Speech ご挨拶
顧問 木村 邦博(東北大学大学院文学研究科・教授)
本日はお忙しい中、東北大学学友会吹奏楽部のサマーコンサートにお越しいただき、誠にありがとうございます。
「明日に架ける橋」や「サウンド・オブ・サイレンス」などのヒット曲で知られるサイモン&ガーファンクルは、1981
年 9 月 19 日、ニューヨークのセントラルパークでコンサートを行いました。これらの曲の作者でもあるポール・サイモン
は、この日ずっとまるで傍観者のような気持ちでいたけれども、帰宅して恋人と一緒にテレビニュースを見て観客が 50 万
人だったと聞き、自分の音楽が人々にとってどんな意味があるものなのかをあらためて考え始めたと述べています。
彼は自分の作った曲のことを人々が、思いやりや優しさや温かさにあふれたものだと感じていると知り、次のように考
えました。「私たちはずっと、まさに厳しい時代を生き続けてきた。だからその厳しさと反対の極にあるものに出会うと、
それが大切なものとなるのだ。」(ロバート・ヒルバーン著『ポール・サイモン 音楽と人生を語る』より)
今の時代も様々な問題を抱えており、つらいことや不安なことなどもあるかもしれません。しかしそのような中でも、
音楽を聴くことで慰められ励まされるという方も多いのではないかと思います。本日のコンサートで演奏される音楽もま
た、そのようなものであることを祈っております。
部長 山田 敦也
サマーコンサート 2021 にお越しいただきまして、誠にありがとうございま
す。
昨年度はコロナウイルス感染症の影響で、課外活動が制限されるだけでなく、
コンクールやその他演奏会などの一切が中止や延期を余儀なくされました。お
客様と同じ空間で音楽を共有することは叶いませんでしたが、関係者の皆様の
ご支援、ご厚情を賜りこうして演奏会を開催できますことを大変嬉しく思いま
す。
今年は「希望」をテーマとし、お客様だけでなく奏者たち自身にも希望を与え
られる演奏会を目指し、部員一同励んでまいりました。本公演はクラシックから
ポップスまで、夏らしく爽やかな、そして誰もが明るく前向きになれる曲をご用
意いたしました。世代を問わず、多くのお客様にお楽しみいただければ幸いで
す。
終わりに、日頃の皆様のご支援に深く感謝しますとともに、一層の精進をお約
束しまして演奏会の挨拶とさせていただきます。
実行委員長 赤澤 しおり
爽やかな秋風を感じる季節となりました。本日はご多用の中、当演奏会をご覧くださいまして誠にありがとうございま
す。
本番に向け、出演部員並びに実行委員一同は日々努力を重ねてまいりました。そんな当部がお送りいたします、若さ溢
れるフレッシュな演奏をどうぞごゆっくりお楽しみださい。
さて、当演奏会は「希望」というキーワードを意識した曲目や演出となっております。未だに収束の兆しが見えないコ
ロナ禍の中で不安な日々が続きますが、当演奏会を通じて皆様の日常に希望の光が差し込めば幸いでございます。また、
本年は東日本大震災から 10 年という節目の年でもあります。当演奏会で希望に満ち溢れた演奏に触れていただくことで、
復興に向けてまた一歩踏み出すことのできるようなパワーを皆様にお届けできればと部員一同願っております。
最後になりますが、これまでに演奏会挙行にご尽力いただいたすべての皆様に感謝申し上げまして、実行委員長挨拶と
いたします。
Program 演奏曲目
2021 年度全日本吹奏楽コンクール課題曲 IV
吹奏楽のための「エール・マーチ」 作曲/宮下秀樹
パリのアメリカ人(小編成版)
作曲/G. Gershwin 編曲/金山徹
大序曲『1812 年』変ホ長調 作品 49
作曲/P. Tchaikovsky 編曲/高橋徹
Dance Celebration
作曲/建部知弘
日本を勇気づける名曲メドレー
編曲/宮川成治
奏(Symphonic Arrangement) 作曲/大橋卓弥, 常田真太郎 編曲/郷間幹男
リトル・マーメイド・メドレー 編曲/星出尚志
花は咲く
作曲/菅野よう子 編曲/郷間幹男
Breezin’
作曲/真島俊夫
バック・トゥ・ザ・フューチャー
作曲/A. Silvestri 編曲/M. Saurer
Make Her Mine -in Swing- 編曲/福田洋介,郷間幹男
1st Stage
2nd Stage
3rd Stage
1st Stage
2021 年度吹奏楽コンクール課題曲 IV
吹奏楽のための「エール・マーチ」 作曲/宮下秀樹 まずは今年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲から一曲。作曲者の宮下氏は「誰かを応援したい時に演奏できる曲に」
という願いを込めてこの曲名をつけたという。冒頭は応援歌の代名詞ともいうべき夏の甲子園の大会歌『栄冠は君に輝く』
を思わせるファンファーレにはじまり、ヨーロッパの行進曲のようなゆったりとしたテンポが荘重な雰囲気を醸し出す。
Trio からは木管楽器を主体とした優美なメロディーが奏でられ、やがて金管楽器や打楽器も加わって華やかなフィナーレ
を迎える。落ち着いた曲調ながらもつい前に進みたくなってしまう、聴く人の背中を押してくれるような雰囲気を感じて
いただきたい。
パリのアメリカ人(小編成版) 作曲/G. Gershwin 編曲/金山徹
アメリカの作曲家、ジョージ・ガーシュイン(George Gershwin)によって 1928 年に発表された曲。パリ滞
在中の体験をもとに書かれた交響詩であり、この曲最大の特徴と言ってもよいクラクションの音が取り入れら
れるなど、彼のパリに対する印象が自由に描かれている。『ラプソディー・イン・ブルー(1924)』や『ポーギ
ーとベス(1935)』をはじめとするガーシュインの他の代表的な作品と同様、この曲もジャズなどのアメリカ
的な音楽要素を取り入れた曲となっている。ソロが多くのパートに用意されており、それぞれの楽器の持ち味
が効果的に生かされる。また、classical なサウンドと jazzy なサウンドがどちらも登場することによる色彩感
の変化もお楽しみいただきたい。今回は金山徹氏による小編成版の編曲でお届けする。少人数であっても原曲
の雰囲気を失わせない巧みな編曲にもご注目。
指揮 関森 智紀
いつまでも抜けきらない後輩気分で過ごしてきたとんぺー吹部生活 5 年目に突入。 い
つの間にか後輩の方が多くなってしまいました。
1st ステージは例年、コンクールに出場する 1・2 年生で構成されるバンドで演奏させ
ていただいておりますが、今年度は指揮者の私を含め、上から下まで幅広い学年が集ま
ったバンドになっております。フレッシュな 1・2 年生のエネルギッシュなサウンドと
貫禄ある上級学年の表情豊かなサウンドをブレンドした、例年とはちょっぴり違った雰
囲気のコンクールバンドの演奏をご堪能ください。
<指揮者プロフィール>
1997 年、長野県長野市生まれ。9 歳よりチューバを始める。中学入学時にオーボエへの転向を画策するも失敗。以来チューバ一筋。中学
2 年の文化祭で指揮者デビュー。2018 年、全日本吹奏楽コンクール宮城県大会で指揮者を務め、「ダメ金」受賞。2019 年には学友会文化
部所属団体で中心的な役割を担った学生に与えられる「末光賞」を受賞。
2nd Stage
大序曲『1812 年』変ホ長調 作品 49 作曲/P.Tchaikovsky
この曲は,ロシアの作曲家チャイコフスキーが 1880 年に作曲した,一種の描写音楽である。かの有名なフランスの戦士
ナポレオンが,60 万人の大軍を率いてロシアに侵攻したものの,ロシア軍勢力とその土地の寒さと飢えによって敗北した
という,実際に西暦 1812 年に起きた歴史的事件をわかりやすく描写している。作品中には,フランス国歌『ラ・マルセイ
エーズ』やロシア(帝国)国歌『神よツァーリを護り給え』などが織り込まれており,さらに本物の大砲パートも存在す
る,いわゆる“ド派手”な曲である。
チャイコフスキー自身がこの作品を作曲した動機は,モスクワの音楽学校の校長だったニコライ・ルビンシュテインに
寺院への献呈曲の作曲を勧められた説,当時開かれていた博覧会のための作曲説など,いくつか知られているが,どれが
本当なのかはわからない。また,フランス国歌『ラ・マルセイエーズ』は 1863 年に国歌に制定され,ロシア(帝国)国歌
『神よツァーリを護り給え』は 1830 年に作曲されたので,1812 年時点の国歌を正確に表していないというおかしなこと
も起きるが,まあそれは置いておこう。しかし大変通俗的で華やかな大曲なので,今もなお愛されているチャイコフスキ
ーの名曲のひとつである。
冒頭の静かなフレーズは,ギリシャ正教の聖歌からとったもので,祈りを捧げるような静けさがある。徐々に楽器が増
してゆき,ナポレオン軍と対峙する苦悩が読み取れる。
苦悩が絶頂に達すると,小太鼓によって刻まれた軍鼓のリズムや,ホルンなどで奏でられるリズミカルな旋律が遠くか
ら聞こえてくる。味方のロシア軍隊が到着したのだ。味方軍隊が到着するやいなや,テンポは急になって戦闘が始まった。
しかし,ナポレオン軍は優勢になり,ホルンなどが次第にフランス国歌『ラ・マルセイエーズ』を鳴らし始める。
しかしロシア側も黙っていられない。敵国歌の『ラ・マルセイエーズ』が聞こえ始めると,モスクワ市民たちはナポレ
オン軍に対抗して,ノヴゴロド地方(ロシアの北西に位置する地域)の民謡からとられた旋律が歌い上げられる。
のちに再び激しい曲調になる。『ラ・マルセイエーズ』と味方の旋律が入り混じり,大乱戦となる。次第に『ラ・マルセ
イエーズ』が断片的になって形を崩してゆき,ロシア軍による大砲が撃たれると,ナポレオン軍はロシア軍の攻撃とその
土地の寒さと飢えによってガタガタと足が崩れてゆき,ついに完敗したのである。ロシア軍の勝利を知らせるファンファ
ーレが鐘とともに力強く奏でられると,最後はテンポを上げてロシア(帝国)国歌『神よツァーリを護り給え』が力強く
奏でられる。
指揮 笠島 康生
北海道七飯町(函館)出身。自宅でピアノ教室を主宰する母に 3 歳頃からピアノの手
ほどきを受け,のちに成田理恵,伊藤亜希子両氏に師事。第 19 回ショパン国際ピアノコ
ンクール in ASIA アジア大会高校生部門奨励賞,第 27 回函館市青少年芸術事業音楽部
門奨励賞,第 28 回同部門銀賞を受賞。平成 30 年に北海道教育庁渡島教育局より表彰。
中学からは吹奏楽も始め,トロンボーンや学生指揮などを担当。東北大学学友会吹奏楽
部トレーナー。東北大学祭実行委員会委員長。本演奏会では,幼少期から親しんできた
様々な音楽で培った音楽的素養を生かし,クラシック音楽の指揮に初めて挑戦する。
3rd Stage
Dance Celebration 作曲/建部知弘
新型コロナウイルスの蔓延により私達東北大学学友会吹奏楽部は、約二年前の定期演奏会を境に演奏機会を獲得できず
にいました。これまで抑圧されてきた感性を解放するに相応しいのは、この"Dance Celebration"という曲ではないでしょ
うか。華々しい序奏、入り乱れる変拍子と歯切れの良いリズムが特徴の前半部、四分の三拍子に乗せ心地の良い主題が歌
われる後半部から成る、ハイテンポな一曲です。「私達はずっと音楽がやりたかったのだ」という想いが伝われば幸いです。
日本を勇気づける名曲メドレー 編曲/宮川成治
数ある応援ソングの中でも有名な「愛は勝つ」「どんなときも。」「明日があるさ」「負けないで」「全力少年」「ら・ら・
ら」「それが大事」「栄光の架橋」の 8 曲によるメドレー。誰もが一度は耳にしたことがあり、背中を押してくれるような
メロディーを、吹奏楽サウンドでお届けします。
奏(Symphonic Arrangement) 作曲/大橋卓弥, 常田真太郎 編曲/郷間幹男
大橋卓弥と常田真太郎からなる音楽ユニット、スキマスイッチの代表曲の一つ、「奏」の吹奏楽版。大切な人との出会い
と、訪れてしまった別れの悲しみを抱えながらも前を向こうとする様子を歌った楽曲。多くのアーティストによってカバ
ーされており、映画 「一週間フレンズ。」の主題歌にもなっている。遠くへ行ってしまう大切な人への想いを乗せた切な
くも暖かいメロディーをどうぞお聴き下さい。
リトル・マーメイド・メドレー 編曲/星出尚志
ディズニーアニメーション「リトルマーメイド」のメドレー。物語は陸上の世界に憧れる人魚のアリエルが、人間のエ
リック王子に恋をするというもの。海の世界の楽しさや素晴らしさを歌った「アンダー・ザ・シー」、アリエルの友人たち
がエリック王子とアリエルの恋を応援する「キス・ザ・ガール」、人間の世界への憧れや情熱を歌っている「パート・オブ・
ユア・ワールド」の 3 曲のメドレーを、夏のビーチを想像しながらお聞き下さい。
花は咲く 作曲/菅野よう子 編曲/郷間幹男
今年は東日本大震災から 10 年という節目の年です。この曲は NHK が震災後から行っている「NHK 東日本大震災プロ
ジェクト」のテーマソングとして被災地の復興を応援するために企画制作されました。宮城県出身の作詞家、作曲家によ
って製作され、多くの人に親しまれてきたこの曲を吹奏楽アレンジでお届けします。
Breezin’ 作曲/真島俊夫
文京シビックホール 15 周年記念として作曲された曲。題名のブリージンは、「そよ風に吹かれながら」を意味しており、
初夏の爽やかな夕暮れの海辺を散歩するイメージで作曲されました。ジャズ・ビートとアフロ・キューバンのリズムが交
錯するホット・ナンバーをお楽しみください。
バック・トゥ・ザ・フューチャー 作曲/A.Silvestri 編曲/M.Saurer
世界的に大ヒットした大人気 SF 映画「バック・トゥ・ザ・フーチャー」ですが、その壮大な世界観とストーリーのみな
らず、力強い音楽も魅力の一つです。今回は力強くダイナミックな楽曲を吹奏楽版でお届けします。
Make Her Mine -in Swing- 編曲/福田洋介,郷間幹男
この曲は映画「スウィングガールズ」でも取り上げられたジャズの人気曲を吹奏楽版に編曲したものです。原曲の持つ
ノリの良さにさらにスウィング感がプラスされ、演奏していても聞いていても気分が上がりつい体が動いてしまうような
曲となっています。アルトサックスとトロンボーンのソロにもご注目ください!
指揮 栗原 彗志
自転車で坂道を下るときに出す高い声について日々思索を深めています、栗原彗志で
す。現在は理学部で化学を専門的に学んでいます。さて、今年度のサマーコンサートは
無観客配信での開催の運びとなりました。今この文章を読んでいる皆様はきっと自宅で
コーヒーでも片手に演奏を楽しんでいることと思います。3rd ステージでは、強烈な個
性を備えた曲を多数ご用意しました。お菓子をつまみながら BGM 代わりに聞くも良し、
手を止めて演奏の映像に見入るも良し、各々の楽しみ方でご覧頂ければと思います。
そういえば所属はファゴットパートです。
Lobby Concert ロビーコンサート
~2nd stage 開演前~
Sonata for Trombone and Piano : Ⅲ. Allegro Giocoso
作曲/ E. Ewazen
混合二重奏 ダブルリード☆デュオ
Trombone 栗原 彗志 Piano 濱名 我久
~3rd stage 開演前~
Stool Pigeon
作曲/ J. Davila
打楽器八重奏 TSUBAKI
Percussion 酒井 汰一 Percussion 田村 純
Percussion 廣瀬 雄一 Percussion 武田 翼
Percussion 横堀 裕太 Percussion 戸部 詩織
Percussion 藤野 真帆 Percussion 吉川 雄矢
Part Introduction パート紹介
※マスクは写真撮影時のみ外しています。
※マスクは写真撮影時のみ外しています。
※マスクは写真撮影時のみ外しています。
※マスクは写真撮影時のみ外しています。
※マスクは写真撮影時のみ外しています。
サマーコンサート 2021 実行委員会
委員長 赤澤しおり
広 告 阿部 菜月
情 宣 足立 奏美 正木 風花 井澤 香保
美 術 紅林 夏海 安村 彩音
編 集 中山 彩香
演 出 畔上かや乃 村上 亜子
会 計 蒲澤 真希
当 日 海老原百華 藤本 佑里