新標準音楽理論 第12回
第12回 Major scale 世界からの飛躍 前回までにおいて、Major scaleにおけるBasic chord progressionの説明は全て終わり
ました。これで基本的なコード進行を自由に組めるスキルを手に入れたことになります。 ここからあとはメロディやサウンドに影響が大きい「テンションとアボイド」のコントロー
ル、初歩的な転調などのMajor scaleからの離脱を経て「あらゆるコードワークスと転調・アウトを自在にコントロールできる完全自由な音楽世界」を目指していきます。第1回目の「新標準音楽理論での世界観」で言えば2次元から3次元へ移ろうとしているところです。3次元は「立体=面の集合」と認識されます。すなわち、「調性:Keyを司るMajor scale=面」を完全理解することが不可欠となります。
Major scale systemでのChord & scale2 音楽システムの根幹をなすMajor scaleのコード&スケール I~VIIをまとめます。
対応コードはトライアド「C」のほうが実践ではよく使われる。「明るい曲のTonic」となり、これはスケールそのものの響きでも表れる。「sus4コード」「6コード」がバリエーションコード。
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RM3 P5
911
アボイドテンション
対応コード
C△7対応コード
Ionian (Major scaleのI)
RM3P5M791113
C△7 13テンション
M7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 M3 11 P5 13 M7
3 対応コード C△7 (I△7)
4 テンション・アボイド テンション=9(D) 13(A) アボイド=11(F)
Rm39
11
テンション対応コード
Dm7対応コード
Dorian (Major scaleのII)
Rm3P5m7911[13]
Dm7 [13]*かぎりなくテンション
に近いアボイドテンション
P5m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 m3 11 P5 13 m7
3 対応コード C△7 (I△7)
4 テンション・アボイド テンション=9(E) 11(G) *アボイド=13(B)
6
sus4 6
1
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新標準音楽理論 第12回
Dorianの13thは「限りなくテンションに近いアボイド」という特殊な響きの音である。
約半数強の人がアボイドに感じるといわれている。Topノートだとあまりアボイド感がなくテンション音に近いが、内声でm7とぶつかるとアボイド感が強くなる。バリエーションの「m6コード」は実践でIIm6で使われることは少なくVIm6が多い。Dorianの響きはトニック感が薄く、アボイド性も低いのでアドリブやサウンドとしても非常に好んで使われる。 俗に言う「m7コードで一番かっこいいスケール」として発展的に、m7コードでは全部
Dorianを当てはめてもサウンドとしては問題なく、むしろかっこよくなる。もちろんメロディがある場合はコード&スケールシステムを優先させるべきである。
アボイドが2つあるのでメロディライティングでは気をつける必要がある。メロに♭13を使う場合がよくあり、その時にはバリエーションコードのI/IIIを使い(この時スケールは実質Ionian) できるだけメロにテンションの11thを絡めると良い。テクノ系では1コードのサウンドでよくPhrygianが使われる。
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RM3 P5
911
アボイドテンション
対応コード
C△7対応コード
Ionian (Major scaleのI)
RM3P5M791113
C△7 13テンション
M7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 M3 11 P5 13 M7
3 対応コード C△7 (I△7)
4 テンション・アボイド テンション=9(D) 13(A) アボイド=11(F)
Rm39
11
テンション対応コード
Dm7対応コード
Dorian (Major scaleのII)
Rm3P5m7911[13]
Dm7 [13]*かぎりなくテンション
に近いアボイドテンション
P5 m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 m3 11 P5 13 m7
3 対応コード Dm7 (IIm7)
4 テンション・アボイド テンション=9(E) 11(G) *アボイド=13(B)
6
sus4 6
1
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RM3 P5
9#11
テンション対応コード
F△7対応コード
Lydian (Major scaleのIV)
RM3P5M79#1113
F△7 13テンション
M7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 M3 #11 P5 13 M7
3 対応コード F△7 (IV△7)
4 テンション・アボイド テンション=9(G) #11(B) 13(D) アボイド無し
Rm3♭9 11
アボイド対応コード
Em7対応コード
Phrygian (Major scaleのIII)
Rm3P5m7♭911♭13
Em7
テンション
P5m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R ♭9 m3 11 P5 ♭13 m7
3 対応コード Em7 (IIIm7)
4 テンション・アボイド テンション=11(A) アボイド=♭9(F) ♭13(C)
♭13アボイド
テンション6
2
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新標準音楽理論 第12回
Major scale 最強テンション「#11」を持つ。アボイドが無く、全テンションとなるので
非常に使いやすい。「m7コードにはDorian」と同じく「△7コードにはLydian」と使用して構わない。サウンド的にもTonic感が薄く、オールマイティに使えるスケール。
Major系唯一のドミナントコード対応のスケール。実践ではV7ではなくIIm7/V(=sus47/9)のほうがよく使われている。スケールの響きとしてはm7をブルーノートとして捉えてI_Mixo-Lydianと使われる例も多い。
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RM3 P5
9#11
テンション対応コード
F△7対応コード
Lydian (Major scaleのIV)
RM3P5M79#1113
F△7 13テンション
M7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 M3 #11 P5 13 M7
3 対応コード F△7 (IV△7)
4 テンション・アボイド テンション=9(G) #11(B) 13(D) アボイド無し
Rm3♭9 11
アボイド対応コード
Em7対応コード
Phrygian (Major scaleのIII)
Rm3P5m7♭911♭13
Em7
テンション
P5m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R ♭9 m3 11 P5 ♭13 m7
3 対応コード Em7 (IIIm7)
4 テンション・アボイド テンション=11(A) アボイド=♭9(F) ♭13(C)
♭13アボイド
テンション6
2
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RM3 P5
911
アボイドテンション
対応コード
G7対応コード
Mixo-Lydian (Major scaleのV)
RM3P5m791113
G7 13テンション
m7
sus4
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 M3 11 P5 13 m73 対応コード G7 (V7)
4 テンション・アボイド テンション=9(A) 13(E) アボイド=11(C)
Rm39 11
テンション対応コード
Am7対応コード
Aeolian (Major scaleのVI)
Rm3P5m7911
♭13
Am7 ♭13
テンション
P5 m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 m3 11 P5 ♭13 m7
3 対応コード Am7 (VIm7)4 テンション・アボイド テンション=9(B) 11(D) アボイド=♭13(F)
6
アボイド
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m3♭9 11
アボイド対応コード
B∅7対応コード
Locrian (Major scaleのVII)
Rm3o5m7♭911
♭13
B∅7
テンション
o5 m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R ♭9 m3 11 o5 ♭13 m7
3 対応コード B∅7 (VII∅7)
4 テンション・アボイド テンション=11(E) ♭13(G) アボイド=♭9(C)
♭13テンション
1
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新標準音楽理論 第12回
マイナートニックの響きが強いのでVIのポジショニング以外では使われない。♭13はか
なり厳しいアボイドなのでメロディ、サウンド共に使用には気をつけること。
Major scaleから離脱のきっかけとなるスケール。唯一の異常インターバル「o5」を持つ。♭9はアボイドとされているが、状況によってはテンションに聞こえる可能性もある。スケールそのものとしてはかなりアグレッシブなサウンドになる。極めて特殊例だが4度堆積の世界では一番汎用性の高いスケールとなる。
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R M3 P59
11アボイド
テンション
対応コード
G7対応コード
Mixo-Lydian (Major scaleのV)
RM3P5m791113
G713
テンション
m7
sus4
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 M3 11 P5 13 m73 対応コード G7 (V7)
4 テンション・アボイド テンション=9(A) 13(E) アボイド=11(C)
Rm39 11
テンション対応コード
Am7対応コード
Aeolian (Major scaleのVI)
Rm3P5m7911
♭13
Am7 ♭13
テンション
P5 m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 m3 11 P5 ♭13 m7
3 対応コード Am7 (VIm7)4 テンション・アボイド テンション=9(B) 11(D) アボイド=♭13(F)
6
アボイド
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m3♭9 11
アボイド対応コード
Em7対応コード
Locrian (Major scaleのVII)
Rm3o5m7♭911
♭13
B∅7
テンション
o5 m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R ♭9 m3 11 o5 ♭13 m7
3 対応コード B∅7 (VII∅7)
4 テンション・アボイド テンション=11(E) ♭13(G) アボイド=♭9(C)
♭13テンション
1
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RM3 P5
911
アボイドテンション
対応コード
G7対応コード
Mixo-Lydian (Major scaleのV)
RM3P5m791113
G7 13テンション
m7
sus4
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 M3 11 P5 13 m73 対応コード G7 (V7)
4 テンション・アボイド テンション=9(A) 13(E) アボイド=11(C)
Rm39 11
テンション対応コード
Am7対応コード
Aeolian (Major scaleのVI)
Rm3P5m7911
♭13
Am7 ♭13
テンション
P5 m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R 9 m3 11 P5 ♭13 m7
3 対応コード Am7 (VIm7)4 テンション・アボイド テンション=9(B) 11(D) アボイド=♭13(F)
6
アボイド
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m3♭9 11
アボイド対応コード
B∅7対応コード
Locrian (Major scaleのVII)
Rm3o5m7♭911
♭13
B∅7
テンション
o5 m7
1 全音・半音
2 インターバル構造 R ♭9 m3 11 o5 ♭13 m7
3 対応コード B∅7 (VII∅7)
4 テンション・アボイド テンション=11(E) ♭13(G) アボイド=♭9(C)
♭13テンション
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新標準音楽理論 第12回
Major scale system
【Tips】テンションとアボイドの法則 テンションなのか、アボイドなのか、それには法則があります。左隣りのコードトーンと
の関係が全音ならばテンション、半音ならばアボイドノートです。
ただし、例外が2例ある 1. Dorianの13th 2. ドミナントコードの♭9
【Tips】ドミナントコード
コード内部にM3-m7のトライトーンを持つものをドミナントコードと言います。Diatonic7thコード上ではVのみに存在します。M3-m7のトライトーンを持つことから、P4進行を施す役目を持ちます。(ドミナントモーションの広義) 5thは何でもよく(P5th +5th o5th)、存在しなくても構いません。
58
R 9 M3 P5 13 △711
sus4 6th
R 9 P5m3 11 13[ ]* m7
6th
R P5m3 11 m7♭9 ♭13
R 9 M3 P5 13 △7♯11
6th
R 9 M3 P5 13 m711
sus4 6th
R 9 P5m3 11 m7♭13
R m3 11 m7♭9 o5 ♭13
スケール構造 対応コード バリエーションコード
Tension chord スケール名
Ⅰ △7 6 sus4 (9) (9,13) Ionian
Ⅱ m7 m6 (9) (9,11) Dorian
Ⅲ m7 I/III (11) Phrygian
Ⅳ △7 6 (9) (9,#11) (9,13) Lydian
Ⅴ 7 6 sus47 I/V (9) (9,13) Mixo-lydian
Ⅵ m7 (9) (9,11) Aeolian
Ⅶ ∅7 V/VII (11) (11,♭13) Locrian
Major scale system
左隣りのコードトーンと全音 ………… テンション半音 ………… アボイド
ドミナントコードP5th+5tho5th
M3rd m7th+ +
トライトーン
+R=
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新標準音楽理論 第12回
III7とIII7専用スケール Diatonic dominant motion にて、VII∅7は異常インターバル (o5)を含むためIIIm7では
なく「III7」に進む必要がありました。これはIIIm7をドミナントコードに強化したものがIII7であるとも言えます。
IIIm7対応スケールPhrygianのm3をM3に変化させればIII7で最もよく使われているスケール、Phrygian#3 (別名:Harmonic minor P5th below)が完成します。
59
III7
VII∅7 IIIm7 VIm7ドミナントコード化
(強化)
2
& ,,Q ,, _Y , , ,Q , , , ,
& ,,,, _Y , , , , , , ,Phrygian
Phrygian #3 (Harmonic minor P5th below)
Em7(IIIm7)
E7(III7)
R ♭9 m3 11 P5 ♭13 m7ten AvAv
R M3 11 P5 ♭13 m7Av
♭9ten
ドミナントコード化 (M3-m7のトライトーン)
Av
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新標準音楽理論 第12回
III7専用スケール:Harmonic minor P5th below(HmP5b) III7はMajor scale外の音を含むので「Major scaleからアウトしている」状態です。この
時、Major scaleの防壁外なのでIII7が成立できるならば自由にスケールを選択して構いません。実際、HmP5b以外にもAlteredやCom-Dimi、Mixo-lydian♭6などが使われることがありますが、一般的な楽曲において最もよく使われるのがHmP5bです。これはMajor scaleからの変化率が最も少なく使いやすいからです。逆に見て、HmP5bはIII7以外の位置で使われることはまずありません。HmP5bはIII7専用スケールです。
HmP5bの特徴 ドミナントコード対応で♭9thがテンションとなる。→上部4和音構造=o7
・M3と11thが共存するのでsus4コードが作れる。 ・♭13thを+5として捉えられる。(M3との共存が条件)→+7コード
60
Diminished 7th chord o7(dim7) = R + m3 + o5 + o7
主要なコードの間に挟んで使う「経過和音」として知られる。(Passing chord)
構成音が全て等間隔で並ぶ対称形のコード → どのように転回しても構造が変わらない →どの構成音をRにしても構造が変わらない(全て同じコード)
& ,,,, ,,,, ,,Q ,, ,,,Q ,Esus47 E+7
III7Altered
Combination of Diminished
Mixo-lydian♭6
Harmonic minor P5th belowIII7の位置でのみ使われる
様々なスケールが対応できる
III7専用
& \\ ,Q ,,, ,Q ,,, ]Y ,Q , , , ,Q \\,Q ,,, ,,,,Q ,,,Q , ,,Q ,,
&
E7 G#o7(♭9)
m3m3
m3m3 E7
(♭9)
コード構成音が全て等間隔で並ぶ→全転回形が使用可能
Diminished chordの特徴*G#o7 Bo7 Do7 Fo7
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新標準音楽理論 第12回
転調 アウト:Major scaleからの離脱 サウンドでよく用いられる「転調」にはいくつかの概念と種類があります。まず転調とは
基本「一時的な元のKeyからの離脱」であり元のKeyに戻らなくてはなりません。違うKeyのまま、もしくはさらに違うKeyへと移り、元のKeyに戻らないものは「移調」と呼びます。また、元のKeyから離脱はしているが現状どのKeyに属しているのかよくわからないような状態を単に「アウトしている」と表現し、転調と近いニュアンスのサウンドとして捉えられます。一般的には、十分に調性感が変化し明確に違うKeyへ変化した場合は楽譜上で調号も変化させて書きます。一時的、もしくは短時間での転調の場合は臨時記号を用いて現在のKeyから離脱していることを示します。 聴感上はっきりと元のKeyから変化した場合を「マクロ転調」、Keyからの離脱感はない
が細かく解析すると転調状態とみられるものを「ミクロ転調」と呼び区別することにします。テクニック的には「ミクロ転調」の技法を身に付ければ「マクロ転調」はいつでも出来るようになります。 しかしながらもっとも重要なことは「本当に転調が必要か」という問いかけを常に心がけ
ておくことです。転調が必要ということは「転調しなければいけないような陳腐なサウンド」になっている可能性が十分にあるのです。本来転調が必要ということは決して無く、十分に魅力的なメロディとコードが構築されていれば元のKeyから一切離脱させなくてもその魅力は褪せないものです。「聴感上の切り札=転調」なので、使い過ぎは禁物です。 また、転調技法にも単純なものから高等テクニックを用いた華麗なものまで多種多様にあ
ります。結論から言うと「どのKeyにも転調できるし、どこからでも戻ってこられる」のです。この自由な転調を操れるようになるには、関係調を用いた易しい転調からパッシングコード・借用コード・ピボットコードを用いたややテクニカルな転調、そしてReal minor scale systemを用いた華麗な転調まで順を追って学ぶ必要があります。
転調① 関係調と借用コード 元のKeyから見て主音(Iの音)が「P4」「P5」「m3」の位置にあるものを関係調といいま
す。比較的転調しやすい間柄といえます。これら関係調のD7Cを元のKey上で使用することでサウンドに広がりを持たせることができます。また、これをキッカケにしてマクロ転調へと移行することもできます。
61
左隣りのコードトーンと全音 ………… テンション半音 ………… アボイド
マクロ転調
ミクロ転調
聴感上はっきりと転調したことがわかる
Keyからの離脱感はないが細かく解析すると転調状態と見られるもの
◯ 転用できる不可能✕
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新標準音楽理論 第12回
関係調と借用コード 調号が一つ増減するものを属調(P5) 下属調(P4)と呼びます。また同じ主音がマイナーと
ニック音(VIの音)となる関係を同主短調と呼びます。
関係調のD7C :CのD7Cとかぶらないものを色付けしています。これらが借用コードとなります。
借用コードを元のKey上にて配置させた表が次のものになります。
これら借用コードはMajor scaleでのBasic chord progressionの要素を応用させることで使用可能になります。あくまでも「P4進行」「となりの2度進行」「3度下進行」が基本となります。
62
Ⅱb Ⅲb IV# Ⅵb ⅦbⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
:C C(△7) Dm7 Em7 E7 F△7 G7 Am7 B∅7
:G C△7 D7 Em7 F#∅7 G△7 Am7 Bm7 B7
:F C7 Dm7 E∅7 F△7 Gm7 Am7 A7 Bb△7
:E♭ Cm7 D∅7 Eb△7 Fm7 Gm7 G7 Ab△7 Bb7
:F
:Am :C :E♭
:G
#
♭
♭♭♭
P5上
P4上
m3上平行調
属調
下属調
同主(短)調
関係調&借用コード
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
:C C(△7) Dm7 Em7 E7 F△7 G7 Am7 B∅7
:G G△7 Am7 Bm7 B7 C△7 D7 Em7 F#∅7
:F F△7 Gm7 Am7 A7 Bb△7 C7 Dm7 E∅7
:E♭ Eb△7 Fm7 Gm7 G7 Ab△7 Bb7 Cm7 D∅7
Ⅱb Ⅲb IV# Ⅵb ⅦbⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
:C C(△7) Dm7 Em7 E7 F△7 G7 Am7 B∅7
:G C△7 D7 Em7 F#∅7 G△7 Am7 Bm7 B7
:F C7 Dm7 E∅7 F△7 Gm7 Am7 A7 Bb△7
:E♭ Cm7 D∅7 Eb△7 Fm7 Gm7 G7 Ab△7 Bb7
:F
:Am :C :E♭
:G
#
♭
♭♭♭
P5上
P4上
m3上平行調
属調
下属調
同主(短)調
関係調&借用コード
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
:C C(△7) Dm7 Em7 E7 F△7 G7 Am7 B∅7
:G G△7 Am7 Bm7 B7 C△7 D7 Em7 F#∅7
:F F△7 Gm7 Am7 A7 Bb△7 C7 Dm7 E∅7
:E♭ Eb△7 Fm7 Gm7 G7 Ab△7 Bb7 Cm7 D∅7
Ⅱb Ⅲb IV# Ⅵb ⅦbⅠ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
:C C(△7) Dm7 Em7 E7 F△7 G7 Am7 B∅7
:G C△7 D7 Em7 F#∅7 G△7 Am7 Bm7 B7
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:E♭ Cm7 D∅7 Eb△7 Fm7 Gm7 G7 Ab△7 Bb7
:F
:Am :C :E♭
:G
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P5上
P4上
m3上平行調
属調
下属調
同主(短)調
関係調&借用コード
Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ
:C C(△7) Dm7 Em7 E7 F△7 G7 Am7 B∅7
:G G△7 Am7 Bm7 B7 C△7 D7 Em7 F#∅7
:F F△7 Gm7 Am7 A7 Bb△7 C7 Dm7 E∅7
:E♭ Eb△7 Fm7 Gm7 G7 Ab△7 Bb7 Cm7 D∅7
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新標準音楽理論 第12回
63
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新標準音楽理論 第12回
Tension resolve テンション音からコードトーンへ「解決」(resolve)することをTension resolveといいま
す。メロディ構築に極めて重要な要素であり、目指すサウンドの方向性をコントロールする際にも有効な手段になります。メロディの一般的な「解決」の中にこのTension resolveがあるのでまずは「解決」を解説します。
定義 メロディのアプローチトーンがセンタートーンに上下半音、またはスケール上の全音で移
動すること。 注1 アボイトノート、ノンスケールトーンはアプローチトーンでしか存在できない。
注2 全音の動きでノンスケールトーンからは解決できない。
Tension resolveはアプローチトーン=テンション音。センタートーン=コードトーンとした「解決」の一種です。
①…………スケールのテンションから全音で解決=Tension resolve ②③………半音の位置からはどんな音でも解決となる。 ④…………全音でスケール外からは解決出来ない。
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センタートーン・・・・メロディーを構成する音の中で重要な役割の音。省略出来ない音。 アプローチトーン・・・単独で存在せずにセンタートーンに移動する必要のある音。脇役の音
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新標準音楽理論 第12回
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テンションリゾルブ
I : Ionian9th
& \\ . # . . . # . .13th
. # . . . # . .△7th. # . . . # . .
II : Dorian
& .#9th
. . . # . .11th
. # . . . # . .(13th)
. # . . . # . . 11th
. #III : Phrygian
. . . # . .
9thIV : Lydian
& .# . . . # . .#11th
. # . . . # . . 13th. # . . . # . . △7th. # . . . # . .
9thV : Mixo-lydian
& .# . . . # . .13th. # . . . # . . 9th
. #VI : Aeolian
. . . # . . 11th. # . . . # . .
11thVII : Locrian
& .# . . . # . . ♭13th. # . . . # . .
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