻屋根
入母屋屋根
story - 建物の地上階層(ペントハウス除く)yanetype- 0.陸屋根,1.切妻,2.寄棟,3.入母屋
4.片流れ,8.町家・長屋incline - 傾斜屋根モデルの屋根勾配hiratuma- 1.切妻における妻面と平面の指定
yanemuki- 4.片流れにおける屋根の流れ方向hisashi - 本屋根の軒の出の深さ(長さ)keraba - 本屋根の破風(妻面)側の出の長さ
(厚み)yaneatu - 本屋根の垂木+瓦(屋根葺き材料)の
厚み
3次元都市モデルのシステム構成
要 件
・業界標準 = Shapeファイル
・基盤地図情報ビューア
基盤地図情報をShapeファイルに変換
オープンデータ
・基盤地図情報基本項目
建築物の外周線
・基盤地図情報数値標高モデル
標高10m・5mメッシュ
◎ 基盤地図情報 を活用!
基盤地図情報(G I Sソフトへの入力 )
3次元都市モデルのシステム構成
Shapeファイル
要 件
・汎用データフォーマット
・頂点座標と属性情報
オープンソース・オープンフォーマット
・GeoJSON:オープンフォーマット
アスキー形式(テキストファイル)
・QGIS:オープンソースソフトウェア
ShapeファイルをGeoJSONに変換
◎ GeoJSONファイル を採用!
地図データ(G I Sソフトからの出力 )
{“type”: ”FeatureCollection”,
“features”:[
{ “type”: “Features”, ← 「データ数のカウントのキー」“properties”:{(属性データ)
},“geometry”:{ “type”: “Polygon”,“cordinates”:[(座標データ) ←「頂点数をカウントする必要がある」
]}
}]
}
オブジェクト:ブレース ({ )で始まりブレース (} )で終わる
オブジェクトのメンバ:要素はコロン (: )で区切られた文字列と値で構成される
値:値は文字列,数値,そして T R U Eや F A L S E, N U L Lといったリテラル文字列は二重引用符で囲む
3次元都市モデルのシステム構成
GeoJSONファイル
要 件
・無料もしくは安価
・初心者向き
・ソースで配布
R言語(RSudio)
・フリーウェア
・統計解析向け?
・CSVファイルの読込可能
Excelでテキスト処理を行う
◎R言語によるモデリングを採用!
プログラム言語
3次元都市モデルのシステム構成
要 件
・アスキー形式(テキスト)
・テキストエディター
汎用3次元フォーマット
・VRML97(VRML2.0) → 将来性?
・DXFフォーマット
・OBJフォーマット
・3DSフォーマット
・COLLADA
SketchUpで読込可能,アスキー形式
◎ COLLADA を採用!
地理院地図3D
3 D C Gモデリング言語
分割が必要な多角形
・VRML,DXF,OBJ
・凹ポリゴン(内角180度以上)問題
3角ポリゴン分割の失敗
◎ COLLADA では3角形分割が不要!
左上を起点
左下を起点
分割失敗
多角形の 3角形分割
<COLLADA>
<asset> … </asset>
<library_visual_scenes> …
<instance_geometry url="#ID1">
…データ毎に必要な情報…
</instance_geometry>
… </library_visual_scenes>
<library_geometries>
<geometry id="ID1">
<mesh>
…データ毎に必要な情報…
[頂点の位置][頂点の法線][頂点の識別情報][ポリゴンの情報]
</mesh>
</geometry>
</library_geometries>
<library_materials>
<material id="ID1-material">
…データ毎に必要な情報…
</material>
</library_materials>
<library_effects>
<effect id="ID1-surface">
…データ毎に必要な情報…
</effect>
</library_effects>
<scene> … </scene>
</COLLADA>
3次元都市モデルのシステム構成
COLLADAファイル
要 件
・仮想3次元空間(3DCG)
・自由な視点(カメラ)移動
・画角・視野(焦点距離)
・操作性
基本的に無料のソフト(フリーウェア)
・Cortona VRML Cliant(VRMLビューア)
VRML97(VRML2.0) → X3D(?)
・SketchUp
高度なカメラ機能・ウォークスルー
アニメーション
◎ SketchUp Make を採用!
景観シミュレーション(ビューア)
3次元都市モデルのシステム構成
北海道・江差いにしえ街道の現状再現アニメーション
函館・五稜郭公園前の電線類地中化後の景観シミュレーション
基盤地図情報より,無料のソフ
トウェアを用いて3次元都市モ
デルを制作することができるこ
とを明らかにしたこと
本研究の意義
• SketchUpの高度なカメラ機能に
よる景観シミュレーション
• CIM導入の初期検討段階における
3次元設計の試行
本モデルの意義
「都市計画電脳工房」で検索を!
建物3次元化プログラム
地形3次元化プログラム
ご静聴ありがとうございました
CIMにおける3次元都市モデルの活用を!