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CAMPUS MASTER PLAN - Hiroshima University...Hiroshima University Campus Master Plan 2016...

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HIROSHIMA UNIVERSITY CAMPUS MASTER PLAN 2016 広島大学 キャンパスマスタープラン 2016
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広島大学 キャンパスマスタープラン 2016

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Hiroshima University Campus Master Plan 2016

◆ 建学の精神 ◆

「自由で平和な一つの大学」

◆ 基 本 理 念 ◆

「 平 和 を 希 求 す る 精 神 」 「 新 た な る 知 の 創 造 」 「豊かな人間性を培う教育」 「地域社会・国際社会との共存」 「 絶 え ざ る 自 己 変 革 」

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巻頭言

広島大学は、「自由で平和な一つの大学」という建学の精神を継承し、「平和を希求する精

神」、「新たなる知の創造」、「豊かな人間性を培う教育」、「地域社会・国際社会との共存」、

「絶えざる自己変革」の理念5原則の下に、11 学部 11 研究科を擁する日本でも有数の総合研

究大学として、大きく発展を遂げています。 平成 26年度にはスーパーグローバル大学創成支

援のタイプA(トップ型)13 大学に採択され、今後 10 年以内に教育力・研究力を両輪とした大

学改革を推進しながら、グローバル人材を持続的に輩出し、知を創造する世界トップ 100の大

学を目指しています。 また、現代社会は科学技術が目覚ましく進歩する一方で、自然災害の

多発、貧富の差の拡大、頻発する地域紛争やテロなど多くの困難に直面していることに鑑み、

未知の問題に自ら立ち向かう「平和を希求する国際的教養人」の育成に全力を挙げて取り組ん

でいます。

これらの目標を実現するうえで、その基盤となるキャンパスの役割は極めて重要であると言

えます。広島大学は、人類初の原子爆弾の惨禍から立ち上がり、施設の整備・充実を進めてき

ましたが、県内に立地するキャンパスの分散解消や教育・研究環境の充実強化を図るため、1973

年に西条町(現東広島市)への統合移転を決定し、1995 年に移転を完了しました。以来、東広

島統合移転キャンパス、広島市内の医歯薬系の霞キャンパス、旧広島大学本部跡地の一部であ

る東千田キャンパスにおいて教育・研究活動を展開しています。我が国の国立大学の中で最大

級の東広島キャンパスは、開かれたキャンパスを目指して計画的に整備され、恵まれた自然環

境の中に8学部9研究科が活動を展開しています。同キャンパスでは、移転時に大量に整備さ

れた施設が今後改修の時期を迎えるとともに、教育・研究環境や学生の生活環境の急速な変化

に対応したキャンパスの整備・充実が課題となっています。霞キャンパスは、限られたキャン

パスの中で教育・研究・医療施設の整備・充実が行われ、平成 26 年度に病院の再開発が終了

しましたが、その他の施設の老朽化、高密度化が進行しており、教育・研究環境の整備・改善

が課題となっています。東千田キャンパスは、平成 28 年 3 月に「東千田未来創生センター」

を整備し、広島大学本部跡地を再開発する「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」と一

体となったまちづくりを進めています。

以上のように、性格の異なる3キャンパスにおいて、既存の資源を有効に活用しながら新し

い時代をリードする教育・研究環境を実現していくためには、これまで個々の視点で実施され

てきた施設整備、環境整備のあり方を見直し、総合的・長期的視点に立ったキャンパスの整備・

充実を進める必要があります。とりわけ、時代の変化に対応して創造的な「学び」を提供する

教育環境、高度なイノベーションを生み出す研究環境、様々な分野や国籍、学内外の人々が交

わり知的刺激の中から新たな価値を創出する交流環境、これらの活動を支える安全・安心で豊

かな環境を整えていくことが求められています。そのための長期的な指針として、「広島大学

キャンパスマスタープラン 2016」を策定しました。

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「広島大学キャンパスマスタープラン 2016」では、キャンパス整備の目標として次の5つを

設定しています。

1.新しい時代を拓く知的創造を生み出すキャンパス

2.若々しい活力と豊かな人間性を育むキャンパス

3.国際社会・地域社会と共生し貢献する開かれたキャンパス

4.豊かな環境を活用・創造した美しいキャンパス

5.社会を先導する「サスティナブル・キャンパス」

さらに、これらの目標を具体化するための長期的な指針として、各キャンパスの整備の基本

となる方向性を示す「フレームワークプラン」を示しました。

キャンパスマスタープランは、本学の戦略やアカデミックプランの実現を物的環境や施設の

側面から支援するとともに、キャンパスの将来像について学内外の関係者が共通認識を持つた

めの役割を担うものです。「キャンパスマスタープラン 2016」の実現に向けて、本学の構成員

が一丸となって取り組む所存であります。皆様方のご支援とご協力を賜りますようお願い申し

上げます。

平成 29年 3月

国立大学法人広島大学長

越 智 光 夫

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目 次

1 キャンパスマスタープランについて 1

1-1 目的 -------------------------------------------------------------- 2

1-2 位置づけ ----------------------------------------------------------- 2

1-3 構成 -------------------------------------------------------------- 2

2 キャンパスの現状と課題 3

2-1 キャンパスの現状 ---------------------------------------------------- 4

2-2 キャンパス整備の課題 ------------------------------------------------ 29

2-3 施設整備グランドデザイン 2011 の点検・評価 ----------------------------- 33

3 キャンパスの整備方針 39

3-1 キャンパス整備の基本方針 -------------------------------------------- 40

3-2 キャンパスの整備方針 ------------------------------------------------ 41

3-3 キャンパスの活用方針 ------------------------------------------------ 45

4 フレームワークプラン 47

4- 1 東広島キャンパス --------------------------------------------------- 48

4- 2 霞キャンパス ------------------------------------------------------- 55

4- 3 東千田キャンパス --------------------------------------------------- 60

5 キャンパス・アクションプラン ~第三期中期目標期間の計画~ 63

5-1 キャンパスや施設の整備計画 ---------------------------------------- 64

6 資料編

6-1 施設整備の基本的な考え方 ------------------------------------------- 資-1

6-2 東広島キャンパスの概要 --------------------------------------------- 資-10

6-3 霞キャンパスの概要 ------------------------------------------------- 資-25

6-4 東千田キャンパスの概要 --------------------------------------------- 資-40

6-5 「キャンパス整備のアクションプラン」についての検証 ---------------------- 資-53

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1 キャンパスマスタープランについて

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1-1 目的

大学は、国民から負託された資産であるキャンパスを最大限に活用し、教育研究の質の向上を図り、

教育研究の成果をあげ社会貢献を実現していくことが求められている。キャンパスマスタープランは、

大学のミッションやアカデミックプランを実現するため、学内外の関係者が共通認識するキャンパス

空間の将来像に向け、継続的に実施される施設・環境整備と管理・運営の拠り所となる指針として策

定する。

1-2 位置づけ

キャンパスマスタープランは、「広島大学の長期ビジョン」を踏まえ、「施設整備グランドデザイ

ン 2011」を点検・評価のうえ、中期目標・中期計画にリンクした形で作成する。

2005 2010 2015 2020 2025 年度 年度 年度 年度 年度

1-3 構成

キャンパスマスタープランは、アカデミックプラン、経営戦略及びキャンパスの現状把握を踏まえ、

基本方針を策定し、次いで整備方針、活用方針及びフレームワークプランを策定する。

また、キャンパスの発展的再生を図るため、アクションプランを示す。

アクションプラン

アカデミックプラン

経営戦略

現状把握

基本方針

活用方針

広島大学の長期ビジョン

〈大学のアカデミックプラン〉

第二期中期目標・中期計画 第三期中期目標・中期計画 第一期中期目標・中期計画

〈キャンパスプラン〉

施設整備グランドデザイン

2011

アクションプラン アクションプラン

施設整備グランドデザイン

2008

第四期中期目標・中期計画

アクションプラン アクションプラン

キャンパスマスタープラン

2016

フレームワークプラン(長期方針)

整備方針

計画の前提 キャンパスマスタープラン

フレームワークプラン

※ 広島大学ではアカデミックプラン及び経営戦略に関する方針として「広島大学の長期ビジョン」(平成21年策定,6 資料編(P 資-1)

参照)を策定している

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2 キャンパスの現状と課題

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2-1 キャンパスの現状

2-1-1 キャンパスの概況

(1)キャンパスの位置

広島大学の主要なキャンパスは、東広島市の東広島キャンパスと広島市の霞キャンパス及び東

千田キャンパスである。

① 東広島キャンパス

本部のある東広島キャンパスは、広島

市より東へ約 35km離れた東広島市の標高

200~337mの丘陵地に位置する。東広島市

の中心市街地であるJR西条駅周辺から

南西へ約 4km に位置し、隣接する地域に

は北側に学生宿舎・店舗等が集積する下

見学生街、南東側には研究機関等が集積

する広島中央サイエンスパークがある。

その他の周辺地域は、主として山林と田

園地帯であり、恵まれた自然環境を有す

る地域である。キャンパスへの公共交通

でのアクセスは、JR山陽本線の西条駅

もしくは八本松駅からバスが運行されて

いる。

東広島キャンパスは、広島市中心部にあったキャンパスが手狭になったこと、県内にキャン

パスが分散し円滑な教育・研究活動に支障を来していたことから、1973 年に東広島市(当時の

賀茂郡西条町)への統合移転が決定したものである。1982 年に工学部が移転開校し、1995 年

に移転を完了した。

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② 霞キャンパス

霞キャンパスは、広島市の中心部(紙屋町)から約 3km、JR広島駅より南東 2.2km の利便

性の良い地域に位置し、住宅街、商業地及び中学校と接している。キャンパスは、国道2号線、

中広宇品線及び比治山東雲線に囲まれているが、これらの幹線道路とは接していないため、キ

ャンパスへは中広宇品線から市道南3区 191 号線を通ってアプローチすることになる。広島市

の中心部やJR広島駅からバスで結ばれており、利便性の高い立地条件である。

③ 東千田キャンパス

東千田キャンパスは、広島市の中心部(紙屋町)から南に約 1.5km、JR広島駅より南西 2.2km

に位置し、統合移転前まで大学本部が置かれていた広島大学本部跡地の一角である。広島大学

本部跡地の一部では公園やマンションが整備され、残りの跡地では「ひろしまの『知の拠点』

再生プロジェクト」が進行している。広島市の中心部やJR広島駅からバス、路面電車で結ば

れており、利便性の高い立地条件である。

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(2)3キャンパスの概況

広島大学は主要3キャンパス(東広島、霞、東千田)において、敷地面積 2,655,364㎡、建物

延べ床面積 584,740 ㎡を保有し、そこで活動する構成員(学生、教職員)は計 18,772 人にのぼ

っている。(平成 28 年度)キャンパス別には、東広島キャンパスの敷地規模が約 250ha と最も大

きく、建築物の規模、構成員とも最大である。

東広島キャンパス 霞キャンパス 東千田キャンパス

敷地面積 2,492,192㎡ 144,701㎡ 18,471㎡

建築面積 122,954㎡ 51,550㎡ 3,669㎡

延べ床面積 360,003㎡ 210,011㎡ 14,726㎡

建ぺい率 5.0% 36.0% 20.0%

容積率 14.0% 145.0% 80.0%

構成員数

学生 11,943人 ※ 3,024人 ※ 674人

教職員 1,485人 1,596人 50人

学部

・総合科学部

・文学部

・教育学部

・法学部

・経済学部

・理学部

・工学部

・生物生産学部

・医学部

・歯学部

・薬学部

・法学部(夜間主)

・経済学部(夜間主)

研究科

・総合科学研究科

・文学研究科

・教育学研究科

・社会科学研究科

・理学研究科

・先端物質科学研究科

・工学研究科

・生物圏科学研究科

・国際協力研究科

・医歯薬保健学研究科

・社会科学研究科

・法務研究科

その他

・附属幼稚園

・学生宿舎

・職員宿舎

・原爆放射線医科学研究所

・病院

備考 ※ 霞キャンパスの学部生のうち 1年次生(393人(定

員))は東千田キャンパスで教養教育を受講

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2-1-2 東広島キャンパス

(1)土地利用・立地条件

東広島キャンパスの土地利用は、西側のゆるやかな傾斜地に主要な施設群が立地するアカデミ

ック地区、東側の南向き傾斜地を利用した農場地区、及び中央部の山林(保全緑地)ゾーンから

構成される。アカデミック地区は、8学部9研究科の教育研究施設をはじめ、法人本部、共同利

用施設、福利厚生施設、スポーツ施設等が立地する。山林ゾーンには、学生宿舎・教職員宿舎、

附属幼稚園等が立地している。

キャンパスの主要なアクセスは、JR西条駅と広島大学を結ぶ西条駅大学線(通称ブールバー

ル)であり、山林ゾーンを貫いてアカデミックゾーン北側に至る。アカデミックゾーンは、北側

をブールバール、西側を主要地方道馬木八本松線、東側を市道下見中郷線に囲まれ、主要な施設

はアカデミックゾーン内を東西に貫く構内道路の北側に立地している。広島大学への公共交通の

アクセスはJR西条駅からのバスが主体であり、JR八本松駅、広島市内からの高速バスも運行

されている。これらのバス路線は、アカデミックゾーンの主要部分を反時計回りに運行されてお

り、9か所のバス停が設置されている。

東広島キャンパスの立地条件

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(2)施設配置及び整備状況

① 施設配置

アカデミック地区は、広島大学の開発前から地域の農業用水源として利用されていた「ぶどう

池」及び周辺の樹林地を保全するとともに、ぶどう池を中心として馬蹄形のエリアに各種施設が

配置されている。統合移転のスケジュールに合わせて学部毎に順次整備されたため学部毎の独立

性が高いこと、ぶどう池周辺に図書館・ホール、福利厚生施設が配置されていることから、学部

間の交流が少ないほか、北地区と南地区で施設のアンバランス(北地区における共用空間の不足、

南地区における低利用地の発生)などの問題が生じている。

アカデミック地区の土地利用・施設配置

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② 施設規模

東広島キャンパスに立地する施設の延べ床面積は約 36 万㎡、うち教育・研究施設が約 67%

を占める。

③ 整備時期・老朽度等

東広島キャンパスは 1982 年に工学部が移転開校し、その後 1995 年に移転完了したため、比

較的新しい施設である。このうち、工学部実験研究棟 4 棟及び機械専攻共用棟は改修済みであ

る。ただし、大半の施設が築後 20年を経過しており、今後これらの施設が一斉に改修時期を迎

えることになるため、計画的に

対応を検討するとともに、施設

の維持管理のための安定した財

源の確保が必要な状況となって

いる。

なお、東広島キャンパスにお

いて耐震改修の対象となる施設

の延べ床面積は全体の約 11%に

当たる約 39 千㎡であるが、全て

耐震改修済みである。

大学教育・研

究施設

67%

大学図書館

7%

大学体育施設

3%

大学支援施設

5%

大学宿泊施設

8%

附属学校

0%

附属病院

0%

大学管理施設

6%

大学設備室等

4%

団地内

延べ面積

360,003 ㎡

文学部

3%

法学部・経済

学部

5%

理学部

17%

生物生産学部

11%

工学部

26%

総合科学部

9%

教育学部

19%

国際協力研究

4%

先端物質科学

研究科

6%

専有面積

199,067 ㎡

アカデミック地区の施設の経年状況

面積区分比 部局専有面積比

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④ 教育・研究環境

<教育研究施設の状況>

東広島キャンパスにおける施設の充足率は、概ね 100%前後が確保されている。しかしなが

ら、部局によって状況は異なり、一部の部局で充足率が 100%を大きく下回っているため、部

局間で最大 30%以上の較差を生じている。

また、各学部・研究科の施設は原則として低層階に講義室、高層階に研究室が配置されてい

るため、学年が進むにつれて高層棟の研究室に所属することになり、学部内や他学部の学生等

との交流や新たなタイプの学びのスタイルに対応できない状況にある。

東広島キャンパスでは、アカデミック地区北側・東側・西側の 3 か所に教育・研究ゾーンが

あり、それぞれのゾーンに 1 棟ずつ図書館が配置されている。ラーニングコモンズはこのうち

北地区にある中央図書館と東地区にある東図書館にそれぞれ 848 ㎡と 139 ㎡の計 987 ㎡が整備

され、何れも活発に利用されている。そして、その需要は年々増加し、現状の施設では十分な

対応は難しい状況となっている。

東広島キャンパスには、RI実験施設が全学共用のほか 3 研究科(工学研究科,総合科学研

究科,生物圏科学研究科)の計 4 か所に設置されているが、近年はRI実験の件数が減少して

おり、各施設とも稼働率は年々低下している。また、RI実験施設は建設後 23~34 年が経過(平

成 28 年現在)し、実験機器の維持管理や更新整備等に高額の経費が必要となってきているが、

全施設の実験機器に対し経費を確保することは、全体の稼働状況と照らした場合費用対効果上

問題がある。

現在進行している新学部等の構想においては、新たに教育研究スペースの確保に向けての検

討が必要となる。

理系学部の実験棟においては、学生の男女比が建設当時から大きく変わったことによる女子

トイレの不足が深刻な問題となっている状況が多く、多機能トイレの設置や和式トイレから洋

式トイレへの転換を含め、早急な対応が求められている。

<講義室>

講義室の稼働率は、文学研究科と工学研究科で 60%を超えてはいるものの、全体平均で 55%

とやや低めの稼働状況となっている。なお、先端物質科学研究科は、院生のみの研究科であり、

実験の比率が高いこと、また、生物圏科学研究科では、講義と実習を午前・午後に振り分けて

履修効率の向上を図っていることが、それぞれ稼働率の低い理由となっている。

また、規模の大きな講義室を少人数で利用する等、スペースやエネルギーの非効率な使用と

なっている例も見受けられる。

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<学生スペース>

学生専用の研究スペース等の確保状況は研究科によって異なり、その格差は非常に大きい状

況となっている。スペースが不足している研究科の学生は、その代替スペースを講義室,図書

館または学生プラザ等の共用施設に求めているが、絶対数の不足や利用可能時間帯の制約によ

り、十分な補完には至っていないのが現状である。

<全学共用施設の状況>

東広島キャンパスでは、研究・実験等を目的とした全学共用スペース(弾力的活用スペース)

として約 5,500 ㎡(レンタルラボ 1,700 ㎡、組織利用 3,400 ㎡、その他 400 ㎡)が確保され、

そのほとんどのスペースが活発に利用されている。また、全学共用スペースは、大規模改修時

若しくは施設利用実態調査時に、部局の充足率に応じて拡充することとなっており、平成 21 年

度から平成 26年度にかけて実施された工学部実験研究棟群の大規模改修では、1,700 ㎡が新た

に拠出され現在も有効活用されている。

福利厚生施設においては、昼食時に利用者が集中するため、常に順番待ちの列が長蛇となる

状況であり、雨天時や夏の強い日差しの下での利用において支障となっている。ソフト面とハ

ード面での早急な対策が求められている。

東広島キャンパス 研究科別講義室保有状況

演習室 小講義室 中講義室 大講義室 特大講義室

25㎡(18人)以下

70㎡(50人)以下

100㎡(100人)以下

200㎡(200人)以下

200㎡(200人)を超える

全学共用(教養教育) 0 12 16 10 4 42 55%

教育学研究科 0 10 7 7 2 26 57%

文学研究科 5 2 5 1 1 14 62%

社会科学研究科 0 10 2 2 2 16 53%

先端物質科学研究科 0 4 0 1 0 5 35%

理学研究科 0 6 6 3 1 16 52%

工学研究科 0 3 9 10 0 22 62%

生物圏科学研究科 0 6 5 1 0 12 38%

国際協力研究科 0 6 0 0 0 6 53%

総合科学研究科 12 5 5 1 0 23 57%

  計 17 64 55 36 10 182 55%

 ※ 平成27年度実績を示す

平均稼働率

保有室数

研究科等名

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(3)キャンパスの環境

① 緑地・オープンスペース

東広島キャンパスは、移転前の自然環境を一部保持しながら施設整備が行われているため、

ため池、既存樹林地等が保全され、良好な環境が保たれている。キャンパス内を流れる広島県

の砂防河川である角脇川やぶどう池及び周辺樹林地等は多くの絶滅危惧種を含む貴重な動植物

の生息地となっており、ビオトープの整備など保護活動も行われている。

また、計画的にサタケスクエア、スペイン広場をはじめとする広場、オープンスペースが整

備されており、ゆとりあるキャンパスの空間が確保されている。

しかし、広場やオープンスペースにおいて、緑陰等による日避けや雨避けのスペースはほと

んど確保されていない。また、ぶどう池北東側に流れ込む山中谷川周辺においては、簡易的な

整備にとどまっているのが現状である。

アカデミック地区の緑地・オープンスペース

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② 交通環境・歩行者環境

東広島キャンパスにおいては、計画的な歩車分離が行われており、学内を循環するサービス

幹線道路の内側は原則として歩行者・自転車等の空間となっている。学内者及び来客者用駐車

場は原則としてサービス幹線道路の外側に設置されている。駐車場は学年や居住地等の条件に

よって車の乗り入れを制限しているため全体としては充足しているが、学部・研究科によって利

用状況に格差が見られる。

アカデミック地区の駐車場

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サービス幹線道路の内側は歩行者・自転車動線が整備されているが、利用者の増加する登校

時等において自動車動線と輻輳する箇所が見られ、安全性において問題を抱えている。また、

キャンパスが広く自転車が主要な移動手段となっているため、利用の集中する図書館や福利厚

生施設等の周辺及び学部研究棟から離れた実験施設周辺(南地区等)への不法駐輪が非常に多

くなっている。学内全体の駐輪可能台数は、現状の利用台数を上回っているが、図書館や福利

厚生施設周辺に施設利用者に対して十分な駐輪スペースが確保されていないことにより、駐輪

場の需要と供給のアンバランスを生じている。

また、幹線道路沿いの一部の歩道においては、植栽木の根上がりにより路面が隆起し、歩行

者の通行に支障となっている状況であり、安全性についても問題となっている。

アカデミック地区の歩行者・自転車・駐輪場

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(4)ライフライン・エネルギー消費等

① ライフライン

東広島キャンパスにおいては、キャンパスの整備に併せて共同溝を整備し、高圧電力、上・

中水、ガス等を供給している。また、工学部の大規模改修に併せて建物周辺のライフラインは

更新を行っているが、キャンパス内幹線部分(電気関係を除く)は未更新となっている。

環境安全センターに設置されている実験排水処

理施設は、排水処理設備の監視装置が、設置後 30年以上経過し、動作不良を引き起こす危険性が高

いばかりでなく、供給停止となっている部品も多

数使用されているため、故障時に十分な部品供給

が出来ないことが懸念される。 統合移転を経たキャンパスのため、ライフライ

ンの更新を、更新基準年数による設定とした場合、

一定の期間に多額の更新費が集中することとなる。

② エネルギー消費

東広島キャンパスのエネルギー消費量は、

2013 年(平成 25 年)の猛暑による増加はあっ

たものの、2011 年(平成 23 年)461,442GJ か

ら減少の傾向にあり 2014 年(平成 26 年)は

424,227GJ となっている。 省エネ法による削減目標では、測定年より前 4

年間の、原単位における前年度比削減率が平均

1%以上と規定されており、東広島キャンパスに

おいては、当該目標を達成している。 なお、CO2 排出量においてエネルギー消費量

推移と相違があるのは、CO2 排出係数の変化に

よるものである。 また、東広島キャンパスにおいては、油焚き

のボイラー・空調設備があり、CO2 の排出量が

多くなる原因となっている。

※ 単位(l/㎡)は原油換算値を示す

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16

2-1-3 霞キャンパス

(1)土地利用・立地条件

霞キャンパスは、戦前は広島陸軍兵器補給廠として使用されており、広島県立医科大学が広島

大学医学部に移管・併合された後の昭和 32年に呉市から移転された。移転当初は、明治時代に建

設された赤煉瓦造の建物を校舎・病院として使用していたが、広島大学の西条地区への統合移転

の対象とせず、現地で順次改築が行われ現在に至っている。

霞キャンパス周辺は、原爆の被害を免れたため戦後は永らく密集市街地が形成されていたが、

広島市による段原地区土地区画整理事業の実施により周辺環境が大きく変化している。キャンパ

スへの主要なアクセスは中広宇品線から市道南 3 区 191 号線を経由するルートであるが、幅員が

狭く、ラッシュ時にはバス・病院来院者の自家用車等が集中することが、交通渋滞の要因となっ

ている。なお、キャンパスは広幅員の幹線道路に接しておらず、外周は比較的狭い道路に囲まれ

ているため、主要アクセス以外のアクセスは限られている。

霞キャンパスの立地条件

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17

(2)施設配置及び整備状況

① 施設配置

霞キャンパスは、主に病院ゾーン(入院棟、診療棟及び関連施設)及び教育・研究ゾーン(講

義棟、研究棟及び関連施設)から構成されている。メインアクセスの入口付近には入院棟、診療

棟が新たに整備されているが、外来患者用の駐車場等の施設がキャンパス内に点在しており、利

用上の混乱や動線の輻輳等の問題が生じている。また、教育・研究ゾーンは教育・研究関係施設

が高密に立地しており、過密な状態となっている。

霞キャンパスの施設配置

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18

② 施設規模

霞キャンパスに立地する施設の延べ床面積は約 21 万㎡、うち教育・研究施設が約 46%を占

める。

③ 整備時期・老朽度等

霞キャンパスは、学部関係施設の大半が建設後 30 年以上経過し、老朽化対策及び耐震改修を

含めて順次改修整備を行っている。昭和 56 年以前の旧耐震基準により建設され、耐震性能を満

たしていない建物については平成 15年以降重点的に耐震改修を実施し、現在では研究棟 Cを残

すのみとなっている。

しかしながら、全体の 2 割が未改修建物であり、老朽化が著しい状況であるため、今後の長期

的施設整備に照らして効率的な改修整備を行っていく必要があり、この財源の安定的確保と着実

な実施が求められている。

なお、病院関係施設においては、平成 25 年度で再開発整備が完了し、すべての建物に対して

全面改修若しくは改築整備が施されている。

医歯薬保健学

研究科

44%

原爆放射線医

科学研究所

5%

病院

48%

その他

3%

専有面積

165,908 ㎡

大学教育・研

究施設

46%

大学図書館

1%

大学体育施設

1%

大学支援施設

3%

附属病院

39%

大学管理施設

2%

大学設備室等

8%

団地内

延べ面積

210,011 ㎡

面積区分比 部局占有面積比

霞キャンパスの施設の経年状況

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19

④ 教育・研究環境

<教育研究施設の状況>

霞キャンパスでは、病院再開発後の跡地施設を、医歯薬保健学研究科施設の大規模改修時に

仮移転用地として利用する計画として残置しているため、施設の充足率は 100%に近い状況と

なっている。

原爆放射線医科学研究所の実験棟群は老朽化が著しく、RIを扱う施設であることから、実

験の安全性確保が問題となっている。また、原爆放射線医科学研究所が保管している生体標本

は、被ばく者医療における貴重な資料であるが、保存スペースの不足により数か所に分散保管

されているのが現状であり、実験及び保管に係るスペースの早急な確保が求められている。

<講義室>

霞キャンパス全体の講義室の平均稼働率は 41%と低い状況である。利用頻度にバラツキがあ

り、一部の講義室の稼働率が極端に低い状況となっている。

<学生スペース>

霞団地においては、学部生の自学自習スペースは、講義棟,図書館(24時間対応ラーニング

コモンズ)及び霞会館に設置されているが、部局の建物内には設けられていない。また、交流

スペースについても十分ではないのが現状である。

また、学生の就学等に係る諸手続きは、学生が所属する学部等の事務室に分散されているた

め、学生サービスの集約化が求められている。

<全学共用施設の状況>

霞キャンパスでは、全学共用スペースとして約 1,600㎡(レンタルラボ 800㎡、組織利用 600

㎡、その他 200 ㎡)が確保され、そのほとんどのスペースが活発に利用されており、良好な運

用状況となっている。

このほか、平成 28年度から、共用棟 1及び共用棟 2を全学共用スペースとして確保したため、

新たに 6,200 ㎡が拠出され、合わせて 7,800 ㎡を保有するに至っている。ただし、共用棟 1 及

び共用棟 2 は当面大規模改修の仮移転地として利用することとしている。また、建物内部が未

改修であるため、仮使用終了後には改修工事が必要となる。

霞キャンパス 学部・研究科別講義室保有状況

演習室 小講義室 中講義室 大講義室 特大講義室

25㎡(18人)以下

70㎡(50人)以下

100㎡(100人)以下

200㎡(200人)以下

200㎡(200人)を超える

医学部 0 0 0 4 1 5 62%

歯学部 0 1 5 1 0 7 49%

薬学部 0 4 2 1 0 7 40%

保健学研究科 6 3 4 1 0 14 31%

  計 6 8 11 7 1 33 41%

 ※ 平成27年度実績を示す

研究科等名

保有室数平均

稼働率※計

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20

(3)キャンパスの環境

① 緑地・オープンスペース

教育研究ゾーンにおいては、霞会館南側に学生の憩いのスペースがわずかに確保されているが、

学生の広場等についてはキャンパス内に確保されていない。

診療ゾーンにおいては、患者用の憩いのスペースとして、診療棟西のカスミ桜の庭、入院棟南

のいこいの森、診療棟屋上庭園が整備されている。

② 交通環境・歩行者環境

<自動車>

霞キャンパス内全域に駐車場が分散配置されているため、構内の自動車通行量が多くなってい

る。また、病院への外来者の駐車場が 3か所に分散し構内動線が長くなっているため、歩行者や

自転車との動線と交錯し事故に繋がる恐れがある。

<自転車>

駐輪場が建物周辺を中心として 32 か所に分散配置されているため、キャンパス構内の自転車

通行量が多くなっている。

学外者の利用も多く、使用者不明の放置自転車が至る所に点在している状態となっている。

霞キャンパスの緑地・オープンスペース

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21

<歩行者>

教育研究ゾーンでは歩道が整備されていないため、車両との動線の交錯による事故の発生が懸

念される。また、建物の分散配置により歩行者の動線が不明確となっている。

病院への外来者駐車場が教育研究ゾーンにあり、病院施設からの距離が長くなっているため、

患者等に対して負担を掛ける状況となっている。

③ ユニバーサルデザイン

バリアフリーについては建物の改修時において着実に整備を進めているところであるが、教育

研究ゾーンの構内サインは未整備である。

霞キャンパスの駐車場・駐輪場・交通動線

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22

(4)ライフライン・エネルギー消費等

① ライフライン

霞団地には病院施設を保有しており、平成 14 年の入院棟完成及び平成 25 年の診療棟完成時

に、関連するライフラインを更新している。また、学部系については、平成 16年以降全面改修

に併せたライフラインの更新を進めている。なお、幹線市水管及び排水管等は、45 年以上経過

している部分があり、漏水事故の発生が懸念される。

動物実験棟の空調設備(24 時間運転)については、平成 22 年に熱源を油焚きからガス焚き

に更新している。なお、各階のエアハンドリングユニットについては、4 階のバックアップ装

置(全系統の内、1 系統を切り替えバックアップできるシステム)の利用による更新が可能と

なっているが、現在は未更新である。

② エネルギー消費

霞キャンパスのエネルギー消費量は、2011 年

(平成 23 年)の 483,339GJ に対し 2013 年(平

成 25 年)には 567,028GJ と大きく増加したが、

これは診療棟完成による消費量増及び猛暑の影響

によるものであり、その後は 2014年(平成 26年)

541,174GJ、2015 年(平成 27 年)518,191GJ と

着実に減少している。 省エネ法による削減目標では、測定年より前 4

年間の原単位における前年度比削減率が平均 1%以上と規定されており、霞キャンパスにおいては、

当該目標を達成している。 また、2013 年(平成 25 年)に診療棟が完成し、

エネルギー消費が増加しているが、省エネ機器の

効果で原単位は大きく削減されている。 なお、CO2 排出量においてエネルギー消費量推

移と相違があるのは、CO2 排出係数の変化による

ものである。

※ 単位(l/㎡)は原油換算値を示す

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2-1-4 東千田キャンパス

(1)土地利用・立地条件

東千田キャンパスは、広島大学の前身である広島文理科大学、広島高等師範学校の校地であり、

昭和 24年の広島大学開学以降は本部キャンパスであった。広島大学の東広島市への統合移転に伴

いキャンパスの大半は独立行政法人国立大学財務・経営センター(現 独立行政法人大学改革支

援・学位授与機構)により管理されてきたが、一部は都市公園、マンション等として再開発され、

その他の区域も「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」として事業化した。現在、広島大

学東千田キャンパスは敷地面積約 1.8haの区域である。隣接した 3.8haの区域は、「ひろしまナレ

ッジパーク」として学生向け居住施設、高層マンション、福祉施設、スポーツ施設、医療施設等

からなる複合開発が進められている。

東千田キャンパスは、都市計画道路紙屋町御幸橋線(通称千田通り)に面しており、路面電車・

路線バスの停留所から至近距離にある。なお、「ひろしまナレッジパーク」の整備に伴い、東千田

公園や隣接施設からの歩行者によるアクセスが可能となっている。

東千田キャンパスの立地条件

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24

(2)施設配置及び整備状況

① 施設配置

東千田キャンパスは、容積率(200%)により建設可能な建物延べ床面積がキャンパス全体で約

36,000㎡に制限されるが、狭小な敷地に対して、今後を見据えた効果的な建設計画の策定が望ま

れている。

東千田キャンパスでは、「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」に係る施設整備の一環と

して、東千田未来創生センターを平成 27 年度に建設し、平成 28 年 4 月より霞キャンパスで履修

する1年生の教養教育を実施している。

東千田キャンパスの施設配置

ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト ゾーニング図

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25

② 施設規模

東千田キャンパスに立地する施設の延べ床面積は約 1.5 万㎡、うち教育・研究施設が約 77%

を占める。

③ 整備時期・老朽度等

東千田キャンパスの建物は、平成 8 年以降に新築若しくは改修されており、経年は 1~20 年と

比較的新しい施設である。ただし、総合校舎B及び総合校舎Cは建設後 53年、改修後 16年を経

過しており、今後 20年内外のうちには改築整備が必要となる施設である。

大学教育・研

究施設

77%

大学図書館

7%

大学体育施設

5%

大学支援施設

2%大学管理施設

8%

大学設備室等

1%

団地内

延べ面積

14,726 ㎡

法学部・経済

学部

33%

法務研究科

23%

教養教育

44% 専有面積

9,736 ㎡

面積区分比 部局占有面積比

東千田キャンパスの施設の経年状況

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26

④ 教育・研究環境

<教育研究施設の状況>

東千田キャンパスは、狭小な敷地に 2 部局(社会科学研究科(法学部・経済学部)及び法務

研究科)が設置され、部局専用の施設は確保されておらず、全てが共用の施設となっている。

また、施設の充足率が 71%と非常に低い状態となっている。特に院生の研究スペースは、平

成 16 年度の法務研究科設置において、法務研究科専用スペースへの拠出対象となったことによ

り、現状ではスペース不足が深刻な問題となっている。

<講義室>

東千田キャンパス全体の講義室の平均稼働率は、昼間が 34%と非常に低い反面、夜間は 72%

と高い状況である。これは法学部・経済学部の夜間主コースの学生数及びカリキュラムにあわ

せた設計となっていることに起因しているが、平成 28年度から新設された東千田未来創生セン

ターにおいて霞地区 1 年生の教養教育の履修を開始したことにより、昼間の講義室利用に係る

状況に変化を生じている。

<学生スペース>

東千田キャンパスにおいては、学生(院生)の自学自習スペースが総合校舎Aに設けられて

いるが、学部生(夜間主コース)の自学自習スペースは設けられていない。

また、交流スペースも少なく、一部には利用しにくい配置となっている。

<全学共用施設の状況>

東千田キャンパスでは、全学共用スペースとして約 340 ㎡が確保されている。

このほか、平成 28年度から、供用開始となった東千田未来創生センター内には、学内の共同

研究等を対象としたプロジェクトスペースが設けられている。

東千田キャンパス 講義室保有状況

演習室 小講義室 中講義室 大講義室 特大講義室

25㎡(18人)以下

70㎡(50人)以下

100㎡(100人)以下

200㎡(200人)以下

200㎡(200人)を超える

昼間 夜間

全学共用(教養教育) 0 0 4 3 1 8 - -

社会科学研究科法務研究科

6 7 3 3 1 20 34% 72%

  計 6 7 7 6 2 28 34% 72%

 ※1  平成27年度実績を示す    全学共用(教養教育)の講義室は、H28.4から使用開始のため稼働率データは無い

 ※2  このうち1室は2室に分割使用可

研究科等名

保有室数

平均稼働率※1

※2※2

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27

(3)キャンパスの環境

① 緑地・オープンスペース

キャンパス内に憩いのスペース及び多目的スペースを設置し、また、隣接する東千田公園側(敷

地北側)では公園と一体利用することにより、オープンスペースを確保している。

なお、「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」において、敷地境界への工作物(塀等)

の設置は抑制することとされているため、不審者の侵入や学内施設等の不法使用に対する配慮が

必要である。

なお、大規模増築時(1,000 ㎡以上)の実施においては、緑化推進制度(広島市地球温暖化対

策等の推進に関する条例)により、10%の緑地確保が義務付けられている。

② 交通環境・歩行者環境

キャンパスへの進入口が 1 か所であるため、構内で自動車・自転車・歩行者の動線が交錯し、

事故の発生に繋がる危険がある。特に、駐車場が南北に分散して配置されているため、総合校舎

Aと総合校舎Bを建物間移動する歩行者動線との交錯機会が多くなっている。なお、平成 29 年

度以降に、キャンパス東側に隣接する「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」用地内の通

行が可能となるため、動線交錯の一部緩和が期待されるものの、危険な状態の解消には至らない。

また、教養教育を受講する霞地区学生の主な移動手段が自転車となることが想定されるため、

キャンパス内での自転車に対する適切な管理・運用が必要な状況となる。

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28

(4)ライフライン・エネルギー消費等

① ライフライン

東千田キャンパスのライフラインは、平成 8 年以降施設の新築、改修工事において整備され

ている。

② エネルギー消費

東千田キャンパスのエネルギー消費量は、2011年(平成 23 年)8,359GJ から 2014 年(平成 26年)7,619GJ と毎年、減少の傾向となっている。

また、24 時間空調が少ないことや夜間の利用が多

いため、2013 年(平成 25 年)の猛暑時において

も減少した実績がある。 省エネ法による削減目標では、測定年より前 4

年間の原単位における前年度比削減率が平均 1%以上と規定されており、東千田キャンパスにおい

ては、当該目標を達成している。 CO2 排出量においてエネルギー消費量推移と相

違があるのは、CO2 排出係数の変化によるもので

ある。

また、平成 28 年度より東千田キャンパスの電力

及び東千田未来創生センターのガス空調設備のガ

スをスマートコミニュティ事業(「ひろしまの『知

の拠点』再生プロジェクト」の施設を対象とした、

省エネ・CO2 削減に寄与するための、エネルギー

供給サービス)から受給し、省エネ・CO2 削減を

推進している。

なお、東千田キャンパスの施設は比較的新しく、

照明及び空調機器においても、経年は 20 年以下で

ある。

※ 単位(l/㎡)は原油換算値を示す

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29

2-2 キャンパス整備の課題

施設マネジメントの実施に当たっては、既存施設の安全性や機能性、利用方法等の現状を把握し、

教育研究等にもたらす効果や必要な財源確保の方策を十分に検討した上で、保有施設の総量の最適化

を図りながら、施設の効率的な活用や計画的な新増改築・改修事業を進めていくことが重要である。

そのためには、各キャンパスの現状を把握するとともにキャンパスが抱える課題を抽出し、改めて

大学としての意志を全学的に理解・浸透させることによって、大学の理念やアカデミックプランの実

現につながる質の高い教育研究環境の実現に向けた取り組みが必要である。

2-2-1 教育研究環境の活性化

(1) 講義室

東広島キャンパス及び霞キャンパスの講義室では、稼働率が何れも 50%前後と低い状況とな

っている。また、受講する学生数に応じた室規模より広い講義室を使用する傾向があり、スペ

ースが有効に活用されないばかりでなく、エネルギーの無駄な消費に繋がっているケースが見

受けられていることが課題となっている。また、研究室と講義室との位置関係や講義室に整備

されている機器等による利便性の差異が、講義室毎の稼働率に偏りを生じる原因となっている。

一方、東千田キャンパスの講義室では、昼間の稼働率は 30%以下と非常に低い状況であるも

のの、夜間においては 70%を超える稼働率であり、有効活用が図られている状況である。しか

し、東千田未来創生センターの完成により講義室が増えたことで、平成 28 年度以降は講義数

と講義室とのバランスが変わるため、稼働状況に影響する可能性があり、利用実態の把握と有

効利用の検証が今後の課題である。

(2) 学生スペース

学生においては、講義のない時間帯での自学自習の重要性から、活動エリア内に自由な時間

帯での利用が可能な自学自習スペースを確保することが重要であるが、各キャンパスとも、院

生・学部生の研究スペースが不足している状況が課題となっている。特に学部生の研究スペー

スは全ての学部において十分に確保出来ていないのが現状である。

東広島キャンパスや霞キャンパスにおいては、施設の大規模改修時に学生の修学環境の向上

を図っているところであるが、学部生の自学自習スペース不足の解消には至っていないため、

スペース確保に向けた方策等の検討が課題である。

また、ラーニングコモンズやアクティブラーニングスペースの拡充による大学教育の質的転

換が求められており、グループワークやディスカッションの場として活用するための対応が課

題となっている。

東千田キャンパスでは、全体の充足率が 71%(平成 28 年 4 月現在)と低く、その影響が学

生スペースの確保状況に色濃く出ている。平成 28 年度からは霞キャンパスの教養教育履修学

生を受け入れるため、昼間の学生人口が大幅に増員となり、学生の自学自習等を行うスペース

が大きく不足することとなる。また、現有の院生研究スペースは法務研究科を除き1人当たり

1㎡以下であり、非常に狭隘な状況となっている。よって、学生スペースの確保・拡充により、

学修環境の活性化を図ることが課題である。

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30

(3) 研究スペース

東広島キャンパスでは、全学共用スペースを約 5,500 ㎡(平成 28 年 4 月現在)確保し、大

学の運営戦略に基づく総合的かつ長期的な教育・研究・社会貢献の弾力的な運用を行っている

ところであるが、研究者単位又は学部単位での新たな教育・研究等の推進には効果的に活用さ

れているものの、学部を超えた横断的な共用利用については実績が少なく、今後一層の推進に

より全学的な研究環境の活性化を図ることが当面の課題である。

現在進行中の新学部の構想においては、関連学部内に集約した学生スペースの確保が必要で

あり、関連施設を調査し、スペース確保に向けた配置の検討を行うことが課題となっている。

今後は、こういった多種多様な要求事案に柔軟に対応できる全学共用スペースの確保・運用に

ついて、トップダウン等による方法等を踏まえ、如何に実践していくかが課題となる。

また、RI実験施設は、キャンパス全体での実験数に見合った規模に集約する必要があり、

施設の有効活用による活性化を図るとともに維持管理費の削減による施設の持続性を確保す

ることが課題となっている。

霞キャンパスでは、全学共用スペースを約 7,800 ㎡(平成 28 年 4 月現在)確保し、大学の

運営戦略に基づく総合的かつ長期的な教育・研究・社会貢献の弾力的な運用を行っているとこ

ろであるが、そのうち約 6,200 ㎡(共用棟 1 及び共用棟 2)は、キャンパス内で実施中の病院

跡地整備における仮移転地として確保されている。このため、全学共用スペースとして実質的

な稼働状態にあるのは約 1,600㎡と僅少のままであり、研究者等の需要に対し十分に対応出来

ないことが課題となっている。なお今後は、東広島キャンパスと同様に、全学共用スペースが

多種多様な要求事案に柔軟に対応できるように確保・運用していくことが課題となる。

また、共用棟 1及び共用棟 2 の内部改修に対する経費の確保及び、戦略的有効活用の方針決

定が、病院跡地整備完了までに検討すべき課題である。

2-2-2 生活機能の向上

(1) ユニバーサルデザイン

大学施設は、教育研究活動を支えるだけでなく、学生や教職員等施設利用者の活動を支援し

ており、これら施設利用者の要望を踏まえた機能を確保することが重要である。特に、障害者、

外国人研究者や留学生、社会人学生など広範な年齢層の施設利用及び男女共同参画の観点から

の配慮が必要であるが、これらについて、大学キャンパスのユニバーサルデザイン化を計画

的・効果的に推進していくことが課題である。

(2) パブリックスペース

大学の諸活動等を充実するためには、生活等に係る機能の向上を図ることが必要であり、特

に他学科との交流を育むスペースの存在は、専門の枠を超えた知識の蓄積と異なる視点を通じ

た多角的なスキルアップを可能とする。このような多角的な交流スペースの計画的な整備が今

後の課題である。

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31

(3) グローバル化への対応

世界トップ 100 の総合研究大学を目指しグローバル化を進めるなかで、留学生及び外国人研

究者の大幅な増員が計画されており、キャンパス環境においてもその対応が求められている。

なかでも、生活基盤となる宿舎確保や生活環境及び宗教関連等に関する生活支援等においては、

グローバル化の推進とともに必要性・緊急性が高くなるため、今後の計画的な生活環境の改善

整備による対応が課題である。

(4) 屋外環境

キャンパスの利便性や快適性を向上させるため、適切な緑地・広場や適正な規模の駐車場・

駐輪場の確保など屋外環境にも配慮することが課題である。

2-2-3 安全の確保

(1) 防災対策

地震等の災害や停電及び断水などにおいて、学生や教職員に対する安全性に係る事前対策及

び事後の対応に関する考え方を明確にしておくことが課題である。

(2) 防犯対策

危険物や化学物質の盗難及び研究情報の漏洩等を防ぐため、研究エリアには適切な防犯対策

を施すとともに、場所や内容に応じた段階的な防犯機能を設定することが課題である。なお、

学生や教職員の安全を確保するため、夜間の施設利用等における防犯対策に対する検討も課題

である。

(3) 交通事故対策

大学キャンパス構内には、人・自転車・自動車の動線が存在し、互いに干渉しあうことによ

る事故発生の危険性があることを全員が認識する必要がある。各動線を独立させ交錯を避ける

手法や、不必要な車両の乗り入れを規制する等の検討により、如何に事故発生を未然に防ぐか

が課題である。

(4) ライフラインの更新整備

ライフラインの更新は、建物改修時に併せて順次実施しているところであるが、排水管等に

おける幹線部分については未改修であり、今後の計画的な更新整備が課題となっている。また、

排水管の改修は、地中埋設であるが故のコスト増や施工性が危惧される。

環境安全センターに設置されている実験排水処理施設は、構内の排水を公共下水に放流する

際の水質確保や雨水再利用処理における必須の機器であるため、早期の予防保全が望まれてい

る。

Page 38: CAMPUS MASTER PLAN - Hiroshima University...Hiroshima University Campus Master Plan 2016 建学の精神 「自由で平和な一つの大学 」 基本理念 「平和を希求する精神

32

2-2-4 環境への配慮

大学は、公的機関として環境保全の観点から施設の管理運営において、廃棄物の管理及び環

境への負荷の低減に係る目標を定め持続的改善に取り組むことが重要であり、エネルギーの効

率的使用を図るとともに、省エネルギー機器の採用など大学の規模に応じたエネルギー使用の

合理化に対する検討が課題である。

2-2-5 計画的な財政措置

施設・設備の維持管理を適切に行い新築時の状況を適切に維持していくためには、施設を常に

点検し、効率的な施設管理に努めなければならない。

特に東広島キャンパスは延べ床面積約 36 万㎡の建物を保有しており、今後急速に老朽化が進

展するものと思われる。

効率的な施設管理を行うためには、計画的な財政措置が必要であり、部局が専用するスペース

に対するスペースチャージの適用等、施設設備の維持管理を持続させるために必要な予算を確保

する仕組みの構築が課題である。

2-2-6 スペースマネジメントによる有効活用

広島大学では以前よりスペースマネジメントに積極的に取り組んでおり、大学独自の面積基準

の策定、全学共用スペースの創出、使用面積の講座間格差の是正、部局の施設利用実態調査など

を実施してきた。

平成 26 年度には面積基準をより判りやすくするため、基準面積のネット面積からグロス面積

への見直しや、学生使用面積の統一化など、基準の改正にも取り組んでいる。

さらには国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の施設であった「イノベーションプラザ

広島」を平成 26年 12 月に広島大学へ移管するなど、全学共用スペースの拡大にも取り組んでい

る。

今後とも、各部局の利用状況の把握など、利用の適正化を推進し、教育研究の活性化へ更に

寄与して行くことが課題である。

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33

2-3 施設整備グランドデザイン 2011 の点検・評価

2-3-1 東広島キャンパス

2-3-1-1 キャンパス整備の基本方針

東広島キャンパスの基本方針については、「施設整備グランドデザイン 2011」で示した事項のほ

とんどが着実に実施され、整備目標の達成に貢献している。なお、達成できなかった事項は、財政

的理由と緊急性の判断によるものであり、今後も継続して取り組むことに何ら問題は見受けられな

い。よって、「広島大学キャンパスマスタープラン 2016」においても本基本方針を踏襲し、引き続

き目標達成に向かって推進していくこととする。

項目 確認事項 検証

3-2 キャンパス整

備の長期方針 フレームワークプラン ・ 定められたフレームワークプランを継承

3-2-1 キャンパス

利用の基本方針 ゾーニング設定 ・ 定められたゾーニングを継承

3-2-2 アカデミック

地区

土地利用のゾーニング ・ 運動施設・駐車場ゾーンに保育園(学外施設)を建設

・ それ以外は定められたゾーニングを継承

空間構成とネットワーク ・ 外部からのアクセスの明確化は改善されていない

・ 学生活動ゾーンの整備を計画

交通処理

・ 西側からの新たな自動車動線についての検討は進んでいな

・ 歩行者動線の安全確保として一部実施(学士会館南側)

緑地・オープンスペース ・ 河川沿いの自然環境は良好に維持

・ 緑陰広場・街路樹の整備は進んでいない

2-3-1-2 アクションプラン

アクションプランの実施においては、財政的理由により未実施となった事項がいくつか見られた

が、緊急性及び重要性から判断した結果であり、実施事項についてはそれぞれ適時適切に執行して

いる。(6-5 「キャンパス整備のアクションプラン」についての検証 参照)

未実施事項は「広島大学キャンパスマスタープラン 2016」に引き継ぎ、実施時期を見定めつつ、

新規事項とともに適時適切な実施に向けて取り組むものとする。

キャンパスの目標 達成度※ 備考

1. 新しい時代を拓く知的創造を生み出すキャンパス 88% 計画 8、実施 7(19 事業)

2. 若々しい活力と豊かな人間性を育むキャンパス 57% 計画 7、実施 4(7 事業)

3. 豊かな環境と調和した美しいキャンパス 67% 計画 3、実施 2(2 事業)

4. 地域社会・国際社会と共生する開かれたキャンパス 100% 計画 8、実施 8(11 事業)

5. 社会を先導する「サスティナブル・キャンパス」 100% 計画 2、実施 2(2 事業)

※ 「施設整備グランドデザイン 2011」においてアクションプランに提示した計画事項の実施数による実施割合を示す

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2-3-1-3 施設整備状況

(1) 工学部建物群の改修

工学部の建物は平成 21 年度に実験研究棟 A2 の改修工事に着手し、平成 26 年度までに実験

研究棟 A1~A4 の 4 棟に対し耐震補強を含む大型改修が完了した。この改修により安全・安心

な教育環境の確保ができたが、工学部建物群の約 60%に過ぎず、今後も順次改修を進めていく

必要がある。

(2) ものづくりセンターの整備

自由な発想で主体的にものづくりを行い、学生の創造的・自主的な活動を促進させることを

目的とした「ものづくりセンター」のうち、平成 21 年度のフェニックス工房の整備に引き続

いて、工学部機械系・共通実験実習棟 F1を改修してフェニックスファクトリーが誕生した。

(3) 中央図書館の改善

学内の図書館における書庫の収容量不足を解消するため、平成 25 年度に中央図書館東側に

約 87 万冊の蔵書を収容可能な自動化書庫棟が建設された。これにより、中央図書館を含めて

学内 5館の蔵書収容量不足が解消されるとともに、スペースの一部がラーニングコモンズなど

新たな学生のためのスペースに生まれ変わることが期待されている。

さらに、老朽のため能力不足が生じていた空調設備は、環境省所管の二酸化炭素排出抑制対

策事業費等補助金(先導的「低炭素・循環・自然共生」地域創出事業(グリーンプラン・パー

トナーシップ事業))(平成 26,27年度)の事業採択を受けて設備の更新整備を行った。

(4) 学生宿舎のリニューアル

統合移転当初に建設された学生宿舎は老朽化と共に利用者ニーズの変化及び、女子学生・留

学生の増加などを受けて、順次改修を行った。

今後は平成 3年に建設された 10 号館、平成 5 年に建設された 5,6号館の改善を進める。

2-3-1-4 キャンパスのインフラストラクチャー

(1) 設備インフラの状況

工学部実験研究棟 A1~A4周辺の設備インフラ(電気,ガス,水道(上水・中水),排水)及

び電気のキャンパス内幹線部分は、大規模改修時に併せて改修済みである。

今後も、建物の大規模改修時に順次改修を進めていくこととなるが、ガス,水道(上水・中

水)及び排水のキャンパス内幹線部分の改修は未実施であり、耐用年数を超え安全性が懸念さ

れることから、修繕計画に基づき計画的に改善していくこととする。

(2) 土木インフラの状況

キャンパス内道路のアスファルト舗装は表層の劣化が著しい状態であったため、計画的な補

修を年次的に行っている。

また、舗装面と屋外排水のマンホールとの段差が生じている場所についても、安全面から早

急な改善が望まれるため、引き続き改善を進めていく。

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(3) 施設のユニバーサルデザイン化

バリアフリーへの対応は着実に進められている。今後は、ユニバーサルデザインを考慮した

整備の推進が必要である。

(4) 天然ガス転換

広島ガス(株)の東広島市への天然ガス事業展開を受けて、東広島キャンパス内の LP ガスを

平成 25 年度に天然ガスへ転換した。これにより、電気に頼っていた空調設備をガスヒートポ

ンプ方式に変更することができるため、今後、エネルギーの多様化と共に CO2 の排出削減に

寄与できるものと思われる。

2-3-1-5 キャンパス内の交通施設の状況

(1) 駐車場

中央口での通勤時の渋滞について、調査を実施し現状と対策について検討を行った。

キャンパス内駐車場の利用の偏りについては、キャンパスの入構および使用駐車場の分散の

有効性について、引き続き検討及び提案していく必要がある。

また、今後はサービス幹線道路の内外での駐車場の配置を明確に分離し、内部側への車の流

入制限による、歩行者の安全確保に向けた取組を行う必要がある。

(2) 駐輪場

キャンパス内の移動に自転車を利用する学生が多く、移動先の駐輪場のキャパシティーを超

えた台数が駐輪している状況が各所に生じているため、平成 22 年~平成 27年にかけては、工

学部周辺の駐輪場整備を重点的に実施した。また、既設駐輪場への屋根の設置を利用者の多い

駐輪場を中心に行っている。

しかしながら、中央図書館北側や総合科学部北側については、未だ改善が見られないため、

今後はこの2か所を重点に、運用方法を含めた改善に向けて検討を進めていく必要がある。

なお、キャンパス内走行自転車のスピードの出しすぎ,片手運転及び、駐輪場所以外の駐輪

など、自転車利用者のマナー違反も多く見受けられるため、改善に向けた取り組みが必要であ

る。

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2-3-2 霞キャンパス

2-3-2-1 キャンパス整備の基本方針

霞キャンパスでは、平成 21 年~平成 26年の間で病院再開発整備が実施され、その後の跡地整備

及び既存施設の大規模改修が順次行われているところである。

その間に実施された施設用途の変更や立体駐車場の増設等、「施設整備グランドデザイン 2011」

で示した基本方針に影響する改修整備も随時実施されたため、「広島大学キャンパスマスタープラ

ン 2016」において基本方針を見直し改めて取り組むこととしている。

項目 確認事項 検証

3-2 キャンパス整

備の長期方針 フレームワークプラン ・ 定められたフレームワークプランを継承

3-2-1 キャンパス

利用の基本方針

土地利用のゾーニング ・ ゾーニングによる既存施設の改築等は進んでいない

空間構成とネットワーク ・ 施設配置エリアの変更等により、見直しが必要

交通処理 ・ 立体駐車場(345 台)の整備等により、見直しが必要

緑地・オープンスペース ・ 整備は進んでいない

2-3-2-2 アクションプラン

アクションプランの実施においては、第2期中期目標期間中に予定していた全ての事項について、

計画的に執行し、整備目的を達成している。(6-5 「キャンパス整備のアクションプラン」につい

ての検証 参照)

「広島大学キャンパスマスタープラン 2016」においては、基本方針に基づく新たな整備事項を計

画し、引き継ぎ整備目的の達成に向けて取り組むものとする。

キャンパスの目標 達成度※ 備考

1. 新しい時代を拓く知的創造を生み出すキャンパス 100% 計画 5、実施 5(9 事業)

2. 若々しい活力と豊かな人間性を育むキャンパス 100% 計画 7、実施 7(6 事業)

3. 地域医療・被ばく者医療に貢献できるキャンパス 100% 計画 3、実施 3(6 事業)

4. 地域社会・国際社会と共生する開かれたキャンパス 100% 計画 7、実施 7(8 事業)

5. 社会を先導する「サスティナブル・キャンパス」 100% 計画 2、実施 2(2 事業)

※ 「施設整備グランドデザイン 2011」においてアクションプランに提示した計画事項の実施数による実施割合を示す

2-3-2-3 施設整備状況

(1) 大学病院の整備

平成 14年度の入院棟の完成後、実現までに年数を要したが診療棟が平成 25年に完成し、診

療を開始するとともに、旧外来診療棟を臨床管理棟として改修した。

(2) 病院跡地建物の整備

病院跡地建物である旧第一中央診療棟,研究棟 A(3階より下)を研究棟に、また、旧第二・

第三中央診療棟を共用棟にコンバージョンして有効活用している。

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(3) 施設の老朽改善

病院跡地建物を利用して、順次、耐震補強を含め、老朽改善対策を進めている。平成 27 年

度中に、臨床研究棟,講義棟 Dの改善が完了し、順次、研究棟 C及び、研究棟 Aの改善を行う

計画である。

2-3-2-4 キャンパスのインフラストラクチャー

(1) 設備インフラの状況

キャンパス内の設備インフラは、幹線部分を含め病院整備に伴って改善整備を実施している。

なお、一部の設備インフラには改修が未実施のものがあり、耐用年数を超え安全性が懸念さ

れることから、修繕計画に基づき計画的に改善していくこととする。

(2) 土木インフラの状況

建物整備に伴って、部分的な改善を実施している。

しかし、病院部分と病院以外の部分とで整備に格差が生じている。

(3) 施設のユニバーサルデザイン化

病院施設はユニバーサルデザイン化に積極的に取り組んでいる。

病院以外の施設ではバリアフリーへの対応が着実に進められている。今後は、ユニバーサル

デザインを考慮した整備の推進が必要である。

2-3-2-5 キャンパス内の交通施設の状況

(1) 駐車場

大学病院の外来者用立体駐車場を新たに整備し,キャンパス外の公道の交通渋滞は解消した

が、キャンパス内の交通動線の問題は改善されておらず、危険な状況のままとなっている。

今後は、再配置計画の策定において、駐車場の配置とキャンパス内の通行制限等を考慮した

計画の検討が必要である。

(2) 駐輪場

通勤・通学に自転車を利用する教職員・学生が多く、キャンパス全体のキャパシティーに不

足が見られる。

今後は、再配置計画の策定において、駐輪場の配置とキャンパス内の通行制限等を考慮した

計画の検討が必要である。

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3 キャンパスの整備方針

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3-1 キャンパス整備の基本方針

今後のキャンパス整備にあたっては、各キャンパスの特色を活かしつつ、大学キャンパスに求めら

れる新たな役割、機能や地域社会からの要請を踏まえて、大学の高度な教育・研究機能の強化とそれ

を支える環境の整備充実、さらには地域の文化資源としての役割を果たす「開かれたキャンパス」の

実現を目指していく必要がある。

広島大学では、2011 年度に東広島キャンパス、霞キャンパスにおいて「施設整備グランドデザイン

2011」を策定し、長期的な視点に立ったキャンパスの施設整備を進めてきた。「広島大学キャンパス

マスタープラン 2016」においては、各キャンパスの長期的な将来像を基本としつつ、大学を取り巻く

状況の変化や本学のキャンパス整備の進展や課題を踏まえ、キャンパスの目指す目標像としての基本

方針を以下のとおり設定する。

【キャンパス整備の基本方針】

1 新しい時代を拓く知的創造を生み出すキャンパス

・ 高度な教育・研究及び医療の場としての基盤・環境が整えられた、知的創造の場にふ

さわしいキャンパスを目指す。

2 若々しい活力と豊かな人間性を育むキャンパス

・ 学生たちが伸び伸びと学び、研究し、個性や人間性を磨くことができる、自由で活力

のあるキャンパスを目指す。

3 国際社会・地域社会と共生し貢献する開かれたキャンパス

・ 教育・研究のグローバル化に先進的に対応するとともに、様々な分野で地域社会との

連携が展開する、開かれたキャンパスを目指す。

・ 地域の基幹病院としての医療サービスの提供や医療人の育成、新たな医療の開発など、

医療分野の取り組みを展開する拠点としてのキャンパスを目指す。

4 豊かな環境を活用・創造した美しいキャンパス

・ キャンパスの特性にあわせて恵まれた自然環境やゆとりある空間を活用・創造し、美

しく魅力あふれるキャンパスを目指す。

5 社会を先導する「サスティナブル・キャンパス」

・ 大学ならではの視点に立った総合的なキャンパス空間・施設のマネジメントを行い、

持続可能な地域社会を牽引する「サスティナブル・キャンパス」を目指す。

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3-2 キャンパスの整備方針

キャンパス整備の基本方針を実現し、キャンパスの機能の整備充実と良好な環境形成を図るための

長期的な整備方針を次のとおり設定する。

1. 高度化・多様化する教育・研究活動に対応できる施設の整備・充実 [基本方針:1]

高度化・多様化する教育・研究活動の場、先進医療開発研究の場としてふさわしい施設の機能・

質的水準を確保するとともに、将来の変化に柔軟に対応するため、キャンパスのゾーニング及び

動線計画を明確にする。

○ 教育・研究施設の再生

・ 老朽施設の改善整備

・ 既存施設の有効活用に向けた整備

・ 施設の耐震対策

○ 新たな教育・研究環境及び学生等のニーズに対応した教育・研究環境の整備

・ 教育・研究スペースの整備・充足

・ プロジェクト研究スペースの充実

・ IT機器利活用への対応

・ 学習支援スペースの整備

○ 高度医療に対応した病院施設の整備

・ 経年が 35年を超える老朽施設のうち、研究棟を中心に大規模改修による

安全・安心な教育・研究環境の再生を図ると共に、共用スペースの確保

により、スペースの有効利用の活性化,教育研究の多様性(アクティブ

ラーニング等)への対応及び保有面積の抑制等を実施

・ 耐震指標の低い施設(霞キャンパス研究棟C等)へ耐震対策を実施

・ 経年が 30年を超える鉄骨造等の老朽施設のうち、実験実習棟について安

全・安心な教育・研究環境の再生を図ると共に、新たな技術への適応や

保有面積の抑制を踏まえ機能の再生を実施

・ 設置後 30年を超えるライフラインに対して、点検等による結果を踏まえ

て予防保全対応を順次実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 新たに設立されるセンター(両生類研究センター等)や機能強化が求め

られている実験施設等(動物実験施設等)において、不足する機能に対

する整備・充実を実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

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2. 知的創造活動を支え促す環境づくり [基本方針:2]

教育・研究の活性化を促すため、学習空間のみならず、コミュニケーションの場を確保すると

ともに、スペースの多様な利活用による効果的有効利用を促進する。

○ 学生交流の場の整備

・ 外部パブリックスペースの整備

○ 学生スペースの確保及び学生生活環境の改善

・ アクティブラーニングスペースやラーニングコモンズ等の整備

3. 広く社会に開かれたキャンパスづくり [基本方針:3]

世界に開かれた情報発信拠点として、また、地域に開かれた学習・研究の場として役割をはた

すため、留学生対応、産学官連携機能の充実及びユニバーサルデザイン化に配慮する。

○ ユニバーサルデザイン化の推進及び国際化に対応した環境整備

・ 日本人学生と留学生の交流,留学生・外国人研究生の生活環境及び宗教関連等に関す

る整備

・ 「広島大学施設のユニバーサルデザイン化ガイドライン」に基づくキャンパスのユニ

バーサルデザイン化への整備

・ 「広島大学サインガイドライン」に基づくキャンパスの国際化への整備

・ フレームワークプランに基づき、外部パブリックスペースの整備を順次

実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 経年が 35年を超える老朽施設のうち、研究科専有の講義室を共用化及び

多機能化することにより、多目的利用による有効活用を推進すると共に、

学生スペース用研究スペースとして利活用を促進

・ 図書館のラーニングコモンズを整備・充実し、学生の知的創造活動を促

・ 外国人留学生を対象とした宿泊施設の借り上げ等による確保

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 「広島大学施設のユニバーサルデザイン化ガイドライン」に基づき、キ

ャンパスのユニバーサルデザイン化への整備を順次実施

・ 「広島大学サインガイドライン」に基づき、キャンパスの国際化への整

備を順次実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

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○ 産学官連携施設の整備

○ キャンパスエントランスの整備

○ 「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」との連携

○ 病院周辺の屋外環境整備

4. 地域の環境や周辺の景観などに調和したキャンパスづくり [基本方針:4]

キャンパス内の良好な自然環境・歴史的環境等を保全するとともに、緑化やオープンスペース

の環境整備により快適な空間を演出する。

○ 自然環境の保全・活用

・ 里山林地的管理と人工植栽管理

○ 緑地・広場の整備

・ 新たな緑地・広場の整備

・ 街路樹の整備

5. 省エネルギー・環境負荷の低減を推進するキャンパスづくり [基本方針:5]

サスティナブル・キャンパスを目指し、高効率の省エネ設備及びエコマテリアルの採用による

総合的な環境対策を進めるとともに、「広島大学行動計画」(仮称,平成 28 年度策定予定)に基づ

き、インフラの長寿命化を図り、サスティナブルな発展を推進する。

○ CO2 排出量の削減

・ 省エネ型機器への更新

・ 再生可能エネルギー利用機器の導入

・ 企業との共同研究や拠点等(感性イノベーション拠点等)における施設

の整備・充実を実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 広島市及びプロジェクト実施事業者と共に、確実なプロジェクト実施に

向けて連携協力を推進

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 原爆放射線医科学研究所実験棟改築計画に伴う跡地整備において、病院

患者のアメニティ改善に向けた取り組み(駐車場設置,憩いの空間等の

整備)を実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 東広島キャンパス内の山中谷川周辺について、遊歩道等を整備

◇中期計画期間中の整備目標◇

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6. キャンパスアメニティの充実 [基本方針:2]

誰にとっても安全で安心なキャンパスを実現し維持するため、施設における安全対策はもとよ

り、歩行者・自転車・自動車における異種動線の干渉による事故、自然災害や人的災害及び犯罪

から、学生や教職員を守るための環境整備を進める。

また、共用施設及び設備の利便性を改善し、キャンパスアメニティを充実する。

○ 環境整備の推進

・ 動線の改善(外部からのアクセス,歩行者と自転車の円滑な通行,歩行者の降雨等か

らの保護 等)

・ 駐車場・駐輪場の適正配置

・ 道路の補修

・ 屋外セキュリティの確保

・ 学内危険箇所の周知及び改善

○ 共用施設・設備の改善

・ トイレの増設・改修(多機能トイレ,女子トイレ,洋式トイレ 等)

7. 地域医療・被ばく者医療へ貢献するキャンパス [基本方針:3]

病院施設の再開発整備は、平成25年度に一端完了しているが、日々更新される医療技術に対

応し、地域医療の中核を担うため、医療機器の更新とともに、医療施設の改修を行う。

○ 医療施設の改修

・ 既設入院棟・診療棟の改修

・ 設置後 20年を超える空調機器について、計画的な更新整備を実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 道路等の屋外環境に対して、施設パトロール等の実施による状況の把握

と、利便性・安全性確保のための補修整備等を実施

・ 学内危険箇所の周知及び改善による屋外セキュリティの確保を実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 「広島大学ユニバーサルデザイン化ガイドライン」及び利用者からの要

望等に基づき、トイレの増設及び改修(多機能トイレ,女子トイレ,洋

式トイレ 等)を実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

・ 既設入院棟・診療棟において、利用者からの要望等に基づき、改修整備

を実施

◇中期計画期間中の整備目標◇

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3-3 キャンパスの活用方針

大学施設は教育研究活動を支える基盤であり、大学にとって重要な資産であることから、全学的視

点からの施設マネジメントを推進し、計画的な施設整備と既存施設の有効活用を進める。

(1) スペースの有効活用

限られた施設を効率的に活用するため、施設の利用状況を踏まえ、同種の用途や機能を有する

スペース配置の適正化と集約化により利用効率を向上するとともに、部局毎に整備・運用されて

いる講義室を共同利用することにより、講義室の重点的改善整備を図り、最適な教育環境を学生

に提供する。

○ 適正化・集約化:研究活動の内容に応じて、同種の用途の部屋や同様の機能を有する部屋

を共用し適正配置(適正化)するとともに、部局へ分散配置されている

化学物質や実験廃棄物の厳重な管理を必要とする実験室や、廃ガス処理

装置や実験排水処理装置等の特殊な機能を必要とする実験室(RI実験,

動物実験等)等の共用化(集約化)により、保有面積の抑制を踏まえた

検討を推進する。

○ 講義室の改善整備:マネジメントによる規模・配置の見直し、eラーニング等のITを活

用した講義への対応、及び、学生への開放(図書館・福利施設含む)

等により、利便性の向上を図る。

(2) 全学スペースの確保

既存施設を最大限有効に活用するために、「広島大学面積基準」(平成 19 年 9 月策定、平成

27年 2月更新 教育研究評議会承認)を活用し、部局間はもとより部局内のアンバランスを解消

するとともに学生の居場所である学生スペースと若手研究者の研究スペースを確保する。このた

め、施設の利用状況を定期的に調査し、教育・研究活動への貢献も含めて有効利用されているか

モニタリングし、スペースの有効活用に向けた改善を図るとともに、大規模改修に併せて、競争

的外部資金を活用したプロジェクト研究などの活動で必要となるスペース需要に機動的に対応し

た弾力的活用スペースを確保・充実する。

(3) 施設運営費の適正化

教育研究活動に耐えうる施設の水準としての目標(「6-1 施設整備の基本的な考え方」参照)

を設定し、その目標を達成させるため、施設運用計画及び施設修繕計画を策定し、実効性のある

施設管理を行うとともに、安定した財源を確保する。

○ 施設運用計画:全学的な見地から既存の施設について今後の教育研究活動の展開と施設に

対する施設利用者のニーズを勘案して、施設の再編(他の用途への転用や

統廃合等)や学部等への再配分及び使用方法と維持管理費等について立案

する。

○ 施設修繕計画:既存の施設を良好な教育研究環境として維持し、かつ、質の向上を図るた

めに施設設備の耐用年数等を勘案して、改修・修繕について立案する。(行

動計画・個別施設計画)

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(4) 施設管理データの一元化

施設に関わる面積や利用状況、劣化状況、経費といったデータを一元化することにより、迅速

に経営的な意思決定を行うことが可能となる。そのため、スペースの有効活用、スペースチャー

ジ制の導入、エネルギー使用量管理といった目標を絞り、費用対効果を考慮しつつ施設管理デー

タの一元化に取り組む。

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4 フレームワークプラン

キャンパスの目標像を実現するためには、長期的なキャンパス像を設定し、その実現に向けた道筋を踏まえて効果的・効率的な整備計画を位置づけていく必要がある。 ここでは、これまでのキャンパス整備の経緯、キャンパスにおいて解決すべき課題、及び

今後のキャンパスに求められる役割・機能等を踏まえ、長期的な視点に立ったキャンパス整備の基本的な原則を「フレームワークプラン」として設定する。

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4-1 東広島キャンパス

(1)基本方針

東広島キャンパスは、本学の統合移転計画に基づいて計画的に整備されたキャンパスであり、移

転完了から約 20年を経過して、保全された自然環境と調和した豊かな、ゆとりある環境が形成され

ている。本キャンパスにおいては、恵まれた環境を魅力資源として十分に活用しつつ、急速に変化

している教育・研究のニーズに的確に対応し、良好な教育・研究環境を形成していくことを基本的

な方針とする。なかでも、広大な敷地内に学部単位で配置された空間構成に一つのキャンパスとし

ての一体感を持たせ、メインキャンパスにふさわしい魅力と風格を生み出すとともに、学生の出会

い・交流により新たな知的創造が生み出されるキャンパスを目指す。

(2)土地利用のゾーニング

(キャンパス全体)

キャンパス全体の利用方針は、基本的に「広島大学新キャンパス総合計画(1979)」による。ただ

し、今後の機能拡張等のためのリザーブ用地として、地形条件、土地利用配置等を考慮して将来拡

張ゾーンを設定する。

ゾーン名 利用方針

アカデミックゾーン キャンパスの中心ゾーンとして、教育研究施設、福利厚生施設、その他教育研究

活動に必要な施設を効率的に配置し、良好なキャンパス環境を形成する。

居住ゾーン 学生、教職員、留学生等の居住施設を配置し、良好な居住環境を形成する。

緑地保全ゾーン 緑地としての適切な保全、管理を行うとともに、キャンパス内のみならず、周辺

を含む地域の良好な環境資源として活用する。

農場ゾーン 教育・研究のフィールドとして、また良好な緑地資源として適切な保全、管理を

行う。

将来拡張ゾーン 将来の拡張を受け入れるゾーンとし、自然環境の保全、防災上の注意を払いつつ、

適切な開発を行う。

産学地域連携ゾーン 他機関との連携協力や地域との連携を推進するゾーンとし、必要な施設を効率的

に配置し、良好な研究環境を形成する。

東広島キャンパス全体のゾーニング図

産学地域連携ゾーン

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49

(アカデミック地区)

現在の土地利用を前提としつつ、今後の新たな機能立地や共用施設・福利厚生施設等の立地を計

画的に誘導し、秩序あるキャンパスの利用を実現するため、土地利用の長期的な考え方を次のとお

り設定する。なお、保存緑地を有効活用したキャンパスアメニティの形成に配慮し、適切な建物配

置及び規模(高層化,集約化)による外部空間との調和の確保及び維持に努める。

区 分 利用方針

学部・研究科ゾーン 学部・研究科の高度な教育・研究活動の場として効率的な利用を図る

ゾーンとする。

研究所・研究センターゾーン 新たな研究分野の機能充実等に柔軟に対応して高度な研究施設等の

集積を進めるゾーンとする。

共通施設ゾーン 学生の生活、活動を支える文化的施設、福利厚生施設等を充実させ、

活力があふれるゾーンとする。

運動施設・駐車場ゾーン 共用施設(運動場、駐車場等)を効果的に配置し、大学の活動を支え

るゾーンとする。

保全緑地ゾーン キャンパス内の貴重な自然的環境として適切な管理を行いつつ、魅力

資源として積極的に活用するゾーンとする。

アカデミック地区のゾーニング図

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50

(3) 空間構成とネットワーク

広大でやや分散的なキャンパスの空間構成に明快さを与え、個々の個性を生かしつつまとまりを

持ったキャンパス空間を形成する。

○ 外部からのアクセスの明確化

・大学正門として「中央口」を明確にし、円滑にキャンパス内に誘導する。

○ 空間構成の核となる中央緑地(キャンパスグリーン)

・ブドウ池や周辺緑地をキャンパス空間の中核に据えた新たな施設の配置、歩行者ルートや

外部空間の整備を行う。

○ ゾーンごとの個性を演出する「キャンパスコモン」

・中央緑地(キャンパスグリーン)を囲む北、西、東ゾーンの活動の中心として、個性ある

「キャンパスコモン」を形成する。

北ゾーン:キャンパスのシンボルとなるアカデミックな空間

西ゾーン:学生達の活発な活動が展開する活気あふれる空間

東ゾーン:水と緑に触れ合う安らぎの空間

○ 地域との連携拠点の位置付け

・地域との内容に対応した連携拠点を位置付け、その性格を強化する。

○ 外部パブリックスペース

・主要な溜まり空間をパブリックスペースとして位置づけ、人を呼び込める環境に整備する

等、質的向上を図る。

大屋根イメージ(島根大学)

広場イメージ(柏市)

デッキで建物間をつなぐイメージ

デッキ屋根イメージ(岡山市)

(京都大学)

キャンパスコモンイメージ (緑陰を活かした溜まり空間)

(コーネル大学)

キャンパスコモンイメージ (自然の中で集い交流するスペース)

(広島大学)

アカデミック地区の外部空間・ネットワーク

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51

(4) 交通処理

キャンパス内の円滑な交通処理を行うため、現在の交通網の構成を基本的に維持しつつ、歩行者

動線の明確化、隘路の解消や自動車動線の改善等を進める。

○ 自動車動線

・既存の道路構成を基本としつつ、外部からのアクセスに対しての利便性を確保する。

・キャンパスへの自動車の進入は、引き続き入構ゲート及び教員・学生への駐車場利用者負

担金の徴収による管理運営を行い、良好なキャンパス環境の維持に努める。

○ 自転車動線

・自転車動線と歩行者動線の輻輳(「中央口」から学内サービス幹線道路までの接続道路やア

カデミック北地区から総合科学部に至るぶどう池周辺の連絡動線 等)を解消し、円滑で安

全な歩行者・自転車動線を確保する。

○ 歩行者動線の円滑化

・空間構成の方針に沿って、主要な骨格となる歩行者道路において、ユニバーサルデザイン

の理念に基づき歩行者の円滑な通行を確保する。

○ 駐車場の適正配置

・サービス幹線道路内エリアの駐車場を廃止し、不必要な自動車のキャンパス内の通行を抑

制する。

・施設の整備等に併せた、駐車場の効率的な配置を進める。

○ 屋外サイン

・屋外サインは、「広島大学サインガイドライン(東広島キャンパス編)」に基づき、充実さ

せる。

サービス幹線道路

歩行者道路

駐車場

駐輪場

活動の軸

歩行者動線の

安全確保

歩行者・自転車動線の安全確保

中央口に集中する車の分散化

西側公道からの

アクセス検討

サービス幹線道路内

の駐車場

サービス幹線道路内

の駐車場

アカデミック地区の動線計画

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52

(5) 緑地・オープンスペース

自然環境に恵まれたキャンパスの特性を生かしながら、緑化やオープンスペースの環境整備を進

め、美しいキャンパスを実現する。

○ 河川沿いの自然環境の保全と活用

・ぶどう池から山中池に至る河川・水辺と周辺樹林地を適切に管理し、良好な樹林地として

の保全を進める。

・総合科学部講義棟の面する角脇川周辺等を、学生や来訪者が快適に過ごすことができるオ

ープンスペースとして、良好な環境を形成する。

○ 緑陰広場による快適空間の演出

・歩行者動線の結節点においては、歩行者等の休憩や語らい、様々な活動が展開する緑陰広

場として位置付け、快適な空間を演出する。

○ 街路樹による空間の個性化

・空間構成の骨格を形成する幹線道路等において街路樹の整備・管理を進め、それぞれの空

間の個性を演出する。

アカデミック地区の緑地・オープンスペース

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53

(6) 建物・道路整備

建物デザイン、外壁色については、整備当初の基本方針を継承するが、外壁色については、整備

場所により周辺環境との調和を考慮し決定する。また、道路については、表層の劣化が著しく、年

次計画を立てて補修を進めていく。

○ 建物デザイン

・研究棟:高層で建物の階段等コア部を除いて、各階にバルコニーを設け、横ラインを強調

したデザインとする。

・教育棟:中層で研究棟の高層建物に直行して配置し、アカデミック中央から見たときに自

然の緑地から中層の教育棟が横に広がり、そのバックに高層研究棟が望める景観

となるようデザインする。

○ 外壁色

・研究棟、教育棟等校舎:東広島の緑にあう西条瓦をイメージした茶系とする。

・共用施設:団地内のポイントとして白系とする。

○ 道路

・舗装面の劣化、陥没及び段差等については、点検等により状況を把握するとともに、事故

防止の観点から適時適切に補修を行う。

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(7) ライフライン更新整備

・ ライフラインの更新時には、キャンパス全体のレイアウトを考慮した適切なルートへの見直し

や点検等の結果を踏まえた改善整備について十分な検討を行う。

・ 将来の拡張、用途変更等の変化に対応できるよう、柔軟性のあるシステムとする。

・ エネルギー供給設備については、近年の消費と今後の需要を把握し、適切な仕様に見直す。

(8) サスティナブル・キャンパスの推進

東広島キャンパスは、緑豊かで自然に溢れた環境であり、この自然を利用したサスティナブルな

環境の実現を目指した整備を行うことが重要である。

・ LED照明、高効率空調機の採用は元より、キャンパス内保健保安林の適切な維持管理に注意し、

斜面を活用した大規模太陽光発電設備、夜間でも電力が活用できる蓄電池設備や電力見える化

の充実等により、総合的な省エネルギー・CO2 の削減を推進し、効果的、効率的な維持管理を

継続する。

・ 水利権における周辺住民との協定の履行等、自治体や地域に対する責任を果たす必要があるこ

とに十分留意し、雨水や井戸水の給水利用について検討を進める。

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4-2 霞キャンパス

(1) 基本方針

霞キャンパスは、広島市内に立地する都市型キャンパスとして、学生の教育・研究のみならず、

多くの来院者を受け入れる医療機関として、また緊急時等の高次医療の拠点として重要な役割を担

っている。本キャンパスにおいては、限られた敷地が高密に利用されていることから、計画的・段

階的なキャンパスの再整備により逼迫している教育・研究環境の整備・改善を進めるとともに、教

育・研究活動と医療活動のエリアを明確化し、併せて利用者がゆとりや安らぎを感じることができ

る環境を調えていくことを基本的な方針とする。

(2) 土地利用のゾーニング

今後の整備に当たり、秩序あるキャンパスの利用を実現するため、土地利用の長期的な考え方を

次のとおり設定する。

区分 利用方針

教育・研究ゾーン 教育・研究活動の場として研究棟、講義棟及び共同利用研究施設を配置

し効率的な利用を図るゾーンとする。

診療ゾーン 診療関係の施設を配置し、隣接する研究ゾーンと連携により高度先進医

療を推進する。

交流ゾーン 地域社会との交流・連携を図る施設を配置する。

霞キャンパスの土地利用のゾーニング

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56

(3) 空間構成とネットワーク

○ “地域と一体化する空間”と“アカデミック空間”の明確化

・ 病院周辺は、外来者(患者等)の利用が多いため、地域との一体化に配慮する。

・ 教育・研究ゾーンは、アカデミックな空間として形成し、セキュリティにも配慮する。

○ アカデミック空間に「知の拠点」の核となるエリアを形成

・ 学生の集う活動的な空間を設ける。

・ 「知の拠点」の核を中心とした施設配置を行う。

○ 地域との連携拠点の位置づけ

・ 地域との連携を活性化するため、連携拠点を設け関連する施設を配置する。

○ 外部パブリックスペースの拡充

・ 将来を見据え霞会館を中心に、学生の憩いの場として明るく親しみやすいパブリックスペ

ースの整備を計画する。

・ 建物周辺に教職員がくつろげるコミュニティースペースを設ける。

※ 目標年度に存続する建物をグレーの塗り潰しで示す

霞キャンパスの外部空間・ネットワーク

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(4) 交通処理

○ 自動車・自転車動線

・ 教育・研究ゾーン及び診療ゾーン毎に完結する交通処理を行い、患者と学生・教職員の動

線を分離する。

・ 東西南北の5か所の入構口付近に駐車場・駐輪場を設け、キャンパス中央部への自動車・

自転車の進入を制限する。

・ 歩行者の安全確保のため歩車分離を行う。

○ 歩行者動線

・ 歩行者優先の原則により自動車・自転車乗入禁止エリアを設けて、歩行者動線(車いす利

用者・視覚障害者等を含む)を確保する。

○ 駐車場・駐輪場

・ キャンパス周辺部のゲート付近には適切な駐車場を配置する。

・ 駐車場・駐輪場の拡張及び運用の見直しを行う。

○ 屋外サイン

・ 患者等外来者へのアメニティに配慮し、視覚障害等に対応した視認性の高いサインを採用

する等により、霞キャンパス全体のサインを統一的に整備する。

※ 目標年度に存続する建物をグレーの塗り潰しで示す

霞キャンパスの動線計画

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(5) 緑地・オープンスペース

緑化やオープンスペースの環境整備を行い、憩いの空間を形成する。

○ 憩いの空間形成

・ キャンパスの中央に核となるパブリックスペースを整備することに伴い、新たな緑地を整

備する。

・ 既設のホスピタルパークと薬用植物園を維持する。

・ メインストリートに街路樹の整備を進める。

・ 建物及び駐車場の集約により、運動・課外活動スペースを拡充する。

※ 目標年度に存続する建物をグレーの塗り潰しで示す

霞キャンパスの緑地・オープンスペース

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(6) 建物・道路整備

○ 建物整備

・ 外壁色については、総合研究棟の改修が初期の改修となるため、この外壁色を基準として

統一するとともに、整備場所により周辺環境との調和を考慮する。

○ 道路整備

・ 舗装面の劣化、陥没及び段差等については、点検等により状況を把握するとともに、事故

防止の観点から適時適切に補修を行う。

(7) ライフライン更新整備

・ 霞キャンパスにおいては、将来の建物レイアウトに注意し、適切なルートに見直すことや点検

結果等を踏まえた更新計画とする。

・ 将来の拡張、用途変更等の変化に対応できるよう、柔軟性あるシステムとする。

・ エネルギー供給設備については、近年の消費と今後の需要を把握し、適切な仕様に見直す。

(8) サスティナブル・キャンパスの推進

・ LED 照明、高効率空調機の採用は元より、再生可能エネルギーを活用した太陽光発電設備、夜

間にも活用できる蓄電池設備や電力見える化の充実等により、総合的な省エネルギー・CO2 の

削減を推進し、効果的、効率的な維持管理を継続する。

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4-3 東千田キャンパス

(1) 基本方針

東千田キャンパスは、かつての広島大学本部跡地を再開発する「ひろしまの『知の拠点』再生プ

ロジェクト」の一角を占め、様々なプロジェクトと一体となって広島市都心の再整備・活性化を牽

引していく役割が期待されている。本キャンパスにおいては、既存の校舎に加え、新たに整備され

た「東千田未来創生センター」を活用した教育・研究活動を充実させるとともに、隣接する東千田公

園や各プロジェクトと一体となって地域の活力の再生に寄与するキャンパスを目指す。

(2) キャンパス敷地の利用計画

東千田キャンパスは、敷地が狭小であるため、将来的には建物の高層化を基本とした整備を進め

ていくことが重要となる。また、隣接する東千田公園や「ひろしまの『知の拠点』再生プロジェク

ト」との連携も考慮した利用計画とする。

○ 改築計画

総合校舎B及び総合校舎Cは、平成 11 年の全面改修後 17 年(平成 28年 4 月現在)が経過

しているため、今後 20 年内外には改築整備の対象となるため、狭小なキャンパスの有効利用

を考慮しつつ、改築計画(将来構想建物)の検討を行う。

○ リザーブ用地の確保

長期的視点に立った整備計画に基づき、改築又は増築用のリザーブスペースを確保するこ

とで、円滑な移行が可能となるよう検討する。

東千田キャンパスの敷地利用計画

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61

(3) 交通処理

歩行者の安全対策を最優先とし、構内動線の明確化等による危険箇所の改善を図る。また、総合

校舎B及び総合校舎Cの改築(将来構想建物)に合わせ、現在の入構口の位置を変更し、東千田キ

ャンパスが抱える交通上の諸問題を根本的に解消する。

○ 自動車動線

・ 入構口の変更により自動車動線を短縮し、キャンパス内の安全を確保する。

○ 自転車動線

・ 霞キャンパスで履行する教養教育受講生のキャンパス間移動における自転車利用により、

構内の自転車台数が増大するため、入構に対する管理・運用を適切に行うことで、トラブ

ル回避を図る。

・ キャンパス南側からの自転車の入構を制限し通行ルートを単一化することにより、歩行者

動線との交錯を軽減する。

・ 東千田公園及びキャンパス東側敷地(ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト敷地)か

らの自転車の入構を制限し、キャンパス内への不法駐輪を防ぐ。

○ 歩行者動線

・ 入構口の変更により歩車分離を行い、動線の交錯を解消する。

東千田キャンパスの動線計画

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・ 東千田公園及びキャンパス東側敷地(ひろしまの『知の拠点』再生プロジェクト敷地)か

らの東千田未来創生センターの自由な学外利用を可能とすることで、地域住民との連携や

コミュニケーションを促進させる。

○ 屋外サイン

・ 入構口の変更に伴う屋外サインの整備を行う。

(4) 緑地・オープンスペース

東千田キャンパスは、市街地に位置し、緑地の少ないキャンパスとなっており、隣接する東千田

公園の緑地との一体的利用を考慮した環境の維持管理に努める。ただし、外部からの不審者の侵入

等については十分に配慮した安全管理に努める。 また、入構口の整備に併せ、緑地整備を行う。

(5) 建物・道路整備

○ 建物整備

・ 建物については、経年による老朽化の進捗状況を把握し、計画的に補修を行う。 ・ 外壁のコンクリート剥落など、人身に危険を及ぼす事項について、重点的に点検・整備を

行うとともに、防水改修等といった建物の劣化に大きく影響する事項については、優先的

に整備を行う。

○ 道路整備

・ 舗装面の劣化、陥没及び段差等については、点検等により状況を把握するとともに、事故

防止の観点から適時適切に補修を行う。

(6) ライフライン更新整備

・ 東千田キャンパスにおいては、敷地面積が狭小であることから、幹線部分を含め建物改修時等

に計画的に更新する。

(7) サスティナブル・キャンパスの推進

・ LED 照明、高効率空調機の採用は元より、スマートコミニュティ事業による一括受電、ガス空

調設備等を継続し、省エネルギー・CO2 の削減を推進する。

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5 キャンパス・アクションプラン ~ 第三期中期目標期間の計画 ~

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5-1 キャンパスや施設の整備計画

5-1-1 東広島キャンパス・アクションプラン

キャンパス整備の目標 キャンパス整備の基本方針 施設整備計画

1. 新しい時代を拓く知的創造を生み出す

キャンパス

1. 高度化・多様化する教育・研究活動に対

応できる施設の整備・充実

・教育・研究施設の再生

老朽施設を順次改善整備(全面・部分

既存施設の有効活用に向けた整備

・新たな教育研究環境の整備

教育・研究スペースの整備・充足

プロジェクト研究スペースの充実

IT機器利活用への対応

・学生等のニーズに対応した教育・研究環

学習支援スペースの整備

2. 若々しい活力と豊かな人間性を育むキ

ャンパス

2. 知的創造活動を支え促す環境づくり

6. キャンパスアメニティの充実

・学生交流の場の整備

・学生生活環境の改善

・交通施設の改善

動線の改善

駐車場・駐輪場の適正配置

外部からのアクセスに対する利便性確

歩行者と自転車の円滑な通行確保

道路の改修

屋外セキュリティの確保

3. 国際社会・地域社会と共生し貢献する開

かれたキャンパス

3. 広く社会に開かれたキャンパスづくり

・ユニバーサルデザイン化の推進

・国際化に対応した環境整備

留学生・研究者の生活環境の充実

・産学官連携施設の整備

・キャンパスエントランスの整備

4. 豊かな環境を活用・創造した美しいキャ

ンパス

4. 地域の環境や周辺の景観などに調和し

たキャンパスづくり

・自然環境の保全・活用

里山林地的管理と人工植栽管理

緑陰広場の整備

5. 社会を先導する「サスティナブル・キャ

ンパス」

5. 省エネルギー・環境負荷の低減を推進す

るキャンパスづくり

・CO2 排出量の削減

省エネ型機器への更新

再生可能エネルギー利用機器の導入

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アクションプラン

(平成 28~33年度)

中期目標・中期計画番号

<1> 【4】

<6> -

<10> 【26】

<12> 【34】

<28> 【59】

<32> 【64】

<32> 【65】

<33> -

改修)

・工学部講義棟の機能改善

・総合科学部講義棟等の外部改修

・農場施設の機能改善

・生物生産学部研究棟の機能改善

・情報メディア教育研究センターの機能改善

・体育館の外装改善

・屋上等漏水対策

・中央高圧受変電設備の更新

・ローカル高圧受変電設備の更新

・特高受変電設備の更新

・実験排水処理設備の更新

・ライニング工法による排水管補修

・点検結果等を踏まえたライフラインの更新

境の整備

・両生類研究センター施設の整備

・大規模改修に伴う弾力的活用スペースの確保(生物生産学部)

・図書館機能の見直し(ラーニング・コモンズ導入)

・講義室の共有化による自習室等の整備

・新学部等の教育研究スペースの確保・充実に向けての検討

・パブリックスペースの充実

〇 〇 〇

・居住環境の向上

〇 〇

・駐車場の運用見直し

・駐輪場の整備(拡張・上屋設置)

・学士会館南の歩道の拡幅

・サービス幹線道路等舗装の改善

・西側入構口の設置検討

・歩行者と自転車の動線分離

・道路舗装等の改善

・外灯整備

・図書館・福利施設等の改善(自動扉、階段、トイレ等)

・屋外通路の段差等改善

・屋外サインⅥ期計画のⅥ期を整備

・留学生居住スペースの確保(民間アパートの借り上げ)(スーパ

ーグローバル大学創成支援事業及び研究大学強化促進事業)

・インキュベーション施設の充実 〇 〇 〇 〇

・中央口の改善 〇 〇

・ぶどう池周辺の整備

・アカデミック地区の植栽の管理

・既存緑地の維持管理

・省エネ手法の導入(複層ガラス、外壁断熱材、遮熱塗装等)

・LED 照明器具・高効率空調機の採用、太陽光発電設備導入、油

焚き機器の廃止、井戸水の活用を検討

< 1>-【 4】 : グローバル人材の養成・アクティブ・ラーニングの導入

< 6> : 多様なニーズを持った学生に対応し、学修環境を整備・充実

<10>-【26】 : 研究施設・設備の学内外共同利用を推進

<12>-【34】 : 借上げ宿舎を活用した日本人学生と留学生との混住宿舎の拡充

<13>-【35】 : 高度先進医療や高難度医療に対応可能な診療施設の充実・強化

<14>-【36】 : 被ばく医療機関・小児がん拠点病院としての中心的役割を果たす

<28>-【59】 : 全学的視点から資産(施設,設備)の有効活用を行う

<32>-【64】 : キャンパスマスタープランに基づくスペース等の整備・安全安心な

教育研究環境の維持

<32>-【65】 : 既存施設の有効活用を推進・教育研究スペースの再配分

<33> : 安全管理体制を強化し安全文化の醸成を図る

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5-1-2 霞キャンパス・アクションプラン

キャンパス整備の目標 キャンパス整備の基本方針 施設整備計画

1. 新しい時代を拓く知的創造を生み出す

キャンパス

1. 高度化・多様化する教育・研究活動に対

応できる施設の整備・充実

・教育・研究施設の再生

老朽施設を順次改善整備(全面・部分

既存施設の有効活用に向けた整備

キャンパス全体に視点をおいた機能改

施設の耐震対策

・新たな教育研究環境の整備

教育・研究スペースの整備・充足

・学生等のニーズに対応した教育・研究環

学習支援スペースの整備

・高度医療に対応した病院施設の整備

2. 若々しい活力と豊かな人間性を育むキ

ャンパス

2. 知的創造活動を支え促す環境づくり

6. キャンパスアメニティの充実

・学生スペースの確保

・学生生活環境の改善

・交通施設の改善

動線の改善

駐車場・駐輪場の適正配置

道路の改修

屋外セキュリティの確保

3. 国際社会・地域社会と共生し貢献する開

かれたキャンパス

3. 広く社会に開かれたキャンパスづくり

7. 地域医療・被ばく者医療へ貢献するキャ

ンパス

・ユニバーサルデザイン化の推進

・国際化に対応した環境整備

・産学官連携施設の整備

・病院周辺の屋外環境整備

・医療施設の改修

既設入院棟・診療棟の改修

4. 豊かな環境を活用・創造した美しいキャ

ンパス

4. 地域の環境や周辺の景観などに調和し

たキャンパスづくり

・緑地・広場の整備

新たな緑地広場の整備

街路樹の整備

5. 社会を先導する「サスティナブル・キャ

ンパス」

5. 省エネルギー・環境負荷の低減を推進す

るキャンパスづくり

・CO2 排出量の削減

省エネ型機器への更新

再生可能エネルギー利用機器の導入

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67

アクションプラン

(平成 28~33年度)

中期目標・中期計画番号

<1> 【4】

<6> -

<10> 【26】

<13> 【35】

<14> 【36】

<32> 【64】

<32> 【65】

<33> -

改修)

・研究棟Cの機能改善

・研究棟Aの 4階~6階の機能改善

・屋上等漏水対策

・市水管の更新

・点検結果等を踏まえた動物実験棟エアハンドリングユニットの

更新

・点検結果等を踏まえたライフラインの更新

境の整備

・動物実験棟の増築

・(原医研)研究拠点設備の整備

・図書館の機能改善(アクティブラーニング等)

・診療棟MR室の整備 〇

・臨床管理棟 2階を学生自習室等へ改修

〇 〇

・中央機械棟等の老朽化建物の取り壊し及び駐車場の整備

・駐輪場の見直し・整備の実施及び講義棟周辺の駐輪スペースの

撤去

・自転車利用者の管理方法の見直し及び不当駐輪の取締り

・道路舗装等の改善

・歩道の整備

・屋外サインの見直し・整備

・感性COI拠点施設の整備 〇 〇

・診療棟屋上庭園及び入院棟南側いこいの森の維持管理 〇

・入院棟の病室内に手摺の設置

・入院棟患者浴室の改修

・霞会館南側の核となるパブリックスペースの充実

・建物周辺の緑地の整備

・既存緑地の維持管理

〇 〇

・省エネ手法の導入(複層ガラス、外壁断熱材、遮熱塗装等)

・LED照明器具・高効率空調機の採用

・井戸水の活用を検討

< 1>-【 4】 : グローバル人材の養成・アクティブ・ラーニングの導入

< 6> : 多様なニーズを持った学生に対応し、学修環境を整備・充実

<10>-【26】 : 研究施設・設備の学内外共同利用を推進

<12>-【34】 : 借上げ宿舎を活用した日本人学生と留学生との混住宿舎の拡充

<13>-【35】 : 高度先進医療や高難度医療に対応可能な診療施設の充実・強化

<14>-【36】 : 被ばく医療機関・小児がん拠点病院としての中心的役割を果たす

<28>-【59】 : 全学的視点から資産(施設,設備)の有効活用を行う

<32>-【64】 : キャンパスマスタープランに基づくスペース等の整備・安全安心な

教育研究環境の維持

<32>-【65】 : 既存施設の有効活用を推進・教育研究スペースの再配分

<33> : 安全管理体制を強化し安全文化の醸成を図る

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68

5-1-3 東千田キャンパス・アクションプラン

キャンパス整備の目標 キャンパス整備の基本方針 施設整備計画

1. 新しい時代を拓く知的創造を生み出す

キャンパス

1. 高度化・多様化する教育・研究活動に対

応できる施設の整備・充実

・教育・研究施設の再生

老朽施設を順次改善整備(全面・部分

既存施設の有効活用に向けた整備

・新たな教育研究環境の整備

IT機器利活用への対応

・学生等のニーズに対応した教育・研究環

学習支援スペースの整備

2. 若々しい活力と豊かな人間性を育むキ

ャンパス

2. 知的創造活動を支え促す環境づくり

6. キャンパスアメニティの充実

・学生交流の場の整備

・交通施設の改善

動線の改善

駐車場・駐輪場の適正配置

道路の改修

3. 国際社会・地域社会と共生し貢献する開

かれたキャンパス

3. 広く社会に開かれたキャンパスづくり

・ユニバーサルデザイン化の推進

・国際化に対応した環境整備

・キャンパスエントランスの整備

・「知の拠点」再生プロジェクトとの連携

4. 豊かな環境を活用・創造した美しいキャ

ンパス

4. 地域の環境や周辺の景観などに調和し

たキャンパスづくり

・緑地・広場の整備

5. 社会を先導する「サスティナブル・キャ

ンパス」

5. 省エネルギー・環境負荷の低減を推進す

るキャンパスづくり

・CO2 排出量の削減

省エネ型機器への更新

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69

アクションプラン

(平成 28~33年度)

中期目標・中期計画番号

<1> 【4】

<6> -

<28> 【59】

<32> 【64】

<32> 【65】

<33> -

改修)

・総合校舎 Sの防水改修

・総合校舎 B及び Cの機能改善

・総合校舎 B等の外部改修

・東千田地区支援室の拡張

・屋上等漏水対策

・点検結果等を踏まえたライフラインの更新

境の整備

・図書館機能の見直し 〇

・パブリックスペースの充実

〇 〇 〇

・駐車場の運用見直し

・道路舗装等の改善

・屋外通路の段差等改善

・屋外サインの見直し・整備

〇 〇

・キャンパスエントランスの位置の見直し、改善 〇 〇

・公園との一体利用における動線見直し

〇 〇

・既存緑地の維持管理 〇

・省エネ手法の導入(複層ガラス、外壁断熱材、遮熱塗装等)

・LED照明器具・高効率空調機の採用

< 1>-【 4】 : グローバル人材の養成・アクティブ・ラーニングの導入

< 6> : 多様なニーズを持った学生に対応し、学修環境を整備・充実

<10>-【26】 : 研究施設・設備の学内外共同利用を推進

<12>-【34】 : 借上げ宿舎を活用した日本人学生と留学生との混住宿舎の拡充

<13>-【35】 : 高度先進医療や高難度医療に対応可能な診療施設の充実・強化

<14>-【36】 : 被ばく医療機関・小児がん拠点病院としての中心的役割を果たす

<28>-【59】 : 全学的視点から資産(施設,設備)の有効活用を行う

<32>-【64】 : キャンパスマスタープランに基づくスペース等の整備・安全安心な

教育研究環境の維持

<32>-【65】 : 既存施設の有効活用を推進・教育研究スペースの再配分

<33> : 安全管理体制を強化し安全文化の醸成を図る

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6 資 料 編

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資-1

6-1 施設整備の基本的な考え方

6-1-1 広島大学の長期ビジョン(抜粋)

1.本学が目指すべき方向

-ナショナル&リージョナルセンターとしての総合研究大学(*)-

理念5原則を堅持し、教育、研究及びそれらを通じた社会貢献という大学の普遍的使命を果たす。同時

に、個性豊かな大学として、教育、研究、医療及び社会貢献の各領域における地域拠点としての役割を明

確なものとし、特長的な分野において全国的・国際的な展開を図る。

(1)理念 5原則の再確認と具体的展開

「自由で平和な一つの大学」という建学の精神に基づき、平和を希求する精神、新たなる知の創造、豊

かな人間性を培う教育、地域社会・国際社会との共存、絶えざる自己変革、という理念5原則を構成員全

員が共有し、国立大学である広島大学が知識基盤社会をリードする役割を担う知の共同体としての活動を

展開する。

(2)大学としての機能別分化と個性化

日本を代表し世界をリードするナショナルセンターとしての機能と、中国・四国地方のリージョナルセ

ンターとしての機能を併せ持つ。そのため、総合研究大学として、教養教育の充実を基盤として大学の普

遍的使命を果たしつつ、特長的な分野において世界的教育研究拠点を形成する。

(3)教育と研究の高度化

これまでの広島大学出身者に対する「堅実」、「まじめ」、「協調的」といった評価や国際的な幅広い

視野を持った人材の輩出を、学士課程と大学院課程教育の実質化及び質の保証を達成する基盤とし、大学

の特長として継承する。同時に、自由で独創的な社会基盤の担い手となりうる人材の養成に努める。

基盤的研究を支援する仕組みを維持しつつ、世界水準の研究プロジェクトや傑出したトップ研究者グルー

プを選定し、集中的な支援を行うことによって、広島大学の研究面での特長を発揮させる。

(4)教育組織と研究組織の再編による柔軟な教育研究体制の構築

大学の重要な使命である基盤的研究分野を充実・発展させる。さらに、学問の高度化・複合化への対応、

社会からのニーズに対応した応用研究を展開するため、学士課程及び大学院課程教育プログラムを充実し、

新しい研究分野や異分野融合型の研究を推進する。そのため、教育組織と研究組織を再編し、より柔軟な

教育研究体制を構築する。

(5)革新的な大学の運営

構成員全員がいきいきと参加する知の共同体活動を実現するために、革新的な大学運営を実現する。

*総合研究大学(research university)とは、全領域の学士課程教育プログラムを持ち、大学院課程教育

が充実しており、課程博士の学位授与状況が極めて良好で、活発な研究活動の下に優れた研究業績が数多

くみられるなど、教育研究の拠点としての資格を備えた大学をいう。

2.教育改革の方向

-人間性の涵養と教育の質の高度化-

豊かな人間性を備え、自主・自律的に考え行動できる人材を養成する。高い水準の教育成果を保証する

ため、教育の質の高度化を図り、国際的に通用する教育を展開する。

(1)教養教育の充実

自ら学ぶ態度を培い、創造力豊かで、学問に裏打ちされた課題解決能力を備えた人材を養成する。同時

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資-2

に、異分野の知を理解でき、多様な考え方を許容できる、高いコミュニケーション能力を有した人材を養

成する。このため、学士課程及び大学院課程教育を通じた教養教育を充実する。

(2)学位の質の保証

広島大学の学位授与、教育課程編成・実施及び入学者受入れの方針を明確にし、学士課程及び大学院課

程における学位の質を保証するとともに、課程相互の関連性を明示する。

1)本学独自の到達目標型教育プログラムの点検・評価と改善<学士課程>

教育プログラムのシステムと個々のプログラムを点検・評価した上で、改善・充実を図るとともに、教

育と学位の質の保証を目指す「プログラム制」(*)として充実する。

2)教育の体系化と整備<大学院課程>

各課程における人材養成目的に応じてカリキュラムを体系化し、研究者、教育者及び高度専門職業人の

養成を行う。また、社会のニーズを踏まえ、グローバル化社会で活躍できる人材を養成する。

(3)大学院教育の国際展開

国際交流協定大学との国際連携プログラムの実践や外国人留学生の受入れを推進するとともに、日本人

学生の海外派遣制度を整備・拡充し、国際的に活躍できる人材を養成する。

(4)学生への支援

修学を含む学生生活上の相談、キャリア形成等の支援を、学生の自己実現の観点から充実・強化する。

また、課外活動を学生の人間形成に資する大学教育の一環として捉え、積極的に支援する体制を整備・拡

充する。さらに、本学独自の奨学金制度など、経済的支援を充実させる。

*プログラム制とは、学生の進路や具体的な教育目標に応じて、授業科目を系統的に配列し、学習者が主

体的に自分のペースで履修することを促すものである。学部・学科の枠を超えて編成できる点に特徴があ

るが、特定の学部内で編成できる場合もあれば、幾つかの学部に跨って編成されるプログラムもある。

3.研究活動の活性化

-特色ある研究を発展させるために-

総合研究大学として、現代の知識基盤社会を支える文化の伝承と発展を使命とし、広く基盤的研究の継

続と充実に努力する。同時に、本学の個性や特色が表れている優れた研究を前面に掲げ、競争的環境の中

で、世界水準の研究大学としての位置付けを明確にし、発展させる。

(1)基盤的研究分野の充実

総合研究大学として、基盤的な研究分野において活発な教育研究活動を継続し、我が国の知的文化の継

承と発展に努力する。

(2)世界的な教育研究拠点への展開

厳正な外部評価を基に、世界水準の卓越した成果を挙げる優れた研究拠点・研究集団への支援拡充を図

り、他大学との連携や共同大学院の設置等も視野に入れ、世界的な教育研究拠点形成を目指す。

(3)研究組織の活性化

教育研究活動を活性化させるため、研究主担当制度の導入や任期制等の活用を図るとともに、努力と成

果に応じた支援を行い、教育研究拠点形成の中核となる教員の増加を目指す。

4.国際戦略・社会貢献の推進

-本学の特長を活かした、世界、地域への貢献-

本学の特長を活かした国際交流・協力の展開と地域社会との連携により、世界、地域への貢献を目指す。

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資-3

(1)国際大学ネットワークの強化と各種国際教育プログラムの整備

大学教育の国際化推進プログラムを発展させ、英語など外国語による各種国際教育プログラムを開発・

整備し、留学生に魅力あるコンテンツを提供する。

(2)国際協力による貢献

本学が有する専門的な知見や実績等を活用し、国際協力事業を通じて地球規模の課題解決に貢献する。

(3)ヒロシマ型平和構築のための教育研究拠点形成

ヒロシマから発信してきた平和学を、本学の国際化の特長として位置付け、県内の諸機関等との連携も

視野に入れて、平和構築のための世界的な教育研究拠点を形成する。

(4)教育研究活動の成果の地域社会への還元

大学における教育研究活動の成果を積極的に発信し、産学官連携による知的創造ネットワークを充実す

るとともに、産学官連携を推進して地域社会の発展のための役割を果たす。

5.医療系教育研究組織と病院の方向性

-中国・四国地方における医療人の養成拠点並びに世界に発信する医科学の拠点形成-

高いレベルの医学、歯学、薬学及び保健学研究を複合的に展開し、臨床に則した技術の世界をリードす

る開発拠点を形成する。また、中国・四国地方の医療・保健・福祉を担う指導的人材を養成し、医療政策

の面から社会をリードする人材の養成拠点を形成する。

(1)全人的医療の実践

身体的、精神的など病的障害に対して、全人的医療を包括的に実践し、その基盤となる教育、研究を充

実させる。

(2)特色ある先端医科学・高度先進医療の展開

これまでに蓄積された放射線災害医学の成果を十分に活かすなど広島大学が世界にアピールしうる特

色ある先端医科学・先進医療を展開する。また、医療と他分野の融合連携を図り、再生医療やがん治療な

ど特色ある研究、診療の拠点形成を目指す。

(3)人材養成

医学、歯学、薬学及び保健学を統合できるメリットを活かしてアジアを含めた医療人養成のためのリー

ジョナルセンターとして、魅力的な大学ブランドイメージを確立し、医療人の養成を行う。

(4)診療施設としての機能

地域の各拠点病院との連携を図る中心的医療機関としての機能を果たし、将来アジアのメディカルセン

ターの役割を担う施設として、整備・発展させる。

6.大学運営における役割分化とアドミニストレーション

-構成員が高いパフォーマンスを発揮できる大学運営-

学生は修学に、教員は教育、研究及び医療活動に専念できる環境を整備する。教職員一体で大学運営を

担うという強い意識を持ち、自主・自律性を高める財政基盤を充実・強化する。

(1)学生・教員支援業務の充実・強化

学生は修学に、教員は教育、研究及び医療活動に専念できる環境を整備するため、専門性を備えた職員

の養成を図り、学生、教員への支援業務を充実・強化する。

(2)教職員にとってやり甲斐のある職場環境の構築

社会環境に対応した人事制度と公平な評価制度を確立し、教育、研究、医療活動、社会貢献及び大学運

営の各分野での努力と成果に応じたインセンティブを充実・強化する。

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資-4

(3)先進的な男女共同参画の実現

男女ともに構成員が男女共同参画の理念を理解し、多様な意見や価値を認めあい、高めあうことができ

る職場環境を実現する。

(4)自主・自律性を高める財政基盤の充実・強化

知の経営体として、限りある資源を有効に活用するため、法令遵守の上、基金の充実、自主財源の確保・

拡充、資産運用を含めた最大限の経営努力を行う。

(5)ユニバーサルデザインキャンパスの実現

施設・設備の有効活用策や各キャンパスグランドデザインに基づく長期整備計画を着実に実施する。ま

た、障がい者と健常者が互いに区別されることのない修学、教育、研究及び職場環境を構築することによ

り、学生、教職員及び利用者の視点に立ったユニバーサルデザインのキャンパスを実現する。

(6)IT環境の充実

大学の諸活動の基盤となるIT環境を充実し、革新的な大学運営を実現する。

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資-5

6-1-2 建物整備計画

(1) 耐用年数

1) 各種の耐用年数

①法定耐用年数 固定資産の減価償却費を算出するために税法で定められた年数

②物理的耐用年数 建物躯体や構成材が物理的あるいは化学的原因により劣化し、要求される

限界性能を下回る年数

③経済的耐用年数 継続使用するための補修・修繕費その他費用が、改築費用を上回る年数

④機能的耐用年数 使用目的が当初の計画から変わったり、建築技術の革新や社会的要求が向

上して陳腐化する年数

これらの耐用年数の関係を整理すると、④<①<③<②となるのが一般的である。

(2) 目標耐用年数

耐用年数については、さまざまな評価基準があるが、老朽化に伴い、これらを総合的に評

価して1棟の建物として設定する耐用年数が「目標耐用年数」となる。

建物の寿命は、構造、立地条件、使用状況の違いなどによっても大きく左右されるが、階

高や広さなどに余裕を持った建物や建築基準法の新耐震設計基準(1981年施行)以降に建て

られた建物は、計画的な保全を実施すれば100年以上も長持ちさせることができる。

RC造、SRC造の望ましい目標耐用年数

目標耐用年数

建物用途・構造種別 代表値 範 囲 下限値

学校、官庁、住宅、

事務所、病院

高品質の場合 100年 80~120年 80年

普通の品質の場合 60年 50~80年 50年

出典:(社)日本建築学会編・発行「建築物の耐久計画に関する考え方」

(3) 老朽化率

老朽化率=経過年数/法定耐用年数

法定耐用年数に対して経過した年数の割合を「老朽化率」として表現する。法定耐用年数

50年の建物が40年経過している場合は80.0%となる。計画的な保全を実施していない建物に

ついては、老朽化率が100%に到達すると、一般的に更新する時期が到来していると言える。

しかし、法定耐用年数は、建物の実際の寿命とは必ずしも一致せず、また、それぞれの施

設の劣化度は、経過年数に比例するとも限らない。

そこで、法定耐用年数を上回る目標耐用年数を設定し、計画的な保全による施設の長寿命

化に取り組んでいくことが必要になるが、そのためには、施設の各部位や設備などについて

点検等によってこれらの劣化状況や状態の変化を把握していることが大前提となる。

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資-6

減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15号)

建物用途 RC造 SRC造

S造 CB造 PC造 W造

庁舎・事務所 50 38 41 50 24

校舎・体育館・保育

所 47 34 38 47 22

病院 39 29 36 39 17

※法定耐用年数は、建物の実際の物理的な耐用年数に直結するものではなく、一応の目安に過ぎない。

(4) 計画保全(長寿命化)の方向性

建物は、屋根や外壁などの劣化や破損への対応を対症療法的に行うと、建物の骨格部分であ

る躯体や電気・機械設備の損傷につながり、建物全体の寿命を縮める要因となる。現在のとこ

ろ、本学ではこれに投入できる営繕経費のこともあって、残念ながら事後保全が主流である。

一方で、中長期保全計画の策定や日々の施設の点検等により劣化、破損あるいはその拡大を

未然に防ぐ計画保全の手法により、施設を長寿命にすることが可能となる。

(5) 改修サイクルの設定

ストックの計画保全を考える上で、改修サイクルが最も重要となるため、20年周期を3~4

サイクル以上続けて耐用年数以上の60~80年間を目安に設定し、長寿命化を目指す。

【これまでの改修サイクル(事後保全)】

RC造の法定耐用年数は50年だが、定期的な点検と適切な保全をしなければ、その寿命は短

くなる。

何年後にどういった修繕や交換が必要かは、建物ごとに保全計画を立てていればわかるが、

建物寿命を延ばすための計画保全の重要性に対する認識が不足している。

事後保全:設備が故障したり,建物の機能や性能の異常がはっきり目に見えるような段階になって初

めて修繕などの処置を施す方法

計画保全:点検等によって建物の機能や性能の劣化の有無や兆候・状態を常に把握し,現状では異常

が見当たらなくても,時間の経過とともに劣化の状態を予測した上で,計画的に適切な処

置を行うことにより,機能停止などを未然に防ぐ方法

事後保全

40年~50年程度

部位,設備に不具

合,故障が生じた後

に、最低限必要となる

修繕あるいは交換を

実施

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資-7

【これからの改修サイクル(計画保全)】

建物部位、設備などの物理的耐用年数は 20 年、30 年、40 年に分けることが出来る。

建物の骨格部分である躯体に 80 年の耐久性、耐震性を持たせ、用途変更を含めて、建物部

位、設備などを適切な周期で更新することにより、躯体の限界性能が維持される限り建物を長

く使い続けることが出来る。

(6) 長寿命化計画の課題

1) 目標耐用年数を経過した建築物

目標耐用年数を経過した建物は、保全計画とは別に必要な調査等を進め、改築するのか、

全面改修してさらに延命化を目指すのか、抜本的な検討を進めていかなければならない。

2) 今後の施設のあり方

厳しい財政状況が続く中で、現状施設の整備水準、規模などを適正に維持・管理していく

ためには、より一層施設の有効活用の方策を推進し、施設の統廃合を含めた複合化、集約化

を積極的に実施し、総量を適正にする検討をしていく必要がある。

3) 予算の確保

長寿命化のための計画保全の原則は、これまでのような不具合箇所を発見してから工事計

画を立てるのではなく、不具合箇所を出さないように、劣化が進行する前に更新していくと

いう予防保全である。

整備内容 整備方法

改修

経過年数 0 10 20 30 40 50 60 70 80

外壁,屋上防水 ● ● ● ●

内装,配管,配線 △ ● △ ●

衛生器具,空調ダクト ● ●

照明設備,個別式空調設備等 △ ● △ ●

中央式空調設備,昇降機設備 ○ ● ○ ●

基幹設備 ● ●

●:全面改修または更新 ○:オーバーホール △:一部修繕または更新

中規模改修

大規模改修

80年

・外壁,屋上防水

・照明設備,個別式空

調設備等

・中央式空調設備,昇

降機設備

中規模改修

(改築)

今後の活用を検討

用途変更も含めて検討

中規模改修に加えて

・内装,配管,配線

・衛生器具,空調ダクト

20年目と同じ

以降は事後保全

20年 20年 20年 20年

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資-8

そのため、計画の初期段階では未更新分の事後保全型の修繕工事も進めながら、それに上

乗せして計画保全経費を投入していくことが必要になる。

これも、将来到来する改築の集中を回避し、長期で考えた「建物のライフサイクルコスト」

を削減するために必要な措置のひとつであるが、当面の間の財源の確保が課題となる。

計画保全は、長期にわたり一定額以上の予算が確保できることを前提としていることから、

予算が確保できないと予定している保全工事は延期するか、取りやめることになり、適正な

長寿命化計画が困難になる。

将来にわたる大学の財政推計を勘案した中で、無理のない工事内容を決定し、継続した保

全予算を確保することが課題である。

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資-9

6-1-3 ユニバーサルデザイン

(1) ユニバーサルデザインの概念

ユニバーサルデザインは、年齢、性別、国籍、個人の能力にかかわらず、はじめからできる

だけ多くの人が利用可能なように、利用者本位、人間本位の考え方に立って、あらゆる方法で

バリア(障壁) を生み出さないように快適な環境をデザインするという考え方である。

(2) ユニバーサルデザイン導入の必要性

大学施設は、多くの学生、教職員、患者、医療従事者等が 1日の大半を過ごす教育・研究・

診療・生活の場であり、また、これらの大学施設に係る人々の健康や安全を十分に確保するこ

とはもちろん、快適で豊かな空間として整備することが求められている。地域住民にとっても

身近な存在として、まちづくりの核、生涯学習の場となっている。

さらには地震等の災害時には避難場所としての役割を果すことが求められており、大学関係

者、地域住民等の利用、あるいは災害ボランティアの利用を考慮し、ユニバーサルデザイン化

を積極的に推進する必要がある。

広島大学においては、平成 16 年に「広島大学施設のユニバーサルデザイン化ガイドライン」

(平成 22 年改定)を策定し、ガイドラインに基づいた大学施設のユニバーサルデザイン化を

推進している。

6-1-4 サスティナブル・キャンパス

環境への負荷が少ない持続的発展が可能なサスティナブル・キャンパスを目指して、高効率の

省エネ設備及びエコマテリアルの採用、ライフサイクルを通じた総合的な環境対策を実施する。

(1) 省エネ設備の導入

施設保有面積の増加、空調や照明等の室内水準の向上、実験内容の高度化等は施設運営コス

トを増加させる要因であり、今後の大学運営や施設整備を検討する際には、将来のシミュレー

ションを行い中長期的な予測を行う必要がある。

施設運営コストの縮減への取組として、省エネルギー効果が高いとされている高効率型照明、

空調機器のインバータ制御、複層ガラスや断熱材等は、新築や大規模改修事業で導入している

が、更に既設建物への導入も推進する。

(2) エコマテリアルの採用

エコマテリアルは、環境負荷の高いこれまでの素材に替わり、全体を通して資源の保護、環

境負荷の低減、リサイクル性、省エネルギー性など、環境に配慮した環境調和型の代替素材で

ある。

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資-10

6-2 東広島キャンパスの概要

部局専有面積比

敷地面積:2,492,192 ㎡ 建築面積:122,954 ㎡ 延べ床面積:360,003 ㎡ 棟 数:226 棟 建ぺい率:5.0% 容 積 率:14.0%

〔学部〕 総合科学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、工学部、生物生産学部

〔研究科〕 大学院総合科学研究科、大学院文学研究科、大学院教育学研究科、大学院社会科学研究

科、大学院理学研究科、大学院先端物質科学研究科、大学院工学研究科、大学院生物圏

科学研究科、大学院国際協力研究科

〔研究施設等〕 放射光科学研究センター、ナノデバイス・バイオ融合科学研究所、高等教育研究開発セ

ンター、情報メディア教育研究センター、自然科学研究支援開発センター 他

部局構成人数比 構成員比

航空写真

文学部

8%法学部・経済

学部

12%

理学部

12%

生物生産学部

6%

工学部

25%

総合科学部

7%

教育学部

22%

国際協力研究

2%

先端物質科学

研究科

2%

その他

4%

構成員数

13,428 人学部生

62%

大学院生

18%

研究生等

1%留学生

8%

教員

7%

職員等

4%

構成員数

13,428 人

文学部, 643

法学部・経済

学部, 1,288

理学部, 1,051

生物生産学

部, 448 工学部, 2,188

総合科学部, 584

教育学部, 2,100

学部生数(留学性除く)

8,302 人

文学部, 147 法学部・経済

学部, 94

理学部, 383

生物生産学

部, 233

工学部, 656

総合科学部, 164

教育学部, 526

国際協力研究

科, 82

先端物質科学

研究科, 180

大学院生数(留学性除く)

2,465 人

面積区分比 部局別学部生数 (留学生除く)

部局別大学院生数 (留学生除く)

大学教育・研

究施設

67%

大学図書館

7%

大学体育施設

3%

大学支援施設

5%

大学宿泊施設

8%

附属学校

0%

附属病院

0%

大学管理施設

6%

大学設備室等

4%

団地内

延べ面積

360,003 ㎡

文学部

3%

法学部・経済

学部

5%

理学部

17%

生物生産学部

11%

工学部

26%

総合科学部

9%

教育学部

19%

国際協力研究

4%

先端物質科学

研究科

6%

専有面積

199,067 ㎡

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資-11

6-2-1 キャンパスの周辺状況

▮ キャンパスの位置 東広島キャンパスのある東広島市は県中央の内陸部にあり、周囲は自然と緑で囲まれた地域であるが、キャ

ンパスと東広島市街地は近接した位置関係にあり、周辺には美しい自然と住みよい生活圏が調和したゆとりあ

る空間が広がっている。

▮ 周辺環境 東広島キャンパスは 1973 年に統合移転が決まり、1995 年に移転が完了した本部キャンパスである。移転開

始後は学園都市としての発展を目指す東広島市も住環境や交通網などの整備を開始し、現在では周辺の開発も

進み、教職員学生にとって魅力ある街が形成されている。

また、キャンパス周辺には 3 つの団地が近接しており、産学官連携や地域連携の場を創出するサイエンスパ

ーク団地や全国共同利用の課外活動施設がある西条三永団地、さらに天文台観測所を備えた下三永団地が本キ

ャンパスの機能を補っている。

▮ 交通環境 キャンパス訪問者が利用する主な公共交通機関の最寄駅はJR山陽本線の西条駅が北東に約 4km、JR山陽

新幹線の東広島駅が南東に約 5km、そして広島空港が東北東に約 20kmの位置にある。

そのほかにキャンパスの北側には国道 2 号線と山陽自動車道が横断し、東側には国道 375 号線が縦断してお

り、車によるアクセスも重要な手段となっている。

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資-12

6-2-2 土地利用と建物配置

▮ 現状・課題

・体育学部構想の中止、先端物質科学研究科、国際

協力研究科の新設等により、南北間で施設のアン

バランスが生じており、北部における共用空間の

不足(駐車場、運動施設等)、南部における低利

用地の発生、国際協力研究科と他部局との連携に

支障等の問題が生じている。

▮ 検討の方向性

・共用空間の見直しとして、駐車場の運用方法につ

いて検討

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資-13

6-2-3 建物デザイン・高さ

工学部 実験研究棟 総合科学部 西地区広場

▮ 現状・課題 (建物デザイン) ・研究棟:高層で建物の階段等コア部を除いて、各

階にバルコニーを設け横ラインを強調 ・教育棟:中層で研究棟の高層建物に直行した配置

で整備 (外壁色) ・研究棟、教育棟等校舎:東広島の緑にあう西条瓦

をイメージした茶系 ・共用施設:団地内のポイントとして白色

(建物高さ) ・アカデミック中央から、教育棟が中層 3 階~4 階、

研究棟が高層 6 階~8 階、共用施設及び独立実験

棟等が中低層 1 階~4 階の順で整備

▮ 検討の方向性 (外壁色) ・整備当初の基本方針を継承

・整備場所により周辺環境との調和を検討

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資-14

6-2-4建物の現状

▮ 現状・課題 (経年)

・工学部:30 年以上経過 ・その他の学部:大半が 20 年以上経過

(老朽及び機能改善) ・改修済み:工学部 実験研究棟A1・A2・A3・A4、機械専攻共用棟 G4

(改修費の財源) ・文部科学省の施設整備補助金等により改修を進めて

いるが、計画建物の予算化が困難

▮ 検討の方向性 ・改修工事の費用対効果を踏まえ、改修整備計画を

作成 ・運営費交付金等から適切に改修費用を確保

建物の経年状況

改修前建物(工学部) 改修後建物(工学部)

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資-15

6-2-5 講義室

▮ 現状・課題

・東広島キャンパス全体の平均稼働率は 55%である。

・講義室の定員に対し受講人数が少なく、大きな室が使

用されており、スペースの非効率的利用の傾向にあ

る。

・スペースの非効率的利用と省エネルギーに対する改善

が課題

▮ 検討の方向性

・営繕費の削減等により、講義室全てを適切に維持す

ることは困難であるため、稼働率の高い部屋を優先

的に改善するなど効果的な整備を行う。

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資-16

6-2-6 交通動線

▮ 現状・課題

登校時の入構者が中央口へ集中 メインの入構口は中央口で、西条駅大学線(ブールバ

ール)からの自動車、キャンパスの北部の学生街から

の歩行者・自転車、バス停(広大中央口)から降りた

歩行者の入構と交通量が非常に多くなっている。

歩行者・自転車道の輻輳 キャンパス内では、総合科学部講義棟で学部1・2年

生が教養教育を受講するため、北エリアにある学部と

総合科学部を結ぶ動線の通行量が多くなっている。

歩行者と自転車、自転車と自動車の動線分離 中央口付近では、自転車は歩道または車道を自由自在

に通行している。また、キャンパスは南へ向かい下っ

ているため、自転車のスピードも加速し、事故の危険

性が高い。

▮ 検討の方向性

登校時の中央口の安全対策 ・登校時間帯の中央口の入構規制

・自転車専用道の設置

良好なアカデミック空間の維持 ・自転車乗り入れ禁止区域の拡大

登校時間帯の中央口

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資-17

▮ 現状・課題

駐輪収容台数と駐輪台数

6-2-7 駐輪場

・自転車動線から離れた駐輪場の活用 ・駐輪施設の整備 ・自転車の適正管理

▮ 検討の方向性

空きスペースを利用して小さな駐輪場を増設する方向性にあるが、キャンパス環境を悪化し、自転車動線の拡散とな

っている。このため、駐車場または緑地を利用して抜本的な改善策を検討する。

理学部・先端物質科学研究科

法学部・経済学部 文学部 教育学部 総合科学部 工学部 生物生産学部 国際協力研究科

番号 ①~⑨ ⑩・⑪ ⑫・⑬ ⑭~⑱ ⑲~21 28~40 25~27 ⑨

収容台数 1,074 173 590 1,411 2,388 814 345 197

学生数 1,716 1,405 903 2,756 839 3,035 728 269

教員数 205 58 59 171 119 184 77 34

計 1,921 1,463 962 2,927 958 3,219 805 303

56% 12% 61% 48% 249% 25% 43% 65%

部局

駐輪場

構成員数

収容台数/構成員数

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資-18

6-2-8 駐車場

西エリアの駐車場⑩

・バランスのとれた利用による適正な駐車場の確保 ・維持管理費の確保

▮ 現状・課題

駐車場収容台数と利用者数 「駐車証発行数」は平成 26 年度実績による

▮ 検討の方向性

利用できる駐車場の指定

部局毎に利用できる駐車場設定により、適正規模の駐車場に縮小し、不要となったスペースを新たな目的で使用す

る。または余裕のある駐車場は新たな駐車場希望者へ使用許可する。 公共交通機関へのシフト

公共交通機関の利用促進により、部分的な駐車場不足が改善され、エコキャンパスにもつながる。

番号 ① ② ③ ④ ⑤ 24 25 ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ ⑳ 21 22 23 ⑫ ⑬ ⑭

収容台数 174 99 19 441 14 49 44 215 130 256 118 337 80 290 38 104 93 54 26 234 91 55 221 44 72

南西

駐車場

840 601 535 579 406 337

エリア 北東 北西 西 南東 東

334 848 0

先端物質科学研究科、理学研究科、社会科学研究科、文学研究科、図書館、法人本部等

教育学研究科等 総合科学研究科等

生物圏科学研究科等 工学研究科等

駐車証発行数

主な利用部局

1,110 587 323

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資-19

6-2-9-1 ライフライン

▮ 検討の方向性 改修工事時更新 ・建物大規模改修に合わせてライフラインを更新 予防保全的更新 ・保守点検等により不具合が懸念されるライフライ

ンについては、順次予防保全的に更新 ・予防保全的に更新するライフラインの優先順位は、

高圧電気、市水、中水、生活排水、実験排水、雨

水を原則 特高受変電設備更新 ・特高受変電設備については、更新手順を精査し、

予防保全で更新

▮ 現状・課題 ライフライン敷設年

S57~S63 年:東地区 高圧電気・給水・ガス S63~ H3 年:北地区 高圧電気・給水・ガス H4 ~ H6 年:西地区 高圧電気・給水・ガス

ライライン更新履歴 H20 年:池の上学生宿舎 高圧電気 H22 年:工学部 A2 棟 高圧電気・給水・ガス H25 年:工学部 A1 棟 高圧電気・給水・ガス H26 年:工学部 A3 棟 高圧電気・給水・ガス H27 年:工学部 A4 棟 高圧電気・給水・ガス

・経年 30 年を超えた配管の更新

・特高受変電設備の更新

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資-20

6-2-9-2 ライフライン

▮ 検討の方向性

改修工事時更新 ・建物大規模改修に合わせてライフラインを更新 予防保全的更新 ・保守点検等により不具合が懸念されるライフライ

ンについては、順次予防保全的に更新 排水支障解決手法 ・木の根が侵入し、排水の支障となる場合は、管内

カメラ等で管内の状況を把握し、根を除去後樹脂

材等で補修する方法を主体とするが、状況により

配管更新も検討

▮ 現状・課題

ライフライン敷設年 S57~S63 年:東地区 排水管 S63~ H3 年:北地区 排水管 H4 ~ H6 年:西地区 排水管

ライライン更新履歴 H22 年:工学部 A2 棟 建物周りの排水管 H25 年:工学部 A1 棟 建物周りの排水管 H26 年:工学部 A3 棟 建物周りの排水管

・排水支障(ジョイント部分から木の根が侵入)

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資-21

6-2-10 エネルギー消費量・CO2 排出量

▮ 現状・課題

・東広島キャンパスは、2015 年度に年間 424,488GJ の

エネルギーを消費し、年間 30,207t の CO2 を排出 ・エネルギー削減(前年度比年平均 1%以上)の中長期

目標を設定し、電力の見える化を実施 ・電力平準化:常用発電設備 70kW(コージェネ対応) ・化石燃料:重油式空調設備 3 箇所 ・再生可能エネルギー:太陽光発電設備 100kW

▮ 検討の方向性

・2016 年度を基準とし、前年度比年平均 1%以上エネル

ギー削減を目指す ・LED 照明、高効率空調機など省エネ機器への更新を効

果的に継続 ・建物の断熱化を推進 ・重油式空調設備からガス式に転換など CO2 削減に配慮 ・再生可能エネルギー(太陽光・地熱等)の活用を検討

:電力供給拠点

:重油式空調設備

:自家発電設備 ●

● :太陽光発電設備

● ●

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資-22

6-2-11 学生スペース・交流スペース

▮ 現状・課題

・学生が自習などで自由に使用できる部屋は、図書館・

学生プラザ内に設けられているが、学部建物にはほと

んど設けられてない。

・学生等が交流できるスペースも少なく、ラウンジなど

を利用している。

・学生スペースは授業の合間などに使用するため、講義

室の近くで利便性の良い場所が最適である。そのた

め、学生スペースの設置は、部局の積極的な対応が必

要となる。

▮ 検討の方向性

・講義室等の効率的使用によりスペースを確保 ・弾力的活用スペースが適切な場所が確保された場

合、整備について検討

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資-23

6-2-12 広場・オープンスペース

スペイン広場

▮ 現状・課題

・アカデミック地区の広場は、サタケスクエア、スペ

イン広場、工学部ガレリア及びぶどう池・角脇川周

辺が整備され昼休みや授業の合間には学生が集ま

り賑わいの場となっている。

・アカデミック地区には立ち止まって語らう場所も

あるが夏場など木陰が少ない。オープンキャンパ

スには多くの高校生などが訪れるため、シェルタ

ーなどを設け屋外環境を充実する必要がある。

▮ 検討の方向性

学内営繕経費による計画的実行 ・短期的整備のための予算確保は困難であるため、

年次計画により着実に実施する。

サタケスクェア

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資-24

6-2-13 緑地・並木

サタケスクエア

工学部の並木(アメリカフウ)

▮ 現状・課題

・アカデミック地区には、角脇川周辺と外周部の一部に

松林の自然林が残っている。

・建物周辺は樹木又は芝により緑地が整備されている。

・メイン道路沿いの並木

工学部はアメリカフウ

理学部前はイチョウ

教育学部周辺はユリノキ

総合科学部前はケヤキ ・低木の剪定及び芝刈りは行われているが、高木の施

肥・剪定は行われていない。また、生育が悪い樹木が

放置され、環境を悪化させている。

▮ 検討の方向性

維持管理計画の作成 ・緑地による良好な環境を維持するため、維持管理

計画の作成が必要である。

学内構成員による施肥 ・施肥は年2回であるため、学内構成員による対応

も検討する必要がある。

写真

角脇川周辺の自然林

生育の悪いイチョウ並木

工学部のアメリカフウ

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資-25

6-3 霞キャンパスの概要

部局専有面積比

敷地面積:144,701 ㎡ 建築面積:51,550 ㎡ 延べ床面積:210,011 ㎡ 棟 数:62 棟 建ぺい率:36.0% 容 積 率:145.0%

〔学部〕 医学部(医学科、保健学科) 歯学部(歯学科、口腔健康科学科) 薬学部(薬学科、薬科学科)

〔研究科〕 大学院医歯薬保健学研究科

〔研究施設等〕 原爆放射線医科学研究所、自然科学研究支援開発センター 他

〔大学病院〕 広島大学病院

部局構成人数比 構成員比

航空写真

医歯薬保健学

研究科

44%

原爆放射線医

科学研究所

5%

病院

48%

その他

3%

専有面積

165,908 ㎡

医歯薬保健学

研究科, 839

大学院生数(留学性除く)

839 人

医歯薬保健学

研究科

73%

原爆放射線医

科学研究所

1%

病院

24%

その他

2%

構成員数

4,620 人

学部生

45%

大学院生

18%

研究生等

1%

留学生

2%

教員

10%

職員等

24%

構成員数

4,620 人

医歯薬保健学

研究科, 2,079

学部生数(留学性除く)

2,079 人

面積区分比 部局別学部生数 (留学生除く)

部局別大学院生数 (留学生除く)

大学教育・研

究施設

46%

大学図書館

1%

大学体育施設

1%

大学支援施設

3%

附属病院

39%

大学管理施設

2%

大学設備室等

8%

団地内

延べ面積

210,011 ㎡

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資-26

6-3-1 キャンパスの周辺状況

▮ キャンパスの位置 広島県の県庁所在地で、政令指定都市にあたる広島市にある霞キャンパスは、市役所や県庁が並ぶ市の中心

部から東に約 2km離れた市街地内にある都市型キャンパスである。また、主要駅のJR広島駅から南東に約 2km

の距離にあり、南側には主要道路である国道 2号線が通るなどアクセスの利便性の高いエリアである。

▮ 周辺環境 霞キャンパスは 3学部、1研究科、1附置研究所(医学部・歯学部・薬学部、医歯薬保健学研究科、原爆放射

線医科学研究所)の他に大学病院を持つキャンパスである。1 日の平均外来患者数は 2,300 人を超えるなど通

常のキャンパスより訪問者が多く、キャンパス整備を計画する上でアクセスや動線の検討は重要な要素となっ

ている。

また、周辺には 3 つの主要団地があり、附属学校のある翠団地と東雲団地とは約 1.5km、社会科学研究科や

法務研究科のある東千田団地とは約 2km離れている。なお、平成 28年度から霞団地の学生は教養教育の一部を

東千田団地で行うこととなったため、2団地間のアクセスが今後の検討課題となっている。

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資-27

6-3-2 土地利用と建物配置

低層小規模建物が散在する南東エリア

▮ 現状・課題 施設の建て詰まり ・建物の多くが中低層であり、キャンパス全体が建て詰まり状態

・エクステンション用地が確保できず、将来の建替え時に支障

近隣からのクレーム ・北西のテニスコートに対する近隣から騒音のクレーム

教育と研究のゾーニング見直し ・教育と研究は一体であり、区分する必要性はない

・霞RI研究棟、動物実験棟を研究ゾーンへ移動する効果は少ない

診療ゾーンの確保 ・既存の診療スペース内で将来の改築計画は困難

原爆放射線医科学研究所実験棟群の改築 ・実験施設群は老朽化し一部使用中止

▮ 検討の方向性 キャンパスマスタープランの作成 ・霞キャンパスの将来像に基づく、フレームワークプランの作成

※施設整備グランドデザイン 2011 より

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資-28

6-3-3 建物デザイン・高さ

研究棟A南面

基礎・社会医学棟南面

▮ 現状・課題

(建物デザイン) ・学部関係:柱により縦ラインを強調したデザイン ・病院関係:診療棟は外壁リブとカーテンウォールにより縦ラインを

強調したデザイン 入院棟はアルミ窓の横ラインを強調したデザイン

(外壁色) ・学部関係:外壁は白色系または薄く明るいグレー系 ・病院関係:外壁色は4階以上に茶系の暖色系の薄い色を採用

入院棟の基壇(1~3階)は、濃い茶色を採用 (建物高さ) ・学部関係:研究実験棟は主に6~10 階の高層、講義実習棟関係や共

用施設は 1~4 階の低中層施設 ・病院関係:診療棟5階及び臨床管理棟4階、入院棟 11 階

▮ 検討の方向性

建物デザインや外壁色の統一を検討 (外壁面の空調屋外機及びダクト等についても)

建物の高層化 ・建て詰まり状態の解消

診療棟北西面

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資-29

6-3-4 建物の現状

病院再開発終了

▮ 現状・課題

(経年) ・学部関係:大半の施設が 30 年以上経過

老朽化対策及び耐震改修を含めて順次

改修整備中 ・病院関係:病院再開発により改築整備完了

(老朽及び機能改善) ・歯学系研究棟C及び研究棟Aの 4階以上:未改修

・30 年以上の未改修建物:図書館、共用棟 1、基礎

第 2研究棟、臨床第 2研究棟

(改修費の財源) ・文部科学省の施設整備補助金等により改修を進め

ているが、計画建物の予算化が困難

▮ 検討の方向性

・改修工事の費用対効果を踏まえ、改修整備計画を作

成 ・運営費交付金等から適切に改修費用を確保

建物の経年状況

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資-30

6-3-5 講義室

▮ 現状・課題

・霞キャンパス全体の平均稼働率は 41%である。

・一部の講義室において稼働率が低い状況であるため、

他の用途に変更する等、有効活用を図る必要がある。

▮ 検討の方向性

・営繕費の削減等により、講義室全てを適切に維持す

ることは困難であるため、稼働率の高い部屋を優先

的に改善するなど効果的な整備を行う。

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資-31

6-3-6 交通動線

▮ 現状・課題

自動車交通量の低減 ・キャンパス内全域に駐車場分散により交通量増大

・入構口は4か所あるが、西からの入構が多く混雑

・患者用駐車場は 3か所に分散し動線も長い

歩行者用動線の明確化 ・建物の分散配置により歩行者の動線が不明確 患者の歩行動線の最短化 ・北西及び東の立体駐車場から病院施設までの患者

動線が長く、患者の負担増大

▮ 検討の方向性

自動車・自転車を走行させない交通計画 ・各門の近くに駐車場・駐輪場を整備し、キャンパ

ス内の交通量を低減

・病院と患者用駐車場の距離の短縮

・歩行者、自転車及び自動車の動線分離

空間構成の見直し ・ゾーニング、施設配置の見直しにより、キャンパ

ス動線を明確化

正門ロータリー

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資-32

6-3-7 駐輪場

▮ 現状・課題

駐輪場からはみ出し歩道へ駐輪

・駐輪場配置の見直しと拡充 ・駐輪場の適正管理による改善

▮ 検討の方向性

・交通計画の作成 ・自転車乗入れ禁止区域の設定 ・駐輪管理体制の見直し 駐輪場以外の建物周辺に駐輪

駐輪場収容台数と駐輪台数

⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ ⑳ 21 22 23 24 25 26 27 28 29 指定外

台数 203 40 45 53 127 64 51 39 24 53 19 28 12 16 60 67 38 38 189 98

自転車 271 60 79 146 157 115 118 105 54 82 42 88 47 37 66 201 41 16 29 55 107

バイク 14 5 2 33 20 3 3 1 1 9 1 6 2 12 22 2 5 0 4 14 2

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 30 31 32 指定外

台数 118 135 36 20 48 29 17 92 28 31 27 58

自転車 200 263 63 37 43 56 61 150 83 128 72 66 224

バイク 20 20 0 4 4 7 6 10 15 6 5 10 23

エリア・番号南

収容台数639

駐輪台数

1,576

エリア・番号北

収容台数1,264

駐輪台数

2,077

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資-33

6-3-8駐車場

入院棟から離れている患者用立体駐車場

駐車場の適正配置 ・病院再開発時に駐車場不足解消のため、空いたスペースを駐車場化

・患者用駐車場(1番及び3番立体駐車場)から診療棟、入院棟まで離れている。

▮ 検討の方向性

駐車場の統廃合 ・各門近辺へ駐車場を整備

診療ゾーンへ患者用駐車場を移動 ・患者動線を短くすることにより、患者への負担を軽減

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ ⑳ 21 22

76 0 83 13 30 8 45 40 45 11 35 27 6 10 58 31 69 12 34 41 4 76

268 170 155 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0

番号

教職員用

計 754

患者用

計 594

合計 1,348

医歯薬保健学研究科、病院

駐車証発行数

主要な利用部局

741

▮ 現状・課題

駐車場収容台数と利用者数 「駐車証発行数」は平成 26 年度実績による

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資-34

6-3-9-1ライフライン

▮ 検討の方向性 改修工事時更新 ・建物大規模改修に合わせてライフラインを更新 予防保全的更新 ・保守点検等により不具合が懸念されるライフライ

ンについては、順次予防保全的に更新 ・予防保全的に更新するライフラインの優先順位

は、高圧電気、市水、中水、生活排水、実験排水、

雨水を原則 市水管更新 ・市水本管は、地中埋設配管をルート変更して共同

溝内配管とするなど、ライフラインの長寿命化及

び保守管理の向上に配慮 ガス管更新 ・ガス管は樹脂製を採用し、耐震性に配慮

経年劣化により腐食している

共同溝内給水管

▮ 現状・課題

ライフライン敷設年 ライフライン更新履歴 H7 年:動物実験棟 H16 年:総合研究棟 H8 年:保健学科研究棟 H19 年:基礎・社会医学 H13 年:エネルギーセンター H20 年:薬学部研究棟 H14 年:入院棟 H20 年:歯学研究棟 B H20 年:原医研研究棟 H26 年:霞会館 H25 年:診療棟 H28 年:臨床研究棟 H27 年:臨床管理棟 H27 年:中央研究棟

・市水本管は設置後 46 年を経過 ・学部系のガス管は鉄管であるため耐震性能が不足

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資-35

6-3-9-2ライフライン

老朽化した幹線排水管

▮ 検討の方向性

改修工事時更新 ・建物大規模改修に合わせてライフラインを更新 予防保全的更新 ・保守点検等により不具合が懸念されるライフラ

インについては、順次予防保全的に更新

▮ 現状・課題

ライフライン敷設年 ライフライン更新履歴 H 7 年:動物実験棟 H16 年:総合研究棟 H 8 年:保健学科研究棟 H19 年:基礎・社会医学棟 H13 年:エネルギーセンター H20 年:薬学部研究棟 H14 年:入院棟 H20 年:歯学研究棟 B H20 年:原医研研究棟 H26 年:霞会館 H25 年:診療棟 H28 年:臨床研究棟 H27 年:臨床管理棟 H27 年:中央研究棟

・建物周り以外で基幹部分の排水管は、設置後 46 年を経

過 ・排水管の更新は、狭隘な構内により工事中の通行迂廻路

の確保が困難

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資-36

6-3-10 エネルギー消費量・CO2 排出量

▮ 現状・課題

・霞キャンパスは、2015 年度に年間 518,191GJ のエネ

ルギーを消費しており、年間 34,549t の CO2 を排出 ・エネルギー削減(前年度比年平均 1%以上)の中長期

目標を設定し、電力の見える化を実施 ・電力平準化: 常用発電設備 3200kW

(内コージェネ対応 2000kW) ・再生可能エネルギー:太陽光発電設備 30kW

▮ 検討の方向性

・2016 年度を基準とし、前年度比年平均 1%以上エネ

ルギー削減を目指す ・LED 照明、高効率空調機など省エネ機器への更新を

効果的に継続 ・建物の断熱化を推進 ・再生可能エネルギー(太陽光・太陽熱等)の活用を

検討

:電力供給拠点

:自家発電設備 :太陽光発電設備

● ●

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資-37

6-3-11 学生スペース・交流スペース

▮ 現状・課題

・学生が自習などで自由に使用できる部屋は、図書館・

霞会館に設けられているが、学部建物には臨床講義棟

に 131㎡(6室)が整備されているのみであり、ほと

んど設けられてない。

・学生等が交流できるスペースも少なく、ラウンジなど

を利用している。

▮ 検討の方向性

・講義室等の効率的使用によりスペースを確保

保健学科研究棟ラウンジ

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資-38

6-3-12 広場・オープンスペース

▮ 現状・課題

広場・オープンスペース不足 ・霞会館南に学生の憩いのスペースがわずかあるだけ

で、学生の広場等キャンパス内に確保されていない。 ・患者用の憩いのスペースとして、診療棟西のカスミ桜

の庭、入院棟南のいこいの森、診療棟屋上庭園が整備

されている。

▮ 検討の方向性

・建て詰まり状態を解消し、広場・オープンスペ-スの

確保

霞会館南 学生憩いのスペース

屋上庭園

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資-39

6-3-13 樹木・緑地

基礎・社会医学棟南 記念樹

▮ 現状・課題

教育研究ゾーン

・各校舎間の植え込み:高木・中木が点在

・基礎・社会医学棟南周辺:医学部関係の記念樹の高木

・研究棟 Aの南面:歯学部の木(モミジバフウ)の高木の並木

・薬学部附属薬用植物園 診療ゾーン ・カスミ桜の庭 ・いこいの森 ・診療棟屋上庭園

▮ 検討の方向性

・キャンパスマスタープランに基づき、緑化計画を推進

研究棟 A 南 並木

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資-40

6-4 東千田キャンパスの概要

敷地面積:18,471 ㎡ 建築面積:3,669 ㎡ 延べ床面積:14,726 ㎡ 棟 数:5 棟 建ぺい率:20.0% 容 積 率:80.0%

〔学部〕 法学部夜間主コース 経済学部夜間主コース

〔研究科〕 大学院社会科学研究科(マネジメント専攻、社会経済システム専攻の一部) 大学院法務研究科(法科大学院)

〔研究施設等〕 平和科学研究センター、他

部局専有面積比 部局構成人数比 構成員比

面積区分比 部局別学部生数 (留学生除く)

部局別大学院生数 (留学生除く)

大学教育・研

究施設

77%

大学図書館

7%

大学体育施設

5%

大学支援施設

2%大学管理施設

8%

大学設備室等

1%

団地内

延べ面積

14,726 ㎡

航空写真

法学部・経済

学部

33%

法務研究科

23%

教養教育

44% 専有面積

9,736 ㎡

社会科学研究

科, 82

法務研究科, 60

大学院生数(留学性除く)

142 人

法学部・経済

学部

88%

法務研究科

12%

構成員数

724 人

学部生

68%

大学院生

20%

研究生等

0% 留学生

5%

教員

6%職員等

1%

構成員数

724 人

法学部・経済

学部, 495

学部生数(留学性除く)

495 人

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資-41

6-4-1 キャンパスの周辺状況

▮ キャンパスの位置 広島市は、太田川の三角州に発展した中核都市であり、東千田キャンパスは、原爆ドームから南に 1.7km、

JR広島駅から南西に 2.5kmに位置し、西にJR広島駅からの市道駅前通り、北に国道 2 号線へとアクセス

できるきわめて利便性の良い場所に位置する。

近隣には広島市役所、広島県立図書館、平和記念公園等の公共施設も多く、広島市を代表する歴史的・文化

的な環境に恵まれた地域である。

▮ 周辺環境 旧広島大学本部跡地は平成8年度の統合移転完了後、北東部は、広島市の公園(旧理学部 1 号館含む)とし

て整備され、北西部は民間に売却されマンション及びショッピングセンターが建設された。残る南東部は、「ひ

ろしまの『知の拠点』再生プロジェクト」事業(以下、「再生プロジェクト」という)により民間に売却され、

知の拠点の核(広島大学東千田キャンパス)を支えるゾーンとしての「広島ナレッジシェアパーク」の整備に

より、「知を育み、定着させ、持続させるまちづくり」が進められている。

▮ 交通環境 東千田キャンパス西側に面している千田通り(県道243号線)は、広島市中心部である紙屋町に通じ、国

道2号線や駅前通りとも交差する広島市交通網の主要な路線である。また、東千田キャンパスの周辺には、広

島市内を走行する路面電車の駅や市内バスの停留所が有り、利便性の高い交通環境にある。

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資-42

6-4-2 土地利用と建物配置

▮ 検討の方向性

・アカデミックプランに基づき、土地利用計画を検討 ▮ 現状・課題

建物配置 ・狭小な敷地に、主に2部局(社会科学研究科(法学

部・経済学部)及び法務研究科)が設置されている

ため、部局専用の施設は無く、全て共用 ・運動施設は屋内体育室(総合校舎A6階)のみ ・平成 27 年度に「東千田未来創生センター」が完成 ・共通施設(福利厚生施設等)は総合校舎Cに集約 車両動線・駐車場・駐輪場 ・構内の車両と人との動線は分離されていない

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資-43

6-4-3 建物デザイン・高さ

総合校舎B・C西面 総合校舎S南西面

▮ 現状・課題

(外壁色) ・総合校舎Aと総合校舎Sは、5 階まで青系のタイ

ルとし 6 階部分を白色系の塗装仕上げ ・東千田未来創生センターは、コンクリート打放し

仕上げとし、庇により横の線を強調 ・総合校舎Bと総合校舎Cは、旧大学会館の中央を

取り壊し、2棟に分割し外壁腰壁タイルは残し、

白色系の吹付仕上げ (建物高さ) ・総合校舎Aは、6階でその他の建物は3階~4階

▮ 検討の方向性

・敷地が狭隘であるため、将来計画建物を高層化

総合校舎A西面

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資-44

6-4-4 建物の現状

▮ 現状・課題

(経年) ・総合校舎B及びC:昭和 38 年建設の大学会館を平成 11 年

に改修整備 ・総合校舎A:平成 8 年建設 ・総合校舎S:平成 12 年建設 ・東千田未来創生センター:平成 28 年建設

(老朽及び機能改善)

・総合校舎B及びC:外部建具の性能、防水、外壁の劣化

・総合校舎A:防水、外壁の劣化

・総合校舎S:防水、外壁が劣化し順次改修

・法務研究科等の組織新設に伴い、全建物の有効活用が必要

▮ 検討の方向性

・東千田キャンパスの利用計画の作成

総合校舎A 西面

総合校舎S 南西面

建物の経年状況

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資-45

6-4-5 講義室

▮ 現状・課題

・東千田キャンパス全体の平均稼働率は昼間 34%、夜間

72%である。

・平成 28 年 4 月から東千田未来創生センターが運用さ

れることにより、霞キャンパスの学部学生の教養教育

や、社会人教育の拡充に資する。

・一部の講義室において稼働率が低い状況であるため、

他の用途に変更する等、有効活用を図る必要がある。

▮ 検討の方向性

・営繕費の削減等により、講義室全てを適切に維持す

ることは困難であるため、稼働率の高い部屋を優先

的に改善するなど効果的な整備を行う。

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資-46

6-4-6 交通動線

総合校舎B北側通路

▮ 現状・課題

自動車・自転車・歩行者動線交錯 ・総合校舎 A と総合校舎 B の間の通路に集中 ・南北2か所の駐車場への動線が歩行者等と交錯

東千田公園からの自転車進入禁止 霞キャンパスの学生への対応

▮ 検討の方向性

駐車場・駐輪場の集約 自動車・自転車・歩行者動線分 ・電車通りからの新たな入構口の検討

動線交錯部

動線交錯

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資-47

6-4-7 駐車場・駐輪場

キャンパス南駐車場

総合校舎C北駐輪場

▮ 現状・課題

収容台数 ・駐輪場 約 540 台 ・駐車場 93 台(身障者 3 台、仮設 23 台を含む) 駐輪場需要台数の確保

・平成 28 年度以降の霞キャンパスの学生への対応 不法駐輪への対応

▮ 検討の方向性

・駐車・駐輪管理体制の見直し

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資-48

6-4-8 ライフライン

地中箱内高圧電気

▮ 検討の方向性

予防保全的更新 ・保守点検等により不具合が懸念されるライフラ

インについては、順次予防保全的に更新 ・予防保全的に更新するライフラインの優先順位

は、高圧電気、市水、生活排水、雨水を原則 雨水抑制の手法 ・浸透式舗装道路の採用及び雨水再利用に伴う雨

水槽設置等の検討

▮ 現状・課題

ライフライン敷設年 H 8 年:総合校舎 A H 8 年:総合校舎 B H 8 年:総合校舎 C H12 年:総合校舎 S H27 年:東千田未来創生センター

ライフライン更新履歴 なし

・地中埋設配管の更新 ・公共排水管(汚水・雨水合流式)への構内の雨

水流出抑制(広島市より指導)

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資-49

6-4-9 エネルギー消費量・CO2排出量

▮ 現状・課題

・東千田キャンパスは、2015 年度に年間 7,582GJ のエ

ネルギーを消費しており、年間 441t の CO2 を排出 ・エネルギー削減(前年度比年平均 1%以上)の中長期

目標を設定し、電力の見える化を実施 ・単機で大きな省エネ効果が期待できる機器がないた

め、広範囲で多数の機器を対象に省エネ対策 ・電力平準化対策 ・再生可能エネルギーの活用 ・東千田未来創生センターのガス(ガス空調設備用、

2016 年 2 月から)とキャンパス全域の電気(2016年 4 月から)は、エネルギー供給サービスを基盤と

した『知の拠点』スマートコミュニティ計画に於け

る一般社団法人が運営するエネルギーセンターより

供給され、電力平準化、省エネ及び CO2 削減を推進

▮ 検討の方向性

・2016 年度を基準とし、前年度比年平均 1%以上エネ

ルギー削減を目指す ・LED 照明、高効率空調機など省エネ機器への更新を

効果的に継続 ・建物の断熱化を推進

:電力供給拠点

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資-50

6-4-10 学生スペース・交流スペース

▮ 現状・課題

・学部生においては、自習用の専用スペースは設けられ

てない。

・学生等が交流できるスペースも少なく、総合校舎Cの

3 階学生談話室、総合校舎B、総合校舎Sのラウンジ

などを利用している。

・学生談話室が総合校舎Cの 3 階に設けられているが、

講義室や自習室から離れているため利用しにくい状

態である。

▮ 検討の方向性

・広島大学本部跡地における、ひろしまの「知の拠点」

再生プロジェクトの一環として、東千田キャンパス

内に、社会人教育や他大学との連携拠点となる。

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資-51

6-4-11 広場・オープンスペース

原爆死没者追悼の碑周辺緑地

▮ 現状・課題

・憩いのスペース:原爆死没者追悼の碑周辺緑地

・多目的スペース:総合校舎Sの北側で、学園祭や仮設

駐車場にも利用(将来増築スペース)

・東千田公園と一体的な利用

・大規模増築時に敷地面積の 10%緑地確保が必要 ・総合校舎 S東側に喫煙所を設置

▮ 検討の方向性

広場・オープンスペースの確保 ・東千田キャンパスの利用計画において検討

憩いのスペース

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資-52

6-4-12 樹木・緑地

原爆死没者追悼の碑周辺緑地

▮ 現状・課題

・原爆死没者追悼の碑周辺に高木緑地(被ばく桜:2本)

・東千田公園の樹木:メタセコイヤ他

・大規模増築時に敷地面積の 10%緑地確保が必要

被ばく桜

▮ 検討の方向性

緑地の確保 ・東千田キャンパスの利用計画において検討

芝地

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資-53

6-5 「キャンパス整備のアクションプラン」についての検証

6-5-1 東広島キャンパス 赤字:未実施の事項

キャンパスの目標 施設整備計画 アクションプラン(平成 22~27年度)

1. 新しい時代を拓く知的創造

を生み出すキャンパス

・教育・研究施設の再生

老朽施設を順次改善整備(全面・部分改修)

既存施設の有効活用に向けた整備

・工学部研究棟 A1・A3の改修

・総合科学部講義棟等の外壁・屋上改修

・基幹設備(給排水・電源等)の更新

・学生等のニーズに対応した教育・研究環境の整備

学習支援スペースの整備

・ものづくりセンター(Ⅱ期)の整備

・図書館機能の見直し(ラーニング・コモンズ導入)

・講義室の共有化による自習室等の整備

・新たな教育研究環境の整備

プロジェクト研究スペースの充実

IT機器利活用への対応

・弾力的活用スペースの整備(大規模改修等に伴い整備)

・講義室のIT環境の整備

2. 若々しい活力と豊かな人間

性を育むキャンパス

・学生交流の場の整備 ・学生プラザ周辺の整備

・福利厚生施設周辺にシェルター・ベンチの設置

・キャンパスエントランスの整備 ・キャンパスエントランスの整備(広大中央口)

・学生生活環境の改善

・学生宿舎 1~4・7~9号館の改修

・講義室の空調設備の設置及び更新

・講義棟等のトイレの改修

・学生スペースにパソコン利用環境の整備

3. 豊かな環境と調和した美し

いキャンパス

・自然環境の保全・活用

里山林地的管理と人工植栽管理

緑陰広場の整備

・ぶどう池周辺の整備

・アカデミック地区の植栽の管理

・広場への植樹

4. 地域社会・国際社会と共生す

る開かれたキャンパス

・国際化に対応した環境整備

留学生・研究者の生活環境の充実

・外国人研究者の宿舎整備

・産学官連携施設の整備 ・インキュベーション施設の充実

・交通施設の改善

動線の改善

駐車場・駐輪場の適正配置

・駐車場の拡張及び運用見直し

・駐輪場の整備(拡張・上屋設置)

・学士会館南の歩道の拡幅

・総合科学部-教育学部間の歩道の整備

・屋外サインの更新 ・Ⅴ期計画によりサインの更新

・バリアフリー化の推進 ・図書館・福利厚生施設等の改善

5. 社会を先導する「サスティナ

ブル・キャンパス」

・CO2排出量の削減

省エネ型機器への更新

太陽光発電の導入

・省エネ型空調機器への更新

・その他の省エネ手法の導入

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資-54

実施事項

H22

H23

H24-25

H24

H25

H26

H27

・総合科学部事務棟の屋上防水改修、学生実験棟の外壁改修

・工学部実験研究棟A4給水設備の改修

・東図書館空調設備の改修(H23)

・工学部大型構造物実験棟G1の改修(H23)

・工学部実験研究棟A1(8,590㎡)の改修 → 全面改修により機能的な教育・研究スペースに改善

・電力監視制御設備、(工)給水管等

・特殊加工技術開発室の改修 → 類似施設の集約により新たな教育・研究スペースを確保

・工学部実験研究棟A3(8,620㎡)の改修 → 全面改修により機能的な教育・研究スペースに改善

・受変電設備改修、受水槽更新

・総合科学部講義棟Jの外壁改修

・工学部実験研究棟A4(8,620㎡)の改修 → 全面改修により機能的な教育・研究スペースに改善

・総合科学部講義棟Kの外壁改修

・遺伝子実験棟を利用して動物実験施設(600㎡)を整備

H22

H23

H27

・中央図書館へラーニング・コモンズ整備

・ものづくりセンター(Ⅱ期)(1,140㎡)の整備

・工学部の弾力的活用スペースを利用して多目的使用の学生スペース(110㎡)を整備

H23

H26

H26-27

・工学部実験研究棟A4にレンタルラボの整備(240㎡)

・工学部実験研究棟改修に伴う弾力的活用スペースの確保(1,720㎡)→ レンタルラボ等として運用

・工学部講義室(H26),総合科学部K棟講義室(H27)無線LAN整備

H22

H23

H24

H25

H22-23

H22-25

・学生宿舎 1・2号館の改修 → 居住環境の向上

・学生宿舎 3・4号館の改修 → 居住環境の向上

・学生宿舎 7・8号館の改修 → 居住環境の向上

・学生宿舎 9号館の改修 → 居住環境の向上

・教育学部講義棟K(H22)及び法学部・経済学部講義棟(H23)の空調設備改修

・学生宿舎改修に伴いLAN環境を改修整備 → 居住環境の向上

H23

H22-27

・小丸スクエアの植栽整備

・桜害虫駆除、フェニックスコモ巻き

H22

H25

・山中会館(690㎡)の機能改善 → 2室を1室にして居住性の向上

・民間アパート借上げにより、留学生支援

H26 ・JSTからサイエンスパークの施設(2,590㎡)の移管により、産学官連携スペースを確保

H23

H24

・駐輪場の上屋設置(社会科学研究科)

・学士会館南の歩道の拡幅 → 歩行者と自転車の分離による危険解消

・総合科学部-教育学部間の歩道の整備 → スロープ、路面整備によるバリアフリー化

・駐輪場の上屋の改修(総合科学部北、生物生産学部)

・歩道の設置(総合科学部付近)

H22

H23

・理学部周辺のサイン更新

・工学部周辺のサイン更新

H22 ・総合科学部研究棟A6階トイレ改修

H22-27

H23

・省エネ型空調機器への更新

・学生プラザ及び東図書館に太陽光発電設備の設置

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資-55

6-5-2 霞キャンパス 赤字:未実施の事項

キャンパスの目標 施設整備計画 アクションプラン(平成 22~27年度)

1. 新しい時代を拓く知的創造

を生み出すキャンパス

・ 教育・研究施設の再生

老朽施設を順次改善整備(全面・部分改修)

既存施設の有効活用に向けた整備

キャンパス全体に視点をおいた機能改善

・ 既設外来棟等の改修

・ 基幹設備(電源、RIフィルター等)の更新

・ スペース配分と機能配置の見直し

・ 学生等のニーズに対応した教育・研究環境の整備

学習支援スペースの整備 ・ 図書館機能の見直し(ラーニング・コモンズ導入)

・ 新たな教育研究環境の整備

IT機器利活用への対応 ・ 講義室のIT環境の整備

2. 若々しい活力と豊かな人間

性を育むキャンパス ・ 学生交流の場の整備 ・ 保健学研究科研究棟中庭の改修

・ 緑地・広場の整備

新たな緑地広場の整備

街路樹の整備

既存緑地の維持管理

・ 診療棟屋上に広場の設置

・ 既存緑地の維持管理

・ 学生スペースの確保 ・ 既設外来棟等の改修

・ 学生生活環境の改善 ・ 講義室の空調設備の設置及び更新

・ 研究棟のトイレの改修

・ 学生スペースにパソコン利用環境の整備

3. 地域医療・被爆者医療に貢献

できるキャンパス ・ 病院施設の再整備

新診療棟の整備

既存診療棟の改修

・ 新診療棟の整備

・ 既設外来棟等の改修

・ レジデントハウスの整備

4. 地域社会・国際社会と共生す

る開かれたキャンパス ・ 産学官連携施設の整備 ・ 医工連携ものづくり施設の整備

・ 病院周辺の屋外環境整備 ・ 屋外環境整備

・ 交通施設の改善

動線の改善

駐車場・駐輪場の適正配置

外灯の整備

・ 駐輪場上屋の設置

・ 外灯の更新・増設

・ 正門付近の整備

・ 屋外サインの更新 ・ 屋外サインの更新

・ バリアフリー化の推進 ・ 図書館・福利厚生施設等の改善

5. 社会を先導する「サスティナ

ブル・キャンパス」 ・ CO2排出量の削減

省エネ型機器への更新

太陽光発電の導入

・ 省エネ型空調機器への更新

・ その他の省エネ手法の導入

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資-56

実施事項

H23

H25

H25・26

H26

H26・27

H27

・霞会館、基礎第2研究棟の屋上防水改修

・研究棟A6階の講義室改修

・RI研究棟のRIフィルターを更新

・既設第 1中央診療棟の改修 → 病院跡地を教育研究スペースに再生

・研究棟Aの改修 → 病院跡地を教育研究スペースに再生

・臨床研究棟(8,20㎡)の改修 → 全面改修により機能的な教育・研究スペースに改善

・講義棟D(1,040㎡)の改修 → 全面改修により機能的な教育・研究スペースに改善

H25 ・霞図書館にラーニング・コモンズを整備

H25 ・研究棟A講義室無線LAN整備

H22

H25

・保健学科研究棟の中庭を学生スペースとして整備

・霞会館改修に伴い学生スペースを整備

H25 ・診療棟屋上にホスピタルパークを整備

H27 ・臨床管理棟 2階改修(チュートリアル室、更衣室を設置)

H23

H25

・研究棟Cのトイレ改修

・霞会館改修(無線LAN整備)

H21-25

H22

H24

H25

H25・26

H26

・新診療棟(38,560㎡)の整備

・レジデントハウス(3,410㎡)の整備

・エネルギーセンター(710㎡)の増築

・資料室(カルテ庫)の改修

・既設外来棟の改修

・ファミリーハウスの整備

H22 ・旧北ボイラー棟のリニューアル

H25 ・新診療棟前の屋外環境整備

H22

・正門前交差点の改修

・駐輪場の上屋設置(研究棟C西)

・駐輪場の上屋設置(図書館南)

H24 ・診療棟周辺構内サイン更新

H22

H25

・研究棟Cのトイレ改修 → バリアフリー化

・霞会館改修にてEVを設置

H22-27

H24

・省エネ型空調機器への更新

・診療棟に太陽光発電設備を設置

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広島大学キャンパスマスタープラン 2016 検討部会 メンバーリスト (H27)

部 局 等 名 氏 名 (役 職) 備 考

財務・総務室 施設企画担当

副理事 小谷 隆男 第 3 条(3) 役職指定・座長

産学・地域連携センター 地域連携部門 教授 塚本 俊明 第 3 条(4)

大学院工学研究院 社会環境空間部門 准教授 田中 貴宏

財務・総務室 施設企画グループ GL 田中 宏

財務・総務室 施設計画グループ GL 石井 一生

財務・総務室 施設管理グループ GL 井上 修一

財務・総務室 施設企画グループ 副GL 井上 雄二

財務・総務室 施設計画グループ 副GL 前田 裕之

財務・総務室 施設管理グループ 副GL 石川 一行

財務・総務室 施設企画グループ 主査 藤原 英修

財務・総務室 施設計画グループ 主査 上野 敏史

財務・総務室 施設計画グループ 主査 岡本 章生

財務・総務室 施設計画グループ 主査 中本 忠輔

財務・総務室 施設企画グループ 主査 胡 知弘

財務・総務室 施設企画グループ 主任 眞田 元気

広島大学キャンパスマスタープラン 2016 検討部会 メンバーリスト (H28)

部 局 等 名 氏 名 (役 職) 備 考

施設部 部長 須崎 茂弘 第 3 条(3) 役職指定・座長

産学・地域連携センター 地域連携部門 教授 塚本 俊明 第 3 条(4)

大学院工学研究院 社会環境空間部門 准教授 田中 貴宏

施設部 施設企画グループ GL 田中 宏

施設部 施設計画グループ GL 石井 一生

施設部 施設管理グループ GL 井上 修一

施設部 施設企画グループ 副GL 藤原 英修

施設部 施設計画グループ 副GL 岡本 章生

施設部 施設管理グループ 副GL 石川 一行

施設部 施設企画グループ 主査 胡 知弘

施設部 施設計画グループ 主査 上野 敏史

施設部 施設計画グループ 主査 中本 忠輔

施設部 施設企画グループ 主任 栗田 道子

施設部 施設企画グループ 主任 眞田 元気

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広島大学キャンパスマスタープラン 2016 策定に係る活動

【 施設マネジメント会議 】

2015年度 第1回会議 施設整備グランドデザイン更新に係る体制及び内容協議

2015年度 第 2 回会議 施設整備グランドデザインのアクションプラン検証

2015年度 第 3 回会議 広島大学キャンパスマスタープラン 2016 作業部会への有識者参画

2015年度 第 4 回会議 フレームワークプラン 2016策定に係る協議

2015年度 第 6 回会議 広島大学キャンパスマスタープラン 2016 策定に係る中間報告

2016年度 第 2 回会議 広島大学キャンパスマスタープラン 2016(案)の照会

2016年度 第 3 回会議 広島大学キャンパスマスタープラン 2016 策定に係る中間報告

2016年度 第 4 回会議 広島大学キャンパスマスタープラン 2016 完成報告

【 広島大学キャンパスマスタープラン 2016 作業部会 】

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2015年

2016年

2016年

2016年

2016年

2016年

2016年

2016年

2016年

2016年

2016年

6 月

8 月

9 月

9 月

9 月

10 月

10 月

11 月

11 月

11 月

11 月

11 月

11 月

12 月

2 月

3 月

3 月

3 月

4 月

6 月

6 月

7 月

7 月

11 月

2 日

21 日

4 日

11 日

17 日

16 日

23 日

2 日

4 日

13 日

18 日

20 日

27 日

4 日

24 日

10 日

15 日

28 日

11 日

21 日

23 日

7 日

15 日

7 日

第 1回

第 2回

第 3回

第 4回

第 5回

第 6回

第 7回

第 8回

第 9回

第 10 回

第 11 回

第 12 回

第 13 回

第 14 回

第 15 回

第 16 回

第 17 回

第 18 回

第 19 回

第 20 回

第 21 回

第 22 回

第 23 回

第 24 回

広島大学キャンパスマスタープラン 2016策定作業

2016年 7 月 12日 ~ 9 月 29日 学内組織対応個別説明

2016年 9 月 1 日 ~ 10 月 20日 学生及び教職員へ意見募集

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平成 29 年 3 月

国 立 大 学 法 人 広 島 大 学 発行:施設マネジメント会議

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