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ISO13485体制 の構築QMS構築とISO13485認証取得の経緯概要 2011 年8月...

Date post: 13-Jun-2020
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信頼性保証体制 ISO13485 体制 構築 国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター 稲垣 悦子 2016/1/21 第3回MeDICIシンポジウム 国立循環器病研究センターにおける
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Page 1: ISO13485体制 の構築QMS構築とISO13485認証取得の経緯概要 2011 年8月 早期・探索的臨床試験拠点整備事業(MeDICI project)開始 ・研究開発・臨床治験・製品化をワンストップで実

信頼性保証体制ISO13485体制

の構築

国立循環器病研究センター研究開発基盤センター

稲垣 悦子

2016/1/21第3回MeDICIシンポジウム

国立循環器病研究センターにおける

Page 2: ISO13485体制 の構築QMS構築とISO13485認証取得の経緯概要 2011 年8月 早期・探索的臨床試験拠点整備事業(MeDICI project)開始 ・研究開発・臨床治験・製品化をワンストップで実

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早期・探索的臨床試験拠点整備事業• 2011年度に全国で5拠点選定• 5拠点のうち、国循だけが「医療機器開発拠点」• 国内開発の現状が医薬品と大きく異なるため、単に「そこにあるシーズ」を開発するだけでなく、医療機器の革新的開発が促進するための環境整備を目指すこととした

“Medical Device Innovation Circumstances Improvement Project”

略して

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医療機器と医薬品の違い(開発の観点から)

原材料

非臨床試験

承認申請

販 売

開発品特定

設計開発

デザイン

臨床評価

改善・改良

文 献 臨床経験

(治験)

設計管理創薬標的

化合物同定

最適化研究

非臨床試験

治験

承認申請

販 売

PDCAサイクル

市場ニーズ意図した用途

改良・改善

市販後の臨床評価

医療機器製造・販売

Action Plan

DoCheck

医 薬 品 医 療 機 器製品の構成 天然物質、化合物(主剤は通常1物質) 多くの材料と多様な技術を組合せた工業品作用機序 化学的、生物学(薬理学)的作用 物理的作用等、明らかなものが多い使用上の留意点 投与の用法及び用量 操作方法の習得開発の原点 病因究明から物質創製 主として医療の現場のニーズから製品をデザイン開発手法 スクリーニング デザインコントロール

非臨床試験、臨床試験段階でのドロップアウトもあり 開発途中で素材・技術の部分的な変更あり

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ハイリスク医療機器能動機器

血管内用機器

構造:多種多様な部材、組合せ技術(システム)、外部エネルギーの供給使用者:トレーニングが必要(医師、看護師、臨床工学師、患者)

使用環境:手術場で埋込み⇒病棟⇒在宅へ

設計開発をより複雑にする要因例埋込み機器

開発のマネジメント(Design Control)の必要性日本:設計開発の管理を要する医療機器・米国:FDA設計管理ガイダンス

欧州:ISO13485 7.3設計開発

• 医療機器の設計・開発から製造・販売まで含む国際的な管理手法(世界的なスタンダード)

• ヨーロッパ、カナダ、韓国、台湾、オーストラリアなど多くの国で医療機器の法規制上の要求事項として採用、日本の薬事上の規制、USの規制(QSR)もこれをベースとしている

• ISO13485の認証は、世界の医療機器市場へ参入する際のパスポートとして欠かせない

ISO13485とは?

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医療機器開発プロセス

設計審査 : 1回目(設計の妥当性)

(データ未取得: □)(データ取得済: ■)

アウトプットがインプットを満たしていることを客観的証拠で確認品質記録(報告書、議事録、メモなど)

探 索 開 発 治 験 承認申請・審査 製 造 販 売

コンセプト検証材料検索プロト設計

設 計プロト製作予備安全性試験有用性確認

データ取得

信頼性保証(GLP) GCP

GQPGVP, GPSP

承認取得

開発開始

設計・開発

プロジェクトファイル保管

治験届

IRB2回目(臨床への判断)

3回目(申請への判断)

・開発計画書・進捗表・製品要求仕様書・設計仕様書・リスクマネジメント報告書・データパッケージ

品質マネジメントシステム(ISO13485)

□□□□

項目 ■□□■

リスクマネジメント(ISO14971)

■■□■

■■■■

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医療機器製造

治験・薬事申請等

販売

基礎研究

従来のアカデミア発医療機器の製品化プロセス

応用研究・設計開発

基礎研究

非臨床試験

設計開発

非臨床試験

“出口”企業(医療機器製造業・製造販売業等)

アカデミア

エビデンスが整えられていないとココから検証しなけ

ればならない

“製品化”を意識していても医療機器として要求されることの洗い出しが充分ではない

“薬事申請”を意識していないので、信頼性保証のためのデータ管理は行っていない

“薬事申請”のための非臨床試験(信頼性保証付)の実施

設計開発過程におけるデータ・資料などがエビデンスとして蓄積されていない

*

*:PMDAホームページ「薬事戦略相談」より

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非臨床試験の信頼性保証

• 機器の『性能を裏付ける試験』『効能を裏付ける試験』『使用方法を裏付ける試験』として動物を使用して試験する場合が多い

• 大型動物の実験や病態モデルの開発等、特殊な要望に対応可能なCROは少ない

• 革新的機器であればあるほど、非臨床試験の「外注」が困難⇒アカデミアで実施

• 臨床に入る前の判断として重要=承認審査でも重要、品質管理と信頼性保証が必要

革新的な医療機器開発における動物実験

新薬開発におけるフェーズⅠ、Ⅱ=

信頼性保証付の非臨床試験の実施体制を整備

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当センターにて作成・収集されるデータ等の信頼性を保証するためのシステムを整備

薬事申請資料の信頼性の基準

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医療機器の品質マネジメントシステム(ISO13485)導入の意義

1.法的要求事項のクリアISO13485は医療機器の設計・開発から製造・販売まで含む国際的な管理手法(世界的なスタンダード)、多くの国(日本、米国)の法規制上の要求事項として採用の規制

2.コミュニケーションツール医療機器の品質マネジメントシステムを導入することにより業務を標準化し、企業への技術移転をスムーズに行うことができる。

3.リスクの軽減医療機器の規制には多くの要求事項があるが、医療機器の品質マネジメントシステムを導入することにより、要求事項を満たしているかのチェック機能が働き問題点が発見されやすくなり、リスクの軽減につながる。

第三者認証機関による認証取得により、医療機器開発の品質マネジメントシステムを有していることを対外的に示せる。

リスクマネジメントに基づいた開発手法により国循が開発した医療機器の安全性・有効性に関するエビデンスが整理され、企業への技術移転がスムーズになる。 研究開発基盤センター

病 院

研究所

創薬オミックス解析センター

国立循環器病研究センター

NCVCバイオバンク

循環器病統合情報センター

【管理監督者】Top Management

(先進医工学部門長) 【管理;知的資産部】Management Rep.

(知的資産部室長)【設計開発;人工臓器部】

ISO13485体制

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連携妥当性確認

設計移管

設計開発 補助循環システムの設計開発と非臨床試験をScopeとするISO13485(医療機器品質マネジメントシステム)を取得

医療機器製造

治験・薬事申請等

販売“出口”企業(医療機器製造業・製造販売業等)

国立循環器病研究センター

臨床ニーズ探索,基礎研究,開発計画,試作,設計検証,リスクマネジメント

臨床評価デザインレビュー

ISO13485の整備・運用による設計開発の系統化によって

企業へ早期に技術移転!

基礎研究

病院・研究所・基盤センターとの三位一体によるサイエンスの強化

ワンストップで医療機器の製品化へ

ものづくり企業新規参入企業大阪商工会議所

等アライアンス機関

PMDA

阪大インキュベーション

ハブ

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設計審査 : 1回目(設計の妥当性)

(データ未取得: □)(データ取得済: ■)

□□□□

項目■□□■

リスクマネジメント(ISO14971)

アウトプットがインプットを満たしていることを客観的証拠で確認品質記録(報告書、議事録、メモなど)

探 索 開 発 治 験 承認申請審査 製 造 販 売

コンセプト検証材料検索プロト設計

設 計プロト製作予備安全性試験有用性確認

データ取得

承認取得

開発開始

品質マネジメントシステム(ISO13485)

設計・開発

■■□■

■■■■

プロジェクトファイル保管

治験届

IRB

2回目(臨床への判断)

3回目(申請への判断)

医療機器開発プロセス

アカデミアのシーズ開発

企業による製品化

・開発計画書・進捗表・製品要求仕様書・設計仕様書・リスクマネジメント報告書・データパッケージ

製品開発

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QMS構築とISO13485認証取得の経緯概要

2011年8月

早期・探索的臨床試験拠点整備事業(MeDICIproject)開始

・ 研究開発・臨床治験・製品化をワンストップで実施する医療機器開発基盤の整備を目的とする

~2013年

品質マネジメント体制(QMS)の構築に必要な人材の雇用

・ 薬事専門家、プロジェクトマネージメント担当医師、IT技術者、品質管理担当者、実務担当者等

2013年~2014年2

月頃

基礎調査検討

・ 体制検討・業務内容検討(“企業向け”資料・手順の“アカデミア向け”への転換・翻訳)・実施計画立案

2014年3月~2014年9

月頃

必要な体制及び手順書等の整備

・ 各種規定(設計開発管理規定、リスクマネジメント規定、文書記録管理規定、教育訓練規定等)、文書・記録類の整備

・ 教育訓練(国循内での関連知識普及と品質管理意識の徹底)

~2015年3月頃

品質マネジメントシステムの運用訓練

・ プロセスの実施(マネジメントレビュー、デザイン

レビュー、設計管理)・ 内部監査

2014年12月~

2015年8月

第三者認証機関によるISO13485認証の監査段階

・ ULによるPre-assessment(2015年1月)・ ULによる第一段階審査(2015年6月)・ ULによる第二段階審査(2015年7月)・ 認証取得(2015年8月27日)

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Scope:Design and development of mechanical

circulatory support systems. Design and implementation of preclinical research studies for

mechanical circulatory support systems.

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国立循環器病研究センター医療機器開発を促進するための環境整備

国循で取得した非臨床試験のデータが薬事添付資料として使用できるように信頼性保証体制を整備した。

医療機器においては設計開発段階からリスクマネジメントを含む品質マネジメントが必要であり、医療機器の設計開発を行うアカデミアもその体制を整備することによって企業への技術導出をシームレスにする。

⇒医療機器の設計開発管理におけるISO13485の認証取得(アカデミアでは本邦初)

単なる医療機器の要素技術の導出ではなく、医療機器ユーザーである医療の現場参加型のリスクマネジメントを実施、設計開発した製品の導出を可能とする(“出口戦略”を伴った製品化のための開発をアカデミアにおいて実現するプラットフォームの形成)。

出口戦略を実現するプラットフォームは医療機器業界へ新規参入しようとする企業における製品化の早期実現を可能とする。

⇒医療機器新規参入企業のインキュベーション

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最先端の、その先へ。

ご清聴ありがとうございました

本体制構築にあたり、ご助言、ご支援、ご協力いただいた全ての方に感謝申し上げます


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