+ All Categories
Home > Documents > CONTENTS 2019 2/2 CONTENTS 20 株価崩落に備えよ · 2019-01-24 · contents 2019 2/2...

CONTENTS 2019 2/2 CONTENTS 20 株価崩落に備えよ · 2019-01-24 · contents 2019 2/2...

Date post: 31-Jul-2020
Category:
Upload: others
View: 1 times
Download: 0 times
Share this document with a friend
4
CONTENTS 2019 2/2 本誌の記事は「日経テレコン」 「G-Search」 「ELNET」 「FACTIVA」等のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、購入できます。 9 る眼 政府統計への信認回復が急務太田聰一 11 トッ 髙柳浩二 ユニー・ファミリーマートホールディングス社長ドンキとの提携を強化 14 ニュースの核心 年金改革をぶち壊さないために 40 米国経済が金融市場のカギを握る/木内登英 43 誰に何を売るか 日本にもあった サブスク44 フォーカス政治 政権交代を左右する新しい時代への適応力/牧原 出 46 グローバルアイ 自国第一主義に染まる日本/イアン・ブルマ 47 US Affairs 米国の 人種間対立はオバマ政権から強まった/会田弘継 48 変わる春節の風物詩/田中信彦 49 N K N E W S シリア撤収後の在韓米軍/アンリ・フェロン 56 ソロモンの指環と人間の本能 理性と本能の主権争い/蟹分 解 58 経済学者が読み解く 現代社会のリアル 自然災害が教える コミュニティーの大切さ/庄司匡宏 60 スマートレビュー MOMENTUM True Wireless 高音質と両立できる?/松村太郎 61 テックビジネスの偉人たち リード・ヘイスティングス/脇 英世 68 人が集まる街 逃げる街 川西市 兵庫県人気陰る 盲腸線の住宅地/牧野知弘 69 サラリーマン弾丸紀行 海しか見えない絶景民宿へ/橋賀秀紀 70 知の技法 出世の作法 日本に懸念を表明したロシア外務省の真意/佐藤 優 72 言葉によって人類が誕生した/堺屋太一 73 日本人の安易な隣国認識を改めよ/岡本隆司 74 アーティストに 学 ぶ 超一流の仕事術 自分自身をプロデュースする山口 周 76 マーケティング 神 話 の 崩 壊 科学になれるし、なるべきだ/井上大輔 90 「社会問題」入門 フードロス問題制度変更が解決への近道だ/安部敏樹 93 必ず伝わる最強の話術 滑舌、美声よりも大切なこと/松本和也 94 クラシック音楽最新事情 クルレンツィスが新風/田中 泰 95 「英語雑談力」入門 meet a quota (枠〈割り当て〉を満たす) 柴田真一 98 ブックス &トレンズ 藤子スタジオアシスタント日記を描いたえびはら武司氏に聞く ほか 102 今週のオススメ! NEW POWER(ジェレミー・ハイマンズ ほか著) 堀内 勉 104 誌上早慶交歓戦 出井伸之 クオンタムリープ代表取締役 (早大卒) 106 平成経済の証言 草食系" になった銀行界は新技術の波に取り残される/五味広文 110 Readers & Editors 編集部から、読者の手紙 104 誌上早慶交歓戦 クオンタムリープ代表取締役 出井伸之 98 ブックス&トレンズ 『藤子スタジオアシスタント 日記』 えびはら武司 58 現代社会のリアル 成城大学准教授 庄司匡宏 11 トップに直撃 ユニー・ファミリーマートホー ルディングス社長 髙柳浩二 CONTENTS 2019 2/2 上昇相場のうたげは 終わった。ここから警 戒モードを一段と強 め、危機の火種を把握 しておく必要がある。 Getty Images / amanaimages 表紙から株価崩落 に備えよ 20 特 集 24 28 29 30 32 34 35 36 38 対談 リスクマネーの逆流が始まった 藤戸則弘 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ投資ストラテジスト 大槻奈那 マネックス証券 チーフ・アナリスト 連鎖的売買で価格が乱高下 アルゴリズム取引の脅威 日本株の次なる波乱は6月だ 米国 バブル頼みの景気回復 完全雇用」のからくり 中国 危険水域に迫る重要指標 チャイナショックの現実味 好調ムードが完全に消失 視界不良の半導体業界 米中貿易戦争だけじゃない 原油相場に潜む波乱要因 日本 リスクをため込む邦銀 異次元緩和の危うい帰結 欧州 経済減速と独仏の政治不安 強まる「欧州売り」の懸念 50 産業 リポート 安価で免許不要の小型 電動4輪が大人気に。関 連産業の成長も著しい。 庶民の足として農村部で普及 中国の激安 低速EVの正体 62 深層 リポート 日本の原発輸出は総崩 れ。各論反対が根強い業 界再編は進むのか。 日立が英原発計画を凍結 ₃₀₀₀億円損切り の事情 78 スクープ 対談 フリーマーケットアプリ「メルカリ」で大人気なのが「ユニクロ」 の中古品。微妙な関係ともいえる2社トップが初対面。 お互いの事業について 語り合った。 ユニクロ にとって メルカリ は敵? 味方? 海外投資家は 日本株から手を引き始めた 海外投資家は18年に6兆円の売り越し─ (兆円) 10 5 0 5 10 15 18 17 16 15 14 13 12 11 10 2009 アベノミクス 相場で海外 マネー流入 (→P23) ボイラー鋼材が危ない 火力発電 不都合な真実64 新連載 新・メタルカラの時代 中核部品のボイラー鋼材は 高温・高圧に耐える必要があ る。ところが、強度低下が進 んでいることが判明。操業停 止によるブラックアウトのリス クもあり、対応が必要だ。 山根一眞 ノンフィクション作家 柳井 正 ファーストリテイリング 会長兼社長 山田進太郎 メルカリ会長兼CEO RIZAPが役員を大幅削減 松本氏がつけさせたケジメ 54 深層 リポート 松本晃氏の助力を得て 再建を目指すRIZAPグ ループ。役員人事にもそ の意向は強く働いている。
Transcript
Page 1: CONTENTS 2019 2/2 CONTENTS 20 株価崩落に備えよ · 2019-01-24 · contents 2019 2/2 本誌の記事は「日経テレコン「」g-search「」elnet「」factiva」等のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、購入できます。

CONTENTS 2019 2/2

本誌の記事は「日経テレコン」「G-Search」「ELNET」「FACTIVA」等のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、購入できます。

9 経 済 を 見 る 眼 政府統計への信認回復が急務/太田聰一

11 ト ッ プ に 直 撃 髙柳浩二 ● ユニー・ファミリーマートホールディングス社長|ドンキとの提携を強化

14 ニ ュ ー ス の 核 心 年金改革をぶち壊さないために40 マ ネ ー 潮 流 米国経済が金融市場のカギを握る/木内登英

43 少 数 異 見 誰に何を売るか 日本にもあった「サブスク」44 フ ォ ー カ ス 政 治 政権交代を左右する新しい時代への適応力/牧原 出

46 グ ロ ー バ ル ア イ 自国第一主義に染まる日本/イアン・ブルマ

47 U S A f f a i r s 米国の「人種間対立」はオバマ政権から強まった/会田弘継

48 中 国 動 態 変わる春節の風物詩/田中信彦

49 N K N E W S シリア撤収後の在韓米軍/アンリ・フェロン

56 ソロモンの指環と人間の本能 理性と本能の主権争い/蟹分 解

58 経済学者が読み解く現 代 社 会 のリア ル 自然災害が教える「コミュニティー」の大切さ/庄司匡宏

60 ス マ ートレ ビ ュ ー MOMENTUM True Wireless|高音質と両立できる?/松村太郎

61 テックビジネスの偉人たち リード・ヘイスティングス/脇 英世

68 人が集まる街 逃げる街 川西市(兵庫県)|人気陰る「盲腸線」の住宅地/牧野知弘

69 サラリーマン弾丸紀行 海しか見えない絶景民宿へ/橋賀秀紀

70 知の技法 出世の作法 日本に懸念を表明したロシア外務省の真意/佐藤 優

72 人 類 発 明 史 言葉によって人類が誕生した/堺屋太一

73 歴 史 の 論 理 日本人の安易な隣国認識を改めよ/岡本隆司

74 アーティストに学ぶ

超 一 流 の 仕 事 術 自分自身をプロデュースする/山口 周

76 マーケティング神話の崩壊 科学になれるし、なるべきだ/井上大輔

90 「 社 会 問 題 」 入 門 フードロス問題|制度変更が解決への近道だ/安部敏樹

93 必ず伝わる最強の話術 滑舌、美声よりも大切なこと/松本和也

94 クラシック音楽最新事情 クルレンツィスが新風/田中 泰

95 「英語雑談力」入門 meet a quota(枠〈割り当て〉を満たす)/柴田真一

98 ブックス &トレンズ 『藤子スタジオアシスタント日記』を描いたえびはら武司氏に聞く ほか

102 今 週 の オ ス ス メ! 『NEW POWER』(ジェレミー・ハイマンズ ほか著)/堀内 勉

104 誌 上 早 慶 交 歓 戦 出井伸之 ● クオンタムリープ代表取締役(早大卒)

106 平 成 経 済 の 証 言 "草食系"になった銀行界は新技術の波に取り残される/五味広文

110 Readers & Editors 編集部から、読者の手紙

104

誌上早慶交歓戦クオンタムリープ代表取締役出井伸之

98

ブックス&トレンズ『藤子スタジオアシスタント日記』 えびはら武司

58

現代社会のリアル成城大学准教授庄司匡宏

11

トップに直撃ユニー・ファミリーマートホールディングス社長 髙柳浩二

CONTENTS 2019 2/2 上昇相場のうたげは終わった。ここから警戒モードを一段と強め、危機の火種を把握しておく必要がある。

Getty Images / amanaimages

【表紙から】

株価崩落に備えよ20特 集

24

2829303234353638

対談 リスクマネーの逆流が始まった!藤戸則弘 ● 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ投資ストラテジスト大槻奈那 ● マネックス証券 チーフ・アナリスト

連鎖的売買で価格が乱高下 アルゴリズム取引の脅威日本株の次なる波乱は6月だ米国 バブル頼みの景気回復 「完全雇用」のからくり中国 危険水域に迫る重要指標 チャイナショックの現実味

好調ムードが完全に消失 視界不良の半導体業界米中貿易戦争だけじゃない 原油相場に潜む波乱要因日本 リスクをため込む邦銀 異次元緩和の危うい帰結欧州 経済減速と独仏の政治不安 強まる「欧州売り」の懸念

50産業

リポート

安価で免許不要の小型電動4輪が大人気に。関連産業の成長も著しい。

庶民の足として農村部で普及中国の激安「低速EV」の正体

62深層

リポート

日本の原発輸出は総崩れ。各論反対が根強い業界再編は進むのか。

日立が英原発計画を凍結 「₃₀₀₀億円損切り」の事情

78スクープ

対談

フリーマーケットアプリ「メルカリ」で大人気なのが「ユニクロ」の中古品。微妙な関係ともいえる2社トップが初対面。お互いの事業について語り合った。

ユニクロにとってメルカリは敵? 味方?

2/2号_1特_世界マーケ総論_P3-4-6

海外投資家は日本株から手を引き始めた ─海外投資家は18年に6兆円の売り越し─

(兆円)

▲10

▲5

0

5

10

15

1817161514131211102009年

アベノミクス相場で海外マネー流入

買い越し売り越し

(→P23)

ボイラー鋼材が危ない!火力発電「不都合な真実」

64新連載

新・メタルカラーの時代

中核部品のボイラー鋼材は高温・高圧に耐える必要がある。ところが、強度低下が進んでいることが判明。操業停止によるブラックアウトのリスクもあり、対応が必要だ。

山根一眞 ● ノンフィクション作家

柳井 正 ● ファーストリテイリング会長兼社長

山田進太郎 ● メルカリ会長兼CEO

RIZAPが役員を大幅削減松本氏がつけさせたケジメ

54深層

リポート

松本晃氏の助力を得て再建を目指すRIZAPグループ。役員人事にもその意向は強く働いている。

Page 2: CONTENTS 2019 2/2 CONTENTS 20 株価崩落に備えよ · 2019-01-24 · contents 2019 2/2 本誌の記事は「日経テレコン「」g-search「」elnet「」factiva」等のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、購入できます。

特集/株価崩落に備えよ

₀₁₉年の金融市場は昨年

末の流れを引き継ぎ、波乱

の幕開けとなった。日経平均株価

は₁月₄日大発会の終値が₁万₉

₅₆₁・96円と₂万円割れ。それ

まであまり動きのなかったドル円

が12月30日の₁㌦=₁₁₀円台か

ら₁月₂日には一時₁₀₄円台へ

と急速に円高に振れ、典型的なリ

スク回避相場となった。

 

直後の₄日にFRB(米連邦準

備制度理事会)のパウエル議長が

利上げの休止やFRBのバランス

シート(BS)縮小について見直

しの可能性を示唆するや、市場は

落ち着きを取り戻した。ただし、

相場の回復は限定的で、警戒感の

強さをうかがわせる。それも当然

だろう。危機の火種が世界の至る

所にくすぶっているからだ。

 

17年は世界経済が順調に拡大す

る中、FRBによる政策金利の引

き上げでも長期金利は低水準で安

定。株価上昇が続き「適温経済」

と呼ばれる状態が実現した。

 

だが、18年に大きな曲がり角を

迎えた。同年₂月に米国発で株式

21 週刊東洋経済 2019.2.2 週刊東洋経済2019.2.2 20

リスクマネーの逆流で世界中の市場が動揺し始めた。上昇相場のうたげは終わった。株価崩落を見据えて、警戒モードを強めるときだ。危機の所在を総点検する。本誌:大崎明子、井下健悟、藤原宏成、高橋玲央デザイン:杉山未記 進行管理:三隅多香子

特集

株価崩落に

備えよ

世界マーケットの火種を総点検

Page 3: CONTENTS 2019 2/2 CONTENTS 20 株価崩落に備えよ · 2019-01-24 · contents 2019 2/2 本誌の記事は「日経テレコン「」g-search「」elnet「」factiva」等のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、購入できます。

51 週刊東洋経済 週刊東洋経済2019.2.2 2019.2.2 50

激安「低速 EV」の正体 産業リポート

2/2号_産業リポート_中国EVP2_地図

河北省

河南省 江蘇省

山東省

北京

上海

2/2号_産業リポート_中国EVP2_生産台数

低速EV

(注)低速EVはデータ入手可能な山東省内のみの生産台数。2018年の低速EVは1~ 11月分

(出所)低速EVの生産台数は中国NEVメディア「第一電動」、標準的なEVは中国自動車工業協会調べ

通常のEVに匹敵する台数を誇る─中国における低速EVと標準的なEVの生産台数─

(万台)

0

20

40

60

80

100

2009年

10 11 12 13 14 15 16 17 18

標準的なEV

低速EVは主に山東省の企業が生産している

ジャーナリスト:高口康太

安価で免許不要の小型電動4輪が大人気に。関連産業の成長も著しい。

されていない。したがって、

ほとんどの地域では公道を

走行できないが、山東省や

周辺の河北、河南省の大都

市部以外の地域では黙認さ

れている。

 低速EVが普及している

地域の大半が農村だ。買い

物や子どもの送り迎えのた

めに女性や高齢者が使うケ

ースが多い。安いものは10

万円を切る価格で販売され

ている。しかも、ガソリン

車に比べてかかる燃料代

(電気代)は10分の1。所

得の少ない農村住民にも手

の届くマイカーだ。北京な

ど一部大都市の郊外でも、

低所得者のマイカーや商店

の配送車として使われてい

る。

 今や世界最大市場となっ

た中国の自動車生産台数は、

年間約2800万台に上る。

このうち、EVは100万

台弱。一方、統計上は自動

車に含まれない低速EVは、

2017年に山東省だけで

約75万台が製造された(左

㌻図)。河北省や江蘇省に

もメーカーがあり、中国全

体では倍の150万台に及

ぶとの推計もある。農村部

中心なので海外メディアに

本の軽自動車より

小さな、中国の

『低速電動4輪』って知っ

てるかい? 免許が要らな

い車なので、山東省の農村

などでは高齢者や女性たち

の足になっていて、無免許

運転手の暴走で大勢死んで

いるんだ」

 数年前、知人から聞いた

話は強烈だった。通常の乗

用車には衝突時の安全性な

ど多くの基準や法規制が課

せられているが、中国では

その枠外にある小型の電動

4輪車が存在し、免許を持

たない人が運転して街中を

走っているというのだ。

 確かに、北京の郊外には

それらしき「車」があった。

中心部を外れると、おもち

ゃのような小さな車をちょ

くちょく目にする。世界的

な自動車メーカーを模倣し

たロゴやデザインなど、パ

チモノ臭あふれるものも多

く、怪しさ満点だ。

 走行速度は最大でも時速

60㌔㍍程度しか出ないため、

標準的な電気自動車(EV)

と区別して「低速EV」と

呼ばれている。性能や安全

性の基準を満たしていない

ため、乗用車としては認可

取り上げられることは少な

いが、低速EVは急速な普

及を遂げている。

 こうした低速EV産業の

実態を知るため、筆者は昨

年8月、山東省で開催され

た低速EVの産業展示会を

訪れた。会場となった済南

市最大の国際展示場は、お

もちゃのような低速EVで

埋め尽くされていた。ジー

プを模倣した車(右㌻写

真)もあれば、ハローキテ

ィやミッキーマウスなどの

キャラクターをおそらく無

断で車体に描いた車も。大

都市部ではもはや見ること

が難しい海賊版大国の姿が

そこにはあった。

 

出展メーカーは多いが、

製品の見た目は似たり寄っ

たり。理由はすぐにわかっ

た。会場では完成車メーカ

ーだけではなく、部品サプ

ライヤーも出展していたが、

その中に車のボディーを提

供する企業があった。同じ

ボディーを複数のメーカー

が採用しているのだから、

まったく同じフォルムにな

るのも当然だ。ほかにも塗

装会社やモーター、電池、

ブレーキ、シャフト、エア

コンなどありとあらゆる部

品メーカーが出展している。

会場を一周すれば、低速E

Vが1台完成するだろう。

 低速EVを製造するのは、

これまで電動の2輪車や3

輪車を手がけてきた地場の

企業だ。中国の低速EV産

業に詳しい慶応大学の駒形

哲哉・経済学部教授による

と、「電動2輪から3輪、

3輪から4輪へと発展を遂

げた」のだという。

 中国において電動2輪は

市場が年間3000万台、

電動3輪も1000万台超

に及ぶ産業だ。低速EVと

共通の部品も多く、2輪・

3輪で構築されたサプライ

チェーンを活用することで、

地場の中小・零細企業でも

低速EVを安価に造れる環

境が形成されている。

 そして、こうした数多く

の地場企業による激しい競

争が、低速EVの技術向上

をもたらしている。その象

徴がバッテリーだ。低速E

Vでは通常、ベント型の鉛

蓄電池が使われるが、雨水

による故障が多い。そこで

電解質溶液をゲル化させた

シール型のコロイドバッテ

リーに移行しつつある。

 人民解放軍の戦車向けに

バッテリーを供給している

という企業もブースを構え、

新型バッテリーを売り込ん

でいた。よりエネルギー容

量の大きなリチウムイオン

電池や発電機を搭載した低

速EVもすでに登場してお

り、各社とも新たな技術の

採用を競っている。

 さらに中国の低速EV産

業は、膨大な零細企業の中

から、一定の規模と技術力

を備えた大手が誕生し始め

た。そうした企業は60万円

を超える高価格帯の低速E

Vも発売し、もはや一見し

ただけでは普通の乗用車と

区別がつかないほどだ(52

㌻上写真)。

 

河北省の河北御捷車業

(09年設立)、江蘇省の道爵

新能源車業(11年設立)、

山東省の山東梅拉德能源動

「日

技術備えた大手誕生

産業支える分業体制

庶民の足として農村部で普及中国の激安「低速EV」の正体

山東省の展示会に並んでいたジープもどきの低速EV。基準を満たしていないため一般的な自動車とは見なされず、免許やナンバープレートは義務づけられていない

北京郊外を走る電動3輪。通常の車よりも安価なため、商店やネット通販の配送に使用されている

山東省などの農村では多くの低速EVが走っている。子どもの送り迎えに使う家庭も多い

撮影:田中信彦

Page 4: CONTENTS 2019 2/2 CONTENTS 20 株価崩落に備えよ · 2019-01-24 · contents 2019 2/2 本誌の記事は「日経テレコン「」g-search「」elnet「」factiva」等のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、購入できます。

78週刊東洋経済2019.2.22019.2.2週刊東洋経済79

ユニクロにとってメルカリは敵? 味方?

ユニクロにとって

メルカリは

敵? 味方?

また、メルカリで最も人気のある

ブランドはユニクロです(81㌻

表)。柳井さんは、この点をどう

思っていますか?

柳井:それはありがたいですね。

山田:えっ! 本当ですか?(笑)

柳井:ありがたい面と、ありがた

くない面があるかな。われわれの

服は、自分で言うのも何だけど、

質がいいと思っている。だから長

く着られるし、洗濯してもへたら

ない、型崩れしない。そう認識さ

れているからこそ中古でも活発に

売買されるんですね?

山田:そのとおりだと思います。

柳井:本当に品質のいい普段着を

世界中の人々に提供したい、とい

うのが僕らのミッションなので、

それがこういう形で証明されたの

は非常にありがたかったなと。

──ありがたくない面とは?

柳井:それはやっぱり新品を買っ

てもらいたいですよね。中古で済

まされると新品が売れなくなって

しまう。

 でも、日本の消費がいよいよ先

対面の2人だが、対談はス

ムーズに始まった。

柳井:うちの秘書の皆さんに聞い

たら、半分以上がメルカリを使っ

ている。短期間でここまで成長し

たのは、本当にすごいと思ってい

ます。

山田:サービス開始からは6年目

になり、月間利用者数が1000

万人を超えたところです。

──メルカリはユニクロ風のチラ

シを作っています(86㌻下写真)。

フリーマーケットアプリ「メルカリ」で

大人気なのが「ユニクロ」の中古品だ。

微妙な関係ともいえる2社トップが対談。

お互いの事業について語り合った。

聞き手/山田俊浩、真城愛弓、長瀧菜摘

写真/今井康一

スクープ対談!


Recommended