JAあわじ島
今月は
JAグループ兵庫が自己改革として取り組む「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」の事例を紹介します。
©令和元年年7月1日発行 通巻1354号
編集兼発行人
昭和24年4月7日第三種郵便物承認 兵
庫県農業協同組合中央会 専務理事 浜田 充
〒650-0024 神戸市中央区海岸通1番地
☎078-333-5870 http:
//ja-grp-hyogo.ja-hyoinf.jp/制作協力 株式会社神戸新聞総合印刷
定価300円 購読料は賦課金に含まれています。
JAあわじ島は、新たな施設・設備の導入により、ブランド野菜「淡路島たまねぎ」の生産維持・拡大に取り組んでいる。
◯農産物契約取引の実施と販路拡大
実践!実践!
根切葉切機で根と葉を調整
選果機ロボットパレタイザーにて自動積み付け
選果台にて手作業選果
JAでは、平成29年の春から「タマネギ乾燥冷蔵施
設」を導入。この施設は、北阿万センター内にあり、機械
化により収穫後の一連の作業を、従来に比べ少ない負
担かつ効率的に行っている。タマネギの収穫から出荷ま
での作業は、手作業かつ負担の大きい作業が多いた
め、南あわじ市内の高齢化した農家にとって大きな課題
となっており、作付面積は10年前から減少傾向にある。
そこで、地域の農業を守るため、JAが国庫補助の産地
パワーアップ事業を活用し、同施設を導入した。
農業者の所得増大
◯タマネギ乾燥冷蔵施設の設置◯出荷作業の省力化(無包装レタス等)
農業生産の拡大
◯収穫体験や出前授業による食農教育の実施
地域の活性化
存も可能で、市場価格の動向を踏まえながら、任意の時期
まで保存できる。安定的な通年出荷を実現し、農業者の所
得向上に貢献している。
乾燥や貯蔵段階など、どこの段階から施設に持ち込む
のかを組合員が選択でき、ニーズに柔軟に対応することが
できるのも特長の一つ。今年度は、昨年度の約1.2倍に当
たる計4,500トンの出荷申し込みが組合員から見込まれて
おり、期待の高さがうかがえる。
同施設では、組合員が収穫後の根付葉付タマネギを鉄コ
ンテナにて持ち込んだ後、乾燥・根切葉切調整・選果・出荷ま
でを行う。乾燥段階では、作業の手間と時間を従来から大幅
に短縮。タマネギ乾燥施設は、鉄コンテナ内へ強制的に通風
乾燥を行うことにより、約1週間ほどで均一に乾燥させること
が可能となった。また、併設している冷蔵設備では、適切な貯
蔵環境を整えることで、温度・湿度管理の難しいタマネギの
品質を安定させ、貯蔵病害を防ぐ。品質を保ちながら長期保
組合員学習活動を進めよう特集
JAあわじ島は、農家の作業負担軽減と、「淡路島たまねぎ」の安定的な出荷のために、「タマネギ乾燥冷蔵施設」を設置しています。
今月の表紙
詳細は裏表紙へ
実践!実践!
昭和24年4月7日 第三種郵便物承認 令和元年8月1日発行(毎月1回1日発行)通巻1354号
2019AUGUST
K Y O D O
食料・農業・農村基本計画の
見直しに当たって
この基本計画は、食料・農業・農村基本法に基
づき、食料・農業・農村に関し、政府が中長期的に
取り組むべき方針を定めたもので、情勢変化等
を踏まえ、おおむね5年ごとに変更することとさ
れている。4回目の見直しに当たり、農林水産省
では、秋に諮問される予定の基本計画見直しに
向けて、政策審議会企画部会が開催されている。
同部会では、品目別に農業者ヒアリングが行われ
てきたが、この夏以降に論点整理され議論が進ん
でいくと想定される。
基本計画は、国の農業政策の根幹となる計画
だけに、次の3つの観点から現状や現場を見据
え、しっかりとした議論を望みたい。
1.食料安全保障と食料自給率
将来的な世界の食料需給に不安定要素が存
在する中で、JAグループでは、食料安全保障の
確立と食料自給率の向上等を強く求めてい
る。各国との貿易協定が相次ぎ農産物の関税
が引き下げられる中、輸入農産物がますます押
し寄せ、国内生産が減少することが想定され
る。食料自給率目標が単なる絵に描いた餅で
あってはならない。いまカロリーベースで38%とさ
れる食料自給率を引き上げるために、国は基本
計画の中できちんと道筋を示すべきだ。
2.農業の担い手
安倍政権の下、国の政策は「農業の成長産業化・
競争力強化」が大きな柱になっている。もとより
産業政策の一環で、農業を基幹産業として育成
していくことは大切なことだが、ここ3年ほど農
業総産出額が9千億円伸び、輸出も1兆円近く
まで伸びているからといって手放しで喜べる話で
はない。いま必要なのは高齢化等により弱体化し
ている生産基盤の構造を足元からどのように立
て直していくかである。
大規模経営体を引き続き育成するとともに、
家族農業も含めた多様な担い手の必要性を基本
計画に明確に位置付けて育成しなければ、将来
的に成り立たないのではないか。
3.農村の振興・活性化
平地・中間・山間の各農業地域では都市的地域に
先行して高齢化と生産年齢人口の減少が進行して
いる。そのような中、中山間地域は人口の1割、農
地面積・農業産出額の4割を占め、食料生産・多面
的機能の発揮等で重要な役割を果たしている。
現状からすれば、農村の振興・活性化に向けた地
域政策をさらに進める必要があるが、基本計画の
中でも「競争」重視の考え方から「協同=相互扶
助」の考え方をより重視していくべきではないか。
作物は、大地に根を張れば強くなる。
「強い」農業とは、時々の「勝ち組」「負け組」の農業
ではなく、大地に根差した生産基盤を持つ農業=
「根強い」農業であることをここに記しておきたい。
営農支援部長
松坂
佳寿也
JAグループ兵庫2019AUGUST
本誌は、JAグループ兵庫ホームページの役職員専用ページでもご覧になれます。
主 張
協同 AUGUST 2019
CONTENTS
実践!自己改革
JAあわじ島
裏表紙
兵庫JCC通信
生協連/漁連/協同組合コラム
主張
食料・農業・農村基本計画の
見直しに当たって
営農支援部長
松坂
佳寿也
協同ゼミナール
日本協同組合学会
会長
田中夏子
もっとも大変で、
もっとも脆弱なところから
経営相談部
特集
組合員学習活動を進めよう
事業インフォメーション
信連/全農兵庫/共済連兵庫/厚生連
数字で見るJA・農業
JA自己改革の成果について(地域の活性化)
―
JAの活動報告書2018(JA全中)―
15
職場通信
みんなでJAのファンづくり!
JA加古川南
平岡支所
3 協同 AUGUST 2019
JAグループ兵庫は、第34回兵庫県JA
大会において、地域に密着した「共感」でき
る協同活動の展開の具体策として、組合員の
学びの場づくりに取り組むことを決議した。
組合員の世代交代や准組合員の増加による
「わがJA」意識の低下が指摘される中、組
合員が積極的に参加・参画する協同組合と
して発展するためには、組合員学習活動に
着実に取り組んでいくことが不可欠である。
組合員と共に学ぶ姿勢で
活動を進めていこう。
活動が慣例化しないよう、
目的や位置付けを整理して
内容の見直しをしないと
いけないよ。
組合員学習活動は
多彩に展開されているね。
なるほど。
はい!
私たちが、
JAの理念や事業を
伝えていくことも必要ね。
特 集
組合員学習活動を進めよう
経営相談部
JAあわじ島
今月は
JAグループ兵庫が自己改革として取り組む「農業者の所得増大」「農業生産の拡大」「地域の活性化」の事例を紹介します。
©令和元年年7月1日発行 通巻1354号
編集兼発行人
昭和24年4月7日第三種郵便物承認 兵
庫県農業協同組合中央会 専務理事 浜田 充
〒650-0024 神戸市中央区海岸通1番地
☎078-333-5870 http:
//ja-grp-hyogo.ja-hyoinf.jp/制作協力 株式会社神戸新聞総合印刷
定価300円 購読料は賦課金に含まれています。
JAあわじ島は、新たな施設・設備の導入により、ブランド野菜「淡路島たまねぎ」の生産維持・拡大に取り組んでいる。
◯農産物契約取引の実施と販路拡大
実践!実践!
根切葉切機で根と葉を調整
選果機ロボットパレタイザーにて自動積み付け
選果台にて手作業選果
JAでは、平成29年の春から「タマネギ乾燥冷蔵施
設」を導入。この施設は、北阿万センター内にあり、機械
化により収穫後の一連の作業を、従来に比べ少ない負
担かつ効率的に行っている。タマネギの収穫から出荷ま
での作業は、手作業かつ負担の大きい作業が多いた
め、南あわじ市内の高齢化した農家にとって大きな課題
となっており、作付面積は10年前から減少傾向にある。
そこで、地域の農業を守るため、JAが国庫補助の産地
パワーアップ事業を活用し、同施設を導入した。
農業者の所得増大
◯タマネギ乾燥冷蔵施設の設置◯出荷作業の省力化(無包装レタス等)
農業生産の拡大
◯収穫体験や出前授業による食農教育の実施
地域の活性化
存も可能で、市場価格の動向を踏まえながら、任意の時期
まで保存できる。安定的な通年出荷を実現し、農業者の所
得向上に貢献している。
乾燥や貯蔵段階など、どこの段階から施設に持ち込む
のかを組合員が選択でき、ニーズに柔軟に対応することが
できるのも特長の一つ。今年度は、昨年度の約1.2倍に当
たる計4,500トンの出荷申し込みが組合員から見込まれて
おり、期待の高さがうかがえる。
同施設では、組合員が収穫後の根付葉付タマネギを鉄コ
ンテナにて持ち込んだ後、乾燥・根切葉切調整・選果・出荷ま
でを行う。乾燥段階では、作業の手間と時間を従来から大幅
に短縮。タマネギ乾燥施設は、鉄コンテナ内へ強制的に通風
乾燥を行うことにより、約1週間ほどで均一に乾燥させること
が可能となった。また、併設している冷蔵設備では、適切な貯
蔵環境を整えることで、温度・湿度管理の難しいタマネギの
品質を安定させ、貯蔵病害を防ぐ。品質を保ちながら長期保
組合員学習活動を進めよう特集
JAあわじ島は、農家の作業負担軽減と、「淡路島たまねぎ」の安定的な出荷のために、「タマネギ乾燥冷蔵施設」を設置しています。
今月の表紙
詳細は裏表紙へ
実践!実践!
昭和24年4月7日 第三種郵便物承認 令和元年8月1日発行(毎月1回1日発行)通巻1354号
2019AUGUST
K Y O D O