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Oracle Database 11g Release 2 によるITコストの削減...Oracle Database 11g Release...

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Oracle ホワイト・ペーパー 2009 9 Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減
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Page 1: Oracle Database 11g Release 2 によるITコストの削減...Oracle Database 11g Release 2によるIT コストの削減 1 はじめに 業務がより複雑さを増すなかで、IT

Oracle ホワイト・ペーパー

2009 年 9 月

Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

Page 2: Oracle Database 11g Release 2 によるITコストの削減...Oracle Database 11g Release 2によるIT コストの削減 1 はじめに 業務がより複雑さを増すなかで、IT

Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

はじめに..................................................................................................................... 1

ハードウェア・コストを 5 倍削減 ......................................................................... 2

ストレージのコストで 12 倍の削減効果 ............................................................... 4

10 倍のパフォーマンス改善 .................................................................................... 7

可用性の 大化......................................................................................................... 9

セキュリティの 大化 ........................................................................................... 12

DBA および開発者の生産性の倍増化.................................................................. 13

ソフトウェア・ポートフォリオの簡易化 ........................................................... 16

1/4 の時間で、ビジネス価値の獲得 ..................................................................... 17

結論........................................................................................................................... 19

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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はじめに 業務がより複雑さを増すなかで、IT に対する変化の要求は高まりを見せ、関連するリスクの軽減もあわ

せて求められるようになりました。今日の IT プロフェッショナルは、より多くの情報を管理しながら、

その情報をより高いサービス品質でタイムリーにユーザーへ提供することが求められます。さらに、現

在の経済状況下では、予算を削減し、既存の投資からより高い価値を引き出すことが求められています。

受賞歴のある Oracle Database 11g のセカンド・リリースにあたる Oracle Database 11g Release 2 は、IT プロ

フェッショナルがより高いサービス品質でより多くの情報を配信し、予算をさらに効率的に活用しなが

ら、データセンターの変更にともなうリスクを削減するための基盤を提供します。Oracle Database 11g Release 2 をデータ管理基盤として配備することで、企業は世界をリードするデータベースの機能を 大

限に活用して、次のことを実現できます。

• サーバーのコストで 5 倍の削減効果

• ストレージ要件で 12 倍の削減効果

• ミッション・クリティカルなシステムのパフォーマンスで 10 倍の改善効果

• DBA および開発者の生産性において 2 倍の向上効果

• データセンターの無駄な冗長性の排除

• IT ソフトウェアのポートフォリオ全体の簡素化

このホワイト・ペーパーでは、IT プロフェッショナルがこれまで以上に、多くのデータ処理の提供と高

いサービス品質の提供を、さらに低コストで実現するための Oracle Database 11g Release 2 の主な機能を紹

介します。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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ハードウェア・コストを 5 倍削減 「メインフレームから Oracle Real Application Clusters に移行したことにより、年間 500 万ドルを削減することが

できました。」

Senior Director of Platform Services、Eugene Park

PG&E

統合によるハードウェアのコスト削減 近のデータセンターの多くはハードウェアやソフトウェアの寄せ集めであり、長い時間をかけて個々

のビジネス要件を満たすために進化してきました。データセンターは通常、異なるサーバーやストレー

ジ・サイロで構成されており、すべてを統合するための複雑なソフトウェア・ポートフォリオが備えら

れています。

複合型のデータセンター環境には、非常に高い維持費がかかります。IT 予算においてもっとも多くを占

めるコスト( 大約 30%)は、これらの異なるコンポーネントを互いに連携させるため、また各コンポー

ネントがライフ・サイクルを通じて動作し続けるようにするための予算に充てられています。異なるサー

バーやストレージ・サイロを維持することはきわめて非効率的です。多くの場合、各システムには予備

の処理能力やストレージ容量が過剰に割り当てられ、データセンター全体の使用率を大幅に下げる結果

となります。期待されているパフォーマンス、可用性、セキュリティを個別のシステムで管理すること

は、いずれも非効率的でコストがかかります。

この課題を解決するために、企業は、すべての業務アプリケーションで利用可能な共通かつ標準化され

たプラットフォームとして、データ処理とストレージ・インフラストラクチャを仮想的な共有環境に統

合する方法を模索してきました。サーバーとストレージを統合することは、それ自体の経済的規模を削

減することにつながります。Oracle Database は、多くの企業に対し、希望するハ―ドウェアとオペレーティ

ング・システムの統合を支援してきました。さらに、Oracle ソフトウェアは、統合環境の大幅なコモディ

ティ化を可能にすることで、3 倍から 6 倍のハードウェア・コスト削減を実現します。企業は効率的な統

合データセンターを手に入れることができ、コモディティ・ハードウェアの価格/パフォーマンスによる

メリットを引き出すことができます。

コモディティ・ハードウェアのコスト・パフォーマンスの享受 これまで企業は、複数のワークロードを統合するための共有プラットフォームとして、スタンドアロン

の SMP サーバーを使用してきました。Oracle Database 11g Release 2 は、こうした環境においても非常に

適しています。Oracle Database は、SMP 環境において 高のパフォーマンスを提供してきた 20 年間の実

績があり、主要な仮想化機能および LPAR ソフトウェアのすべてをサポートします。さらに、Oracle Database 11g Release 2 では”インスタンス・ケージング”という概念を新たに提供し、データベースが SMP環境内で使用するコアを特定のものに限定することができ、仮想化機能や LPAR ソフトウェアの必要性

は無くなります。

ただし、今でも大規模な SMP サーバーを維持するには高額の費用がかかります。代わりに、Linux など

のオープンソースのオペレーティング・システムが稼働する小さなコモディティ・サーバーであれば、

クラスタ化することで 4~6 倍のコスト削減をおこないながら同様の処理能力やメモリ容量を得ることが

できます。一般的に、コモディティ・ハードウェアは、 新のプロセッサおよびメモリ技術に一番速く

対応します。たとえば、非常に高速な Intel の新チップ Nehalem は、コモディティ・サーバーでのみ利用

でき、より大規模な SMP サーバーで、かつ十分低いコンポーネント単価で利用できるようになるには、

さらに 2~3 年かかります。

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)を活用して、共有コンピューティング環境に統合しながら

コモディティ・ハードウェアの価格/パフォーマンスのメリットを享受することで、IT 企業はインフラス

トラクチャ・コストの削減を開始できるということです。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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低コストのグリッドへの全データ処理の統合 Oracle Database 11g Release 2 のオプションである Oracle Real Application Clusters は、低コストのコモディ

ティ・サーバーをクラスタ化することで、単一の共有データベース・グリッドとして動作させることが

できます。アプリケーションは、変更や再構築することなくグリッド上に配置でき、統合によるメリッ

ト、より高い可用性、より高速なパフォーマンス、そしてオンデマンドの拡張性を得られます。

Oracle Database 11g Release 2 では、共有グリッドに統合された複数のアプリケーションを簡単に管理でき、

グリッド内のリソースを別のサーバー・プールへ割り当てることもできます。たとえば、フロント・オ

フィスのサーバー・プールにノードが割り当てられ、CRM や Web サイトの全データベースが実行されま

す。同様に、バック・オフィスのサーバー・プールは ERP データベースが割り当てられます。そして、

データウェアハウスやレポートのサーバー・プールにもノードを割り当てることができます。割り当て

られていないノードは、サーバー・プールの空きリソースとして管理されます。

パフォーマンスや可用性の理由から、いずれかのサーバー・プールで追加ノードが必要になった場合は、

サーバー・プールに空きノードを動的に割り当てる、または優先度の低い別のサーバー・プールから再

割当てをおこなうなど、グリッドはサービス・レベル要件にあうようリソースを動的に再割当てできま

す。

Oracle RAC One Node

このような方法でグリッドに統合できるのは、ミッション・クリティカルなアプリケーションだけでは

ありません。多くの IT 企業はグリッドを構築して、管理対象にさまざまな部門アプリケーションや事業

部門アプリケーションを配置しています。Oracle RAC One Node は、によって、企業がより簡単にミッショ

ン・クリティカル性の低いデータベース環境をグリッドへ統合するソリューションを提供します。Oracle Database 11g Release 2 のこの新しいオプション製品は、RAC の耐障害性と柔軟性を備えていますが、一

台のサーバー上でのみデータベースを使用できます。RAC One Node により、クラスタ・フェイルオーバー、

ソフトウェアとハードウェアのローリング・アップグレード、グリッド内の別のサーバーにオンライン

で移動させることができるようになります。

Oracle Database 11g Release 2の新しいGrid Plug and Play機能により、グリッド環境へのプロビジョニング、

より大規模な統合や将来的な業務拡大へのプラットフォームの対応にあわせた追加サーバーの追加(ま

たは削除)などがより簡単に実現できます。

Oracle Database 11g Release 2 と Oracle Real Application Clusters により、低コストのコモディティ・ハード

ウェアの価値を活かし、すべてのデータ処理要件に対応可能な、信頼性が高くて低コストの統合プラッ

トフォームを構築できます。そうすることで、スタンドアロンのハードウェア環境における過剰なサー

バー投資や低い使用率によるハードウェア・コストが削減され、SMP とコモディティ・ハードウェア間

の 4~6 倍の価格差を引き出すことができます。くわえて、Oracle RAC が提供するパフォーマンスや可用

性の管理機能からもメリットを得ることができます。つまり、要件が拡大するたびに、さらなるハード

ウェア・コストを発生させることなく、新規ハードウェアへローリングしてグリッドを更新できるので

す。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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ストレージのコストで 12 倍の削減効果 「弊社の CFO(Chief Financial Officer)は、Oracle Database 11g の Advanced Compression オプションを使用するこ

とで既存のディスクの 1/3 から 2/3 までを削減できるとして、たいへん気に入っています。」

Chief Technology Officer、Mike Prince

Burlington Coat Factory

すべての企業は、情報の急速な増加による問題に直面しています。今日のビジネス・ユーザーは、顧客、

製品、サービス、および競合他社の情報へすぐにアクセスできることを要求します。そして、規制やガ

バナンスが強化されるなかで、すべての業務情報は、より長期間オンライン上で保持されなければなり

ません。その結果、企業内のストレージは、ここ数年で飛躍的に増大しました。同時に、ストレージの

使用率は、ストレージ容量の密度が高くなるとともに急速に低下しています。その一方で検索時間や I/Oスループットは向上していません。

ストレージ管理コストの削減 多くの IT 企業は、統合データ処理プラットフォームの下に大規模ディスク・アレイという形で共有スト

レージ環境を配備しています。これまでデータベース管理者やシステム管理者は、膨大な時間を費やし、

大限のパフォーマンスと可用性を得るためには、ディスク・アレイ全体にどのようにデータを配置す

るのが適切かを検討してきました。データ配置の 適な手順は、簡単にいえば Oracle Stripe And Mirror Everything を利用することです。データ・ブロックをアレイ内の全ディスクへストライプ化してから、少

なくとも 2 つのディスクにブロックをミラーリングするだけです。この手法により、パフォーマンス、

ディスクの使用率、使い勝手の 適なバランスを生み出すことができます。

Oracle Database 11g の Oracle Automated Storage Management(Oracle ASM)機能は、サード・パーティの

ボリューム管理ソフトウェアを購入することなく、データベースのストライプ化とミラー化を自動化し

ます。データ量が増加したときにディスクを追加すると、Oracle ASM は、 適なパフォーマンスを確保

するために、利用可能なディスク全体にデータの再ストライプ化およびリバランス化を自動で実行しま

す。同様に、エラーを報告したディスクは、ディスク・アレイから削除され、Oracle ASM により適宜再

調整されます。

Oracle Database 11g Release 2 は、Oracle ASM の重要な機能を向上させます。新しいインテリジェント・

データ配置機能は、アクセス頻度の少ないデータを物理ディスクの内部リングに格納し、アクセス頻度

の高いデータを外部リングに配置して、より 適なパフォーマンスの提供をおこないます。

Oracle ASM Cluster File System

さらに、新しい Oracle ASM Cluster File System(Oracle ACFS)機能は、Oracle ASM が管理するストレー

ジを Oracle データベースのほか、汎用ファイル・システムで使用できるようにします。これにより、Oracleデータベース・ファイル、Oracle ソフトウェア・バイナリ、非 Oracle 関連ファイルを単一のストレージ・

プラットフォームで提供できるようになります。このほか、読取専用のスナップショットもサポートし、

ある時点のファイル・システム・データのコピーを 大 64 まで保持できます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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パフォーマンスおよびストレージのコスト削減のためのパーティション

データベースが大きくなると、管理はより複雑になります。数ギガバイトの情報では十分に稼働してい

ても、それをテラバイトでも適用できることはまれです。この問題を解決するため、オラクルは 10 年以

上も、パーティション機能を強化しつづけてきました。Oracle Database 11g Release 2 の Oracle Partitioningオプションは、大規模な表(および関連づけられた索引)をより小さく、管理しやすい単位にパーティ

ション化し、非常に大規模なデータベース管理における"分断攻略"アプローチを提供します。このほか、

パーティション化することで、オプティマイザは、検索時に表または索引内の関連するパーティション

のみに問合せをプルーニングできます。Oracle Database 11g Release 2 は、データのパーティション化で複

数の手法を提供し、同じ表で異なるレベルのパーティション化もサポートします。これによって、単一

のパーティション戦略でパフォーマンスと管理性の両方を改善できます。

これ以外にも、Oracle Partitioning では情報のライフ・サイクルを管理できます。一般的に、すべてのデー

タベースにはアクティブなデータ、つまり、同月または同四半期に処理された情報と、おもに読取り専

用の履歴データがあります。企業は、データ固有のライフ・サイクルを活用し、多層ストレージ・ソリュー

ションを実装してストレージ・コスト全体を軽減することができます。たとえば、受注システム内の大

規模な表に過去 7 年間で処理された注文すべてが含まれているとします。Oracle Partitioning では月別の

パーティションを設定し、直近の 4 カ月分の受注データをハイエンドのストレージ・アレイへパーティ

ション化し、その他のパーティションは、低コストのストレージ・ソリューションへ配置します。これ

により、多くの場合はハイエンドのストレージ環境のコストで 2~3 割の削減を実現できます。

ストレージ・コストを削減するパーティション化の例

この手法により、増加分を拡張性が高いローエンドのストレージ・ソリューションに抑えることができ、

ハイエンド・ストレージの継続的な購入を軽減できます。さらに、すべてのデータはオンライン上にあ

るため、ビジネス・ユーザーは使用するアプリケーションから全情報へアクセスでき、オフラインでの

データ・アーカイブよりもはるかに高いメリットを提供できます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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Oracle Advanced Compression 技術によるストレージの使用率の削減 Oracle Database 11g では、ストレージ要件をさらに削減する Advanced Compression 技術も提供します。

Oracle Database 11g のオプション機能である Oracle Advanced Compression を使用することで、表内の全

データを継続的な表圧縮機能により圧縮できます。この機能は、OLTP またはデータウェアハウスのワー

クロードに対する影響を 小限に抑えながら、2~4 倍の圧縮率を実現します。同圧縮技術では、表内の

重複した値を単一の値に置き換え、時間を経過するごとに変化するデータを継続的に適応させることで、

圧縮率を常に維持できます。

システム内の 10%のデータがアクティブで、残り 90%が履歴データというモデルを考えたとき、Oracle Database 11g Release 2 のパーティション化機能と圧縮機能を使用することでストレージ・コストを 1/12に削減できます。その結果、将来的にストレージを購入する必要性を大幅に削減でき、アプリケーショ

ンのパフォーマンスを同等に維持もしくは、向上させることもできます。くわえて、コスト削減は企業

全体へと広がり、データベースのバックアップやコピーで使用するストレージも削減されるようになり

ます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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10 倍のパフォーマンス改善 「Oracle Exadata は、これまでテストしてきたどの製品よりも 10~15 倍すぐれたパフォーマンスを発揮しました。批

判の余地がない製品です。」

Director Enterprise Database Systems、Walt Litzenberger

CME Group

ビジネス・ユーザーは常日頃より、日常のシステムにおいて高いパフォーマンスを得られないか模索し

ています。システムをより新しく高速な技術へ再構築すればパフォ―マンスは改善できますが、一般的

に追加コストがかかります。よりコスト効果の高い手法は、すでに導入されているリソースを活かしな

がら、より優れたパフォーマンスを引き出すことです。たとえば、Oracle ASM でストレージ・アレイの

I/O 帯域をフル活用することで、パフォーマンスを向上させることができ、投資収益も向上します。

OLTP 処理を中間層にオフロード

アプリケーション(ミドルウェア)層で利用可能な使用率の低いリソースを活用することもできます。

Oracle Database 11g Release 2 の Oracle In-Memory Database Cache(Oracle IMDB Cache)オプションは、ア

プリケーションと同一サーバーのメモリ上でデータをキャッシュおよび処理し、データ処理をミドル

ウェア層のリソースへオフロードします。ミドルウェア層とバックエンド・データベース間のネットワー

ク上の応答時間はトランザクション・パスから排除され、その結果、各トランザクションは多くの場合、

高で 10 倍まで高速化されます。これは、市場取引システム、通信会社のスイッチ・システム、リアル

タイム制御の製造環境など、とくに高いトランザクション処理速度が求められる場合に有効です。ミド

ルウェア層の全データはローカル・リカバリで完全に保護され、バックエンドの Oracle Database へ非同

期に同期されます。

Oracle Database 11g Release 2 では、Oracle Database と共通のデータ型、SQL、PL/SQL をサポートし、Oracle Call Interface(OCI)へのネイティブ・サポートにより、既存の Oracle を使用したアプリケーションで、

アプリケーションの修正なく IMDB Cache を活用することがより容易になりました。

データ問合せの並列処理およびインメモリでの実行の増加

オラクルは一貫してデータウェアハウス市場をリードし、データベース・エンジンにインテリジェント

な 適化機能を追加し続けています。これらの 適化機能には、並列操作、ビット・マップ索引付け、

マテリアライズド・ビューおよびサマリー管理、統合 ETL、OLAP、およびデータ・マイニング機能など

の 新技術が含まれます。Oracle Database 11g Release 2 ではさらに 適化機能が追加され、利用可能なリ

ソースに基づいて、問合せにおける 適度の高い並列度が自動的に決定できます。これにともない、文

の自動並列問合せのキューイングができるようになりました。これは、現在利用可能なリソースに基づ

いて、必要なリソースが解放された後で問合せを実行する方がより効率的かどうかを、データベースが

判断する機能です。

このほか、Oracle Database 11g Release 2 は低コストのサーバーで構成されるグリッド内のサーバー・メモ

リの増加や、 新の圧縮機能を活用できます。Oracle Database 11g Release 2 は、圧縮された大規模な表(ま

たは圧縮されていない小規模な表)を利用可能なメモリを持つグリッド内の全サーバーで分散し、各ノー

ドでメモリ内のデータに並列問合せ処理を実行します。これにより、問合せのパフォーマンスは大幅に

改善され、とくに圧縮機能により大規模な表が圧縮されメモリ上に展開できる場合には非常に有効です。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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問合せ処理のストレージへのオフロード

非常に大規模なデータベースを扱うときも、問合せではディスク内のデータを読み取り、できるだけ迅

速に処理する必要があります。ここ数年で、I/O サブシステムの速度と帯域は大規模なデータウェアハウ

スのパフォーマンスにおいて重大なボトルネックになることが明らかになりました。処理速度が飛躍的

に向上したにもかかわらず、既存のストレージ・ソリューションのスループットは同様の向上が見られ

ません。この問題を解決するため、オラクルは問合せ処理を大幅に向上させるインテリジェントなスト

レージ・ソリューション、Oracle Exadata を発表しました。

Oracle Exadata Storage Server は、12 台のドライブ、それぞれ 4 コアを持つ Intel プロセッサ 2 基、および

インフィニバンド・カード 2 枚で構成されます。Oracle Exadata Storage Server Software は各サーバー上で

稼働し、問合せをデータベース・サーバーからストレージ・サーバーへオフロードします。各サーバー

は 1GB/秒でデータを検索し、追加の容量および帯域を提供するようスタックします。問合せのオフロー

ドは Oracle Database に対して透過的に実施されるので、これらインテリジェントなストレージ・サーバー

は簡単に既存環境へと導入できます。

さらに、Oracle Database 11g Release 2 において、Oracle Exadata Storage Server は問合せ速度を損なうこと

なく 10 倍の圧縮率を提供する新しい Hyblid Columnar Compression を使用できます。完全にアーカイブ・

データとしてしか使用されないデータについては、新しい Hyblid Columnar Compression のアーカイブ・

レベルを利用でき、 大 40 倍の圧縮率を実現できます。

Hyblid Columnar Compr は、どのようにデータを格納するかということに関する新しい手法です。この方

法では、データを従来のように行毎に格納する代わりに、データをグループ化し順序づけてから、1 つの

列に格納します。このタイプの形式は、データウェアハウスの問合せ向けに表にロードされるデータに

対して、高いデータ圧縮率を提供します。表内の異なるパーティションに対しては、異なる圧縮技術を

適用することが可能です。

また、オラクルではデータウェアハウス・サ―バーおよびストレージ・グリッドを事前に構成していま

す。Oracle Database Machine は、1 つのラックに 14 台の Oracle Exadata Storage Server と 8 台の Oracle Real Application Clusters サーバーをまとめたもので、スイッチや電力供給を備え、 大 168TB のストレージと

14GB/秒のデータ検索率を提供します。同製品はデータウェアハウスのパフォーマンスに大きな変革をも

たらし、利用者からは既存環境で問合せのパフォーマンスが少なくとも 10 倍は改善されたと報告を受け

ています。ハードウェア・コストも、ほかの環境に比べてはるかに低くなります。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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可用性の最大化 「Oracle Active Data Guard によって、大規模なミッション・クリティカル・システムのシステム・コストを 大 10

万ドルまで削減できました。」

Distinguished Member of Technical Staff、Aris Prassinos,

MorphoTrak

IT 企業が環境を統合するおもな理由は、ビジネス・アプリケーションの可用性をより簡単に管理できる

ようにするためです。24 時間 365 日、ビジネス・アプリケーションへのアクセスを提供するには、計画

外の停止時間から保護し、メンテナンス操作などの計画停止時間を軽減する必要があります。さらに、

企業は的エラーから早急に復旧する必要もあります。

計画外の停止時間から保護するには、冗長コンポーネントでアーキテクチャを構築する必要があります。

データのミラー化には追加ディスクが必要で、フェイルオーバー・サーバー処理では追加ハードウェア

が、さらに障害時復旧では追加のデータセンターが必要です。こういった取組みは非常に高くつき、実

際にコンポーネント障害が発生しない限り、その価値に気づくこともありません。高価な保険契約のよ

うなものです。くわえて、異なるコンポーネントを統合するために、一般的には異なるベンダーのソフ

トウェアが大量に必要となります。これは、複雑性を増すほか、人的エラーのリスクも増大させること

になります。

高可用性環境の簡易化

Oracle Maximum Availability Architecture

オラクルでは、Oracle Maximum Availability Architecture と呼ばれる構想を提供しています。データベース

保護に必要な全ソフトウェア・コンポーネントをオラクルが提供することで、よく統合されたソリュー

ションを実現でき、データセンターの複雑性を削減できます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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余分な冗長性の排除

オラクルの Maximum Availability Architecture の主要なメリットは、冗長化されたコンポーネントを、計画

外の停止時間から保護するだけでなく、本番システムのパフォーマンスや効率性を改善するために使用

することにあります。たとえば、ミラー化されたデータにより多くのストレージを提供するため Oracle ASM 環境にディスクを追加したとき、これらのディスクにより追加される I/O 帯域が本番環境でも適用

されます。ディスク上のバックアップおよびリカバリ領域では、バックアップとリカバリの操作が自動

化され、独自の増分変更追跡およびバックアップ・イメージ統合でバックアップとリカバリの両目的を

達成します。

同じ統合ソフトウェアを使用して、ディスク上のバックアップおよびリカバリ操作で安全にテープへ

バックアップできるほか、Amazon Cloud に格納することも可能です。

Oracle Real Application Clusters は、サーバー障害を保護するだけでなく、ビジネス・アプリケーションに

可用性を追加できます。

障害時リカバリでは、ビルトインされた Oracle Data Guard 技術を使って本番データベースとスタンバイ・

データベース間の同期を低コストに抑えます。Oracle Database 11g の Oracle Active Data Guard オプション

では、本番システムからスタンバイ・システムへレポートおよびバックアップ操作をオフロードできる

ようになりました。これによって、冗長リソースを活用して本番システムのパフォーマンスを改善しな

がら、障害から保護し続けることができます。

計画停止時間の排除

多くの企業にとって、計画停止時間の排除はまさに難題です。しかし、ここでもオラクルの Maximum Availability Architecture は、ユニークな機能を提供しています。

Oracle Grid 内のハードウェア・コンポーネントは、いずれも必要に応じて動的に追加または削除できま

す。ディスクは、Oracle ASM によってオンラインで追加または削除でき、データは新規ディスクのイン

フラストラクチャ上で自動的にリバランスされます。さらにサーバーでは、ユーザーがノードに接続さ

れており、インフラストラクチャ上でリバランスされている状態でも、Oracle Real Application Cluster を使って簡単に追加または削除できます。

この機能によって、ユーザーを Oracle RAC クラスタ内のサーバーから別のサーバーへ移行させることが

でき、データベース・ソフトウェアのローリング・パッチも実行できます。パッチを適用する必要があ

れば、サーバーをクラスタから削除し、パッチをあててからクラスタに戻すことができます。同じ操作

はクラスタ内の別のサーバーでも同様に実行できです。

同じく、Oracle Data Guard 環境内の本番データベースとスタンバイ・データベース間でユーザーを切り替

えることもできます。データベースのバージョンの違いや、本番環境とスタンバイ環境のオペレーティ

ング・システムの違いもサポートされます。これはつまり、スタンバイ・データベースを次のメジャー

バージョンにアップグレードし、新規の環境をテストしてから、計画停止時間なく古いバージョンのユー

ザーを新規バージョンへ切り替えることができるということです。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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オンラインでのアプリケーションのアップグレード

オンラインでの表の再定義は、Oracle Database で完全サポートされています。Oracle Database 11g Release 2 では、アプリケーションのアップグレードをオンラインで実行できるようになりました。エディショ

ン・ベースの再定義によって、プログラム・コードの変更がデータベースの新規エディション内でおこ

なわれ、現行のエディションとはわけて実行されます。エディション・ビューには同じ表の異なるビュー

がエディションごとに公開され、各エディションのコードは表の特定のビューのみを参照するよう保証

されます。クロス・エディション・トリガーは、古い本番エディションで実行されたデータ変更を新規

エディションの列に伝播し、逆方向にも実行します。その後、古い本番環境と新しい本番環境の両方を

同時にテストで使用し、ユーザーがエディション間をオンラインで移動できるようにします。アップグ

レードすると、古い本番エディションは削除され、使用されない表の列を削除し、新規エディションが

標準の本番エディションとなります。

人的エラーによるデータ損失の排除

残念な結果ですが、データ損失の 1 番の原因は単純な人的エラーです。データベース管理者は、開発シ

ステムにログインして表の削除やクリーンアップを実行したつもりが、実際は誤って本番システムにロ

グインしていることに気づくことがあります。また、大規模なバッチ・ジョブで単純なコード・エラー

を起こし、表内の何千もの顧客が突然同じメールアドレスを共有する事態になることもあります。

Oracle 環境ではない場合、こうした種類のエラーに対して本番データベースを停止させ、ポイント・イン・

タイム・リカバリを実行する必要があります。こうしたバックアップの実行中は本番環境が利用できず、

ミスした際のミス自体や有用な作業はロールバックされ、トランザクション・キーを再生しなければな

りません。

Oracle Database 11g は、人的エラーを取り消す独自のオンライン機能を提供します。DBA がうっかり表を

削除しても、表はごみ箱に送信され、簡単なコマンドで元に戻すことができます。同様に、1 つ以上の行

を表から削除または変更した場合、これらの行の前バージョンをオンラインから問い合わせることがで

き、追加トランザクションでデータ変更を失うことなく、ミスの原因となった特定のトランザクション

を取り消すことができます。また、必要に応じて、ビデオを巻き戻すようにデータベース全体を単純に

前の時点へ巻き戻すこともできます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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セキュリティの最大化 「これは真に透過的なデータの暗号化です。数時間で基本コンポーネントが実行されて利用可能になるため、パフォー

マンスへの影響を感じませんでした。」

Senior Architect、Sam Lebron

Dress Barn

企業内の情報へのリスクは増大しています。現在、IT はさまざまな規制の対象となり、個人を特定可能

な情報については強力な制御と保護が求められています。この要件を満たすため、Oracle Database 11g Release 2 は、データ暗号化およびマスク化、高度な信用監査およびレポート、全社レベルの構成管理、

データ変更フォレンジックなど、詳細なデータ・セキュリティ機能を提供します。

IT プロフェッショナルにとって、もっとも緊急な課題はセキュリティの観点でぜい弱な箇所を認識する

ことです。オラクルでは、この分野で機能を提供しています。Oracle Enterprise Manager Configuration Management Pack は、企業内の Oracle Database 全体に対するセキュリティ管理、構成、ストレージに関す

るベスト・プラクティスを実装および監視する 240 以上のポリシーを提供します。Oracle Audit Vault では、

安全で一元化された監査情報を(いくつかの非 OracleDatabase を含む)複数のデータベースから収集して

格納し、情報管理インフラストラクチャ税対における分析の簡易化、脅威の検知、およびコンプライア

ンス問題の可能性の報告などを実施します。

Oracle Database 11g の Oracle Total Recall オプションは、履歴情報の保持ソリューションを提供します。

Oracle Total Recall ではデータに実行されたすべての変更を保持し、情報の完全な変更履歴を提供するこ

とができます。つまり、監査役はいつ誰か何をしたかということだけではなく、実際の情報が当時どの

状態にあったかを確認することができます。これまでは、アプリケーションに組み込んだり、高価なバッ

クアップ保持ポリシーで実現したりしなければなりませんでした。

規制にある新しい内部制御の要件を複数のアプリケーションが存在する環境へ実装することは、困難で

高価です。Oracle Database 11g の Oracle Database Vault オプションでは、既存のアプリケーションの下で

透過的なアクセス制御を適用することができます。ユーザーが特定のアプリケーション・データへアク

セスすることを防いだり、または業務時間外にデータベースへアクセスすることを防いだりすることが

できます。また、高額な 小特権訓練をすることなく、異なるデータベース管理者に対して職務分離要

件を実施できます。

Oracle Database 11g の Oracle Advanced Security オプションを使用すると、ネットワークを移動中のデータ

から物理ストレージやバックアップ内のデータまで、あらゆるレベルのデータを透過的に暗号化できま

す。同様に、Data Masking Pack を使用すると、本番環境から開発環境へ移動するデータを難読化するこ

とができ、潜在的なプライバシー規制の侵害や機密データの漏えいリスクを軽減できます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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DBA および開発者の生産性の倍増化

「Oracle Enterprise Manager を使用することで、弊社はシステム管理の問題点に対して積極的に取り組むことができ、

以前は手動でおこなっていた管理タスクを自動化し、広範囲におよぶDBA教育の必要性を削減することができました。」

Senior Director、Arup Nanda

Starwood Hotels & Resorts

ビジネスの情報技術に対する依存度は増しており、ユーザーは当然のように高いサービス品質を求めて

います。にもかかわらず、IT の管理リソースが追加されているとはいえない状況です。こうしたさらに

広がるギャップに対して、オラクルは Release 2 でより自動化された自己管理機能を追加しました。その

結果、Oracle Database 11g Release 2 は以前のリリースよりも管理に利用する時間が 50%削減されました。

オラクルの自己管理の手法は、2 つの取組みがあります。1 つは、繰返し可能な、負荷が高くエラーの発

生しやすい作業を、可能な限りデータベースで完全に自動化する取組みです。たとえば、ストレージ管

理、メモリ管理、統計情報の収集、バックアップおよびリカバリ、そして SQL Tuning はすべて自動化さ

れています。

2 つめは、完全に自動化できない操作について、データベースにインテリジェント・アドバイザを組み込

むことで、データベース管理者がシステムを 大限に活用できるよう指導する取組みです。アドバイザ

は、構成管理、パッチ、索引付け、パーティション化、パフォーマンス診断、データ・リカバリのほか、

Oracle Database 11g Release 2 では新たに圧縮および Maximum Availability を提供します。

自動化とインテリジェント・アドバイザの両方をビルトインすることで、利用可能なデータベース管理

リソースとビジネスのサービス・レベルの目標との複雑なギャップを削減できます。膨大な分析および

トラブルシューティングはデータベース自体で実行されるため、データベース管理者はデータベースの

面倒を見るという日常業務への時間を短縮でき、自社環境のデータベース管理に時間を割くことができ

るようになります。独立調査機関が 近実施した調査では、データベース管理者は、Oracle Database 10g環境に比べて Oracle Database 11g 環境の方が 26%少ない時間で管理できるようになったと回答しており、

Oracle9i との比較に至っては 50%も短縮できたとしています。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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開発速度の向上 Oracle Database 11g Release 2 は、開発者が使用している主要なアプリケーション開発フレームワークをサ

ポートすることで、単一の統合されたデータ管理ソリューションを提供します。これによって、開発者

リソースにおける IT の投資は保護され、生産性の向上や開発サイクルの削減を実現します。

.Net Oracle Developer Tools for Visual Studio .NET は、Microsoft Visual Studio のアドインとして緊密に統合され

ており、開発者は簡単に Oracle Database のコードを記述できます。Oracle Data Provider for .NET は、.NET環境からのアクセスを 適化し、開発者が Oracle Database 11g Release 2 の 新機能を活用できるようにし

ます。また、Oracle Database 11g Release 2 on Windows は、C#または VB.NET などの.NET マネージド言語

によるストアド・プロシージャやファンクションの開発、配置、実行をサポートし、.NET プログラマは

異なる言語を学習する必要がなくなります。

Java 同様に、Oracle Database 11g Release 2 は Java 開発者もサポートします。同製品には、Java をデータベー

スで直接実行するための組込み Java Virtual Machine(Java VM)を実装します。Java で記述されたクライ

アントと中間層アプリケーションも JDBC、および業界標準のアプリケーション・プログラミング・イン

タフェース(API)を使用でき、開発者は Java コードで SQL 文を組み込むことができます。

PHP PHP は人気の高いインタープリタ方式のスクリプト言語であり、Web 2.0 アプリケーションの開発に広く

利用されています。すでにインターネット上の 2,000 万を超えるサイトで使用されており、ユーザー・コ

ミュニティも大きく成長しています。オラクルではオ―プンソース・コミュニティと連携することで、

Oracle Database 11g Release 2 に統合可能な、安定した高パフォーマンスの PHP データベース・ドライバ

を開発しました。

Oracle Call Interface(OCI)

Oracle Call Interface は、C++、Cobol、Fortran、および PL/SQL などの実施済み言語で記述されたアプリケー

ションに対応する高パフォーマンス API を提供します。

PL/SQL PL/SQLは強力な手続き言語で、Oracle Databaseで SQLコマンドを円滑に処理する目的で設計されました。

Oracle Database 内で実行されるストアド・プロシージャ、ファンクション、およびトリガを作成するのに

使用するほか、中間層やクライアント・アプリケーションの構築にも使用できます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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Oracle Application Express(Oracle APEX)

Oracle Application Express は、Oracle Database 専用の Web アプリケーション開発ツールです。Web ブラウ

ザと多少のプログラミング経験さえあれば、高速かつセキュアなプロフェッショナル・アプリケーショ

ンを開発し配置できます。Oracle APEX は、Web アプリケーションを構築する際に、セキュリティ、拡張

性、可用性をもった個人データベースの生産性や使い勝手のよさを組み合わせたものです。

Oracle SQL Developer Oracle SQL Developer は、生産性の向上とデータベース開発作業の簡素化を実現する、グラフィカルなイ

ンタフェースを備えたツールです。Oracle データベース開発者向けに設計されたこのツールを使用すると、

開発サイクルを簡素化できます。また、SQL や PL/SQL のコードを開発したりデバッグしたりするために、

サード・パーティ製のツールを購入する必要が減少します。

Oracle SQL Developer Data Modeler Oracle SQL Developer Data Modeler は、エンティティ・リレーションシップ・ダイアグラム(ERD)、リ

レーショナル(データベース設計)、データ型および多次元モデリング、フォワードおよびリバース・

エンジニアリング、DDL コード生成など、データおよびデータベースのモデル化ツールとユーティリティ

群を提供します。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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ソフトウェア・ポートフォリオの簡易化 「Oracle(Database 11g、VM、Unbreakable Linux、Enterprise Manager、Business Intelligence)によって、 高の

ユーザー・エクスペリエンスの提供に注力でき、継続的に運用コストを削減することができました。これもすべてオ

ラクルの一貫した、実績のあるソフトウェア・ソリューションのおかげです。」

VP of Technical Operations、Nicholas Tang

Interactive One

単なるハードウェアやストレージの寄せ集めは IT コストを余分に発生させ、ソフトウェア・ポートフォ

リオも複雑にします。ここ数年間、企業は異なるビジネス・アプリケーションによって複数のデータ管

理プラットフォームを配備してきました。これにより、Unix および Linux システムでは Oracle Database、Windows では SQL Server、メインフレームでは DB2、データマートや、XML やその他の空間的およびマ

ルチメディア管理は、レガシーな専用データベースというようになってしまいました。

これらの各ポイント・データ管理ソリューションは、異なるレベルの機能をもっています。そのため、

対応インフラストラクチャの観点で、すべて追加ソフトウェア環境を抱えています。同様に、データベー

ス管理、クラスタ・ボリューム管理、クラスタ・フェイルオーバー、バックアップおよびリカバリ、デー

タ統合、データ・レプリケーションなどにおいて異なるソリューションが求められます。しかし、これ

らの異なるポイント・ソリューションすべてを単一かつ一貫したソリューションへインテグレートする

ためのコストは、年間ベースで顧客が負担することになります。さらに、これらコンポーネントのいず

れかでリリースのレベルが 1 つでも変更される場合、統合とテストを初めからやり直さなければなりま

せん。

Oracle Database 11g Release 2 は、すべてのオープン・システム・プラットフォームで利用可能な、単一か

つ統合された情報管理ソリューションを提供し、すべての大手サード・パーティ・アプリケーションで

サポートされています。本製品は、リレーショナル・データを格納するだけでなく、ドキュメント、XML、マルチメディア、位置情報および空間情報も格納し、RFID タグ、DICOM 医用画像、セマンティック・

データなどの 新のデータ型もサポートします。これら個々のデータ型において、パフォーマンスは

適化されます。たとえば、ファイルは Secure Files 機能によってデータベースに格納されますが、一般的

なオペレーティング・システムと比べて高いファイルの格納および配信速度を実施します。データベー

スに格納されたすべての拡張データ型では索引付けや SQL アクセスを実行でき、既存のアプリケーショ

ンに新規データ型を簡単に統合できます。一般的に特定のデータ型に対する関連するプロトコル経由で

のネイティブ・アクセスも、提供されています。たとえば、XML データに対する HTTP および XPath ア

クセスが挙げられます。Oracle Database 11g Release 2 ではセマンティック・データへの SQARQL アクセ

スのほか、Secure Files 機能を使用してデータベース内に格納されたドキュメントや画像などへのネイ

ティブ NFS 型インタフェースが新たに追加されました。

データベース内に格納された全データは、Oracle Database 11g Release 2 が提供するコスト削減、セキュリ

ティおよび高可用性機能を継承します。これにより、Oracle Database を単一データ管理プラットフォーム

として標準化することで、IT 企業はソフトウェア・ポートフォリオを大幅に簡易化でき、実行中の統合

およびメンテナンス・コストを削減しながら、同時に環境における統合、ガバナンスおよびコンプライ

アンス、高可用性、そして管理を簡易化することができます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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1/4 の時間で、ビジネス価値の獲得

「Oracle Database 9 から 8i、9i、10g、そして 11g へと、Oracle はアップグレードするたびにシステムのパフォーマンス、

安定性、可用性を向上させながら、管理オーバーヘッドを削減し、これまでにない高レベルのサービスを提供してくれます。」

Web Technology Manager、Charlotte Melén

Comic Relief

IT における 大の課題の 1 つは、変化の価値を効果的に認識することです。システムは、より複雑化す

るたびにミッション・クリティカルの度合いを増し、データセンターでの変更をさらに困難なものにし

ます。パフォーマンスの向上、コストの軽減、または高可用性など、変更を適用することにビジネス価

値があるにもかかわらず、変更をおこなうこと自体はリスクが高いと見なされています。つまり IT では、

通常の改善を実行する代わりに、変更を先送りにすることが多く、ビジネス業務の不利益を追加コスト

として招いています。

IT 環境で 大の課題の 1 つは、ソフトウェアのアップグレードです。新規バージョンのデータベース・

ソフトウェアは、オペレーティング・システム(OS)と同様に定期的に発表されます。以前は、データ

ベースや OS を個別環境でアップグレードするには非常にコストがかかり、際限なく時間がかかりました。

社内のビジネス・システムすべてが個別にアップグレードされるころには、次のアップグレードが発生

するといったことがありました。グリッド統合は、こうしたコストや時間を削減する上で重要な役割を

果たします。すべてのアプリケーションを低コストのハードウェアで構築されたグリッドに統合するこ

とで、現在の企業は、グリッドが提供する追加の機敏性を活用できます。新規データベースや OS ソフト

ウェアを含む新しいグリッドは必要に応じて、簡単かつコスト効果の高い形でプロビジョニングを実施

できます。

アップグレードの代わりとしての異なるグリッド環境への移行の実施

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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プロビジョニングを実施したあとは、データベースとそれに関連するエンドユーザーのコミュニティは、

ビジネス要件に応じて、古い統合環境から新しい統合環境へと移動するだけです。すべてのデータベー

スがこの方法で移行されれば、古い環境のハードウェアは次世代環境に再プロビジョニングできます。

このほか、Oracle Database 11g Release 2 にはこうした変更を実施する上でかかるコストやリスクを大幅に

削減する機能が搭載されています。Oracle DatabaseのオプションであるOracle Real Application Testingは、

Oracle Database 10g および Oracle9i Database の本番ワークロードを取得して、Oracle Database 11g で再生

します。

Oracle Real Application Testing による本番ワークロードの取得とテスト環境での再生

これにより、IT 部門は実際の本番ワークロードでインフラストラクチャの変更をテストし、動作の変化

を検知することができます。IT 部門は変更が本番環境に与える影響をすばやく特定できるほか、本番環

境に変更を加える前にマイナスの影響を軽減する方法を認識できます。Oracle Real Application Testing で

は、テストでの変更にかかる時間(およびコスト)を少なくとも 4 分の 1 に削減できます。データベー

ス環境に対する頻繁かつ増分的なアップグレードへのリスクおよび時間は大幅に削減され、IT 部門は継

続的に改革を実施しながら、ビジネスを高速化させて、リスクを減らすことができます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減

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結論

受賞歴のある Oracle Database 11g のセカンド・リリースにあたる Oracle Database 11g Release 2 は、より多

くのデータ処理の提供とより高いサービス品質を実現し、より高い価値を提供するための、IT 部門

が IT 環境内で効率的に変更を管理できる基盤を提供します。

データ管理ソリューションとしてOracle Database 11g Release 2を ITアーキテクチャ内に配備することで、

企業は世界をリードするデータベースの全機能を活用し、ハードウェアおよびストレージのコスト削減、

システムのパフォーマンスにおける 10 倍の改善、ソフトウェア・ポートフォリオの大幅な簡易化、IT プ

ロフェッショナルの生産性の倍増、そして 4 分の 1 の時間によるビジネス価値の実現などをおこなうこ

とができます。

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Oracle Database 11g Release 2 による IT コストの削減 2009 年 9 月 著者:Mark Townsend 共著者:Andrew Mendelsohn、 Willie Hardie、Gordon Smith Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問い合わせ窓口: 電話:+1.650.506.7000 FAX:+1.650.506.7200 www.oracle.com

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あります。本文書は一切間違いがないことを保証するものではなく、さらに、口述による明示または法律

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る他の保証や条件も提供するものではありません。オラクルは本文書に関するいかなる法的責任も明確に

否認し、本文書によって直接的または間接的に確立される契約義務はないものとします。本文書はオラク

ル社の書面による許可を前もって得ることなく、いかなる目的のためにも、電子または印刷を含むいかな

る形式や手段によっても再作成または送信することはできません。 Oracle は米国 Oracle Corporation およびその子会社、関連会社の登録商標です。そのほかの名称はそれぞ

れの会社の商標です。 0109


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