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最も効率的な Salesforce Platform もたらす真のビジネス価値とは IaaS PaaS …

Date post: 16-Oct-2021
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IaaS PaaS クラウド活用の新メソッド 最も効率的な IaaS PaaS の適材適所 Salesforce Platform もたらす真のビジネス価値とは ? 「クラウドファースト」が企業に広く浸透する中、ビジネス変化に応じてシステムの構築に必要 なインフラリソースを速やかに調達できるという、主に IaaS にかかわる利点が一般に強調され る傾向にある。しかし、デジタルビジネスの実践において重要なのは、その上で稼働するアプリ ケーションをスピーディに構築し、稼働させていくためのアジリティの獲得だ。そうした観点か ら有効な選択となるのが、インフラに加えてアプリケーション開発に必要な環境やミドルウェア、 セキュリティ対策などを統合的に提供する PaaS の採用である。本 eBook では、PaaS 導入の メリットと、具体的なアプリケーション構築にかかわるユースケースを紹介する。 環境変化に応じた俊敏なシステム構築を 実現していくカギを握るPaaSの活用 クラウドサービスとは一口に言っても、 その形態としては大きく、メールやグルー プウェア、SFA/CRM などのソフトウェア 機能をサービスとして利用する「SaaS Software as a Service)」、アプリケー ションソフトが稼動するのに必要なハード ウェアや OS などのプラットフォーム一 式をサービスとして利用する「PaaS Platform as a Service)」、そして仮想 サーバーをはじめとした機材やネットワー クなどのインフラをサービスとして利用す る「IaaSInfrastructure as a Service)」 3 つがあることは周知の通りだ。 これらのうち、いわば「クラウド」とイ コールの関係性で語られているのが IaaS である。確かに必要とするインフラリソー スをオンデマンドで調達できる点は IaaS の大きなメリットだ。しかし見方を変えれ ば、IaaS でスピーディに実現できるのは インフラの調達のみであり、その上で稼働 するビジネスアプリケーションそのものを 速やかに構築できるわけではない。 そこで、企業の間で注目が高まっている のが PaaS の活用だ。PaaS では、アプリ ケーションの開発やシステムの稼働に必要 なミドルウェア、セキュリティ対策などが 一式用意されており、企業はサービス契約 後、即座にアプリケーションの開発に着手 し、ビジネス上必要となるサービスのより スピーディな立ち上げを目指すことができ る。あわせて、稼働後のシステムの運用管 理についてもサービスプロバイダーに委ね ることが可能だ。 1
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IaaSPaaS

クラウド活用の新メソッド最も効率的な「IaaS・PaaS」の適材適所

Salesforce Platformがもたらす真のビジネス価値とは?

「クラウドファースト」が企業に広く浸透する中、ビジネス変化に応じてシステムの構築に必要なインフラリソースを速やかに調達できるという、主に IaaSにかかわる利点が一般に強調される傾向にある。しかし、デジタルビジネスの実践において重要なのは、その上で稼働するアプリケーションをスピーディに構築し、稼働させていくためのアジリティの獲得だ。そうした観点から有効な選択となるのが、インフラに加えてアプリケーション開発に必要な環境やミドルウェア、セキュリティ対策などを統合的に提供する PaaSの採用である。本 eBookでは、PaaS導入のメリットと、具体的なアプリケーション構築にかかわるユースケースを紹介する。

環境変化に応じた俊敏なシステム構築を実現していくカギを握るPaaSの活用

 クラウドサービスとは一口に言っても、その形態としては大きく、メールやグループウェア、SFA/CRMなどのソフトウェア機能をサービスとして利用する「SaaS(Software as a Service)」、アプリケーションソフトが稼動するのに必要なハードウェアやOSなどのプラットフォーム一式をサービスとして利用する「PaaS(Platform as a Service)」、そして仮想

サーバーをはじめとした機材やネットワークなどのインフラをサービスとして利用する「IaaS(Infrastructure as a Service)」の3つがあることは周知の通りだ。 これらのうち、いわば「クラウド」とイコールの関係性で語られているのがIaaSである。確かに必要とするインフラリソースをオンデマンドで調達できる点はIaaSの大きなメリットだ。しかし見方を変えれば、IaaSでスピーディに実現できるのはインフラの調達のみであり、その上で稼働するビジネスアプリケーションそのものを

速やかに構築できるわけではない。 そこで、企業の間で注目が高まっているのがPaaSの活用だ。PaaSでは、アプリケーションの開発やシステムの稼働に必要なミドルウェア、セキュリティ対策などが一式用意されており、企業はサービス契約後、即座にアプリケーションの開発に着手し、ビジネス上必要となるサービスのよりスピーディな立ち上げを目指すことができる。あわせて、稼働後のシステムの運用管理についてもサービスプロバイダーに委ねることが可能だ。

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企業のシステム構築・運用に多大なメリットをもたらす

PaaS環境として、Salesforceが提供するのが「Salesforce Platform」だ。もともとS a l e s f o r c e は、 S a l e s C l o u d やService CloudなどのSaaS領域で、企業の営業部門やサポートサービス部門を中心としたクラウド活用支援に先鞭を付けてきたことで知られている。Salesforce PlatformではこれらSaaSを支えている各種の基盤機能をサービスとして提供。企業はそれらを活用して、たとえば会計管理や人事管理、法務など、より広範な部門に向けた多種多様なアプリケーションを速やかに構築していくことができる。そこでは、一般的なアプローチによるアプリケーション開発に比べて70%もの工期短縮が実現可能で、すでに国内企業の多くが採用。クラウドアプリケーション・プラットフォームの国内市場での売上シェアは81.4%を

占めるに至っている。 中でも、Salesforce Platformにおける最大の強みは、Sales CloudやService CloudのCRM基盤とのシームレスな連携が可能であることだ。要するに、Salesforce Platformをベースとしたシステム構築では、企業がすでにSales CloudやService CloudといったSalesforceのサービスで蓄積してきた顧客情報や営業情報を、営業部門やコールセンターなどサポートサービス部門に限らず、より広範な部門の業務に活用していくことが可能となる。そうした意味でSalesforce Platformは、まさに “Extend CRM”を実現する基盤となっている。 特に今日では、ITを活用したイノベーションの創出により、新たなビジネス領域を開拓し、顧客に対してこれまでにない価値の提供を目指す「デジタルビジネス」の展開が、企業にとっての大きなテーマだ。そ

の重要なカギを握るのが、「ビッグデータ活用」というキーワードで示されるような、自社データの全社横断的な活用だ。 とりわけCRMのデータは、企業のあらゆる業務において汎用的に必要とされる、最も有用性の高い情報である。従って、Salesforce Platformにおいて実現される“Extend CRM”は、デジタルビジネスの展開に向けて大きく可能性を拓くものだと

いうことができる。 Salesforceでは、この Salesforce Platformにおいて、企業の「生産性向上」、顧客および従業員との「エンゲージメント強化」、さらには「IoT(Internet of Things)への対応」などの領域に寄与するアプリケーション開発を実現すべく2つのサービスを用意。それが、「Force.com」と「Heroku」である。

Salesforce Platformの特長

“Extend CRM”を実現する基盤がデジタルビジネスの可能性を拓く

Salesforce上でのアプリ開発

従来のアプリ開発︓6-12ヶ月

クラウド活用の新メソッド 最も効率的な「IaaS・PaaS」の適材適所

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まず Force.comについてだが、これはすでに述べたような、

Sales Cloud、Service Cloudの基盤機能を切り出すかたちで開発プラットフォームとして顧客に提供するサービスだ。そこでは、企業内のさまざまな部門、業務で必要とされるビジネスアプリケーションを開発し、運用するためのツールやアプリケーションサービスが統合化されており、モバイルやSNSにも対応するリアルタイム性を備えた次世代のアプリケーションが開発できる。 Force.comではコンポーネントベースによる開発をサポートしており、プラットフォーム側であらかじめ用意している各種サービス機能を提供する部品群をマウス操作で組み合わせながら、最小限のコーディングによって速やかにアプリケーション開発を行うことが可能。開発者に限らず、システム管理者、さらにはビジネスユーザーなど、まさに誰もがフロントエンドのユー

ザーインタフェースやバックエンドのCRMデータベースとの連携などを含むアプリケーション開発を、アジャイルな手法により進めていくことができる。 一方のHerokuだが、Force.comが基本的には社内利用をターゲットとしたアプリケーション開発を支援しているのに対し、こちらはECサイトのような広くコンシューマーの利用に供するアプリケーションや、IoTによりモノとつながるアプリケーションなどの構築に最適化されている。 Heroku自体は、AWS(Amazon Web Services)上から提供されるPaaSとなっており、RubyやNode.jp、Java、PHP、Pythonといったさまざまな言語コードに対応。「Dyno(ダイノ)」と呼ばれるコンテナ型の実行環境でアプリケーションとして動作し、管理者が管理画面上からDynoのインスタンスの数をコントロールすることができ、トランザクションの増減に応じ

たスケーラブルな対応が可能だ。 Herokuでは高信頼のクラウドデータベースに加え、システムのモニタリングからビッグデータ対応、ログ管理、さらにはセキュリティ対策に至る140以上もの拡張機能がアドオンとして提供されており、開発者はそうしたインフラ関連の問題に煩わされることなく、アプリケーション開発に専心できる環境が整っている。 また、Force.com側で管理しているCRMデータベースとの連携をサポートする「Heroku Connect」と呼ばれる仕組みも用意されている。たとえばHerokuで構

築したECサイトでの閲覧履歴データをForce.com側に渡してCRMデータベースを参照しながらその分析を行い、リコメンド情報を作成してECサイトに表示するといった連携なども可能である。 以上のように、Salesforce Platformではシステム構築に必要なリソースをトータルサービスとして提供することで、これまで多くの工数を投入してきた、アプリケーション開発環境の整備から実装、稼働後の運用保守に至るプロセス工数を大幅に圧縮。デジタルビジネスに求められるアジリティの獲得を強力にサポートしている。

Force.comとHerokuの特長

アプリ開発に必要となる各種リソースをトータルに統合化してサービスで提供

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●マウスオーバーで詳細表示

顧客ポートフォリオ管理  最適なタイミングで最適なサービスを提案● 顧客ポートフォリオをスピーディに作成購買履歴からリアルタイムに顧客をカテゴライズ。各セグメントにおける購買客を把握するための顧客ポートフォリオをスピーディに作成。

● 適切な顧客に最適なキャンペーンを展開各セグメントの顧客動向を見据え、セグメントごとの優良顧客を育てていくうえで有効なマーケティング戦略や、キャンペーン企画の立案・実施を支援。

あらゆる業務、あらゆるビジネスの課題を解決

販売管理  販売プロセスを一元管理して業務効率アップ● 販売管理のすべてを一元管理見積から受注、売上、請求、入金に至る、一連の販売プロセスの一元管理を行うための仕組みを容易に構築。

●各種帳票類を簡単に出力販売管理にともなう各種帳票の出力、入金データと請求データの自動消し込みや与信、売掛け、督促などの処理機能などを網羅。

●バブルチャート

●入金消込対象検索

業務別活用例

販売管理やポートフォリオ管理で企業の営業戦略の高度化を支援

業務別活用例 その1営業・マーケティング

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広告枠管理  営業効率のアップとビジネスの拡大をサポート● ビジュアル化と簡単操作で広告枠を適切に管理カレンダー形式の画面で広告枠と提案状況をビジュアル的に管理。ドラッグ&ドロップ操作で広告枠を迅速に確保できる仕組みを提供。

● 管理画面のリアルタイム共有で機会損失を防止広告枠状況をリアルタイムに共有することで、広告枠の予約・キャンセル状況を把握。機会損失を防止し、営業強化、売上拡大を実現。

人事管理  ヒューマンリソースを最大限に活用● 人材採用における応募者情報の一元管理面談から内定までの日程調整や評価登録、ステータス管理、各種連絡のシステム化などを実現する。これにより優秀な人材獲得のプロセスの、きめ細かなサポートが可能。

● 育成と評価を支援することで成長を促す社員に関する360度評価を実現する機能などを組み込むことで、企業活動を支える大切なヒューマンリソースを、採用と育成の両面からのマネージメントを実現。

マーケティング  すべての顧客に1to1カスタマージャーニーを● 横断的なデータの一元管理が可能

Amazon、楽天、Yahoo! など、複数の外部サイトを横断するかたちで顧客データや受注データを一元管理し、出荷、入金、顧客問い合わせなどの業務にも柔軟に対応できる仕組みの構築が可能。

● 1to1マーケティングでリピート客を獲得個々の顧客の購買履歴にもとづくポートフォリオ分析を行い、ポートフォリオに最適化された施策を展開することで、リピート客の獲得に向けたマーケティング戦略を描くことができる。1to1マーケティングによって、最適なタイミングで、最適なサービスを提案。

●広告枠管理画面

●360 度評価結果

単一基盤上での全社的情報共有によりシームレスな部門連携で顧客に対応

業務別活用例 その2人事管理・セミナー運営管理・プロジェクト管理・フィールドサービス

業務別活用例

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業務別活用例

プロジェクト管理  プロジェクトを成功に導く多彩な機能を提供● ガントチャートで進捗状況を可視化ソフトウェア開発、Web制作、機械製造、建築などの現場部門を支える最も汎用的な仕組みとなるプロジェクトについて、各タスクに関する担当者や期日、工数、進捗率などをガントチャートで可視化。

● 問題や課題をリアルタイムに把握プロジェクトの採算性悪化や納期遅延、ヒューマンリソースにかかわる課題などをリアルタイムに把握。バランスのとれた経営資源の割り振りを実現。

セミナー運営管理  運営効率のアップとセミナー品質の向上を実現● セミナー運営を一気通貫でサポート

Web上での内容告知による参加者募集、申込み受付けをはじめ、定員管理、さらには当日の出欠確認や実施後のフォローに至る、一連のセミナー運営業務を一気通貫でサポート。

● 営業活動の効率化を支援営業担当者が参加履歴を参照して、顧客の興味分野に沿ったセミナー・研修の案内を容易に行うなど、効果的な営業活動を展開可能に。

●セミナー詳細画面●ガントチャート画面

●受講票兼請求書

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業務別活用例

人材紹介  豊富な機能でコーディネーターの負担軽減● スタッフと企業のマッチングをサポートコーディネーターがこれまでの経験の中で培ったノウハウを集約し、それに沿って誰もが最適なマッチングを実践できる仕組みを構築。

● 高度なマッチング検索機能で業務負担軽減高度な情報検索機能やメール配信機能、職務経歴書作成機能、セルフ検索機能などを実装した仕組みを整え、派遣コーディネートにかかわる業務のきめ細かなサポートが可能に。

顧客、従業員のエンゲージメント強化に有効なソリューションの実現に貢献

業務別活用例 その3人材紹介・不動産・ブライダルサービス・スクールビジネス

フィールドサービス  外出先からでも最適なサービスを提案● 状況に応じて最適なサービス担当者を派遣保守受付コールセンター、保守営業、サービス担当者などが、それぞれの権限に従って同じ顧客情報を共有。修理依頼内容や顧客のロケーション、訪問希望時間などに合わせて最適なサービス担当者を派遣できる。

● モバイル端末の活用で外出先でのサービスを支援iPadなどのモバイル端末を使用して、画面上で作業検収確認のサインを顧客からもらったり、修理対応で必要となる料金の見積りをその場で示すといったことも可能。現場完結型によるメンテナンス&営業体制の確立にも役立てられる。

●フィールドサービスマン アサイン画面

●人材から仕事を検索 ●検索条件指定画面

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業務別活用例

ブライダルサービス  専用ポータルでCSアップに貢献●専用ポータル構築で顧客満足度が向上新郎新婦向けの専用ポータルを構築して顧客に提供。挙式までの段取りや、席次表、列席者の招待などに関する情報を、カレンダーで確認しながら決定できる。

●プランナーの負担軽減に貢献プランナーとの面談がない日にも顧客自らがポータルを操作して、式に向けた準備を進めていけるため、プランナーの負荷軽減につながり、顧客満足度の向上にも寄与する。

●ウェディングカレンダー ●席次表●物件検索画面

●物件検索画面

スクールビジネス  高度な分析機能でアップセルにつなげる● 簡単・高機能なスケジュール管理生徒の予約やスケジューリングを一元管理。Web上で受講コースの予定を確認しながら、簡単な操作で予約申込みができるような仕組みを実現。

●個別分析でアップセルにつなげる職員が生徒一人ひとりの目標や履修状況をシステム上で把握して、必要に応じてコンサルテーションや個別フォローを行うことで、退学防止はもちろん、上級クラスの履修促進にも効果を発揮する。

不動産  成約数と業務効率が飛躍的に向上● モバイル端末の活用で顧客サービスを向上物件や契約、入居者、家賃などの各種情報を一元管理し、iPadなどのモバイル端末を使って、外出先からでも顧客の要望に合致する物件を検索し、紹介できるシステムを構築。

● 「レインズ」との連携で成約数の増加を図る不動産流通機構「レインズ」と連携する仕組みを組み込めば、自社物件のみならず、同機構のデータベースに登録された、より広範な物件に関する案内を迅速に行うことができ、成約数のアップにつながる。

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 同行において、そうした施策展開を支える重要な駆動力となるのが、IT技術の先進的な活用にほかならない。三菱UFJ銀行では、IT戦略上抱えていたシステム開発に関する課題を、Salesforceの活用により解消していこうとしている。 同行の梅田康吉氏は「システムのEOS(サポート切れ)や更改にともなうコスト負担が増大していたほか、長期にわたる開発プロジェクトも多く、開発中に発生した新たな要件を柔軟に取り込んでいけないという課題も浮上していました」と説明する。また、ROIが測りづらい分野に対する取り組みが、後手に回りがちになってしまうという課題も抱えていた。 コストやスピード、柔軟性などにかかわる課題の解消に向けて検討を重ねた同行では、コーディングを極力減らしてシステムを構築する“LCP(Low-Code Platforms)”というコンセプトを考案。「これは標準的

な機能をカタログ化して、それらをコンポーネントとして組み合わせることで、必要なシステムを構築していこうという手法です」と同行の栗山英樹氏は説明する。

開発費用1/3、開発期間2/3を実現

 三菱UFJ銀行では、このようなアプローチを実践するうえで、PaaS基盤上での開発へとシフトすることが有効であると考え、Salesforce Platformを採用した。 「認証やアクセス制御といったセキュリティ、あるいはワークフローなどの汎用的な各種機能があらかじめ標準実装されており、画面レイアウトも設定ベースで構築できるといった具合に、コンポーネントの組み合わせによるローコーディングを指向するわれわれのカタログ開発に、高度な機動性をもたらしてくれるものと考えました」(梅田氏) Salesforce Platformの導入により、ク

ラウド基盤上に同行の思い描いていたカタロ グ 開 発 環 境 を 整 備。Salesforce Platformに標準で搭載されていない機能についても、App Exchange上に多種多様なサードパーティ製のリソースが公開されており、必要に応じてそれらを利用した。これまでに、行内20,000人のユーザーが利用する大規模システムなども含め、50以上のアプリケーションを開発。その結果、標準仕様、部品の活用が進んでいるシステムにおいては開発費用1/3、開発期間2/3を実現した。 プラットフォームの刷新は、現場の業務プロセス改善、さらには行内の働き方改革という観点でも好影響を及ぼしている。今後同行では、今回構築したプラットフォームを国内のMUFGのグループ企業各社、さらには海外拠点にも展開していきたいとしている。

「持続的なグループの成長に向けた進化・変革」の実現を目指し、「お客さま起点」「グループ起点」「生産性の向上」という3つのテーマを軸に、収益基盤を拡充するためのビジネスモデル変革に取り組む三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)。その中核銀行である三菱UFJ銀行では、多様化・高度化する顧客ニーズに対し、邦銀随一の内外ネットワークと強固な商業銀行基盤、および信託や証券などグループ各社との協働をベースとした総合金融力の強化に向けた戦略を推進している。

[導入事例] 三菱UFJ銀行 様

Salesforceを基盤としたシステム開発で行員の働き方改革に貢献

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 たとえば、銀行口座からクレジットカード、電子マネー、ポイントカード、証券口座までを一元管理できる家計簿アプリ「Moneytree」を提供するマネーツリー株式会社もそうした企業の1つだ。同社では2013年にMoneytreeのサービスをリリース。広範なユーザーからの熱い支持を得て、2017年05月19日時点ではすでに2600種類以上もの金融サービスに対応している。一方、同社ではMoneytreeで扱う各種金融データを、APIを介して既存システムに接続するサービス「MT LINK」の提供も開始。まさに近年の “Fintech躍進の象徴”として反響を呼んでいる。  Moneytreeの開発に着手した創業当時、同社の社員は3名。Moneytreeeは、この少ない人員により1年間という期間で作り上げられた。その際、同社が開発プラットフォームとして選択したのがSalesforce

Platformで提供されるHerokuだった。サービスの核となるフォロワーデータベースの構築などもHeroku Postgresで手軽に行えたほか、必要なセキュリティ対策等のインフラにかかわる作業についても、すべてHerokuに任せることができ、エンジニアが開発作業に専念できた。それが、 最小の人員によって予定通りの短期でMoneytreeの構築を完了させるという、困難な目標達成に大きく貢献している。 サービスリリース後には、ユーザーが2週間で一気に2万人を超えるという想定外の事態にも直面したが、そうしたケースでもHerokuならではの強みにより問題を解消できた。具体的には、利用量の急増に合わせてHeroku Postgresのサーバーリソースを柔軟に増強するといった対応が可能だった。同様に現在の運用においても、たとえば利用量の多い昼食時や給料日にはシ

ステムをスケールアップし、夜中にはスケールダウンするといった方法により、同社ではサーバーコストの最適化を図っている。 Moneytreeのダウンロード数はすでに140万アカウントを突破し、MT LINKの採用企業も27社(2017年8月29日現在)を数えるなど、起業から4年あまりでFintechの代表的企業へと成長を遂げた。その躍進を支えてきたのは、Salesforce Platformの存在にほかならない。 市場環境や顧客ニーズが急激に変化する中で、今日の企業がビジネス上の優位性を獲得していくには、CRMデータの横断的な活用を核に、あらゆる業務において、より高度な付加価値を提供するアプリケーション群を、アジリティをもって構築していくことこそがカギとなる。Salesforce Platformは、まさにそうした要請に応え得る先進の開発プラットフォームだと言えるだろう。

Salesforce Platformの導入により企業は、各部門の業務や業種業態に応じた効果的なソリューションを速やかに構築・運用し、自社のビジネスを強化していくことが可能となる。すでに多くの企業がSalesforce Platformを活用し、そうしたメリットを享受している。

Salesforce は salesforce.com,inc. の米国およびその他の国での登録商標です。またその他サービス名も salesforce.com,inc. の商標または登録商標です。その他各種製品名は、各社の製品名称、商標または登録商標です。© Copyright 2017 salesforce.com, inc.IT0002J_201804

[導入事例] マネーツリー 様

Salesforce Platformの採用でFintechの代表的企業へと成長

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