FUJITSU CONFIDENTIAL Copyright 2016 FUJITSU RESEARCH INSTITUTE
Fintech と Digital Marketing
2016年11月4日
株式会社富士通総研 金融・地域事業部シニアマネジングコンサルタント 隈本 正寛mailto:[email protected]
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FUJITSU Digital Marketing Forum 2016
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本日のアジェンダ
Fintechとは何か?-背景と意味-
代表的なFintechサービス
- Digital Marketing の視点から-
富士通の取り組み
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Fintech とは何か?
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Fintechとは?
Fintech とは、FinanceとTechnologyを組み合わせた造語。
金融機関は、これまで業務効率化やコスト削減を目的に ICTを積極的に活用してきたが、近年の ICTの活用領域拡大を背景として、スタートアップ企業が付加価値の高いサービスを金融ビジネス分野で提供。
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Fintech
旧来の金融ICT(かつてのFintech)
参入プレイヤー
適用領域
伝統的な金融機関+伝統的なICTベンダー
業務効率化+コスト削減
バックエンド
Fintech スタートアップ企業
付加価値創造+リレーション再構築
フロントエンド
プレイヤー:
提供価値:
適用領域:
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ミレニアル世代に学ぶ金融サービス
諸外国ではミレニアル世代と呼ばれる1980~2000年代生まれが人口動態上のボリュームゾーンとなり、金融サービスのあり方に大きく影響。
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出典:Viacom Scratch “Millennial Disruption Index”
53%
33%
銀行が提案する商品・サービスはどれも同じ
将来的に銀行はなくなってしまうだろう
Digitalization -金融サービスはよりデジタルに
71%
73%
銀行員の話を聞くくらいなら、歯医者に行く
Google, Apple等、デジタル企業が金融サービスを提供してほしい
今後の金融サービス利用に影響力を持つミレニアル世代
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ICT >人間?
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VPP5000U(1999)
ARROWS A 201F(2013)
出典:富士通調査資料出典:IDC White Paper, ”THE DIGITAL UNIVERSE IN 2020: Big Data, Bigger Digital Shadows, and Biggest
Growth in the Far East, December 2012, Sponsored by EMC Corporation
データ活用技術の進化とデータ処理量の増大コンピュータパワーの向上と普及
現在のスマートフォンの性能は10年前のスーパーコンピュータに匹敵
高性能なスマートフォンの普及でいつでも、どこでもサービスにアクセス可能
データ活用技術の進化により、大量かつ非構造なデータも活用可能に
データ量も増加しており、2020年には現在の5倍の40,000Exabyteまで増大
「情報生産」や「情報流通」においてデジタル化が進展
9.6
51
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代表的なFintechサービス- Digital Marketing の視点から-
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既存の金融サービスを浸蝕するFintech企業
Fintechの適用領域と参入プレイヤーは近年大きく拡大している。既に多くの金融機関の既存ビジネスを代替するまでにサービスが進化している。
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EC決済
モバイルPOS
ロボアドバイザー
P2P送金
個人 預金
流動性預金 定期性預金 外貨預金
ローン 住宅ローン 目的ローン フリーローン・カードローン
送金・決済 クレジットカード プリペイド・デビット 振込・送金 外国送金
投資・資産管理 フィナンシャルアドバイス 証券投資 その他預り資産
チャネル 営業店 ATM オンライン
銀行
法人 預金
当座預金 キャッシュマネジメント 経費管理 給与管理
融資 運転資金融資 設備資金融資 その他
投資・資産管理 フィナンシャルアドバイス 証券投資 その他預り資産
決済 クレジットカード 手形・小切手 振込・送金 請求書支払 外国送金
経営支援 ダッシュボード
クラウドファンディング
仮想通貨
PFM
Neobank
学資ローン
P2Pレンディング
モバイルウォレット
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Fintech 企業の参入領域
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預金/資金運用
融資/資金調達
送金/決済
その他の周辺機能
フロントエンド
インフラ/プラットフォーム
預金や資産運用サービスの代替または機能向上 代表的なサービス:
PFM、ロボアドバイザー、オルタナティブ投資など
金融機関向け
利用者向け
融資や資金調達サービスの代替または機能向上 代表的なサービス:
マーケットプレイス/P2Pレンディング、クラウドファンディングなど
資金決済や送金サービスの代替または機能向上 代表的なサービス:
P2P決済/送金、暗号通貨決済、モバイルウォレット、
モバイルPOS、CLO、カード管理など
金融サービスの周辺サービスとして金融機能の利用時の利便性や付加価値の向上
代表的なサービス: ゲーミフィケーション、経費管理、給与管理、売掛・請求書管理、経営ダッシュボードなど
金融機関のフロントエンドの効率化または付加価値向上 代表的なサービス:
UX/UI、オムニチャネルソリューション、音声認識など
金融機関の内部業務・システムの効率化または付加価値向上 代表的なサービス:
セキュリティ、データ分析-マーケティング/リスク管理、APIなど
機能横断的な金融サービス(預金、融資、決済)の代替または機能向上
代表的なサービス: Neobankなど
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預金/資金運用PFMを活用した小規模金融機関向けマーケティングサービス:MX(1/2)
MX(旧MoneyDesktop)では、主に小規模金融機関向けPFMサービスの提供からデータプラットフォームを中心としたマーケティングサービス提供にまでビジネスを拡大。
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MXのデータプラットフォームでは、顧客のアカウント情報を収集・分析し、それらの結果を活用してより利用しやすいコンテンツを提供。
提携金融機関
•アカウント情報連携•コンテンツサービス利用
提携金融機関
・・・
2010年設立本拠地:ユタ州
採用金融機関:約400行(主に小規模金融機関中心)
MX金融機関ユーザー
サービスの概要
データプラットフォーム
•アカウントアグリゲーション•データ分析&マーケティング•コンテンツ提供•マルチデバイス対応
企業概要
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預金/資金運用PFMを活用した小規模金融機関向けマーケティングサービス:MX(2/2)
MXのプラットフォームでは、他行の口座情報を集約するアカウントアグリゲーションサービスを中心に集約したデータを多方面に活用する形でコンテンツを拡大。
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出典:MX Webサイト
19,000の金融機関・その他団体のデータを集約し、自動で分析・カテゴライズ
収集データをマーケティングに活用できるよう分析し、金融機関向けに提供
共通開発プラットフォームを活用し、デバイス横断で共通のUXデザインを適用
マルチデバイス対応&共通UXデザイン アカウントアグリゲーション
データ分析&マーケティング
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小売店の購買履歴データを活用したクーポン配信:Affinity Solutions(1/2)
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企業概要
事業概要
ビジネスモデル
国名 アメリカ合衆国 業種 金融サービス業
設立年 1998年 従業員数 約100名
提携先など
個人顧客:約2億人
提携銀行:約4,000行
提携小売店:約35万店舗(=約25,000社)
概要 提携小売店から購買情報、提携銀行からトランザクションデータをマスキングした形式で収集し、自社および契約データセンターにて分析し、銀行のIB経由で個人顧客にクーポン情報を提供
複数の小売店および金融機関と提携し、小売店からは購買データ、金融機関からは取引データを取得
自律学習的なモデルを用いてセグメンテーションおよびキャンペーン反応分析など各種分析を実施
分析内容に基づき、金融機関の顧客に対してIBを通じて最適な提携小売店のクーポン情報を提供し、同時にそれらクーポンの効果検証結果を小売店にフィードバック
小売店向けダッシュボード
クーポン提供画面
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小売店の購買履歴データを活用したクーポン配信:Affinity Solutions(2/2)
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ビジネススキームの概要
小売店Affinity
Solutions金融機関
(銀行、カード会社など)
利用者
①購買データと希望する
顧客の条件を提示
③独自モデルによる
分析結果を提供
②取引データを提供
④希望条件に合致した
クーポンの提供
⑤クーポンを利用して
商品を購入
銀行の取引情報を提供し、異業種データと融合する事で双方にメリットのある情報を生産
IBにて提供用のクーポン情報に加え、マーケティング分析結果を秘匿化して提供
送客を希望する顧客の条件に加え、自店顧客の購買データを秘匿化して提供
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マーケティングビデオ自動作成サービス:Silver6
個々人にパーソナライズされたマーケティングビデオ
• Silver6では、Excelやワークフローなど既存のフォーマットをそのまま読み込むことができ、それらデータを自動的に取り出し、顧客ごとに数値等がパーソナライズされた訴求するビデオを作成
• また、ビデオのどこかが見られたのか、その地域や時間帯などをダッシュボード上で確認することができる
創業年:2015年本拠地:アイオワ州 アーバンデール対象顧客:金融機関適用技術:ビデオストリーミング、AI
• ビジネスルールや各種データを組み込み、顧客ごとにパーソナライズされたマーケティングビデオの提供。Excelなど通常のオフィスソフトにより作成されたデータや既存のビジネスルールを読み込むことで顧客ごとにカスタマイズされたビデオを作成。視聴者がどの箇所を視聴したのか、ヒートマップ形式で確認できる
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企業概要
サービスの概要
サービスの特徴
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ブラウザ共有コミュニケーションツール:SaleMove
ブラウザ共有によるコミュニケーション強化
• 顧客とオペレータがブラウザを共有し、同じ画面を見ながら、同時にビデオでの対話を実施する。
• これにより、顧客とオペレータのコミュニケーションを強化し、UX向上につながる
• 既存のWeb画面に組み込むことが可能であり、ログイン情報が共有され、ストレスフリーかつ顧客満足度向上が図れる
創業年:-本拠地:ニューヨーク州 ニューヨーク対象顧客:金融機関/一般企業適用技術:ブラウザ共有、ビデオ通話
• Webベースでビデオチャット機能などを付与し、顧客とのリレーションを強化• ブラウザベースで利用でき、ログイン情報とブラウザ画面が共有されることで顧客側の行動を阻害する
ことなく、スムーズなコミュニケーションが行える
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企業概要
サービスの概要
サービスの特徴
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富士通の取り組み
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伝統的ビジネス/ICTとの「共食い」
への対応
「多産多死型」失敗を前提とした
ビジネスモデルの受容
伝統的な金融サービスとFintech
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伝統的金融サービス Fintech
ミッションクリティカル
既存のビジネスや情報資産を保有
トライアル&エラー
既存の金融サービスの代替・破壊
スタートアップを中心としたビジネスの拡大
スタートアップの持つイノベーションの推進力を取り込むことが重要に
ビジネスの特徴
既存ビジネス・アセットとの関係
+
+
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富士通の Fintech に対する取り組みスタンス
これまで富士通が提供してきた業務アプリケーションやICT基盤をもとに、富士通自身が主体となって Fintech を活用したイノベーションを推進し、お客さまと金融ビジネスを共創
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既存のビジネス領域(ソリューション/SI)
技術・
先進性
顧客主導/請負型 顧客主導/素材流用 富士通主導/事業化顧客協業/ソリューション化
お客さまとの関係/市場への展開
効率性・
堅確性
変革・
成長性
お客さまへの提供価値 ICT基盤
の提供
既存ソリューション
新たなソリューション
新たなビジネス
•お客さまの事業・業務を実現 するICT基盤を提供
•お客さま/スタートアップ/富士通が対等な関係を構築し、ソリューション化
•個別要件に合わせた構築•素材の横展開による投資回収
•富士通による実ビジネスのプロデュース/実施
•お客さま/スタートアップとの共創
取り組むべきICTビジネス領域のシフト
ビジネスモデルを変革して挑戦すべき領域
(Fintech/イノベーション)
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