CONTENTSCONTENTS
きりしん 検 索
2016Vol.18夏号夏号
1. 地域産業景気動向調査
2. 特別調査
「中小企業における事業上の情報収集・発信について」
「日本銀行のマイナス金利政策導入の影響について」
3. 特集
群馬大学 理工学部
学部長 トップインタビュー
4. 若手経営者企業紹介
㈱車のせんいち
㈱グランディール
5. 表紙企業紹介
㈱砂塚製作所
INFORMATION
ビジネスマッチングフェア桐生2016
虚
地域産業景気動向調査平成28年4月~6月期
(この天気図は、景気指標を総合的に判断して作成したものです。)
好調 低調
全業種の業況DIは、「1.7」と前回調査と比較して2.4ポイント下落しており、過去3年間の調査で最も低調な数値となっています。卸売業および小売業は前回調査時同様「良い」より「悪い」の回答のほうが多く、DIがマイナスの値となっています。特に小売業のDIが一番悪く、天気図においても唯一雨雲となっています。 建設業のDIは24年9月の調査以降2桁以上のプラスを示してきましたが今回のDIは8.5となり前回調査比で12.8ポイント下落となっています。 28年7月~9月の予想では、サービス業以外は改善予想です。建設業においてもDIが大幅プラス予想となっており、今後の工事受注状況が改善見込みであることが伺えます。
28年7月~9月(予想)
28年4月~6月
28年1月~3月
全 業 種
製 造 業
卸 売 業
小 売 業
サ ー ビ ス 業
建 設 業
不 動 産 業
この調査は、当金庫取引先590先のご協力を得て聴き取り調査したものです。 当金庫業務地域の景気動向把握とともに、事業の経営指針に多少なりともご参考にして いただければ幸いです。
[業種別天気図]
本景気動向調査の内容については、お客様からのアンケートの結果であり、投資等の判断を断定するものではないことを、ご理解ください。
平成28年9月
(予想)
平成28年3月
平成28年6月
平成27年12月
平成27年9月
平成27年6月
平成27年3月
平成26年12月
平成26年9月
平成26年6月
平成26年3月
全業種 製造
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
▲10.0
▲20.0
▲30.0
▲40.0
卸売 小売 サービス 建設 不動産
業況DIの推移
平成28年
月(予想)
平成26年9月
平成26年6月
平成26年3月
良い 悪い DI
9
平成28年年
月6
平成28年年
月3
平成27年年
月12
平成27年年
月9
2
平成7年
月6
平成27年年
月3
平成26年年
月12
40.0
30.0
20.0
10.0
0.0
▲10.0
▲20.0
▲30.0
▲40.0
業況判断(全業種)
許
※ D.Iは、「よい」「やや良い」と回答した企業の割合から「悪い」「やや悪い」と回答した企業の割合を差し引き、プラスであれば上向き、0であれば中立、 マイナスであれば下向き、というように判断します。
平成28年9月(予想)平成28年6月平成28年3月平成27年12月平成27年9月平成27年6月平成27年3月平成26年12月平成26年9月平成26年6月平成26年3月業 種7.71.74.115.710.611.67.215.212.38.012.7全 業 種10.42.45.515.213.114.711.316.812.510.715.6製 造0.0▲ 3.3▲ 9.76.5▲ 3.20.0▲ 13.39.76.716.19.7卸 売0.0▲ 11.9▲ 2.412.2▲ 2.4▲ 2.44.90.02.4▲ 14.34.9小 売1.92.80.915.99.312.0▲ 4.711.28.32.80.0サービス17.08.521.340.425.510.625.534.031.917.034.0建 設3.33.2▲ 3.2▲ 3.2▲ 3.29.70.010.012.96.56.5不 動 産
平成28年9月(予想)平成28年6月平成28年3月平成27年12月平成27年9月平成27年6月平成27年3月平成26年12月平成26年9月平成26年6月平成26年3月19.817.819.127.823.623.822.128.524.324.127.4良 い
-12.0-16.0-14.9-12.1-13.0-12.1-14.9-13.2-12.0-16.0-14.7悪 い7.71.74.115.710.611.67.215.212.38.012.7D I
距
業種別景況コメント
全業種では、業況DIが1.7(前回調査比▲2.4)となり2期連続して下落しました。27年12月をピークに不動産業を除く全業種が下落しています。また資金繰りが悪いとする業種が増加しており、建設業においてもこれまで続いていた好況感に陰りが見えています。28年9月予想では回復が予想されますが、昨年同時期である27年9月調査のDI「10.6」と比較すると弱い数値となっています。
経営上の問題点 上位5位
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0
7.7
1.7
4.1
28年3月 28年9月予想28年6月
590企業DI15
12
9
6
3
0
同業者間の競争激化
売上の停滞・減少
利幅の縮小
人手不足
大手企業との競争激化
【自動車 金型】 金型業界は、売上額、収益、業況、受注残の項目順で DIが前回比上昇しています。28年9月予想でも業況DIは大幅上昇となっており好況感は継続しています。今後も富士重工業を中心に、日産、ホンダ等各メーカーの金型発注が継続していくものと思われます。【自動車 プレス】 プレス業界は、売上額、材料価格の項目以外はDIが前回比低下し、収益も厳しい状況となっています。しかしながら28年9月予想では、業況DIは22.7となっており、金型業界の好調が遷移し業況は回復見込みです。
経営上の問題点 上位5位
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0
10.4
2.4
5.5
28年3月 28年9月予想28年6月
330企業DI25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
売上の停滞・減少
同業者間の競争激化
利幅の縮小
工場機械の狭小・老朽化
販売納入先からの値下げ要求
全 業 種
製 造 業
鋸
【自動車 樹脂】 樹脂業界は、収益、資金繰りの項目以外はDIが前回比低下し、業況は厳しい状況です。28年9月予想では、業況は横這いながら多くの項目で上昇見込みとなっており、収益も好転予想となっています。【自動車 他】 資金繰りを除くすべての項目でDIはプラスとなっていますが全体的に横這いといった印象です。28年9月予想では業況はやや落込む見込みであり、資金繰りは依然として厳しいとの回答が多い状況です。【電機】 電機業界は、業況、売上額、資金繰りが大幅に下落しており前回までの好調さから一転厳しい状況となっています。28年9月予想では回復見込みですが資金繰りは依然として厳しいとの回答が多い状況です。【機械】 機械業界は、業況、受注残の項目で、前回比下落しており業況DIはマイナスとなっています。28年9月予想では売上額、受注残、収益は回復見込みであり景況感の落込みは一時的なものとの回答が多い状況です。【パチンコ】 パチンコ製造関連は、今回調査した製造業の中では最も景況感が芳しくありません。伊勢志摩サミットの影響により各メーカーの受注量が減少したことが影響しているものと考えられます。28年9月予想では、業況、売上額、受注残は大幅回復予想との回答となっています。【繊維・衣料】 繊維・衣料業界は、売上額、受注残、収益の項目順でDIが前回比上昇となっています。しかしながら業況、価格面では前回比大幅下落となっています。季節要因や気候の変化に左右されることから売上額に大きな波があるようです。【その他製造】 業況、売上額、受注残、収益、資金繰りの項目で前回比上昇しています。28年9月予想でも、ほとんどの項目が上昇しており大幅回復予想との回答となっています。
32企業DI15.0
10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0
-3.3
-9.7
0.0
28年3月 28年6月 28年9月予想
経営上の問題点 上位5位
0.0 80.060.040.020.0
同業者間の競争激化
売上の停滞・減少
利幅の縮小
販売納入先からの値下げ要求
小口注文・多頻度配送増加
卸 売 業
卸売業は、業況、売上額、資金繰りの項目で「悪い」と回答する企業が多く、DIはマイナスとなっています。しかしながら、収益、販売価格において良化の兆しが見られ、28年9月の予想では、資金繰りを除いて全ての項目がプラスに転じ、業況DIはゼロポイントまで回復見込みとなっています。
漁
経営上の問題点 上位5位
0.0
-11.9
-2.4
28年3月 28年9月予想28年6月
43企業DI10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0
-15.0
同業者間の競争激化
大型店との競争激化
売上の停滞・減少
商圏人口の減少
利幅の縮小
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0
小売業は業況DIが「▲11.9」と、前回調査時から大きく下落に転じており、全業種の中でも最も低い数値となっています。売上額、収益、資金繰りの項目において「悪い」と回答する企業が多く、消費力の弱さを感じます。28年9月の予想では卸売業と同様、業況DIはゼロポイントまで回復の見込みとなっています。
小 売 業
経営上の問題点 上位5位
28年3月 28年6月 28年9月予想
107企業DI10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
2.8
0.91.9
同業者間の競争激化
売上の停滞・減少
人手不足
利幅の縮小
大手企業との競争激化
0.0 20.0 40.0 60.0
サービス業
【運輸業】 運輸業は、資金繰りを除き、全ての項目で前回比上昇しています。特に、売上額と燃料価格の項目では「良い」と回答した企業が多くなっています。28年9月予想でも、業況で「良い」と回答する企業が多くなっており、景況感は良化しています。【医療・介護】 医療・介護業界は、業況、料金価格、資金繰りで「悪い」と回答する企業が多く、DIは大幅な下落となっています。28年9月予想でも、DIはマイナスとなっており、介護業界での施設増加による同業者間の競争が影響しているものと思われます。【他サービス(飲食等)】 資金繰りを除き、全ての項目でDIはプラスとなっています。季節要因の影響があると思われ、28年9月予想ではマイナスの項目が増えています。
禦
経営上の問題点 上位5位
0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 60.050.0
同業者間の競争激化
利幅の縮小
人手不足
材料価格の上昇
下請けの確保難
28年3月 28年6月 28年9月予想
47企業DI25.0
20.0
15.0
10.0
5.0
0.0
8.5
21.3
17.0
建設業は業況DIが「8.5」と、前回比マイナス12.8ポイントとなっており24年9月以降好調であった景況感に陰りが見えています。設備投資や太陽光工事の受注が一巡した可能性があり、受注残、施行高ともに下落しています。28年9月予想では一転して大幅なプラス予想であり、オリンピック関連の受注を期待した感が見受けられます。
建 設 業
経営上の問題点 上位5位
0.0 20.0 40.0 60.0 80.0
同業者間の競争激化
利幅の縮小
商品物件の不足
問題なし
売上の停滞・減少
28年3月 28年6月 28年9月予想
31企業DI15.0
10.0
5.0
0.0
-5.0
-10.0
3.3
-3.2
3.2
不 動 産 業
【不動産販売業】 不動産販売業は、販売価格の下げ止まり感から、前回比DIは上昇しています。全体としての在庫余剰感は変わらず、28年9月の予想でも業況は横這い見込みとなっています。【不動産賃貸業】 不動産賃貸業は、特に大きな変化が見られず前回比横這いとなっています。28年9月予想でも、業況は今回調査と同水準で推移する見込みです。 不動産業界全体として低金利の追い風があり収益物件への投資がしばらく続く状況も予想されます。
魚
特 別 調 査「中小企業における事業上の情報収集・発信について」「中小企業における事業上の情報収集・発信について」の特別調査を実施しました。その結果は次のとおりです。 円円円円円円円円円円円円円円円円円円円円円円円円 調査対象先 590先
0.0 60.040.020.0
1
2
3
4
0.0 40.030.020.010.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
0.0 80.060.040.020.0
5
6
7
1
2
3
4
5
6
7
(インターネットの利用)
利用しており、自社ホームページも開設
利用しているが、自社ホームページは未開設
利用していないが、今後利用したい
利用することは考えていない
(電子メールの利用)
利用している
利用していないが、今後利用したい
利用することは考えていない
41.6
36.7
7.3
14.4
75.6
10.3
14.1
%
問1
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
(利用している【媒体】)
SNS(フェイスブックなど)
ブログ(アメーバブログなど)
ミニブログ(ツイッターなど)
動画・情報共有サイト(ユーチューブなど)
その他( )
(利用していない【今後の方針】)
利用を開始する予定
利用を検討したい
どちらともいえない
あまり利用したくない
今後も利用しない
8.2
1.2
0.6
1.5
1.5
1.7
24.3
33.8
10.4
16.8
%
問2
貴社では、事業上において、パソコンやスマートフォン等でインターネットを利用していますか。以下の1~4の中から1つ選んでお答えください。また、同様に事業上で電子メールを利用していますか。あてはまるものを以下の5~7の中から1つ選んでお答えください。
問1
最近、ソーシャルメディア(SNS、ブログなど、インターネットを利用してコミュニケーションを促進するサービス)の利用が普及していますが、貴社では、ソーシャルメディアを事業上の情報収集・発信に利用していますか。利用している場合は、最も利用している媒体を以下の1~5の中から1つお答えください。また、利用していない場合は、今後の方針について、以下の6~0の中から1つお答えください。
問2
0.0 25.05.0 10.0 15.0 20.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
テレビ・ラジオ
新聞・雑誌
インターネット
国や自治体などの行政機関
金融機関
販売・仕入先
専門家(税理士、技術士等)
組合や商議所等のコミュニティ
その他( )
特にない
10.0
20.1
16.0
4.1
9.7
22.3
9.4
7.0
0.2
1.2
%
問3
貴社では、主に事業展開上(市場動向把握、各種経営情報の取得など)の情報収集にあたって、どのような媒体や機関を活用していますか。活用度合いの大きいものを以下の1~0の中から3つ以内でお答えください。
問3
貴社では、取引推進上(広告・宣伝、販売チャネルなど)、どのような情報発信媒体を活用していますか。活用度合いの大きいものを以下の1~0の中から3つ以内で選んでお答えください。
問4
貴社が、取引推進上(広告・宣伝、販売チャネルなど)活用している情報発信媒体には、主にどのような効果を期待していますか。以下の1~5の中から1つお答えください。また、期待する効果の実現状況について以下の6~0の中から1つお答えください。なお、「期待する効果」について、選択肢5「取引推進上の情報発信を行っていない」と回答された方は、「効果の実現状況」をお答えいただく必要はありません。
問5
※今回の景気動向調査は当金庫取引先590先のご協力を得て聞き取り調査したものです。 業種については製造業を自動車の金型、プレス、樹脂と電機、機械、パチンコ、繊維・衣料、その他に細分化し、サービス業については、 運輸、医療・介護、他サービス(飲食等)に区分、不動産業を不動産の販売と賃貸に分け、より精緻な調査内容となっております。
0.0 20.05.0 10.0 15.0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
テレビ・ラジオ(コミュニティ放送含む)
新聞(折込み広告含む)・雑誌
看板・ポスター
地域特有の発行物(コミュニティ誌等)
自社ホームページ(ブログ含む)
インターネット(選択肢5を除く)
ダイレクトメール
電話・ファクシミリ
その他( )
特にない
3.5
11.6
10.2
8.4
19.6
12.6
3.8
10.3
1.0
19.0
%
問4
1
2
3
4
5
6
7
8
9
0
(期待する効果)
新規顧客の獲得
既存取引先との取引拡大・深耕
知名度・信用力の向上
その他( )
取引推進上の情報発信を行っていない
(効果の実現状況)
期待以上に実現している
おおむね実現している
どちらともいえない
あまり実現していない
実現していない
46.4
15.3
12.3
0.4
25.6
0.5
27.4
55.3
13.7
3.1
%
問5
0.0 50.040.010.0 20.0 30.0
1
2
3
4
5
0.0 60.010.0 20.0 50.040.030.0
6
7
8
9
0
亨
享
特 別 調 査「日本銀行のマイナス金利政策導入の影響について」「日本銀行のマイナス金利政策導入の影響について」の特別調査を実施しました。その結果は次のとおりです。
調査地域1-3月に比べた4-6月の実績 (ア)借入金利
県央みどり伊勢崎太田桐生全地域
0.00.00.00.00.00.0上昇1
0.00.00.00.50.00.2やや上昇2
61.170.980.073.778.074.8変わらず3
29.627.319.322.119.321.9やや低下4
9.31.80.73.72.73.1低下5
比率(%)
調査地域1-3月に比べた4-6月の実績 (イ)借入残高
県央みどり伊勢崎太田桐生全地域
3.71.91.40.01.31.2増加1
11.17.43.63.74.04.8やや増加2
53.766.770.067.966.066.4変わらず3
29.624.121.424.727.325.0やや減少4
1.90.03.63.71.32.6減少5
調査地域
県央みどり伊勢崎太田桐生全地域
7.40.05.814.33.37.5賛成1
33.341.836.228.623.330.7やや賛成2
3.75.54.32.16.04.2反対3
11.116.411.67.914.011.4やや反対4
44.436.442.047.153.346.2どちらでもない5
調査地域4-6月に比べた7-9月の予想 (ウ)借入金利
県央みどり伊勢崎太田桐生全地域
0.00.00.00.50.70.3上昇1
0.00.00.70.00.00.2やや上昇2
83.381.873.680.083.379.8変わらず3
13.014.524.318.415.318.2やや低下4
3.73.61.41.10.71.5低下5
調査地域4-6月に比べた7-9月の予想 (エ)借入残高
県央みどり伊勢崎太田桐生全地域
0.00.02.11.11.31.2増加1
7.412.72.12.12.03.6やや増加2
70.463.662.967.266.765.9変わらず3
22.218.228.625.929.326.4やや減少4
0.05.54.33.70.72.9減少5
日本銀行がマイナス金利を導入しましたが、現在及び予想される影響についてお答え下さい。問1
日本銀行がマイナス金利を導入しましたが、賛成ですか反対ですか問2
京
供
今回は、昨年創立100周年を迎えた、国立大学法人群馬大学理工学部の特集です。 桐生市天神町にある緑豊かなキャンパスに、理工学部長 篠塚 和夫教授をお訪ねし、群馬大学理工学部の地域貢献活動、産学官金連携について、お話を伺いました。
群馬大学 理工学部学部長 篠塚 和夫氏へのトップインタビュー
~ シーズとニーズの結びつきで地域貢献を~
特集
群馬大学 理工学部学部長 篠塚 和夫氏
Q. このたびは、創立100周年おめでとうございます。改めて、群馬大学 理工学部の概要・特色についてお聞かせ下さい。
A. ありがとうございます。理工学部は、大正4年に当時の日本の花形産業である繊維
産業の中心地「桐生」に、日本で8番目の官立高等工業学校「桐生高等染織学校」を前身校として創立されました。 創立後、「桐生高等工業学校」「桐生工業
専門学校」と名称変更ののち、昭和24年
「群馬大学工学部」となり、昭和39年「大
学院工学研究科」が設置されました。
キャンパス内にある旧官立桐生高等染織学校本館【国登録有形文化財】
その後、平成16年に国立大学法人化を経て、
平成25年に現在の「理工学部」「大学院理工
学府」となり、おかげさまをもちまして昨年
創立100周年を迎えることができました。
テクノロジーが凄まじい速さで進化してい
る現在、科学技術はボーダレスで国と国の垣
根を越えて伝播し合い、競争し合う時代と
なっています。当学部はこれからも豊かな学識や実践力、行動力を持ち、グローバルな舞台で活躍できる理工系人材の育成を行なう教育研究拠点としてあり続けたいと思っています。
侠
Q. 篠塚教授のご研究内容について教えてください。
A. 私は、実は薬学部出身でありまして、研究内容はひとことで言うと、生き物に関す
る有機化学です。究極的には薬として使え
るものを目指しています。今は特に遺伝子
DNAを研究しています。DNAは化学物質で
ありまして、つまり化学合成で構造を変え
られます。
化学合成で造られた非天然型DNAが
メッセンジャーRNAと結合できればその
後のたんぱく質の合成が止まります。仮に
メッセンジャーRNAの情報が癌にかかわ
る情報であれば、その情報に蓋をすること
が可能となり、癌の発現を防ぐことができ
るのです。
桐生信用金庫理事長 津久井 真澄
※メッセンジャーRNA…DNAから写し取られた遺伝情報に従いタンパク質を合成するもの
Q. 理工学部の地域貢献活動について、お聞かせください。
A. 昨年7月に桐生キャンパスを会場として、第4回一日体験機械教室「機械の学校」を開催しました。高校生を対象に、大学の施
設、実験装置を使って高校生が興味を抱き
やすい①エンジン②液体の力学的挙動③ロ
ボット④ジェスチャ認識⑤超電導浮上⑥鉄
鋼材料の強度⑦機械振動⑧ジェット騒音と
全部で8つのテーマを設け、機械工学の楽
しさ・面白さを体験していただきました。
対談の様子
群馬大学理工学部 正門
僑
また、太田キャンパスにおいても小中高校生向
けイベント「メカメカフェア2015」を開催いたしました。このイベントは群馬県内の小中高校生を
対象に、機械、科学技術の楽しさを体験していた
だくことを目的として毎年行われているイベントで
あり、当日は多くの家族連れで賑わい、634名の
参加をいただきました。
他にも、高崎市にて「群馬ちびっこ大学」を開催、主に小中学生を対象に「みんなで作ろう入浴
剤」「簡単!! 顕微鏡を作ろう」「ビー玉にうつる
小さな世界」等 を々理工学部から出展し、参加し
た子供たちに実験や工作などを通じて学問の面
白さを実感してもらえたと思っています。
いずれのイベントも、子供たちに理科、科学に
興味を持ってもらい、将来の科学技術の発展を担
うような人材として育ってくれるように、これからも続
けて行きたいと思っています。
Q. 産学官金連携について教えてください。
A. 産学官の連携を深めるため、企業関係者の皆様に理工学部の様 な々研究内容を説明し、ま
た企業関係者の皆様と本学部教員が懇談する
ことで企業のニーズと理工学部のシーズ(研
究)の相互情報共有及び親睦を図り、共同研
究や企業との新たな連携を模索するための「企業懇談会」を毎年行っています。昨年は8月に実施し、来場者数は211機関275名にのぼりました。 また、群馬大学、埼玉大学、茨城大学、宇都
宮大学の4大学で「4U:フォー・ユー活動」を展開し、4県にまたがって地域連携・共同研究を行いシーズ集の作成、開示も行っています。一方、ニーズの拾い上げに関しては、イノベー
ションセンター内でコーディネーターの育成も
行っています。
尚、群馬大学では「グリーン・ヘルスケアエレクトロニクスを支えるエグゼクティブエンジニア養成プログラム」を提供しています。これは、企業がエネルギー、医療等の成長分野へ参入する上での人材育成から技術開発に至る課題を解決し、イノベーションを生み出せるTop技術者(エグゼクティブエンジニア)を産学民共同で養成するプログラムです。地域大手6社からなる高度人材育成支援部会を設立、産学民委員からなる運営委員会およびプログラム開発委員会等、産業界の支援体
制を確立しました。カリキュラムとして「基盤教育講座」、課題を受講生が選択する「設計実習講座」、そし
て研究開発での学びを実現する「開発研究講座」などを、産業界の人材育成ニーズに合致するよう体
系化しています。また、2つの履修証明プログラム(アドバンストプログラム、研究開発プログラム)及び1
つの大学認定プログラムを提供し、ICT活用ラーニング、スクーリング、出前講座により社会人が学びやすい環境を提供しています。ちなみに平成27年度は「基盤教育講座」6講座、「設計実習講座」4講座を実施、受講生はのべ248名となっています。(開発研究講座については4社5名)※ICT…Information and Communication Technology (情報・通信に関する技術の総称 ITとほぼ同義)
兇
Q. 地域金融機関に期待することはありますか。
A. 金融機関との連携についてはお願いすることがあります。まず、金融機関に産学連携の場をご提供いただきたい。新技術説明会、技術展示会等で大学側が企業に紹介の場を提供
しておりますが、今後も参加人数の増加を図り、商談実施率、成約率のアップを目指して
行きたいと思っています。是非お力添えをいただきたい。
次に、金融機関が新技術を必要とする企業を大学側にご紹介いただきたい。①どんな企
業が、②どの様な分野の商品で、③どの様な課題があり、④どんな技術を、⑤いつまでに
必要か といった情報を提示いただければ、大学側が相応しいシーズや研究者をご用意し、
面談によるシーズ・ニーズのすり合わせを経て、共同研究への発展も可能ではないかと思
います。
山梨中央銀行では山梨大学が保有する技術シーズと自行取引先である企業ニーズとを結
びつけ、新技術の開発や新規事業の創出を支援するリエゾン(橋渡し)活動に取り組んで
いるそうです。
大学側のシーズと企業側のニーズをうまく結びつけることが出来れば、地域産業の発展、地域活性化にも繋がりますし、地域貢献の最たるものとなるでしょう。群馬大学理工学部はこれからも桐生信用金庫様を始め、地域金融機関様と一層の連携強化を図り、地方創生に寄与して行きたいと思っています。
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国立大学法人 群馬大学理工学部〒376-8515桐生市天神町1丁目5番1号
TEL 0277-30-1011(広報)0277-30-1111(代表)
ホームページアドレスhttp://www.st.gunma-u.ac.jp/
競
㈱車のせんいち群馬県みどり市(新車、中古車販売)TEL 0277-76-1630URL http://www.90-1001.com/
地域に根差した車のサービスを
市川氏は大手自動車ディーラー勤務後、地元の中古車販売店に勤務しました。入社当時はあら
ゆる業務の担当をこなしながら忙しい毎日を送っていましたが、今となってはこの時期に幅広い
業務に携われた事が役に立ったと仰っています。その後、市川氏は現在の会社を立ち上げます。
その際には多くの方々の協力を得られましたが、反面事業計画の説明をしても殆ど聞き入られな
かったなどの苦い思いも相当されたそうです。それでも事業を立ち上げたかった理由は、自分の
限界を試したかったからでした。
当社はその後順調に業績を伸ばしていますが、その理由のひとつに「全国オーダーシステム」
を開発した事が上げられます。このシステムは全国の中古車市場の情報を網羅し、お客様のニー
ズに合った車を的確にスピーディーに探す事が可能です。またお客様からの車に関する相談には
分かりやすく丁寧に対応する事も当社の評判を高めている要因です。
市川氏との会話の節々からは事業に対して真っ直ぐな姿勢で、かつ非常に努力を継続されてい
る事が感じられました。個人的に車の話題を投げかけましたら、相当な車の情報をお持ちで楽し
そうに答えて頂きました。
若手の経営者らしくエネルギッシュで爽快さを感じさせられる人物でした。
今春、当社は国道50号沿いに当社の2号店となる「くるまの匠」を開店しました。1号店では
高品質の中古車を低価格でお客様に提供する事をモットーとし、2号店では主に未使用車を取扱
い両店とも質の高いサービスを提供する事が特色です。代表者は市川博幸氏(46歳)です。
併設された整備工場2号店「くるまの匠」社長の市川 博幸氏
若手経営者企業紹介
共
㈱グランディール群馬県伊勢崎市田中島町1400-7グランディールビル1F(不動産・賃貸・仲介)TEL 0270-22-3311 URL http://www.phisesaki.jp
お客様のことを第一に考え常に最高のサービスを提供する
髙山氏は卒業後、旅行会社に就職。そこで約6年間旅行代理店業務やツアー企画、添乗員を経
験。お客さまが喜ぶ顧客サービスや接客を学びました。その営業経験を生かし、もともと興味が
あった不動産業界へ転身入社しました。不動産の専門知識を学び自信と経験を身につけ独立開業。
現在は社員12名で元気ある伊勢崎市の不動産会社として活躍しています!
当社の経営理念は「お客様のことを第一に考え常に最高のサービスを提供する」とのことで、
お客様が求める住環境を、満足感とさらに感動を与えられるような物件を創り提供していきたい
と仰っておりました。事実当社の創る物件は、立地条件へのこだわり、外観のモダンさに加え非
常に計算された間取り配置等が感じられます。また社員教育、職場環境にも気を配り社員全員が
定年まで安心して永く働ける会社、離職率が低い会社にしたいとのことです。全国展開している
「ピタットハウス」ネットワークの様々な研修に参加し、接客コンテストに参加するなど社員教
育も充実している会社です。これからも社員一丸となりお客様から選ばれ続ける企業を目標に地
域満足度No.1になれる企業にしたいと抱負を語ってもらいました。とても爽やかでスマートなや
わらかい雰囲気の代表の髙山さんでした!
人口増加、商業等共に元気のある伊勢崎市で創業14年の不動産・賃貸・仲介業を展開する㈱グ
ランディールさんを紹介します。全国展開している「ピタットハウス伊勢崎店」として地域に密
着し、社員全員で最高の住環境サービスを提供しています。
代表者は創業者の髙山昭夫氏(47歳)です。
店舗外観スタッフの皆さん代表者の髙山氏
若手経営者企業紹介
凶
<企業概要>
株式会社 砂塚製作所【住 所】 群馬県みどり市笠懸町久宮398-8【T E L】 0277-76-0591 FAX 0277-77-0411【代 表 者】 砂塚 明【創 業】 平成3年8月【主たる業種】 輸送用機械器具製造業【主な製品】 ○カーエアコン部品(シャフト等)○自動車部品(ステアリング等) ○足廻り関連部品 ○ブレーキ関連部品
今回の表紙に写真を掲載させていただいた株式会社 砂塚製作所は、創業から25年に
渡り、各種素材の切断を中心に、部品加工分野へと事業展開を行っており、現在では素
材から完成品まで一貫した設備環境を整えています。ベストな設備環境『機械力』を駆
使して実現できる品質と、その品質を維持できるスタッフの技術『人材力』を兼ね備え
た躍進企業です。
表紙写真掲載企業紹介
協
〒376-8668 桐生市錦町2-15-21 TEL:0277-44-8181㈹ きりしんホームページ http://www.shinkin.co.jp/kiryu
きりしん経営情報 2016 夏号
発行日 平成28年7月1日
発行者
編 集 桐生信用金庫融資部