「塞翁が馬」
施設長 小柳ひとみ
千歳園5階からの風景「朝の始まり」
東日本大震災では多くの尊い命が奪われ、今なお
大勢の方が避難所や仮設住宅で困難な生活を強い
られている。被災された方々には謹んでお見舞いを
申し上げるとともに、一日も早い復興を願うばかり
である。震災復興のためには日本国民が心を一つに
して困難を乗り越えていく以外に道は無い。千歳園
では介護の必要な方の受け入れを登録したがマッチングは無かった。被災地への義援金と紙オムツ
を提供させて頂いた。震災発生から6月までは紙オムツや経管栄養の供給に支障が生じ代替え品に
切り替えて何とか対応した。今私達に出来る事はと職員一同節電節約に心掛けている。薄暗い館内
にも慣れ、階段利用で足腰も鍛えられた。それでも勿論熱中症等、ご高齢な利用者様の体調管理は
第一に考えさせて頂いている。この経験が『塞翁が馬』に出来る事を願っている。来年から大好き
なゴーヤーを見る度に今年の夏を思い出す事だろう。
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第 27 号
(平成23年8月31日発行)
医療法人 仁愛会
介護老人保健施設
千 歳 園
TEL (025)285-7500
FAX (025)283-2812
5階介護主任 真島豊樹
5階は24床(全室個室)です。介護職員10
名、看護職員3名で入所者の皆様が日々大きな口
を開き笑って過ごせるように身の回りのお手伝い
をさせていただいています。
近年、ノロウィルスやインフルエンザなどの強
い感染力を持つウィルスが増え、本来喜ばしいは
ずの外出や外出行事を制限させていただく事が多
くなっています。その為、5階では季節の植物や
職員の旅先での写真などを貼り、見ていただく事
で少しでも季節の移り変わりや外出気分を感じて
いただけるよう取り組んでいます。また冬季には
入所者の皆様に馴染みの深いコタツを和室に置き、
家庭に近い環境でくつろいでいただいています。
今後のケアの方法以外にも日々試行錯誤を繰り
返し、より良い環境作りに励んでいきますのでよ
ろしくお願い致します。
5階
職員のお出かけ日誌
15時のお茶の時間
5階から見た「新潟祭りの花火」
2
松岡トシ様
~ 100 歳を迎えてのご本人のコメント ~
「歳とったねー。あれだね、やっぱし自分で
選んだ訳ではないけれど、それだけの運命
だったんだわねー。」
~ 当時の写真をご覧になって ~
「本当に楽しかった。みーんな覚えてるよー。」
~ ご家族様からのメッセージ ~
明治・大正・昭和・平成と生き抜いてこられた
強い精神力と健康な身体に感謝し、今後も施設
の皆様の力をお借りしながら元気で長生きして
下さい。 家族より (松岡道彦様)
関屋小学校勤務
鏡淵小学校勤務 運動会の風景
←友人と
アメリカ旅行
(下段中央)
お誕生日に
ご家族様から
やまだみつるさんの
似顔絵と花束のプレ
ゼントににっこり
3
理学療法士 山崎 毅
ロコモティブシンドロームとは、日本語で「運動器機能低下症候群」と訳し、骨・関節・筋肉・神経
などの運動器が障害を負い、日常の活動に支障をきたして、寝たきりなどの要介護状態や要介護になる
危険性の高い状態を指します。
高齢化社会を迎えた日本では、骨や筋肉、関節などの運動器の機能が衰え、要介護の状態になる人が
年々増えています。そのような現状を踏まえ、日常的なトレーニングにより、介護予防に努める必要性
が叫ばれ、平成19年に日本整形外科学会が新たに提唱したものです。
ロコモティブシンドローム対策として、次のような7つの「ロコチェック」が考案されています。こ
の中のひとつでも当てはまれば、ロコモティブシンドロームの可能性があるとされています。
7つのロコチェック
(1)片脚立ちで靴下がはけない。
(2)家の中でつまずいたり滑ったりする。
(3)階段を上るのに手すりが必要である。
(4)横断歩道を青信号で渡りきれない。
(5)15分くらい続けて歩けない。
(6)2kg程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である。
(7)家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である。
ロコモティブシンドロームを予防しよう
ロコモティブシンドロームを予防するためのトレーニングは「ロコモーショントレーニング」と呼ば
れています。このトレーニングの目的は、身体を上手に使って、バランス能力や筋力をつけていくこと
で、運動器の障害による病気を予防したり、進行を遅らせたりする事です。ロコモーショントレーニン
グには、次のような方法があります。トレーニングは、無理をせず自分のペースで行ってください。ま
た、治療中の病気がある場合や、体調に不安がある場合は医師に相談してから始めるようにしてくださ
い。
ロコモーショントレーニングは、一度にたくさん行うよりも、無理のない運動量で毎日継続する事が
大切です。また、骨粗鬆症の方や膝痛のある方は、安静にしているよりは、少しずつでも動かしたほう
が進行を防ぐ事ができます。骨はある程度の負荷がかかると骨量を増やそうとする力が働き、骨を支え
る筋肉も強くなって行きます。無理のない運動を是非毎日続けてください。
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開眼片脚立ち
●転倒しないように、必ずつかまるものがある場所で行いましょう。
床に着かない程度に
片足を上げます。
左右 1 分間ずつ、
1 日 3 回行いましょう。
支えが必要な人は、机や手に指をついて行います。
机に両手をついて行います。 指をついただけでもできる人は、
机に指だけをついて行います。
●開眼片脚立ちとスクワット以外にも、いろいろな運動を積極的に行いましょう。
○ストレッチ、関節の曲げ伸ばし、ラジオ体操、ウォーキング、各種スポーツなど
※図は「日本ロコモティブシンドローム研究会」ホームページより転載
スクワット
●安全のために椅子やソファーの前で行いましょう。
●椅子に腰かけるように、お尻をゆっくり下ろします。
●お尻を軽く下ろすところから始めて、膝は曲がっても 90 度を超えないようにします。
●ゆっくりと呼吸するペースで一度に5~6回行い、1日に3度行いましょう。
膝がつま先より前に出な
いようにします。
膝の曲がる向きは、足の
第 2 趾の方向にします。
足は踵から 30 度
くらい外に開きます。
体重が足の裏の
真ん中にかかる
ようにします。
その他のロコトレ
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ノロウィルスは、感染性胃腸炎の原因となるウィルスのひとつです。
強い感染力があり、ウィルス10~100個で感染します(便 1グラム中に10億個存
在する)。
また、アルコール消毒は効果がなく、塩素系消毒が有効です。
入所者様の安全を守り職員全員の職業感染を防ぐために「先手必勝」です。
入所者様がノロウィルスに感染せず安心して生活できるよう私達に出来る事は、「手指消
毒」とスキンケアです。
手指衛生、手の触れる所の清拭・消毒で接触感染のリスクが下がります。
先日、当園では講師をお招きして、実際に「正しい手洗い」の講習を受けました。洗い
残しのない「確実な手洗い」で安全な生活が提供できるよう、今後も感染管理の重要性に
ついて学び、日々の業務に活かしていきたいと思います。
感染委員会 早見信代
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介護福祉士 乙川律子 介護福祉士 田村未紀 介護福祉士 和田 卓
この度10月8日~23日新潟市北区郷土博物館において、北
区のアトリエを拠点に活動している川嶋宣彦さんの展覧会が開
催されることになりました。千歳園の玄関ホールにある作品が展
示されます。ぜひ展覧会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(左は、先日川嶋宣彦さんがお越しになられた時の写真です。)
平成22年8月生まれ 平成22年9月生まれ
長女 ねね ちゃん 二男 琉生 くん るい
「春のいぶき」
作者 川嶋宣彦さん(中央)
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平成 23 年 3 月 5 日挙式
看 護 師 熊 倉 志 都
利用者様との触れ合いを大切に、頑張りたいと思います。よろしくお願いします。
介護福祉士 中 村 俊 輔
6 月から千歳園で働いている中村俊輔です。今年で 30 歳になります。以前より
介護に従事してまいりました。新しい職場となり、不慣れなところもありますが、
早く一人前になって皆様の要望に応えられる職員になるよう努力してまいります。
趣味はサッカーです。体力作りの為、今後も続けていきたいと考えておりますの
で、興味のある方はお声掛け願います。
介 護 職 員 渡 辺 潤
この度、ご縁がありまして千歳園の介護職員として働かせていただくことになり
ました。私は、14 年間に渡り在宅で父の身体介護を経験してきました。その経験
を、この千歳園の利用者の皆様そして、ご家族の皆様の少しでもお役に
立てれば幸いと思っております。何卒、よろしくお願い致します。
お 知 ら せ
✩面会簿のご記入について
毎月、面会簿により面会状況を確認させていただいてお
ります。必ずご記入下さいます様お願い致します。尚、面会
簿は各階のサービスステーションに置いてあります。
✩食品の持込について
事故と食中毒の発生防止のため差し入れの際は、必ず
職員に一声お掛け下さい。その場で食べ切れる量でお願い
致します。他の方への“おすそわけ”は固くお断りします。
✩保険証類について
新しい介護保険・健康保険の被保険者証が交付されまし
たら、1 階事務室にご提示下さいますようお願い致します。
✩金品の扱いについて
現金及び貴重品のお持ち込みは、トラブルの原因になり
ますのでご遠慮下さいますようお願い致します。
✩持ち物の記名について
間違いや紛失が増えています。今一度衣類(下着・上着・
靴下)、その他の持ち物の記名をご確認下さい。なお、記名
は分かりやすい場所にはっきりと大きくお願い致します。
編 集 後 記
今回の「千羽鶴」は職員による手
作りで発行致しました。いかがでし
たでしょうか。各フロアの様子、介
護方法、利用者様の元気な姿をお
届けできるよう取り組みました。
次回も皆様に楽しんでいただける
よう、より一層頑張っていきたいと
思います。ご意見・ご感想がござい
ましたらお聞かせください。
まだまだ暑い日が続きますが、お
体に気を付けてお過ごし下さい。
広報委員会
表紙題字 「千羽鶴」
5階 諸橋光子様書
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