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上下田国有林 - maff.go.jpヤマザクラ (2,000本/ha) ヤマザクラ (4,500本/ha)...

Date post: 10-Jul-2020
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6
ヤマザクラについては、下刈り等の保育とは別に病害等の処理を行う費用がかかる ことも懸念されるが、適切な処理を行うことで良好な生長が見込まれる。また、枝打の 実施により、通直な材が採れる可能性高くなると思われる。 植栽本数毎の生長は、2000本/ha 区の生長が最も良い結果が得られたが、設定し た試験区の地形(谷沿い・尾根沿い)により差があることから、植栽本数による違いか どうか判断できなかった。枝打区と対照区では、ほとんどの区域で枝打区の数値が高 い値を示しているが、枝打による生長の差は認めがたい。谷沿いでの生長が良好なこ とから、植栽時には、地形を十分検討する必要がある。 ユリノキについては、活着も良く生長も良好である。枝打ちによる生長の差は認めら れない。成長の過程で下方の枝は自然に落下することから、特に枝打は必要ないと 思われる。 ヤマザクラ・ユリノキについては、双方とも順調に生長しており、当面の間施業の必 要性がないことから経過観察することとしている。 なおヤマグワについては、植栽後ほとんどの個体で、腐朽、幹折れ等被害が発生し たため試験を中止。 成果の活用 関連資料 カテゴリー キーワード 開発期間 上下田国有林608ね・な林小班(ユリノキ、サクラ) 樋谷山国有林560れ林小班(ヤマグワ) 人工造林による有用広葉樹の育成技術の開発 特殊用材林の育成方法 ユリノキ、サクラ、ヤマグワ 平成18年度~平成25年度 森林技術・支援センター 背景・目的 建築用材、器具材等の幅広い広葉樹用材の需要に対応するため、有用広葉樹の育 林技術の体系化を目的に有用広葉樹を植栽し生長等について平成8年度から10年 間調査してきたが、土地への適応性が低い樹種と生育のよい樹種に区分されてきた。 生育のよいヤマグワ、ヤマザクラ、ユリノキについては用材生産の可能性があること から、引き続き保育作業(枝打ち等)を実施し、有用広葉樹の育林技術に取り組む。 実施方法 平成8年度 (ヤマグワの植栽) ヤマグワ-600本 スギ-300本。ヤマグワのみ 0.06ha、ヤマグワとスギの根植(列状交互植)0.15ha 計0.21ha(4,300本/ha) 平成9年度 (ヤマザクラの植栽) ヤマザクラ 2000本区/ha 0.47ha、3000本区/ha 0.38ha、4500本区/ha 0.35ha 計 1.20ha 平成9年度 (ユリノキの植栽) ユリノキ 750本 0.62ha 下刈、林内整備、生長量調査(根元径、胸高直径、樹高)を実施 平成19年度 ユリノキ、ヤマザクラの試験区において、枝打ちによる生長量の違 いを見るため枝打ち試験区の設置(平成20年2~3月枝打ちの実施) 実施主体 実施場所 国有林名 協力機関 岡山県新見市
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Page 1: 上下田国有林 - maff.go.jpヤマザクラ (2,000本/ha) ヤマザクラ (4,500本/ha) ヤマザクラ (3,000本/ha) ユリノキ (1,200本/ha) ね1 な 608 上下田国有林

成   果

 ヤマザクラについては、下刈り等の保育とは別に病害等の処理を行う費用がかかることも懸念されるが、適切な処理を行うことで良好な生長が見込まれる。また、枝打の実施により、通直な材が採れる可能性高くなると思われる。 植栽本数毎の生長は、2000本/ha 区の生長が最も良い結果が得られたが、設定した試験区の地形(谷沿い・尾根沿い)により差があることから、植栽本数による違いかどうか判断できなかった。枝打区と対照区では、ほとんどの区域で枝打区の数値が高い値を示しているが、枝打による生長の差は認めがたい。谷沿いでの生長が良好なことから、植栽時には、地形を十分検討する必要がある。 ユリノキについては、活着も良く生長も良好である。枝打ちによる生長の差は認められない。成長の過程で下方の枝は自然に落下することから、特に枝打は必要ないと思われる。 ヤマザクラ・ユリノキについては、双方とも順調に生長しており、当面の間施業の必要性がないことから経過観察することとしている。 なおヤマグワについては、植栽後ほとんどの個体で、腐朽、幹折れ等被害が発生したため試験を中止。

成果の活用

関連資料

名   称

カテゴリー

キーワード

開発期間

上下田国有林608ね・な林小班(ユリノキ、サクラ)樋谷山国有林560れ林小班(ヤマグワ)

人工造林による有用広葉樹の育成技術の開発

特殊用材林の育成方法

ユリノキ、サクラ、ヤマグワ

平成18年度~平成25年度

森林技術・支援センター

背景・目的

 建築用材、器具材等の幅広い広葉樹用材の需要に対応するため、有用広葉樹の育林技術の体系化を目的に有用広葉樹を植栽し生長等について平成8年度から10年間調査してきたが、土地への適応性が低い樹種と生育のよい樹種に区分されてきた。 生育のよいヤマグワ、ヤマザクラ、ユリノキについては用材生産の可能性があることから、引き続き保育作業(枝打ち等)を実施し、有用広葉樹の育林技術に取り組む。

実施方法

1 平成8年度 (ヤマグワの植栽) ヤマグワ-600本 スギ-300本。ヤマグワのみ 0.06ha、ヤマグワとスギの根植(列状交互植)0.15ha 計0.21ha(4,300本/ha)2 平成9年度 (ヤマザクラの植栽) ヤマザクラ 2000本区/ha 0.47ha、3000本区/ha 0.38ha、4500本区/ha 0.35ha 計 1.20ha3 平成9年度 (ユリノキの植栽) ユリノキ 750本 0.62ha4 下刈、林内整備、生長量調査(根元径、胸高直径、樹高)を実施5 平成19年度 ユリノキ、ヤマザクラの試験区において、枝打ちによる生長量の違 いを見るため枝打ち試験区の設置(平成20年2~3月枝打ちの実施)

実施主体

実施場所

国有林名

協力機関

岡山県新見市

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

2(4%)

28

(56%) 6(12%)0

1020304050

2000本区 3000本区 4500本区

枯損本数

枯損

本数

(標準地本数50本)

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

Page 2: 上下田国有林 - maff.go.jpヤマザクラ (2,000本/ha) ヤマザクラ (4,500本/ha) ヤマザクラ (3,000本/ha) ユリノキ (1,200本/ha) ね1 な 608 上下田国有林

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

○ヤマザクラ、ユリノキ試験

岡山県新見市

上下田国有林

608ね1・な林小班

標高480~520m

2(4%)

28

(56%) 6(12%)0

1020304050

2000本区 3000本区 4500本区

枯損本数

枯損

本数

(標準地本数50本)

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

○ヤマグワ試験地

(ヤマグワ600本、スギ300本)

岡山県新見市

樋谷山国有林 560れ林小班

平成8年秋植栽(ha当り4300本)

標高680m

ヤマグワ

平成20年8月撮影 ヤマグワ

0.06ha

ヤマグワとスギの混植

(列状交互植栽) 0.15ha

○ヤマザクラ

○ユリノキの花

N

枝打区

対照区

―凡例―

Page 3: 上下田国有林 - maff.go.jpヤマザクラ (2,000本/ha) ヤマザクラ (4,500本/ha) ヤマザクラ (3,000本/ha) ユリノキ (1,200本/ha) ね1 な 608 上下田国有林

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

○ヤマザクラ 平成24年度 枝打区・対照区別、平均根

元径、直径、樹高及び枯損本数

○ヤマザクラ(2000本区) 枝打ち実施前後

の年度別平均樹高生長量の比較

○平成20年3月撮影

2000本区 NO.23 枝打実施直後

平成25年5月撮影

2000本区 NO.23

2(4%)

28

(56%) 6(12%)0

1020304050

2000本区 3000本区 4500本区

枯損本数

枯損

本数

(標準地本数50本)

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

2000本

枝打区

2000本

対照区

3000本

枝打区

3000本

対照区

4500本

枝打区

4500本

対照区

根元径

(mm)72.2 63.0 51.2 49.8 53.0 45.0

40.045.050.055.060.065.070.075.0

根元

径(

mm

平均根元径

2000本

枝打区

2000本

対照区

3000本

枝打区

3000本

対照区

4500本

枝打区

4500本

対照区

胸高径

(mm)66.5 57.4 39.3 41.6 43.3 36.8

30.035.040.045.050.055.060.065.070.0

直径

(m

m)

平均胸高直径

2000本

枝打区

2000本

対照区

3000本

枝打区

3000本

対照区

4500本

枝打区

4500本

対照区

樹高

(cm)614.0 599.3 358.9 358.5 463.0 399.5

200.0300.0400.0500.0600.0700.0

樹高

(c

m)

平均樹高

98.2 112.4

71.1 51.6

95.1 71.8

51.7 51.2

0.0

50.0

100.0

150.0

H18 H19 H20 H21

(c

m)

平均樹高生長量

枝打区

対照区

ヤマザクラ 2000本区 平均樹高生長量(cm)区 分 H18 H19 H20 H21枝打区 98.2 112.4 71.1 51.6

対照区 95.1 71.8 51.7 51.2

Page 4: 上下田国有林 - maff.go.jpヤマザクラ (2,000本/ha) ヤマザクラ (4,500本/ha) ヤマザクラ (3,000本/ha) ユリノキ (1,200本/ha) ね1 な 608 上下田国有林

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

○平成24年度 地形による生長の比較

○ユリノキ生長の推移(H17~H24)

○枝打ち実施前後の胸高直径及び樹高の年度別生長量の比較

2(4%)

28

(56%) 6(12%)0

1020304050

2000本区 3000本区 4500本区

枯損本数

枯損

本数

(標準地本数50本)

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

:谷 側 1~30

:尾根側31~50

※2000本区は

谷筋に並行に設

定されていた。

50.0

70.0

90.0

110.0

平均胸高直径(mm)

枝打区

対照区 400.0

600.0

800.0

1000.0

平均樹高(cm)

枝打区

対照区

胸高直径生長量(mm)区 分 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度枝打区 9.0 10.3 8.4 7.2対照区 1.9 9.1 5.2 9.0

樹高生長量(cm)区 分 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度枝打区 98.1 112.4 71.1 51.6対照区 95.0 71.8 51.8 51.1

9.0 10.3

8.4 7.2

1.9

9.1

5.2

9.0

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

H18年度 H19年度 H20年度 H21年度

(m

m)

胸高直径生長量

枝打区

対照区

98.1 112.4

71.1

51.6

95.0

71.8

51.8 51.1

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

H18年度 H19年度 H20年度 H21年度

(c

m)

樹高生長量

枝打区

対照区

46 47 48 49 50

45 44 43 42 41

36 37 38 39 40

35 34 33 32 31

26 27 28 29 30

25 24 23 22 21

16 17 18 19 20

15 14 13 12 11

6 7 8 9 10

5 4 3 2 1

対照区

枝打区

ユリノキ試験区 配置図

50 31 30 11 10

49 32 29 12 9

48 33 28 13 8

47 34 27 14 7

46 35 26 15 6

45 36 25 16 5

44 37 24 17 4

43 38 23 18 3

42 39 22 19 2

41 40 21 20 1

ヤマザクラ

2000本区 配置図

64.058.6計

617.2589.1計

谷側1~30

尾根側31~50

直径

樹高

区 分

対照区

対照区

枝打区

枝打区

549.0

629.1

53.9

枝打区

対照区

側68.4

629.5

604.9

59.5

63.3

Page 5: 上下田国有林 - maff.go.jpヤマザクラ (2,000本/ha) ヤマザクラ (4,500本/ha) ヤマザクラ (3,000本/ha) ユリノキ (1,200本/ha) ね1 な 608 上下田国有林

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

2(4%)

28

(56%) 6(12%)0

1020304050

2000本区 3000本区 4500本区

枯損本数

枯損

本数

(標準地本数50本)

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

平成24年度 生育状況(夏)

平成24年度 (秋)

Page 6: 上下田国有林 - maff.go.jpヤマザクラ (2,000本/ha) ヤマザクラ (4,500本/ha) ヤマザクラ (3,000本/ha) ユリノキ (1,200本/ha) ね1 な 608 上下田国有林

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha

2(4%)

28

(56%) 6(12%)0

1020304050

2000本区 3000本区 4500本区

枯損本数

枯損

本数

(標準地本数50本)

ヤマザクラ(2,000本/ha)

ヤマザクラ(4,500本/ha)

ヤマザクラ

(3,000本/ha)

ユリノキ(1,200本/ha)

ね1

608

上下田国有林

0.62ha

1.20ha


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