0・0x)講義スケジュール
10
第1週 (9/25) 生態学と生物(1章&2章) 第2週 (10/2) 進化生態学の基礎(3章[〜3.3]) 第3週 (10/9) 分子進化と生態学(3章[3.4〜]&付録2 ) 第4週 (10/17) 生活史の適応(4章[〜4.2] ) 第5週 (11/13) 性の意義(4章[4.3〜]: 第1回小テスト) 第6週 (11/20) 生理生態特性の適応(5章) 第7週 (11/27) 行動の適応(6章) 第8週 (12/4) 社会の適応(6章) 第9週 (12/18) 種内競争と個体群(7章 第10週(12/25) 種間競争と個体群(7章: 第2回小テスト) 第11週(12/26:補講) 捕食・寄生と個体群(7章) 第12週(12/26:補講) 種間相互作用と生物群集(8章) 第13週(1/15) 生態系機能(9章:第3回小テスト) 第14週 (1/22) 補講特別内容1 第15週 (1/22) 補講特別内容2 ※補講日程は未確定―現在のところ(20171120)の予定です
第9-11回まとめ
1)種内競争と個体数変動
個体群成長、密度効果、環境収容力
ロジスティック式、最終収量一定則
2)種間競争と個体数変動
競争排除、ロトカ・ヴォルテラの競争式
ニッチ類似限界理論、形質置換、実現ニッチ
3)被食-捕食関係と個体数変動
サイクル変動、共振動
ロトカ・ヴォルテラの捕食式、メタ個体群
5)寄生と共生
作用
環境形成作用(反作用) 生物間相互作用
種内競争
種間相互作用
競争
被食捕食
寄生
8・1)個体数変動に影響するもの
ロジスティック式
N:個体数、t:時間、r:内的自然増加率、K:環境収容力
作用
環境形成作用(反作用) 生物間相互作用
種内競争
種間相互作用
競争
被食捕食
寄生・共生
8・1)個体数変動に影響するもの
第10回:身近な疑問
自然にはたくさんの種が共存している。
ある種が「一人勝ち」、他は「負け組」、
ってならないのだろうか?
競争はいつも引き分けなのか?
◆ニッチ(生態的地位) 各種が必要とする資源の要素、およびその利用パターン
7・2a)種間競争に関わる重要な概念
P139
◆ニッチ(生態的地位) 各種が必要とする資源の要素、およびその利用パターン
項目
・生息場所の環境要素(温度、水分量、日照 etc) ・餌の種類(サイズ、種類 etc)や取り方(待ち伏せ、追跡)
実例
・虫食の鳥が利用する針葉樹の位置・・・図7・12/13(p137/145)
・巻貝の餌(砂粒)の大きさ ・・・図7・15(p139/146)
・ダーウィンフィンチの餌(種子)の硬さ・・・図7・16(p140/147)
7・2a)種間競争に関わる重要な概念
p139
◆ニッチ(生態的地位) 各種が必要とする資源の要素、およびその利用パターン
◆競争排除説
「ニッチが同じ2種は平衡状態では長く共存できない」 証拠)コクヌストモドキ2種の飼育実験 ・・・p141図7・9a
ゾウリムシ2種の飼育実験 ・・・p141図7・9b
◆ニッチ類似限界理論
「共存のために許されるニッチ重複の限界はどのくらいか」 「ニッチがどれくらい重複すると共存できなくなるか」 ・・・p140図7・8
7・2a)種間競争に関わる重要な概念
dN
dt r 1
N
K
N
ロジスティック式(種内競争あり) 競争係数
種2が種1に及ぼす影響
(種2の1個体数が
種1の何個体に相当するか)
ロトカ・ヴォルテラの競争式
dN1
dt r1 1
N1 12N2K1
N1
dN2
dt r2 1
N2 21N1
K2
N2
7・2b)競争2種の個体数変動予測式
ロトカ・ヴォルテラの競争式
図上で考えると
共存に必要な条件が見えてくる
・・・図7・11〜12(p143)
dN1
dt r1 1
N1 12N2K1
N1
dN2
dt r2 1
N2 21N1
K2
N2
7・2b)競争2種の個体数変動予測式
N2
種2の個体数(
)
K1
K2-
種1の個体数(N1)
7・2b)競争2種の個体数変動予測式
N2
種2の個体数(
)
K2-
dN1
dt r1 1
N1 12N2K1
N1 0
N2 1
12N1
K1
12
種1の個体数(N1) 図7・11a
1N1 12N2
K1
0
K1 N1 12N2
K1
K1
α12
7・2b)競争2種の個体数変動:種1が安定する条件
N2
種2の個体数(
)
K2-
dN1
dt r 1
N1 12N2K1
N1 0
K1 N1 12N2
K1 12N2 N1
種1の個体数(N1)
K1
K1
α12
図7・11a
7・2b)競争2種の個体数変動:種1が減少する条件
N2
種2の個体数(
)
K2-
dN1
dt r 1
N1 12N2K1
N1 0
種1の個体数(N1)
K1 12N2 N1
K1
K1
α12
図7・11a
7・2b)競争2種の個体数変動:種1が増加する条件
N2
種2の個体数(
)
K1
K2-
K1
α12
dN1
dt r 1
N1 12N2K1
N1
種1の個体数(N1) 図7・11a
7・2b)競争2種の個体数変動:種1の個体数変動
種1の個体数(N1)
N2
種2の個体数(
)
K2
K2
α21
dN2
dt r 1
N2 21N1
K2
N2
図7・11b
7・2b)競争2種の個体数変動:種2の個体数変動
両種の個体数が
安定する点
K2
α21
K2
N2
種2の個体数(
)
K1
K1
α12
種1の個体数(N1) 図7・12a
7・2b)競争2種の個体数変動:安定共存点
K1 K2
α21
K2
種2の個体数(
)
K1
K1
α12
種1の個体数(N1)
N2
安定点
非共存
図7・12b
7・2b)競争2種の個体数変動:競争排除
K1 K2
21
K2 K1
12
図7・12a
7・2b)競争2種の個体数変動:安定共存の条件
K1 K2
21
K2 K1
12
→ 互いに、 同種に対する密度効果ほどの影響を
競争種には与えない
1
K121
K2(式7・7)
1
K 2
12K1
dN2
dt r2 1
1
K2N2
21
K2N1
N2
dN1
dt r1 1
1
K1N1
12K1N2
N1
逆数 種1から種1への
密度効果
種1から種2への
密度効果
7・2b)競争2種の個体数変動:安定共存の条件
両種がどんな初期条件でも共存(図7・12a)
両種がどんな初期条件でも種1のみ残る(図7・12b)
両種がどんな初期条件でも種2のみ残る(図7・12c)
初期条件で多い種のみ残る=正の頻度依存(図7・12d)
←互いに同種に対する密度効果以上の
影響を競争種に与える
←種1は同種(1)よりも競争種(2)へ
強い密度効果を与える
→ 互いに同種に対するほどの
密度効果を競争種に与えない
1
K121
K2
1
K 2
12K1
1
K 2
12K1
1
K121
K2
1
K121
K2
1
K 2
12K1
1
K 2
12K1
1
K121
K2
←種2は同種(2)よりも競争種(1)へ
強い密度効果を与える
7・2b)競争2種の個体数変動:4つのケース
種間競争の緩和が共存に重要であることを示唆する現象
◆ニッチ分化(cf:すみわけ、くいわけ)
共存する種がそれぞれニッチを違えること
◆基本ニッチと実現ニッチ
競争相手がいない時といる時のニッチ ・・・p145図7・14
◆形質置換
他種と共存する場所では、ニッチ分化する方向で共進化がおこる現象 例)タニシの体および餌の大きさ ・・・p146図7・15
フィンチの嘴の大きさ ・・・p147図7・16
◆”Target neighboring enclose” 実験
7・2c)種間競争に関わる重要な概念
◆ニッチ理論 ニッチが異なるために、同種他個体への競争効果は、他種個体への競争効果よりも小さい
◆負の頻度依存性 ニッチ理論の効果のほか、病原体の増加などにより、密度が高い種の個体群成長が抑えられる
◇中立説 群集組成に見られる一般共通性(p173、図8・5)は、ニッチを考慮しなくても(他種個体を生態学的同位種と扱っても)、理論上導きうることから、ニッチの重要性の再検討を促した
◆キーストーン捕食 ・・・8章
◆中規模攪乱説 ・・・8章
後学)他種共存に関わる重要な概念
最新)「中立説」とニッチの重要性の再認
一年草を使った野外操作実験
均等に
種まき
単独飼育時の
種子生産力で
種まき
混合飼育時の
種子生産力で
種まき
第9-11回まとめ
1)種内競争と個体数変動
個体群成長、密度効果、環境収容力
ロジスティック式、最終収量一定則
2)種間競争と個体数変動
競争排除、ロトカ・ヴォルテラの競争式
ニッチ類似限界理論、形質置換、実現ニッチ
3)被食-捕食関係と個体数変動
サイクル変動、共振動
ロトカ・ヴォルテラの捕食式、メタ個体群
5)寄生と共生