Studuino Lite
(スタディーノライト)
取扱説明書
2020/3/10 作成
本書の内容は製品の仕様変更などにより、加筆・修正が加えられることがあります。
改訂履歴
改訂日付 改訂内容
2020/3/10 初版発行
目次
1. はじめに .................................................................................................................. 1
1.1. 概要・特長 ............................................................................................................. 1
1.2. 動作環境 ................................................................................................................. 1
2. 準備 .......................................................................................................................... 3
2.1. パソコンとの接続 ................................................................................................... 3
3. Studuino Lite ソフトウェア ..................................................................................... 4
3.1. 概要・特長 ............................................................................................................. 4
3.2. カテゴリーとブロックパレット ............................................................................. 4
3.3. 基本操作 ................................................................................................................. 5
ブロックの並べ方 .......................................................................................................... 5
ブロックの消し方 .......................................................................................................... 5
ブロックの移動 ............................................................................................................. 6
ブロックの複製 ............................................................................................................. 6
3.4. メインメニュー ...................................................................................................... 7
3.5. ブロックの種類と機能 .......................................................................................... 10
4. 活用例①<PC に USB ケーブルを接続して豆電球の点灯を制御> ...................... 15
4.1. 準備 ...................................................................................................................... 15
4.2. プログラミング .................................................................................................... 16
5. 活用例②<コンデンサーに蓄電した電気でプログラム制御> .............................. 18
5.1. 準備 ...................................................................................................................... 18
5.2. プログラミング .................................................................................................... 19
6. 活用例③<ロボットカーの製作> ......................................................................... 20
6.1. 準備 ...................................................................................................................... 20
6.2. 組立 ...................................................................................................................... 21
6.3. プログラミング .................................................................................................... 22
7. お問い合わせ先 ...................................................................................................... 23
1
1. はじめに
本説明書に記載のソフトウェアは、下記ウェブサイトからダウンロードできます。
http://artec-kk.co.jp/dl/95015/
ダウンロードしたファイルを実行し、解凍先を選択してください。解凍後のフォルダに含
まれる StuduinoLite.exe を実行するとソフトウェアが立ち上がります。
1.1. 概要・特長
Studuino Lite ソフトウェアは、ドラッグ&ドロップによる操作とプログラム作成をサポー
トする機能により、プログラミング初心者でも簡単にプログラムを作成できるソフトウェ
アです。
1.2. 動作環境
Windows
OS 10 / 8.1 / 7 (32bit/64bit)
プロセッサ(CPU) Core2 Duo(E6700)以上または相当品推奨
メモリ 2GB 以上
USB USB2.0 対応ポート
画面サイズ XGA(1024×768)以上
プログラムの作成・転送には USB ケーブル(microB タイプ)が必要になります。
2
Studuino Lite の各部の名称と役割について説明します。
① 【明るさセンサー(光センサー)】
明るさを 0~100 の値で計測します。明るいほど値が大きくなります。
② 【人感センサー(赤外線フォトリフレクタ)】
赤外線 LED から照射された赤外線の反射光の強さを 0~100 の値で計測します。
③ 【温度センサー】
温度を計測します。単位は℃です。
④ 【ボタン】
押しているとき⇒0、押していないとき⇒1 の値を示すスイッチとして使用します。
⑤ 【電源入力端子】
乾電池や大容量コンデンサーなどの外部電源を入力するための端子です。
⑥ 【出力端子(M1/M2)】
豆電球やモーターなどの機器に電気を出力するための端子です。
⑦ 【入力端子(USB)】
パソコンと接続しプログラムの転送および電源を入力するための端子です。
⑧ 【電源ランプ(赤)】
電源入力時に点灯します。
⑨ 【通信ランプ(緑)】
電源入力直後および、通信開始時に点灯します。
② ③
④
⑤ ⑥
⑦
⑧
⑨
①
3
2. 準備
2.1. パソコンとの接続
USB ケーブル(microB)を Studuino Lite の入力端子(USB)に接続し、もう一方をパソ
コンの USB ポートに接続します。
はじめてパソコンのUSBポートに接続したときに、「デバイスドライバーソフトウェアをイン
ストールしています」と表示されます。パソコンに認識されると「デバイスドライバーソフトウ
ェアが正しくインストールされました」と表示されます。
同じUSBポートに再度接続した場合は上記の表示はされません。
※「デバイスドライバーソフトウェアは正しくインストールされませんでした」と表示された場
合は、一度USBケーブルを抜き、再度接続し直してください。
※「デバイスドライバーソフトウェアが正しくインストールされました」と表示がでるまでUSB
ケーブルを抜かないでください。
4
3. Studuino Liteソフトウェア
3.1. 概要・特長
Studuino Lite ソフトウェアは、マサチューセッツ工科大学が開発した教育用のプログラミ
ング環境 Scratch3.0(スクラッチ)をベースとして、Studuino Lite 制御用に開発したビジ
ュアルプログラミング環境です。ブロックパレットに置かれているブロックをスクリプト
エリアにドラッグ&ドロップで移動し、他のブロックとつなげていくことで Studuino Lite
を制御するプログラムを作成することができます。
3.2. カテゴリーとブロックパレット
Studuino Lite を制御するプログラムの作成
に使用するブロックは、「動き」、「制御」、「調
べる」、「演算」、「変数」に分けられており、
カテゴリーのボタンで選択することができ
ます。
ブロックパレット スクリプトエリア
ドラッグ&ドロップ
ブロック
ブロックパレット
カテゴリー
5
3.3. 基本操作
ブロックの並べ方
ブロックパレットのブロックをドラッグしてスクリプトエリアにドロップすることでブロ
ックを並べることができます。
ドラッグ中に影がでたところでドロップすることで他のブロックにつなげることができま
す。
ブロックの消し方
スクリプトエリアに並べられたブロックをブロックパレットにドラッグ&ドロップするこ
とでブロックを消すことができます。
6
ブロックの移動
並べられたブロックを移動させるには、移動させたいブロックをドラッグ&ドロップしま
す。このとき選択したブロックの下につながったブロックも一緒に移動されます。
ブロックの複製
並べられたブロックを複製するには、複製したいブロックを右クリックし、表示されたメ
ニューから複製をクリックします。このとき選択したブロックの下につながったブロック
も一緒に複製されます。
右クリック
クリック
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3.4. メインメニュー
① 言語設定
言語設定を切り替えることができます。
② ファイルメニュー
プロジェクトの読み込みや保存を行います。
⚫ 新規
新規プロジェクトを作成します。
⚫ コンピューターから読み込む…
保存したプロジェクトを開きます。
⚫ コンピューターに保存する
プロジェクトを上書き保存します。
⚫ 終了
ソフトウェアを終了します。
① ② ③ ④
8
③ 編集メニュー
プログラムの編集や接続・転送に関係する機能を提供します 。
⚫ 削除の取り消し
削除したブロックを元に戻します。
⚫ ターボモードにする
接続時のプログラムの実行速度が通常より速くなります。
⚫ 接続…
PC と StuduinoLite を USB 接続により通信し、リアルタイムに制御することができま
す。
接続を選択すると以下のメッセージが表示されます。
接続時は StuduinoLite と PC の USB 接続を切り離さないでください。
接続時はセンサーボードでセンサーの値を確認することができます。
接続を解除する場合は再度編集メニューを開き「接続解除」を選択してください。
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⚫ 転送
作成したプログラムを実行形式に変換し Studuino Lite に転送します。
作成・転送中は、以下のメッセージが表示されます。
本メッセージが表示されている間は Studuino Lite と PC の USB 接続を切り離さないでくだ
さい。
10
3.5. ブロックの種類と機能
「動き」パレット内のブロック
「制御」パレット内のブロック
①で指定した秒数ウェイトします。
①に挿入した処理を②で設定した回数分繰り返
し実行します。
①に挿入した処理をずっと繰り返し実行しま
す。
①の条件が成立した場合、②に挿入した処理を
実行します。①の条件は、演算パレットのブロ
ックで指定します。
出 力 端 子 ( M1/M2 ) か ら の 電 気 の 出 力 を
ON-OFF 制御します。(PWM 制御)
①で出力する端子を指定します。
②で出力する電気の強さを指定します。
指定した値が、周期あたりの ON になっている
時間の割合になります。
0の場合は常に OFF、100 の場合は常に ON と
なり、0 よりも小さい値が指定された場合は 0
に、100 よりも大きい値が指定された場合は
100 に設定されます。
出力端子(M1/M2)からの電気の出力を止めま
す。
① ② ③
①
①
②
①
①
②
11
①の条件が成立した場合、②に挿入した処理を
実行します。成立しなかった場合、③に挿入し
た処理を実行します。①の条件は、演算パレッ
トのブロックで指定します。
①で指定した条件が成立するまでウェイトしま
す。①の条件は、演算パレットのブロックで指
定します。
②に挿入した処理を①で指定した条件が成立す
るまで繰り返し実行します。①の条件は、演算
パレットのブロックで指定します。
「調べる」パレット内のブロック
ボタンの状態を調べます。センサー値は、ボタ
ンを押している状態は 0、離している状態は 1
で表されます。
明るさセンサー(光センサー)の値を調べます。
センサー値は、明るいほど大きくなり、0~100
で表されます。
温度センサーの値を調べます。センサー値は、
温度(℃)で表されます。
人感センサー(赤外線フォトリフレクタ)の値
を調べます。センサー値は、0~100 で表されま
す。
タイマーの値を調べます。
単位は秒です。
タイマーの値を 0 にリセットします。
①
②
③
①
①
②
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「演算」パレット内のブロック
①に設定した値と②に設定した値を加算します。
①に設定した値と②に設定した値を減算します。
①に設定した値と②に設定した値を乗算します。
①に設定した値と②に設定した値を除算します。
①に設定した値と②に設定した値の間の乱数を
求めます。
①に設定した値が②に設定した値より大きいか
どうかを判定します。
①に設定した値が②に設定した値より小さいか
どうかを判定します。
①に設定した値が②に設定した値に等しいかど
うかを判定します。
①に設定した条件と②に設定した条件の論理積
を判定します。論理演算ブロックとして、このブ
ロックの他に論理和(または)ブロックがありま
す。ブロック上で右クリックすることでコンテキ
ストメニューから論理演算子を選択することが
できます。
②
①
② ①
②
①
②
①
②
①
②
①
②
①
②
①
②
①
13
①に設定した条件と②に設定した条件の論理和
を判定します。
①に設定した条件の否定を判定します。
「変数」パレット内のブロック
「変数」パレットでは、変数とリストを
作成できます。変数を作成する場合は、
「変数を作る」ボタンをクリックし、変
数名を記入することで変数ブロックを作
成することができます。また、リストを
作成する場合は、「リストを作る」ボタン
をクリックし、リスト名を記入すること
でリストを作成することができます。変
数名、リスト名は英数字のみ使用できます。変数、またはリストに追加できる変数の使用
可能な値の範囲は-3.4028235E+38 から 3.4028235E+38 までで、32 ビット(4 バイト)の
サイズです。
以下に変数を作成した際に表示されるブロックを記します(変数名を val としています)。
変数の値を調べます。
①で指定した変数を②で指定した値に設定します。
①で指定した変数に②で指定した値を加算します。
変数の値を画面右上に表示します。
変数の値を非表示にします。
② ①
①
②
①
② ①
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以下にリスト名を list として作成したリストブロックを示します(変数名を list としていま
す)。
リストの先頭の値を調べます。
①で指定した値を②で指定したリストに設定しま
す。
②で指定したリストの①番目の要素を削除しま
す。
①で指定したリストをすべて削除します。
①で指定したリストの②番目に③で指定した値を
挿入します。
①で指定したリストの②番目に③で指定した値を
設定します。
①で指定したリストの②番目の値を調べます。
①で指定したリストの②の値の場所を調べます。
①で指定したリストの長さを調べます。
①で指定したリストに②で指定した値が含まれる
かどうかを判定します。
変数の値を画面右上に表示します。
リストの値を非表示にします。
②
①
② ①
①
② ① ③
② ① ③
② ①
② ①
①
② ①
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4. 活用例①<PCに USBケーブルを接続して豆電球の点灯を制御>
4.1. 準備
<配線>
PC と USB ケーブルで接続し PC の電源が入っている状態では、Studuino Lite への電源供
給は PC から行われます。
豆電球を接続したみのむしリード線は、出力端子(M1)に接続します。
使用パーツ 用途 注意点
みのむしリード線
(別売品番:151097)
豆電球など外部機
器 を 接 続 し て
Studuino Lite から
電気を流す。
・接続する外部機器は消費電流が 500mA 以下
のものに限ります。
端子同士が短絡した場合や 500mA を超える
電流が流れた場合は、Studuino Lite の保護回
路により一時的に動作しなくなります。
USB ケーブル microB PC と接続し、プロ
グ ラ ム の 転 送 や
Studuino Lite へ電
源供給を行う。
豆電球(ソケット付
き)
推奨仕様:2.2V 0.11A
※LED 豆電球はこの実験では使用しないでく
ださい。LED 豆電球は内部抵抗が低く、過電圧
がかかると LED が破損する場合が有ります。
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4.2. プログラミング
①「編集」から「接続」を選択します。
②図のように Studuino Lite の各種センサーの変化を「センサーボード」で確認してくださ
い。(※詳細 3.4 メインメニュー参照)
③<豆電球を点灯させてみましょう>
下図のようにブロックをならべ、画面右上の緑の旗マークもしくは、並べたブロックをク
リックすると豆電球が点灯します。
④<豆電球の明るさを変えてみましょう>
下図の数値を 0~100 の整数で指定できます。数値を変えることで電気を流す量を変えるこ
とができます。(※100 より大きい数値を指定しても 100 より明るくなりません。)
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⑤<豆電球を点滅させてみましょう>
下図のようにブロックをならべ、画面右上の緑の旗マークもしくは、並べたブロックをク
リックすると豆電球が 1 秒間隔で繰り返し点滅します。
⑥<センサーの値によって点灯を制御しましょう>
下図のようにブロックをならべ、画面右上の緑の旗マークもしくは、並べたブロックをク
リックするとセンサーの値によって豆電球の点灯・消灯を切り替えることができます。
●暗いときに人感センサーに物を近づけたら豆
電球が点灯
●ボタンを押している間だけ豆電球が点灯 ●暗くなったら豆電球が点灯
●温度が 25 度を超えたら豆電球が点灯
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5. 活用例②<コンデンサーに蓄電した電気でプログラム制御>
5.1. 準備
使用パーツ 用途 注意点
みのむしリード線
2 本
(別売品番:151097)
・豆電球など外部機器を接
続して Studuino Lite から
電気を流す。
・コンデンサーを接続して
Studuino Lite へ電源供給
を行う。
・赤の導線に正極(+)、黒の導線に
負極(-)を接続してください。逆
に取り付けると基板の破損の原因
になります。
・手回し発電機などを直接接続しな
いでください。過剰な電流が流れて
基板の破損の原因になります。
USB ケーブル microB PC と接続し、プログラム
の転送や Studuino Lite へ
電源供給を行う。
豆電球(ソケット付き)
推奨仕様:2.2V 0.11A
※LED 豆電球はこの実験では使用
しないでください。LED 豆電球は内
部抵抗が低く、過電圧がかかると
LED が破損する場合が有ります。
大容量コンデンサー
手回し発電機等で蓄電を
することで Studuino Lite
の電源として使用するこ
とができます。
推奨仕様:2.7V 3.3F
※コンデンサーは極性があります。
一般的に足が長い方が正極(+)に
なります。
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5.2. プログラミング
①ここでは PC から USB ケーブルを外した状態で使用するため、作成したプログラムを
Studuino Lite の本体に転送する必要があります。
プログラムを作成したら「編集」より「転送」を選択してください。
(※詳細 3.4 メインメニュー参照)
②<配線>
下図のように Studuino Lite への電源供給をコンデンサーから行います。
コンデンサーへの蓄電は接続前に予め手回し発電機などで行ってください。
(※Studuino Lite に接続した状態で蓄電は行わないでください。)
豆電球を接続したみのむしリード線は、出力端子(M1)に接続します。
※コンデンサーから供給された電源は出力端子から豆電球に流れますが、豆電球を点灯さ
せていなくても Studuino Lite に接続している限り Studuino Lite を動かすための電気として
少しずつ消費されます。
極性注意!
正極(+)を赤の端子に、負極
(-)を黒の端子に接続
例)暗くなったら豆電球が点灯するプログラム
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6. 活用例③<ロボットカーの製作>
6.1. 準備
使用パーツ 用途 注意点
153149 ロ ボ ッ ト 用
DC モーター 2 個
ロボットカーのタイヤを回転さ
せます。
各種 Artec ブロック用
パーツ
ロボットの形状を作成します。
※下記組立例参照
USB ケーブル microB
端子
PC と接続し、プログラムの転送
や Studuino Lite へ電源供給を
行う。
154013 ブロック用電
池ボックス
単 3 電池 3 本を使用して電源供
給をする場合。
・アルカリ乾電池を使用してくだ
さい。
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6.2. 組立
① ②
③ ④
⑤ ⑥
⑦
M2 に接続 M1 に接続
電源に接続
※カーペットなど摩擦の大きい床面で走行させる
際は、旋回時に前輪がひっかかる場合があるので、
下図のように前輪を取り外して、目玉パーツで車
体を支えるようにしてください。
ゴムタイヤをつける。
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6.3. プログラミング
①<自動車を制御しよう>
下図のようにブロックをならべ、前後左右に自動車を動かすことができます。
直進 後退
左旋回 右旋回
左折 右折
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②<衝突回避自動車>
人感センサーをつかって、障害物を感知して停止する衝突回避自動車のプログラム
7. お問い合わせ先
株式会社 アーテック お客様相談窓口
お電話によるお問い合わせ 072-990-5656
E メールによるお問い合わせ [email protected]
右旋回
障害物の材質や色によって
センサーの値は変わります。
適切な値をセンサーボード
で確認しましょう、
値を確認