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スペイン洋上風力視察報告（2018年6月30日～7月9日）

2018年7月18日国際部会

行程表

① 7/2 ﾋﾞﾙﾊﾞｵ、CDTI&NEDO 洋上風力Workshop②同上､HAIZEA Wind社のタワー&基礎工場③ 7/3 ﾋﾞﾙﾊﾞｵ､Vicinay社チェーン量産工場⑤同上､Escal Forging社のフランジ鍛造工場⑥同上､Windbox Test Center⑦ 7/4 ﾊﾟﾝﾌﾟﾛｰﾅ､GamesaのAoizブレード工場⑧ 7/4､IberdrolaのMaranchon wind farm➈ 7/5 ﾏﾄﾞﾘｰﾄﾞ､REE給電中央司令室⑩ 7/6 ｸﾞﾗﾝｶﾅﾘｱ、PLOCAN海洋ｴﾈﾙｷﾞｰ研究所⑪同上､Elisa 5MW洋上実証風車

移動経緯

参加人数：JWPA 40人＋NEDO 5人＋CDTI 2人（含む部分参加）

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ビルバオ地図

ビルバオ（Bilbo）はスペイン北東部のバスク州ビスカヤ県の県都（人口35万人）。

同県は鉄鉱石産地なので、20世紀初頭から製鉄・造船等の重工業が成長。

スペインの風車メーカ（Gamesa,Acciona）の関連工場も多い。

特に鉄鋼・セメント工業が強いので、欧州のタワー、洋上基礎、浮体、係留策（鎖）等の製造拠点になっている。

新市街×（ﾎﾃﾙ）

会議場 .①

HAIZEAWindタワー工場①

出荷前風車の仮置場

Ｘ

ＶｉｃｎａｒｙとＥｓｃａｌの工場 ③⑤

ビスカヤ運搬橋Ｘ （世界遺産）

ｸﾞｯｹﾞﾝﾊｲﾑ美術館X（会食）旧市街

① CDTI＆NEDOの合同洋上風力Workshop7/2(月)､ビルバオの国際会議場

-全6セッションでスペイン 15件、日本 7件（NEDO, JWPA,WEIT､HITZ,富士PS）の口頭発表あり。

-現地企業 7社がスタンドで発表

- NEDOがWebサイトで開催報告を報道発表

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②HAIZEA Wind社のタワー工場 7/2（月）夕方横105m×奥行500mの建屋で、タワーとモノパイル基礎を生産

ビルバオ港の岸壁には出荷前の風車が山積み

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③ Vicinay社チェーン量産工場 7/3(火)AM、ビルバオ

⑤ Escal Forging社のフランジ鍛造工場直径4～11m程度のタワーフランジや軸受ケーシングを鍛造する。

1)鋼塊（円筒状）を入荷2) 1.5万トンプレスで円盤状に圧延3)そのまま中心穴も押し抜く4)再加熱して、穴を拡大する5)機械加工して仕上げる

下記工程で15分。約3分間隔で250kgの鎖を2個ずつ生産。

1)鋼材入荷､2)約2mに切断､3)誘導加熱､4)曲加工（輪くぐり）､5)電気溶接､6)冷ます､7)検査

⑥Windbox Test Center 7/3(火)夕方民間団体 IK4の風車試験センター。35%の国費補助あり。ブレード旋回輪軸受の実負荷疲労試験設備（約5億円）あり。

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⑦ GamesaのAoizブレード工場 7/4(水)ﾊﾟﾝﾌﾟﾛｰﾅ・G126とG132のブレードを製造・手法はInfusion/VaRTM（真空吸引Resin Transfer Molding）・炭素繊維､ﾌﾟﾘﾌﾟﾚｸﾞ､Oneshot式はこの工場では採用せず。（VaRTMの方が安価なため）・生産能力は合計で7本/週ただし現在は受注生産・以前は国内向けだったが、今は全て輸出用。・出荷前の全数荷重試験はなし。検査は製造中に行なう。

写真はGamesa Webｻｲﾄより。

⑧ IberdrolaのMaranchon wind farm､7/4(水)PM・Gamesa G87 2MW×104台=216MWハブ高は67mと78m・連系点まで182kVで送電・年平均風速6.85m、設備利用率27%・2005年12月運開、現地従業員30名・年6､7回×数時間、系統理由停止あり。

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➈ REE 給電中央司令室 7/5(木)ﾏﾄﾞﾘｰﾄﾞ

⑩ PLOCAN海洋ｴﾈﾙｷﾞｰ研究所洋上風力セミナー、7/6(金) Gran Canaria

-安副代表理事がスペイン語を交えて挨拶

-スペイン4件、日本 1件（JWPA）が口頭発表。

-荒天で波浪が高く,見学船は出航できず。

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⑪ Elisa 5MW洋上実証風車7/6(金)PM

・スペイン初の洋上風車（Gamesa 5MW）約3km沖合に6月下旬に設置して艤装中。・重力式基礎を浮かべて輸送（専用線不要）・風車を搭載しても倒れないように、

3段伸縮式タワー（Telescopic）で重心を低くして輸送する。

5MW風車(約3km沖）

観測所(約5km沖）

Esteyco社の伸縮式タワー（油圧ｳｨﾝﾁで巻上て、ボルトで固定）

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TV Canariaの現地取材 7/6(金)PM

番外：スペイン各地のWind farmﾏﾄﾞﾘｰﾄﾞ北方のValladlid近郊

ｽﾍﾟｲﾝ東部のTafalla近郊

・風況の良い尾根筋に１列配置・近隣に人家が無いので景観への配慮が不要

カナリア諸島

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参考：スペインの風力市場の盛衰

GamesaがVestasから独立↓

スペイン政府がFITを廃止↓

1999年に1GW/年規模（世界の約20%相当）へ。その４年後の2003年にGamesaがデンマークのVestasから独立。2007年には約3GW/年のピークへ。Gamesa,Acciona等のスペイン風車メーカが成長。2012年に太陽光FITの失敗から、風力発電を含む全ての再生可能エネルギーへの補助金が打切られ、2013年以降は新規導入が止まった。最近になって、風力の導入再開を図るが、民間投資が集まらずに苦戦中。

世界の風車メーカの再編

風車メーカの再編の動きを表3.3-7に示す。一般的に不況期に再編が加速する傾向がある。風力発電の中心市場が西欧から北米と新興市場へと移行したため、欧州内に工場を持ち、自国市場向けに風車を販売していた従来の風車メーカは、厳しい事業環境に直面した。特にスペインは太陽光バブルで電力会社が経営破綻した反動でFITを取消したため、2013年以降は風力発電の新規導入がほぼ0となり、同国風車メーカは輸出市場に活路を求めたが、うまくいかず、結局は、同業他社に買収・吸収される結果となった。