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HOPE - 海上技術安全研究所...HOPEは毎年、大きく進化するプログラムです...

Date post: 31-Oct-2020
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海上技術安全研究所 海運・造船業界を取り巻く実海域性能評価気運の高まり H O PE 実海域性能評価プロジェクトチーム プロジェクト長 佐々木紀幸
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海上技術安全研究所

海運・造船業界を取り巻く実海域性能評価気運の高まり

HOPE実海域性能評価プロジェクトチーム

プロジェクト長

佐々木紀幸

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海上技術安全研究所

C重油(バンカーオイル)価格推移

¥45,000/KL

¥15,000/KL

海運業界も原油高の波は高く…

C重油価格は94年ごろから1キロリットルあたりから約1万5000円で推移していたが、それが00年後半までに1キロリットルあたり2万5000円近くに到達。その後も燃料油価格はじりじりと上昇を続け、昨年後半には3万円まで高騰。業界ではキロリットルあたり2万円以上が“高値”と言われており、燃料油価格が1000円上がると概算で例えば長距離フェリー業界だけで全体のコスト負担額は年間約10億円アップすると言われている。

カーゴニュース 第3410号

http://www.cargo-news.co.jp/

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海上技術安全研究所

TOPICS

船会社に聞いてみましたいまのHOPEこれからのHOPE

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海上技術安全研究所

船社ヒアリング結果

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海上技術安全研究所

最近の船は馬力が小さくなり太ってきている。同じパナマックスでも実海域での差が出てきている。要目くらいでは分からないかもしれないが調べたい。

20

25

30

35

40

45

FOC(ton/day)

A造船所 B造船所 C造船所 D造船所 E造船所

FOC(同一排水量に修正)イメージ

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海上技術安全研究所

これまで平水中性能が良いのがいい船だったがこれからは実海域となると、設計ポイントが変わり、平水中性能での最適設計を行っている造船所の抵抗があるだろうと思う。

波浪中の主機燃料消費量(15.4kts)

50

55

60

65

FOC

[ton

/day

]

45

50

55

B

-6 -4 -2LCB

FOC646362616059585756555453

Calc. Cond.DW, LOA Constant

Hw = 3.0m

Hw = 0.0m

⊿FOC = ⊿FOC(⊿Ps) +⊿FOC(⊿FOCR)

LCB

HOPE

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海上技術安全研究所

はっきりと燃費が良いと分かれば、造船所にエクストラを払える。それがペイするかどうかが問題。

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海上技術安全研究所

実海域で平水中と大きく異なるのは、コンテナ船が顕著。PCCは風の影響が大きい。

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海上技術安全研究所

韓国LNG船の満載試運転結果

Speed Trial Results of 141000M3 LNG

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海上技術安全研究所省エネ装置の評価

現時点で海技研にどのような解析ツールがあるのかの確認と、それらを用いた実運航データとの比較を早く行ってほしい。省エネ付加物の評価法は緊急課題である。

省エネ装置の付いた船、付かない船で実船性能の比較をしたが、数パーセントの差はでなかった。つまり効果はわからない。効いていると信じるしかない。

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海上技術安全研究所

実船の燃費比較を行っているが、軸馬力を直接計測できる装置がなく、実際には燃料消費量から間接的に求めており、本当に正しい燃費比較ができているかが気になっている。このような基礎的な計測技術も大事である。

燃料

制動馬力スラスト馬力

伝達馬力

主機情報:LI, T/C rpm, Pmax etc.

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海上技術安全研究所

水槽試験

我々なりにも(実運航データを)分析している。たしかに造船所間で実海域性能に優劣がある。実海域の性能差が模型試験でもきちんと出るのか?

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海上技術安全研究所

TOPICS

船会社に聞いてみましたいまのHOPEこれからのHOPE

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海上技術安全研究所HOPE エネルギー損失の計算例(平水中)

28万トンVLCCの例(15kts) 大型コンテナ船の例(25kts)

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

14000

16000

18000

20000

DHP Rv Rw ⊿T ⊿Prop

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

40000

45000

DHP Rv Rw ⊿T ⊿Prop

Kw

72%

3%14% 12%

全体

粘性

造波

推力減少 推進

54%

19%14%

12%

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海上技術安全研究所海技研開発:要目最適化システム

Frame Line Factor – LCB – EHP

( Lpp= 250m, B=44m, Displt.=107,500MT)

U型

10

11000

12000

13000

14000

E HP

0.5

1

-6-4

-2

HOPE

V型

船体抵抗から見た最適値はK=0.18,LCB=-4

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海上技術安全研究所

0.5

0.6

0.7

0.8

Om

Ws

0.2

0.3

0.4

K

-6

-4

-2

LCB

1-wts

自航要素と推進効率の変化

1-t

0.7

0.75

0.8

Om

T m

0.20.3

0.4 K

-6

-4

-2

LCB

0.52

0.54

0.56

0.58

0.6

0.62

Et a

o

0.20.3

0.4 K

-6

-4

-2LCB

η0

0.5

0.6

Eta

0.2

0.3

0.4

K-6

-5

-4

-3

-2

LCB

推進効率

10000

11000

12000

13000

14000

EHP

00.51 FLF

-6-4

-2LCB

×

有効馬力(抵抗)

= 伝達馬力

推力減少率 伴流係数 プロペラ効率

HOPE

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海上技術安全研究所

18000

20000

BH

P

0.20.3

0.4 K

-6-5

-4-3

-2

LCB

1800020000

BHP

0.2

0.3

0.4

K

-6

-5

-4

-3

-2

LCB

K – LCB – BHP ( Lpp= 250m, B=44m, Displt.=107,500MT)

K=0.32, LCB=-3.8%Lpp

V型

U型

海技研開発:要目最適化システム

HOPE

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海上技術安全研究所波浪中の主機燃料消費量(15.4kts)

LCB

-4.5-4-3.5-3-2.5-2-1.5-1

K

0.2

0.3

0.4

F OC

424446485052

FOC52.551.550.549.548.547.546.545.544.543.542.541.540.5

LCB-4.5-4-3.5-3-2.5-2-1.5-1

K0.2

0.3

0.4

FOC

wav

424446485052

FOCwav52.551.550.549.548.547.546.545.544.543.542.541.540.5Hw=3mで最適化

LCB=-3.8Lpp

LCB=-2.8Lpp

2.5ton/day

平水中で最適化

HOPE

⊿FOC = ⊿FOC(⊿Ps) +⊿FOC(⊿FOCR)

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海上技術安全研究所

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海上技術安全研究所

前方ダクト型省エネ装置

SSD (Universal) SILD (Sumitomo )

1. 船体抵抗の軽減・・・・3次元剥離防止

2. ダクトの推力発生

3. ビルジ渦の誘導による伴流利得

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海上技術安全研究所

Scale effect on SILD Performance

-0.01

0.00

0.01

0.02

0.03

0.02 0.04 0.06

Δw

Δ(1-t)

Small Model

Large Model

SHIP

前方ダクト型省エネ装置の尺度影響

2mモデル

8mモデル

250m 6-7%改善(12隻平均)

4-5%改善

1-2%改善

推力減少率がスケールとともに改善されるのは、ダクトの翼断面抗力係数が尺度影響を受けているためと推測される

HOPE

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海上技術安全研究所

海のテンモードプロジェクト

・総額、1.5-2億の大型プロジェクト

・実海域性能の徹底的な解明

・建造前のテンモード指標の提案

・ユーザー支援ツールの開発

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海上技術安全研究所

ハイブリッド評価技術

① 実海域性能評価技術の開発

海の10モード性能評価指標の確立

③海の10モード性能評価指標の検証

各種水槽試験、シミュレーション計算、及びデータベースの組み合わせにより、風・波・流れの共存する実海域での船舶の総合的な運航性能の評価を可能とするハイブリッド評価技術を開発

波浪中試験 シミュレーション計算

省エネルギー装置評価試験 データベース

実海域性能評価(速力低下)船速

波高平水中の性能(従来の評価)

速力低下波高=0m A船

B船

② 海の10モード評価性能指標の開発

実海域性能の総合的な運航性能を定量的に示すことを可能とする10モード性能評価指標を開発-代表的な海象、運航状況を設定(10モード)

指標の信頼性、客観性及び公平性を担保するため、指標及び指標を得るプロセスの基準化、並びにその認証技術を開発-認証ガイドライン・評価プログラムの開発

実船による海の10モード性能評価指標の精度の検証-各種船型による検証ハイブリッド評価技術へのフィードバック

0

5

10mode 1

mode 2

mode 3

mode 4

mode 5

mode 6

mode 7

mode 8

mode 9

mode 10

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海上技術安全研究所運航実態調査(守秘義務・契約ベース)

Vs

FOC

Trial

主機特性

プロペラ特性

軸馬力

自航要素

船体抵抗

改善策

改善策

改善策

改善策

支援ツールへ

船体・プロペラ汚損

燃料性状

ノイズ

HOPE

DATA BASE

• Date

• Position

• Wind

• Ave. Speed (Log,O.G.)

• RPM

• FOC

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海上技術安全研究所

HOPE

海技研が実施中の要素技術開発例

1.低振動・高効率プロペラの開発

2.当て舵抵抗の小さい舵形状の研究

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海上技術安全研究所

-1000

-500

0

500

1000

∆ P [k

gf /

m2 ]

360300240180120600

θ [deg]

Ship Model ( FL-II, PS-1. Case3, Sn = 1.878 )

図32 LDVによるプロペラ作動流場の計測

原型プロペラの変動圧力の再現

図8 圧力計配置図

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海上技術安全研究所

HOPE プロペラ変動圧力の改善

0.000

0.010

0.020

0.030

0.040

0.050

0.060

0.070

0.080

0.090

1.00 2.00 3.00 4.00 5.00

Sn

KP6 [-]

Kpexp_PS2

Kptrail_0.9R

kpno.627

●:実船計測(Sn0.9R)●:模型船計測(Fl-II, PS-2)●:模型船計測(5翼, Fl-II, PS-2)

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海上技術安全研究所HOPE

⊿P4Kpa

ηo6%

低振動高効率プロペラ

プロペラ効率

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海上技術安全研究所

HOPEは毎年、大きく進化するプログラムです

線図CADとのリンク

H20

H19

実船省エネ装置

GUI強化

VOCの反映

ユーザー会議・ユーザー訪問

(年各1回)

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海上技術安全研究所

ご清聴ありがとうございました。

海技研は「研究成果の実用化と普及」に重点的に取り組んでいます


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