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Date post: 24-Jan-2021
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大学 2014域を を域 伊都キャンパスは面積約 万平方メートル 広大な敷地に各種施設を擁する:ミヤザキ ツカサ)
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  •  九州大学は伝統ある国

    立大学法人として、九州

    に留まらず内外で名実と

    もに高い存在感を放つ。

    それを裏打ちするのは、

    歴史とともに研究実績や

    人材輩出といった社会的

    成果。2011年には創

    立100年を迎え、各分

    野で世界の上位100大

    学に位置付けられること

    を目指して「躍進百大」

    を旗印にした活動を始め

    た。

    ◇  ◇

     九大は1911年

    、九州帝国大学とし

    て東京、京都、東北に次

    ぐ4番目の帝国大学とし

    て創立した。前身となる

    京都帝国大学福岡医科大

    学、新設された工科大学

    との統合によるものだ。

    工科大には当初、土木と

    機械、電気、応用化学、

    採鉱、冶金の6学科が置

    やきん

    かれた。

    九州大学百年

    史写真集

    によれば「石

    炭・製鉄などの産業が勃

    興しつつあった明治末期

    の九州に、工科大学の創

    設が企図されたのは当然

    のことであった」。その

    後、学部学科の拡充を進

    め、

    年に新制九州大学

    となる。

     創立から1世紀が過

    ぎ、産業構造と主要産業

    が変わった。しかし、産

    業界から大学に対する期

    待は変わらない。大学の

    統合も含めて総合大学と

    して受け皿を広げ、社会

    の要請に応えてきた。教

    育・研究分野が広がり、

    大学の存在意義が多面化

    した中で要求は高まり続

    けている。

     九大の産業への貢献

    は、多様な分野での産学

    連携や地域との協同を通

    じて大きな成果を上げて

    いる。中でも次世代エネ

    ルギーである水素分野の

    研究ではトップを走る。

    福岡県を中心に進める福

    岡水素エネルギー戦略会

    議では中核にある。学内

    に「水素エネルギー国際

    研究センター」「次世代

    燃料電池産学連携研究セ

    ンター」を擁する。キャ

    ンパス近隣には公的機関

    の「水素エネルギー製品

    研究試験センター」が立

    地するなど、九大を中心

    に集積が進む。

     また九大は、次世代に

    向けた発展の礎を、移転

    を進める伊都キャンパス

    で築いている。

    年の移

    転開始から約

    年間が経

    過。本部など主要施設を

    福岡市中心部から福岡都

    市圏西部へ移し、すでに

    総数1万人を超える規模

    の移転が進んだ。明確に

    「世界」を視野に入れた

    国際化策の進展において

    も、留学生受け入れが進

    み、新学部の設置計画な

    どソフトとハードの両面

    で整備が行われている。

    自然を豊かに残しつつ周

    辺の環境整備もなされ、

    九大を中心とした学術研

    究都市が着実にできつつ

    ある。

     移転プロジェクトは現

    在、

    年の完全移転に向

    けた3ステージの最終段

    階の事業が走る。一方で

    キャンパス完成は次代へ

    の始まりを意味する。大

    学には最先端の研究と教

    育を通じて、新しい技術

    や人材を生み続けること

    が不可欠。のみならず産

    業と地域、市民や海外を

    含めた域外との連携によ

    る、外に開かれた姿勢が

    重要だ。進化を続ける九

    大の次の100年に対

    する、注目と期待はさら

    に高まっている。

    九州大学特集2014地域を世界へ、世界を地域へ

    九州大学略年表‖‖

    1911年

     九州帝国大学創立

    1919年

    大8

     医学部・工学部に改

    称、農学部を設置

    1924年

     法文学部を設置

    1939年

     理学部を設置

    1947年

     九州大学に改称

    1949年

     新制九州大学となる

    法学部・経済学部・文

    学部・教育学部を設置

    1964年

     薬学部設置

    1967年

     歯学部設置

    2003年

     九州芸術工科大学

    968年創立

    と統合

    2004年

     国立大学法人化

    2005年

     伊都キャンパス開校

    2011年

     創立100周年

    「九大広報 百周年特集号」より抜粋

    伊都キャンパスは面積約 万平方メートル 年5月時点)の広大な敷地に各種施設を擁する(撮影者:ミヤザキ ツカサ)

    椎木講堂には3000人

    収容のホールも

    撮影者・ミヤザキ ツカサ

    本部が入る椎木講堂は

    創立100年の象徴。

    3月に完成した

    1914年

    大正3年の

    工科大学正門

    現在の箱崎キャンパス

  • 九州大学座談会

    目標は世界トップレベル久保氏

    久保氏(九州大学総長)

    月形氏(糸島市長)

    谷川 浩道たにがわ  ひろみち氏西日本シティ銀行頭取

    久保くぼ 千春ちはる氏九州大学総長

    生野しょうの 岳志たけし氏明和製作所社長

    月形つきがた 祐二ゆうじ氏糸島市長

    出席者

    〈司会〉長野光博日刊工業新聞社執行役員西部支社長

    産学官金連携 柔軟かつ強固に 九州大学は現在、福岡県糸島市と福岡市西区にまたがる「伊都キャンパス」への主要施設の

    移転を進めている。開発は学内での施設建設だけでなく、周辺の環境整備にも及ぶ。さらに大

    学の存在は、関係機関との共同研究・事業を通じて企業誘致や産業振興、地域貢献など幅広い

    効果を生んでいる。そこで九大と連携を組む自治体と企業、金融機関の「産学官金」による座

    談会を行い、実効性のある地域振興のあり方を見る。

    地域資源に磨きかける月形氏

     ―糸島市は大学との連

    携拠点を設けています。

     月形 九大の知的資源

    や学生の若い力を活用し

    て課題を解決し、糸島ブ

    ランドの地域資源に生か

    す。産学官金の連携を強

    くしながら企業育成も図

    りたい。地域を研究フィ

    ールドに使ってもらうこ

    とで先進的な実証実験を

    展開するメリットにもな

    る。総務省「ICT街づ

    くり推進事業」の採択は

    九大があったから。IC

    カード「いとゴンカー

    ド」を2万5000枚配

    布し、災害時の避難住民

    の確認や小学生の見守り

    など情報通信技術

    IC

    を使ったまちづくり

    を進めている。このほか

    九大とはお年寄り用歩行

    アシストスーツを開発

    中。生野社長が話された

    小水力発電では観光地

    「白糸の滝」で実証して

    おり、白糸地区全体を小

    水力でまかなう夢もあ

    る。観光資源や農林水産

    物は福岡都市圏で注目さ

    れているが、加えて新し

    いもの、また磨きをかけ

    る意味で九大のシーズを

    活用したい。

     ―産業界、市との連携

    は活発だが、大学として

    どう進め、またどのよう

    な期待を持ちますか。

     久保 本学は創立10

    0周年にあたり、目指す

    姿を九つ挙げた。最初に

    あるのが社会の課題に応

    える大学。そのほか社会

    との関係で知の蓄積と継

    承、発信を推進する大学

    だ。月形市長からもあっ

    たが、社会連携事業では

    年度に

    事業を行った

    うち、糸島市と7部局な

    どで

    テーマを実施し

    た。まさに社会のニーズ

    に応えており、九大も新

    たな研究を進めるシーズ

    になる。トランスレーシ

    ョナル・リサーチという

    手法による、大学が持つ

    シーズと知識の製品化

    を、医学界だけでなく産

    業界でも進めたい。

     ―どの立場でも連携が

    重要だという認識

    は同じです。成果

    を挙げるポイント

    をどう考えます

    か。

     生野 産業界で

    成果といえば事業

    化で、それに向け

    て悪戦苦闘中だ。

    連携やマッチング

    は地域やパートナ

    ーのニーズ、特性

    にピントを合わせ

    ることが大事。一般的に

    産学官連携は大学のシー

    ズを企業が実用化する図

    式が典型的だが、必ずし

    もそうではない。例えば

    小水力発電の連携では九

    大の島谷研究室は国際連

    携も含めたトータルなコ

    ーディネートを行い、要

    素技術は当社も含めた地

    場企業がそれぞれ協力し

    ている。小水力発電では

    地域合意形成や自治体と

    の連携、投資回収計画な

    どが技術要素以上に重要

    だ。それぞれのテーマや

    地域の特性に応じたベス

    トな組み合わせで応える

    ことが大事ではないか。

     谷川 久保総長が言わ

    れた社会の課題に応える

    大学というのが、まさに

    我が意を得たりだ。「象

    牙の塔」に閉じこもるの

    でなく産業界・経済界、

    国際社会に門戸を開いて

    きた姿勢を大切にし、ブ

    ラッシュアップしてほし

    いというのが基本的な願

    い。ただ、その姿勢は中

    核になる人だけでなく、

    教育機関としてどんどん

    人を育ててほしい。

    の文部科学省「大学改革

    実行プラン」を見ると、

    主体的に考えて行動でき

    る人材、国際社会で活躍

    できる人材、イノベーシ

    ョンを創出する人材など

    人材育成を強調してい

    る。そのような人材は産

    業界はじめ各界が求めて

    いる。特に圧倒的な存在

    感を有する九大で育成し

    てほしい。自治体との連

    携状況を月形市長に聞き

    驚いたが、当行も銀行と

    してのフォローだけでな

    く、能動的に手伝いた

    い。

     月形 谷川頭取も言わ

    れたが、開かれた大学と

    して地域と一緒に進む姿

    勢を続けてほしい。九大

    と連携を深める上で、市

    ・大学・企業が課題を情

    報共有し、各者が強みを

    生かすのが大事だ。市で

    は九大と人事交流を進め

    ている。市職員研修の政

    策企画塾には先生に参画

    いただいており、九大産

    学官連携本部には職員を

    派遣している。また研究

    をお願いするだけでな

    く、大学と市の両者にメ

    リットがある関係を築く

    のが大切。さらに市民や

    学生レベルの交流を深め

    るには、市民全体が学術

    研究都市で生活している

    という意識を情報発信を

    通じて醸成しなければい

    けない。これは市の責任

    だ。

     ―3人の声を聞いて久

    保総長からは。

     久保 産学官連携本部

    で連携を進めているが、

    これをさらに深めるには

    情報共有の場を持つこと

    が大事だ。シンポジウム

    や人事交流に加えて、人

    材供給により信頼関係や

    コミュニケーションが盛

    んになっていく。そうい

    う部分から深められる。

     ―九州大学は2011

    年に創立100周年を迎

    え、「九大百年、躍進百

    大」を掲げました。また

    今年

    月には新総長とし

    て久保千春氏が就任しま

    した。総長から自己紹介

    と抱負をお願いします。

     久保 1973年に九

    大医学部を卒業後、心療

    内科に入局した。基礎研

    究として免疫学を約7年

    間研究。米国に2年間留

    学し、食事と免疫、寿命

    に関する研究をした。そ

    の後、国立南福岡病院

    現・国立病院機構福岡

    病院

    勤務を経て、

    に九大心療内科に戻っ

    た。

    年に内科の教授と

    なり、

    年から6年間九

    州大学病院長を務めた。

    長く九大にいたが、この

    月1日に第

    代総長に

    就いた。抱負として大き

    く四つを述べた。一つは

    世界トップレベルの教育

    ・研究・診療拠点である

    こと。二つ目はグローバ

    ル人材の育成。三つ目が

    産学官連携の推進だ。社

    会とともに発展する大学

    として、社会との連携を

    推進したい。四つ目に箱

    崎キャンパスから伊都キ

    ャンパスへの移

    転と、残る3キ

    ャンパスの整備

    推進を考えてい

    る。

     ―伊都キャン

    パスでは学内施

    設の建設が着々

    と進んでいま

    す。

     久保 

    年に

    始まり、ちょう

    年目。有川

    節夫前総長が進めてこら

    れ、

    年に第3期に入っ

    た。

    年度までに完成す

    る方向で進めている。

     ―キャンパス移転で、

    大学と糸島市の関係は密

    接になりましたか。

     月形 九大の伊都キャ

    ンパス移転を契機に、旧

    1市2町が産業振興や教

    育などに関する連携協力

    協定を結んだ。糸島市に

    合併した

    年以後、10

    0を超える連携や交流事

    業を行ってきた。行政上

    や地域の課題、地域資源

    の利活用について知的資

    源を使った連携研究・共

    同研究を実施している。

    九大には「九州大学学術

    研究都市」の核として、

    世界レベルの教育・研究

    を通じた地域産業の活性

    化と地域への還元に期待

    する。糸島市内に「水素

    エネルギー製品研究試験

    センター

    ハイトレッ

    」「三次元半導体研

    究センター」などが立地

    したのは九大があるから

    こそ。関連企業や研究機

    関の誘致にも期待する。

    九大生の起業も金融機関

    の協力を得て支援した

    い。また

    年に1万80

    00人規模となる教職員

    ・学生には、糸島に定住

    してほしい。

     ―明和製作所は九大生

    の定住促進で協力するな

    ど、糸島市や九大との連

    携に積極的です。

     生野 当社は創業

    のモーター製造会社で典

    型的な中小企業。新規事

    業で小型電気自動車

    用モーター開発に取

    り組む中、電動バイクが

    九大生の定住化に役立つ

    ということで、市のレン

    タル事業に協力してい

    る。国土交通省の超小型

    モビリティ導入事業も市

    と実施している。なぜ小

    型EVや電動バイクに取

    り組んだかというと、同

    じことをやっても成長で

    きないからだ。もとは三

    菱電機の協力企業で電動

    工具を製造していた。

    年に現在の糸島市に移転

    したが、県外の顧客ばか

    りで地域と関わりが薄か

    った。

    年のリーマンシ

    ョックを機に自社の存在

    意義を問い直し、モータ

    ー技術を生かした環境貢

    献と、糸島の自然と観光

    という地域性を生かしつ

    つ九大学研都市に貢献す

    ることを企業使命に定め

    た。大学とは産学官連携

    の中で技術や競争力を高

    めたい。

     ―西日本シティ銀行は

    大学、地域とどのように

    関わっていますか。

     谷川 銀行の役割の一

    つは本業である預金や為

    替決済の取引だが、

    の国立大学法人化で、融

    資取引を通じた金融機関

    としての本当の意味での

    つながりが発生した。も

    う一つは経営方針である

    地域との共栄。どう地域

    と連携し、産学官の連携

    に入るかということだ。

    連携は経済学分野では

    年から3年間にわたり

    「若手企業人・学生のた

    めの国際経済・経営講

    座」を年

    回程度実施し

    た。九大の学生を中心に

    社会人も参加、久保田勇

    夫前頭取

    現会長

    も国

    際経済について講義し

    た。その後も毎年シンポ

    ジウムを開催している。

    理学分野ではシーズ発表

    会を通じて連携し、研究

    成果と地元企業の商品化

    を橋渡しする。

     ―期待については。

     谷川 期待は久保総長

    が方針として話された、

    世界トップレベルの教育

    ・研究、グローバルな人

    材育成、産学官の連携推

    進だ。特に世界トップレ

    ベルの研究が進む有機エ

    レクトロ・ルミネッセン

    EL

    や水素の分野

    は地域産業へ影響も大き

    い。日本の元気には、パ

    ラダイムシフトが起きる

    ような研究が核となり、

    産業が発展する流れが大

    事。九大の役割は極めて

    重要だ。

     ―産学官連携は金融が

    加わった「産学官金」と

    いう形で実のあるものに

    なります。3月に西日本

    シティ銀行は九大と協定

    を結びました。

     谷川 九大は知の塊の

    ような世界で、研究成果

    と技術シーズという膨大

    な知的財産を抱えてい

    る。一方で産業界は技術

    シーズへ強いニーズがあ

    る。当行の幅広いネット

    ワークと金融経済のノウ

    ハウを融合させれば、学

    術発展と地域発展の両方

    を満たして寄与できる。

     ―企業側での九大との

    具体的な産学連携のメリ

    ットは。

     生野 中小企業が大企

    業に協力していれば生き

    ていける時代は過ぎ去っ

    た。独自技術による競争

    力とイノベーションが欠

    かせない。ところが独自

    の研究開発予算も研究所

    もない。そこを大学に補

    完してもらい、技術レベ

    ル向上のてこになっても

    らえることが大きなメリ

    ットだ。希土類

    レアア

    ース

    を使わないSRモ

    ーターの開発は

    年以上

    前から福岡工業大学と進

    めてきたが、九大の移転

    を機に糸島市からマッチ

    ングしてもらったロボッ

    ト研究の山本元司教授に

    制御技術の指導を受け

    た。

     ―糸島市で小水力発電

    の研究も行っています。

     生野 九大と小水力発

    電を推進している糸島市

    からの要請で発電機の部

    分で協力することになっ

    た時に、島谷幸宏教授と

    の共同研究で新エネルギ

    ー・産業技術総合開発機

    NEDO

    の「新エ

    ネルギーベンチャー技術

    革新事業」に応募し採択

    された。今年度は3年目

    のフェーズCで事業化に

    向けた取り組みを行って

    いる。当社の独自性とし

    てEV用モーターを応用

    して1

    の低回

    転小出力に最適な発電機

    を開発し、電動バイクの

    バッテリーを蓄電池とし

    て活用する。また島谷研

    究室では水車などの適正

    技術開発とインドネシア

    との国際連携を進め、

    月から「小水力エネルギ

    ープロジェクト研究コ

    ア」が設立されることと

    なった。

  • 企業、大学、地域 一体で国際化へ

    留学生の就職後を支援谷川氏

    谷川氏(西日本シティ銀行頭取)

     伊都キャンパスでは移転、整備が進む(左から谷川氏、久保氏、月形氏、生野氏)

    グローカル製造業へ生野氏

    生野氏(明和製作所社長)

    九州大学座談会

    人材と技術でアジアを近づける ―ここから国際化につ

    いてお聞きします。久保

    総長は就任時にグローバ

    ル人材の育成を掲げまし

    た。従来も留学生の受け

    入れや国際的研究に積極

    的でしたが、改めてどう

    取り組みますか。

     久保 九州大学ではこ

    れまでもグローバル人材

    の育成は続けてきた。特

    に外国人との交流面では

    カ国2000人の留

    学生を受け入れている。

    寄宿施設「伊都協奏館」

    も完成し、611人の日

    本人と留学生が居住空間

    を共にできる。九大には

    同様の環境で、延べ10

    00人が生活できる設備

    がある。本学は文部科学

    省「国際化拠点基盤事業

    グローバル

    」に選

    ばれていたが、

    年度に

    「スーパーグローバル大

    学創成支援事業」に採択

    され、今後

    年間進め

    る。また「国際教養学部

    仮称

    」を

    年秋をめ

    どに開講したい。全科目

    の4分の1を英語で行

    う。英語だけで

    卒業する学際コ

    ースと、各学部

    の国際コースを

    合わせて約10

    0人のグローバ

    ル人材をつくっ

    ていく。

     生野 秋入学

    については。

     久保 現在も

    秋入学制度はあ

    り、約380人

    月入学。留学生の約

    半数が「協奏館」で暮ら

    しており、入寮できて良

    かったと話していた。

     ―国際化への近道は接

    触を多く持つことです。

     久保 そのような場所

    ができるのは、伊都キャ

    ンパスに移転して広い空

    間が確保できたからこ

    そ。学生の海外留学を支

    援するシステムも用意し

    ている。「スーパーグロ

    ーバル事業」で掲げた、

    の目標のうち九大では

    国際化推進、学生の留学

    増加、大学の国際評価の

    向上も役割にある。

     ―西日本シティ銀行で

    はアジア向け国際化支援

    に取り組んでいます。

     谷川 九州、なかんず

    く福岡の人は昔からアジ

    アの存在が近く、自然に

    韓国や中国に行くなど外

    国という意識が比較的薄

    い。日常にアジアがとけ

    込んでいる。地場企業も

    アジアの成長を取り込

    み、アジアとともに発展

    する戦略をとっていると

    ころが多い。当行はコン

    サル子会社のNCBリサ

    ーチ&コンサルティング

    福岡市博多区

    の国際

    コンサル室が知見を活用

    して進出相談を受けてい

    る。ただ特に経済学分野

    において、深い洞察は大

    学からでなければ得られ

    ない。

    日に九大と

    共催で国際セミナーを開

    催した。3部構成で3人

    のモデレーターは全員、

    大学院経済学研究院の教

    員。パネリストを含める

    人の半数が九大の教

    員だった。アジア地域の

    経済情勢やリスク、制度

    上の問題などを教えてい

    ただくことは、地元企業

    の国際化と発展に大変重

    要だ。そのようなことを

    通じて、地元企業の国際

    競争力を強めたい。そう

    した観点から当行の取引

    先ネットワークを活用

    し、セミナー開催を含め

    て提携を進めたい。

     ―人材面ではどうです

    か。

     谷川 グローバル人材

    をどう生かすかという、

    留学生の雇用も大事。昨

    年「九州グローバル産業

    人材協議会」が開かれ、

    いろいろな企業が参加し

    た。当行グループでは、

    協議会とNCBリサーチ

    &コンサルティングが連

    携し、昨年5月に「九州

    グローバル人材交流フェ

    ア2013in福岡」を

    開催した。だが、日本企

    業に就職した留学生をど

    う活用するかは、地元企

    業にとって今後重要な課

    題になる。そこでNCB

    リサーチ&コンサルティ

    ングを通じて、留学生の

    就職後の支援を行ってい

    る。外国人社員のための

    ビジネスマナー講座など

    が好評だ。留学生を受け

    入れたがどうすればいい

    んだという悩みに、留学

    生向けセミナーを開いて

    「日本人はこうやるんだ

    よ」と教えていく。非常

    に企業のニーズが強い。

    産業界の一員としてこう

    いう形で、大学が受け入

    れた留学生のその後の仕

    事をさせていただいてい

    る。

     ―留学生数は多い一

    方、九州で就職する人は

    少ない状況もあり、これ

    で定着が図れそうです。

    アジアの活力は市として

    どう結びつけますか。

     月形 糸島市は福岡都

    市圏では知名度もあるが

    国際的にはまだまだ。九

    大が「スーパーグローバ

    ル事業」で、世界のトッ

    プ100大学を目指すこ

    とに大きな期待を寄せて

    いる。これまで市内で外

    国人に会うことはまれだ

    った。だが九大がキャン

    パス移転したおかげで、

    日常的に海外の方が住む

    ようになった。それを市

    民に理解してもらうこと

    が大事だ。成長著しいア

    ジア市場を我々の中にど

    う取り込むか。福岡市は

    特区という形でアジアに

    開かれた拠点都市を目指

    している。当市の「糸島

    リサーチパーク」「九州

    大学南口泊研究団地」は

    グリーンアジア国際戦略

    総合特区の指定区域でも

    ある。アジアの今後の大

    きな問題は環

    境とエネルギ

    ー。九大は水

    素分野でトッ

    プレベルを走

    っており、ア

    ジアの研究機

    関や国内の環

    境エネルギー

    の研究企業の

    誘致につなげ

    たい。同時に

    当地域に最近

    立地した企業

    もアジア進出

    の希望を持っ

    ている。日本

    貿易振興機構

    ジェトロ

    や金融機関、

    特に西日本シ

    ティ銀はアジ

    アに足場を持つ。市が懸

    け橋になりアジア進出を

    支えたい。

     ―市民との交流面では

    どうですか。

     月形 糸島国際観光大

    使として

    人の九大の留

    学生を任命した。糸島の

    ことを勉強してもらい、

    観光大使として参加交流

    型サイト

    SNS

    を使

    って自国の友達や知り合

    いに紹介いただき、海外

    との交流人口もさらに増

    やしたい。九大があると

    いうことで、子どものこ

    ろから世界の人々と接す

    ることができ、子どもの

    健全育成につながる。九

    大の留学生は今後470

    0人くらいまで増大する

    ことを目標にしている。

    市としても、自分の生ま

    れた土地に対するアイデ

    ンティティーを持ちなが

    ら、世界に目がいく人材

    を育てたい。また人口減

    少と高齢化の中で、祭り

    など歴史的文化を守るの

    に九大生が地域にとけ込

    んで支えてくれている。

    研究者の方も増えてい

    る。インターナショナル

    スクールを分校でも良い

    ので誘致できないかと考

    えている。

     ―明和製作所は国内生

    産にこだわっています。

    ただ、製品自体は世界に

    供給しています。競争力

    強化で大学との連携では

    どのように。

     生野 国内でモノづく

    りをする企業は、グロー

    バル化の脅威にさらされ

    ているが、そうは言って

    も仕方がない。谷川頭取

    が言われたようにアジア

    市場をチャンスと考え、

    国内生産にこだわって糸

    島に工場を残したいと頑

    張っている。ただ、国粋

    主義のような100%国

    内生産はありえない。例

    えば、当社の電動バイク

    は中国生産を活用してい

    る。小水力発電プロジェ

    クトも電気部分は日本

    で、付加価値の高いとこ

    ろは押さえる。水車など

    鉄工の部分はインドネシ

    アを活用する。自社の強

    みと海外調達のメリット

    を組み合わせることが大

    事だ。それにつけても人

    材は大切。九州の人は海

    外に開かれているという

    話があったが、当社の従

    業員を見るとそうでもな

    いと感じる部分もある。

    古代の人の方が偉かった

    なと。新卒の技術者でも

    海外に行った経験がある

    人間は少ない。昔は海外

    に出なくてどうするとい

    うこともあった。私もグ

    ローバル企業で海外駐在

    を経験した。海外の良い

    ところと日本を対比する

    ことで、改めて日本の良

    さを知ることもある。若

    い人にもそういうことを

    経験してほしいし、企業

    文化でもグローバルな文

    化を受け入れた

    い。

     ―社内の国際

    化の状況は。

     生野 まだ程

    遠いのが正直な

    ところ。その意

    味で九大の秋入

    学や留学生20

    00人というの

    は、人材の供給

    元、また雇用だ

    けでなくインタ

    ーンシップ

    就業体験

    でも期待するところは大

    きい。当社もようやく中

    国人の元留学生を社員で

    雇用した。内からの国際

    化が大事だ。これまで

    「グローカル」とは、グ

    ローバル企業が現地ビジ

    ネスで地域にとけ込むこ

    とだった。地場企業の経

    営者になった立場では、

    逆の意味でグローカルで

    ありたい。つまりローカ

    ルでありながら、グロー

    バルな競争力を持つ企業

    を目指すということで、

    九大と進化していきた

    い。

     谷川 日本人が海外に

    行かなくなったというの

    はよく聞きます。

     久保 本学でも減少し

    ていたが、最近は学生の

    留学や海外派遣のプログ

    ラムにより増えている。

    教員はシステム上で、留

    学するとパーマネントの

    ポストが切れる状況もあ

    る。なんとか留学できる

    ように基金を使うなど対

    策しているところだ。

     ―学生に国際意識を植

    え付ける点でも大学の役

    割は大きいです。国際化

    の期待にどう応えます

    か。

     久保 一番はグローバ

    ル人材の育成と社会への

    輩出が大事。そのため大

    学にグローバル人材を育

    てる教育システムを整備

    することが必要だ。その

    一つとして「スーパーグ

    ローバル大学創成支援事

    業」が大きく加速するプ

    ログラムになる。教育シ

    ステムでは秋入学だけで

    なく4学期制導入も考え

    ており、海外トップクラ

    スの大学との授業共有も

    検討中だ。留学先で単位

    を取れるジョイントディ

    グリー、ダブルディグリ

    ーという方法もある。研

    究の国際化推進でも、若

    手教員の海外研修の促進

    や研究拠点の交流があ

    る。九大ではグローバル

    化推進本部を設けてグロ

    ーバル化を推進したい。

    「研究国際化」「教育国

    際化」「ガバナンス改

    革」「レピュテーション

    ・マネジメント」という

    4ユニットをつくり進め

    る。それにより産学官連

    携を推進し、グローバル

    人材を輩出していける。

     ―ありがとうございま

    した。


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