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Harris Geospatial...3 ・ワークフローによる画像処理...

Date post: 16-Mar-2020
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GETTING STARTED WITH ENVI Harris Geospatial 株式会社
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GETTING STARTED WITH ENVI

Harris Geospatial株式会社

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目次

ENVIの概要 ....................................................................................................... 1

手順書に入る前に ............................................................................................... 9

ENVIの起動について ....................................................................................... 13

ENVIインターフェースの概要 ......................................................................... 14

ディスプレイツールについて ........................................................................... 16

環境の設定 ....................................................................................................... 19

画像の表示 ....................................................................................................... 21

画像の比較 ....................................................................................................... 33

画像を閉じる .................................................................................................... 37

画像の解析 ....................................................................................................... 39

ENVIの拡張 ENVI MODELER ....................................................................... 66

APPENDIX A: INTERLEAVEについて ............................................................ 83

APPENDIX B: 分類法の特徴 ............................................................................ 85

APPENDIX C: 幾何補正 .................................................................................. 87

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ENVI の概要

ENVI (Environmental for Visualizing Images)は、リモートセンシングデータ(衛星画

像、航空写真、パンクロ、マルチスペクトル、ハイパースペクトル、レーダ etc.)に

特化した画像処理システムの統合アプリケーションです。 ENVI5.0から全ての機能を

シングルインターフェース内に統合し、ツールのアイコン化、メニューの検索機能が

充実し、操作性がより向上しました。また、今までの ENVIの機能に加え、ワークフ

ロー形式の解析処理を備えた結果、画像処理の初学者から熟練者まで、全ての方々に

スムーズに画像処理を行っていただけます。

ENVIでは、データ解析・可視化に非常強い IDLというプログラミング言語をエンジン

として持っており、大容量のデータに対しても非常に高速な処理を実現しています。

また、この IDLを使用すれば、特殊データの読み込みメニュー、独自アルゴリズムメ

ニューを ENVIのメニューに追加することも可能で、ユーザ固有のニーズにも柔軟に

対応する環境が用意されています。

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機能概要

・データ読み込み

Landsat、SPOT、IKONOS、QuickBird、ASTER、MODIS、ALOS、

WorldView-1,2,3といった汎用的なセンサのラスタデータから、Shape Fileや DXF

といったベクタデータも読み込み可能で、ラスタデータの上に重ねて表示すること

が可能です。

・対話的な画像処理

表示した画像に対して、ストレッチング、カーソル上のデータ値、データの変化等

を即座に結果を見ることが可能です。

・パンクロ、マルチ、レーダ画像処理

画像の切り取り、回転、幾何補正、バンド間演算、主成分分析、空間統計、フィル

タリング、エッジ抽出、その他一般的な画像処理機能に対応しています。

・ハイパースペクトル解析

ハイパースペクトルデータを使用し、画像から詳細な地表面特性を判別することが

可能です。アルゴリズムはハイパースペクトル解析分野の研究者とともに解析され

ている複雑なものですが、ウィザードを使用することにより簡単に解析結果を求め

ることが可能です。

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・ワークフローによる画像処理

教師付分類、教師なし分類、差分抽出、分類画像に対しての差分抽出、幾何補正、

特異点抽出、可視域解析のワークフローを提供しています。ワークフローでは、ダ

イアログに表示される処理の順に操作を進めていくことで、簡単に解析結果を導き

出すことができます。プレビューウィンドウもあり、パラメータ設定の結果を確認

しながら進めていくことが可能です。

・時系列解析、動画再生ツール

ENVI5.2より、複数のデータセットを時系列順や波長順にアニメーション表示する

時系列アニメーション表示ツールや、一般的な動画ファイルを再生し画像フレーム

を ENVIの Viewへ取り込むことが可能な FMVツールが新機能として追加されま

した。アニメーション表示は動画フォーマットとして保存することもできます。

FMVツールから画像フレームとして ENVIに取り込んだ画像には、相対的なタイ

ムフレームがありますので 2フレーム間での移動体の速度解析など様々な解析が可

能となります。

・ベクターツール

ベクタデータを読み込み、クエリ機能で属性データから条件に合うベクタ情報を抽

出し、ラスタ GIS解析を行うことが可能です。分類画像のクラスからベクタを抽出

する機能も搭載されています。また、ENVIは、ArcGISとの親和性が高く、ラスタ

データの解析後、データをワンクリックで ArcGISへ移動することができるため、

解析結果に付随するベクタ情報をストレスなく付与、編集することが可能です。

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・ENVI for ArcGIS Tools

ENVIでは、ArcGISとの連携が強化され、ArcGISのツールボックスに ENVIの画

像解析ツールが加わりました。その結果、ArcGISから ENVIへ移動せずに画像解

析を行うことが可能です。

・DEM(標高データ)解析ツール

標高データを使用することにより、

視野領域解析、傾斜角、アスペクト

角、陰影付き画像等の作成を行うこ

とが可能です。DEM画像から、3D

鳥瞰図の作成、それを用いたフライ

トシミュレーションのアニメーショ

ン作成。また、有償の追加モジュー

ルである DEM Extraction module

を用いれば、精度の高い DEMを容

易に作成することが可能です。

・点群データ処理機能

点群データの解析処理ソリューションの ENVI LiDARが ENVIに統合され、ENVI

のツールボックスから起動が可能になりました(Windows版のみ)。大容量の

LiDARデータから DEM・DSMの抽出や 3D表示をシンプルな操作で実施可能で

す。また、後述の Feature Extractionモジュールを使用することで建物や樹木のオ

ブジェクト抽出も可能になります。

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・オプションモジュール機能

モジュール名 内容

Atmospheric Correction

Module

マルチ・ハイパースペクトル画像の大気補正を行うモ

ジュールです。画像内の大気の影響を除去します。

DEM Extraction Module ステレオペア画像から標高データ(Digital Elevation

Model)を抽出するモジュールです。

Feature Extraction

Module

オブジェクト分類法のモジュールです。従来のピクセ

ル値の統計から分類する方法と異なり、ユーザの求め

るオブジェクト(車、屋根、河川、湖等)を画像から

抽出します。

また、点群データ解析ツールである ENVI LiDARで

はこのモジュールを使用することで建物、木、鉄塔な

どのオブジェクトを抽出することができます。

Photogrammetry Module 対応衛星画像からオルソモザイク画像を作成するため

のモジュールです。ステレオペア画像を使用すること

で 3次元点群データの生成も行うことができます。

NITF Module NITFデータの読み込み、書き込みをサポートするモ

ジュールです。

ENVI Crop Science 衛星画像や UAV / ドローンなどで取得したマルチス

ペクトル画像を用いて、圃場の健康状態や作物の数量

把握を簡単に行うためのモジュールです。

SARscape 合成開口レーダ(SAR)画像の解析処理を行うための

モジュールです。基本的な処理や干渉解析に加え、追

加のオプションを加えることで時系列解析や偏波解析

も行うことが出来ます。

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利用分野

多種多様の機能を含んでいる ENVIですが、以下の例のようにさまざまな分野で利用

されています。

・気象・海洋分野

ENVIは気象衛星ひまわり 8号のデータ読込に対応しています。取得・解析された

データは台風や集中豪雨をもたらす雲などの移動・発達の詳細な情報を把握するほ

か、黄砂や噴煙などの監視に加え、気候変動予測にも利用されます。

・環境・森林分野

ENVI LiDARを使用することで LiDARデータから高精度の DEMと DSMを生成

することが可能です。ENVIの Band Mathツールを使用して DEMと DSMの差分

の抽出も簡単に行うことができ、この結果をもとにして森林の材積推定を行うこと

もできます。

・農業分野

ENVIは 60種類を超える特徴指標の解析機能を備えています。例えば農業の分野で

あれば、その中の正規化植生指数(NDVI)を使用することで植生の活性状況を簡単

に把握できます。ENVIを通してNDVIの大きな箇所(活性が著しい箇所)を以下

の図のように目立たたせて表示することも可能です。

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・地形・地質学

ENVIは土地利用形態の変化の把握や地震・火山活動に伴う地殻変動の検出などに

利用されています。特に近年では地盤沈下や地すべりの解析に対して、オプション

モジュールである SARscapeの解析結果を組み合わせた時系列での解析事例が増え

ております。

そのほかにも自然資源探査、環境土地開発計画、航空宇宙分野などの幅広い分野で

ENVIは利用されています。

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手順書に入る前に

ENVI のバージョンについて

本手順書は、ENVI5.5.1を使用し演習を行います。

使用データについて

本手順書の演習で使用するデータは、米国の地球観測衛星 Landsat TMで撮影され

た、長野県と山梨県上空の画像です。データは、米国の USGS (U.S. Geological

Survey)のサイトから取得しました。

Landsat TM画像ダウンロード URL:

http://glovis.usgs.gov/

記述文字について

本手順書に入る前に、手順書で使用している記述文字についてのご説明を致します。

<…>:ダイアログ内のボタンをクリックすることを示します。

例、<New>、<OK>等

[…]:切り換えボタン、ラジオボタンもしくは、チェックボックスを選択することを

示します。

例、[Gray Scale]、[Memory] 等

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本手順書においてのマウス説明

ENVIの操作で使用するマウスは 3ボタンマウスです。Macintoshをご使用の場合に

は”Macintoshをご使用の場合”を参照下さい。 本手順書においてマウス左ボタンと記

述している場合は、マウス一番左(第一ボタン)、マウス中央ボタンと記述している場

合には、マウス中央(第二ボタン)、マウス右ボタンと記述している場合には、マウス

一番右(第三ボタン)のことを指します。

【Macintoshをご使用の場合】

‘Optionキー + マウスボタン’で中央ボタンに相当し、‘Commandキー +マウ

スボタン’でマウス右ボタンに相当します。

その他リソース

ENVI ヘルプ

ENVIには豊富な情報が含まれたヘルプがあります。各項目がカテゴライズされてい

るので、カテゴリから必要な処理を探すことができます。また、Searchから、キーワ

ード検索を行っていただけます。該当機能のパラメータなどの詳細や使用方法、どの

ような計算式が使用されているか、また、アルゴリズムに関しての参考文献の情報も

記載されているものもあります。

ENVI Discussion

ENVI Discussionは当社ホームページ上に設けられており、ユーザ同士が問題の討議

や意見の交換が行えます。

http://www.harrisgeospatial.com/Support/Forums/tabid/2342/aff/216/Default.aspx

GitHub

米国本社によって管理・運営されている GitHubのページでは、ENVIの機能拡張に

関する様々なコードが公開されております。

https://github.com/envi-idl

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HARRIS GEOSPATIAL へのお問い合わせ

Harris Geospatial株式会社では、ENVI 及びその他の製品に関する技術サポート、

お客様の使用事例などの情報を提供しています。

Harris Geospatial製品・サポート連絡先

E-mail:

[email protected]

Home Page:

http://www.harrisgeospatial.co.jp/

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ENVI の起動について

ENVIの起動方法を説明いたします。

WINDOWS

Windows10のスタートメニューから ENVIを選択して下さい。

スタート→すべてのアプリ→ENVI 5.5→ENVI 5.5(64bit)

ENVI+IDLをクリックすると、IDLの開発環境と共に ENVIが起動します。

補足:

Windows8での起動:

アプリ一覧に表示される、ENVI 5.5(64bit)をクリックします。

Windows7での起動:

スタート → すべてのプログラム → ENVI 5.5 → 64-bit → ENVI 5.5(64-bit)

をクリックします。

MACINTOSH

ENVIのアイコンをダブルクリックして下さい。

ENVI+IDLのアイコンをダブルクリックすると、IDLの開発環境と共に ENVIが起動

します。

LINUX

シェルプロンプト上で envi_rtと入力して下さい。

% envi_rt

ENVIのスクリプトを実行すると、IDLの開発環境と共に ENVIが起動します。

※Linuxの場合、ENVI+IDLのライセンスをお持ちでない場合は、シェルプロンプ

トで”envi”と入力することで ENVIが起動します。

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ENVI インターフェースの概要

ENVI 5.0から、ENVI従来の 3ウィンドウのインターフェースとは違い、シングルウ

ィンドウのインターフェースを提供しています。新しいインターフェースでは、操作

性が向上し解析および解析結果の画像操作が簡単に行えるようになりました。ここで

は、ENVIのインターフェースと各メニューについて説明します。

図 1. ENVI5.5.1 インターフェース

ツール

ボックス

カーソル値表示

プロセスバー

ツールバー

レイヤー

マネージャ

オーバービュー

メニューバー

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以下の表ではインターフェースの各メニューについて説明します。

表 1. インターフェースのメニュー

名称 機能

メニューバー ファイルを開く、編集、表示に関するツールや、ウィ

ンドウの分割など、インターフェース及び、画像の基

本的な操作に必要な機能を提供します。

ツールバー ズームイン・アウトや、パン、アノテーション、スト

レッチなど、表示した画像に対して操作に関するツー

ルをグラフィカルなアイコンで提供します。

レイヤーマネージャ インターフェースに表示されている画像の管理を行い

ます。チェックボックスをオン/オフする事で、表示/非

表示の設定を行います。ファイル名上で右クリックを

すると、サブメニューが表示され、表示の削除や RGB

コンポジットの変更などが行えます。

オーバービュー レイヤーマネージャの[Overview]へチェックを入れる

ことで、画像全体を表示します。

ツールボックス ENVIの解析機能がカテゴリごとに格納されていま

す。検索機能が提供されており、「Search the

Toolbox」へキーワードを入力することで、該当の機

能がリスト表示されます。

カーソル値表示 地図投影法を保持した画像上でマウスを移動させる

と、カーソルのある場所のピクセルに対応した地図情

報が表示されます。

プロセスバー プロセスバーは、処理の経過を表示しています。右側

にあるバツマークをクリックすると、処理はキャンセ

ルされます。

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ディスプレイツールについて

ENVI5.5.1で提供されているディスプレイツールについて学習します。操作方法につ

いては、ツールバーのアイコンをクリックし、イメージウィンドウ内で実行します。

それぞれのツールに関しては、以下の表を参考にしてください。インターフェースの

左側のツールから順に紹介します。

表 2. ディスプレイツール

アイコン 機能

ENVI標準フォーマットのファイルオープンの機能

です。

読み込まれたデータの管理を行う、Data Manager

を起動します。

表示されている範囲をファイルへ保存する機能で

す。

カーソル位置のピクセル情報を表示する Cursor

Valueを起動する機能です。

選択機能です。イメージウィンドウ内に描画された

注釈等を選択します。また、フライ、回転といった

その他の機能をオフにします。

パン機能です。イメージウィンドウ内にて左マウス

ボタンをドラッグし、画像を移動させます。

フライ機能です。イメージウィンドウ内にて左マウ

スボタンをクリックし続けると、矢印の方向に画像

が移動し続けます。

回転機能です。イメージウィンドウ内にて左マウス

ボタンをドラッグすると、ドラッグした方向に画像

が回転します。

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ズーム機能です。指定エリアのズーム、ズームイ

ン、ズームアウト、画像全体の表示、パーセンテー

ジでの画像の倍率変更が可能です。

画像の北を上に表示する機能です。地図情報を保持

している画像のみに有効です。

回転機能です。角度を入力して画像を回転できま

す。

ピクセル値表示機能です。表示画像の任意の指定ポ

リライン断面のピクセル値をプロットします。

ピクセル値表示機能です。選択ピクセルの表示画像

データの全てのバンドのピクセル値をプロットしま

す。

2バンドのバンド相関図を表示する 2D Scatter Plot

機能です。

クラス画像を編集する機能です。

ROIツールです。ROIの作成、編集をする ROIツ

ールを起動します。

オブジェクトをカウントする Feature Countingと

いう機能です。数値的に記録しておきたいものにマ

ークを付け、位置と数をカウントします。

ベクタツールです。ベクタの作成、編集等ができま

す。

テキスト、ポリゴン、スケールバー、グリッドライ

ン等各種アノテーションを作成する機能です。

指定した座標の位置へと移動する機能です。

輝度の調整機能です。スライダーバーを移動させ、

輝度の調整をおこないます。

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コントラストの調整機能です。スライダーバーを移

動させ、コントラストの調整を行います。

左のアイコンがストレッチを画像全体にかけるよう

指定し、右のアイコンは表示領域のみにかける指定

を行います。中央のアイコンは、ストレッチの表示

領域の変更に伴いを自動更新する機能です。

ストレッチの種類を選択し、画像にストレッチをか

ける機能です。ドロップダウンリストからストレッ

チを選択します。

ストレッチの調整機能です。画像のヒストグラムを

みながら、ストレッチの調整できます。

シャープネスの調整機能です。スライダーバーを移

動させ、シャープネスの調整を行います。

透過度の調整機能です。スライダーバーを移動さ

せ、透過度の調整を行います。

パラメータを変更した設定の値をデフォルト値へと

変更します。

測定したい箇所の画像上の始点と終点をクリック

し、距離を表示します。

レイヤーが二つ以上になると、Portalボタンが有効

になります。ポータルウィンドウボタンの横には他

の表示方法として、Blend・Flicker・Swipe ボタン

があります。

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環境の設定

実習に入る前に、使用するデータへのアクセスなどを容易に行うため、環境の設定を

行います。ENVIでは、ファイルの入出力ディレクトリをあらかじめ指定すること

で、デフォルトで指定したディレクトリを表示することが可能です。

【操作】

1. メニュー → File → Preference を選択してください。

2. Directoriesを選択し、それぞれの設定を行ってください。

3. 本マニュアルでの指定ディレクトリは以下です。

表 3. デフォルトディレクトリの指定

名称 機能 設定値

Input

Directory

入力ファイルを指定する

際に表示するインプット

ディレクトリの指定

C:¥Training¥GettingStarted_ENVI5

Output

Directory

出力ファイルを指定する

際に表示するインプット

ディレクトリの指定

C:¥Training¥output

Temporary

Directory

処理中に作成される、テ

ンポラリファイルの保存

C:¥Training¥output

Auxiliary File

Directory

読み取り専用の DVDな

どからデータを読み込む

際に、ヘッダファイルが

書き込めない場合の保存

C:¥Training¥GettingStarted_ENVI5

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図 2. PREFERENCE 設定ウィンドウ

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画像の表示

ここからは ENVIの基本機能について学習します。

ファイルの読み込み

【目的】

ENVIにラスタデータの読み込み、表示を行います。この演習では、USGSより入手

した Landsat TMのデータを読み込み、表示を行います。

【説明】

基本的には、ENVIの認識するファイル(ENVIフォーマット、TIFF、NITF、

JPEG2000など)であれば、ファイルを直接ドラッグ&ドロップもしくは File →

Openより指定するだけで、ファイルを読み込み、画像を表示することができます。

汎用ではないファイルフォーマットに関しては、File → Open As より衛星、センサ

名を選択することで、ファイルの読み込みを行います。ただし昨今はそのような独自

フォーマットも File → Openやドラッグ&ドロップで開くことができる対象が増えて

います。

表示した画像はレイヤーマネージャで管理されています。表示している画像を変更す

る方法として、レイヤーの順番を入れ替えることと、チェックボックスをオン/オフす

ることで表示、非表示を行えます。[Overview]のチェックボックスへチェックを入れ

ると、画像全体を表示できます。

本演習で読み込み時に指定する「L5108035_03520000413_MTL.txt」は、Landsatデ

ータを入手したときに画像データとともに配布されるメタファイルです。このメタフ

ァイルには、画像撮影時の情報やデータ処理施設で使用されたデータ処理のパラメー

タが含まれています。ENVIではこのメタファイルを直接指定することで、ENVIフ

ァイルと同様に取り扱うことができ、波長帯の情報や地理情報などを合せて読み込む

ことが可能です。

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【操作】

1. メニュー → File → Open を選択してください。

2. Openダイアログにおいて、「landsat」フォルダ内の

「L5108035_03520000413_MTL.txt」を選択 → <OK>を選択します。※指定

ディレクトリは、環境により違いがあります。

例)

C:\training\GettingStarted_ENVI5\landsat\ L5108035_035200

00413_MTL.txt (Windowsの場合)

3. 画像が表示され、レイヤーマネージャには表示した画像のファイル名があるこ

とを確認してください。

※画像が真っ黒に見える場合は、表示位置の移動を行ってください。

【補足:ENVIフォーマット】

ENVI フォーマット(ENVI から作成されるファイル)は、単純なラスタフォーマット

のデータです。このフォーマットはバイト型で形成され、フラットバイナリファイル

と呼ばれるデータフォーマットです。このフォーマットは画像以外のデータが含まれ

ないため、ENVI は ENVI ヘッダファイル(ENVI Header File:*.hdr )という

ASCIIファイルを作成し、そこに画像を読み込むためのパラメータ情報を記録しま

す。

ストレッチやコントラストの調整

【目的】

表示した画像に対して、ストレッチやコントラストなどを変更して、画像を見やすく

します。データを読み込んだ際に RGBコンポジットで表示されている画像があるの

で、その画像を使用して操作を行います。

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【説明】

表示した画像の詳細がはっきり確認できない場合は、まずストレッチや輝度、コント

ラストを調整してください。今回の画像は、山岳地帯や富士山頂に雪があるため、全

体に対して Linearのストレッチを行うと、暗い画像で表示されてしまいます。

ディスプレイツールのストレッチ機能には、変換方法が幾つか用意されていますがパ

ラメータがあらかじめ設定されているため、ユーザ任意の調節が出来ません。ユーザ

任意の調節が必要な場合には、Histogram Stretchを使用してください。

【操作】

1. ディスプレイツールにある、<No Stretch>と記載された箇所の下向き矢印をク

リックし、<Equalization>をクリックしてください。

2. ボタンで画像全体を表示し、 ボタンで雪に覆われている富士山頂を拡大

し、 ボタンをクリックしてください。このボタンは、表示したエリアでスト

レッチを行うことができます。ディスプレイの表示領域移動に伴うストレッチ

の自動更新をしたい場合は、 ボタンをクリックして自動更新を有効にしてく

ださい。

図 3. 富士山頂のストレッチ例

3. ボタンをクリックして、全体画像に対してストレッチを行ってください。

HISTOGRAM STRETCH

【目的】

画像の輝度を任意の値へと変更・調節し、より画像を見易くします。

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【説明】

Histogram Stretchでは、ユーザ任意の調整が可能です。そのため、ターゲットとし

ている場所(ピクセル値)を強調して表示することが出来ます。

【操作】

1. ディスプレイツールの、 <Equalization>を<Linear>に変更してください。

2. ツールバーにあるー をクリックしてください。

3. Histogram Stretchダイアログ が開きます。

図 4. ヒストグラムストレッチダイアログ

4. 輝度の分布に沿うように、右側のバーを左に移動させてください。

バーを移動することで、画像の色が変化していることを確認してください。

図 5. ヒストグラムストレッチ - 輝度範囲の変更

5. グリーン、ブルーとも同様に輝度の調整を行い、画像が明確に見えるように調

整してください。

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6. 調整が終わりましたら、右上の<×>マークをクリックし、Histogram Stretch

ダイアログを閉じてください。

図 6. 輝度調整後画像

【補足】

各ストレッチの詳細は表 4をご参照ください。

表 4. STRETCHING 機能説明

項目名 説明

Linear(線形変換) 設定されたパーセンテージによる線形補間を行いま

す。

Equalize(平坦化) 各ヒストグラムのビンに入る、ピクセルの数を平等に

し、ストレッチを行う。

Gaussian(ガウシアン) 入力データの平均値を画像の 127とし、第三標準偏差

を 0と 255にし、残りのデータはガウシアンカーブに

基づいてデータを割り振ります。

Square Root(平方根) インプットのヒストグラムに対して、平方根をとりそ

れに対して、線形変換を行う。

Logarithmic(対数) 低域の輝度を強調する非線形手法です。

Optimized Linear(最適化

線形)

線形補間に類似していますが、中間色、シャドウ、ハ

イライトにより適切な補間を行います。

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DATA MANAGER について

【目的】

Data Managerは読み込んだファイルを管理しています。

レイヤーマネージャでは、表示している画像の情報しか表示されませんが、データの

詳細情報を確認する時や、すでに読み込んだデータを別の表現(バンドのグレイスケー

ル表示や、RGBコンポジットの変更など)で表示する際にこのマネージャを使用しま

す。

【説明】

レイヤーマネージャ内でファイルを右クリックし、「remove」を実行することによ

り、ディスプレイから表示を削除しますが、Data Manager内にはデータが保持され

ていますので、再表示する際は Data Managerから行ってください。

【操作】

1. メニュー → File → Data Managerを選択してください。

2. Data Managerダイアログ → 「L5108035_ MTL_MultiSpectral」の[Band 4]

を右クリック → Load Grayscaleを選択してください。

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図 7. グレイスケール表示

3. Band 4が表示され、レイヤーマネージャへ追加されていることを確認してくだ

さい。

【補足】

Data Managerの上部にあるそれぞれのツールに関しては、以下の表を参考にしてく

ださい。

表 5. DATA MANGER の機能

アイコン 機能

データファイルを開く機能です。本機能はメニューの

Openと同じ機能です。

データマネージャの全てのファイルのバンド情報を一

括表示(+)/非表示(-)を行う機能です。

選択したファイルを閉じる機能です。

データマネージャにあるファイルを一括で閉じる機能

です。

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ピン/アンピンの機能は、ファイルを画面へと表示した

際に、データマネージャを閉じるか設定をする機能で

す。左の上部のアイコンはピンが刺さっている状態を

示しており、ファイルを画面に表示してもデータマネ

ージャは画面に表示されたままです。下部のアイコン

はピンが外れた状態を示しており、データマネージャ

は閉じる設定となります。

選択したファイルを ArcMapへ読み込みます。

※ArcGISのライセンスが必要です

【補足】

Data Managerの File Informationの中で、「Data Type」とありますが、ENVIで

は 9つのデータタイプをサポートしています。現在読み込まれているデータが、実数

(浮動小数点)、符号付もしくは符合無しの整数型かどうかを理解するのも、データ

解析をする上でとても重要になります(参照:表 6)。

表 6. ENVI データ型

ENVIデータタイプ サイズ(Byte) 値の範囲

Byte 1 0 ~ 255

Integer (signed) 2 -32768 ~ +32767

Unsigned Integer 2 0 ~ 65535

Long Integer 4 約 +/- 20億

Unsigned Long Integer 4 約 0 ~ 40億

Floating Point 4 +/- 10^38

Double Precision 8 +/- 10^308

Complex (floating point) 8 浮動小数点型の複素数

Complex (double precision) 16 倍精度型の複素数

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カラーの変更

【目的】

前の項目で、表示した Band4のグレイスケールの画像に対して疑似カラーを付与しま

す。レイヤーマネージャに「L5108035_ MTL_MultiSpectral」の Band4が表示され

ていない場合は、Data Managerを使用してまず画像を表示してください。

【説明】

グレイスケールの画像には、カラーテーブルを割り当てることで、データの分布を一

目で確認することが可能です。疑似カラーを付与する機能として、「Change Color

Table」と「Raster Color Slices」のツールがあります。本実習では、「Change

Color Table」を使用し、グレイスケールの画像へ疑似カラーを付与します。

【操作】

1. レイヤーマネージャ → グレイスケール画像の

「L5108035_MTL_MultiSpectral」を右クリック → Change Color Table →

Rainbowを選択します。

2. カラーテーブルを選択すると、選択したカラーテーブルにより色づけされた画

像がディスプレイに表示されます。

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図 8. BAND4 の擬似カラー表示

3. カラーテーブルの色合いなどを確認したい場合は、レイヤーマネージャ→ グレ

イスケールの「L5108035_ MTL_MultiSpectral」を右クリック → Change

Color Table → Moreを選択します。

図 9. カラーテーブルの編集ダイアログ

4. Edit Color Table によって他のカラーテーブルを選択することができます。こ

のウィンドウではオリジナルのカラー分布の作成、保存および読込も可能で

す。

5. プルダウンメニューから「Rainbow」を選択して、元の状態に戻してくださ

い。

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RGB コンポジット(RGB 合成表示)

【目的】

データ読み込み時にすでに RGBコンポジットの画像が表示されていますが、ここで

は Data Managerを使用して、任意のバンドに R(赤)、G(緑)、B(青)を割り

当てて、RGBの合成表示を行います。

【説明】

衛星は、光源(太陽)からの電磁波が地表面の物質を反射してセンサに戻ってくる強さ

(電磁波の強さ)を観測します。地表面の物質は、それぞれ違った反射の特徴があり、

衛星の各バンドは波長帯域が違う電磁波を取得することから、地表面の反射の特徴を

とらえることができます。これを利用し、RGBへ割り当てるバンドを変更すること

で、地表面の特徴を一目で認識できるように表示します。

以下の図は、各波長帯における地表面の物質(植物、土、水)の電磁波の反射と放射の

強さを示しており、横軸は電磁波の波長を、縦軸は反射・放射の強度を示します。

図 10. 各波長帯における植物、土、水の電磁波の反射と放射の強さ

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トゥルーカラー合成 → R:Band 3、G:Band 2、B:Band 1

フォールスカラー合成 → R:Band 4、G:Band 3、B:Band 2

ナチュラルカラー合成 → R:Band 7、G:Band 4、B:Band 2

【操作】

1. メインメニュー →File → Data Managerを選択します。

2. Data Managerダイアログ → [RGBに該当する Bandを選択] → <Load

RGB> をクリックし、RGB表示を行います。

例)R:Band 4、G:Band 3、B:Band 2

3. 組み合わせが決まったら、「Load Data」ボタンをクリックして画像を表示し

てください。

図 11. DATA MANAGER - 画像情報の確認

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【補足】

様々なツールにおいて、マルチスペクトルのデータは複雑に思われがちですが、バン

ドが重なっている 3次元の立体データと考えれば理解しやすくなります。

この方法でデータを可視化するとマルチスペクトル画像が空間とスペクトルの 2種類

の情報が得られることが分かります。空間情報は 1つのバンドから得られる位置情報

(行と列)、一方スペクトル情報はバンドを重ねて串刺しにした 1つのピクセルを意

味します。

図 12. マルチスペクトル画像

画像の比較

ここでは、画像の比較方法について学習します。

レイヤーの透過

【目的】

一つの Viewに複数の画像を配置し、下の画像を透過し、比較を行います。

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【説明】

画像をレイヤーとして保持している ENVI5.5.1では、下レイヤーを透過させ、二枚の

画像を比較することが可能です。

【操作】

1. ツールバー → <Portal>をクリックし、ディスプレイ内にポータルウィンド

ウが表示されていることを確認してください。

図 13. レイヤーの透過

2. ツールバー → <Transparency>のバーを移動し、レ

イヤーの透過度を変更し、データを比較してください。

3. 画像内のポータルウィンドウの×マークでポータルを閉じてください。

図 14. ポータルウィンドウ

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複数のビューと画像のリンク

【目的】

新しい ENVIのインターフェースでは、複数のビューを用いて同時に画像を表示し、

リンクすることができます。画像をリンクさせることで、表示しているデータを効率

的に比較します。

【説明】

Link Viewsを使用し、画像をリンクさせます。

【操作】

1. メニュー → Views → Create New View を選択し、画像の表示エリアが二つ

に分割されたことを確認してください。

2. レイヤーマネージャ → 新しく作成された Viewをクリックしてください。

3. Data Manager → Band4を右クリック → Load Grayscaleを選択してくださ

い。

図 15.画像の表示

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4. 新しく作成された Viewの[Overview]へチェックを入れ、画像全体も確認して

ください。

図 16.複数のビューの表示

5. View → Link Views を選択し、表示した二枚の画像のリンクを行います。

6. Link Viewsダイアログ → <Link ALL> → <OK> をクリックし、リンクを実

行します。

図 17. リンクの作成

7. リンクした画像にパンツールなどを使用し、全体を比較してください。

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8. グレイスケール画像に擬似カラーを割り振る場合は、レイヤーマネージャ →

新しく作成したビュー内の「L5108035_ MTL_MultiSpectral」を右クリック

→ Change Color Table → Rainbow を選択することで色づけすることが可能

です。

図 18. マルチビューでの画像の比較

【補足】

ピクセルポジションを利用しリンクを行う場合は、Link Viewsダイアログの Pixel

Linkを選択してください。リンクした Viewは、ズームイン・アウトが自動的に連動

しますが、連動しない設定を行う場合は、Link Viewsダイアログの該当の Viewを右

クリックし、サブメニューにある Zoom Linkメニューを選択し、チェックを解除して

ください。

画像を閉じる

【目的】

表示されている画像や、複数表示している Viewを閉じます。

【説明】

表示している画像を閉じ、必要がなくなった Viewを閉じることが出来ます。

【操作】

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1. レイヤーマネージャ →二つ目の Viewのグレイスケール画像を右クリック →

Removeをクリックし、画像の表示を閉じてください。

図 19. VIEW からの表示を削除

2. レイヤーマネージャ → 二つ目の Viewを右クリック → Remove Viewをクリ

ックし、View を閉じてください。

図 20. VIEW の削除

3. 同じ要領で、表示している画像等をすべて削除してください。

【補足】

Data Manager内にはデータが存在します。必要のないファイルを閉じる場合は、

Data Managerから該当ファイルを右クリック → Close Fileを選択してください。

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画像の解析

ここからは画像解析の基本的な処理を学習します。

データの反射率への変換方法

【目的】

衛星画像データのキャリブレーションについて学習します。

【説明】

一般的に配布されている衛星データは、デジタルナンバーであるため、そのデジタル

ナンバーから実際の観測値に変換をする必要があります。このデジタルナンバーから

観測値に変換する作業はキャリブレーションと呼ばれます。衛星のデータ処理施設で

は、実際の地上での観測値と衛星からの観測値が一致するように、常に最新の変換係

数を提供しています。この変換係数を使用することで、デジタルナンバーを大気圏の

放射輝度や反射率に変換することが可能です。ENVIの Radiometric Calibrationで

は、以下表のシステムキャリブレーションを行うことができます。また ENVI+IDLを

使用することで、ユーザ独自のキャリブレーションを ENVIに追加することも可能で

す。

表 7. RADIOMETRIC CALIBRATION 対応センサ

衛星/センサ名 ファイルオープン時に使用するファイル

Landsat TM, ETM+, Landsat-8

OLI/TIRS

*_MTL.txt, *WO.txt, *.met

ALOS AVNIR-2, PRISM Level-2B data HDR*.txt

GeoEye-1 *.til

IKONOS metadata.txt

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QuickBird *.til

WorldView *.til

OrbView-3 *.pvl

Disaster Monitoring Constellation

(DMC) DIMAP

*.dim

Pleiades Primary, Ortho (singleまたは

mosaic)

DIM*.xml

SPOT DIMAP METADATA.DIM

SSOT DIMAP METADATA.DIM

RapidEye Level-1B

(NITF/NSIFのライセンスが必要です)

*_metadata.xml

EO-1 ALI *_HDF.L1G, *_MTL.L1G

EO-1 Hyperion *.L1R

ResourceSat-2 *.h5

AlSat-2A .dim

KOMPSAT-3 *_aux.xml

Gaofen-1 *.xml

Ziyuan-1-02C *.xml

Ziyuan-3A *.xml

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【操作】

1. ツールボックス → 検索フィールドへ「radio」と入力してください →

Radiometric Calibrationを選択し、起動させてください。

2. ファイル選択ダイアログで、

「L5108035_03520000413_MTL_MultiSpectral」を選択 → <Spatial

Subset>をクリックしてください。

図 21. 使用ファイルの選択ウィンドウ

3. Spatial Subset ダイアログでは、画像の処理範囲を設定します。以下のパラメ

ータを入力し、<OK>をクリックしてください。

Columns: 2162 to 5316 Rows: 4062 to 6396

図 22. サブセット設定ウィンドウ

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4. Radiometric Calibrationダイアログが表示されます。キャリブレーションに必

要なパラメータは、メタデータから自動的に取り込まれます。以下の情報をダ

イアログに設定し、<OK>をクリックしてください。出力ファイル名は<…>ボ

タンをクリックし、出力ファイルダイアログで入力してください。

Calibration Type: Reflectance

Output Interleave: BSQ

Output Data Type: Float

Scale Factor: 1.0

出力ファイル名: yamanashi_ref.dat

図 23. パラメータ設定ウィンドウ

5. 処理終了後、レイヤーマネージャへ「yamanashi_ref.dat」が追加されているこ

とを確認してください。

6. 他の画像のチェックを外し、「yamanashi_ref.dat」のみを表示し、ENVIのメ

ニューバーの Display → Profiles → Spectral より各ピクセルのスペクトル情

報を確認してください。

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図 24. 反射率スペクトルの確認

【補足】

反射率は、0から 1の範囲で地表面からの光の反射の強さを表します。

大気補正

【目的】

大気補正の処理について学習します。

【説明】

衛星センサは大気を通して地表を観測しているため、大気中の水蒸気や細かい粒子の

影響を受けています。衛星画像データを定量的に解析するためには、この大気効果を

除去して真の地表反射率を求めることが必要です。ここでは、ENVIの標準機能に含

まれている散乱や、もやの影響を除去する「Dark Subtraction」という手法を使用

し、大気の影響を簡易的に除去する補正を行います。

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【操作】

7. ツールボックス → 検索フィールドへ「dark」と入力してください → Dark

Subtractionを選択し、起動させてください。

8. ファイルの選択ダイアログでは、「yamanashi_ref.dat」を選択してください。

Dark Subtractionのパラメータ設定ウィンドウでは、[Band Minimum]へチェ

ックを入れ、出力ファイル入力後、<OK>をクリックしてください。出力ファイ

ル名は<選択>をクリックして出力ファイル名ダイアログで入力してください。

Subtraction Method: Band Minimum

Output Result to: File

Enter Output Filename: yamanashi_dark.dat

図 25. パラメータ設定ウィンドウ

9. 処理終了後、レイヤーマネージャへ「yamanashi_dark.dat」が追加されている

ことを確認してください。

10. 処理前の画像「yamanashi_ref.dat」と大気補正後の画像

「yamanashi_dark.dat」のスペクトルの違いを確認します。

11. 「yamanashi_ref.dat」で開いた Spectral Profileの Options → Additional

Profiles → Add Fileで「yamanashi_dark.dat」を選択してください。

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12. 植生上で、マウスをクリックしてください。大気補正前後の二枚の画像のスペ

クトルを表示してください。

図 26. 画像間の植生スペクトルの比較

13. 次に、キーボードの「Shift」キーを押下し、市街地のエリアをクリックしてく

ださい。市街地のスペクトルが植生のスペクトル上に追加されます。

図 27. 物質間のスペクトルの比較

14. スペクトルの確認が終わりましたら、全て画像ウィンドウを閉じてください。

【補足】

ENVIに標準機能に含まれる、キャリブレーションや大気補正のツールは ENVIツー

ルボックスの「Radiometric Correction」フォルダに含まれます。標準機能の大気補

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正ツールは、Dark Subtraction、Flat Field、Empirical Line、Internal Average

Reflectanceがあります。一般的に大気補正は、研究所やフィールドより得られたグラ

ンドトルースのスペクトルデータに基づいて計算されます。

また、ENVIのオプションモジュールとして Atomospheric Correction Modules

(FLAASH) というMODTRAN(放射伝達計算コード)ベースの大気補正ツールが提供

されています。FLAASH では、画像データから大気中の水蒸気やエアロゾル量を推定

し、各ピクセルにおけるスペクトルの大気の影響を除去するため、グランドトルース

のスペクトルデータを必要としません。さらに、このオプションモジュールでは、簡

易的に実行できる QUAC という機能も使用でき、前処理のキャリブレーションを行

うことなく、大気補正を行っていただけます。

2D SCATTER PLOT

【目的】

画像処理の演習を始める前に、使用する画像への理解を深めるため、相関図(2D

Scatter plot)を使用し、データ分布を確認します。

【説明】

X軸に配置したバンドと Y軸に配置したバンドのオーバーラップした値をプロット表

示します。プロットされた値から ROIを作成することもできます。

ROIは関心領域と言い、分類を行う際のトレーニングデータとして使用されます。

【操作】

1. データマネージャから「yamanashi_dark.dat」をトゥルーカラーで表示して、

メニュー → Display → 2D Scatter Plotを選択し、起動させてください。

2. X軸のスライダーバーに Band3、Y軸に Band4を選択してください。

3. [Toggle Density Slice]ボタン を有効にします。

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図 28. 2D SCATTER PLOT ウィンドウ

4. マウスの中央ボタンをクリックしながら、2D Scatter Plot内を移動したりホイ

ールを回すと、プロット内の表示位置やズームを変更できます。

5. マウスの左クリックを押しながら、画像内を移動してください。該当する値が

2D Scatter Plot内で反応していることを確認してください。

6. 2D Scatter Plotの任意の範囲を囲むことで、ROIの Classを作成することがで

きます。Add Class ボタンで Classを追加することができます。

図 29. 2D SCATTER PLOT での ROI の表示

7. 植生、水域、市街地のエリアに ROIを作成してください。

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8. 画像上で、右クリック→ Cursor Mode → Region of Interest とすると、画像

内で選択したポリゴンとバンド相関が同様のポイントを ROIのクラスとして定

義することもできます。

9. File → Export All Classes to ROIsをクリックしてください。

10. レイヤーマネージャの画像レイヤーの配下に「Region of Interest」が出力され

ていることを確認してください。

【補足】

上記処理の後、ツールボックス内の Supervised Classificationを実行すると、ROIに

基づく分類もできます。

ワークフロー形式の分類処理では、シェープファイルの教師を使用するため、上記の

手順で作成した ROIを使用する場合は、一度 ROIからシェープファイルへ変換を行

ってください。ツールバーから ROIツールを開き、File → Export → Export to

Shapefileを選択してください。

BAND MATH

【目的】

バンド間演算について学習します。バンド間演算はとても単純な機能ですが、一般的

に知られている数式や係数を与えることで、NDVI(植生指標)など、リモートセン

シング画像を解析する上で便利な解析結果を求めることが可能です。

【説明】

衛星画像の基本処理としてバンド間演算処理があります。複数のバンド間で和・差・

積・商という演算処理を行います。演算対象は、同じ(x,y)ピクセル座標の DN値に

対して行います。

ここでは、以下の式を利用し、バンド間演算にて、NDVI(植生指標)の算出を行いま

す。

NDVI=(近赤外線画像-赤波長帯画像)/(近赤外線画像+赤波長帯画像)

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【操作】

1. ツールボックス → 検索フィールドへ「band」と入力してください → Band

Mathを選択し、起動させてください。

2. Band Mathダイアログが表示されます。Enter an expressionへ以下の式を入

力 → <Add to List>をクリック → <OK>をクリックしてください。

Enter an expression: (float(b4) - b3)/(b4 + b3)

図 30. 演算式の入力ダイアログ

3. Variable to Bands Pairings ダイアログが表示されます。変数、B3と B4にど

のファイルのバンドを使用するか設定を行います。

4. Variable used in expressionフィールドの B3 に「yamanashi_dark.dat」の

Band3を選択してください。

5. Variable used in expressionフィールドの B4 に「yamanashi_dark.dat」の

Band4 を選択してください。

6. Output Result toを「File」にし、ファイル名を「yamanashi_ndvi.dat」に設

定し、「OK」ボタンをクリックして処理を実行してください。

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図 31. パラメータ設定ダイアログ

7. 処理終了後、レイヤーマネージャへ「yamanashi_ndvi.dat」画像が追加されて

いるか確認してください。

8. Cursor Valueを使用し、結果を確認します。メニューの Display → Cursor

Valueを起動してください。

9. Cursor Valueウィンドウに表示されている「yamanashi_ndvi.dat」の値を確

認します。NDVIは植生の分布状況や、活性度を示す指標で、-1から 1の範囲

で表されます。植生の反応が高い場合は 1に近く、低い場合は-1に近い値とな

ります。

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図 32. NDVI 算出結果画像

10. レイヤーマネージャから、「yamanashi_ndvi.dat」を削除してください。

【補足】

本処理では、基本処理演習のため、算出は手動で行いましたが、ENVIにはツールボ

ックスの Spectral → Vegetationフォルダ内に簡単に NDVIを算出するツールが用意

されています。

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教師付き分類

【目的】

ここでは、教師付き分類を行います。

【説明】

ENVIでは、教師付き、教師なし分類を行うためのワークフローが用意されていま

す。

【操作】

1. ツールボックス → 検索フィールドへ「class」と入力してください →

Classification Workflow を選択し、起動させてください。

2. File Selectionダイアログが表示されます。<Browse>をクリック →

「yamanashi_dark.dat」を選択 → <OK>をクリックしてください。File

Selectionダイアログの<Next>をクリックし、次の手順へと進んでください。

3. Classification Typeダイアログでは、[Use Training Data]を選択してくださ

い。No Training Dataは教師なし分類を実施します。

図 33. CLASSIFICATION ワークフロー

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4. Define Training Dataダイアログでは、ポリゴンを使用してトレーニングデー

タを作成します。ツールバーの Polygon Annotationツールが選択されているこ

とを確認してください。veg (植生)、city (街)、snow (雪)、soil (土壌)、water

(水域)のトレーニングデータを画像から取得してください。

プロパティでは、トレーニングデータの色の指定と名前の変更が行えます。

トレーニングデータの作成: ポリゴン ROIを作成します。クリックで頂点を作

成し、ポリゴンを確定する際は、右クリックのメニューから Complete and

Accept Polygonを選択してください。

各クラスのトレーニングデータを取得したら、Previewウィンドウにチェック

を入れてみてください。分類処理の結果を一部表示できます。

好みのトレーニングデータを取得できたら Nextをクリックします。

図 34. トレーニングデータの作成

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5. Refine Results ダイアログでは、ノイズ除去を行います。スムージングの値と

アグリゲーションの値を調整し、ノイズのように細かく分類された箇所が無く

なるように調整してください。[Preview]へチェックを入れることで、処理の結

果をその場で確認することが可能です。調整が終了しましたら、<Next>をクリ

ックしてください。

図 35. ノイズ除去ウィンドウ

6. Save Resultダイアログでは、処理結果のラスタ及びベクタデータの出力先を指

定します。チェックがついているものは出力されます。

出力先と出力ファイル名を確認後、<Finish>をクリックしてください。

Export Classification Image:

C:\training\output\yamanashi_dark_class.dat

Export Classification Vectors:

C:\training\output\yamanashi_dark_vectors.shp

7. レイヤーマネージャに「yamanashi_dark_vectors.shp」と

「yamanashi_dark_class.dat」が追加されていることを確認してください。

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分類結果の確認

【目的】

教師付き分類の結果を確認します。

【説明】

ベクタデータ、ラスタデータが出力され、それぞれの解析結果を確認します。

【操作】

1. 出力されたベクタデータの属性を確認します。レイヤーマネージャの

「yamanashi_dark_vectors.shp」を右クリック → View/Edit Attributesをク

リックしてください。各分類結果の、属性と面積を確認できます。

図 36. ATTRIBUTE VIEWER ウィンドウ

2. 次にラスタデータを比較します。処理結果の「yamanashi_dark_class.dat」が

Viewの一番上のレイヤーになるように移動してください。

3. その下のレイヤーに「yamanashi_dark.dat」を移動してください。

4. ツールバー → <Portal>をクリックし、元の画像「yamanashi_dark.dat」と

分類結果の「yamanashi_dark_class.dat」を比較し、結果を確認してくださ

い。

5. 結果の比較が終了しましたら、ポータルを閉じてください。

6. ラスタデータを使用し、分類結果画像の統計を確認します。

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7. ツールボックス → 検索フィールドへ「statistics」と入力してください →

Class Statistics を選択し、起動させてください。

8. Classification Input Fileダイアログでは、「yamanashi_dark_class.dat」を選

択し、<OK>をクリックしてください。

図 37. CLASSIFICATION 結果画像の選択

9. Statistics Input File では、「yamanashi_dark.dat」を選択 → <OK>をクリ

ックしてください。

10. 統計を算出するクラスを選択します。植生から水域まで Shiftキーを押下しなが

ら選択し、<OK>をクリックしてください。

図 38. CLASS の選択

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11. Compute Statistics Parameter ウィンドウが表示されます。[Histograms]へチ

ェックを入れ、<OK>をクリックしてください。

図 39.パラメータ設定ウィンドウ

12. 分類結果の統計が出力されます。

図 40. CLASS STATISTICS 結果

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【補足】

ArcGISが同じマシンにインストールされている場合は、Data Managerにある、

「Open Selected Files in ArcGIS 」ボタンをクリックすることで、シェープファ

イルなどのデータを簡単に ArcGISへ移動することができます。

画像の保存

ここでは ENVIの画像保存方法について学習します。

【目的】

分類処理結果を TIFFファイルへ保存します。

【操作】

1. メニュー → File → Save As → Save As…(ENVI, NITF, TIFF, DTED)を選

択してください。

2. Select Input Fileダイアログ → 「yamanashi_dark_class.dat」を選択 →

<OK>をクリックしてください。

3. Save File As Parameters でファイル形式を[TIFF] → 出力ファイル名に

「yamanashi_class_result.tif」を設定 → <OK>をクリックしてください。

図 41. 出力ファイル設定

4. 出力ファイルがレイヤーマネージャへ追加されたことを確認してください。

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【補足】

ArcGIS Geodatabase へ保存する場合は、File → Save to Geodatabaseから行ってく

ださい。64bitOSをご利用の方で、ArcGISとの連携、Geodatabaseの保存を行う場

合は、ENVIの 32bitバージョンをご利用ください。

メニューバーの Save As には、ASCII形式などへの保存メニューもあります。

差分抽出

【目的】

二時期の画像から差分抽出を行う方法について学習します。

【説明】

1992年 4月に取得されたデータと 2000年 4月に取得されたデータを使用し、二時期

のデータの差分を抽出いたします。植生の変化へ焦点をおき、解析結果を確認してく

ださい。

【使用データ】

本演習では、以下のファイルを使用します。2000年 4月のデータに関しては、本演習

以前に使用したデータと同じものです。長野県松本市周辺に範囲を限定し、ENVIフ

ォーマットで保存しています。

1992年 4月 23日撮影 Landsat TMデータ:

C:\training\GettingStarted_ENVI5\1992April\1992April.dat

2000年 4月 13日撮影 Landsat TMデータ:

C:\training\GettingStarted_ENVI5\2000April\2000April.dat

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【操作】

1. 1992April.datと 2000April.datのデータを開いてください。

2. ツールボックス → 検索フィールドへ「image」と入力してください → Image

Change Workflow を選択し、起動してください。

3. ファイルの選択ダイアログでは、Time 1 Fileへ「1992April.dat」を選択し、

Time 2 Fileへ「2000April.dat」を選択してください。

図 42. ファイル選択ダイアログ

4. Image Registrationダイアログでは、二枚の画像の位置合わせを行います。

以下のようにパラメータを変更し、<Next>をクリックしてください。

Matching Band: Band4

Requested Number of Tie Points: 60

Search Windows Size: 255

Maximum Allowable Error Per Tie Points: 0.8

Warping Method: Polynomial

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図 43. IMAGE REGISTRATION ダイアログ

5. 次のダイアログでは、[Image Difference]へチェックを入れ、<Next>をクリッ

クしてください。

6. Image Differenceダイアログでは、[Difference of Input Band]へチェックを入

れ、Select Input Bandへ[Band4]を選択してください。

図 44. 差分抽出パラメータ設定

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7. 手順 6と同ダイアログ内の Advancedタブをクリックしてください。

[Radiometric Normalization ]へチェックを入れ、<Next>をクリックしてくだ

さい。このオプションは、二枚の画像の取得時の放射の違い、例えば大気の差

異及び照度の差異の影響を減少します。

図 45. ADVANCED 設定ダイアログ

8. Thresholding or Exportダイアログでは、[Apply Thresholding]へチェックを

入れ、<Next>をクリックしてください。

9. Change Thresholdingダイアログでは、[Preview]へチェックを入れ、増減を確

認してください。出力は減少分のみですので、以下パラメータを設定し、

<Next>クリックしてください。

Select Change of Interest: Decrease Only

Select Auto-Thresholding Method: Otsu’s

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図 46. 抽出閾値設定ダイアログ

10. Cleanupダイアログでは、[Preview]へチェックを入れ、抽出結果の詳細をどれ

くらい保持するかを決定します。以下の値で<Next>をクリックしてください。

Enable Smoothing: 5

Aggregate Minimum Size: 20

11. Exportダイアログでは、処理結果のラスタ及びベクタデータの出力先を指定し

ます。チェックがついているものは出力されます。

出力先と出力ファイル名を確認後、<Finish>をクリックしてください。

Export Change Class Image:

C:¥training¥output¥1992April_change.dat

Export Change Class Vectors:

C:¥training¥output¥1992April_change.shp

12. レイヤーマネージャへ出力ファイルが追加されていることを確認してくださ

い。

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【補足】

差分抽出の解析手法を選択する際、Difference of Feature Indexにある、各処理手法

について以下の表で説明します。

※各処理の計算式はヘルプに記載されています。

表 8. 差分抽出法

手法名 処理概要

Vegetation Index (NDVI) 植生指標:植生の有無・多少・活性度を

示す指標です。

Water Index (NDWI) 水域指標:水域に対応する指標です。値

が高いほど湿潤を表します。

Built-up Index (NDBI) 都市化指標:開発された土地(Built-up

Area)を表し、都市化や地域の土地の開

発状況を示す指標です。グレイスケール

画像が出力され、Built-up Areaは値が

高く表示されます。

Burn Index 熱傷指標:熱傷の部位、広さ、状態(深

度等)を示す指標です。

差分抽出結果の確認

【操作】

1. レイヤーマネージャにある「1992April_change.dat」の Classesの[Big

Decrease]のみチェックします。Transparencyで透過させる方法などをご利用

ください。

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図 47. 出力ラスタデータの確認

2. 全体を通して、変化のあったエリアを確認してください。

3. 該当エリアの「1992April.dat」と「2000April.dat」のスペクトルの比較を行

い、植生の反射が大きく違うことを確認してください。二時期の間に植生から

建物や道路に変わったことを確認することができます。

図 48. スペクトルプロファイルの確認

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ENVI の拡張 ENVI MODELER

ENVI Modelerは ENVI 5.5から搭載されたビジュアルプログラミングツールです。

この機能を使用することで、バッチ処理やカスタムワークフローをプログラミングす

ることなしに組み立てて実行することが可能です。また、この機能では ENVIの実装

に使用されている IDLというプログラミング言語のソースコードを生成することが出

来ます。このソースコードから実行ファイルを作成し、ENVIの機能拡張として使用

することも可能です。

【説明】

ENVI Modelerを使用して、テキスト前半で行ったデータの反射率への変換

(Radiometric Calibration)と大気補正(Dark Subtraction)を一連の処理として実

行できるようにします。入力となる画像データは事前に設定し、指定した場所に出力

できるよう ENVI Modelerを組み立てます。

【操作】

1. はじめに、データマネージャにあるデータをすべて削除します。その後、本ト

レーニング最初に用いた以下のファイルを再度開いてください。このファイル

は ENVI Modelerの操作に使用します。

C:\training\GettingStarted_ENVI5\landsat\ L5108035_03520000

413_MTL.txt (Windowsの場合)

2. レイヤーマネージャから、開いた画像を右クリック → Removeし、画像の表

示を閉じてください。Data Managerにはデータが残ります。

3. ツールボックス → 検索フィールドへ「ENVI」と入力→ ENVI Modelerを選

択し、起動させてください。なお、ENVI Modelerはメニューバー → Display

→ ENVI Modelerから起動することも出来ます。

4. Query All Tasks というウィンドウが表示されます。これは、ENVIの持つ機能

を読み込む処理です。読み込みが完了したら、ENVI Modelerが起動します。

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図 49 ENVI MODELER の起動画面

5. Basic Nodes から Input Parametersを選択します。アイテムはドラッグ&ドロ

ップでウィンドウに追加できます。アイテムの追加はダブルクリックでも可能

です。また、ウィンドウ中のアイテムの削除は右クリック→Deleteで行えま

す。

図 50 INPUT PARAMETERS の配置

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6. つぎに、Basic Nodesから Datasetを選択しウィンドウに貼り付けます。

「Dataset」はウィンドウに貼り付けた時点で Select Typeを確認されます。今

回は Rasterを指定します。

図 51 SELECT TYPE の指定

7. Rasterを選択した後、Data Selectionダイアログが起動します。ラスタの一覧

には、現在データマネージャに登録されているデータが表示されます。ファイ

ル選択ダイアログで、「L5108035_03520000413_MTL_MultiSpectral」を選

択 → <Spatial Subset>をクリックしてください。

図 52 DATA SELECTION の設定

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8. Spatial Subset ダイアログでは、画像の処理範囲を設定します。以下のパラメ

ータを入力し、<OK>をクリックしてください。

Columns: 2162 to 5316 Rows: 4062 to 6396

図 53 DATA SELECTION の SUBSET

9. 処理に必要なアイテムを順次、ウィンドウに貼り付けます。必要なアイテムは

以下の通りです。

・Input Parameters

・View

・Data Manager

・Radiometric Calibration

・Raster Statistics

・Dark Subtraction Correction

「Input Parameters」「View」「Data Manager」は Basic Nodesから、

「Radiometric Calibration」「Raster Statistics」「Dark Subtraction

Correction」は Tasksから選択できます。Tasksについては検索窓から検索が

可能です。また、Filter By Tag によって項目を絞り込むこともできます。

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10. 以下のように配置します。

図 54 各機能の配置図

11. Dark Subtraction Correction の出力部を Viewの入力部、Data Managerの入

力部につなぎます。同じように、Datasetの出力部と Radiometric Calibration

の入力部、Radiometric Calibrationの出力部と Raster Statistics の入力部をつ

なぎます。ここまでの結果は以下のようになります。

図 55 各機能の接続

12. Input Parametersの出力部と Dark Subtraction Correctionの入力部をつなぎ

ます。この際、Connect Parametersというダイアログが表示されます。Input

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Parametersの Add New Inputsと Dark Subtraction Correction の Output

Raster URLをそれぞれ左クリックし、線で結びます。OKで Connect

Parametersを閉じてください。この Input Parameterを設定することで、ユ

ーザが任意の出力先を指定できるよう、処理の途中にダイアログが表示されま

す。

図 56 INPUT PARAMETERS と DARK SUBTRACTION の入出力設定

13. Radiometric Calibrationの出力部と Dark Subtraction Correctionの入力部を

つなぎます。Dark Subtraction Correctionの「設定確認」ボタンを選択し、ど

のような設定になっているかを確認します。現在、Input Rasterには

Radiometric Calibrationの出力が、Output Raster には Input Parametersの

出力がそれぞれ設定されています。Valuesについては、この段階では未記入で

す。

図 57 DARK SUBTRACTION CORRECTION の設定値(途中)

14. Raster Statistics の出力部と Dark Subtraction Correctionの入力部をつなぎま

す。Connect Parametersというダイアログが表示されるので、Raster

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Statistics のMinimumを選択します。選択した段階で、Dark Subtraction

Correctionの未設定項目 Valuesにつながります。OKを押して画面を閉じてく

ださい。

図 58 RASTER STATISTICS と DARK SUBTRACTION の入出力設定

15. Dark Subtraction Correction の「設定確認」ボタンを選択し、どのような設定

になっているかを再度確認します。Valuesに Raster Statistics の出力が設定さ

れています。この操作は、大気補正の演習で Dark Subtractionツールの

Subtraction Methodを Band Minimumと設定した操作に対応するものです。

図 59 DARK SUBTRACTION CORRECTION の設定値

16. 以上の結果は次のようになります。全ての項目が線でつながっていることを確

認して下さい。

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図 60 ENVI MODELER の完成図

17. 作成したモデルを保存します。画面左上の Saveボタンを選択し、

C:¥Training¥outputの中に任意の名前で保存します(デフォルトは

MyModel.modelであり、この演習でもその名前で保存します)。保存すると、

ウィンドウのタブが UntitledからMyModelに変更されます。

18. Runボタンを押し、ENVI Modelerを起動します。Input Parametersが読み込

まれ、Input Parameters ダイアログが起動します。ここでは出力を指定します

ので C:¥Training¥outputにmodel_dark.datの名前で保存します。

図 61 INPUT PARAMETERS の設定(実行時)

19. OKを押して処理を進めます。Dark Subtraction Correctionの出力部が View

および Deta Managerの入力部に接続されているので、実行結果が ENVIに表

示され、データマネージャにも登録されます。処理結果を確認してください。

20. 作成したモデルに機能を追加します。Tasksの検索窓にから「Spectral」と検

索し、結果のなかから「Spectral Index」をウィンドウに追加します。

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21. Input Parametersと Dark Subtraction Correction を結ぶ線を選択し右クリッ

クを押して Deleteを選択します。この操作によってアイテムの接続が解除され

ます。

22. Input Parametersの出力部と Spectral Indexの入力部をつないでください。

Connect Parameters ダイアログが起動するので、Indexと Output Raster

URLを選択し、実行時にこれら 2つのパラメータを設定できるようにします。

図 62 INPUT PARAMETERS と SPECTRAL INDEX の入出力設定

23. Dark Subtraction Correctionの出力部と Spectral Indexの入力部をつなぎま

す。Spectral Indexの「設定確認」ボタンを選択し、以下のように設定されて

いることを確認して OKボタンで閉じます。

Input Raster : (Dark Subtraction Correctionの出力)

Index : (Input Parametersの設定値)

Output Raster : (Input Parametersの設定値)

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図 63 SPECTRAL INDEX の設定

24. Spectral Indexの出力部と Viewおよび Deta Managerの入力部をつなぎま

す。図のように、すべてのアイテムがつながっていることを確認してくださ

い。

図 64 SPECTRAL INDEX の追加

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25. Runボタンを押し、ENVI Modelerを起動します。Input Parametersが読み込

まれ、ダイアログが起動します。Indexには NDVIを、Output Raster URLに

は C:¥Training¥output¥model_ndvi.datを設定し OKボタンを押して処理を

先に進めます。

図 65 INPUT PARAMETERS の設定(実行時その 2)

26. 出力結果がビューに表示されます。レイヤーマネージャ → グレイスケール画

像の「model_ndvi.dat」を右クリック → Change Color Table → Rainbowを

選択します。NDVIの高い箇所が赤く表示されていることが確認できます

(Cursor Valueツールで値を確認してください)。

図 66 NDVI の算出結果

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27. 作成したモデルを SAVEボタンで上書き保存し、ENVI Modelerを閉じてくだ

さい。

【補足】

レイヤーマネージャの中に DarkSubtractionから始まる長い名前のファイルが確認で

きます。これは、Dark Subtraction Correction の出力ラスタです。ENVIでは、Output

Rasterの名称を設定しない場合には自動でファイル名が設定されます。そのファイル

は中間ファイルとして、Preferenceで設定した出力先に出力されます。

IDL のコードおよび EXTENSIONへの出力

【説明】

ENVI Modelerで作成した処理は IDLのコードに変換できるほか、ENVIの拡張機能

としてツールボックスに登録することが出来ます。この操作で生成されるファイル

は、SAVE形式という IDLの実行ファイルです。出力先は Preferenceで指定した拡

張ファイルディレクトリで、その結果が ENVIツールボックスに反映されます。

【操作】

1. ENVI Modelerを起動します。

2. メニューバーの Fileから Openを選択し、先ほど作成した「MyModel.model」を

開きます。

3. メニューバーの Codeから Generate IDL Program を選択します。

4. IDLのソースコードが出力されます。こちらから Runを選択して実行することや

IDLのソースプログラムとして保存することも可能です。

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図 67 GENERATE IDL PROGRAM

5. Create Extensionボタンを選択しダイアログを表示します。Extension Nameで

はツールバーの Extensions配下に登録される名称が、Locationでは生成される

SAVEファイルの保存先が、それぞれ指定できます(Locationは管理者権限で

ENVIを起動している場合にはインストールディレクトリの extensionsフォルダ

が、一般ユーザでは Preferenceで設定された拡張ファイルディレクトリが自動で

設定されます)。

図 68 CREATE ENVI EXTENSION

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6. OKボタンを押すと SAVEファイルが生成されます。正常に生成された場合、メ

ッセージが出力されます。ENVI Modelerを閉じてください。

7. ENVIツールバーの Extensionsフォルダに先ほど作成したファイルが追加されて

いることを確認してください。こちらから作成した機能を実行することが出来ま

す。

図 69 EXTENSIONS フォルダへの機能追加

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【補足】

拡張機能として ENVIに反映される SAVEファイルの配置フォルダは以下の通りで

す。デフォルトの設定では、インストールディレクトリの extensionsディレクトリへ

保存してください。

インストールディレクトリの extensions ディレクトリ

Preferences設定で指定した拡張ファイルディレクトリ

ENVI_EXTENSIONS環境変数で設定したディレクトリ

拡張機能の紹介

Harris Geospatial で作成した ENVIの拡張機能をご紹介します。これら機能の入

手方法や詳細については、本書 11ページの「Harris Geospatialお問い合わせ先」に

ご連絡ください。

1. Get GSI-MAP: 国土地理院のマップ読み込みツールです。ラスタの地理情報を

利用して、対応する場所の地図を取得します。地図の表示にはインターネット

への接続が必要です。

図 70. GSI-MAP

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2. GSI-DEM Importer:国土地理院の DEM(基盤地図情報数値標高モデル:

JPGIS(GML)形式)を複数枚結合し、ラスタ形式で ENVIに出力するツールで

す。

図 71. GSI-DEM IMPORTER

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APPENDIX A: INTERLEAVE について

Interleaveとはマルチバンド画像のデータの保存法を表しています。Interleaveには、

Band Sequential (BSQ)、Band Interleaved by Line (BIL)、Band Interleaved by Pixel

(BIP)の 3種類あります。図 72のようにマルチバンドを箱のように想定しても、コン

ピュータのメモリでの画像は連続するバイトの列です。格納法は、マルチバンド画像

ではこのバイト列がどのようにメモリ内で配列しているかを示しています。

BSQの画像では、バイト列はバンド毎に全体画像が連続的に配置されています。よっ

て、画像のバンドはメモリ上では隣同士に存在することになり、空間データの読み込

みが高速になります。BSQとは逆に BIPでは、スペクトル情報が隣接してメモリに保

存されています。BIPではスペクトル情報へのアクセスは高速になりますが、空間情

報へのアクセスは遅くなります。 BILは 2つの格納法の中間を取ります。図 72のダ

イアグラムを参照してください。

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図 72: INTERLEAVE(BSQ、BIL、BIP)

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APPENDIX B: 分類法の特徴

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APPENDIX C: 幾何補正

画像処理の基本となる、幾何補正のツールをご紹介します。二枚の画像を比較する場

合など、微妙なズレが発生する場合がありますが、本処理を行うことで、画像をマッ

チングさせることが可能です。

ENVI5では、Image Registration(幾何補正)の機能がワークフロー形式で提供されてお

り、自動でタイポイントを作成することができます。

本 Appendixでは、差分抽出の章で使用した二枚の画像を使用し、操作説明を行いま

す。

【操作】

1. ツールボックス → 検索フィールドへ「regi」と入力してください → Image

Registration Workflowを選択し、起動させてください。

2. ファイルの選択ダイアログでは、Base Image Fileへ

「yamanashi_1996_dark.img」を選択し、Warp Image Fileへ

「yamanashi_dark.dat」を選択してください。

3. Tie Points Generationダイアログでは、各パラメータを設定します。以下のパ

ラメータを設定し、<Next>をクリックしてください。

Maximum Allowable Error Per Tie Point: 0.8

Page 92: Harris Geospatial...3 ・ワークフローによる画像処理 教師付分類、教師なし分類、差分抽出、分類画像に対しての差分抽出、幾何補正、 特異点抽出、可視域解析のワークフローを提供しています。ワークフローでは、ダ

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図 73. タイポイント生成パラメータ設定ダイアログ

※Seed Tie Pointsタブでは手動で Seed Point(基準となるポイント)を作成す

ることもできます。自動でのタイポイントがうまくいかない場合は、Seed

Tie Pointを作成することもできます。

4. このステップでは、生成されたタイポイントの確認を行います。「Show

Table」ボタンをクリックし、RMSエラーを確認してください。設定したエラ

ー値より値が高いポイントは取得されません。

「Switch To Warp」ボタンで、画像を切り替えてタイポイントの確認後、

<Next>をクリックしてください。

Page 93: Harris Geospatial...3 ・ワークフローによる画像処理 教師付分類、教師なし分類、差分抽出、分類画像に対しての差分抽出、幾何補正、 特異点抽出、可視域解析のワークフローを提供しています。ワークフローでは、ダ

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図 74. タイポイントの確認

5. Exportダイアログでは、処理結果のラスタ画像及びタイポイントのテキストデ

ータの出力先を指定します。チェックがついているものは出力されます。

出力先と出力名を確認後、<Finish>をクリックしてください。

Export Warp Image:

C:¥training¥output¥yamanashi_dark_warp.dat

Export Tie Pointes to ASCII:

C:¥training¥output¥yamanashi_dark_1996_tie.pts

6. レイヤーマネージャへファイルが出力されたことを確認してください。


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