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「創造性・活動・奉仕」(CAS) 指導の手引き 2010 年卒業予定者から適用 ディプロマプログラム(DP)
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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き2010 年卒業予定者から適用

ディプロマプログラム(DP)

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き2010 年卒業予定者から適用

ディプロマプログラム(DP)

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2008 年3月に発行の英文原本 Creativity, action, service guide の日本語版

2014 年6月発行

本資料の翻訳・刊行にあたり、

文部科学省より多大なご支援をいただいたことに感謝いたします。

注:本資料に記載されている内容は、英文原本の発行時の情報に基づいています。ただし、

ディプロマプログラムの概要を説明している「ディプロマプログラムとは」のセクションに限

り、日本語版刊行時現在の新たな情報が反映されています。

ディプロマプログラム(DP)

創造性・活動・奉仕(CAS)指導の手引き

International Baccalaureate Organization15 Route des Morillons, 1218 Le Grand-Saconnex, Geneva, Switzerland

International Baccalaureate Organization (UK) LtdPeterson House, Malthouse Avenue, Cardiff Gate

Cardiff, Wales CF23 8GL, United Kingdom

www.ibo.org

© International Baccalaureate Organization 2014

www.ibo.org/copyrighthttp://store.ibo.org

[email protected]

International Baccalaureate Baccalauréat International Bachillerato InternacionalInternational Baccalaureate Organization

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IBの使命IB mission statement

Note: Creativity, Action, Service has been renamed to Creativity, Activity, Service. Although the word Action may appear in this document, please ensure you refer to it as Activity when leading this workshop.

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この「IBの学習者像」は、IBワールドスクール(IB認定校)が価値を置く人間性を 10 の人物像として表しています。こうした人物像は、個人や集団が地域社会や国、そしてグローバルなコミュニティーの責任ある一員と

なることに資すると私たちは信じています。

3

探究する人私たちは、好奇心を育み、探究し研究するスキルを身につけます。ひとりで学んだり、他の人々と共に学んだりします。熱意をもって学び、学ぶ喜びを生涯を通じてもち続けます。

知識のある人私たちは、概念的な理解を深めて活用し、幅広い分野の知識を探究します。地域社会やグローバル社会における重要な課題や考えに取り組みます。

考える人私たちは、複雑な問題を分析し、責任ある行動をとるために、批判的かつ創造的に考えるスキルを活用します。率先して理性的で倫理的な判断を下します。

コミュニケーションができる人私たちは、複数の言語やさまざまな方法を用いて、自信をもって創造的に自分自身を表現します。他の人々や他の集団のものの見方に注意深く耳を傾け、効果的に協力し合います。

信念をもつ人私たちは、誠実かつ正直に、公正な考えと強い正義感をもって行動します。そして、あらゆる人々がもつ尊厳と権利を尊重して行動します。私たちは、自分自身の行動とそれに伴う結果に責任をもちます。

心を開く人私たちは、自己の文化と個人的な経験の真価を正しく受け止めると同時に、他の人々の価値観や伝統の真価もまた正しく受け止めます。多様な視点を求め、価値を見いだし、その経験を糧に成長しようと努めます。

思いやりのある人私たちは、思いやりと共感、そして尊重の精神を示します。人の役に立ち、他の人々の生活や私たちを取り巻く世界を良くするために行動します。

挑戦する人私たちは、不確実な事態に対し、熟慮と決断力をもって向き合います。ひとりで、または協力して新しい考えや方法を探究します。挑戦と変化に機知に富んだ方法で快活に取り組みます。

バランスのとれた人私たちは、自分自身や他の人々の幸福にとって、私たちの生を構成する知性、身体、心のバランスをとることが大切だと理解しています。また、私たちが他の人々や、私たちが住むこの世界と相互に依存していることを認識しています。

振り返りができる人私たちは、世界について、そして自分の考えや経験について、深く考察します。自分自身の学びと成長を促すため、自分の長所と短所を理解するよう努めます。

IBの学習

者像

IBの学習者像すべてのIBプログラムは、国際的な視野をもつ人間の育成を目指しています。人類に共通する人間らしさと地球を共に守る責任を認識し、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する人間を育てます。

IBの学習者として、私たちは次の目標に向かって努力します。

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き ix

目次

はじめに 1本資料の目的 1

ディプロマプログラムとは 1

「創造性・活動・奉仕」の学習 3

ねらい 6

学習成果 6

概要 9学校の責任 9

生徒の責任 10

評価 11

詳細 12体験的な学習 12

振り返り・記録・報告 13

活動の範囲と多様性 15

CASプログラムの開発 19

「特別な教育的ニーズ」のある生徒 23

付録 25用語解説 25

参考文献 27

「進捗フォーム」「完了フォーム」見本 28

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 1

はじめに

本資料の目的本資料は、「創造性・活動・奉仕」(CAS)を学校で計画し、組織化するための手引き

です。CASコーディネーターやアドバイザーを対象としていますが、生徒や保護者に

CASについて説明する際にも、ご活用ください。

本資料は、オンラインカリキュラムセンター(OCC)のCASのページで入手できま

す。OCC(http://occ.ibo.org)は、パスワードで保護されたIBのウェブサイトで、IB

の教師をサポートする情報源です。また、本資料はIBストア(http://store.ibo.org)で購入

することもできます。

その他のリソース

OCCでは、他の教師が作成したり、活用している教育リソースについて情報を得るこ

とができますので、ご活用ください。教師たちによりウェブサイトや本、ビデオ、定期刊

行物、指導案などの役立つリソースも提供されています。

2010 年卒業予定者から適用

ディプロマプログラムとはディプロマプログラム(DP)は 16 歳から 19 歳までの大学入学前の生徒を対象とした、

綿密に組まれた教育プログラムです。幅広い分野を学習する2年間のプログラムで、知識

豊かで探究心に富み、思いやりと共感する力のある人間を育成することを目的としていま

す。また、多様な文化の理解と開かれた心の育成に力を入れており、さまざまな視点を尊

重し、評価するために必要な態度を育むことを目指しています。

DPのプログラムモデル

DPは、6つの教グループ

科が中心となる核(「コア」)を取り囲んだ形のモデル図で示すことが

できます(図1参照)。DPでは、幅広い学習分野を同時並行して学ぶのが特徴で、生徒は

「言語と文学」(グループ1)と「言語の習得」(グループ2)で現代言語を計2言語(また

は現代言語と古典言語を1言語ずつ)、「個人と社会」(グループ3)から人文または社会科

学を1科目、「理科」(グループ4)から1科目、「数学」(グループ5)から1科目、そし

て「芸術」(グループ6)から1科目を履修します。多岐にわたる分野を学習するため、

学習量が多く、大学入学に向けて効果的に準備できるようになっています。生徒は各教科

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はじめに

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き2

から柔軟に科目を選択できるため、特に興味のある科目や、大学で専攻したいと考えてい

る分野の科目を選ぶことができます。

図1DPのプログラムモデル

科目の選択

生徒は、6つの教科からそれぞれ1科目を選択します。ただし、「芸術」から1科目選ぶ

代わりに、他の教科で2科目選択することもできます。通常3科目(最大4科目)を上級

レベル(HL)、その他を標準レベル(SL)で履修します。IBでは、HL科目の学習に

240 時間、SL科目の学習に 150 時間を割りあてることを推奨しています。HL科目はS

L科目よりも幅広い内容を深く学習します。

いずれのレベルにおいても、さまざまなスキルを身につけますが、特に批クリティカル

判的な思考と

分析に重点を置いています。各科目の修了時に、学校外で実施されるIBによる外部評価

で生徒の学力を評価します。また、多くの科目で、科目を担当する教師が評価する課題

(コースワーク)を課しています。

プログラムモデルの「コア」

DPで学ぶすべての生徒は、プログラムモデルの「コア」を形づくる次の3つの必修要

件を履修します。「知の理論」(TOK:theory of knowledge)では、批クリティカルシンキング

判的思考に取り組み

ます。具体的な知識について学習するのではなく、知るプロセスを探究するコースです。

「知識の本質」について考え、私たちが「知っている」と主張することを、いったいどのよ

うにして知るのかを考察します。具体的には、「知識に関する主張」を分析し、知識の構築

に関する問いを探究するよう生徒に働きかけていきます。TOKの目的は、共有された「知

識の領域」の間のつながりを重視し、それを「個人的な知識」に結びつけることで、生徒

が自分なりのものの見方や、他人との違いを自覚できるよう促していくことにあります。

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はじめに

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 3

「創造性・活動・奉仕」(CAS:creativity, action, service)は、DPの中核です。「IBの

使命」や「IBの学習者像」の倫理原則に沿って、生徒が自分自身のアイデンティティー

を構築するのを後押しします。CASでは、DPの期間を通じて、アカデミックな学習と

同時並行して多岐にわたる活動を行います。CASは、創造的思考を伴う芸術などの活動

に取り組む「創造性」(creativity)、健康的なライフスタイルの実践を促す身体的活動とし

ての「活動」(action)、学習に有益であり、かつ無報酬で自発的な交流活動を行う「奉仕」

(service)の3つの要素で構成されています。CASは、DPを構成する他のどの要素より

も、「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築く」という

「IBの使命」に貢献しているといえるかもしれません。

「課題論文」(EE:extended essay)では、生徒は、関心のあるトピックの個人研究に取

り組み、研究成果を 4000 語(日本語の場合は 8000字)の論文にまとめます。EEには、

世界を対象に学際的な研究を行う「ワールドスタディーズ」として執筆されるものも含まれ

ます。生徒は、履修しているDP科目から1科目(「ワールドスタディーズ」の場合は2科

目)を選び、対象とする研究分野を定めます。また、EEを通じて大学で必要とされるリ

サーチスキルや記述力を身につけます。研究は、正式な書式で構成された論文にまとめ、

選択した科目にふさわしい論理的で一貫した形式で、アイデアや研究結果を伝えます。高

いレベルのリサーチスキル、記述力、創造性を育成し、知的発見を促すことを目的として

おり、担当教員の指導のもと、生徒が、自分自身で選択したトピックに関する研究に自立

的に取り組む機会となっています。

「IBの使命」と「IBの学習者像」

DPでは、「IBの使命」と「IBの学習者像」に示された目的の達成に向かって、生徒

たちが必要な知識やスキル、態度を身につけられるよう働きかけます。DPにおける「指

導」と「学習」は、IBの教育理念を日々の実践において具現化したものです。

「創造性・活動・奉仕」の学習

…何かを信じるならば、ただ考え、話し、書くだけでなく、行動しなければ

ならない。

ピーターソン(Peterson 2003)

「創造性・活動・奉仕」(CAS)は、DPの「コア」を構成する3つの必修要件の1つ

です。生徒は、プログラムを通じて、教科学習と同時並行して多岐にわたるCASの活動

を行います。CASは、以下の3つの要素で構成されています。これらの3つの要素は、

活動の中で、さまざまに組み合わせられます。

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はじめに

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き4

創造性(creativity):創造的思考を伴う芸術などの活動

活動(action):DPでの教科学習を補完し、健康的なライフスタイルの実践を促す身体的

活動

奉仕(service):学習に有益であり、かつ無報酬で自発的な交流活動。すべての関係者の権

利、尊厳、自律性を尊重

CASでは、体験的な学習を通じて、生徒の人間的成長と対人スキルの発達を促しま

す。同時に、DPでのアカデミックな学習による重圧を和らげるという重要な側面もあり

ます。良いCASプログラムとは、やりがいもあり楽しくもあり、自己発見の契機となる

ものです。各生徒の出発地点はそれぞれ異なるため、目標もニーズも異なりますが、多く

の生徒にとって、CASの活動は意義深く、人生を変えるような経験となります。

生徒の育成に資するために、CASの活動は、以下の要素を含まなければなりません。

•意味のある成果をもたらす具体的な体験と目的を伴う活動

•個人的な挑戦―挑戦する課題は生徒の成長を促すもので、達成可能な範囲のもの

であること

•計画や、プロセスの見直し、報告などでの深い考察

•成果および個人的な学習についての「振リフレクション

り返り」

提案されるCASの活動はすべて、この4つの規準を満たす必要があります。また、

DPでの他の学習を反復したものであってはなりません。

DPでは、同時並行的な学習を重視しています。したがって、CASの活動を定期的に、

できる限りプログラムの全期間にわたって行うことが重要です。少なくとも18カ月間以上

続けるべきです。

CASを完了することは国際バカロレア資ディプロマ

格(IB資格)の授与の必須要件です。CAS

は正規の評価は行われませんが、生徒は自分が取り組んだ活動について記録し、8つの主

要な学習成果を達成した証エビデンス

拠を提出する必要があります。学校のCASプログラムは地域

事務局によって定期的にモニタリングされます。

国際的側面

すべてのIBプログラムは、人類に共通する人間らしさと地球を共に守る

責任を認識し、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する人間を育て

ます。

IB資料(英語版)『IB learner profile booklet(IBの学習者像パンフレット)』

(2006 年3月刊)

「より良い、より平和な世界」を築くことは、大きな目標です。この目標に向かう努力

は、地域や、国内、国際的に行われる数多くの小さな取り組みから成っています。「グロー

バルに考え、ローカルに行動する」(Think globally, act locally)というモットーの行動原則

に沿って、CASの活動を大きな文脈の中で捉えることは重要です。学校周辺で社会的お

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はじめに

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 5

よび文化的に異なる背景をもった人と活動をすることは、大きな国際的なプロジェクトを

行うのと同じくらい相互理解を高めることになり得るからです。

CASと倫理教育

倫理教育には多くの定義があります。興味深い定義では、倫理教育とは、単に「倫理に

ついて学習する」以上のものであるとしています。意味のある倫理教育―倫理的な人間

の育成―は、人々の考え方と同時に、人々の感情および振る舞いが変化する時にのみ達

成されるものです。

CASは、意味のある成果をもたらす具体的な体験を伴う活動であるため、行動原理や

態度、振る舞いの規範を扱う倫理教育の貴重な機会となります。CASでは、生徒のア

イデンティティーの構築に役立つことを重視しています。「IBの使命」や「IBの学習

者像」の倫理原則に沿って、生徒が自分自身のアイデンティティーを構築するのを後押し

するのです。CASの活動中には、多様な倫理的問題が自然に発生します。生徒にとって

は(例えば他者に対する)自分自身の考えや本能的な反応、振る舞い方に揺さぶりをかけ

られるような体験となるかもしれません。CASにおいて学校は、生徒が倫理的問題を通じ

て、考え、感じ、行動しながら成長していくのを支援する責任があります。

MYPとの接続

CASと中等教育プログラム(MYP)は、多くの点で関連しています。両者の間には

継続性があり、生徒の発達に応じて、重きを置くところを変えています。MYPの芸術、

テクノロジー、体育の教科での経験は、CASにおいて「創造性」および「活動」として

継続、発展する可能性があります。また、MYPの「相互作用のエリア」(AOI)の中

でも特に「コミュニティーと奉仕活動」と「学習の方アプローチ

法」の分野は、CASとの強い関連

があります。MYPでは、生徒がコミュニティーについての認識を育むことに重点を置い

ています。プログラムが進み、生徒の成熟度と自律性が高まるのに伴い、コミュニティー

への奉仕活動を通じた関わりが増えていきます。この要素がCASの「奉仕」に浸透し、

CASで重視されている生徒主導の活動として展開します。MYPの生徒は「学習の方アプローチ

法」

の一部として、高度に洗練された方法で「振り返り」をすることが期待されます。これは

「コミュニティーと奉仕活動」での取り組みにおいて特に適合します。CASでは、「振り

返り」を行うことは、あらゆる種類の体験的な学習活動で最も重要な要素です。この重要

性は、CASプログラムの「ねらい」の最初の項目で強調されています。

CASと「知の理論」

CASと「知の理論」(TOK)は、「振り返り」と「自己認識」の重要性を重視してい

ます。CASでの「振り返り」は体験に基づき、活動をどのように感じ、活動に携わる人

すべてにとって何を意味するかを考えることを出発点としています。知識に関する問題へ

のTOKのアプローチは、より抽象的で理論的です。一方、両者は密接に関連していると

もいえます。例えば、CASの活動で他者または他のグループに対してどのような振る舞

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はじめに

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き6

いをするかという難しい判断をするにあたって、TOKでの類似した状況に関する考察が

参考になるかもしれません。反対に、そのような判断がTOKの議論の中で倫理的ジレン

マを説明する具体例として導かれるかもしれません。

より全般的なレベルで、生徒はCASでの学習を教科学習と比較し、相互にどのように補完

し合えるかを考えることが薦められます。また、TOKの授業では、CASの価値と考え方、

そしてこれらに対する生徒の反応に関して長い議論を行う機会があるでしょう。IB資料『「知

の理論」(TOK)指導の手引き』(2006 年3月刊)の中では、CASとTOKの橋渡しの役目

を果たす2つの質問が示されています。

•CASは、よく「体験的な教育」と説明されます。CASの学習は、DPの他の分

野での学習と、どのように類似し、またどのように異なりますか。

•どのような点でCASは倫理的教育を促すということができるでしょうか。他者へ

の奉仕は、どのような形のものであっても道徳上の義務であるでしょうか。そうで

あれば、何に基づいての道徳上の義務であるのでしょうか。そうでないならば、な

ぜそうでないのでしょうか。

ねらいDPにおいて、CASは「IBの学習者像」の人物像に示された人間性の多くを育成す

る主要な機会となっています。したがって、CASのねらいは「IBの学習者像」との関

連を強調した形で記述されています。

CASプログラムでは、次のような生徒の育成を目指しています。

•振り返りができる人―自分自身の長所や限界を理解し、目標を定め、自己成長の

ための計画を立てる人

•意欲的に挑戦し、前向きに新たな役割に取り組む人

•コミュニティーの一員として、相互に、また環境に対して責任を負うことを認識し

ている人

•持続的で、協働的なプロジェクトに積極的に参加する人

•バランスのとれた人―知的、身体的、創造的、情緒的経験を伴うさまざまな活動

を楽しみ、意味を見いだせる人

学習成果CASでの学習成果は、数値化しないため、成績評価の対象としていません。各生徒が

CASを「完了」したかどうかの判断は、単に「成果を収めることができたか」により

ます。

生徒は、「振り返り」を含め、CASでの体験全体を通じて、以下の成果を収めたことを

証エビデンス

拠を挙げて示す必要があります。

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はじめに

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 7

• 自分自身の長所と今後の成長分野についての認識を高めた。活動を通じて、生徒は自分自身について、多様なスキルや能力をさまざまなレベル

で備えた個人であると認識し、今後どのように進みたいかについての選択は自分自

身に委ねられていることを理解します。

• 新しいことに挑戦した。

新しい挑戦とは、それまでに取り組んだことのない活動である場合も、すでに行っ

た活動の延長である場合もあります。

• 活動を計画、開始した。

活動を計画したり開始したりすることは、多くの場合、他者との協力の下に行われ

ます。活動は、例えば、地域社会で行われる学校の既存の活動のように、大きなプ

ロジェクトの一部である場合もあれば、生徒が主導する小さな活動である場合もあ

ります。

• 他の人と協働した。

チームスポーツやバンドでの音楽演奏、幼稚園での手伝いなど、さまざまな異なる

活動を指します。他の人と協働する場合、「創造性」、「活動」、「奉仕」のうち2つ

以上の要素を統合したプロジェクトを最低1つ行うことが要件となっています。

• 粘り強さと活動への深い関わりを示した。

少なくとも、活動に定期的に参加し、活動中に生じた問題に対して責任感をもつこ

とを意味します。

• グローバルな重要性のある問題に取り組んだ。

国際的なプロジェクトに生徒が関わる場合もありますが、地域または国内で活動で

きるグローバルな問題も多くあります(例えば、環境問題や高齢者介護など)。

• 活動の倫理的な意味を考察した。

倫理的な判断は、CASのほとんどすべての活動において生じます(例えば、他の

人と奉仕活動をしている時、運動場での活動、作曲中など)。ジャーナル(記録日

誌)への記入や、CASアドバイザーとの会話など、倫理的問題について考察して

いる証エビデンス

拠を示す方法にはさまざまなものがあります。

• 新しいスキルを身につけた。

新しいことに挑戦するとき、これまでに取り組んだことのない活動の中で、あるい

は、すでにスキルを習得した活動の中で、新しいスキルを身につけることがあるか

もしれません。

CASを完了するためには、生徒は、上記の8つのすべてについて成果を収めたことを示

さなければなりません。多様な活動の中で繰り返し示される成果もあるかもしれません。

CASの完了には、各成果について何らかの証エビデンス

拠があれば要件を満たします。

この学習成果は、CASの活動の質(生徒の成長への寄与)が最も重要であるというこ

とを示しています。ガイドラインは、CASの活動に授業期間中に少なくとも週あたり半

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はじめに

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き8

日程度(週に3~4時間)で計 150 時間をあてることとしており、「創造性」、「活動」、「奉

仕」それぞれの適度なバランスを求めています。ただし、活動の「時間数を数える」こと

は推奨していません。

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 9

概要

学校の責任学校は、IB資料『プログラムの基準と実践要綱』に沿って、以下の事項を実施するこ

とが求められます。

•適切かつ多様なCASプログラムの遂行を支援するための適切なリソースやス

タッフを提供すること

•生徒自身が、自分が取り組むCASの活動を選択し、地域社会での活動や国際的な

活動に適切に取り組む機会を与えるようにすること

•生徒が、指導を担当するアドバイザーの教師から適切なフィードバックを受けなが

ら、自分自身のCASの経験を振り返る機会があるようにすること

•保護者がCASプログラムについて十分に説明を受けているようにすること

CASプログラムを成功に導く鍵となるのは、CASコーディネーターです。規模の大き

な学校の場合、生徒が自分自身のCASの体験を最大限に役立てられるよう支援するため

に、CASコーディネーターの指示のもとでチームアプローチを取り入れることが不可欠で

す。中心となるメンバーは、CASコーディネーターとCASアドバイザーで、CASアド

バイザーは各生徒に向けて、個別的なアドバイスと支援を行います。CASアドバイザー

は、通常は教員が務めます。

良いCASプログラムに不可欠な要素

CASプログラムの質を確かなものとするためには、以下の要素が必要となります。

コーディネーション学校におけるCASプログラムの各要素で監督します。これには次のものが含まれます。

•方針の提示と維持

•CASのスタッフに対するリーダーシップの発揮

•CAS活動監督者(スーパーバイザー)への研修

•CASアドバイザーの研修の監督

•スタッフ、保護者、生徒が常にCASについて情報提供されていることの確認

•成果の公表

•生徒の直面するであろう挑戦に対して生徒の準備が整っていることの保証(実際の

準備/適任者による研修)

•IB資料『DP手順ハンドブック』に準拠して行うIBへの生徒の成果の報告

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概要

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き10

管理運営CASプログラムには、規模の大きさにかかわらず、円滑な運営のために支援が必要で

す。そのために以下を行います。

•外部の個人または組織との連絡

•安全性の問題の考慮(リスク評価)

•記録管理

指導/アドバイスCASアドバイザーは次の事項に関わります。

•生徒による自己目標および社会的な目標の設定のサポート

•各生徒が取り組む活動の範囲やバランスのモニタリング

•グループディスカッションや個別相談を通じた生徒の「振り返り」の力の育成

•生徒の倫理的な考察の育成

•ジャーナルや記録の確認とコメント

•生徒がCASの活動と教科学習、地域の活動とグローバルな問題などを関連づけ、

普遍化するプロセスでのサポート

監督活動スーパーバイザーの責任は、以下を含みます。

•出欠の確認

•活動に関連したガイダンスや支援の提供

•あらゆる問題に関するCASコーディネーター、学校管理職、またはCASアドバ

イザーへの注意の喚起

•必要に応じて、生徒のパフォーマンスに関する報告

生徒の責任IB資料『プログラムの基準と実践要綱』の関連する章で、生徒は、自分自身が取り組

むCASの活動を選択し、地域社会での活動や国際的な活動に適切に取り組む機会をもつ

べきであると述べられています。これは、生徒が可能な限り独自のCAS活動を「自分の

ものとする」べきであることを意味しています。アドバイザーなどからの指導を通じて、

生徒は自分自身で活動を選択し、適切な場合には、新たな活動を開始することが推奨され

ています。

生徒には、以下の事項を実施することが要求されます。

•CASの体験の最初の段階において自己点検し、CASプログラムを通じて何を達

成したいか、自分自身の目標を設定すること

•「計画」「行動」「振り返り」を実施すること(活動を計画、実行し、学習したこと

を振り返る)

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概要

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 11

•CASアドバイザーと中間確認を最低1回と、最終面談を行うこと

•多岐にわたる活動に参加すること。自らが開始したプロジェクトを最低1つ含む

こと

•取り組んだ主な活動のリストとともに活動とその成果を記録すること

•8つのCASの学習成果を達成した証エビデンス

拠を示すこと

評価評価のうち最も重要なのは、生徒による自己評価という点です。

学校は、進捗状況について定期的にフィードバックを行い、その後の活動などについて

生徒を指導しなければなりません。また、学校はCASの完了についての最終判断をし、

IBの地域事務局に報告します。生徒のCASでのパフォーマンスに関する評価は、これ

以外には行われません。

IBの地域事務局は、体系的に学校のCASプログラムをモニタリングし、学校に

フィードバックを提供します。

評価についてのより詳細な情報は、本資料の「振り返り・記録・報告」で述べられてい

ます。

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き12

詳細

体験的な学習DPの科目では、体験的な学習の度合いはそれぞれ異なります。一方、体験的な学習は、

CASの核となるものです。

図1は、体験的な学習が単なる活動以上のものであることを示しています。「計画」「行

動」「観察」「振り返り」は、いずれも体験をより意味あるものとするために不可欠です。

体験的な学習活動のサイクル

図1

計画

・目標を設定する・過去の経験や知識を用いて「どのように」行うかを決定する

行動

・実際の課題・具体的な体験

観察

・感情や相互関係について考える・感じたことを分析する

振り返り

・達成したことと未解決の問題、自分の長所と次の課題を明らかにする・行動を評価する・新たな理解を取り入れる

学習したことを新たな状況に活用する

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詳細

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 13

体験的な学習については、豊富な文献が存在します。図1はデービッド・A・コルブの

「経験学習サイクル」やその考えを引き継いだ研究者らによって開発されたモデルと比較す

ることができるでしょう(Kolb 1984、Chapman 2005)。コルブの「仕事の定義」は役立ち

ます。コルブは定義の中で、経験が学習そのものを保証するわけではないことを強調して

います。

(経験)学習とは、さまざまな経験を通じて知識がつくられるプロセスで

ある。

コルブ(Kolb 1984)

体験的な学習活動は、生徒が以下を身につける点で役立ちます。

•教科学習や、社会的スキル、個人スキルを実生活の状況において活用すること

•具体的な利益を自分自身や他者にもたらすこと

•状況を変えるにあたって自分自身の力量を把握すること

•頭で考えるだけでなく、現実的な結果をもたらす決断をすること

•問題解決のためのスキルを身につけること

•自分自身の行動に対する責任感と説明責任の感覚を身につけること

振り返り・記録・報告「振り返り」を身につけるためには、「振り返り」の方法を学ぶ必要があります。自然に

身につくものではありません。批評家が芸術や文学作品に対して行う種類の「振り返り」

が、時間や経験とともに発達するものであるのと同じように、CASにおける適切な「振

り返り」には、指導と実践が必要となります。

基本はシンプルです。どのような活動においても、次の点を問いかけます。

•何を計画したか。

•何を実施したか。

•自分、一緒に活動したチーム、他の人にとってどのような成果があったか。

難しいのは、複雑な回答があり得ることです。

「振り返り」の種類

人によって「振り返り」の方法は異なります。振り返りには、以下の形があります。

•公的、または私的な形

•個人的、または他の人と分かち合う形

•客観的、または主観的な形

例えば、CASのグループでのプロジェクトにおいて、計画段階が大部分において公開さ

れている場合、それについての「振り返り」もまた大部分において公開され、共有され、

客観的なものになり得ます。「大部分において」というのは、(活動に参加し、他者とは違

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詳細

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き14

う個人的な経験をした)生徒にとっては、プロセスがどれだけ満足いくものであったかと

いう点について、独自の見方があり得るからです。

プロジェクトの実施は、公的でありながら私的な要素もあり、個別的かつ共有的であり、

客観的かつ主観的であることが多いといえます。

プロジェクトや他の活動を通じて得られる成果についても同様のことがいえます。活動

全体としては客観的な成功や限界があるかもしれませんが、チームや各個人にとって、活

動がそれぞれどのような意味をもつかは多様であり得ます。

生徒によっては、「記述」は最適な「振り返り」の手段です。また、ある種の「振り返

り」(私的、個別的、主観的など)についても、記述は最適です。一方で、生徒の多くは、

振り返りの記述を難しく感じるかもしれません。「振り返り」の仕上げ、または、記述の前

段階として、公開度が高く、あまりデリケートでないテーマについてのディスカッション

を口頭で行うことを通じて、ある程度の「見本」を示すことができます。

しかし、記述は決して唯一の「振り返り」の成果ではありません。生徒は口頭で他の生徒

や保護者、外部の人々に対して活動を発表することができます。スクラップブック、写真

エッセイ、ビデオやDVD、ブログなどを作成することもできます。ジャーナルを使った

り、さまざまなポートフォリオをつくることもできます。あるいは、単に自分だけで「振

り返り」をすることもできます。生徒自身のうちにとどめておくことが許されるべききわ

めて個人的なものが、最も重要な学びである場合もあります。

「振り返り」をすること

前述の「何」で始まる疑問から発展して、生徒は体験的な学習に取り組みながら、以下

の点について考えます。自分自身、あるいは他の人のために、活動の各段階(活動前、活

動中、活動後)で必要に応じて考えます。

•どのように感じたか。

•何に気づいたか。

•活動について何を考えたか。

•活動が自分自身にとって何を意味したか。

•活動の価値は何だったか。

•活動から何を学習し、その学習したこと(例えば、ものの見方の変化)をどのよう

に幅広く適用するか。

「振り返り」の方法を身につけるための技術に関するアドバイスしては、さまざまな情報源

が存在しています。中にはCASに適切なものもあります。リードとコリバ(Reed & Koliba

1995)およびバージャー・ケイ(Berger Kaye 2004)は有用なアイデアを述べています。

記録と報告

生徒は自分自身のCASの活動を記録する必要があります。特に体験に関する「振り返

り」を含まなければなりません。前述のとおり、記録はブログ、図示による展示やビデオ、

文章などさまざまな形態をとることができます。その規模は、生徒にとっての活動の重要

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詳細

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 15

性と合致している必要があります。CASの記録を早い段階からつけるように生徒に奨励

することは重要ですが、日常的な体験について長々と書くことは薦めません。

実質的な観客や目的が存在する場合には、記録や報告が最も価値あるものとなることが

あります。例えば、他の生徒や保護者、そしてさらに地域社会に対して、何を計画し、何

を成し遂げたかを伝える場合などです。

生徒は、少なくともDPの第1年次で2回、第2年次で1回、必要に応じてCASアドバ

イザーと面談しなければなりません。CASアドバイザーは、面談で生徒の進捗について

話し合い、生徒に適切な励ましやアドバイスを与えます。面談の内容は、シンプルな形式

の「CAS進捗フォーム」に簡潔に記録される必要があります。何か懸念が生じた場合、

特にCASの要件を満たすことができるかに関わる場合は、これをきちんと把握し、でき

るだけ早い段階で適切な措置をとる必要があります。

学校は、各生徒がCASを完了したかどうかの判断を記録し、各学習成果の証エビデンス

拠を記載

します。IB資料『DP手順ハンドブック』に明記されているとおり、学校は、この判断

をIBの地域事務局に報告します。

定期モニタリングの一環として、学校が生徒のCASの記録をIBの地域事務局に提出

することが求められた場合には、次の記録が必要となります。

•「CAS進捗フォーム」(本資料「付録」の見本Aを参照)

•「CAS完了フォーム」(本資料「付録」の見本Bを参照)

•生徒の進行中の記録のサンプル(最多で 10 ページ)。例えば、ジャーナルのコピー

や電子ログの印刷などをサンプルのページとすることができます。サンプルには、

取り組んでいる主要な活動のリストと、「計画」および「振り返り」の証エビデンス

拠が示さ

れている必要があります。何が、なぜ、どのようにして起こり、その価値は何で、

そこから生徒が何を学んだかについて、読む人がわかるようなものである必要があ

ります。

学校は、提出したサンプルに関する質問があった場合に備え、他のサンプルを5月 31 日

まで(最終試験を5月に実施する学校の場合)、または 11 月 30 日まで(同 11 月に実施す

る学校の場合)保管しておくべきです。定期モニタリング、またはIBが認定後5年ごと

に実施する公式の評価プロセスの一部として、地域事務局が個人の生徒の記録一式を見る

ことを要求する場合もあります。

活動の範囲と多様性生徒が取り組むCASの活動の中には、自らが自主的に始めたものが含まれていなけれ

ばなりません。その他のCASの活動は学校によって開始されたものであってもかまいま

せん。

活動によって生徒に要求される活動期間や関わりの度合いは異なりますが、つまらない

もの(trivial)であってはなりません。学校によっては、「創造性」や「活動」の要素を組

み込んだ、チャレンジに満ちた「奉仕」の活動の機会を提供するため、地域の組織と継続

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詳細

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き16

的な関係を築いています。一方で、大規模な計画や資金集めを要する集中的で単発の大規

模な活動を実施する学校もあります(遠征や旅行を伴う活動、建設プロジェクトなど)。

OCCは、規模の大小にかかわらずさまざまなCASの活動例を探すのに適しています。

この大規模なウェブサイトを訪れることで、それぞれの学校が自校のもつ制約や機会に合

わせてどのようにCASプログラムをつくり上げているかを知ることができます。

CASのねらいは、DPの期間における生徒の経験を広げることです。したがって、

DPの各科目や、「知の理論」(TOK)、「課題論文」(EE)の学習の一部をCASの活

動として数えることはできません。例えば、DP科目の「音楽」や「ダンス」を履修して

いる生徒による日常の練習などはCASに含まれません。一方、生徒がCASのガイドラ

インに沿った活動に取り組む場合(例えば、CASの学習成果を収めることができたり、

生徒の意志で始めた活動や選択を含む活動であったりする場合)、その活動が国家資格や

その他の賞などの要件を満たすからといって、CASの活動として数えることの妨げとは

なりません。CASは、生徒が総合的にバランスのとれた充実した体験をすることを主眼

としています。CASは、すでに非常に厳しい学習スケジュールに参加している生徒に過

大な要求をするものであってはなりません。

プロジェクト・テーマ・コンセプト

生徒は、チームワークを要し、「創造性」、「活動」、「奉仕」のうち2つ以上の要素を統合

したプロジェクトに少なくとも1つ参加しなければなりません。プロジェクトは、一定の

期間にわたるものである必要があります。このような大規模な活動は、生徒が「グローバ

ルな重要性のある問題」に取り組むための絶好の機会となります。IBは、時として学校

が支援すべき大きなテーマを定めることがあります(最初に掲げたテーマは「ヒューマニ

ティーの共有」でした)。テーマは、「IBの使命」に沿ったものです。テーマを通じて活

動に文脈を与えることで、生徒は「グローバルに考え、ローカルに行動する」というモッ

トーの行動原則に基づき、「振り返り」の中でテーマをより幅広く一般化することができる

ようになります。

テーマやコンセプトを構築する情報源となり得るその他のリソースには、「国連ミレニア

ム開発目標」(www.un.org/milleniumgoals/)や、さまざまなグローバルな課題を取り扱ったウェ

ブサイトがあります(検索エンジンに「グローバルな課題」と入力してください)。テーマ

やコンセプトの策定について学校は助言を求めてもかまいません。どのインターネットの

情報源もそうですが、評価が高く、信頼を置けるものと、そうでないものがあります。ま

た、多くの学校がJ・F・リシャールの著作『問題はグローバル化ではないのだよ、愚か

者―人類が直面する 20 の問題』(Rischard 2002 を参照)に触発されています。

創造性

創造的活動は、明確な目標または成果を伴う必要があります。CASのすべての活動と

同様、計画され、評価されなければなりません。これは、例えば、生徒が熱心な楽器演奏

者である場合などは、難しいことかもしれません。生徒にとって、楽しみであり、情熱の

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 17

対象であるものがCASでの体験として認められないのは不自然でしょう。では、どのよ

うにCASの学習成果を達成することができるのでしょうか。本資料の「『創造性・活動・

奉仕』(CAS)の学習」で記した2番目の原則「個人的な挑戦」を参照してください。

CASの課題は、生徒を成長させ、かつそれが達成可能なものである必要があります。

もしかしたら、楽器演奏者は観客の前で演奏するために、特に難しい曲や、難しい演奏

方法を学ぶかもしれません。資金集めのための活動で演奏したり、実演をしながら小さい

子どもたちに音楽についての話をする場合もあるでしょう。適切なCASの活動とは、よ

り多く練習する、学校のバンドでより多く演奏会をするなど、ただの「同じことの繰り返

し」ではありません。例えば、前述のようにDP科目の「音楽」や「ダンス」の科目を履

修している生徒が日々練習することはCASの活動に含まれません。ただし、DPの課題

(コースワーク)以外で参加する音楽やダンス、芸術活動を排除するものではありません。

活動

「活動」についても、同様の考えが適用されます。優れた運動選手は、CASのための身

体活動に参加するために、自分が関わっているスポーツのトレーニングや練習を中断する

ことはないでしょう。一方、スポーツにおけるコーチングの近代的なアプローチでは、「反

省的実践家」(reflective practitioner)であることを強調しているため、コーチは生徒に有益

な形で、適切なCASの原則や実践をスケジュールに組み込むことが可能です。目標を定

め、計画し、自分自身の成果を振り返ることはきわめて重要です。生徒のスキルや知識を

他の者に伝えるよう求めるなどして、生徒をより「成長させる」ことができるかもしれま

せん。もし生徒が取り組んでいるスポーツが完全な個人種目である場合、別の楽しみや喜

びを経験するためにチーム種目を試してみるとよいかもしれません。

優れた「活動」の中には競技や競争ではなく、高い忍耐力(長距離トレッキングなど)や

個人的な恐怖の克服(ロッククライミングなど)が求められる身体的挑戦も含まれます。

学校はこのような活動におけるリスクを慎重に評価することが重要です。

あるいは、「プロジェクト・テーマ・コンセプト」の項で説明されているプロジェクトに

おける、奉仕活動の一環として行われる身体を使った作業を「活動」とすることもできる

かもしれません。

混乱を避けるために、CASで使用する「活動」(action)という用語はIBの初等教育プ

ログラム(PYP)のものとは異なることを記しておきます。PYPでの「行動」(action)

とは、学習についての理念の一部を構成する強力なコンセプトです(IB資料(英語版)

『Making the PYP happen: A Curriculum framework for international primary education(PYPの

つくり方:初等教育のための国際教育カリキュラムの枠組み)』を参照)。一方、CASでは、身体

的活動に特定されています。

奉仕

奉仕活動が、生徒の学習に有益であることが重要です。そうでなければ体験的な学習と

はならず(したがってCASとはいえません)、生徒の時間を使う意義がありません。平

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き18

凡で繰り返しの多い活動や、実際の責任の伴わない「奉仕」は除外されます。生徒の人格

を豊かにするという学習上の利益は、奉仕が無償で自発的であるという要件と相反するも

のではありません。

本資料の「『創造性・活動・奉仕』(CAS)の学習」で示した一般原則「(奉仕活動に関

わる)すべての関係者の権利、尊厳、自律性を尊重」するとは、奉仕活動のニーズを確認

するために、関係するコミュニティーまたは個人との事前のコミュニケーションや十分な

相談が特に必要であることを意味しています。この相互的な交流に基づくアプローチは、

奉仕を受ける側の人の潜在的利益も、生徒の学習の機会も増大させます。

このような事前のコミュニケーションや相談は、直接、生徒自身が行うのが理想的です。

それが不可能な場合は、学校は、非政府組織(NGO)などの適切なパートナーや仲介者

とともに活動する必要があります。学校は、個人やコミュニティーに提供される奉仕が適

切であることを保証するとともに、生徒が自分自身の行う人間的な活動の重大さを理解す

るように最大限の努力をしなければなりません。

サービスラーニング

「サービスラーニング」(奉仕活動を通じた学習)とは、多くの国で用いられる用語で、コ

ミュニティーへの奉仕活動を教室外での学習と組み合わせたものを指しています。この概

念はすでにMYPの「相互作用のエリア」の「コミュニティーと奉仕活動」の分野で確立

されており、教師は教科での学びを拡張して展開するのに適した奉仕活動を計画すること

が求められます。DPでは、教科学習と結びついた奉仕活動の機会があります。教科学習

と結びついた奉仕活動の力についての重要な研究もあります(概要についてはFurco 2003

を参照)。研究では、サービスラーニングとは、以下のようなものであるとされています。

•生徒の挑戦する意欲を高めるもの

•メタ学習(学ぶことを学ぶ)を促進するもの

•生徒のコミュニケーションおよび関係構築の能力を高めるもの

•さまざまな異なる学習スタイルを支えるもの

•すべての生徒が物事をやり遂げ、達成感をもつもの

一方で、次の2つの点を考慮する必要があります。

•CASの活動は、科目の課題と同一であってはならない。同一の課題を科目や「課

題論文」(EE)と、CASの両方を満たすものと見なすことは不正行為となる。

•教師ではなく生徒が活動を開始することが望ましい。DPでは、生徒に対して自律

性と成長の度合いを高めることを大きく期待している。

政治的活動

IBは、生徒が教育的経験の一部として政治的活動に参加することが適切か否かについ

ての特定の見解をもっていません。文化的背景によって意見は異なるため、地域または学

校レベルでの決定事項としています。

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詳細

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 19

一方、そのような活動が地域で許可されても、CASとして認められるかどうかは別の

問題です。これについては次の事項を考慮する必要があるでしょう。

•地域の状況に照らし、活動が安全で信頼できるものであるか。

•社会的格差をもたらすもの、または社会的格差を拡大する活動であるか。

•参加する生徒の学習機会がどこにあるか。

宗教的活動

政治的活動と同様の考えを適用しています。例えば、学校のカリキュラムで宗教行事を

行うことは違法である地域がある一方、義務である地域もあります。

困難でデリケートな分野ですが、原則として、宗教的儀式や布教活動と解釈され得る活

動はCASとして見なされません。

CASの活動の原則を導く理念は、生徒の経験を広げ、異なる社会的および文化的背景

をもつ人々を理解するように促し、明確な目標をもつ、ということです。これらの規準に

あてはまる場合、地域社会において宗教グループが実施した活動で、目的が明確に非宗教

的である場合はCASとして認められるかもしれません。また、別の重要な問題として、

生徒が自分自身で選択し、イニシアチブを発揮することができるかという点があります。

対照的に、奉仕活動(非宗教的なものであっても)が、完全に宗教的なコミュニティーの

内部で行われるものであれば、規準を最大に適用した場合でも、CASの目標および学習

成果の一部しか満たすことができません。そして、生徒の他の活動からの証エビデンス

拠によって必

須の成果がすべて収められていることを示す必要が出てきます。

CASアドバイザーはこの分野での難しい疑問に直面した場合、生徒が提案する活動が

CASのどの学習成果にあてはまり、CASの要件を満たすためにどのように学習成果を

強化していくのかについて生徒に質問すると良いでしょう。宗教的活動は、生徒にとって

宗教的なコミュニティーの一員として非常に価値あるものかもしれませんが、体験的な学

習という面では、あまり貢献するものではありません。

CASプログラムの開発このセクションでは、CASプログラムの計画および導入のプロセスについて、特に新任

のCASコーディネーターや新しい学校を対象に説明していきます。また、すでにCASプ

ログラムを実施しているものの、プログラムをより発展させたいと望んでいる学校が参照

する場合にも役立ちます。

学校で良いCASプログラムを構築するのには、時間がかかります。適切なパートナー

とつながりを築くことは短時間でできるものではありません。同様に、年を経て、経験を

重ねるにつれ、価値が薄れてくる活動もある一方で、生徒のイニシアチブにより新しい可

能性が浮かび上がってくる場合もあります。

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詳細

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き20

開始

ステップ1CASコーディネーターは、IB資料『DP手順ハンドブック』の最新版を参照し、モニ

タリングおよび報告の要件を満たしていることを確認する必要があります(例えば、地域

事務局に提出すべき書類など)。CASコーディネーターは学校管理職と相談して、CAS

プログラムが始まる前に十分なリソースが利用できることを確認しなければなりません。

運営に関するリソース学校がDPの認定を受けるには、学校コミュニティーの全員がCASに力を尽くすこと

を示すことが条件になります。

したがって学校は、CASプログラムを成功裏に運営するための予算や、時間、人員、リ

ソースを必ず提供しなければなりません。予算とリソースの範囲は、生徒数や地域の状況

など、各校の状況によって異なります。しかし、CASは常にDPの中心にあり、その構

築およびリソースの確保は、決して単に生徒任せであってはなりません。例えば、CAS

に割りあてるべき学校予算のために生徒に資金調達をさせることは適切ではありません。

人的資源CASアドバイザー:個別のアドバイスや支援を生徒に提供するために十分な数のアド

バイザーを必ず確保しなければなりません。

スタッフとパートナー:教師は特定の科目の専門家としてしか見られていないことが多

いものです。しかし実際には、学校の教職員は誰でもその他の能力も兼ね備えており、

CASの活動にすばらしい貢献をすることができます。コミュニティーや環境の活動を見

いだし、モニタリングするのを支援する補助スタッフも非常に有益です。学校に協力する

パートナーにCASへの参加を促すことも可能です。

生徒:多くの生徒は、音楽、芸術、演劇、スポーツなどの分野ですでにかなりのスキル

を習得しています。このようなスキルや専門性をもった生徒は、他の生徒とともに、校内

や、校外の地域社会との活動を導き、価値ある貢献をすることができます。

保護者:保護者もまた、多岐にわたる職業や興味をもっており、CASの活動にとって

非常に有益な人的資源となり得ます。保護者は多くの場合、さまざまなCASの試みを支

援することに非常に興味をもっており、定期的に活動を導くこともあります。

校内のリソース学校にはプールや競技場、体育館、講堂、遊技場、美術室、音楽スタジオ、語学ラボ、

コンピュータールーム、技術作業場など、CASの活動に理想的なさまざまな場所があり

ます。生徒が使用するこうした施設は、地域社会に開放し、共有することで、地域の子ど

もたちや大人を学校のキャンパスに呼び込む方法として、とても魅力的となり得ます。

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 21

教室や、実験室、作業場なども、特にサービスラーニングの機会がある場合には、CAS

をサポートする場になります。

校外のリソース地域社会などでは、CASの定期的な活動や大規模プロジェクトのサポートとなり得る、

信頼のできるさまざまな機関を見つけることができます。学校は外部機関との綿密な連絡

を維持し、生徒がCASの要件を満たせるようにすべきです。こうした外部機関には以下

のようなものがあります。

•社会福祉団体、公共医療施設、政府機関

•大使館や領事館

•奉仕団体(例えば、高齢者などの特定のグループを支援する組織)

•環境グループ

•若者グループ、スポーツクラブ、演劇や音楽、芸術関連のグループ

•多国籍あるいは地域の商業活動や産業活動(経済的援助の取り組みの一環として、

銀行や保険会社が奉仕活動に資金提供の用意をする可能性がある)

•「アムネスティ・インターナショナル」、「赤新月社」、「赤十字」、若年層の社会活動

を促進する制度「エディンバラ公賞」、YMCA、YWCA、住宅支援を行う「ハ

ビタット・フォー・ヒューマニティ」などの国際的な組織

生徒のCASの活動が地域や全国的な報道で取り上げられることは非常に良いことで

す。地域社会への絶好の広報となると同時に、学校にも良い影響を与えます。他の組織な

どが、学校のCASプログラムに新しい活動を提案することを促すかもしれません。

CASは生徒にさまざまな異なる背景での多岐にわたるプロジェクトに参加するよう強

調しています。そのため、プログラム全体が1つの機関のみとの協力関係によって成り立

つのは適切ではありません。

ステップ2CASコーディネーターは、生徒が以下の資料にアクセスできるようにしなければなり

ません。

•『「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き』、特に「生徒の責任」のセクション

•地域特有の要件(法的問題、安全性など)を含む学校内でのCASに関連する体制

の詳細

•「記録」および「振り返り」に関する学校の要件および助言

ステップ3CASコーディネーターは、学校管理職がCASチームに年間を通じてDPの生徒と連

絡をとるための時間を十分に確保していることを確認しなければなりません。具体的には、

少なくとも以下の事項を実施するための時間が必要です。

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き22

•DPを履修しようとする生徒全員とのミーティングをプログラム開始の前年に1

回(DP開始年次に多数の生徒が入学する場合には、このミーティングを遅らせる

か、何度か繰り返す)

•DPの第1週に全生徒とのミーティングを1回

•DPの2年間にわたり、生徒との個人およびグループでの定期的かつ十分な面談

ステップ4CASコーディネーターは、DPの2年間にわたり生徒の進捗をモニタリングする体制

を必ず整えなければなりません。生徒がCAS活動を「自分のものとする」べきという原則

から、生徒自身が無責任で信頼するに値しないことを示したのでなければ、生徒を自分で

決めたことを成し遂げられるものとして信頼するべきです。しかし、生徒の中には自身の

活動の進行に困難を来したり、厄介な状況の中で成し遂げることが難しい者もあります。

CASアドバイザーやCASコーディネーターは問題に気づいた場合にしか、援助し応援

することができません。

そのため、モニタリングのプロセスには以下の事項が含まれなければなりません。

•活動とそれに関する「振り返り」を含んだ生徒のCASの記録(ジャーナルまたは

ブログ)を定期的にモニタリングすること

•少なくとも第1年次に2回、第2年次に1回、CASアドバイザーと生徒との面談

を行うこと

•活動スーパーバイザーは、教員または学校コミュニティーの関係者ではない場合も

あるので、無断欠席など、何か問題があった場合に報告するように手配すること

ステップ5学校は、CASの完了に際し、全生徒にCASの成果の記録を渡す必要があります。必

須ではありませんが、「CAS進捗フォーム」および「CAS完了フォーム」のコピーを個

人のジャーナルなどに添えることができます。

ステップ6学校は必要に応じてCASプログラムを点検し、成功した活動や他の機関との連携を祝

う一方で、強化すべき分野や、新しいものに入れ替える必要のある「古く」なった活動(も

はや生徒に適切な挑戦や学習機会を提供しないような活動)を見つけるようにします。

CASプログラムの強化と発展

この項では、校内での既存のCASプログラムの発展のためのアイデアを提供します。

ステップ1学校は、プログラムをモニタリングしているCASアドバイザーチームが、次の事項に

取り組むようにします。

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詳細

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 23

•CASプログラムの目的を理解していること

•生徒への定期的なアクセスがあること

•「振り返り」を促し、その方法を教えられること

•学校が実施している記録のシステムを理解していること

ステップ2学校は、地域社会およびさらに離れた場所での活動提供者の幅を広げます。

学校は、校内で活動提供者や生徒自身によるプレゼンテーションを奨励します(「振り返

り・記録・報告」を参照)。

ステップ3学校は、各科目とCASプログラムの関連性を築くなどにより、校内でのCASの認識

を高める方法を模索します。

ステップ4学校は、プロジェクトのための国際的な接点を作るようにします。1つの可能性として、

IBワールドスクール(IB認定校)が相互に他の地域や国の学校や組織と連携して、プロ

ジェクトを推進することが挙げられます。プロジェクトを進めるにあたって、例えばIB

の学校間ネットワークを通じて連携することができます。OCCでもアイデアや連絡先を

得ることができます。長期間にわたる安定したプロジェクトへと導く持続的な関係が、お

そらく関係者にとって最も実りあるものでしょう。

いかなる国際的プロジェクトにおいても、以下の事項を確実にすることが重要です。

•実際のニーズがあること。ニーズは、プロジェクトのサービスの受け手となり得る

人びとによって明言されたものであること

•プロジェクトのサービスの受け手となる人びとと良好な接点のある、誠実で信頼で

きる人が地域の連絡係としていること

•どの程度生徒がプロジェクトに関わることが可能かに関する理解があること

•プロジェクトに関して学校管理職の承認を得ていること

•全関係者にとっての利益を含め、プロジェクトの成功または失敗に関する十分な評

価がなされていること

「特別な教育的ニーズ」のある生徒生徒によってはCASの活動で、ある種の問題に直面することもあります。問題が長期的

なもので、科目の最終試験や評価課題への影響がある場合には、学校は適切な手段をもっ

てIBカーディフ事務局に連絡してください。CASの参加のみに影響があるような身体

的、医学的、精神的状況に関しては、学校は地域事務局にアドバイスを求めるようにして

ください。

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詳細

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き24

このような状況での原則は、生徒が「何をできるか」に焦点を置くことで、「何ができな

いか」ではありません。学校は、余暇や楽しみを含んだ生徒の将来の生活を決定するのにき

わめて重要な役割を果たすことを覚えておかなければなりません。CASの活動を通して

培った興味や関心は、すべての生徒の将来の幸福に寄与し得るのです。身体的損傷や障害

をもつ生徒は、彼らに適した活動に取り組むことが非常に重要です。体操や治療がCAS

の活動として含まれるかもしれません。精神的なトラウマのある生徒は、自信を再構築す

るために適切な援助が必要です。CASの活動において生徒が直面する課題は注意深く扱

われるべきですが、CASの全要素へ何らかの形で参加をすることは、たいていの場合に

おいて適切なことです。

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「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 25

付録

用語解説

アドバイザーAdviser

本資料において「CASアドバイザー」とは、生徒にCASプログ

ラムに関連する個別的なアドバイスや支援を提供する者を指しま

す。CASアドバイザーは、通常、教員が担当します。多くの学校

では「担任」が務めています。

協働するCollaborative

「協コラボレーション

働する」という概念には、他の人との協力が含まれます。大規

模なものである必要はなく、また長期間にわたり維持される必要

もありません。

コミュニティーCommunity/communities

生徒は、複数の異なるコミュニティーの一員となります(学校コ

ミュニティー、地域社会、民族的・宗教的グループなど)。CAS

活動の中には特定のコミュニティー内での奉仕活動が適切なもの

もありますが、生徒の経験を広げるためには、可能な場合には、他

のコミュニティーからの人も含むべきであるとされています。

文脈Context

活動は、適切な文脈があって初めて意味のあるものになります。生

徒は複数の文脈の中で自分自身の活動を見るよう奨励されます。

例えば、地域的な伝統に根ざした暮らしを送る人里離れた村に住

む人々と活動をする場合、生活の利便性の向上に貢献するという

側面から活動を見ることができます。一方で、加速するグローバル

化の中で、どのように近代的価値と伝統的価値のバランスをとる

のかという世界的な論点から同じ活動を見ることもできます。

コーディネーターCoordinator

十分な支援や時間、リソースをもって、CASプログラム全体の責

任を担う者を指します。

グローバルGlobal

文脈を参照。活動がより広い意味をもつことを認識している場合に

は、参加する活動が地域的なものであっても「グローバルな重要性

をもつ課題に取り組む」という学習成果を収めることができるか

もしれません。

ジャーナル(記録日誌)Journal

生徒は参加したCASの活動を記録し、「振り返り」をすることが

求められます。ブログ、ジャーナル、注釈付写真日記、オーディオ

やビデオ日記など、さまざまな形式が認められます。学習成果を収

めた証エビデンス

拠を提供するために、言葉による説明を含むことが不可欠

です。

ログLog

ジャーナル(記録日誌)を参照。

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付録

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き26

新たな役割、挑戦New roles or challenges

生徒にとって新しいことを意味します。すでに参加している活動

において、より責任の重い役割や拡大した役割を担うこともこれ

に含みます。

新たなスキルNew skills

生徒は時として活動への参加を通じて、新しいスキル(例えば芸術

やスポーツ)を習得します。それは生徒にとってまったく新しいも

のである場合があります。生徒がすでに相当の熟練度を有してい

る分野であっても、はっきりと新しいとわかるスキルを習得する

ことは同様に有効です。

計画Plan

「計画」は、大規模なものでも小規模なものでも認められます。生

徒は、他の生徒とともに大きなプロジェクトの計画に参加するこ

ともできます。例えば、短期的な目標を達成するのための生徒用の

研修プログラムを計画したり、特定の問題を解決するために、奉

仕活動の集まりをどう準備するかを計画したりすることもできま

す。このような「計画」は、いずれも学習成果の要件を満たしま

す。

プロジェクト/統合プロジェクトProject/integrated project

チームワークを要し、「創造性」、「活動」、「奉仕」のうち2つ以上

の要素を統合した、長期間にわたる活動(本資料「プロジェクト・

テーマ・コンセプト」を参照)。問題が発生した場合に、進捗を省

みて計画を調整できるように、長期間にわたる活動であることが

重要です。

持続性Sustained

持続的な活動は、継続的な「振り返り」と「計画」の機会が与えら

れます(プロジェクト/統合プロジェクトを参照)。また生徒が粘り強さと活動への深い関わりを示すことができます。学校が外部組織

と長期間にわたる提携関係を築いている場合には、生徒は特定の

活動に1年以上、ボランティアとして関わることが求められるか

もしれません。他の種類の活動は、もっと短期間の可能性もありま

す。

チームTeam

「CASチーム」とは、CASのコーディネーターとアドバイザー

を指します。管理運営スタッフや活動スーパーバイザーなどは、

CASプログラムの成功に重要ではありますが、中核チームの一

員ではありません。

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付録

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 27

参考文献Berger Kaye, Cathryn. 2004. The Complete Guide to Service Learning. Minneapolis. Free Spirit

Publishing.

Chapman, Alan. 2005. Accessed 23 January 2007. http://www.businessballs.com/

kolblearningstyles.htm. Includes background on Kolb, and several different “learning styles” diagrams.

Furco, Andrew. 2003. “Issues of Definition and Program Diversity in the Study of Service-

Learning”. In Billig SH & Waterman AS (eds). 2003. Studying service-learning: Innovations

in education research methodology. Mahwah, New Jersey. Lawrence Erlbaum Associates. Pp

13–34. Available online at http://www.glenninstitute.org/glenn/scholars_download_paper.

asp?id=4&fileSuffix=pdf.

Kolb, David A. 1984. Experiential Learning: Experience as the Source of Learning and

Development. Englewood Cliffs, New Jersey. Prentice-Hall. Especially chapter 2, “The Process of

Experiential Learning”, and specifically p 38 (definition of experiential learning).

Making the PYP happen: A curriculum framework for international primary education. 2007.

Cardif f, UK. International Baccalaureate Organization.

Peterson, Alec. 2003. Schools Across Frontiers. Second edition. Chicago. Open Court. P 2.

Peterson is describing the convictions of the German educator, Kurt Hahn (1886–1974), a key figure in

the development of experiential education.

Reed, Julie, and Koliba, Christopher. 1995. Facilitating Reflection: A Manual for Leaders and

Educators. Accessed 23 January 2007. http://www.uvm.edu/~dewey/reflection_manual/.

Rischard, JF. 2002. High Noon: Twenty Global Problems, Twenty years to solve them. New York.

Basic Books. The list of problems is on p 66.

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付録

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き28

「進捗フォーム」「完了フォーム」見本

見本A:CAS進捗フォーム

教師が独自のCAS「進捗フォーム」を作成する際の参考にしてください。

生徒氏名:

CASアドバイザー氏名:

活動 日付 署名 コメント(例)

生徒がCAS活動の条件を満たした計画を提出

9月6日 Xは、イニシアチブを発揮した。XのCASプログラムはバランスがとれている。

CASアドバイザーと生徒との最初の面談

9月6日 学校演劇への参加と素晴らしいリーダーシップ。サービスプロジェクトに関する書類はまだ見られない。

CASアドバイザーと生徒との2回目の面談

12 月6日 X が 成 人 障 害 者 の コ ンピュータークラブの活動に参加していると知り、喜ばしいことである。

生徒が「振り返り」の課題を提出

6月7日 提出。非常に興味深いブログ。

CASアドバイザーと生徒との3回目の面談

9月7日 Xが、他の計画を実行しつつ、生徒会でリーダーシップを発揮していることは喜ばしいことである。

生徒が最終の「振り返り」を提出

3月8日 提出。完全に満足のいくものである。

注:より多くのフィードバックおよび詳細なコメントがあることが望ましいですが、負担

とならないようにする必要があります。

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付録

「創造性・活動・奉仕」(CAS)指導の手引き 29

見本B:生徒別CAS完了フォーム

教師が独自の「CAS完了フォーム」を作成する際の参考にしてください。

[生徒の氏名]は以下の事項を行ったことを認めます。

学習成果

達成したか

(P)

活動証拠の種類/場所

(例:ブログ〔日付〕、ジャーナル〔XXページ〕、進捗フォーム〔日付〕)

自分

自身

の長

所と

今後

の成

長分

野に

つい

ての

認識を高めた

新しいことに挑戦した

活動を計画、開始した

他の人と協働した

粘り強さと活動への深い関わりを示し

グローバルな重要性のある問題に取り

組んだ

活動の倫理的な意味を考察した

新しいスキルを身につけた

CASアドバイザー氏名:            CASアドバイザー署名:            日付:       


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