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aa1000 accountability PrinciPles standard 2008...i. aa1000 accountability...

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AA1000 ACCOUNTABILITY PRINCIPLES STANDARD 2008 AA1000 AA1000 AccountAbility 原則基準 2008 日本語翻訳版
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aa1000 accountability PrinciPles standard 2008

AA

1000

AA1000 AccountAbility 原則基準 2008 日本語翻訳版

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翻訳本書は AccountAbilityに承認された翻訳であり、本書の知的所有権は、AccountAbilityが有します。本書は、英語で開発/作成された原文の日本語翻訳版です。この分野の専門家が独立した立場からレビューし、AccountAbility

が認定する翻訳書が正確であることを確約するため最大限の努力をしましたが、英語版が正式版になります。英文最新版はこちらのサイトでご覧いただけます。 www.accountability21.net

謝辞本書は、株式会社あらたサステナビリティ認証機構が翻訳しました。

株式会社あらたサステナビリティ認証機構〒 108-0023 東京都港区芝浦 4-2-8

住友不動産三田ツインビル東館 13階tel:03-6858-0080 Fax: 03-6858-0081

担当:西山 久美子/川村 剛士

翻訳レビューは、以下のレビューアーが担当いたしました。神戸大学名誉教授・甲南大学経営学部教授  内藤 文雄

利用通知の要請本書をご使用される場合は、AccountAbilityまでお知らせください。貴団体が、AccountAbilityウェブページ上の利用者リスト一覧表に追加されます。

ご意見を募集しています下記あて先まで、是非ご意見をお寄せください。

AccountAbility

(英国有限責任保証会社 登録番号:03209358)250-252 Goswell Road

London EC1V 7EB, UK

tel: +44 (0)20 7549 0400

Fax: +44 (0)20 7253 7440

e-mail: [email protected]

Website: www.accountability21.net

isbn 1-9016930-11-2 (英文原版)

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3© ACCOUNTABILITY 2008

目次

はしがき……………………………………………………………………………………………4

i. AA1000 AccountAbility 原則の進化 …………………………………………………4

ii. 改訂プロセス …………………………………………………………………………5

序文…………………………………………………………………………………………………6

i. AA1000 AccountAbility 原則のねらいと利点 ………………………………………6

ii. 本基準の範囲 …………………………………………………………………………7

1.aa1000aPs(2008)の目的 …………………………………………………………………8

2.the accountability 原則 ……………………………………………………………………9

2.1 包括性の根本原則 ……………………………………………………………… 10

2.2 重要性の原則 …………………………………………………………………… 12

2.3 対応性の原則 …………………………………………………………………… 14

3.aa1000 accountability 原則に関する記載 …………………………………………… 17

付録……………………………………………………………………………………………… 18

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© ACCOUNTABILITY 20084

はしがき

i. aa1000 accountability 原則の進化

持続可能な発展のためのアカウンタビリティ原則(AccountAbility Principles for Sustain-AccountAbility Principles for Sustain-

able Development)が最初に登場したのは、1999年に発行された AA1000 AccountAbility

フレームワーク基準においてである。2003年に発行された AA1000 保証基準の初版作成のための協議においては、原則を巡って活発な議論が繰り広げられ大幅な修正が加えられた。その結果、包括性へのコミットメントを支える原則として重要性、完全性および対応性の3原則が定められた。これらの3原則は、2003年に発行された AA1000保証基準、すなわち AA1000AS(2003)、および 2005年に発行された AA1000 ステークホルダーエンゲージメント基準、すなわち AA1000SES(2005)の中核をなしている。これらの基準は、2006年に発行された AA1000AS(2003)に関連する原則の適用に関する指針注釈書(Guidance Note)においてより明確にされている。

AA1000保証基準の 2008年改訂版のための協議プロセスにおいて、AA1000 Account-

Ability原則(以下、AA1000APという。(訳者挿入))のより幅広い適用を可能にし、サステナビリティ保証業務でのその利用を促進するために、AA1000 APは別個の基準として制定するとの合意が形成された。AA1000 AccountAbility原則基準、すなわち AA1000APS

(2008)は、この合意の成果物であり、包括性の根本原則、重要性の原則および対応性の原則の3原則を含んでいる。完全性は AA1000APの中には含まれていないが、これら3原則がどの程度達成されているを意味するため、サステナビリティ保証を提供する上で重要要素であることに変わりはない。 

本基準の AA1000APは、AccountAbilityがこれまでに発行したすべての版の基準に取って代わるものである。

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5© ACCOUNTABILITY 2008

ii.改訂プロセス

AA1000APS(2008)は、幅広い複数のステークホルダーから意見聴取を行うプロセスを用いて開発された。調査初期段階に大規模なオンラインアンケートを実施し、次いで 20

カ国において広範なステークホルダー層への対面調査および特定のステークホルダーグループとのワークショップを実施した。出された意見はすべて、AccountAbility基準専門委員会(以下、TCという。(訳者挿入))が検討し、公開レビューのための草案を作成した。公開レビューには、60日から 90日の公開レビュー期間が3回設定された。すべての公開レビューでは、wiki ソフトウエアを使用し、完全な透明性を確保した共同作業によって草案を作成するという形式がとられた。各公開レビュー期間の間、および最終レビュー期間後、TCは当該草案のレビューと改訂を行った。最終草案は、TCが承認し、AccountAbil-

ity運営委員会に提出され、運営委員会の承認を受けて発行された。

基準に関する理解が高まることは、基準の改善プロセスが継続することを意味する。AA1000APの利用者およびステークホルダーと継続的に関わることによって、Account-

Ability は、これらとの関わりで得た理解を、当該保証基準への追加ガイダンスおよび改訂という形で反映できる。AA1000シリーズの継続的な改善が可能となるよう、皆様のAA1000APに関する経験を私たち AccountAbilityと共有させていただきたい。

はしがき

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i. aa1000 accountability原則のねらいと利点

アカウンタビリティとは、自己の方針、意思決定、行動、製品およびそれらに結びついたパフォーマンスが与える影響を認識し、当該影響に対する責任を負い、かつ当該影響についての透明性を確保することである。

アカウンタビリティを果たすため、組織体は、サステナビリティに関する課題や関心事の識別、理解および対応時に、ステークホルダーを関与させる必要があり、また、意思決定、行動およびそれらのパフォーマンスについてステークホルダーに報告、説明、回答ができるようにしておく責任がある。アカウンタビリティには、組織体の統制方法、戦略策定方法およびパフォーマンス管理方法が含まれる。

基本的な前提として、アカウンタビリティを果たしている組織体というためには、以下3点のための行動を起こす必要がある。

◦ 重要事項およびステークホルダーにとっての課題や関心事についての包括的かつバランスのとれた理解に基づいた戦略ならびに当該事項・課題・関心事に対する包括的かつバランスのとれた対応に基づいた戦略を設定すること

◦ 戦略およびそれに結びついたパフォーマンスを管理および判断できるように、目標および基準を設定すること

◦ 戦略、目標、基準およびそれらのパフォーマンスに関する信憑性ある情報に基づいて行動し意思決定を行う人々に対して、当該情報を開示すること

これらの行動は、アカウンタビリティの確立、評価および伝達の基礎となる。本基準に規定されている AA1000APはこれらの行動を導き推進する。

6 © ACCOUNTABILITY 2008

序文

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© ACCOUNTABILITY 2008 7

AA1000APの3原則の価値は、その対象が総合的である点と柔軟な適用が可能な点にある。AA1000APでは、組織体がそのステークホルダーに積極的に関与し、自己の経済パフォーマンス、環境パフォーマンス、社会パフォーマンスおよびより長期的な財務パフォーマンスに影響を与えると思われるサステナビリティに関する課題を完全に識別かつ理解することを求めており、このような理解を用いて、責任ある事業戦略の立案およびパフォーマンス目標の設定を行うことを要求している。AA1000APは規範的な規則というよりはむしろ原則であるため、組織体は、自己のビジョンにとって重要な事項に焦点をあてることが可能であり、また、AA1000APは、組織体が好機をとらえ行動するための枠組み、ならびに非財務的なリスクおよびコンプライアンスを管理するための枠組みを提供するものとなっている。

ii. 本基準の範囲

AA1000APS(2008)は、AA1000APの目的、意義、相互関係および適用をその対象範囲としている。

序 文

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© ACCOUNTABILITY 20088

1. AA1000APS(2008)の目的

AA1000APS(2008)の目的は、組織体に対して、自己のアカウンタビリティを理解、管理、統制、実践、評価および伝達する方法の枠組みを、自ら設定し構築するための、国際的に認められ、自由に入手が可能な一連の原則を提供することである。

AA1000APは、主として、組織体がサステナビリティに関し、説明可能かつ戦略的なアプローチを構築する際に利用することを意図している。AA1000APは、このような組織体が自己のサステナビリティパフォーマンスを理解、管理および改善する際にも有用である。

また、AA1000シリーズの他の基準を利用する者は、関連する AA1000基準の要求事項にしたがって AA1000APを適用する。

注:�AA1000AP は、AA1000AS(2008)によるサステナビリティ保証、およびAA1000SES(2005)によ

る説明可能なステークホルダー関与(ステークホルダーエンゲージメント)を理解し、実施するための基

礎を提供している。

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9© ACCOUNTABILITY 2008

AA1000APには以下の3原則があり、うち1原則は根本原則である。

包括性の根本原則(the Foundation Principle of inclusivity)重要性の原則(the Principle of Materiality)対応性の原則(the Principles of responsiveness)

包括性の根本原則は、重要性と対応性の達成に必須である。これら3原則が一体となって、アカウンタビリティの実現を支えている。

包括性は、重要性を決定するための出発点である。重要性の決定プロセスを通して、組織体およびそのステークホルダーにとって最も関連性が高くかつ重要な課題が決定される。対応性とは、これらの重要課題に関連した、意思決定、行動およびそれらのパフォーマンスである。

2. The AccountAbility 原則

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© ACCOUNTABILITY 200810

2.1 包括性の根本原則

原則組織体は、包括的であるものとする。

定義自己が影響を与えるかまたは影響を受ける関係者に対しアカウンタビリティを受け入れる組織体にとって、包括性とは、サステナビリティに関して、説明責任を果たすことができる戦略的な対応策を作成し達成していくことにステークホルダーを参加させることである。

ステークホルダーとは、組織体の活動、製品、サービスまたはそれらに結びついたパフォーマンスに影響を及ぼす、および/またはそれらによって影響を受けうる個人、個人の集団または組織体である。

解説包括性は、ステークホルダー関与のプロセスに留まらずそれを大きく超えている。包括性とは、組織体が影響を与えるかまたは影響を受ける関係者に対してアカウンタビリティを受け入れるというコミットメントであり、課題の識別および解決策の探求へのステークホルダーの参加を可能にするというコミットメントである。包括性は、よりよい結果を達成するために、ガバナンスを含めたすべての階層で協力することでもある。

組織体が影響を与える関係者(すなわち、ステークホルダー)に対してアカウンタビリティを受け入れるということは、組織体がステークホルダーの要請にすべて応えなければならないという意味でも、また、組織体自身が意思決定を行う責任がなくなるという意味でもない。

包括性には、関与および参加の詳細を定めたプロセスが必須である。そのプロセスは、包括的かつバランスの取れた協働を提供するものであり、その結果、説明可能な方法で課題および影響に対して取組みかつ対処するための戦略、計画、行動および結果に帰着するものである。

組織体は、自己のステークホルダーが誰であるのかについての包括的な理解、ならびにステークホルダーのニーズや関心事およびステークホルダーの関与方法についての包括的かつバランスの取れた理解を得るように努める。

組織体がステークホルダーと関与する方法は、両者の能力および現在の関係の成熟度合いによるであろう。

The AccountAbility 原則

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11© ACCOUNTABILITY 2008

規準以下の場合、組織体は、包括性の原則を満たしているといえる。◦ 組織体は、自己が影響を与えるかまたは影響を受ける関係者に対して説明責任を果たすというコミットメントを有している。

◦ 組織体は、以下のステークホルダー参加プロセスを整備している。◦ 当該プロセスは組織体に広く適用されている(たとえば、グループ全体および現場階層)。

◦ 当該プロセスは組織体に組み込まれている。◦ 当該プロセスは継続的なものであり、「単発」ではない。

◦ 組織体は、ステークホルダー参加プロセスを運営するために必要な能力および経営資源を整備しているか、またはそれらを利用できている。

◦ ステークホルダー参加プロセスは、◦ ステークホルダー、ステークホルダーの関与能力、ならびにステークホルダーの見解および期待を識別し、かつ理解している。

◦ ステークホルダーのための、適切で、強く、かつバランスのとれた関与の戦略、計画および方式を識別、考案および実践している。

◦ 組織体の理解、学習および改善を促進している。◦ サステナビリティパフォーマンスを改善する意思決定にステークホルダーを関与させる方法を確立している。

◦ 組織体の内部ステークホルダーの関与能力を構築し、外部ステークホルダーの関与能力の構築を支援している。

◦ さまざまなステークホルダーが持つ期待の間に生じるコンフリクトまたはジレンマに対処している。

◦ ステークホルダー関与は、サステナビリティに対する説明責任を果たすことができる戦略的な対応策を作成し実施することに、ステークホルダーが協働することにつながっている。

The AccountAbility 原則

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2.2 重要性の原則

原則組織体は、その重要な課題を識別するものとする。

定義重要性は、組織体およびそのステークホルダーにとって、ある課題についての適合性および著しさを決定することである。

重要な課題とは、組織体またはそのステークホルダーの意思決定、行動およびそれらのパフォーマンスに影響を及ぼす課題である。

解説良い意思決定を下し、良い行動をとるために、組織体およびそのステークホルダーは、組織体のサステナビリティパフォーマンスにとってどの課題が重要であるかを把握する必要がある。

何が重要であるかを決定するには、重要性決定プロセスが必要となる。このプロセスは、包括的かつバランスのとれた情報をインプットし、その分析が行われることを確かなものにするように設計される。組織体は、適切な情報源から適切な情報を適切な期間にわたってインプットする必要がある。インプットされる情報には、財務情報以外の情報、すなわち非財務の、サステナビリティの推進要因に関するもので、かつ当該推進要因がステークホルダーに与える影響に関する情報が含まれる。その情報源には、ステークホルダーからの情報が含まれるであろう。その期間は、短期、中期および長期のいずれもがある。

インプット情報の分析では、サステナビリティの推進要因を考慮に入れ、組織体およびそのステークホルダーのニーズ、関心事および期待を考慮し、対応する。重要な課題の決定に対する最終責任を持つのは組織体である。重要性決定プロセスは、組織体の意思決定および戦略策定のためのプロセスと連携している。

組織体は、自己のサステナビリティの状況はどうなっているのか、何が重要な課題なのか、および組織体にとっては重要ではないが対応が必要な課題はなにかについて包括的に理解し、また、これらの課題は誰にとってなぜ重要であるかについて、バランスよくかつしっかりと理解する。

The AccountAbility 原則

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13© ACCOUNTABILITY 2008

重要な課題の決定は、課題が成熟し、理解が向上するにつれ、常に変化することになろう。

規準以下の場合、組織体は、重要性の原則を満たしているといえる。

◦ 組織体は、以下の重要性決定プロセスを整備している。◦ 当該プロセスは組織体に広く適用されている(たとえば、グループ全体および現場階層)。◦ 当該プロセスは組織体に組み込まれている。◦ 当該プロセスは継続的なものであり、「単発」ではない。

◦ 組織体は、重要性決定プロセスを適用するために必要な能力および経営資源を整備しているか、またはそれらを利用できている。

◦ 重要性決定プロセスは、◦ ステークホルダーのニーズおよび関心事、社会的規範、財務的な考慮事項、同業他社の規範および方針に従ったパフォーマンスを含む、広範な情報源からの課題を識別しかつ適切に表現しており、また、当該課題にかかるサステナビリティの状況を理解している。◦ 適合する明確な規準を用いて識別したサステナビリティに関する課題についての適合性を評価している。当該規準は、信憑性があり、明確で理解可能であり、かつ再現可能、弁明可能、保証可能となっている。◦ 適合する明確な規準を用いて識別したサステナビリティに関する課題についての著しさを決定している。当該規準は、信憑性があり、明確で理解可能であり、かつ再現可能、弁明可能、保証可能となっている。◦ サステナビリティに関する状況の変化、ならびに課題および関心事の成熟状況の変化を考慮している。◦ さまざまな重要性に関する期待の間に生じるコンフリクトおよびジレンマに対処するための手段を含んでいる。

◦ 重要性決定プロセスは、組織体の重要なサステナビリティに関する課題の包括的かつバランスのとれた理解および優先順位づけにつながっている。

The AccountAbility 原則

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2.3 対応性の原則

原則組織体は、自己のパフォーマンスに影響を及ぼすステークホルダーの課題へ対応するものとする。

定義対応性とは、組織体のサステナビリティパフォーマンスに影響を及ぼすステークホルダーの課題への組織体の対応であり、意思決定、行動およびそれらのパフォーマンス、ならびにステークホルダーとのコミュニケーションを通じて実現されるものである。

解説対応性とは、組織体が自己のステークホルダーへどのように対応しているかを明らかにし、ステークホルダーへの説明責任を果たすことである。対応性には、方針、目標や対応相手、ガバナンス体制、経営システムや経営プロセス、行動計画、ステークホルダー関与、パフォーマンスの測定や監視、または保証が含まれるであろう。組織体の対応がすべてのステークホルダーの見解に合致するとは限らないであろう。ステークホルダーは対応の策定に参加する。

対応する際には、利用可能な経営資源について競合することとなり、対応には優先順位付けが必要になる。この優先順位付けは、他の戦略および運営、ならびにステークホルダーの関心と整合する必要があり、かつステークホルダーに伝達される必要がある。組織体は、各対応へ資源を十分に振り分けるように努める。組織体が表明したコミットメントを期間内に達成することを可能にし、また、その対応をステークホルダーの利害および期待と整合した方法で伝達することを可能にするならば、経営資源はそれで十分である。

組織体は、そのステークホルダーが十分な情報に基づいた意思決定を行うことが可能となるように、ステークホルダーのニーズおよび期待を満足するべく対応する。組織体は、自己がコミットした対応を達成するために必要な技能、能力およびプロセスを整備する。組織体は、適時に対応する。

対応性を有する組織体であれば、自己の重要な課題およびステークホルダーへの対応を包括的かつバランスのとれた方法で行うであろう。しかしながら、組織体が、ある課題へ対応する方法は、当該課題の成熟度ならびに組織体の成熟度合によるであろう。

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The AccountAbility 原則

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規準以下の場合、組織体は、対応性の原則を満たしているといえる。

◦ 組織体は、以下の適切な対応を展開するためのプロセスを整備している。◦ 当該プロセスは組織体に広く適用されている(たとえば、グループ全体および現場階層)。◦ 当該プロセスは組織体に組み込まれている。◦ 当該プロセスは継続的なものであり、「単発」ではない。◦ 当該プロセスは、ステークホルダーが期待する重要な課題への対応について、包括的かつバランスのとれた理解に基づいている。◦ 当該プロセスには、適切な場合、ステークホルダーが関与している。◦ 当該プロセスは、課題の成熟度と対応の十分性との間の関係を考慮している。◦ 当該プロセスは、重要性および経営資源の要件を考慮したうえで、対応の優先順位付けを行っている。◦ 当該プロセスは対応の適時性を考慮している。

◦ 組織体は、自己のコミットメントを達成するために必要な技能および経営資源を整備しているか、またはそれらを利用できる。

◦ 組織体は、重要な課題に対して包括的かつバランスのとれた方法で対応している。◦ 組織体は、ステークホルダーのニーズ、関心事および期待にこたえるよう対応している。◦ 組織体は、適時に対応している。◦ 組織体は、以下のようにステークホルダーとのコミュニケーションプロセスを整備している。◦ 当該プロセスは組織体全体に適用されている(たとえば、グループ全体および現場階層)。◦ 当該プロセスは組織体に組み込まれている。◦ 当該プロセスは継続的なものであり、「単発」ではない。

© ACCOUNTABILITY 2008 15

The AccountAbility 原則

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◦ コミュニケーションプロセスは、◦ ステークホルダーのニーズおよび期待を反映している。◦ 包括的かつバランスが取れており、弱点を識別し、重要な虚偽表示を予防している。◦ ステークホルダーが利用可能である。

◦ 組織体は、サステナビリティ報告に関して、適合する報告原則、フレームワークまたはガイドラインを適用している。

◦ コミュニケーションプロセスは、ステークホルダーとの包括的かつバランスのとれたコミュニケーションにつながっており、そうしたコミュニケーションが組織体のAA1000APの充足の状況および程度に一致している。

The AccountAbility 原則

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3. AA1000 AccountAbility 原則に関する記載

AA1000AP は、AA1000AS(2008)に準拠したサステナビリティ保証、およびAA1000SES(2005)に準拠したステークホルダー関与において使用される。AA1000AP

の適用に関するどのような記載も認められるものとする。AA1000APという用語は、利用者を誤導するおそれがあるため、原則について著しい修正が行われているとき、補足されているとき、または使用されている原則が独立した記載として言及されているときには使用してはならないものとする。

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a. aa1000シリーズについて

AA1000シリーズは、次の3つの基準から構成されている。aa1000aPs(2008)accountability 原則基準aa1000as(2008)保証基準aa1000ses(2005)ステークホルダーエンゲージメント基準

シリーズの補足資料として、指針注釈書(Guidance Note)および利用者向け注釈書(User

Notes)が発行されている。指針注釈書、たとえば Guidance for the use of AA1000AS

(2008)では、これらの基準の適用方法に関する情報が提供されている。利用者向け注釈書は、これらの基準の適用例が提供されている。

b. accountability基準専門委員会

Jennifer Iansen-Rogers, KPMG - Chair

Glenn Howard Frommer, MTR Corporation

Dominique Gangneux, ERM

Chuck Gatchell, Nike, Inc.(2008年 2月まで)Sean Gilbert, GRI

Adrian Henriques, Middlesex University

Vernon Jennings, Independent Consultant

Eileen Kohl Kaufman, SAI

Dave Lucas, Eskom

Paul Monaghan, Cooperative Financial Services

Johan Piet, Transparability

Preben J. Sørensen, Deloitte

Chris Tuppen, BT(2008年 2月まで)Ian Wood, BT(2008年 2月以降)David York, ACCA

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付録

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19© ACCOUNTABILITY 2008

c. accountability について

AccountAbility(www.accountability21.net)は、グローバルなネットワークを持つ非営利団体であり、ロンドン、ワシントン、北京、ジュネーブ、サンパウロおよびサンフランシスコに代表を置く。AccountAbilityは、持続可能な発展を前進させるアカウンタビリティの革新的な取り組みを推し進めるために 1995年に設立された。AccountAbilityは、企業、政府および市民社会組織体と協力し、責任ある事業経営実践および官民機関の協力のためのガバナンスを推進している。

AccountAbilityによる最先端のアカウンタビリティの革新的取り組みとして、サステナビリティ保証およびステークホルダーエンゲージメント基準に関する「AA1000シリーズ」

「パートナーシップ、ガバナンスおよびアカウンタビリティに関するフレームワーク(Partnership, Governance and Accountability framework)」責任ある事業経営実践の連絡および 100カ国を超える競争をカバーした「責任ある競争指標(Responsible Competitiveness Index)」、および、

CSRネットワーク(csrnetwork)と共同で、毎年 Fortune International 誌上で発表される世界の大手企業を対象とした「アカウンティングランキング(Accountability

Rating)」が挙げられる。AccountAbilityは、企業、国際開発機関、NGOおよび労働団体が国際的に連携して、グローバルサプライチェーンの中での各国の競争力と労働基準との関連性について取り組む「MFA Forum」を主催している。AccountAbilityと Boston大学の the Centre for Corpo-

rate Citizenshipは、IBMおよび GEと共に「Global Leadership Network」の共同創設者かつ主催者である。「Global Leadership Network」は、共同学習および関連する分析ツールならびにベンチマーク試験を発展させることによって、事業戦略に対する企業責任の連携を構築する役割を負った主要企業の国際的ネットワークである。

付 録

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accountabilityの関連出版物

◦ Guidance for the Use of AA1000AS (2008)

◦ AA1000 AccountAbility Assurance Standard (2008)

◦ AA1000 Stakeholder Engagement Standard (2005)

◦ Certification as a Sustainability Assurance Practitioner

◦ Critical Friends: The Emerging Role of Stakeholder Panels in

Corporate Governance, Reporting and Assurance

◦ Redefining Materiality

◦ The Materiality Report: Aligning Strategy, Performance and Reporting

◦ The Stakeholder Engagement Manual

AA1000APS(2008)の開発に支援および参加頂いた多数の組織体や個人の皆様に対して AccountAbilityより感謝の意を表す。

isbn:978-1-901693-56-0(英文原版)

accountability uK250-252 Goswell RoadLondon EC1V 7EBT: +44 (0)20 7549 0400

accountability north america1250 24th St. N.W. Suite 300

Washington D.C. 20037T: +1 (202) 835-1692

[email protected]

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www.accountability21.net

aa1000aPs(2008)とは

◦ 組織体に対して、自己のアカウンタビリティを理解、管理、統制、実践、評価および伝達する方法の枠組みを、自ら設定し構築するための、国際的に認められ、自由に入手が可能な一連の原則を提供する。

◦ 主として、組織体がサステナビリティに関し、説明可能かつ戦略的なアプローチを構築する際に利用することを意図している。

◦ アカウンタビリティの確立、評価および伝達のための基礎を提供する。

◦ 組織体が、自己のビジョンにとって重要な事項に焦点をあてることが可能であり、また、組織体が好機をとらえ行動するための枠組み、ならびに非財務的なリスクおよびコンプライアンスを管理するための枠組みを提供する。

◦ 組織体がそのステークホルダーと積極的に関与し、自己のパフォーマンスに影響を与えるサステナビリティに関する課題を完全に識別かつ理解し、このような理解を用いて、責任ある事業戦略の立案およびパフォーマンス目標の設定に利用することを要求している。

◦ AA1000AS(2008)によるサステナビリティ保証および AA1000SES(2005)による説明可能なステークホルダーエンゲージメントを理解し、実施するための基礎を提供する。

本誌には非木材紙および大豆インキを使用しています


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