CoderDojo Miyoshi in Tokyo
2018
レポート
CoderDojo Miyoshi 代表下川 宏武
p. 1
目次
CoderDojo Miyoshi とは (p2)
マラカンについて (p3)
第一枠 (p4~p8)
・迷路研究 (p6~p7)
・第一枠の成果 (p8)
第二枠 (p9~p14)
・プロジェクトの受発注 (p10~p13)
・第二枠の成果 (p14)
成果とこれからの課題 (p15)
付録資料 (p16~p17)
p. 2
CoderDojo Miyoshi とは
CoderDojo
2011 年に、アイルランドで始まったプログラミング組織です。現在、全国で 150 ヵ所、世界では 100 の国で
1900 以上の Dojo が定期的に開催をしています。差別なく、プログラミングに興味のあるすべての人が参加でき
ることを基本理念に、参加してくださる保護者や児童からは一切お金をいただきません。
CoderDojo Miyoshi
四国初の CoderDojo です。CoderDojo Miyoshi は、プログラミングコミュニティであり、基本理念などは
CoderDojo に準じているため、参加者からお金は一切いただいておりません。そのため、運営は地域のプログ
ラミングに興味のある方が中心となって行っています。主に、徳島県三好郡・市の小学 4 年生から小学 6 年生ま
でを対象としていますが、今年度は香川県まんのう町と徳島県板野郡から、それぞれ 1 名ずつ参加者がいます。
今年度は、マイクロビットを使って Dojo を進めていく予定です。また、2020 年から始まる小学校でのプログラ
ミング教育を見据えて、メンター(指導者)に教育関係者を多く受け入れることになっています。
用語
Dojo 当コミュニティ,会場 CoderDojo プログラミング組織の名称
CoderDojo Miyoshi 当コミュニティ メンター 指導者
ニンジャ 受講者
規模
主な対象範囲…徳島県三好郡・市
人数…ニンジャ 33 名,メンター15 名(平成 30 年度 8 月 8 日現在)
ニンジャ学年別割合
4年生 5年生 6年生
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マラカンについて
マラカン!2018(マインクラフトでラーニングするカンファレンス)とは
学校での利用のために開発された「教育版マインクラフト」を使った学習活動の発表・共有・体験をする場で
す。当日参加者数 195 人という非常におおきなイベントで、これだけ大きな教育版マインクラフトのイベントは
世界初です。
教育版マインクラフトとは
以下マラカンのチラシから引用
プログラミング的思考を育てる学習活動
CodeConnection 機能を使うと、教育版マインクラフトをプログラミングすることができ
ます。
歴史や化学に触れる学習活動
教育版マインクラフトの化学学習機能を使うことで元素を構成したり、合成して物質を生
成することができます。また学習した歴史などの情報をもとにワールドを作ることで、他者
への表現や、さらなる創造活動を取り入れた学習活動を体験できます。
p. 4
第一枠
現役中学生イノベーターが考えるみんなで学ぶプログラミング①
この枠の内容説明
プログラミング×理科(生活科)。ダンゴムシの性質を利用して巨大迷路をエージェントにクリアさせる。その
過程にプログラミングと理科を組み込み、身近な生き物について勉強をしながらプログラミングを行う。ここで
は、ダンゴムシのジグザグに歩く性質や日本にいるダンゴムシの種類、歴史などについて触れる。
※参加人数と参加率1
項目 参加人数 定員 参加率
受講者2 19 名 20 名 0.95%
指導者3 5 名 2 名 250%
見学者4 7 名
合計 31 名 22 名 140.91%
第一枠の参加人数は、予想よりも多かった。受講者が 1 人欠席だったのが唯一残念だが、全体でみると 140%
以上と十分な人数だ。飛び入りで参加してくださった指導者 3 名には驚いたしありがたかった。
第一枠の大まかな流れ
内容説明 かかった時間
CoderDojo Miyoshi の説明 CoderDojo Miyoshi の規模や活動などについて説明を
する
10 分
体験 教育版マインクラフトの操作になれる 40 分
迷路研究 メイン課題。プログラミングと理科(生活科)を学ぶ 30 分
CoderDojo Miyoshi の説明(10 分)
東京から遠く離れたみよしの地で行っている CoderDojo Miyoshi の活動についてたくさんの方に知ってもら
えたと思う。全国に CoderDojo はたくさんあり、少しでも興味を持っていただけたならうれしい。
1 当日撮影した写真をもとに、最も少なかった時の人数でカウントをしている。ブースへの出入りは自由なので、これよりも多かった時間もある。 2 受講者とは、実際にパソコンを扱う人をいう。 3 指導者が増えているのは、飛び入りで協力してくださったから。 4 見学者とは、パソコンは扱わないがブース内にいる人のことをいう。
p. 5
体験(40 分)
「体験」は、僕が予想していたよりも時間がかかった。やはり子供は以前からマインクラフトをしていたため
か習得が早いが、大人はなかなか操作や世界観をつかむのが難しいようだ。
操作に慣れる
内容:スポーン地点から研究所(プログラミング会場)にまで移動する
スポーン地点から研究所までの道のりは長く、段差や曲道の多い道になっている。これは、研究所に行くまで
に操作に慣れてもらうためである。少ない時間で効率的に操作に慣れるためにと考えた。ほとんどの人は研究所
にまでたどり着けたが、何人かは研究所に行くまでで脱落してしまった。これはもう、しょうがないと思う。
体験①
内容:直線を移動させる
やはり子供の方が習得が早い。一瞬でクリアしてしまう。この段階でよくつまずくポイントは、「エージェント
を呼び出せない」「ブロックの位置がわからない」「エージェントに指示を出しても動かない」の 3 つ。ここのポ
イントをおさえて進めると、いいと思う。
ここでの回答には大きく分けて 3 種類ある。
① コードの中の値を変える
② ループを使う
③ 金の重量感圧版を踏んだら停止するようにプログラムする
①は一番スマートな回答、②はチャレンジャーな回答、③は一番難しいが発想がすばらしく、センスのある回答。
答えの出し方は 1 つではなく様々あり、それぞれいいところも悪い所もある。いろいろ考えてみても面白いと思
う。
体験②
内容:曲道を移動させる
体験①の応用。回答はここでも 3 つ。
① コードの中の値を変える
② ループを使う
③ 壁に当たったら方向を変え、金の重量感圧版を踏んだら停止するようにプログラムする
体験③・体験④
本当はやりたかったのだが、時間の関係で割愛。
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迷路研究(30 分)
流れ
迷路を解く
•まずは自分でゴールまでの道筋を考えてもらう。
迷路の法則を見つける
•迷路を解いた後、グループで話し合って法則を見つけてもらいグループ代表に発表をしてもらう。話し合
うことも大事で、互いにコミュニケーションをとるように促した。発表の時はしっかりと聞き、終わった
後には拍手をする。特に拍手は場が盛り上がるし発表者の自信もつく。
•迷路の法則の答え:ジグザグに歩く
この法則のモデルは何か考
える
•このモデルがダンゴムシだということに気づいてもらう。
ダンゴムシについて知る
•ダンゴムシについて学ぶ。ここでは日本にいるダンゴムシの種類などについて学ぶ。
迷路をゴールするようエー
ジェントをプログラミング
•かなり複雑なプログラムになるので、例えばあらかじめ6つぐらいの部品をつくっておきそれを組み合わ
せることで動くようにするなどしたほうがいいと思う。
この法則の利点を知る
•ジグザグに歩く性質「交替性転向反応」について知る。この利点は何か考える。
ダンゴムシについてもう少
し学ぶ
•ダンゴムシの害や、外来種であるオカダンゴムシが日本で広く生息している理由について知る
p. 7
資料:報告書 ダンゴムシについて
間違いがあればご連絡ください
p. 8
第一枠の成果
第一枠の成果は、十分に出たと考えています。時間の関係で内容を全て行うことはできませんでしたが、教
育版マインクラフトを利用したひとつの形を示すのには十分だったのではないでしょうか。グループで教え合
っている姿が見えただけではなく、子どもが大人に教える場面がたくさんありました。また、僕が提案する
「プログラミング×理科(生活科)」のかたちもたくさんの方から好評をいただきました。教育版マインクラフト
でプログラミングを学びつつ、自然環境のことにも興味をもってくれたなら第一枠は大成功でしょう。
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第二枠
現役中学生イノベーターが考えるみんなで学ぶプログラミング②
この枠の内容説明
2 人 1 組で互いにプロジェクトを受発注し合う。その流れの中で相手とのコミュニケーションを深めてもらう。
また、これはシステム開発の流れを模しているため、どのようにシステムが開発されるのかということについて
も簡単に知ってもらう。
※参加人数と参加率5
項目 参加人数 定員 参加率
受講者6 9 名 10 名 90%
指導者 2 名 2 名 100%
見学者7 1 名
合計 12 名 12 名 100%
第二枠の参加人数は少なかった。イベント全体の人数も、時間が経つほどに少なくなっていたようだったから
しょうがないと思う。
第二枠の大まかな流れ
内容説明 かかった時間
CoderDojo Miyoshi の説明 CoderDojo Miyoshi の規模や活動などについて説明を
する
10 分
体験 教育版マインクラフトの操作になれる 30 分
プロジェクトの受発注 メイン課題。システム開発の流れを学ぶ。 60 分
CoderDojo Miyoshi の説明(10 分)
5 ページに書いたのでカット。
体験(40 分)
5 ページに書いたのでカット。
5 当日撮影した写真をもとに、最も少なかった時の人数でカウントをしている。ブースへの出入りは自由なので、これよりも多かった時間もある。 6 受講者とは、実際にパソコンを扱う人をいう。 7 見学者とは、実際にパソコンは扱わないがブース内にいる人のことをいう。
p. 10
プロジェクトの受発注
結論からいうと、この課題を行うのは難しいと思う。まず、“教育版マインクラフトではどのようなことができ
るのか”ということがわかっていないといけない。難易度は高いと思う。
システム開発の流れを説明
プロジェクトワークシートでしたシステム開発の流れを説明する。システム開発の流れは「料理」に当てはめ
て説明する。
体験①をする
•基礎を学ぶ
ワークシート①
•ワークシート①に従って、体験③のプロジェクト
名・説明・そしてフローチャートをかく
ワークシート②
•ワークシート②に従ってプロジェクトを受発注す
る
p. 11
資料:プロジェクトワークシート①
p. 12
p. 13
資料:プロジェクトワークシート②
p. 14
第二枠の成果
第二枠はあまり良い結果ではなかったと感じます。内容の構成をもっとよく考えたほうがいいと思いました。
教育版マインクラフトを初めて扱う人にはこの内容は向かず、ある程度慣れて、エージェントに何をさせること
ができるのかを分かった時にするのがいいのかと思います。システム開発の流れの説明は、平成 30 年度の第三
回 CoderDojo Miyoshi でも行い大人の方からは「わかりやすい」と評価をいただきました。料理をするプロセ
スとリンクさせて考えることで、流れの雰囲気はつかめられると考えています。
p. 15
成果とこれからの課題
教育版マインクラフトの自由度の高さは無限です。また、「マインクラフト」そのものが世界中で人気があるゲ
ームです。だから、プログラミングへの導入の部分では子どもたちが興味を持って取り組むことができます。だ
けど、その“自由度”や“ゲーム”というのが課題でもありました。なんでもすることができるがゆえに目標が決ま
らなかったり、ゲーム性があるがために“学習”につながらなかったり。教育版マインクラフトを“教育”に利用す
るためには、これらの大きな壁を乗り越えなければなりませんでした。
それが、今回のイベントではたくさんの発表者が登壇し、多用な視点から教育版マインクラフトをつかった教
育のかたちを示してくれたと思います。これから多くの先生方が“学習”に教育版マインクラフトを取り入れるよ
うにするためには、こういった教育版マインクラフトを利用した学習内容・構成を発信していくことが大切だと
考えます。今回、このイベントで学習内容を考えてみて思いましたが、よくわかっていない人には難易度が高い
ツールでした。だから、コンテンツを増やす・発信するということが今一番重要ではないでしょうか。
生涯学習
僕の行ったワークショップの第一枠で特に感じましたが、教育版マインクラフトは大人よりも子供の方が詳し
く知っています。子供たちが大人に教えているという場面も多く目にしました。これは、今までになかった“学習”
のかたちではないでしょうか。「大人が子供に教える」ことだけが学習のかたちではなく、子供たち自らが大人に
教えることで得られるものも多くあると思います。また、大人も教育版マインクラフトを楽しんでいました。老
若男女問わず楽しみながら“学習”できる教育版マインクラフトは、これからさらに可能性を広げるのではないか
と思います。
p. 16
付録資料
操作方法
p. 17
報告書 海洋生物について
p. 18
CoderDojo Miyoshi は徳島県三好郡・市を主な対象とした四国初の無料のプログラミングコミュニティで
す。運営などはすべてボランティアで行っております。今年度は、小学 4 年生から小学 6 年生までの 33 名の
こどもが、このコミュニティで一緒に活動をします。今年度は香川県まんのう町と徳島県板野郡からも、そ
れぞれ 1 名ずつ参加者がいます。Dojo の内容は、マイクロビットを使ったプログラミングを予定していま
す。また、2020 年から始まる小学校でのプログラミング教育を見据えて、指導者に教育関係者を多く受け入
れることになっています。
Supported by…
日本マイクロソフト社様
株式会社ジェニオ様
CoderDojo Miyoshi in Tokyo レポート
作成者:CoderDojo Miyoshi 代表 下川 宏武
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