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CONTENTS NIALetter .32015.3 特集 新潟発! 平成26年度 ...NIA Letter .3 2015.3...

Date post: 23-Apr-2021
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NIA Letter VOL.3 2015.3 発行元/公益財団法人新潟県国際交流協会 Niigata International Association 「国際交流インストラクター」事業が新潟国際情報大学と新潟県国際交流協会と の連携で始まって、ちょうど10年が経とうとしている。この事業は、県内の国際 理解教育の推進のために大学生ファシリテーターを養成し、小中高校に派遣すると いう試みである。この10年で実施大学は4校まで拡大し、総計約700名の大学生 が「インストラクター」となり、延べ約17,000名の児童生徒たちが国際理解ワー クショップを体験したことになる。ワークショップに参加したこれらの子どもたち の中には、今度は大学でワークショップを実施する側をやってみたいという理由か ら、実施大学への入学を希望する子どもたちもでてくるようになった。10年経っ ても、この事業を支える若者たちの熱気は冷めない。 なぜ若者たちは熱中するのか。この10年の観察から、それは、教育現場におい て、「学ぶ側が主役である」というごく当たり前の事が本当に実現しているからで あるように思える。大学生諸君は、自らが学んだ国際的な<知識>を、単に自分の ためのものではなく、仲間と共有し、後輩に伝えるための、いわば「共有財産」と 考えるようになる。また、<学ぶ>ことの意味も、次第に、他者につながり、社会 に責任をもつという意味へと変わっていく。そして、ワークショップに参加する児 童生徒も、正解が一つとは限らない国際問題について、お兄さん・お姉さんたちと ともに遊び、ともに考え、それによってふだんの「勉強」ではない、真の「学問」 がもつ奥深さや面白味を体験する貴重な機会となる。また何よりも、自分たちの思 いつきや意見は、すべて尊重され、生かされるという、ふだんはあまりない経験を することになる。 大学生諸君が学び、実践する「ファシリテーション」とは、「教える」方法ではなく、参加者個々の創意を促し、ともに学ぶ方法である (したがって、そもそも「ファシリテーター」は「先生」ではなく、その意味で本来「インストラクター(指導員)」という名称も適当で ないかもしれない)。つまり、「ファシリテーション」とは、上から下ではなく、下から上へと社会を創りあげていくための実践技法に他 ならない。そして、このような異質な他者とともに新しい社会を創りあげていくための能力こそが、現在、グローバル化の時代に若者たち にもっとも要求されているものでもある。 こういった、いわば「民主的なリーダーシップ」を養った若者たちが、当該事業を通じ、大勢地域社会に飛び立ち、真の意味での開か れた国際地方都市の担い手になってほしい。次の10年の目標は、さらに野心的でありたい。当該事業の意義を県外にも積極的に発信し、 「ファシリテーションを学ぶなら新潟で」と言われるまでに内実を拡充させたい。新潟を、いわば「ファシリテーションの聖地」にするこ とは、「国際都市にいがた」を真に実現するためにも、必要不可欠の道のりであると思う。 新潟国際情報大学 教授  佐々木 寛 氏 特集新潟発! 国際理解ワークショップの可能性 ●「国際理解ワークショップの可能性 -新潟を“ファシリテーション”の聖地に」 新潟国際情報大学 教授 佐々木 寛 氏 国際交流インストラクター事業について ■平成26年度国際理解教育 プレゼンテーションコンテスト結果発表 ■インタビュー:グエン・ティ・ミン・ゴクさん (新潟県国際交流員) ■NIA活動レポート  ■NIAインフォメーション  (公財)新潟県国際交流協会では、県内大学と連携した「国際交流インストラクター事業」を実施していま す。これは、大学生が小・中・高等学校等に出向いてワークショップを開催するもので、ワークショップを 実施する学生には国際社会に関する専門知識を修得し、コミュニケーション能力・チームワーク力を身につ けることを、児童生徒には国際社会に目を向け、興味と関心を持ってより一層意欲的に学習する動機づけと なることを、それぞれ目的としています。 今号では、今年10年目を迎える本事業が、学生側及び児童生徒側の双方にもたらしている成果についてご紹介します。 新潟発!国際理解ワークショップの可能性 佐々木 寛 新潟国際情報大学 国際学部 国際文化学科 教授。専門分野は、国際政 治学・平和研究・現代政治理論。2008年から2009年までカリフォルニ ア大学バークリー校客員研究員。平成17年度に「国際交流インストラク ター事業」を立ち上げて以来、今日まで当該事業に携わる。 「国際理解ワークショップの可能性 ―新潟を“ファシリテーション”の聖地に 1
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Page 1: CONTENTS NIALetter .32015.3 特集 新潟発! 平成26年度 ...NIA Letter .3 2015.3 平成27年度 団体・個人賛助会員 募集 当協会では、国際協力・国際交流等の事業を支えてくださる団体と個人の賛助会員を募集しています。加入を希望される方は、当協会

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平成27年度 団体・個人賛助会員 募集 当協会では、国際協力・国際交流等の事業を支えてくださる団体と個人の賛助会員を募集しています。加入を希望される方は、当協会ホームページをご覧いただくか、下記までご連絡ください。

□参加資格:当協会の目的に賛同される団体または個人□会  費:団体会員1口 10,000円/年度(1口以上)、個人会員1口 3,000円/年度(1口以上)□募集期間:通年□会員期間:平成27年4月1日~平成28年3月31日○団体・個人会員共通特典 ・当協会の刊行物の送付 ・イベント案内チラシ等の送付 ・イベント・セミナー等への優先参加 ・国旗、民族衣装、図書等の貸出  ・国際交流プラザでのパネル展示○団体会員の特典 ・研修室の無料貸出 ・国際化推進活動助成金の利用 ・印刷機の利用○個人会員の特典 ・県立美術館入館助成券の進呈 ・県内施設、レストラン等の割引利用

NIAインフォメーション

平成26年度国際理解教育プレゼンテーションコンテスト結果発表!!

■発行:公益財団法人新潟県国際交流協会 〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル2階 電話:025-290-5650 FAX:025-249-8122 E-mail:[email protected] HP:http://www.niigata-ia.or.jp/

発行元/公益財団法人新潟県国際交流協会 Niigata International Association

 「国際交流インストラクター」事業が新潟国際情報大学と新潟県国際交流協会との連携で始まって、ちょうど10年が経とうとしている。この事業は、県内の国際理解教育の推進のために大学生ファシリテーターを養成し、小中高校に派遣するという試みである。この10年で実施大学は4校まで拡大し、総計約700名の大学生が「インストラクター」となり、延べ約17,000名の児童生徒たちが国際理解ワークショップを体験したことになる。ワークショップに参加したこれらの子どもたちの中には、今度は大学でワークショップを実施する側をやってみたいという理由から、実施大学への入学を希望する子どもたちもでてくるようになった。10年経っても、この事業を支える若者たちの熱気は冷めない。 なぜ若者たちは熱中するのか。この10年の観察から、それは、教育現場において、「学ぶ側が主役である」というごく当たり前の事が本当に実現しているからであるように思える。大学生諸君は、自らが学んだ国際的な<知識>を、単に自分のためのものではなく、仲間と共有し、後輩に伝えるための、いわば「共有財産」と考えるようになる。また、<学ぶ>ことの意味も、次第に、他者につながり、社会に責任をもつという意味へと変わっていく。そして、ワークショップに参加する児童生徒も、正解が一つとは限らない国際問題について、お兄さん・お姉さんたちとともに遊び、ともに考え、それによってふだんの「勉強」ではない、真の「学問」がもつ奥深さや面白味を体験する貴重な機会となる。また何よりも、自分たちの思いつきや意見は、すべて尊重され、生かされるという、ふだんはあまりない経験をすることになる。 大学生諸君が学び、実践する「ファシリテーション」とは、「教える」方法ではなく、参加者個々の創意を促し、ともに学ぶ方法である(したがって、そもそも「ファシリテーター」は「先生」ではなく、その意味で本来「インストラクター(指導員)」という名称も適当でないかもしれない)。つまり、「ファシリテーション」とは、上から下ではなく、下から上へと社会を創りあげていくための実践技法に他ならない。そして、このような異質な他者とともに新しい社会を創りあげていくための能力こそが、現在、グローバル化の時代に若者たちにもっとも要求されているものでもある。 こういった、いわば「民主的なリーダーシップ」を養った若者たちが、当該事業を通じ、大勢地域社会に飛び立ち、真の意味での開かれた国際地方都市の担い手になってほしい。次の10年の目標は、さらに野心的でありたい。当該事業の意義を県外にも積極的に発信し、「ファシリテーションを学ぶなら新潟で」と言われるまでに内実を拡充させたい。新潟を、いわば「ファシリテーションの聖地」にすることは、「国際都市にいがた」を真に実現するためにも、必要不可欠の道のりであると思う。

新潟国際情報大学 教授  佐々木 寛 氏

C O N T E N T S

■�特集�新潟発!   �国際理解ワークショップの可能性 ●「国際理解ワークショップの可能性

-新潟を“ファシリテーション”の聖地に」  新潟国際情報大学教授 佐々木寛氏 ●国際交流インストラクター事業について■平成26年度国際理解教育 プレゼンテーションコンテスト結果発表■インタビュー:グエン・ティ・ミン・ゴクさん

(新潟県国際交流員)■NIA活動レポート ■NIAインフォメーション 

特 集 (公財)新潟県国際交流協会では、県内大学と連携した「国際交流インストラクター事業」を実施しています。これは、大学生が小・中・高等学校等に出向いてワークショップを開催するもので、ワークショップを実施する学生には国際社会に関する専門知識を修得し、コミュニケーション能力・チームワーク力を身につけることを、児童生徒には国際社会に目を向け、興味と関心を持ってより一層意欲的に学習する動機づけとなることを、それぞれ目的としています。 今号では、今年10年目を迎える本事業が、学生側及び児童生徒側の双方にもたらしている成果についてご紹介します。

新潟発!国際理解ワークショップの可能性

佐々木 寛 新潟国際情報大学国際学部国際文化学科教授。専門分野は、国際政治学・平和研究・現代政治理論。2008年から2009年までカリフォルニア大学バークリー校客員研究員。平成17年度に「国際交流インストラクター事業」を立ち上げて以来、今日まで当該事業に携わる。

 新潟県が交流を進めているベトナムのハイフォン市から来県したグエン・ティ・ミン・ゴクさんは、昨年8月から新潟県知事政策局国際課で国際交流員(CIR)として勤務しています。新潟県とベトナムの架け橋として活躍が期待されるミンさんにお話を伺いました。

ちょっと聞き耳

Interview

ー来日したきっかけを教えてください。 日本の漫画やアニメに幼い頃から興味を持っていたことから、大学に入学した際、専門である国際経営のほかに、外国語科目に日本語も履修しました。また、2009年から1年間日本に留学したこと

を通し、日本に関して強く興味を持つようになりました。留学が終わってベトナムに帰国した後、「日本に戻りたい。日本で仕事をしたい。」という夢をずっと抱き、国際交流員の仕事に応募しました。ー新潟で暮らしてみて、感じたことを教えてください。 昨年8月に新潟に来てからを振り返ってみると、たくさんの楽しいことを経験しました。また、多くのことを新たに身につけることができ、新潟に来て本当に良かったと思っています。 新潟は、実家のあるハイフォン市と同じ港町なので、雰囲気もよく似ていて、暮らしやすいところだと思っています。毎日、日本一美味しいお米であるコシヒカリを食べたり、新鮮な魚を味わったりできることが、何より幸せです。また、新潟のお酒があまりにも美

味しいので、以前は滅多にお酒を飲まなかった私が、新潟に来てからかなりお酒を飲むようになり、自分でも驚いています。ー�ベトナムでは、国際理解を推進するために、どのような活動等があるか教えてください。 ベトナムでは、国際理解を推進するための活動が国際化の一環として幅広く行われています。経済、政治、文化等の各分野における国際理解セミナーをはじめ、国民に異文化を理解してもらうことを目的とした交流イベント、展示会、芸術文化会も盛んです。また、ベトナムに在住する外国人が増えてきたこともあり、多文化共生の視点からの地域づくりを推進するために、外国人に参加してもらう交流活動、テレビ番組も重視されています。ー新潟の皆さんに一言お願いします。 はじめまして。ベトナムのハイフォン市から参りましたグエン・ティ・ミン・ゴクと申します。 昨年8月から、新潟県国際課に勤めることができ、大変嬉しく思っています。近年では、新潟県とハイフォン市が交流を始め、色んな分野で協力を促進しているので、自分の力を発揮して両地域の友好関係をより発展させたいと思います。また、新潟の皆さんにベトナムのことを紹介させて頂く一方で、新潟のことをもっと理解していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!

編集後記

 今回の特集はいかがでしたか?「国際理解ワークショップ」がもたらす、大きな可能性を感じていただけたのではないでしょうか。今後も、県民の皆様とともに、「国際理解ワークショップ」をはじめ様々な国際理解に役立つ取組の拡大などにより、より一層、本県の国際化を推進していきたいと思っています。 最後に、取材にご協力いただいた皆様に本紙面を借りて重ねてお礼申し上げます。

「国際理解ワークショップの可能性 ―新潟を“ファシリテーション”の聖地に」☆「新潟・国際協力ふれあい基金」とは 「地域からの国際協力」の推進を目的として、新潟県との連携の下、平成7年度に当協会に創設されました。この基金では、新潟県からの寄付金と県民の皆様等からお寄せいただいた募金を積み立て、その運用益により、海外の開発途上地域や災害被災地域等で活躍されるNGOの皆様の人道援助活動等に対し財政的支援を行っています。詳しくは当協会ホームページをご覧ください。

「災害時外国人支援研修」を開催しました!! 当協会では、災害時の外国人支援についてより多くの方に理解を深めていただくため、「災害時外国人支援研修」を平成26年度は全3回実施しました。 第1回研修「災害時外国人支援セミナー」では、講師の長岡市国際交流センター羽賀友信センター長から、宗教や文化の異なる外国人被災者への対応や在留資格の手続き等に関するお話を伺いました。第2回研修「災害時外国人支援ワークショップ」では、柏崎地域国際化協会清水由美子事務局長を講師に迎え、FMラジオで外国人に災害情報を放送するという想定の下、原稿の翻訳作業等を行いました。また、第3回研修「災害時外国人支援模擬訓練」では、多言語支援センター、災害対策本部、ボランティアセンター、避難所に分かれ、被災者役の外国人の要望を聞き取ったり、必要な情報を提供したりする訓練を行いました。 災害時の外国人支援については「初めて知った」という参加者も多く、その重要性や必要性についてはまだ十分に認識されているとは言えません。当協会では、関係機関と連携し、円滑な外国人支援が行えるよう今後も研修を実施していく予定です。

 平成26年12月13日(土)、朱鷺メッセ中会議室(新潟市中央区)において、毎年恒例となった「国際理解教育プレゼンテーションコンテスト」を開催しました。今回は過去最多の23チーム(中学生部門10チーム、高校生部門13チーム)が出場し、折からの降雪にもかかわらず、延べ350名余りの方々が来場されたほか、テレビ局や新聞社の取材も行われ、注目度の高さがうかがわれました。 このコンテストは、国際理解についての取組みはもちろん、プレゼンをつくり上げる過程で、個人のコミュニケーション力やチームとしての結束力が養われることから、これから世界で活躍する国際人の育成の場としても期待されています。 出場者たちは、海外研修や留学など実際に異文化に触れて感じたこと、普段の学習や地元での活動などを通し自らを取り巻く身近なグローバル化について考えたことや訴えたいことなどを、スライドや寸劇等を盛り込みながら自由な視点で発表しました。 中学生部門最優秀賞を受賞した早通中学校のチームは、地元の日本語教室でのボ

ランティア活動を通して感じた教育の重要性を、高校生部門最優秀賞を受賞した新潟高校のチームは、留学で感じた挫折から、国際人として活躍するために日本人の良さを生かしながら自己アピール力を身に付けることの重要性を、それぞれ訴えました。 参加した生徒からは、「国際理解の様々な視点を知ることができ、自分の考察の向上につながった。」「この経験は、社会に出たときの財産になると思う。」などの感想が聞かれました。 最優秀賞を受賞した2チームは、3月下旬に韓国ソウルへのスタディツアーに派遣され、学校交流やホームステイなどを行います。 なお、10回目となる次年度のプレゼンテーションコンテストは、平成27年12月12日(土)に朱鷺メッセ国際会議場(マリンホール)で開催します。

「新潟・国際協力ふれあい基金」平成26年度 助成プロジェクト決定!

 「新潟・国際協力ふれあい基金」による平成26年度の助成プロジェクトが以下のとおり決定しました(申請12件のうち9件を助成プロジェクトに決定)。NIA活動レポート

はじめました!!

○入賞チーム中学生部門

最 優 秀 賞 早通中学校(新潟市立早通中学校)「イスラムとの交流を通して考えたこと」

優 秀 賞

Rainbow�Glasses(虹の眼鏡)(長岡市立与板中学校)「中学生がビールの話をしてもいいですか?」A�Lump�of�CURIOSITY(県立直江津中等教育学校)「筆箱の中から見える世界」

審査委員特別賞 鏡が沖中学校(柏崎市立鏡が沖中学校)「仮想NGOを作って、世界にアクションを起こそう」

高校生部門

最優秀賞 新潟高校(県立新潟高等学校)「自己をアピールしない日本人」

優秀賞

team�♯11(個人)「新しいリーダーの種をまこう」たまご(個人)「卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。」

審査委員特別賞 変わりタイ(県立新潟工業高等学校)「changethemind!」

№ 申 請 者 対象国 事業名 事業内容

1 タイ山岳少数民族支援の会 タイ 山の民に飲める水を 山岳民族のために貯水槽やパイプラインを設置

2(特活)フィル・ジャパン・フレンドシップ フィリピン 離島への医療支援事業(MEDICALMISSION)無医島に医師を派遣、医薬品を供与

3(特活)新潟県対外科学技術交流協会 モンゴル 中小企業等への技術協力に係る研修生受入事業 ものつくり技術の研修を実施

4(特活)新潟国際ボランティアセンター ベトナム マダグイ子どもセンター自立支援事業 孤児院に線香製造技術を伝授し自立を支援

5 黒龍江省におけるかんがい技術改善協力事業実行委員会 中国 黒龍江省における農業農村整備協力事業 ほ場整備やパイプかんがい等に協力

6 メコン川流域地下水ヒ素汚染研究グループ ベトナム メコン川中流・下流域における飲用深層地下水源の汚染対策と水源施設管理事業 深層地下水の継続的モニタリング等を実施

7(特活)チャコールブラックス フィリピン籾殻調理かまどを使った燃料代の支出減と、籾殻やココナッツ殻を使った炭作りによる仕事づくり

貧困住民に炭作り技術を伝授し自立を支援

8(特活)日本歯科ボランティア協会 ミャンマー 歯科医療支援事業 口腔衛生指導等を実施

9 南魚沼アジア交流会 モンゴル 日本文化(衣・食)を伝えるフォーラム・ワークショップ 現地大学で日本文化紹介イベントを開催

高校生部門最優秀賞:新潟高校チーム

中学生部門最優秀賞:早通中学校チーム

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Page 2: CONTENTS NIALetter .32015.3 特集 新潟発! 平成26年度 ...NIA Letter .3 2015.3 平成27年度 団体・個人賛助会員 募集 当協会では、国際協力・国際交流等の事業を支えてくださる団体と個人の賛助会員を募集しています。加入を希望される方は、当協会

 私は今、JICAの青年海外協力隊員としてマラウイに来ています。小学校の授業の質向上のため教員にアドバイスなどを行っています。 協力隊員として活動していく上で、現地の人々との信頼関係は欠かせません。関係が築けて初めてアドバイスに耳を傾けてもらえると思うからです。そして、信頼関係を築くのに国際交流インストラクターとしての経験が役に立っていると感じます。 例えば、ワークショップをつくる際にはチーム内で何度も話し合いを重ね、意見が食い違った時はお互い分かり合えるまで話し合い、1つのワークショップをつくり上げますが、その経験から「とことん話し合う」力が身に付きました。 マラウイの方々との価値観の違いに戸惑うこともあります

が、「とことん話し合う」力を武器にマラウイに歩み寄っていきたいと思っています。

■国際交流インストラクターとは■ 県内の大学(平成26年度は新潟国際情報大学、敬和学園大学、新潟県立大学)の学生が、学内における研修や大学合同のセミナー等で国際理解ワークショップを実施する技術を修得し、(公財)新潟県国際交流協会の委嘱を受けた学生及びそのグループのことです。

■国際理解ワークショップとは■ 国際交流インストラクターがファシリテーター役となり、参加者全員で「世界の現実」「異文化理解」などをテーマとして現代世界の構造や多様性などを理解し、課題解決へのプロセスを体験的に習得する参加型学習です。国際交流インストラクターにより、毎年新たなワークショップが生み出されています。

■国際交流インストラクターの1年■ 国際交流インストラクターは、年間を通してワークショップをより良いものにするための努力を積み重ねています。各大学での研修や合同セミナーなどを実施し、国際理解についての知見をさらに広めるとともに、他チームのワークショップの体験や意見交換を行うなどして、スキルアップに努めています。

4月 5月頃 7月 8月 9月 12月 2月~3月 3月

各大学でインストラクター候補生募集とワークショップづくり開始

「春季大学合同セミナー」開催 各大学のインストラクター候補生が、大学や学年の壁を越えて初めて顔を合わせるセミナーです。各分野で活躍する講師の指導を受け、ワークショップのつくり方やファシリテーションの基本、国際理解教育などについての共通認識を深めます。

国際理解ワークショップ実施希望校の募集開始

「委嘱状授与式・夏季大学合同セミナー」開催 最終的にワークショップを実施する学生グループが決まり、新潟県国際交流協会から「国際交流インストラクター」の委嘱状が授与されます。また、同日、大学合同セミナーも実施され、自らのワークショップをさらに磨く機会となります。

大学の長期休暇に合わせて、小中高校で前期のワークショップを実施

「冬季大学合同研修・合宿」実施 前期のワークショップ実施がひと段落つくと、学生が企画した冬季研修と合宿が行われます。泊りがけでみっちりと前期の反省やワークショップの研鑚が行われるほか、インストラクター同士の交流を深めます。

大学の長期休暇 に 合 わ せて、小中高校で後期のワークショップを実施

「事業評価会議」実施 各大学の担当教職員や新潟県国際交流協会スタッフが、ワークショップのアンケート結果などを踏まえ当年度の評価と反省を行い、より良いワークショップづくりへ向けた話し合いを行います。

世界を舞台に活躍中!!インストラクターOG 北 愛子さん

北 愛子さんプロフィール 新潟国際情報大学情報文化学部(現国際学部)在学中に国際交流インストラクターとして活動。県内の小中高校で国際理解ワークショップを実施した。 大学卒業後、平成26年からJICAの青年海外協力隊員として最貧国の1つであるマラウイに派遣され、マチンガ教師研修センターに所属し、マラウイの初等教育学校での情操教育の質の向上に尽力している。

新潟国際情報大学国際交流インストラクター推進員  河田 陽介 氏

敬和学園大学国際交流インストラクター専任アドバイザー  田邊 昌邦 氏 新潟県立大学インストラクター  梶田 成架 さん

 国際交流インストラクター事業発祥の地となる新潟国際情報大学では、現在(平成26年度)、60名の国際交流インストラクターが活躍しています。 本学では、国際交流インストラクターの養成が平成20年度から授業科目となっています。「国際交流インストラクター演習Ⅰ・Ⅱ」の試験において合格した学生がインストラクターとして認定を受けることになります。また、平成22年より開設された「ワークショップ実践論Ⅰ・Ⅱ」を受講することにより、ワークショップの技術をさらに学ぶことができるようになりました。学生たちはこれらの科目において、毎週国際理解及びワークショップの研修を行い、6名の本学教員による指導に加え、多くの著名な外部講師によるワークショップに関する講義を受講しています。 本学のインストラクター養成課程では、「世界の現実」「世界の不平等」「異文化理解」を三大テーマとするとともに、英語によるワークショップの実施が組み込まれています。そのため学生たちは多様な視点で現実を捉える必要に迫られており、授業とは別に毎日のようにチーム内外でミーティングを行い、アメリカ・ロシア・中国・韓国の留学先から帰ってきた学生の実体験を活かしながら、技術はもちろん内容の向上に向け、日々試行錯誤を続けています。

 敬和学園大学は、この国際交流インストラクター事業に参加して8年目を迎え、さらに学生力のアップしたワークショップにチャレンジしています。 本学のチームは、学生の自由な意思を尊重し、毎年先輩が後輩に、後輩が同学年の学生に声をかけてメンバーを集めています。 ワークショップのテーマについては、毎年、前年度の先輩がつくり上げたワークショップを受け継ぐとともに、1個新しいテーマを考え、新しいセンスを皆で共有しながら成長しています。今年度は、「エゴからエコへ~ほんとうの豊かさとは?~」、「クールジャパンって何だ?~海外から日本を見つめなおす~」の2テーマを引き継ぎ、新たに、「学校に行きたい!~貧困と世界の子どもたち~」を設けました。子どもならだれでも「学校に行きたくない」「なぜ勉強しなければいけないの?」と考えることがありますが、このワークショップを通し、世界の現状を知るとともに学校に行くこと(教育を受けること)の大切さに気づいてもらいたいという願いがあります。 また、今年度本学と粟島浦村との連携協定提携に先立ち、ぜひ先陣を切りたいという思いから、粟島浦中学校でのワークショップの実施が実現しました。平成23年度に先輩たちが佐渡市で実施したワークショップや国際交流の話を聞いていたインストラクターたちは、粟島浦村で学生力を発揮したいというモチベーションが高く、学生にとっても、さらに本学にとっても大変意義深いものでした。このワークショップで地域の方々と大学との結びつきをさらに深めることができました。

 新潟県立大学では、毎年新しいワークショップをつくっています。新しいことへの挑戦は、時間も手間もかかりますが、すべて一からやるだけの感動や達成感があります。ワークショップをつくるための話し合いは、皆が自分の意見を出し合うため、簡単にはまとまりませんが、話し合いを通じてワークショップがより洗練されていくことにやりがいを感じています。 本学では英語で行うワークショップにも積極的に取り組んでいます。はじめて英語でワークショップを行ったときに感じたことは「生徒たちに分かってもらうってこんなに難しいのか」ということでした。しかし、メンバーとの話し合いを経るうちに「その場ですべて理解してもらう必要はないのではないか」ということに気づきました。生徒たちはワークショップで知らない単語が出てきたら自分で調べるかもしれませんし、まったく理解できなければ理解したいと思い英語の勉強をするかもしれません。私たちインストラクターの役割は、一から十まで説明して理解させることではなく、生徒たちを惹きつけるワークショップを行って、英語に能動的な姿勢を持ってもらうことです。その理想に近づくためにも、話し合いを重ねてより良いワークショップにしていくことが重要だと考えており、これからも実践していきたいと思っています。

新潟国際情報大学 敬和学園大学 新潟県立大学インストラクター参加大学の紹介 1 インストラクター

参加大学の紹介 2 インストラクター参加大学の紹介 3

 本校では学校設定科目「世界の文化」の授業において、毎年2回新潟国際情報大学の皆様にお世話になっております。 学生の皆さんのワークショップは生徒にとても好評です。「楽しく学べる」「いろいろと動いたりグループ活動で考えたりするので、いつもの授業と違って楽しい」「わかりやすい」といった感想が多いです。パワーポイントによる映像や説明のみならず、紙芝居や寸劇などもあり、生徒が飽きることなく学ぶことができるところが素晴らしいと思います。毎回感心させられます。また、グループワークを通し、コミュニケーション能力・自分の意見を表明する力・協調性などといった多岐にわたる教育効果が期待できるところも素晴らしいです。

 敬和学園大学生6名の皆様から、環境問題をテーマとした国際理解ワークショップを行っていただきました。地球温暖化という世界規模の課題に対する、各国の主張の違いを視点とする内容でした。 アイスブレーキングによる導入、クイズやゲームによる分かりやすい説明、さらに、寸劇による問題提起など、生徒の意欲が継続される授業展開でした。学生がファシリテーター役を務めたグループ活動は、生徒から省エネやリサイクルについての意見が飛び交いました。授業後の評価カードに「地球温暖化に対する日本の取組を詳しく知りたい」「私たちにできることを今すぐ行うべき」など、地球温暖化を自らの問題として捉え、発展的に学習した様子がうかがわれました。

 「世界を理解すること」、それは小学校の子どもたちにとっては、なかなか難しいことです。しかし、ワークショップ形式だと自分たちで考え、動きながら学ぶという点で、子どもたちは関心をもって取り組むことができます。今年度は、新潟県立大学のみなさんに「児童労働」というテーマでワークショップをお願いしました。大学生のみなさんの笑顔でエネルギッシュなワークショップはとても楽しいものでした。この取組は、学校側にとって大変ありがたいものです。学校だけで準備しようとすると大変な労力になるからです。大学生にとっても、大学から飛び出し、自分たちが準備してきたワークショップを学校の現場で行うことは、とても大きな学びになります。双方にとって、大変意義ある取組みである事は間違いありません。今後も継続していただけるとありがたいです。

 「もっと知りたい!」が尽きなくて、「見る、触れる、聞く、話す」がこんなに楽しいとは思わなかった!それを伝えたい!!

 ワークショップで子どもたちが得た“気づき”は、今後の生活に活かせるものであり、中にはファシリテーター側の私たちが考えつかなかったものもあった。ワークショップを通じて、学生の私たちも“気づき”を得ることができている。

 ワークショップに正解はないから、つくるのは難しい。でも、だからこそワクワクする。どこまでも良くしていける。正解がないからこそ、不正解もまたないのだ。

インストラクターの声 インストラクターの声 インストラクターの声

児童生徒の感想

県立新潟翠江高等学校(新潟国際情報大学ワークショップ受講)

粟島浦村立粟島浦中学校(敬和学園大学ワークショップ受講)

新潟市立江南小学校(新潟県立大学ワークショップ受講)小林 博明 先生 西村 諭 教頭先生 井口 昭夫 先生

ワークショップ受講学校から 1 ワークショップ

受講学校から 2 ワークショップ受講学校から 3

 友達とたくさんコミュニケーションを取れてとても楽しかったです。内容も充実したものだったのでまた受けたいです。(高校生)

 国際理解ワークショップをとおし、自分と友達との関わり方についても学ぶことができました!!

(中学生)

 自分の意見を言って周りとぶつかったけど、みんなと協力してみんなのことを考えることが大切だとわかりました。(中学生)

 私も大学生の方たちのように分かりやすく人の心に響くような発表をしたいと思ったよ。(中学生)

 グループに一人ずつ大学生が入ってくれたので話し合いがしやすかったよ。(小学生)

 ゲームやグループ作業などを交えて勉強できたので頭に入ってきやすかったです!!(小学生)

 インストラクターの的確なアドバイスにより、自分の考えをもっと深く掘り下げることができました。

(高校生)

 いろいろな視点で考えることで答えが変わるような問題を議論することは、むずかしかったけどやりがいがありました。(高校生)

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Page 3: CONTENTS NIALetter .32015.3 特集 新潟発! 平成26年度 ...NIA Letter .3 2015.3 平成27年度 団体・個人賛助会員 募集 当協会では、国際協力・国際交流等の事業を支えてくださる団体と個人の賛助会員を募集しています。加入を希望される方は、当協会

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erVOL.32015.3

平成27年度 団体・個人賛助会員 募集 当協会では、国際協力・国際交流等の事業を支えてくださる団体と個人の賛助会員を募集しています。加入を希望される方は、当協会ホームページをご覧いただくか、下記までご連絡ください。

□参加資格:当協会の目的に賛同される団体または個人□会  費:団体会員1口 10,000円/年度(1口以上)、個人会員1口 3,000円/年度(1口以上)□募集期間:通年□会員期間:平成27年4月1日~平成28年3月31日○団体・個人会員共通特典 ・当協会の刊行物の送付 ・イベント案内チラシ等の送付 ・イベント・セミナー等への優先参加 ・国旗、民族衣装、図書等の貸出  ・国際交流プラザでのパネル展示○団体会員の特典 ・研修室の無料貸出 ・国際化推進活動助成金の利用 ・印刷機の利用○個人会員の特典 ・県立美術館入館助成券の進呈 ・県内施設、レストラン等の割引利用

NIAインフォメーション

平成26年度国際理解教育プレゼンテーションコンテスト結果発表!!

■発行:公益財団法人新潟県国際交流協会 〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル2階 電話:025-290-5650 FAX:025-249-8122 E-mail:[email protected] HP:http://www.niigata-ia.or.jp/

発行元/公益財団法人新潟県国際交流協会 Niigata International Association

 「国際交流インストラクター」事業が新潟国際情報大学と新潟県国際交流協会との連携で始まって、ちょうど10年が経とうとしている。この事業は、県内の国際理解教育の推進のために大学生ファシリテーターを養成し、小中高校に派遣するという試みである。この10年で実施大学は4校まで拡大し、総計約700名の大学生が「インストラクター」となり、延べ約17,000名の児童生徒たちが国際理解ワークショップを体験したことになる。ワークショップに参加したこれらの子どもたちの中には、今度は大学でワークショップを実施する側をやってみたいという理由から、実施大学への入学を希望する子どもたちもでてくるようになった。10年経っても、この事業を支える若者たちの熱気は冷めない。 なぜ若者たちは熱中するのか。この10年の観察から、それは、教育現場において、「学ぶ側が主役である」というごく当たり前の事が本当に実現しているからであるように思える。大学生諸君は、自らが学んだ国際的な<知識>を、単に自分のためのものではなく、仲間と共有し、後輩に伝えるための、いわば「共有財産」と考えるようになる。また、<学ぶ>ことの意味も、次第に、他者につながり、社会に責任をもつという意味へと変わっていく。そして、ワークショップに参加する児童生徒も、正解が一つとは限らない国際問題について、お兄さん・お姉さんたちとともに遊び、ともに考え、それによってふだんの「勉強」ではない、真の「学問」がもつ奥深さや面白味を体験する貴重な機会となる。また何よりも、自分たちの思いつきや意見は、すべて尊重され、生かされるという、ふだんはあまりない経験をすることになる。 大学生諸君が学び、実践する「ファシリテーション」とは、「教える」方法ではなく、参加者個々の創意を促し、ともに学ぶ方法である(したがって、そもそも「ファシリテーター」は「先生」ではなく、その意味で本来「インストラクター(指導員)」という名称も適当でないかもしれない)。つまり、「ファシリテーション」とは、上から下ではなく、下から上へと社会を創りあげていくための実践技法に他ならない。そして、このような異質な他者とともに新しい社会を創りあげていくための能力こそが、現在、グローバル化の時代に若者たちにもっとも要求されているものでもある。 こういった、いわば「民主的なリーダーシップ」を養った若者たちが、当該事業を通じ、大勢地域社会に飛び立ち、真の意味での開かれた国際地方都市の担い手になってほしい。次の10年の目標は、さらに野心的でありたい。当該事業の意義を県外にも積極的に発信し、「ファシリテーションを学ぶなら新潟で」と言われるまでに内実を拡充させたい。新潟を、いわば「ファシリテーションの聖地」にすることは、「国際都市にいがた」を真に実現するためにも、必要不可欠の道のりであると思う。

新潟国際情報大学 教授  佐々木 寛 氏

C O N T E N T S

■�特集�新潟発!   �国際理解ワークショップの可能性 ●「国際理解ワークショップの可能性

-新潟を“ファシリテーション”の聖地に」  新潟国際情報大学教授 佐々木寛氏 ●国際交流インストラクター事業について■平成26年度国際理解教育 プレゼンテーションコンテスト結果発表■インタビュー:グエン・ティ・ミン・ゴクさん

(新潟県国際交流員)■NIA活動レポート ■NIAインフォメーション 

特 集 (公財)新潟県国際交流協会では、県内大学と連携した「国際交流インストラクター事業」を実施しています。これは、大学生が小・中・高等学校等に出向いてワークショップを開催するもので、ワークショップを実施する学生には国際社会に関する専門知識を修得し、コミュニケーション能力・チームワーク力を身につけることを、児童生徒には国際社会に目を向け、興味と関心を持ってより一層意欲的に学習する動機づけとなることを、それぞれ目的としています。 今号では、今年10年目を迎える本事業が、学生側及び児童生徒側の双方にもたらしている成果についてご紹介します。

新潟発!国際理解ワークショップの可能性

佐々木 寛 新潟国際情報大学国際学部国際文化学科教授。専門分野は、国際政治学・平和研究・現代政治理論。2008年から2009年までカリフォルニア大学バークリー校客員研究員。平成17年度に「国際交流インストラクター事業」を立ち上げて以来、今日まで当該事業に携わる。

 新潟県が交流を進めているベトナムのハイフォン市から来県したグエン・ティ・ミン・ゴクさんは、昨年8月から新潟県知事政策局国際課で国際交流員(CIR)として勤務しています。新潟県とベトナムの架け橋として活躍が期待されるミンさんにお話を伺いました。

ちょっと聞き耳

Interview

ー来日したきっかけを教えてください。 日本の漫画やアニメに幼い頃から興味を持っていたことから、大学に入学した際、専門である国際経営のほかに、外国語科目に日本語も履修しました。また、2009年から1年間日本に留学したこと

を通し、日本に関して強く興味を持つようになりました。留学が終わってベトナムに帰国した後、「日本に戻りたい。日本で仕事をしたい。」という夢をずっと抱き、国際交流員の仕事に応募しました。ー新潟で暮らしてみて、感じたことを教えてください。 昨年8月に新潟に来てからを振り返ってみると、たくさんの楽しいことを経験しました。また、多くのことを新たに身につけることができ、新潟に来て本当に良かったと思っています。 新潟は、実家のあるハイフォン市と同じ港町なので、雰囲気もよく似ていて、暮らしやすいところだと思っています。毎日、日本一美味しいお米であるコシヒカリを食べたり、新鮮な魚を味わったりできることが、何より幸せです。また、新潟のお酒があまりにも美

味しいので、以前は滅多にお酒を飲まなかった私が、新潟に来てからかなりお酒を飲むようになり、自分でも驚いています。ー�ベトナムでは、国際理解を推進するために、どのような活動等があるか教えてください。 ベトナムでは、国際理解を推進するための活動が国際化の一環として幅広く行われています。経済、政治、文化等の各分野における国際理解セミナーをはじめ、国民に異文化を理解してもらうことを目的とした交流イベント、展示会、芸術文化会も盛んです。また、ベトナムに在住する外国人が増えてきたこともあり、多文化共生の視点からの地域づくりを推進するために、外国人に参加してもらう交流活動、テレビ番組も重視されています。ー新潟の皆さんに一言お願いします。 はじめまして。ベトナムのハイフォン市から参りましたグエン・ティ・ミン・ゴクと申します。 昨年8月から、新潟県国際課に勤めることができ、大変嬉しく思っています。近年では、新潟県とハイフォン市が交流を始め、色んな分野で協力を促進しているので、自分の力を発揮して両地域の友好関係をより発展させたいと思います。また、新潟の皆さんにベトナムのことを紹介させて頂く一方で、新潟のことをもっと理解していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!

編集後記

 今回の特集はいかがでしたか?「国際理解ワークショップ」がもたらす、大きな可能性を感じていただけたのではないでしょうか。今後も、県民の皆様とともに、「国際理解ワークショップ」をはじめ様々な国際理解に役立つ取組の拡大などにより、より一層、本県の国際化を推進していきたいと思っています。 最後に、取材にご協力いただいた皆様に本紙面を借りて重ねてお礼申し上げます。

「国際理解ワークショップの可能性 ―新潟を“ファシリテーション”の聖地に」☆「新潟・国際協力ふれあい基金」とは 「地域からの国際協力」の推進を目的として、新潟県との連携の下、平成7年度に当協会に創設されました。この基金では、新潟県からの寄付金と県民の皆様等からお寄せいただいた募金を積み立て、その運用益により、海外の開発途上地域や災害被災地域等で活躍されるNGOの皆様の人道援助活動等に対し財政的支援を行っています。詳しくは当協会ホームページをご覧ください。

「災害時外国人支援研修」を開催しました!! 当協会では、災害時の外国人支援についてより多くの方に理解を深めていただくため、「災害時外国人支援研修」を平成26年度は全3回実施しました。 第1回研修「災害時外国人支援セミナー」では、講師の長岡市国際交流センター羽賀友信センター長から、宗教や文化の異なる外国人被災者への対応や在留資格の手続き等に関するお話を伺いました。第2回研修「災害時外国人支援ワークショップ」では、柏崎地域国際化協会清水由美子事務局長を講師に迎え、FMラジオで外国人に災害情報を放送するという想定の下、原稿の翻訳作業等を行いました。また、第3回研修「災害時外国人支援模擬訓練」では、多言語支援センター、災害対策本部、ボランティアセンター、避難所に分かれ、被災者役の外国人の要望を聞き取ったり、必要な情報を提供したりする訓練を行いました。 災害時の外国人支援については「初めて知った」という参加者も多く、その重要性や必要性についてはまだ十分に認識されているとは言えません。当協会では、関係機関と連携し、円滑な外国人支援が行えるよう今後も研修を実施していく予定です。

 平成26年12月13日(土)、朱鷺メッセ中会議室(新潟市中央区)において、毎年恒例となった「国際理解教育プレゼンテーションコンテスト」を開催しました。今回は過去最多の23チーム(中学生部門10チーム、高校生部門13チーム)が出場し、折からの降雪にもかかわらず、延べ350名余りの方々が来場されたほか、テレビ局や新聞社の取材も行われ、注目度の高さがうかがわれました。 このコンテストは、国際理解についての取組みはもちろん、プレゼンをつくり上げる過程で、個人のコミュニケーション力やチームとしての結束力が養われることから、これから世界で活躍する国際人の育成の場としても期待されています。 出場者たちは、海外研修や留学など実際に異文化に触れて感じたこと、普段の学習や地元での活動などを通し自らを取り巻く身近なグローバル化について考えたことや訴えたいことなどを、スライドや寸劇等を盛り込みながら自由な視点で発表しました。 中学生部門最優秀賞を受賞した早通中学校のチームは、地元の日本語教室でのボ

ランティア活動を通して感じた教育の重要性を、高校生部門最優秀賞を受賞した新潟高校のチームは、留学で感じた挫折から、国際人として活躍するために日本人の良さを生かしながら自己アピール力を身に付けることの重要性を、それぞれ訴えました。 参加した生徒からは、「国際理解の様々な視点を知ることができ、自分の考察の向上につながった。」「この経験は、社会に出たときの財産になると思う。」などの感想が聞かれました。 最優秀賞を受賞した2チームは、3月下旬に韓国ソウルへのスタディツアーに派遣され、学校交流やホームステイなどを行います。 なお、10回目となる次年度のプレゼンテーションコンテストは、平成27年12月12日(土)に朱鷺メッセ国際会議場(マリンホール)で開催します。

「新潟・国際協力ふれあい基金」平成26年度 助成プロジェクト決定!

 「新潟・国際協力ふれあい基金」による平成26年度の助成プロジェクトが以下のとおり決定しました(申請12件のうち9件を助成プロジェクトに決定)。NIA活動レポート

はじめました!!

○入賞チーム中学生部門

最 優 秀 賞 早通中学校(新潟市立早通中学校)「イスラムとの交流を通して考えたこと」

優 秀 賞

Rainbow�Glasses(虹の眼鏡)(長岡市立与板中学校)「中学生がビールの話をしてもいいですか?」A�Lump�of�CURIOSITY(県立直江津中等教育学校)「筆箱の中から見える世界」

審査委員特別賞 鏡が沖中学校(柏崎市立鏡が沖中学校)「仮想NGOを作って、世界にアクションを起こそう」

高校生部門

最優秀賞 新潟高校(県立新潟高等学校)「自己をアピールしない日本人」

優秀賞

team�♯11(個人)「新しいリーダーの種をまこう」たまご(個人)「卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。」

審査委員特別賞 変わりタイ(県立新潟工業高等学校)「changethemind!」

№ 申 請 者 対象国 事業名 事業内容

1 タイ山岳少数民族支援の会 タイ 山の民に飲める水を 山岳民族のために貯水槽やパイプラインを設置

2(特活)フィル・ジャパン・フレンドシップ フィリピン 離島への医療支援事業(MEDICALMISSION)無医島に医師を派遣、医薬品を供与

3(特活)新潟県対外科学技術交流協会 モンゴル 中小企業等への技術協力に係る研修生受入事業 ものつくり技術の研修を実施

4(特活)新潟国際ボランティアセンター ベトナム マダグイ子どもセンター自立支援事業 孤児院に線香製造技術を伝授し自立を支援

5 黒龍江省におけるかんがい技術改善協力事業実行委員会 中国 黒龍江省における農業農村整備協力事業 ほ場整備やパイプかんがい等に協力

6 メコン川流域地下水ヒ素汚染研究グループ ベトナム メコン川中流・下流域における飲用深層地下水源の汚染対策と水源施設管理事業 深層地下水の継続的モニタリング等を実施

7(特活)チャコールブラックス フィリピン籾殻調理かまどを使った燃料代の支出減と、籾殻やココナッツ殻を使った炭作りによる仕事づくり

貧困住民に炭作り技術を伝授し自立を支援

8(特活)日本歯科ボランティア協会 ミャンマー 歯科医療支援事業 口腔衛生指導等を実施

9 南魚沼アジア交流会 モンゴル 日本文化(衣・食)を伝えるフォーラム・ワークショップ 現地大学で日本文化紹介イベントを開催

高校生部門最優秀賞:新潟高校チーム

中学生部門最優秀賞:早通中学校チーム

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Page 4: CONTENTS NIALetter .32015.3 特集 新潟発! 平成26年度 ...NIA Letter .3 2015.3 平成27年度 団体・個人賛助会員 募集 当協会では、国際協力・国際交流等の事業を支えてくださる団体と個人の賛助会員を募集しています。加入を希望される方は、当協会

NIALett

erVOL.32015.3

平成27年度 団体・個人賛助会員 募集 当協会では、国際協力・国際交流等の事業を支えてくださる団体と個人の賛助会員を募集しています。加入を希望される方は、当協会ホームページをご覧いただくか、下記までご連絡ください。

□参加資格:当協会の目的に賛同される団体または個人□会  費:団体会員1口 10,000円/年度(1口以上)、個人会員1口 3,000円/年度(1口以上)□募集期間:通年□会員期間:平成27年4月1日~平成28年3月31日○団体・個人会員共通特典 ・当協会の刊行物の送付 ・イベント案内チラシ等の送付 ・イベント・セミナー等への優先参加 ・国旗、民族衣装、図書等の貸出  ・国際交流プラザでのパネル展示○団体会員の特典 ・研修室の無料貸出 ・国際化推進活動助成金の利用 ・印刷機の利用○個人会員の特典 ・県立美術館入館助成券の進呈 ・県内施設、レストラン等の割引利用

NIAインフォメーション

平成26年度国際理解教育プレゼンテーションコンテスト結果発表!!

■発行:公益財団法人新潟県国際交流協会 〒950-0078 新潟県新潟市中央区万代島5番1号 万代島ビル2階 電話:025-290-5650 FAX:025-249-8122 E-mail:[email protected] HP:http://www.niigata-ia.or.jp/

発行元/公益財団法人新潟県国際交流協会 Niigata International Association

 「国際交流インストラクター」事業が新潟国際情報大学と新潟県国際交流協会との連携で始まって、ちょうど10年が経とうとしている。この事業は、県内の国際理解教育の推進のために大学生ファシリテーターを養成し、小中高校に派遣するという試みである。この10年で実施大学は4校まで拡大し、総計約700名の大学生が「インストラクター」となり、延べ約17,000名の児童生徒たちが国際理解ワークショップを体験したことになる。ワークショップに参加したこれらの子どもたちの中には、今度は大学でワークショップを実施する側をやってみたいという理由から、実施大学への入学を希望する子どもたちもでてくるようになった。10年経っても、この事業を支える若者たちの熱気は冷めない。 なぜ若者たちは熱中するのか。この10年の観察から、それは、教育現場において、「学ぶ側が主役である」というごく当たり前の事が本当に実現しているからであるように思える。大学生諸君は、自らが学んだ国際的な<知識>を、単に自分のためのものではなく、仲間と共有し、後輩に伝えるための、いわば「共有財産」と考えるようになる。また、<学ぶ>ことの意味も、次第に、他者につながり、社会に責任をもつという意味へと変わっていく。そして、ワークショップに参加する児童生徒も、正解が一つとは限らない国際問題について、お兄さん・お姉さんたちとともに遊び、ともに考え、それによってふだんの「勉強」ではない、真の「学問」がもつ奥深さや面白味を体験する貴重な機会となる。また何よりも、自分たちの思いつきや意見は、すべて尊重され、生かされるという、ふだんはあまりない経験をすることになる。 大学生諸君が学び、実践する「ファシリテーション」とは、「教える」方法ではなく、参加者個々の創意を促し、ともに学ぶ方法である(したがって、そもそも「ファシリテーター」は「先生」ではなく、その意味で本来「インストラクター(指導員)」という名称も適当でないかもしれない)。つまり、「ファシリテーション」とは、上から下ではなく、下から上へと社会を創りあげていくための実践技法に他ならない。そして、このような異質な他者とともに新しい社会を創りあげていくための能力こそが、現在、グローバル化の時代に若者たちにもっとも要求されているものでもある。 こういった、いわば「民主的なリーダーシップ」を養った若者たちが、当該事業を通じ、大勢地域社会に飛び立ち、真の意味での開かれた国際地方都市の担い手になってほしい。次の10年の目標は、さらに野心的でありたい。当該事業の意義を県外にも積極的に発信し、「ファシリテーションを学ぶなら新潟で」と言われるまでに内実を拡充させたい。新潟を、いわば「ファシリテーションの聖地」にすることは、「国際都市にいがた」を真に実現するためにも、必要不可欠の道のりであると思う。

新潟国際情報大学 教授  佐々木 寛 氏

C O N T E N T S

■�特集�新潟発!   �国際理解ワークショップの可能性 ●「国際理解ワークショップの可能性

-新潟を“ファシリテーション”の聖地に」  新潟国際情報大学教授 佐々木寛氏 ●国際交流インストラクター事業について■平成26年度国際理解教育 プレゼンテーションコンテスト結果発表■インタビュー:グエン・ティ・ミン・ゴクさん

(新潟県国際交流員)■NIA活動レポート ■NIAインフォメーション 

特 集 (公財)新潟県国際交流協会では、県内大学と連携した「国際交流インストラクター事業」を実施しています。これは、大学生が小・中・高等学校等に出向いてワークショップを開催するもので、ワークショップを実施する学生には国際社会に関する専門知識を修得し、コミュニケーション能力・チームワーク力を身につけることを、児童生徒には国際社会に目を向け、興味と関心を持ってより一層意欲的に学習する動機づけとなることを、それぞれ目的としています。 今号では、今年10年目を迎える本事業が、学生側及び児童生徒側の双方にもたらしている成果についてご紹介します。

新潟発!国際理解ワークショップの可能性

佐々木 寛 新潟国際情報大学国際学部国際文化学科教授。専門分野は、国際政治学・平和研究・現代政治理論。2008年から2009年までカリフォルニア大学バークリー校客員研究員。平成17年度に「国際交流インストラクター事業」を立ち上げて以来、今日まで当該事業に携わる。

 新潟県が交流を進めているベトナムのハイフォン市から来県したグエン・ティ・ミン・ゴクさんは、昨年8月から新潟県知事政策局国際課で国際交流員(CIR)として勤務しています。新潟県とベトナムの架け橋として活躍が期待されるミンさんにお話を伺いました。

ちょっと聞き耳

Interview

ー来日したきっかけを教えてください。 日本の漫画やアニメに幼い頃から興味を持っていたことから、大学に入学した際、専門である国際経営のほかに、外国語科目に日本語も履修しました。また、2009年から1年間日本に留学したこと

を通し、日本に関して強く興味を持つようになりました。留学が終わってベトナムに帰国した後、「日本に戻りたい。日本で仕事をしたい。」という夢をずっと抱き、国際交流員の仕事に応募しました。ー新潟で暮らしてみて、感じたことを教えてください。 昨年8月に新潟に来てからを振り返ってみると、たくさんの楽しいことを経験しました。また、多くのことを新たに身につけることができ、新潟に来て本当に良かったと思っています。 新潟は、実家のあるハイフォン市と同じ港町なので、雰囲気もよく似ていて、暮らしやすいところだと思っています。毎日、日本一美味しいお米であるコシヒカリを食べたり、新鮮な魚を味わったりできることが、何より幸せです。また、新潟のお酒があまりにも美

味しいので、以前は滅多にお酒を飲まなかった私が、新潟に来てからかなりお酒を飲むようになり、自分でも驚いています。ー�ベトナムでは、国際理解を推進するために、どのような活動等があるか教えてください。 ベトナムでは、国際理解を推進するための活動が国際化の一環として幅広く行われています。経済、政治、文化等の各分野における国際理解セミナーをはじめ、国民に異文化を理解してもらうことを目的とした交流イベント、展示会、芸術文化会も盛んです。また、ベトナムに在住する外国人が増えてきたこともあり、多文化共生の視点からの地域づくりを推進するために、外国人に参加してもらう交流活動、テレビ番組も重視されています。ー新潟の皆さんに一言お願いします。 はじめまして。ベトナムのハイフォン市から参りましたグエン・ティ・ミン・ゴクと申します。 昨年8月から、新潟県国際課に勤めることができ、大変嬉しく思っています。近年では、新潟県とハイフォン市が交流を始め、色んな分野で協力を促進しているので、自分の力を発揮して両地域の友好関係をより発展させたいと思います。また、新潟の皆さんにベトナムのことを紹介させて頂く一方で、新潟のことをもっと理解していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします!

編集後記

 今回の特集はいかがでしたか?「国際理解ワークショップ」がもたらす、大きな可能性を感じていただけたのではないでしょうか。今後も、県民の皆様とともに、「国際理解ワークショップ」をはじめ様々な国際理解に役立つ取組の拡大などにより、より一層、本県の国際化を推進していきたいと思っています。 最後に、取材にご協力いただいた皆様に本紙面を借りて重ねてお礼申し上げます。

「国際理解ワークショップの可能性 ―新潟を“ファシリテーション”の聖地に」☆「新潟・国際協力ふれあい基金」とは 「地域からの国際協力」の推進を目的として、新潟県との連携の下、平成7年度に当協会に創設されました。この基金では、新潟県からの寄付金と県民の皆様等からお寄せいただいた募金を積み立て、その運用益により、海外の開発途上地域や災害被災地域等で活躍されるNGOの皆様の人道援助活動等に対し財政的支援を行っています。詳しくは当協会ホームページをご覧ください。

「災害時外国人支援研修」を開催しました!! 当協会では、災害時の外国人支援についてより多くの方に理解を深めていただくため、「災害時外国人支援研修」を平成26年度は全3回実施しました。 第1回研修「災害時外国人支援セミナー」では、講師の長岡市国際交流センター羽賀友信センター長から、宗教や文化の異なる外国人被災者への対応や在留資格の手続き等に関するお話を伺いました。第2回研修「災害時外国人支援ワークショップ」では、柏崎地域国際化協会清水由美子事務局長を講師に迎え、FMラジオで外国人に災害情報を放送するという想定の下、原稿の翻訳作業等を行いました。また、第3回研修「災害時外国人支援模擬訓練」では、多言語支援センター、災害対策本部、ボランティアセンター、避難所に分かれ、被災者役の外国人の要望を聞き取ったり、必要な情報を提供したりする訓練を行いました。 災害時の外国人支援については「初めて知った」という参加者も多く、その重要性や必要性についてはまだ十分に認識されているとは言えません。当協会では、関係機関と連携し、円滑な外国人支援が行えるよう今後も研修を実施していく予定です。

 平成26年12月13日(土)、朱鷺メッセ中会議室(新潟市中央区)において、毎年恒例となった「国際理解教育プレゼンテーションコンテスト」を開催しました。今回は過去最多の23チーム(中学生部門10チーム、高校生部門13チーム)が出場し、折からの降雪にもかかわらず、延べ350名余りの方々が来場されたほか、テレビ局や新聞社の取材も行われ、注目度の高さがうかがわれました。 このコンテストは、国際理解についての取組みはもちろん、プレゼンをつくり上げる過程で、個人のコミュニケーション力やチームとしての結束力が養われることから、これから世界で活躍する国際人の育成の場としても期待されています。 出場者たちは、海外研修や留学など実際に異文化に触れて感じたこと、普段の学習や地元での活動などを通し自らを取り巻く身近なグローバル化について考えたことや訴えたいことなどを、スライドや寸劇等を盛り込みながら自由な視点で発表しました。 中学生部門最優秀賞を受賞した早通中学校のチームは、地元の日本語教室でのボ

ランティア活動を通して感じた教育の重要性を、高校生部門最優秀賞を受賞した新潟高校のチームは、留学で感じた挫折から、国際人として活躍するために日本人の良さを生かしながら自己アピール力を身に付けることの重要性を、それぞれ訴えました。 参加した生徒からは、「国際理解の様々な視点を知ることができ、自分の考察の向上につながった。」「この経験は、社会に出たときの財産になると思う。」などの感想が聞かれました。 最優秀賞を受賞した2チームは、3月下旬に韓国ソウルへのスタディツアーに派遣され、学校交流やホームステイなどを行います。 なお、10回目となる次年度のプレゼンテーションコンテストは、平成27年12月12日(土)に朱鷺メッセ国際会議場(マリンホール)で開催します。

「新潟・国際協力ふれあい基金」平成26年度 助成プロジェクト決定!

 「新潟・国際協力ふれあい基金」による平成26年度の助成プロジェクトが以下のとおり決定しました(申請12件のうち9件を助成プロジェクトに決定)。NIA活動レポート

はじめました!!

○入賞チーム中学生部門

最 優 秀 賞 早通中学校(新潟市立早通中学校)「イスラムとの交流を通して考えたこと」

優 秀 賞

Rainbow�Glasses(虹の眼鏡)(長岡市立与板中学校)「中学生がビールの話をしてもいいですか?」A�Lump�of�CURIOSITY(県立直江津中等教育学校)「筆箱の中から見える世界」

審査委員特別賞 鏡が沖中学校(柏崎市立鏡が沖中学校)「仮想NGOを作って、世界にアクションを起こそう」

高校生部門

最優秀賞 新潟高校(県立新潟高等学校)「自己をアピールしない日本人」

優秀賞

team�♯11(個人)「新しいリーダーの種をまこう」たまご(個人)「卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。」

審査委員特別賞 変わりタイ(県立新潟工業高等学校)「changethemind!」

№ 申 請 者 対象国 事業名 事業内容

1 タイ山岳少数民族支援の会 タイ 山の民に飲める水を 山岳民族のために貯水槽やパイプラインを設置

2(特活)フィル・ジャパン・フレンドシップ フィリピン 離島への医療支援事業(MEDICALMISSION)無医島に医師を派遣、医薬品を供与

3(特活)新潟県対外科学技術交流協会 モンゴル 中小企業等への技術協力に係る研修生受入事業 ものつくり技術の研修を実施

4(特活)新潟国際ボランティアセンター ベトナム マダグイ子どもセンター自立支援事業 孤児院に線香製造技術を伝授し自立を支援

5 黒龍江省におけるかんがい技術改善協力事業実行委員会 中国 黒龍江省における農業農村整備協力事業 ほ場整備やパイプかんがい等に協力

6 メコン川流域地下水ヒ素汚染研究グループ ベトナム メコン川中流・下流域における飲用深層地下水源の汚染対策と水源施設管理事業 深層地下水の継続的モニタリング等を実施

7(特活)チャコールブラックス フィリピン籾殻調理かまどを使った燃料代の支出減と、籾殻やココナッツ殻を使った炭作りによる仕事づくり

貧困住民に炭作り技術を伝授し自立を支援

8(特活)日本歯科ボランティア協会 ミャンマー 歯科医療支援事業 口腔衛生指導等を実施

9 南魚沼アジア交流会 モンゴル 日本文化(衣・食)を伝えるフォーラム・ワークショップ 現地大学で日本文化紹介イベントを開催

高校生部門最優秀賞:新潟高校チーム

中学生部門最優秀賞:早通中学校チーム

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