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Pramit Phal, MBBS, FRANZCR

Date post: 09-Nov-2021
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GE Healthcare SIGNA™Architect が実現する MR イメージングの次のステージ ~エプワース・ジーロング(オーストラリア)の挑戦~ エプワースメディカルイメージングとそのパートナーのソニック ヘルスケアが共同でエプワースフリーマンソンズ病院を開設し たのは 2013 年のことだ。この病院が設立された際のビジョン は、CT MR、X線、3D マンモグラフィー、アンギオグラフィー、 核医学、骨密度、体組成スキャンの各分野において世界 の最新のテクノロジーを患者に提供することであった。 「私たちが重要だと考えたのはクオリティーの高いイメージング の実現です。」と語るのは、同病院の臨床ディレクターでメル ボルン大学の准教授でもある Pramit Phal 医師。「私たち は高解像度の MR 検査を実施することで差別化を図り、単 に臨床的な問題に答えを提供するだけでなく、最新の MR 技術を活用することでさらにその上を目指しています。」 世界の最先端のイメージングテクノロジーを手に入れるという ことはエプワースメディカルイメージングにとって最優先事項で あり続けた。そしてジーロングで MRI 装置の検討をした際に 臨床科のリーダーたちは、GE ヘルスケアの 70cm ワイドボア 3.0TMR スキャナーを導入したい意向を持っていたという。 「私たちは新しいマーケットで新しい病院を設立しようとした わけで、成功を収めるためには、他施設と明確な差別化を 図ることが非常に重要でした。」と付け加えるのは、エプワー スメディカルイメージングで MR マネージャーを務める Chris Kokkinos 先生。 SIGNAArchitect に搭載されている、 128 チャンネル RF 受信、トータルデジタルイメージング(TDI) テクノロジー、 Orchestra リコンプラットフォームや、 SIGNA Works による生産性の高さといった技術が、この病院が MR において差別化を図るポイントだったと話す。 このプロジェクトで一つ問題だったのは、施設がオープンする 2016 7 月より以前に SIGNAArchitect が正式に発 売されていなかったのである。しかし GE ヘルスケアの提供す る「 SIGNA Lift プログラム」と呼ばれるアップグレードを適用す ることによって、先に導入した Discovery MR750w SIGNAArchitect が発売されると同時にアップグレードで きることになった。アップグレード作業は 2016 12 月の第 1 週に行われ、世界で最初の 5 台のうちの 1 台が納品できる ことになった。 Phal 准教授は、「この新しい多チャンネルシステム:TDI RF よって、従来困難だった領域でもクオリティーの高い画像が 撮影できるようになりました。例えば位相やフローによるアー チファクトや、脊髄内の信号が得にくい胸椎、脳においては 空気の影響で歪みが生じやすい頭蓋底の部分などがそれ にあたります。」 と話す。さらに「 SIGNA™ Architect に搭載 されている多彩なテクノロジーは、MRI の画質を大きく向上さ せています。その恩恵は特に関節領域、脳神経領域、体 幹部のイメージングに現れていると感じており、医師として自 信を持って診断できるシステムだと感じています。」と語る。 優れた研究と臨床検査が可能なスキャナー エプワース・ジーロングで診療部長を務める Paul Smith 師は、SIGNAArchitect によって臨床と研究の両方を実 現させる事はエプワースメディカルイメージングにとって重要な ゴールだったと話す。このセンターはディーキン大学の医学部 と提携を結び、医学生のローテーション研修や撮像技師の 実習教育などを行っている。 Smith 医師によれば、「ディーキ ン大学にとってエプワースメディカルイメージングセンターのよう Pramit Phal, MBBS, FRANZCR Neuroradiologist and the Clinical Director for Epworth Medical Imaging and an Associate Professor at the University of Melbourne.
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Page 1: Pramit Phal, MBBS, FRANZCR

GE Healthcare

SIGNA™Architect が実現する MR イメージングの次のステージ

~エプワース・ジーロング(オーストラリア)の挑戦~

エプワースメディカルイメージングとそのパートナーのソニック

ヘルスケアが共同でエプワースフリーマンソンズ病院を開設し

たのは 2013 年のことだ。この病院が設立された際のビジョン

は、CT、MR、X線、3D マンモグラフィー、アンギオグラフィー、

核医学、骨密度、体組成スキャンの各分野において世界

の最新のテクノロジーを患者に提供することであった。

「私たちが重要だと考えたのはクオリティーの高いイメージング

の実現です。」と語るのは、同病院の臨床ディレクターでメル

ボルン大学の准教授でもある Pramit Phal 医師。「私たち

は高解像度の MR 検査を実施することで差別化を図り、単

に臨床的な問題に答えを提供するだけでなく、最新の MR

技術を活用することでさらにその上を目指しています。」

世界の最先端のイメージングテクノロジーを手に入れるという

ことはエプワースメディカルイメージングにとって最優先事項で

あり続けた。そしてジーロングで MRI 装置の検討をした際に

臨床科のリーダーたちは、GE ヘルスケアの 70cm ワイドボア

3.0TMR スキャナーを導入したい意向を持っていたという。

「私たちは新しいマーケットで新しい病院を設立しようとした

わけで、成功を収めるためには、他施設と明確な差別化を

図ることが非常に重要でした。」と付け加えるのは、エプワー

スメディカルイメージングで MR マネージャーを務める Chris

Kokkinos 先生。SIGNA™ Architect に搭載されている、

128 チャンネル RF 受信、トータルデジタルイメージング(TDI)

テクノロジー、Orchestra リコンプラットフォームや、SIGNA

Works による生産性の高さといった技術が、この病院が MR

において差別化を図るポイントだったと話す。

このプロジェクトで一つ問題だったのは、施設がオープンする

2016 年 7 月より以前に SIGNA™ Architect が正式に発

売されていなかったのである。しかし GE ヘルスケアの提供す

る「SIGNA Lift プログラム」と呼ばれるアップグレードを適用す

ることによって、先に導入した Discovery MR750w を

SIGNA™ Architect が発売されると同時にアップグレードで

きることになった。アップグレード作業は 2016 年 12 月の第 1

週に行われ、世界で最初の 5 台のうちの 1 台が納品できる

ことになった。

Phal 准教授は、「この新しい多チャンネルシステム:TDI RF に

よって、従来困難だった領域でもクオリティーの高い画像が

撮影できるようになりました。例えば位相やフローによるアー

チファクトや、脊髄内の信号が得にくい胸椎、脳においては

空気の影響で歪みが生じやすい頭蓋底の部分などがそれ

にあたります。」 と話す。さらに「SIGNA™ Architect に搭載

されている多彩なテクノロジーは、MRI の画質を大きく向上さ

せています。その恩恵は特に関節領域、脳神経領域、体

幹部のイメージングに現れていると感じており、医師として自

信を持って診断できるシステムだと感じています。」と語る。

優れた研究と臨床検査が可能なスキャナー

エプワース・ジーロングで診療部長を務める Paul Smith 医

師は、SIGNA™ Architect によって臨床と研究の両方を実

現させる事はエプワースメディカルイメージングにとって重要な

ゴールだったと話す。このセンターはディーキン大学の医学部

と提携を結び、医学生のローテーション研修や撮像技師の

実習教育などを行っている。Smith 医師によれば、「ディーキ

ン大学にとってエプワースメディカルイメージングセンターのよう

Pramit Phal, MBBS, FRANZCR

Neuroradiologist and the Clinical Director for

Epworth Medical Imaging and an Associate

Professor at the University of Melbourne.

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な設備が存在することを非常に喜ばしいことだと考えてくれて

います。SIGNA™ Architect のような最新で最高の技術が

大学のすぐ近くに存在するわけですから。」と話す。

この 2 つの機関では、いくつかの研究を行うための協力関

係が出来上がっており、その中には整形領域に関連するも

のが含まれているという。スポーツが盛んなことで知られるジー

ロング市はオーストラリア国内でも 2 番目に古い歴史を持つ

オーストラリア式フットボールのチームの本拠地でもある。

Smith 医師が取り組もうとしている領域は ACL グラフトの寿

命についての研究だ。最近では ACL 再建術が、変形性膝

関節症を予防するための治療法として十分ではないとする

研究結果も存在する。1

「もし医師たちが ACL グラフトの寿命についてより理解を深

めることができれば、将来的にはグラフト治療を本当に必要

とする患者に対して今よりもっと適切に治療法を勧めること

ができます。テンソルイメージングは、ACL グラフトの状態を正

確に把握するために期待できる手法だと思っています。もと

もと DiscoveryMR750w でも、ACL 内の微細な構造や走

行を描出できていましたが、それを複数方向の DTI やより高

解像度で撮像可能になれば、より詳細に一つ一つの束を

観察することができるようになります。」

と彼は説明する。

そして Phal 准教授も、SIGNA™ Architect へアップグレード

したことによって、多軸 MPG 印加の拡散テンソル画像を短

時間で撮像し、臨床の現場でより多くの情報を得るために

役立つことを望んでいる。

整形領域の先進的なアプリケーション

Kokkinos 先生は、「今回のアップグレードにより、マルチス

ライス撮影や多軸 MPG の拡散テンソル画像が短いスキャン

時間で得られるようになり、スポーツ医学の分野で病院の

大きなアピールポイントができました。」と話す。

さらに Smith 医師は、特に膝の検査を高い画像クオリティで

実施できる MRI を持つことが、スポーツ医学の分野では重

要な指標だと説明する。「膝の高画質検査が拡散テンソル

を含めてたった 20 分で行えるようになりました。これは非常に

重要なことなんです。」付け加えた。

この時間短縮によって、エプワースメディカルイメージングでは、

月曜日の午前中の時間に以前は 2-3 件だったスポーツ外

傷の緊急検査が最大 5 件まで行えるようになった。

MRI 主任の Brad Kennedy 技師は、FSE Flex シーケンスが

脊椎イメージングで素晴らしい効果を発揮していると語る。

腰椎にスクリューが入った患者に対し、従来の造影後脂肪

抑制画像と FSE Flex の画像を比較したときに、その脂肪抑

制能力の高さを知った。「FSE Flex では椎体から脊柱管に

かけての部分を観察することができ、従来よりも画質がはる

かに優れているため、放射線科の先生たちはより明瞭に観

察できるようになりました。」と Kennedy 技師は説明する。

脊椎領域の画質向上について Smith 医師も同意する。

「アップグレードして SNR が向上したことで、特に体の大きな

患者で大きな画質向上が見られています。従来は皮下脂

肪からたくさん信号を拾うことがありましたが、今では安定し

て脊椎・脊髄から十分な信号が得られており、難しいケース

でもより自信を持って診断できるようになりました。」

Paul Smith, MBBS, B.Arts B.Sci(Hons), FRANZCR,

Clinical Director for Epworth Geelong.

Figure 1. 16ch Shoulder Coil の画像比較

(A) 従来の frFSE, (B) PROPELLER MB

SNRが向上かつ動き補正効果も高い

A B

Figure 2. アップグレード前後の画像比較

(A) MR750w, (B) SIGNA Architect 18ch T/R Knee Coil

より高分解能化(赤矢印)され、軟部組織(黄矢印)のコントラストも明瞭

A B

Figure 3. (A)FSE Flexの In phase 画像 と(B)Water画像

A B

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SIGNA™Architect へのアップグレードでもう一つ大きく変わっ

た点は、Hyper Cube と Hyper Sense が使用できるようにな

った事だ。頚部で使用したところ、頚椎の神経根を良好に

描出することができたため、今後積極的に使用していきたい

とのことだ。

MR750w から SIGNA™Architect へのアップグレードでは、RF

受信システムが一新され、仮に新しい多チャンネルコイルを

導入しなくとも SNR の向上が可能である。「アップグレード前

は、体格の大きい患者での脊椎検査では高解像度の画

像を得るために苦労していましたが、新しい RF システムによ

って大幅に画質が向上し、より薄いスライスでマトリクスを上

げて撮像できています。」と Kennedy 技師は言う。

48 チャンネルヘッドコイルによる脳神経イメージング

エプワース・ジーロングは、48 チャンネルヘッドコイルを世界で

初めて臨床現場に導入した病院の 1 つである。「この 48 チ

ャンネルヘッドコイルで、明らかに頭部のイメージクオリティと空

間分解能が変わった。」Kokkinos 先生は話す。

Kennedy 技師によると、 48 チャンネルヘッドコイルは患者に

とっても非常に快適で開放的なデザインになっており、閉所

恐怖症を軽減するのに役立つ。また、付属のスペーサーを

使用するとどんな頭の大きさにも対応することができるため、

体の大きなオーストラリア式フットボールの選手たちにも問題

なく使用できる。このコイルは、GE が取り組んでいる NFL

head health initiative で開発された技術の 1 つである。

「スペーサーの存在が画像のクオリティーに影響する事は全く

ありません。スペーサーが使われているか、いないかにかかわら

ず、常に画像クオリティは同じです。」と話す Kennedy 技師

は、過去に彼が勤務していた他の病院で多チャンネルの頭

部用コイルを使用したことがあるという。その時は脳の中心

部で信号の低下が起こることが多かったが、この 48ch ヘッド

コイルでは、そのような現象は起きないという。

「脳の全体における信号の強さとその均一性という点ではこ

の 48 チャンネルヘッドコイルは非常に優れたものだと思います。

例えば、今まで高解像度の T2 画像は、FIESTA シーケンス

を使って脳幹から伸びる視神経やその他の細い神経を撮

影する必要があったのですが、今では Hyper Cube を Hyper

Sense 併用で使用しています。アーチファクトが減っただけで

なく、十分な SNR で高分解能画像が得られ、かつ撮像時

間も変わりません。こんなに素晴らしいコイルが使用できるよ

うになって本当に嬉しく思っています。」

Chris Kokkinos, B.App.Sci., PG. Cert.(MRI)

MRI manager at Epworth Medical Imaging

in Melbourne Australia.

Figure 4.

腰椎 HyperCube(HyperSense 併用)

(A) T2 2D FSEサジタルとアキシャル(Total7分)

(B) T2 3D HyperCube リフォーマット像(4 分)

A A B B B

B

Figure 5.

HyperCube-Flexに HyperSense を併用した腕神経叢イメージング、

全体で均一な脂肪抑制が可能で、この例は 3D 1.2/0.6mm (3分 50秒)

参考文献:1. Luc B, Gribble PA, Pietrosimone BG. Osteoarthritis Prevalence

Following Anterior Cruciate Ligament Reconstruction: A

Systematic Review and Numbers-Needed-to-Treat Analysis.

J Athl Train. 2014 Nov-Dec; 49(6): 806–819.

Page 4: Pramit Phal, MBBS, FRANZCR

頭部 MRA 検査においては、512 マトリクスの非常に高い空

間分解能を維持しながら FOV を 22cm から 20cm に減少

させいる。Hyper Sense を使用すれば MRA のスキャン時間

は 4 分程度で、かつ非常に良い血管コントラストが描出さ

れていると Kennedy 技師は言う。

体幹部イメージングの発展

体幹部領域について Smith 医師は、アーチファクトの低減、

特に MRCP において違いを感じているという。「胆汁が胆管

に流れこむのが観察できますが、このようなことができるのは

SIGNA™ Architect と Hyper Sense だけだと思います。これ

らの情報は判別しにくい小さな胆管結石を見つける際に非

常に有益なものになりますし、臨床科にとっても、患者状態

を把握するためには非常に重要な情報です。」

Smith 医師は、前立腺検査で高 b 値の DWI を得ることが

できる synthetic DWI にも大きな期待を寄せており、

SIGNA™ Architect と SIGNAWorks による検査時間の短

縮はこのアプリケーションの臨床活用を加速させるだろうと考

えている。

これから MR は何をもたらすのか

SIGNA™Architect のマグネットは均一性に優れており、ほぼ

全ての検査においてその恩恵を得ることができる。さらに

reFINE や deFINE といった機能によって画像の歪みや信号

の不均一性を気にすることなく、より広い FOV スキャンできる

ようになった。

また、エプワース・ジーロングにとって今回のアップグレードで

臨床アプリケーションの充実とともに有用と感じたのは、

SIGNAWorks による生産性の向上、患者の快適性の向

上という点である。

Phal 准教授は、SIGNA™ Architect アップグレードについて

「機器の導入、実際に臨床で使用した感覚、サポート体

制やリサーチにも対応できる能力など、その全てが私たちの

期待を満たすものです。」と話す。

「間違いなく私の期待には確実に応えているし、

SIGNA™ Architect はそれを超える力を発揮しています。」

と Smith 医師はこう付け加えた。

Brad Kennedy, B App Sc(Med Rad) PG Dip (MRI),

Senior MRI radiographer at Epworth Geelong.

Figure 6. 48ch ヘッドコイルの画像

白質/灰白質のコントラストが非常に高く、かつ高分解能で脳全体にわたって血管周囲腔がよく観察できる。

(A) 640 マトリクス PROPELLER MB(2分 33秒),

(B) 面内 0.3mm/26 スライスのハイレゾ画像(3分), (C) 面内 0.4mm/26 スライスの画像(3分 20 秒)

Figure 7. 48ch ヘッドコイルを用いたMRA画像比較

(A,C) 従来の 4分 39秒の MRA プロトコル

(B,D) HyperSense(ファクター2) を用いた 3 分 36 秒ハイレゾMRA

HyperSense でスキャン時間の短縮と高分解能化を両立し、細い血管

(青矢印)が描出されている。

A

B

A

B

C

D

ディスカバリーMR750w 医療機器認証番号 223ACBZX00061000

48ch Head コイル 3.0T 認証番号 228ABBZX00152000

JB51844JA

※本記事は SIGNA Pulse 2017Spring に

掲載された記事の和訳・抜粋版です。

※本カスタマーボイスはお客様の使用経験に基づく記載であり

製品の仕様値として保証するものではありません。


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