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経営戦略 - JICA報告書PDF版(JICA Report PDF)

Date post: 15-Mar-2023
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1515
河口真一郎 経営戦略 = 戦略策定、業績管理、組織構造= Deployment of Forward-Looking Balanced Scorecard & Business Process Management MOJC 通常コース 20179修正
Transcript

河口真一郎

経営戦略 = 戦略策定、業績管理、組織構造=

Deployment of

Forward-Looking

Balanced Scorecard

& Business Process

Management

MOJC 通常コース

2017年9月

修正

研修シラバス

1日目:企業上位目標とビジネス環境(SWOT) はじめに:企業の持続的成長の実現に必要な視点

1.ランチェスター理論 2.経営戦略とは 3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定 4.ビジネス環境とSWOT分析 2-3日目:BSCの視点によるSWOTベースの経営戦略、

ビジネス・ドメイン、STP、PLC、PPM

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

6.事業ドメイン

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング) 8.PLC(商品ライフサイクル) 9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

修正

研修シラバス

3-4日目:経営戦略とリンクした事業戦略 10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略 11.ポーターの競争優位戦略 12.コトラーの競争地位別戦略 13.競争しない戦略(ブルーオーシャン戦略) 5日目(金):経営戦略実現の為のサポート体制と参考事例 14.経営戦略とKPIベースの組織業績管理 15.経営戦略と組織構造のフレームワーク 16.参考事例:中小企業向け経営戦略と事例

修正

4

第2次景気底入れ

・リーマン・ショック 第1次景気底入れ

・社会主義経済が崩壊

第3次景気底入れ

・構造的経済不況

・景気底入れが見えない

モンゴルの経済情勢は、社会主義経済が崩壊した第1次景気底入れ、リーマン・ショックによる第2次景気底入れを経て、2012年から第3次の構造的経済不況に突入している。

この状況を克服する為、IMFからの融資受け入れを実務レベルで合意。

モンゴル企業は現在、この様な困難なビジネス環境で事業展開を実施中。

過去15年間のモンゴルの政治経済状況の概要

追加

モンゴル経済状況の推移-1

5

出所:モンゴル経済概況 2017年2月JETRO

減少

モンゴルGDPの推移

追加

6

出所:モンゴル経済概況 2017年2月JETRO

減少

モンゴル対外貿易の推移

モンゴル経済状況の推移-2

追加

7

原著:モンゴル経済概況 2017年2月JETRO

出所:モンゴル経済概況 2017年2月JETRO

減少

モンゴル固定資産投資の推移

モンゴル経済状況の推移-3

追加

8

出所:モンゴル経済概況 2017年2月JETRO

減少

モンゴル物価指数(CPI)の推移

モンゴル経済状況の推移-4

追加

9

出所:モンゴル経済概況 2017年2月JETRO

減少

高止まり

モンゴル銀行金利の推移

モンゴル経済状況の推移-5

追加

10

Ⅰ.過去15年間のモンゴルの政治経済状況の変化の総括 モンゴルの経済情勢は、社会主義経済が崩壊した第1次景気底入れ、リーマン・ショックによる第2次景気底入れを経て、2013年から構造的経済不況に突入している。 残念ながら、何年後に第3次景気底入れを経て景気回復がいつ実現できるか正確な予測は困難。しかし、今年になってモンゴル政府は“経済再建安定化プログラム”を発動し、改善に向け取組み中。 モンゴル企業の多くは、この様な困難な時代にビジネスを展開している。

Ⅱ.モンゴル国の経済産業状況の推移の総括 2012年度以降、国民総生産(GDP)、対外貿易、固定資産投資は連続して減少。

物価指数(CPI)は2014年、モンゴルとして初めて前年比マイナスを記録。不況により、モンゴル市民の購買意欲が減退。その結果、物価指数が前年よりも減少した。 物価指数が前年よりも減少しているにも関わらず、市中銀行ローン金利(トグルク)は20%程度と高止まり。

対ドル、対円の為替レートは過去最高を記録。

◆モンゴル企業の多くは現在、この様な困難な時代にビジネスを展開している。

モンゴル経済状況の推移-6

追加

1日目:企業上位目標とビジネス環境(SWOT)

はじめに:企業の持続的成長の実現に必要な視点

1.ランチェスター理論 2.経営戦略とは 3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定 4.ビジネス環境とSWOT分析

修正

12

持続的成長の実現に必要な企業ライフ・サイクルの概念と経営戦略

良く知られている様に、商品やサービスにはライフサイクルがあり、各ステージにおいて異なった「マーケット戦略」、「マーケット戦略の実施の仕組み」、「その仕組みを効果的に運用する組織」、「運用に必要な経営資源の有効活用」の検討が必要である。企業の成長においてもライフ・サイクルがあり、そのサイクル(ステージ)に応じた経営戦略が必要。

= 企業の持続的成長の実現に必要な視点 =

Sustainable

growth

はじめに 追加

13

持続的成長の実現に向けて企業に必要な4つのシステム

各ステージにおける企業経営上の優先課題とは「戦略」、「仕組み」、「組織」、「経営資源」である。これらが連携して企画・運営・管理される経営戦略と組織運営のシステムが必要である。

経過時間

ステージー1

顧客価値訴求

Customer Value

acceptance

ステージー2

経済性訴求

Economic

feasibility

ステージー3

規模化訴求

Scalability

ステージー4

持続化訴求

Sustainability

企業の発展段階(ステージ)毎に企業価値や企業規模は不連続に変化する

戦略、仕組み、経営資源、組織もステージに応じて変革が必要

= 企業の持続的成長の実現に必要な視点 =

はじめに

皆さまの企業は現在、どのステージか?

追加

14

持続的成長の実現に向けて企業に必要な4つのシステム

各ステージにおける企業経営上の優先課題とは「戦略」、「仕組み」、「組織」、「経営資源」である。これらが連携して企画・運営・管理される必要がある。

戦略

仕組み

経営資源 組織

戦略の実行を支える仕組み・組織・経営資源の有効活用の展開を効率的に実現する構造

戦略の実行を支える仕組み・組織・経営資源の有効活用の展開を、PDCAサイクルで管理

= 企業の持続的成長の実現に必要な視点 =

はじめに

戦略、仕組み、組織、経営資源配分は?

追加

15

持続的成長の実現に向けて必要な企業ライフサイクルの概要

ステージ-1

顧客価値訴求

ステージ-2

経済性訴求

ステージー3

規模化訴求

ステージー4

持続化訴求

戦略 将来性(市場性、収益性、競争力、成長性、持続性)のある事業ドメインの選択

マネタイズモデル(収益事業実現のモデル)の実現に向けてのオペレーション戦略

事業多角化に向けた事業拡大戦略

内外環境(政治・経済・産業・技術・価値観等)の変化に適応した戦略。

社会と企業が調和した戦略。

多様性を活用したダイバーシチー戦略。

企業文化の持続戦略

仕組み

定型化・組織化よりも、弾力的な仕組みと組織構造。 熱意・スピード、リーダーシップ

オペレーション戦略に対応した仕組み。

PKI、KRI等の業績やリスクに関する指標の導入

事業多角化に対応した仕組み。 事業多角化に伴う事業間シナジー効果の活用や、リスク評価の仕組み

多様性と変化に迅速に対応できる仕組み。

社会と企業との調和の仕組み。

企業文化を持続させる仕組み

組織 オペレーション戦略に対応した組織構造

事業多角化に対応した組織構造

多様性と変化に迅速に対応できる組織構造。 社会と企業との調和に対応できる組織構造

経営資源

配分

少ないコストで課題解決。外部リソースの活用

外部資金の確保、選択と集中による経営資源の有効活用

事業多角化に必要な経営資源の最適配分

高いレベルの技術力、コンピテンシー(知識、スキル、態度、行動)、倫理観、目的意識をもった人財育成

(human capital) development)

= 企業の持続的成長の実現に必要な視点 =

はじめに

企業のライフサイクルに対応した、

戦略、仕組み、組織、経営資源配分となっているか?

追加

1日目:経営戦略策定の事前準備 1.ランチェスター理論 2.経営戦略とは 3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定 4.ビジネス環境とSWOT分析

修正

強者(No.1企業)と弱者(No.1以下の企業)とでは取るべき戦略が異なる!!

弱者(市場シェアが2位以下)と強者(市場シェア第1位) の経営戦略

弱者とは?

市場シェアが2位以下の企業

強者とは?

市場シェアが1位の企業

取るべき経営戦略は?

差別化・集中化戦略

限定された市場セグメントで優位(強者)となる為、競合他社より安く、便利な商品を開発し、入手し易い販売経路で売る。更にアフター・サービスも充実する。

取るべき経営戦略は?

ミート(meet: 弱者に対抗)戦略

豊富な経営資源を活用して、弱者の経営戦略である差別化に対抗す

る。

弱者が強者の戦略をまねても勝つことは不可能!!

企業の競争力 = 商品力・サービス力 x 販売力2

= (質的経営資源) x (量的経営資源)2

であり、弱者は強者に比べて、両方共に劣っている為。

何故なら

1.ランチェスター理論

強者(市場シェアNo1)と弱者(市場シェアNo2以下)の5大経営戦略

弱者の戦略 個別戦略 強者の戦略

1)差別化戦略 基本戦略 1)ミート戦略

2)1点集中戦略 商品・販売戦略 2)総合戦略

3)局地戦略 ニッチ戦略 3)広域戦略

4)接近戦略 CRM戦略 4)遠隔戦略

5)陽動戦略 新ビジネス戦略 5)誘導戦略

弱者(市場シェアNo2以下の企業)の戦略

1)差別化戦略?

2)一点集中戦?

3)局地戦略?

4)接近戦略?

5)陽動戦略?

商品の質(価格、サービス、信頼性等)において他社よりも上回る

No1となりそうな地域、販売経路、客層を細分化し、経営資源を集中

自社の“強み”を発揮できる営業地域やビジネス領域を限定

直販を重視し、自ら顧客との友好な関係性を構築

No.1企業やライバル企業が出来ないビジネスを素早く展開

弱者(市場シェアNo2以下の企業)の戦略は ?

差別化・集中化戦略(選択と集中)にあり !!!!

弱者と強者の戦略は逆!

修正 1.ランチェスター理論

弱者から強者への発展段階と経営戦略の推移 (市場シエアの視点より:ランチェスター理論)

大きな市場

弱者

一つの市場セグメント内での市場シェアが26.1%以下

市場内の1セグメントで強者となる

大きな市場

一つの市場セグメント内での市場シェアが26.1%以上

市場内の1セグメントで強者を安定維持

大きな市場

一つの市場セグメント内での市場シェアが41.7%達成

大きな市場

多くの市場セグメント内での市場シェアが26.1%以上

市場内の多くのセグメントで強者となり、一部で安定維持

差別化・集中化戦略:自社独自の製品、サービスを提供

ミート戦略:相手の戦略に応じた戦略

結論:全ての企業において戦略は必要!!

市場シェア

1.ランチェスター理論

市場シェアの3大目標値(クープマン・岡田理論)

1)市場シェア上限目標値(市場で絶対的強者を確保する市場シェア)?

73.9% (100%)である必要は無い !!

2)市場シェア安定目標値(継続的に強者になる為の市場シェア)?

41.7% : 多くの企業が強者を維持する目標値 !! <トヨタの事例:現在、全世界での車の販売台数1位>

トヨタが世界市場でトップの地位を確保する為には、世界市場のシェアが40%を超える事が絶対条件である・・・トヨタ社長の訓示

3)市場シェア下限目標値(強者となる為に最低限必要な市場シェア)?

26.1% !!

競合他社全てが合併しても73.9%以下となるので、何とか市場で生き残れる。

しかし、26.1%を超えないと、市場シェアが1位であっても“強者の戦略”は取れない

1.ランチェスター理論

市場シェアと利益との関係

利益

10% 25%

強者の下限目標値: 26.1%

市場シェア

市場シェア10%未満の場合、両者の相関無し 市場シェア10%-25%の場合、

両者は正の相関あり(市場シェアが増加すると利益も増加)

市場シェアが25%を超えると、両者は更に相関の角度が増加する(市場シェアが増加すると利益も非常に増加)

角度が増加

弱者(市場シェアNo2以下の企業)は、特定の市場セグメントにおいて市場シェア26.1%の達成を第1目標として、経営資源をそのセグメントに集中しながら“弱者の戦略:差別化・集中化戦略”を活用して強者(市場シエアNo1)となる。その結果、利益も市場シェアに比例して増加する。

結 論

強者になると、利益が出る企業体質となる

弱者

強者

?

1.ランチェスター理論

2.経営戦略とは

経営理念、ビジョン、ミッションや経営目標は、経営戦略(ビジョン、ミッション、経営目標を実現する為の経営活動の方向性)を策定するための大前提である。 一方、ビジョンや経営目標を実現するために、経営戦略をベースにした具体的な経営活動の計画を、経営計画という。

経営理念

ビジョン

ミッション

経営目標

追加

経営戦略の定義(種々の定義がある)

◆持続的競争優位を達成するためのポジショニングを構築すること

◆企業が考えた競争に成功するためのセオリー

◆企業を取り巻く環境との関わりについて、企業を成功に導くために何をどのよ

うに行うかを示したもので、企業に関与する人たちの指針となり得るもの

◆「企業や事業の将来のあるべき姿とそこに至るまでの変革のシナリオ」を描い

た設計図

◆市場のなかの組織としての活動の

長期的な基本設計図

◆企業がその目標を達成するための

資源展開のあり方を環境とのかかわりの

中で方向づけるもの

経営戦略の定義

追加 2.経営戦略とは

経営戦略の事例(双日:モンゴルに進出している日本企業)

・ビジョン

・ミッション

・経営目標

・事業目標

・経営戦略

追加 2.経営戦略とは

企業ビジョン、ミッション、コア価値、

長期・中期・短期経営目標

経営資源 :5M +I

Man, Material, Money, Method, Machine and IT

(人材、材料、資金、技術・ノウハウ、機械・設備、IT)

ビジネス 魅力的

ビジネス

魅力的な新しいビジネス

魅力的な 新ビジネス

コア ビジネス

必要な ビジネス

魅力を失ったビジネス

縮小・撤退

魅力的な継続ビジネス

経営戦略

経営資源の最適配分 資金回収

M&A

シナジー効果

選択・集中 成長・拡大 改善と付加価値

SBU1 SBU 2 SBP 3

経営資源配分

シナジー戦略

撤退戦略

成長戦略

競争

戦略

外部環境 内部環境

維持・継続戦略

差別化・集中

戦略

2.経営戦略とは

1.経営戦略展開のプロセス(PDCA管理サイクルの活用)

P:Plan(計画段階:目標・KPI設定、戦略・戦術策定、

組織図、ビジネス・プロセスの設計) D:Do (戦略を活用し、目標・KPIを達成する為の全社的ビジネス活動)

C:Check(目標・KPIの達成度、戦略・戦術の活用度の評価・確認) A:Action (結果が良ければ標準化、結果が悪ければ改善)

2.モンゴル企業の特徴

P:計画の必要性は認識している

D:如何に効果的に従業員の動機付けするか(金銭的、非金銭的)に苦慮してい

C:経営者の中には、P(計画)を立てれば、経営者の役割は十分と

考えている人もいる・・・・これは間違い。PDCAの全サイクルを経営者とし

てコミットする必要がある。

A:この段階が不十分な企業が多い。今年度未達の目標・KPIが発生した

原因を十分に分析し、次年度の戦略・戦術に反映させる必要がある。

修正

モンゴル企業の経営戦略の取組みの特徴

2.経営戦略とは

企業理念

ビジョン、ミッション、コア価値

経営目標

複数の視点(財務、顧客/市場、ビジネス・プロセス、成長と人材等)からの長期/中期/短期経営目標

戦略的SWOT分析

ニーズ、ターゲット、競争力/差別化における優位性 (SWOT活用)

経営戦略

戦略オプション、戦略的意思決定、最適セ戦略 (Cross-SWOT 活用)

ドメインとSTP

事業別戦略

財務 戦略

マーケット 戦略

生産 戦略

人材管理/

育成戦略

内部ビジネス環境分析

経営資源の強み:Strong point

と弱み:Weak point の分析と活用

(SW 分析)

(4M /5M + I)

外部ビジネス環境分析

外部ビジネス機会: Opportunity と脅威: Threat の分析と予測

(OT 分析)

(政治的、社会・経済・産業情勢、顧客、競合他社、マクロ・ミクロ傾向等))

成長、差別化、集中化、多角化、競争戦略

●アンゾフ の成長戦略

● ルメルトの多角化戦略

●ポーターの 競争優位戦略

●コトラーの競争地位別戦略

利益と成長のバランス●PPM

●GE’のビジネス・スクリーン

技術 戦略

個別戦略(機能別、部門別)

3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

ビジョン、ミッション、コア価値

ビジョン:ミッションの原動力であり、企業の将来のあるべき姿

ミッション:企業の存在価値であり、企業の役割や使命

コア価値:企業が社会に提供したいと考える価値

追加 3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

●ビション:

ビジョンは、組織の基本的な経営目標や戦略の方向性に関する将来像を定義する事

であり、長期的視点での組織経営のあり方を示す。例えば、貧困対策に従事している場合は“貧困の無い世界の実現”等。・・・“Want to be “

●ミッション:

ミッションは、組織の基本的な存在目標や意義を定義する事であり、基本的には、組

織や企業が存在する理由や、ビションを実現する為の必要要件等を示す。ミッションは中・長期的視点と短期的視点を持ち、期限を決めた組織目標のひとつであるが、ビションとリンクした長期的組織目標を達成する為の包括的ゴールである。 最近は、ミッション・ステートメントに“Contribution:貢献)という表現がキーワードとして使用されている場合が多い。・・・”Should be, Should do”

●企業価値:

ステークホルダー(利害関係者:株主、顧客、投資・融資先等)がその企業や組織に

対して共有している信用・信用。価値は組織文化の活性化や、ビションやミッションの実現の為の優先順位決定に寄与する。・・・企業価値は、市場での優位性や競争力の源泉となる。一般に、企業価値が高い ⇒ 市場での優位性や競争力が高い。

ビジョン、ミッション、コア価値

3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

● 効果的なビション/ミッション・ステートメントの特徴

- 明快かつ意味不明な内容が無い

- 生き生き、かつ明確な全体像

- 輝かしい未来の定義

- 覚えやすく、関連のある言葉

- 実現可能な願望

- 組織価値と文化との関連付け

●ステートメントの利点

これらのステートメントの利点は、関係者(管理職、従業員、顧客、投資家等)に有効

な情報:価値を創造する。何故なら、これらのステートメントは、組織が向かうべき将

来の方向性やビジネス・チャンスを意思決定する際の指標となる為である。その結

果、これらのステートメントは、経営戦略策定プロセスにおける最も重要な部分を構

成する。・・・企業上位目標・KPI、戦略、戦術を決定する際の出発点。

●どちらが先か?

ビションが先か?ミッションが先か? それは、企業によってまちまちである。

ビジョン、ミッション、コア価値

修正 3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

◆株式会社サイバーエージェント: 21世紀を代表する会社を創る。

◆株式会社東芝: 飽くなき探究心を忘れず、視野を広げ、 一人ひとりが目的達成への強い意志と実行力を持ったプロとして、今、行動する。 時代の先を読み、組織の力を高め、機動力を持った経営で、 適正な利潤と持続的な成長を実現する。 人々の夢をかなえ、社会を変える商品・サービスを通して、 お客様に安心と笑顔を届け続ける。 今ある事業を、そしてこれから創り上げる新しい事業を、 もっと大きな、世界に誇れる事業に育て、 躍動感あふれる東芝グループを次の世代に引き継いで行く。

◆武田薬品工業株式会社: Better Health, Brighter Future

◆株式会社NTTドコモ: スマートイノベーションへの挑戦 -HEART-

ビジョン・ステートメント事例(日本企業)

追加 3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

◆株式会社リクルートホールディングス: 私たちは、新しい価値の創造を通じ、社会からの期待に応え、 一人ひとりが輝

豊かな世界の実現を目指す。

◆三井物産株式会社: 大切な地球と、そこに住む人びとの夢溢れる未来作りに貢献します。

◆日産自動車株式会社: 私たち日産は、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、 その目に

見える優れた価値を、全てのステークホルダーに提供します。

◆株式会社電通: 「その手があったか」 と言われるアイデアがある。 「そこまでやるか」 と言われる

技術がある。 「そんなことまで」 と言われる企業家精神がある。私たちは3つの

力でイノベーションをつくる。 人へ、社会へ、新たな変化をもたらす。 イノベーシ

ョンをつくってゆく。

◆株式会社カカクコム: ユーザー本位の価値あるサービスを創出しつづける。

ミッション・ステートメント事例(日本企業)

追加 3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

株式会社良品計画: 「良品」の新たな価値と魅力を生活者の視点で探求し、提供していく。

キリン株式会社: お客様にとってのあたらしい価値 ・お客様の安全・安心、おいしさへの

こだわり ・お客様・パートナー・地域とのWin-Win ・熱意と誠意

味の素株式会社: 独自性のある技術とサイエンスに基づき、新しい発想と継続的革新で

価値を創造します。

コア価値ステートメント事例(日本企業)

追加 3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

◆Vision

TDB will be the leading financial institution in Mongolia, a universal

bank with a strong international presence, a dedicated, trusted and

responsible financial partner helping all its clients and stakeholders in

their pursuit of sustainable financial well-being.

◆Mission

As the leading universal bank in Mongolia- TDB constantly aims to

achieve highest customer satisfaction by developing and providing

demand driven, valuable banking solutions for corporate, SME and

retail customers. Our success will be built upon our commitment to

excellent service, staff professionalism and best corporate governance.

ビジョン、ミッションの事例(TDB:モンゴル銀行)

3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

Corporate Name

Business Field

Vision Statement

Mission Statement

Core Business Unit % of Total Sales % of Total Profit Main Market Core Business Unit % of Total Sales % of Total Profit Main Market

1. 1.

2. 2.

3. 3.

4. 4.

5. 5.

10

Corporate Vision, Mission, Core Value, SBU & Business Goals/Objectives・

Corporate Core Value

1

2

3

4

5

6

7

8

9

Short-term Business

Goals/Objectives

1.Financial business goals/objecgtives:

2. Customer/Market business goals/objectives

3. Internal business process goals/objectives

4. Growth & HR goals/objectives

5. Other goals/objectives:

Medium-term

Business

Goals/Objectives

1.Financial business goals/objecgtives:

2. Customer/Market business goals/objectives

3. Internal business process goals/objectives

4. Growth & HR goals/objectives

5. Other goals/objectives:

Short-term Business Plan (SBU): Core Business Unit Medium-term Business Plan (SBU): Core Business Unit

Long-term Business

Goals/Objectives

1.Financial business goals/objecgtives:

2. Customer/Market business goals/objectives

3. Internal business process goals/objectives

4. Growth & HR goals/objectives

5. Other goals/objectives:

3.戦略策定の前提となる企業上位目標の設定

4.ビジネス環境とSWOT分析

経営戦略・経営計画を有効かつ効果的に策定するためには、自社を取り巻く外部環境と自社の内部環境を客観的な事実情報から正確に把握することが最初のステップとなる。 外部環境分析:競争優位を実現する為に、自社を取り巻く外部要因 を

分析し、ビジネス上の機会(Opportunity)と脅威(Threat)に分類。

内部環境分析:競争優位を実現する為に、自社の経営資源やコア・コンピテンス等を分析し、自社の強み(Strength)と弱み(Weakness)に分類。

追加

経営の外部環境と内部環境

環境が企業経営の与える影響

①現在の傾向として、影響の多様化、加速化、不連続化

輸出企業 → 制約的 → 脅威

輸入企業 → 促進的 → 機会

②認識の多様性:一定の環境変化でも影響の大小の認識は企業により異なる。

●ビジネス環境は「企業の内と外を基準とした場合、企業外部の外部ビジネス環境と企業内部の内部ビジネス環境とに分けられる。全社経営戦略はこれら内外のビジネス環境を分析することにより策定される。

●外部環境

①マクロ環境 : 企業にとって統制不可能な外部ビジネス環境。社会構造の変化として底流に流れている環境要素であり、自然、政治、経済、法律、社会、文化、芸術等。

②ミクロ環境 : 企業にとって準統制不可能な外部ビジネス環境であり、マクロ環境に誘発され、それらが複合的に絡み合って企業に直接影響を与える環境要素であり、市場、供給環境、流通環境等。

●内部環境 : 企業内部の、企業にとって統制可能な環境の事であり、人、物、金、情報、ノウハウなどの経営資源とほぼ同等。その他、企業風土・文化、経営者のリーダーシップ、その他。

4.ビジネス環境とSWOT分析 修正

経営戦略の構造とプロセス

環境分析と資源分析

SWOT分析→組織内部の強み、弱みといった内部環境や、ビジネス機会や脅威といった外部要因の明確化。

これにより戦略事業ドメイン・STPと全社経営戦略の基本的方向性を決定。

戦略代替案の立案と戦略の決定

複数の戦略代替案をある判断基準によりフィルターにかけて、最終的な経営戦略を決定。

経営理念

経営目的

社会的責任

環境分析

SWOT分析

機会、脅威強み、弱みの明確化

資源分析

Cross-SWOTによる

全社レベルの 経営戦略

戦略事業 ドメイン・STOと全

社経営戦略の決定

(内部環境)

(外部環境)

修正 4.ビジネス環境とSWOT分析

39

追加

外部マクロ環境分析

マクロ環境とは、事業の外部環境のうち、企業にとって統制不可能、つまり業界内の各企業とは無関係に起こっている外部ビジネス環境。具体的には、政治的(Political)環境、経済的(Economic)環境、社会的(Social)環境、技術的(Technological)環境の四つです。この四つのマクロ環境を分析することを、それぞれの頭文字を取ってPEST分析という。

4.ビジネス環境とSWOT分析

外部マクロ環境分析(PEST分析)

PEST分析:代表的な外部マクロ環境分析の手法で、マーケテイング戦略の

巨頭である、F. Kotlerが提唱。自社を取り巻くマクロな環境を分析後、自

社の”機会(Opportunity)”と”脅威(Threat)”に分類し、代表的な経営戦略立

案の代表的ツールであるSWOT分析に活用する。

PEST 現在の外部マクロ環境

(日本の事例) 自社の機会

Opportunity

自社の脅威

Threat

Politics

政治的環境

●規制緩和による政策で、製造コストが低下

●給与増加政策により人件費増加

●法人税の軽減

Economics

経済的環境

●銀行金利が低く、設備投資が容易

●円高による輸出業が好調

●国内景気の低迷による国内売上の低迷

Society

社会的環境

●若年層人口減少による労働力の不足

●環境意識の高まりによる設計段階からの見直し

●社会的課題の解決に民間企業が事業として参入

Technology

技術的環境

●IoT(Internet of Things)、BD(ビッグ・データ)等のインターネットの進化による新技術の導入

●ウエラブル技術の活用による新事業分野の開拓

●モバイル機器との連動による新商品開発

追加

❓ ❓

❓ ❓

❓ ❓

4.ビジネス環境とSWOT分析

41

ウェアラブル端末による業務効率化と新市場開拓

追加

外部マイク環境分析(最新の技術的環境

パナソニックの応用事例https://youtu.be/oEiH-lb7nnM

4.ビジネス環境とSWOT分析

ミクロ環境分析

追加

ミクロ環境とは、自社を取り巻く市場・競合環境である準統制可能な外部環境と、統制可能である自社環境がある。 外部環境は、市場の規模、成長性、競争状況、流通チャネルの構造、顧客動向などが含まれる。市場分析には、製品ライフサイクルやマーケット・セグメンテーション、イノベーター理論などが用いられる。競合分析には、業界を分析するファイブ・フォース、戦略グループを分析する戦略グループ・マップなどが有用。 自社環境の目的は、自社が市場や顧客にニーズの変化に合わせ、競合の対応を考慮しながら、自社が成功する要因を見いだす事にある。

4.ビジネス環境とSWOT分析

ミクロ環境分析

3C分析:代表的な外部ミクロ環境分析の手法で、自社を取り巻くミクロな

外部環境である“市場・顧客(Customer)”、“競合(Competitor)”と、自社環境

(Company)”を分析後、自社の”機会(Opportunity)”と”脅威(Threat)”に分類

し、外部マクロ環境分析と同じ様にSWOT分析に活用する。

2C ミクロ環境

(日本の事例) 自社の機会

Opportunity

自社の脅威

Threat

Customer

市場・顧客環境

●市場規模

●市場の成長性

●顧客ニーズ

●顧客の消費行動・購買行動

Competitor

競合環境

●競合各社のシェア

●各競合の特徴

●新規参入・代替品の脅威

●競合の業界ポジション

●特に注意すべき競合対象となる企業

●注意すべき競合対象の企業と特徴

1C ミクロ環境

(日本の事例) 自社の強み

Strength

自社の弱み

Weakness

Company

自社環境

●自社の企業理念・ビジョン

●既存事業や製品の現状

●資本力/投資能力

●現有経営資源 (5M+I)

●既存ビジネスの特徴

追加

4.ビジネス環境とSWOT分析

PEST 現在の外部マクロ環境 自社の機会

Opportunity

自社の脅威

Threat

Politics

政治的環境

Economics

経済的環境

Society

社会的環境

Technology

技術的環境

2C 現在の外部ミクロ環境 自社の機会

Opportunity

自社の脅威

Threat

Customer

市場・顧客環境

Competitor

競合環境

1C 現在の内部ミクロ環境 自社の強み

Strength

自社の弱み

Weakness

Company

自社環境

追加

ビジネス環境分析とSWOT分析(演習)

4.ビジネス環境とSWOT分析

2-3日目:BSCの視点によるSWOTベースの経営戦略、

ビジネス・ドメイン、STP、PLC、PPM

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

6.事業ドメイン

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング) 8.PLC(商品ライフサイクル)

9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

修正

ビジネス環境マトリックスとSWOT/Cross-SWOT

企業上位目標と戦略事業ドメイン、全社経営戦略の関連

強み(S) 弱み(W)

チャンス(O) 強みを活かして、チャンスを拡大

短期戦略(S-O):積極戦略

弱みを改善して、チャンスを拡大

中期戦略(W-O):弱点克服戦略

脅威(T) 強みを活かして、脅威を除く

中期戦略(S-T):差別化戦略

弱みを改善して、脅威を除く

長期戦略(W-T):維持・撤退戦略

ビジョン、ミッション、コア・バリュー、経営目標(短期・中期・長期)

SWOT環境分析

(強み、弱み、チャンス・脅威)

内部環境分析

(ミクロ)

外部環境分析

(マクロ、ミクロ))

外部・内部環境のリンク

S(強み):活用

W(弱み):改善

O(チャンス):拡大

T脅威):除く

内部 外部

全社経営戦略と戦略事業ドメイン

SO WO

ST WT

修正 5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

Study: Sample of SWOT & Analysis & Strategy

Cross-SWOT分析(日本企業の事例)

追加

Cross-SWOT分析:SWOT分析で記入した4つのカテゴリについて、それぞれ掛け合わせ、それぞれの象限に関してSWOTベースの経営戦略をデザイン

「①強み×機会」:積極戦略、市場浸透戦略等

「②強み×脅威」:差別化戦略等

「③弱み×機会」:弱点克服戦略等

「④弱み×脅威」:維持・撤退戦略・多角化戦略等

=日本のラーメン店の事例=

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

Study: Sample of SWOT & Analysis & Strategy 追加

「①強み×機会」:積極戦略、市場浸透

戦略等

「②強み×脅威」:差別化戦略等

「③弱み×機会」:弱点克服戦略等

「④弱み×脅威」:維持・撤退戦略・ 多角化戦略等

「①強み×機会」 ・積極戦略

・市場浸透戦略等

「②強み×脅威」 ・差別化戦略等

「③弱み×機会」 ・弱点克服戦略等

「④弱み×脅威」 ・維持・撤退戦略

・多角化戦略等

Cross-SWOT分析(日本企業の事例)

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

Study: Sample of SWOT & Analysis & Strategy

SWOT шинжилгээнд тулгуурласан стратегийн сонголт

Бизнесийн боломж Бизнесийн аюул

Гадаад хүчин зүйл 1 Эдийн засгийн болон хүн амын орлогын түвшингийн үсрэнгүй өсөлт

P(1)

1.Эдийн засгийн хямралд өртөмтгий салбарт үйл

ажиллагаа явуулдаг P ( 1 )

(Market, Customer, 2 Тавилгын эрэлт хэрэгцээ эрс нэмэгдэж нийлүүлэлтээсээ давсан P

( 2)

2 Өрсөлдөгч олширч, чадавх сайжирч байгаа

P ( 2 )

currency, Interest rate, 3 Санхүүжилтын эх үүсвэрийн олдоц нэмэгдэж, хүүгийн түвшин

буурсан P ( 3)

3 Бэлтгэн нийлүүлэлт БНХАУ-аас хэт их

хамааралтай P (3 )

Дотоод хүчин зүйл and Others) 4 Тавилга үйлдвэрлэлийн хамгийн том зах зээл болох БНХАУ-ын зах

зээлд шинэ тутам гарсан бүтээгдэхүүнийг шуурхай нийлүүлэх

боломжтой P ( 4)

4 Хөдөлмөрийн зах зээлд мэргэжилтэй боловсон

хүчин дутмаг P ( 4 )

5 Орон нутагт тавилгын интерьер зургийн дагуу цогцоор нь

тохижуулах эрэлт P ( 5) 5. Гадаад валютын ханш тогтворгүй P ( 5 )

6 Албан өрөө, гэрийг интерьер зургийн дагуу цогцоор нь тохижуулах

эрэлт P ( 6)

6. Гадны хөрөнгө оруулалттай тавилгын сүлжээ

дэлгүүр, зах зээлд орох

(Corporate capital & resources, others) 7 Худалдааны томоохон талбайг хямд үнээр түрээслэх боломжтой P

( 7)

Компаний Хүчтэй тал S-O стратеги 2012 оны бизнесийн төлөвлөгөө S-T стратеги 2015 оны бизнесийн төлөвлөгөө

Business strategy how to expand our "business Opportunity" by utilizing "corporate

Strong Point"

Business strategy how to expand our "business

Opportunity" by improving "corporate Weak Point)

1 Тавилгын бизнесийн туршлагатай, хэрэглэгчдэд танигдсан P

( 1 )

S-O (1-1) :Компаний үйл ажиллагаа, бараа бүтээгдэхүүнийг

хэрэглэгчдэд таниулан сурталчлах, үйлчилгээний чанар, хурдаар

тэргүүлэн ялгарах

S-T (1-2) : Компаний үйл ажиллагаа, бараа

бүтээгдэхүүнийг хэрэглэгчдэд тогтмол таниулан

сурталчлах, үйлчилгээний чанар, хурдаар

тэргүүлэн ялгарах

2 Эрч хүчтэй, чадварлаг, мэргэшсэн боловсон хүчинтэй P ( 2)

S-O (1-2,4): Барааны нэр төрөл, сонголтыг нэмэгдүүлэх, зах зээлд

шинээр гарч буй бараа бүтээгдэхүүнийг бусдаас түрүүлж хэрэглэгчдэд

хүргэх

S-T (1-3) : Ази, Европын бусад орнуудаас тавилга

импортлох, барааны нэр төрөл, сонголтыг

нэмэгдүүлэх

3 Тавилгын нийлүүлэлт, борлуулалт, хүргэлтийн тогтсон системтэй

P ( 3)

S-O (2-2) : Компаний зорилго зорилтыг ажиллагсдад таниулах, цалин

хөлс, урамшуулал, хариуцлагын системийг боловсронгуй болгох,

идэвхжүүлэх

S-T (2-1) : Тавилгаас бусад бизнесийн салбарт

нэвтрэх

4 Буйдан, гал тогооны тавилгын үйлдвэрлэлийн арга, технологи

эзэмшсэн P ( 4)

S-O (2-2) : Ажлын уялдаа холбоог сайжруулах, үйл ажиллагааны

хурдыг нэмэгдүүлэх, хүн бүрийн ажлын бүтээмж гарцыг нэмэгдүүлэх

Их дээд сургууль, техник мэргэжлийн сургууль ,

хөдөлмөр зуучлалын газартай хамтран ажиллаж,

мэргэжилтэй боловсон хүчин бэлтгэх

S-O CSF Стратеги S-T CSF Стратеги

Компаний Сул тал

W-O стратеги 2015 оны бизнесийн төлөвлөгөө W-T стратеги 2017 оны бизнесийн төлөвлөгөө

Business strategy how to avoid "business Threat" by utilizing "corporate Strong Point"

Business strategy how to suppress damages caused by

"business Treat", and "corporate Weak Point" to the

minimum

1 Ажиллагсдын ажлын уялдаа холбоо, хариуцлагын систем бүрэн

бүрэлдээгүй P (1)

S-W (1-1,2,5) : Байгууллагын зохион байгуулалтын бүтэц, дүрэм

журам, соёл, дэд системүүдийг бүрэн боловсруулж, хэвшүүлэх Тавилгын худалдаа, интерьерийн чиглэлийн нэг

цэгийн үйлчилгээ явуулах

2 Бүтээгдэхүүний болон үйлчилгээний чанартай холбоотой гомдол

санал гарах тохиолдол их P (2)

S-W (2-1,2,5) : Үйлдвэрлэл, үйлчилгээний стандарт боловсруулж

мөрдлөг болгох, хэрэглэгчийн гомдлын менежмент, эргэх холбоог

сайжруулах

Тавилгаас бусад бизнесийн салбарын үйл

ажиллагааг идэвхжүүлэх

3 Үйлдвэрлэлийн тоног төхөөрөмж хангалтгүй, мэргэжилтэй боловсон

хүчин дутмаг, үйлдвэрийн төлөвлөлт, зохион байгуулалт хангалтгүй P

(3)

S-W (3-1,2,5) : Үйлдвэрийн төлөвлөлт, зохион байгуулалтыг

сайжруулж , үйлдвэрийг бүрэн хүчин чадлаар нь ажиллуулах

Гадаад хөдөлмөрийн зах зээлээс шаардлагатай

боловсон хүчин олж ажиллуулах

4 Өөрийн худалдааны талбай байхгүй, түрээслэгчдээс бүрэн

хамааралтай P (4)

S-W (4-1,2,3,5) : Хотын төлөвлөлт, төвлөрлийг судалж, байршил

сайтай газар өөрийн худалдааны талбайг барих Үйлдвэрлэлд ISO стандарт нэвтрүүлэх

5 Агуулахын хүчин чадал бага, зохион байгуулалт муутай P (5) S-W ( 5-1,2,3,5 ) : Агуулахын хүчин чадлыг өргөтгөх, агуулахын тоног

төхөөрөмж, зохион байгуулалтыг шинэчлэх

Ажиллагсдын цалин хөлс, нийгмийн хангамжийг

дэлхийн жишигт хүргэх

W-O CSF Стратеги W-T CSF Стратеги

Cross-SWOT分析(モンゴル企業の事例)

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

BSCと戦略マップ

追加

BSC(バランススコアカード):戦略経営のためのマネジメントシステムであり、ビジョン、経営・事業目標と各種戦略を明確にすることで、財務数値に表される業績だけでなく、財務以外の経営状況や経営品質から経営を評価し、バランスのとれた業績の評価を行うための手法。

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

BSCと戦略マップ

追加

戦略マップ:4つの視点(財務、市場・顧客、ビジネスプロセス、成長・人材等)

、は、企業のビジョンを達成するための戦略シナリオを明確にするためのバランススコアカード(BSC)特有の分類方法である。4つの視点からの戦略間の連携を図示したものが戦略マップであり、BSCの為の代表的ツール。

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

BSCをベースにした4つの視点からのCross-SWOT分析(演習)

修正

(戦略マップの作成の為には、4つの視点からのCross-SWOT分析が必要)

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

企業プロファイル 導入前 導入後(4年後)

使用総資本利益率 6% 16%

利益額 最下位 最上位

売上成長率 - 2%アップ

1ガロンあたりの費用 - 20%減

環境安全事故 - 20%減

歩留、設備休止時間 - 70%削減

従業員の戦略意識、参加意識 20% 80%

エクソン・モービルでは1995年以降原価低減と生産性向上によるコストリーダーシ

ップだけでは競争優位性を継続していくことが困難と考え、「プレミアムガソリンの販売拡大」と「ガソリン以外の商品・サービスによる売上の拡大」を目指しバランススコアカードを導入。

当時6%だった使用総資本利益率を12%に増加するという高い財務目標を掲げ、その目標を達成するために財務の視点の戦略目標に収益性向上と生産性向上を設定。

導入から4年後の1998年には使用資本利益率は16%と飛躍的に改善され、バランススコアカードの導入の成功事例として広く知られている。

BSCの視点からの戦略マップ活用事例(米国)

追加 5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

BSCの視点からの戦略マップ活用事例(米国)

追加 5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

視点 主要戦略目標(KSG) 重要成功要因(KSF) 業績評価指標 (KPI)

財務の視点

使用総資本利益率の増加 実際の使用総資本利益率 業界他社と比較した利益額

収益性向上

ガソリン以外の収益源の掘り起こし

ガソリン以外の売上高 ガソリン以外の利益

プレミアム商品の販売による顧客収益性の向上

業界他社と比較した販売量 普通対プレミアム・ガソリン

生産性向上

業界でのコスト・リーダーシップの確立

業界他社と比較した1ガロンあたりコスト

既存資産の最大活用 事業計画に比較したキャッシュフロー

顧客の視点

顧客満足

(基本要因) 清潔 安全 高品質 ブランドの信頼性 (差別化要因) 迅速なサービス 友好的かつ親切な従業員 顧客ロイヤリティーの認識

覆面買い物客による評価 ターゲットとする顧客 セグメントの市場占有率

ディーラーとの相互満足

更なる顧客志向製品の提供 ディーラービジネス・スキル向上の支援

ディーラーの利益性向上度 ディーラー満足度

BSCの視点からの戦略マップ活用事例(米国)

追加 5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

視点 主要戦略目標(KSI) 重要成功要因(KSF) 業績評価指標 (KPI)

業務プロセスの視点

フランチャイズの組織化 ガソリン以外の製品やサービスの開発

新製品投資利益率 新製品受入比率

顧客価値の創造

顧客セグメントの理解 ターゲット市場の占有率

最適なフランチャイズの組織化

ディーラーの質評価指標

業務プロセスの視点 (財務の視点を指示)

卓越した石油精製業務

設備稼働率の向上 精製工場の歩留率 予期せぬ設備休止時間

納期の厳守 遅延回数

在庫管理の向上 在庫水準 在庫切率

業界でのコスト・リーダーシップ

業界他社と比較したアクティビティ・コスト

良き隣人 環境および安全性の向上 環境関連事故数 安全関連事故数

学習と成長の視点

前向きな組織風土

企業目標と個人目標の整合性 個人の成長

個人のバランススコアカード 従業員のフィードバック

従業員のコンピタンス(技術や能力)

従業員能力アップ リーダーシップ力の強化 従業員の総合的視野の育成

戦略的業務装備率

技術のインフラ 業務プロセス促進の為に新技術の導入

戦略的情報システム装備率

BSCの視点からの戦略マップ活用事例(米国)

追加 5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

4つの視点からの戦略マップ事例-1(日本企業)

追加 5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

4つの視点からの戦略マップ事例-2(日本企業)

追加 5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

4つの視点からの戦略マップ事例(モンゴル企業)

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

BSCの視点からの戦略マップ(グループ演習)

https://www.youtube.com/watch?v=B7H4TYxffXI

追加

BSC-based Strategy Map

Financial

Perspectives

Market/Customer

Perspectives

Business Process

Perspectives

Growth & HR

Perspectives

Corporate/Business Goals/Objectives Financial:

Market/Customer:

Business Process:

Growth & HR: Others:

What we should

accomplish?

How we plan to

be accomplished ?

5.Cross-SWOT分析とBSCの視点からの戦略マップ

戦略事業ドメインの3つの要因

戦略事業ドメイン決定のポイント

戦略ドメインの3要素 誰に ( Who:標的顧客)

何を ( What:顧客ニーズ)

どのように ( How:独自能力)

標的顧客・市場 事業展開を推進する際に、標的(対象)となる顧客や市場セグメント)

顧客ニーズ(提供価値) 他社と比較して、自社の製品やサービスが顧客に与える価値(操作性、デザイン、省エネルギー、低価格、信頼性、その他)

独自技術(差別優位の技術・サービスやノーハウ)

他社と比較して差別・優位性を持つ自社の技術・サービスやノウハウ

誰に ( Who:標的顧客・市場)

何を ( What:顧客ニーズ)

どのように ( How:独自能力)

戦略事業

ドメイン

6.事業ドメイン

18

◆事業ポジショニング分析:事業ポジショニングとは、市場の魅力度である市

場性と事業の競争力評価の2つの視点から事業ユニットを図上にポジショニ

ング(位置づけ)して、事業の基本戦略(拡大、撤退、維持、刈取り等)と経営

資源の配分の決定に活用。

事業ドメイン内でのポジショニング分析と基本戦略、経営資源配分

市場性

競争力

劣位 同位 優位

ポジショニングⅢ

経営資源配分の見直しと

再配分

ポジショニングⅡ

事業の選択と経営資源の

集中

ポジショニングⅠ

事業の

積極拡大

ポジショニングⅣ

事業の維持、事業成果に刈取り、市場からの撤退

事業ポジショニングと基本戦略、経営資源配分

6.事業ドメイン

19

売上比率

利益率 高

高 金

利益貢献度=売上比率 X 利益率

分類 利益率 売上比率 貢献利益度 基本的な戦略の方向付け

金 高 高 高い 現状維持戦略:経営資源の再配分(強化・現状維持・縮小)

銀 高 低 中 売上拡大戦略:経営資源の投入強化

銅 低 高 中 コストダウン戦略:経営資源の再配分(投入先部門の選択と集中)

石 低 低 低い 撤退・縮小戦略:投入資源の刈取り

1-2.経営戦略とは?

貢献利益度分析と基本戦略、経営資源配分

6.事業ドメイン

事業ドメイン、事業ポジショニング、基本戦略、経営資源配分(演習)

標的顧客・市場 顧客ニーズ(提供価値) 独自技術

事業展開を推進する際に、標的(対象)となる顧客や市場セグメント)

他社と比較して、自社の製品やサービスが顧客に与える価値(操作性、デザイン、省エネルギー、低価格、信頼性、その他)

他社と比較して差別・優位性を持つ自社の技術・サービスやノウハウ

・ ・

事業ポジショニングと基本戦略、経営資源配分

・どの標的顧客・市場に対して?:

・どの様な独自技術を生かして?:

・どの様な価値を標的顧客・市場に提供する事により?

・どの分野にビジネスを展開するか(事業ドメイン)?

・事業ポジション分析による基本戦略と経営資源配分は?

・貢献利益度分析による基本戦略と経営資源配分は?

修正

SBU: .

6.事業ドメイン

21

STP: Segmentation, Targeting, Positioning

第1段階:価値の選択(STP)

第2段階:価値の提供:3P

(Product, Price, Place)

第3段階:価値の伝達 :1P

(Promotion)

価値の細分化

(Segmentation)

市場の選択と集中

(Targeting)

価値のポジショニング

(Positioning)

製品・サービス開発

(Product) 価格設定

(Price)

調達/ 製造

(Product & Price)

流通

(Place)

販売促進

(Sales Promotion)

市場・顧客の決定

製品の開発・製造・流通

ビジネス展開

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)

22

S: セグメンテーション

■かつては、大衆への売込みを前提とするマス・マーケテイングが中心であった。これは、市場占有率No.1のリーダー企業か、競争が少ない市場にのみ有効。 ■最近は、市場を細分化し自社に適した(競争力のある)市場分野(標的市場)でビジネスを展開する傾向が増加している・・・セグメンテーション(市場細分化) ■セグメンテーションでは、市場を共通の特徴を持ったグループに分ける。例えば、年齢、性別、収入、国籍等でありセグメントと呼ばれる。 ■しかし、同じセグメント内でも、必ずしも消費パターンが同じではない。その結果、以下のセグメンテーションも活用されている。 (1)ビネフィット・セグメンテーション:顧客が製品に求める主なるビネフィット(便 益)に応じて顧客を分類。 (2)ロイヤルテイ・セグメンテーション:長期間、顧客との取引関係を維持し、より多 くの利益をもたらしてくれる顧客に着目してセグメンテーションを実施。

Positioning Targeting Segmentation

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)

23

市場細分化の方法 1.記述的特徴による細分化 ■デモグラフィックス(購買者の社会経済的な特徴)による細分化 年齢、性別、世帯規模、所得、職業等 ■サイコグラフィックス(購買者の理学的属性、心理学的特徴)による細分化 ライフスタイル、行動、信念(宗教)、価値観、個性、購買動機、商品使用頻度

2.行動上の特性による細分化 ■使用機会、ベネフィット(便宜)、使用頻度、ロイヤルテイ等

セグメンテーション

記述的特徴による方法

デモグラフィックによる方法

サイコグラフィックによる方法

行動上の特性による方法

Positioning Targeting Segmentation

S: セグメンテーション

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)

■セグメンテーションの魅力度:ポーターの5つの競争要因(5 Force) 市場セグメントに内在する長期的な利益上の魅力度を決定する要因 ・業界内の競合他社:セグメント内の競争が少ない場合、魅力的 ・新規企業の参入:新規参入が少なく、撤退も容易の場合、魅力的 ・代替品:代替品が少ない場合、魅力的 ・買い手(顧客)の交渉力:買い手の交渉力が低い場合、魅力的 ・売り手(供給業者)の交渉力:売り手の交渉力が低い場合、魅力的

Positioning Targeting Segmentation

新規企業

の参入

代替品

売り手

(供給業者) の交渉力

買い手

(顧客) の交渉力

5つの競争要因(5 Force)

業界内の

競合他社

(セグメント

内の競争)

S: セグメンテーション

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)

S:セグメンテーション

泡タイプ薬用洗顔 洗顔シート 泡タイプ洗顔

アロマ・バス メイクも落とせる UVカット市場

女性用

男性用

女性用新用途市場

女性用標準用途市場

女性用高級品市場

ビネフットSMT

性別SMT

性別SMT

女性用

男性用 男性用新用途市場

男性用標準用途市場

男性用高級品市場

新用途市場 標準用途市場 高級品市場

Positioning Targeting Segmentation

■ターゲテイングとは 自社にとって魅力的なセグメント(標的市場)に絞り込む。 ■ターゲテイングのタイプ ・単一セグメントを選択:企業の投資収益率は高いが、リスクがある ・複数セグメントを選択:高いコストがかかるがリスクは分散される ・全セグメントを選択:製品か市場 ・顧客のいずれかに特化する場合や、魅力 的なセグメントを複数選択する場合がある。最もコストがかかる。

単一セグメントを選択

複数セグメントを選択 全セグメントを選択

Positioning Targeting Segmentation

T: ターゲテイング

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)

T:ターゲテイング

女性用

男性用

ビネフットSMT

性別SMT

性別SMT

女性用

男性用

女性用市場では高級品を標的市場とする

(単一セグメント)

標準用途市場 高級品市場

男性用市場では標準用途市場と高級品市場を標的市場とする

(複数セグメント)

男性用市場では標準用途市場と高級品市場を標的市場とする

(複数セグメント)

Positioning Targeting Segmentation

28

■ポジショニングとは 自社の提供物(製品やサービス)やイメージが、標的市場内で特有の地位(競争 優位の地位)を占めることが可能になる対策(競争優位性を確立する:例えばブ ランド確立等) ■ポジショニングの方法 ・自社の製品属性(価格、性能等)の優位性を標的市場内に確立する(製品属性 ブランドを確立) ・製品やサービスが提供するビネフィット(便益)を標的市場内に確立する(製品 ビネフィットブランドを確立) ・製品の種類別に差別化し、製品種類別ブランドを確立 ■ポジショニング戦略のステップ ・第1ステップ:ポジショニングの基礎となる競争優位点を明確化する ・第2ステップ:その中から適切な優位点を選択する ・第3ステップ:標的市場で選択したポジショニング(競争優位点)を効果的 に確立・宣伝する

Positioning Targeting Segmentation

P: ポジショニング

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)

P:ポジショニング

アロマ・バス

女性用

男性用

ビネフットSMT

性別SMT

性別SMT

女性用

男性用

泡タイプ洗顔

標的市場としての女性用高級品市場において、アロマ・バス製品としてのブランドを確立する

泡タイプ薬用洗顔

標準用途市場 高級品市場

男性用市場では標準用途市場と高級品市場を標的市場とする

(複数セグメント)

標的市場としての男性用標準用途市場では、泡タイプ洗顔製品としてのブランドを、高級品市場では、泡タイプ薬用洗顔製品としてのブランドを確立する

Positioning Targeting Segmentation

30

■ポジショニングにおける競争優位(差別化) 標的市場内で自社の製品やサービスの競争優位のポジショニングを確立する 為には、他社の製品やサービスとの“差別化”が必要である。 ■5つの差別化変数(コトラー) 1.製品:製品そのものの属性(形態や特徴に関する)や、買い手から見た品質や 価格、信頼性等 2.サービス:製品が物理的に差別化できない場合、サービスの内容が差別化の 手段 3.人材:接客態度や商品知識の豊富さも差別化の手段 4.チャネル:流通チャネル(競合他社よりも店舗数が多く、アクセスが容易等)か らも差別化が可能 5:イメージ:企業イメージ、ブランド・イメージの強化によっても差別化が可能

製品

セグメント

(S)

ターゲテイング

(T)

ポジショニング

(P)

競争優位(差別化)対策

製品

イメージ

サービス

人材 チャネル

ブランド・ イメージ

女性用洗顔 女性市場 高級品市場 アロマ・バス

男性用洗顔

男性市場

高級品市場 泡タイプ薬用洗顔

標準用途市場 泡タイプ洗顔

Positioning Targeting Segmentation STPと競争優位(差別化)

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)

31

自社主力製品のSPTと差別化対策(グループ演習)

製品

セグメント

(S)

ターゲテイング

(T)

ポジショニング

(P)

競争優位(差別化)対策

製品

イメージ

サービス 人材 チャネル ブラインド・イメージ

Positioning Targeting Segmentation

7.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)

導入期 成長期 成熟期 衰退期

製品ライフサイクル

市場成長率 低い 高い 飽和 低い

資金需要 多い 多い 低下 少ない

戦略 市場拡大 市場浸透 シェア維持 資金回収・撤退

競合 ほとんど無し 激化 減少・安定 さらに減少

4P戦略

製品戦略 製品開発 多角化 差別化 縮小/撤退

価格戦略 視点、製品形態、マーケテイング戦略により決定

チャネル戦略 限定 拡大 重点化 限定

プロモーション戦略 教育啓蒙 特徴強調 実利追究 効果減退

売上

利益

PLC: Product Life Cycle(商品ライフサイクル)

追加 8.PLC(商品ライフサイクル)

PLC: Product Life Cycle(商品ライフサイクル)

追加 8.PLC(商品ライフサイクル)

PLCとは、製品が市場に登場してから退場するまでの4つのサイクル(①導入期、②成長期、③成熟期、④衰退期)を意味する。

各製品に対してサイクル毎の売上と利益の変化に着目して、最適なマーケティング・販売戦略を構築するための基本的な情報となる。

導入期 成長期 成熟期 衰退期

製品

ライフサイクル

戦略 市場拡大 市場浸透 シェア維持 利益・資金回収・撤退

関連する価格戦略

●原価プラス利益方式を基本に適切なタイミングでの価格引き下げやサービスの付加を検討。

●導入時から低価格を訴求し、販売数量と市場占有率を短期間で上昇させ利益を確保しようとする市場浸透価格設定方式。

●原価プラス利益方式を基本として、適切なタイミングでの価格引き下げやサービスの付加を検討

●価格中心の競争が激化してくるので需要ベースの価格設定方式を検討。

●市場全体が衰退期であれば原価を確保して在庫処分し、原則として市場から撤退。

●自社のみにみられる傾向であれば価格・品質などの再検討。

●顧客の新規ニーズを発掘し、新商品開発を本格化

売上

利益

追加

PLC: Product Life Cycle(商品ライフサイクル)

8.PLC(商品ライフサイクル)

導入期 成長期 成熟期 衰退期

製品ライフサイクル

市場成長率

資金需要

戦略

競合

4P戦略

製品戦略

価格戦略

チャネル戦略

プロモーション戦略

売上

利益

追加

PLC: Product Life Cycle (演習)

8.PLC(商品ライフサイクル)

PPM(Product Portfolio Management by BCG)

●PPM :自社の製品・事業を市場成長率と相対的市場占有率の2つの評価尺度で分類し、企業 全体としてバランスの取れた有益の捕獲と成長を狙う戦略的手法。 BCGが開発。

PPMの4つのセル

●4つのセル :各製品・事業は花形製品:スター(★)、金のなる木($)、問題児(?)、負け犬(X) という4つのセルに分類される。

PPM戦略の方向付け

●金のなる木で生み出した余剰資金を、魅力の高い問題児や花形製品に集中投入しつつ、魅力 のない問題児や負け犬から撤退するという、集中と選択が戦略のポイントとなる。

PPMの限界

①市場占有率の低下は必ずしも成熟事業において起こることではない。

②現実の企業は資金創出の視点だけで事業を評価していない。

③複数事業のシナジー効果が見落とされている。

④市場占有率重視とは視点が異なるコスト・リ-ダーシップ戦略や差別化戦略、集中戦略がある。

相対的市場占有率 高

市場成長率

高 ★花形製品

資金流出大/流入大

$金のなる木

資金流出小/流入大

?問題児

資金流出大/流入小

X負け犬

資金流出小/流入小

BCGのPPM理論とは

9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

BCGのPPM理論(PPMの理論的根拠)

PPMの理論的根拠

●2つの根拠 :BCGのPPMモデルは製品ライフ・サイクルと経験曲線効果の2つの理論が根拠。

PPMと根拠理論の関係

PPMの座標軸

市場成長率(縦軸)

相対的市場占有率(横軸)

関連する理論

製品ライフ・サイクル理論

経験曲線効果

製品ライフ・サイクル 経験曲線効果

導入期 成長期 成熟期 衰退期

製品 ライフ サイクル

市場 占有率

低い 拡大 最大 減少

資金 需要

多い 多い 少ない 少ない

売上

利益

製品単位 当たり 平均コスト

累積生産量

累積生産量を2倍にすると、単位当たりのコストは20%-30%低減する。 その為、累積生産量を高める為には、市場シェアを高めればよい。

修訂 9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

相対的市場市エア

高い 低い

市場成長率

高い

低い

商品カテゴリーと基本戦略

花形 問題児

金のなる木 負け犬

成長段階

成熟段階 衰退段階

事業開始時

(拡大・深堀戦略)

(選択と集中戦略)

(現状維持段階) (縮小・撤退/戦略)

(資金回収戦略)

9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

相対的市場市エア

相対的市場市エア 相対的市場市エア

市場成長率

高い

低い

花形

金のなる木

負け犬

金のなる木

金のなる木

花形

①投資 ④投資

②成長

⑤成長

③成長 ⑥成長

縮小

撤退

問題児

問題児

商品カテゴリーと投資・成長戦略

9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

相対的市場市エア

相対的市場市エア 相対的市場市エア

市場成長率

高い

低い

PPM分析による商品の成長戦略事例(パナソニック)

Star

Cash Cow Wild Dog

Refrigerator

DVD Player

IC Tip

Mobile

Phone

Air

Condition

Cash Flow

Question

Mark

9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

300%

150%

0%

0% 4% 8%

Net Profit Rate ( Net Profit / Sales Volume)

Product

1.1 Alcohol Product

1.2 Meat, Milk, Bread, Cake

1.3 Daily necessaries

Product

1-4 Candy, Cookie

1-5 Others

負け犬 金のなる木

問題児 花形

(2005-2006)

(2007-2008)

0%

300%

0.0% 8.0%

1.1

1.2

1.3

1.4

1.5

0%

300%

0% 8%

(2009-2012)

1.1

1.2 1.3

1.4

1.5

300%

150%

0%

Issue product : 1.3, 1.4, 1.5

Issue Product

Issue Product

Issue Product

Sale

Growth

Rate

Wild Dog

Question Marks Star

Cash Cow

修正 9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

PPMの分析事例(外部データ活用事例)

● PPM分析データ(過去値)

Relative market share(%) Market growth(%) Total Growth Ration(%)

Heavy Electric Equipment BU 60 20 40

Network BU 45 70 10

Solution BU 35 62 15

AV BU 30 75 25

Industrial Device BU 15 15 5

Semiconductor BU 20 85 5

Total - - 100

● PPM分析データ(現在値)

Relative market share(%) Market growth(%) Total Growth Ration(%)

Heavy Electric Equipment BU 60 20 43

Network BU 65 75 10

Solution BU 35 62 15

AV BU 30 75 25

Industrial Device BU 5 7 2

Semiconductor BU 20 85 5

Total - - 100

修正 9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

Relative Market Share(%) High

Market

Growth

rate

(%)

High

1

3

4

5

6

Wild Dog

Question Marks

Cash Cow

Star

過去のデータによるマッピング

1

6

4

2

3

5

PPMの分析事例(外部データ活用事例)

修正 9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

Relative Market Share(%) High

Market

Growth

rate

(%)

High

1

3

4

5

6

Wild Dog

Question Marks

Cash Cow

Star

1

6

4 2

3

5

PPMの分析事例(外部データ活用事例)

現在のデータによるマッピング

修正 9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

Relative Market Share(%) High

Market

Growth

rate

(%)

High

1

3

4

5

6

0

50

100

0 50 100

1.Heavy Electric Equipment

2.Network BU

3.Solution BU

4.AV BU

5.Industrial Device BU

Semiconductor BU

Wild Dog

Question Marks

Cash Cow

Star

50

50 100

100

0

0

Evacuation

From

Question

Marks to

Star

1

6

4 2

3

5

From

Star to

Cash

Cow

過去→現在への変化と、将来への展望

PPMの分析事例(外部データ活用事例)

修正 9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

1

2

3

4

5

6

<PPM分析の前提条件とその問題点>

PPMはわかりやすさゆえに多くの企業で活用されてきたが、その前提の単純さゆえの問題もある。

例えば、「成長市場にいる事業しか投資を必要としない(=投資による事業成長の余地がない)」「業界における優位性は相対シェア(=コスト・リーダーシップ)で表現できる」という前提は絶対的ではない。

更に、市場自体は成熟していても、大きな成長余地あるケースは存在する。特に再編の進む業界、例えばスーパーマーケット業界がその好例である。例えば、

●デフレによる事業縮小、外資参入を引き金にプレーヤーの淘汰が進む中で、

地方スーパーへの出資・統合と大型店出店によってイオンは高成長を続けて

いる。

●また、市場の定義にもよるが、シェアは高くなくても集中戦略によって強いポ

ジションをもつ事業も多数存在する。代表的な例が、

◆グローバル自動車市場の中でスポーティな高級車に特化する「差別化集

中戦略」のBMW(グローバルシェア1.9%) ◆日本と発展途上国市場を中心として軽・小型自動車に特化した「コスト集

中戦略」のスズキ(同3.1%)である。・・・ニッチ市場でのミニ・リーター

PPM分析のまとめ

大幅修正

9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

● PPM 分析データ: 2008 - 2009

● PPM分析データ: 2009 - 2010

Growth rate of Sales(%) Sales sahre (%) Sales x Profit (%)

Sales(2009)/Sales(2008) Profit(2009)/Total Sales(2009) Sales(2009) x Profit(2009)

1.Product-#1 150,0% 8,3% 1 125 000 000 000 000₮

2.Product-#2 200,0% 27,5% 9 166 176 000 000 000₮

3.Product-#3 100,0% 45,0% 49 207 500 000 000 000₮

4.Product-#4 100,0% 9,6% 1 849 000 000 000 000₮

5.Product-#5 50,0% 2,0% 46 728 375 000 000₮

6.Product-#6 200,0% 7,6% 470 596 000 000 000₮

Total 100,0%

Growth rate of Sales(%) Sales sahre (%) Sales x Profit (%)

Sales(2010)/Sales(2009) Profit(2010)/Total Sales(2010) Sales(2010) x Profit(2010)

1.Product-#1 150,0% 7,4% 2 531 250 000 000 000₮

2.Product-#2 300,0% 48,6% 82 495 584 000 000 000₮

3.Product-#3 100,0% 26,5% 49 207 500 000 000 000₮

4.Product-#4 100,0% 5,6% 1 849 000 000 000 000₮

5.Product-#5 50,0% 0,6% 11 682 093 750 000₮

6.Product-#6 250,0% 11,2% 5 882 450 000 000 000₮

Total 100,0%

PPMの分析事例(内部データ活用演習)

Net Profit rate

Net Profit rate

修正 9.PPM(プロダクト・ポートフォリオ管理)

0.0%

50.0%

100.0%

150.0%

200.0%

250.0%

300.0%

350.0%

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0%

1.Product-#1

2.Product-#2

3.Product-#3

4.Product-#4

5.Product-#5

6.Product-#6

0.0%

50.0%

100.0%

150.0%

200.0%

250.0%

300.0%

350.0%

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0%

1.Product-#1

2.Product-#2

3.Product-#3

4.Product-#4

5.Product-#5

6.Product-#6

(Sales Share)

(Sales Share)

2008 -2009からのビジネス戦略

2009 -2010の現状

2009

2010

2009

2009

1) 製品1,4,5は現状維持で状況を見る

2) 製品2はスターの地位を確保(売上額、売上成長率、利益共に拡大)

3) 製品3は金のなる木の地位に留まる 4) 製品6は更なる売上成長率向上

1) 製品1,4,は現状維持 2) 製品6は市場から撤退が必要

3) 製品2はスターの地位を実現(売上額、売上成長率、利益共に拡大)

4) 製品3は金のなる木に留まる事ができず、負け犬の地位に移動・・・危険信号

5) 製品6は更なる売上成長率向上を実現

Wild Dog

Question Marks

Cash Cow

Star

Wild Dog

Question Marks

Cash Cow

Star

PPMの分析事例(内部データ活用演習) 修正

3-4日目:経営戦略とリンクした事業戦略

10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略

11.ポーターの競争優位戦略

12.コトラーの競争地位別戦略

13.競争しない戦略(ブルーオーシャン戦略)

1

アンゾフの成長戦略(多角化戦略構成要素)

4つの多角化戦略

現在の製品 新しい製品

現在の市場 市場浸透戦略 新製品開発戦略

新しい市場 新市場開拓戦略 多角化戦略

市場

製品

水平型多角化戦略 現在とほぼ同じ顧客で新しい製品部門に進出

垂直型多角化戦略 川上から川下にかけて複数分野に進出

集中型多角化戦略 既存と新規の製品を関連付けて新規市場に進出

集成型多角化戦略 既存の製品市場と関連性のない新規市場に進出

●シナジー:シナジーとは、2+2=4ではなく、2+2>4となる様に、総和以上 を得ようとする事。 販売シナジー、生産シナジー、投資ジナジー、マネジメント・ シナジー等がある。

10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略

2

3

多角化戦略のフレームワーク

水平型、垂直型、集中型の多角化は製品・技術・市場分野のシナジー効果が期待できるが、集成型多角化は期待できない。

追加 10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略

4

水平型多角化戦略

同じ分野での事業を広げる多角化です。例えば、乗用車を生産していた企業がトラックを生産する場合です。オートバイを生産していたホンダが乗用車市場に進出した事例も、水平型多角化に準じている。水平型多角化は関連製品ライン多角化とも言われる。 水平多角化は、他の多角化に比べてリスクが低い。

追加

2輪市場 乗用車市場

スタート時の事業 水平型多角化事業

10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略

5

垂直型多角化戦略

部品の製造(上流)や販売(下流)に手を広げる多角化。例えば、織物会社が婦人服などの最終製品にまで仕上げて販売する場合。 垂直型多角化は関連機能多角化とも言われる。 現在の商品・サービス市場を拡大していくので、安定的な需要を確保することが出来る。

追加

縫製 製造・販売

織物事業 垂直型多角化事業

10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略

6

集中型多角化戦略

ビールメーカーがバイオ事業に進出するなど,ある特定のコア・コンピタンスに関連する新分野に進出する多角化です

集中型多角化戦略

ビールメーカーのアサヒがサプリメント事業に進出するケースや、iPodで成功を収めたApple社が音楽配信事業に進出するなど

、ある特定のコア・コンピタンスに関連する新分野に進出する多角化戦略。

追加

ビール事業 サプリメント事業

既存事業 集中多角化事業

10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略

7

集中型多角化戦略

ビールメーカーがバイオ事業に進出するなど,ある特定のコア・コンピタンスに関連する新分野に進出する多角化です

集成型多角化戦略

コンビニのセブン・イレブンーが銀行事業や郵便事業に進出するなど、従来の事業とは直接には関係のない分野に進出するなど,従来の事業とは直接には関係のない分野に進出する多角化。

追加

コンビニエンスストア 銀行事業

既存事業 集成型多角化事業

10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略

集中多角化戦略:日本におけるシニア世代向け住居ビジネスの創出

ホテル・ビジネス 医療ビジネス シニア世代向け住居ビジネス

(現在のビジネス) (現在のビジネス) (多角化ビジネス)

(自社の現有経営資源と経営のノウハウのシナジー(相乗)効果を活用

強み:

ホテル・ビジネスを通して培ったノウハウ、おもてなし、接客や顧客管理のホウハウ等の経営資源.

強み:

医療ビジネスを通じて培った最新の医療技術、成人病・生活習慣病対策や最新の医療設備等の経営資源

シナジー効果の実現により、多角化ビジネスを創出:

ホテル・ビジネスと医療ビジネスを通して培った経営資源(両者の経営資源のシナジー効果)を活用し、今後急激に増加するシニア世代向けの高品質・快適・安全な賃貸形式の住居ビジネスを展開。.

8

10.アンゾフの成長戦略と多角化戦略

●競争原理 :特定の製品ー市場(産業)で、競合他社に対して競争優位性の獲得を目指す基本 方針の事。

●ポーターの競争戦略論 :企業の取巻く競争環境が、産業の収益性、企業の戦略に影響を与え ると考えた(外部環境重視戦略)。 そして、5つの競争要因を提示し、競争優位戦略を策定。

①新規参入の脅威 ②代替品の圧力 ③買手の交渉力

④売り手の交渉力 ⑤現在の競争業者間の敵対関係。

業界の収益性を決める5つの競争要因(5F)

新規参入業者

売り手

(供給業者)

競争者

業者間の敵対関係

買手

代替品

代替品・サービスの圧力

買手の交渉力

新規参入の脅威

売り手の交渉力

ポーターの競争優位戦略

9

11.ポーターの競争優位戦略

10

ポーターの競争優位戦略と参入障壁

競争優位戦略の2本柱 ①自社の防衛力を高める:他社が自社の市場に参入してくる事を阻

止する(参入障壁を強化する)

②他社の市場へ効果的に参入する(参入障壁を打破する)

効果的な競争優位とは

自社の競争優位を確立・維持する為、5つの競争要因(参入障壁)毎に、阻止、あるいは参入のアクションを取ること。

追加

11.ポーターの競争優位戦略

5つの競争要因(参入障壁)

11

ポーターの競争優位戦略と参入障壁

参入障壁を強化 参入障壁を打破

競合他社の「新規参入」が困難な状況を作る

自社の「新規参入」が容易な状況を構築する

「代替品」が無い、自社独自の商品・サービスを開発・販売する

「代替品」として自社の既存商品・サービスを提供する

「供給業者」と特別な関係(親密な関係)を構築する

「供給業者」と競合他社との関係を断ち切る

「買手」が競合他社の商品・サービスに関心を持たないようにする

{買手」を自社の商品・サービスへ関心を持つように誘導する

「競合他社」に対する競争優位のポジションを維持する

「競合他社」の競争優位のポジションを打破する

11.ポーターの競争優位戦略

競争優位戦略の全体

●競争戦略 :企業は競争環境要因を分析し、自社の長所・弱点を把握して戦略の方向性を決め、 競争優位を維持する必要がある。 競争優位は低コストと差別化がベースとなる。 コスト・リー ダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略(コスト集中、差別化集中)がある。

競争優位獲得の基本戦略

競争優位の戦略

コスト・リーダーシップ戦略

差別化戦略

集中戦略 コスト集中戦略

差別化集中戦略

コスト・リーダーシップ戦略

差別化戦略

コスト集中戦略

差別化集中戦略

差別化 低コスト

広いターゲット

狭いターゲット

戦略ターゲットの幅

コスト重視 差別化重視

12

5Fを考慮

11.ポーターの競争優位戦略

各競争戦略の内容

①コストリーダーシップ戦略: 規模の経済の追求、革新的な独自技術の開発により低コストで優位に立つ。

②差別化戦略: 製品の機能、品質、デザイン、ブランド・イメージ、アフターサービスなどの特異性で優位に立つ。

③集中戦略: 業界の特性セグメントに焦点を絞り、効率良くそのセグメントで優位性を持つ。コスト集中戦略と 差別化集中戦略とがある。

競争優位戦略の取組み方

●コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略と集中戦略は相互に排他的であり、同時追及は不可能。どれかに集中。

●中小企業に適するのは集中戦略。 コスト・リーダーシップ戦略は業界第1位の企業が目指す。

複数の基本戦略の追求

①競争相手が戦略を見失って窮地に立っている場合: 差別化戦略を犠牲にすることなく、コスト・リーダーシップを 追求できる。

②マーケットシェアが高く、コストを抑えられる場合: より大きな市場シェアを獲得することでコスト・リーダーシップ を発揮できる。 また、高いシェアのおかげで、競争相手より差別化コストも抑えられる。

③イノベーションを率先してやり遂げた場合: コストを下げると同時に差別化を推進することができる。

基本戦略の持つリスク

①コスト・リーダーシップ戦略のリスク:

●テクノロジーの変化が過去の投資や習熟を無駄にする。 又環境の変化によりコスト・リーダーシップ戦略ができなくなる。

●競合他社が模倣や販売力にものをいわせた規模の経済の追求を行ってきた場合、対応できない。

②差別化戦略のリスク:

●コスト面で競合他社に大きく遅れを取ると、コスト競争力を持つ企業が一挙に浸入してくる。

●競合他社の模倣が盛んになった場合や、買手の技術的要望が大きくなりすぎた場合、差別化が低下する。

③集中戦略のリスク:

●設定価格が、競合他社より極端に高い場合、顧客はそれだけのプレミアム価格を認めない。

●ターゲットを絞り込んでも、それ自体が意味を失う場合や、競合他社が更なる集中戦略をとる場合。

13

11.ポーターの競争優位戦略

14

「コスト・リーダーシップ」を実現する手段 ・効率の良い生産設備の導入

・コスト・経費に関する意識改革と管理の徹底

・原材料入手方法の再検討

・製造し易い(製造コスト低減、製造ミスの予防等)製品

の開発・設計

「差別化」を実現する手段

・ブンランド・イメージ

・高い技術・品質

・製品特長

・顧客サービス

「集中」を実現する手段

・顧客、製品・サービスの種類、対象とする市場セグメント等を限定し、選択された市場・顧客セグメントを対象に経営資源(人、物、金、設備、IT等)を集中

追加 11.ポーターの競争優位戦略

15

■戦略:コスト・リーダーシップ ■従業員: 2,775名. ■売上高,:5,298億円 (52.98 Billion US$) ■ハンバーガーの周類:14種類 ■特徴: 基本的に直営店が多い。一部フランチャイズ。

ハンバーガー単品よりドリンクが儲かるので

セット(ハンバーガーとドリンク、ポテト等)を売りたがる。

競合店として見据えてるのは他ハンバーガーショップではなく、コンビニ。

原材料は工場生産、店舗では組み立てるだけの調理法。

■戦略:差別化 ■従業員:1,166名. ■売上高,:327億円(3.27 Billion US$) ■ハンバーガーの周類:36種類 ■特徴: 全店がフランチャイズ。 味と価格のバランスを考慮し単品価格400円前後と、バクドナルドと比較して高価格であるが、品質で差別化を実現。 ハンバーガーチェーンではめずらしく「国産牛肉」を売りにしている。

コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略事例

11.ポーターの競争優位戦略

16

コストリーダーシップ戦略は、業界全体を対象にして、低コストを最大の武器として業界の主導権を握る戦略。

差別化戦略は、業界全体を対象にして、他の企業が持たない特

徴を生かし、業界内で特異な地位を占める、という戦略。 集中戦略は、特定の地域や特定の消費者など、特定のセグメン

トに資源を集中した上で、コスト優位か差別化優位を実現する戦略。

マクドナルドとモスバーガーは、マクドナルドが①コストリー

ダーシップ戦略、モスバーガーが②差別化戦略の代表例。 両社は業界内のライバルでありながら、別々の戦略を実行し、 互いに高い収益性を実現。

コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略事例

11.ポーターの競争優位戦略

17

■マクドナルドはハンバーガーの種類が14種類と少ない。種類が少ないということは、コストを抑える要因になる。材料の種類も少なくて済み、ハンバーガーを作る作業も標準化できる。その為、コストを抑える事が可能となり、ハンバーガーを安く提供できる。

■一方のモスバーガーは36種類が多く、国内無農野を使用しているので、コスト的には高くならざるを得ないが、その代わり、豊富なメニューを取り揃えて、消費者の多様な好みに応えている。

■しかし、“コストリーダーシップ戦略では品質を無視しても良い。差別化戦略ではコストを無視しても良い”という意味ではない。

■コストリーダーシップ戦略は、単なる低価格戦略ではない。低コスト実現の裏付け(ビジネス・プロセス)の無い、単なる低価格戦略では、一時的で効果に留まり、長期的は赤字体質になる。

■更に、必ずしも業界の中で最低の価格を設定しているという意味でもない。同じ品質とサービスの水準の製品を市場に提供する場合、業界内の他の会社よりもコスト的に優位なポジションを確保するという意味である。

コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略事例

11.ポーターの競争優位戦略

18

2社の戦略の違いは、メニューの数、価格設定だけでなく、店舗作りにも表れている。

■店舗の特徴 ・マクドナルド(コスト・リーダーシップ戦略): 特に駅前や繁華街などの来客数の多い店では、色合いや座席の感じも含め、お客さんの回転率を上げたいという狙いが見えるような店作り。 環境面では、分煙は実施していますが、売上が落ちるという理由で全面禁煙には消極的。

コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略事例

11.ポーターの競争優位戦略

19

■店舗の特徴 ・モスバーガー(差別化戦略): 自然な色合いを使ったり、入り口に大きな観葉植物を置いたりして、居心地のいい店作りが特徴。長時間いても寛げるような店づくり。 モスバーガーは現状で全店の4割が禁煙店で、さらに10年以内に全店で禁煙にする計画を立てている。 ■この様に、事業戦略が異なると、店舗の特徴まで異なる。

11.ポーターの競争優位戦略

コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略事例

20

= Value Chain: バリューチェーン =

ポーターは、競争優位を実現する為の手段として、バリューチェーンのコンセプトも提示した。

バリューチェーンとは、「製品・サービスを市場へ提供する全プロセス」の繋がりである。「商品・サービスの企画→設計→調達→生産→流通→販売→

アフターサービスそれぞれのプロセス」をバリュ(価値)生む機能のチェーン(鎖)として捉える。価値には顧客に与える価値、自社が得る価値があるが、最近では社会に与える(還元する)価値も含まれる・・・戦略的SRCやCSV

(Creating Shared Value)の視点

各バリューチェーンが個別に最適化されると同時に、バリューチェーン全体のプロセスが最大の価値を生み出す様にデザイン・運用された時(全体最適)、他社に対して競争優位が実現できるとした。

バリューチェーンを詳細に分析する為には、各バリューチェーンのBPR (Business Process Redesign/Reengineering:ビジネスプロセス再設計・再構築)や、アウトプット指標よる管理が効果的である。KPI(Key Performance

Indicator:主要業績指標)は代表的なアウトプット指標である。

追加

11.ポーターの競争優位戦略

21

= Value Chain: バリューチェーン事例(日本企業) =

Value

Chain

競争優位KFS

研究開発力 企画力

販売促進効率

仕入効率

安定調達基盤

アウトプット指標

・研究開発人数

・研究開発費

・新製品発売数/研究開発人数

・売上/研究開発費

・新製品発売数

・企画人数

・売上/宣伝広告費

「仕入効率」

・仕入単価

「安定調達基盤」

・仕入先件数

Value

Chain

競争優位KFS

生産効率

生産力

物流効率 営業力、ブランド力

ブランド力

アウトプット指標

「生産効率」

・人員当たり人件費

・人員当たり売上

・売上原価率

・在庫回転率

「生産力」

・製造能力

・生産リードタイム

・物流費/売上

・物流リードタイム

「営業力」

・営業人員数

・営業人員当たり売上

・1営業当たり成約率

「チャネル力」

・チャネル数

・チャネル当たり売上

「ブランド力」

・認知度

1. 研究開発 2. 画・販売促進 3. 調達

4. 生産 5. 物流 6. 営業・販売

追加

11.ポーターの競争優位戦略

22

A.

B.

C.

資金人材技術能力・スキルIT職場風土(モチベーション、チームワーク等)

資金人材技術能力・スキルIT職場風土(モチベーション、チームワーク等)

全社Value-Chain分析

自社の強み(Strong Point)

自社の弱み(Weak Point)

競合他社

主要成功要因(Key Success Factor)

企画 研究 調達 製造品質管

理販売

バリューチェーン分析: 演習

対応策(強みを強化)

対応策(弱みを改善)

追加 11.ポーターの競争優位戦略

新規参入業者

売手

競合他社

買手

代替品

代替品が市場に出回る可能性(代替品が買われる圧力)

買手の交渉力(販売値段値下げ圧力)

新規参入の可能性(競合他社の参入圧力)

売手の交渉力(供給価格値上げ圧力)

コスト・リーダーシップ戦略

差別化戦略

コスト集中戦略

差別化集中戦略

広いセグメント

狭いセグメント

Low cost コスト重視 差別化重視

業者間の敵対関係の強弱(競合圧力)

ポーターの5F分析と競争優位戦略(演習)

戦略適用

範囲

23

(顧客)

(供給業者)

1

量的経営資源 豊富 豊富でない

競争地位別戦略の分類

質的経営資源

フル・ライン戦略

対リーダー

差別化戦略

差別化・集中戦略

リーダーやチャレンジャーの模倣戦略

12.コトラーの競争地位別戦略

2

中途半端な規模(競争地位)では市場で生き残れない

200万台クラス: ◆日本:スバル、三菱、マツダ、鈴木

◆海外:BMW, PSA(シトロエン)、ダイムラー

1,000万台クラス: ◆日本:トヨタ、日産・ルノー・三菱連合

◆海外:VW, GM

400 – 800 万台クラス: ◆日本:本田、日産・ルノー連合

◆海外:現代、フォード、日産・ルノー連合、クライスラー

追加

12.コトラーの競争地位別戦略

4つの市場地位

●4つの市場地位 :企業は経営資源の量と質で4タイプに分類される。 リーダー、 チャレンジャー、ニッチヤー、フォロワーである。

相対的経営資源による競争地位の類型

競争地位と競争戦略

リーダー

40%市場占有率

ニッチヤー

10%市場占有率

チャレンジャー

30%市場占有率

フォロワー

20%市場専有率

相対的量的経営資源

相対的質的経営資源

戦略課題 基本戦略方針 戦略ドメイン 戦略定石

リーダー シェア、利潤

名声

全方位型

オーソドックス

経営理念

顧客機能中心

周辺需要拡大、同質化

非価格化、最適市場シェア

チャレンジャー

シェア 対リーダー差別化

非オーソドックス

顧客機能と独自の能力の絞り込み

リーダーができないこと

フォロワー 利潤 模倣 通俗的理念 リーダー・チャレンジャー政策の観察と迅速な模倣

ニッチャー 利潤、名声 製品・市場の特定化・集中化

顧客機能

独自能力

対象市場の絞込み

特定市場内でのミニ・リーダー戦略

高い

3

12.コトラーの競争地位別戦略

市場地位と競争戦略(リーダーの定石戦略)

リーダーの定石戦略

●リーダーの定石戦略 :①周辺需要拡大政策、②同質化政策、③非価格対応、④最

適シェア維持政策。

リーダー企業の判断

周辺需要拡大政策 市場そのもののパイをおおきくする戦略である。

リーダーは質量ともに優れた経営資源を持つので、周辺需要が拡大すると、それに対応した市場シェアーが獲得でき、売上増加とシェアの維持を見込める。

同質化政策 競合企業の取ってきた差別化戦略を模倣、追従して、競合企業の差別化戦略を無にしてしまう。

非価格対応 競合他社の安売り競争に安易に応じない。

安売りによる利益の減少額が最も大きいのは、最大の市場を持つリーダーである。

最適シェア維持政策

シェアを取りすぎるとトータル・コストが上昇したり、営業効率の低下を生じる。したがって、企業全体の利益が向上しないことがある。

そのため、当該市場のシェア独占を狙わない。

4

12.コトラーの競争地位別戦略

日本の自動車業界の競争地位別企業分類

経営資源 (量的)

Big Small

経営資源

(質的)

高い

・リーダー:トヨタ

・最適シェア維持戦略

・売上高:186 billion US$

・ニッチャー:スズキ

・集中戦略:小型車、インド市場

・売上高::25 billion US$

低い

・チャレンジャー:日産、ホンダ

・差別化戦略:ハイテク、斬新なデザイン

・売上高: 日産:94 billion US$

ホンダ:79 billion US$

・フォロワー:三菱、マツダ

・リーダーやチャレンジャーの真似戦略

・売上: 三菱: 18 billion US$

マツダ:15 billion US$

5

12.コトラーの競争地位別戦略

6

リーダー(Leader)

リーダーは、業界内のマーケットシェアトップの企業で、業界を牽引する主導的立場にある企業のこと。

潤沢な資本、優れた製品開発力、強力な流通体系によって業界の他社を凌駕する。

リーダーの取るべき戦略は、市場全体の規模を拡大させることにある。市場シェアが最も高いリーダーは、市場規模拡大の恩恵を最も大きく受けるため、市場が拡大すればするほど高い利益を得ることができる。

よって、トップシェアを維持することと、市場全体をカバーするフルライン戦略によって周辺需要を拡大させることが戦略目標となる。

また、同質化対応、非価格対応などの施策も行われる。

同質化対応とは、他社が優れた技術や製品を開発し展開した場合に、すぐさま同様の技術や製品を展開することで、業界シェアや利益を奪われないようにする戦略である。販売力、ブランド力、技術生産力の優位性により、下位企業に負ける事は滅多にない。

非価格対応とは、業界全体の利益が低下しないように、価格競争をしないことである。

価格競争が起こると業界全体の収益が縮小してしまい、最も利益が縮小するのはリーダーとなる。そのため、他社からの値下げやチャネルの圧力に対抗する為にも、ブランディング、付加価値作り、新製品投入など価格以外の競争点を作る必要がある。

チャレンジャー(Challenger)

チャレンジャーは、業界上位のシェアを持ちながらもトップシェアでは無い企業。

チャレンジャーの戦略は、何よりも業界内におけるシェア拡大、トップシェアの獲得を目指すことにある。

シェアを拡大する方法として、リーダーがまだ強化していないエリアや製品分野に注力してリーダーのシェアを奪う戦略と、自社よりもシェアの小さい企業を攻撃して業界内のシェアを拡大する方法がある。

リーダーとの競争では、量的な真っ向勝負ではなかなか勝てない為、製品や流通体系などをリーダーと差別化させることによってマーケットにアピールすることが重要である。

ニッチャー(Nicher)

ニッチャーは、業界全体のシェアは小さいものの、独自の技術、ブランド、仕組み等を獲得することによって、特定市場におけるシェアを獲得している企業。

特殊な技術や製品、価格帯、販売チャネルを活用することで、大企業との競争を回避し、特定市場のニーズに適した製品を提供する。

ニッチャーの戦略は、リーダーやチャレンジャーが参入してこない、すきま(ニッチ)セグメントを発見または創造し、そこに経営資源を集中することで、専門性や独自性を高めて参入障壁を形成し、特定市場の独占的地位を維持していくことである。

フォロワー(Follower)

フォロワーは、チャレンジャーのようにトップシェアを狙う位置にもなく、ニッチャーのように特定市場での際立った独自性も有していない企業。

独自に多大な投資をすることが難しいため、上位企業の模倣によってプロセスをできる限り効率化することを目指す。

上位企業からの報復を招かない様に事業展開し、市場で生き残るための利潤を確保することが目標となる。

リーダー(Leader):トヨタ

◆リーダーは、業界内のマーケットシェアトップの企業で、業界を牽引する主導的立場にある企業のこと。 潤沢な資本、優れた製品開発力、強力な流通体系によって業界の他社を凌駕する。

◆リーダーの取るべき戦略は、市場全体の規模を拡大させることにある。市場シェアが最も高いリーダーは、市場規模拡大の恩恵を最も大きく受けるため、市場が拡大すればするほど高い利益を得ることができる。その為、、トップシェアを維持することと、市場全体をカバーするフルライン戦略によって周辺需要を拡大させることが戦略目標となる。

◆同質化対応、非価格対応などの施策も行われる。

同質化対応とは、他社が優れた技術や製品を開発し展開した場合に、すぐ

さま同様の技術や製品を展開することで、業界シェアや利益を奪われないようにする戦略である。販売力、ブランド力、技術生産力の優位性により、下位企業に負ける事は滅多にない。

◆非価格対応とは、業界全体の利益が低下しないように、価格競争をしないことである。価格競争が起こると業界全体の収益が縮小してしまい、最も利益が縮小するのはリーダーとなる。そのため、他社からの値下げやチャネルの圧力に対抗する為にも、ブランディング、付加価値作り、新製品投入など価格以外の競争点を作る必要がある。

12.コトラーの競争地位別戦略

創価大学ーグローバル企業論 7

リーダー(トヨタ)の戦略事例:ミート・全方位戦略

追加

ミート戦略の活用: 豊富な経営資源(ヒト・モノ・カネ・ノウハウ)を持ったトヨタ自動車は広告・宣伝、研究開発、販売チャネル、顧客サービスなど経営のあらゆる局面で他社よりも優位に展開

全方位(フル・ライン)戦略: トヨタは、低価格の小型車からSUV、高級セダンまですべての顧客のニーズに合わせた、全セグメントの自動車を製造・販売。これは豊富な経営資源を持つリーダー企業としての、トヨタでしかできない戦略。

12.コトラーの競争地位別戦略

8

リーダー(Leader)

リーダーは、業界内のマーケットシェアトップの企業で、業界を牽引する主導的立場にある企業のこと。

潤沢な資本、優れた製品開発力、強力な流通体系によって業界の他社を凌駕する。

リーダーの取るべき戦略は、市場全体の規模を拡大させることにある。市場シェアが最も高いリーダーは、市場規模拡大の恩恵を最も大きく受けるため、市場が拡大すればするほど高い利益を得ることができる。

よって、トップシェアを維持することと、市場全体をカバーするフルライン戦略によって周辺需要を拡大させることが戦略目標となる。

また、同質化対応、非価格対応などの施策も行われる。

同質化対応とは、他社が優れた技術や製品を開発し展開した場合に、すぐさま同様の技術や製品を展開することで、業界シェアや利益を奪われないようにする戦略である。販売力、ブランド力、技術生産力の優位性により、下位企業に負ける事は滅多にない。

非価格対応とは、業界全体の利益が低下しないように、価格競争をしないことである。

価格競争が起こると業界全体の収益が縮小してしまい、最も利益が縮小するのはリーダーとなる。そのため、他社からの値下げやチャネルの圧力に対抗する為にも、ブランディング、付加価値作り、新製品投入など価格以外の競争点を作る必要がある。

チャレンジャー(Challenger)

チャレンジャーは、業界上位のシェアを持ちながらもトップシェアでは無い企業。

チャレンジャーの戦略は、何よりも業界内におけるシェア拡大、トップシェアの獲得を目指すことにある。

シェアを拡大する方法として、リーダーがまだ強化していないエリアや製品分野に注力してリーダーのシェアを奪う戦略と、自社よりもシェアの小さい企業を攻撃して業界内のシェアを拡大する方法がある。

リーダーとの競争では、量的な真っ向勝負ではなかなか勝てない為、製品や流通体系などをリーダーと差別化させることによってマーケットにアピールすることが重要である。

ニッチャー(Nicher)

ニッチャーは、業界全体のシェアは小さいものの、独自の技術、ブランド、仕組み等を獲得することによって、特定市場におけるシェアを獲得している企業。

特殊な技術や製品、価格帯、販売チャネルを活用することで、大企業との競争を回避し、特定市場のニーズに適した製品を提供する。

ニッチャーの戦略は、リーダーやチャレンジャーが参入してこない、すきま(ニッチ)セグメントを発見または創造し、そこに経営資源を集中することで、専門性や独自性を高めて参入障壁を形成し、特定市場の独占的地位を維持していくことである。

フォロワー(Follower)

フォロワーは、チャレンジャーのようにトップシェアを狙う位置にもなく、ニッチャーのように特定市場での際立った独自性も有していない企業。

独自に多大な投資をすることが難しいため、上位企業の模倣によってプロセスをできる限り効率化することを目指す。

上位企業からの報復を招かない様に事業展開し、市場で生き残るための利潤を確保することが目標となる。

チャレンジャー(Challenger):日産、ホンダ

◆チャレンジャーは、業界上位のシェアを持ちながらもトップシェアでは無い企業。

◆チャレンジャーの戦略は、何よりも業界内におけるシェア拡大、トップシェアの獲得を目指すことにある。

◆シェアを拡大する方法として、リーダーがまだ強化していないエリアや製品分野に注力してリーダーのシェアを奪う戦略と、自社よりもシェアの小さい企業を攻撃して業界内のシェアを拡大する方法がある。

◆リーダーとの競争では、量的な真っ向勝負ではなかなか勝てない為、製品や流通体系などをリーダーと差別化させることによってマーケットにアピールすることが重要である。

12.コトラーの競争地位別戦略

9

リーダー(Leader)

リーダーは、業界内のマーケットシェアトップの企業で、業界を牽引する主導的立場にある企業のこと。

潤沢な資本、優れた製品開発力、強力な流通体系によって業界の他社を凌駕する。

リーダーの取るべき戦略は、市場全体の規模を拡大させることにある。市場シェアが最も高いリーダーは、市場規模拡大の恩恵を最も大きく受けるため、市場が拡大すればするほど高い利益を得ることができる。

よって、トップシェアを維持することと、市場全体をカバーするフルライン戦略によって周辺需要を拡大させることが戦略目標となる。

また、同質化対応、非価格対応などの施策も行われる。

同質化対応とは、他社が優れた技術や製品を開発し展開した場合に、すぐさま同様の技術や製品を展開することで、業界シェアや利益を奪われないようにする戦略である。販売力、ブランド力、技術生産力の優位性により、下位企業に負ける事は滅多にない。

非価格対応とは、業界全体の利益が低下しないように、価格競争をしないことである。

価格競争が起こると業界全体の収益が縮小してしまい、最も利益が縮小するのはリーダーとなる。そのため、他社からの値下げやチャネルの圧力に対抗する為にも、ブランディング、付加価値作り、新製品投入など価格以外の競争点を作る必要がある。

チャレンジャー(Challenger)

チャレンジャーは、業界上位のシェアを持ちながらもトップシェアでは無い企業。

チャレンジャーの戦略は、何よりも業界内におけるシェア拡大、トップシェアの獲得を目指すことにある。

シェアを拡大する方法として、リーダーがまだ強化していないエリアや製品分野に注力してリーダーのシェアを奪う戦略と、自社よりもシェアの小さい企業を攻撃して業界内のシェアを拡大する方法がある。

リーダーとの競争では、量的な真っ向勝負ではなかなか勝てない為、製品や流通体系などをリーダーと差別化させることによってマーケットにアピールすることが重要である。

ニッチャー(Nicher)

ニッチャーは、業界全体のシェアは小さいものの、独自の技術、ブランド、仕組み等を獲得することによって、特定市場におけるシェアを獲得している企業。

特殊な技術や製品、価格帯、販売チャネルを活用することで、大企業との競争を回避し、特定市場のニーズに適した製品を提供する。

ニッチャーの戦略は、リーダーやチャレンジャーが参入してこない、すきま(ニッチ)セグメントを発見または創造し、そこに経営資源を集中することで、専門性や独自性を高めて参入障壁を形成し、特定市場の独占的地位を維持していくことである。

フォロワー(Follower)

フォロワーは、チャレンジャーのようにトップシェアを狙う位置にもなく、ニッチャーのように特定市場での際立った独自性も有していない企業。

独自に多大な投資をすることが難しいため、上位企業の模倣によってプロセスをできる限り効率化することを目指す。

上位企業からの報復を招かない様に事業展開し、市場で生き残るための利潤を確保することが目標となる。

チャレンジャー(日産)の戦略事例:シナジー戦略 日産(チャレンシャー企業:対リーダー差別化戦略を取る)は、商品、技術、市場の3つの側面で他社との提携に好機があると判断したら、連合を拡大してシナジー効果を発揮する戦略を取っている(シナジー戦略)。

1社を中心に複数のブランドを有するトヨタ・グループ (リーダー企業)とは一線を画する(リーダーとの差別化)。

三菱との事業連携

< 期待されるシナジー効果 >

◆海外にあるルノー工場で三菱の車を製造・販売

◆三菱の東南アジアでの販売網を活用して

日産の車を販売

◆両企業が分担してEV(電気自動車)開発

◆国内の製造拠点を相互活用

追加 12.コトラーの競争地位別戦略

10

リーダー(Leader)

リーダーは、業界内のマーケットシェアトップの企業で、業界を牽引する主導的立場にある企業のこと。

潤沢な資本、優れた製品開発力、強力な流通体系によって業界の他社を凌駕する。

リーダーの取るべき戦略は、市場全体の規模を拡大させることにある。市場シェアが最も高いリーダーは、市場規模拡大の恩恵を最も大きく受けるため、市場が拡大すればするほど高い利益を得ることができる。

よって、トップシェアを維持することと、市場全体をカバーするフルライン戦略によって周辺需要を拡大させることが戦略目標となる。

また、同質化対応、非価格対応などの施策も行われる。

同質化対応とは、他社が優れた技術や製品を開発し展開した場合に、すぐさま同様の技術や製品を展開することで、業界シェアや利益を奪われないようにする戦略である。販売力、ブランド力、技術生産力の優位性により、下位企業に負ける事は滅多にない。

非価格対応とは、業界全体の利益が低下しないように、価格競争をしないことである。

価格競争が起こると業界全体の収益が縮小してしまい、最も利益が縮小するのはリーダーとなる。そのため、他社からの値下げやチャネルの圧力に対抗する為にも、ブランディング、付加価値作り、新製品投入など価格以外の競争点を作る必要がある。

チャレンジャー(Challenger)

チャレンジャーは、業界上位のシェアを持ちながらもトップシェアでは無い企業。

チャレンジャーの戦略は、何よりも業界内におけるシェア拡大、トップシェアの獲得を目指すことにある。

シェアを拡大する方法として、リーダーがまだ強化していないエリアや製品分野に注力してリーダーのシェアを奪う戦略と、自社よりもシェアの小さい企業を攻撃して業界内のシェアを拡大する方法がある。

リーダーとの競争では、量的な真っ向勝負ではなかなか勝てない為、製品や流通体系などをリーダーと差別化させることによってマーケットにアピールすることが重要である。

ニッチャー(Nicher)

ニッチャーは、業界全体のシェアは小さいものの、独自の技術、ブランド、仕組み等を獲得することによって、特定市場におけるシェアを獲得している企業。

特殊な技術や製品、価格帯、販売チャネルを活用することで、大企業との競争を回避し、特定市場のニーズに適した製品を提供する。

ニッチャーの戦略は、リーダーやチャレンジャーが参入してこない、すきま(ニッチ)セグメントを発見または創造し、そこに経営資源を集中することで、専門性や独自性を高めて参入障壁を形成し、特定市場の独占的地位を維持していくことである。

フォロワー(Follower)

フォロワーは、チャレンジャーのようにトップシェアを狙う位置にもなく、ニッチャーのように特定市場での際立った独自性も有していない企業。

独自に多大な投資をすることが難しいため、上位企業の模倣によってプロセスをできる限り効率化することを目指す。

上位企業からの報復を招かない様に事業展開し、市場で生き残るための利潤を確保することが目標となる。

ニッチャー(Nicher):スズキ

◆ニッチャーは、業界全体のシェアは小さいものの、独自の技術、ブランド、仕組み等を獲得することによって、特定市場におけるシェアを獲得している企業。

◆特殊な技術や製品、価格帯、販売チャネルを活用することで、大企業との競争を回避し、特定市場のニーズに適した製品を提供する。

◆ニッチャーの戦略は、リーダーやチャレンジャーが参入してこない、すきま(ニッチ)セグメントを発見または創造し、そこに経営資源を

集中することで、専門性や独自性を高めて参入障壁(競争相手が簡単に市場に参入出来なくする)を形成し、特定市場の独占的地位を維持していくことである。

12.コトラーの競争地位別戦略

創価大学ーグローバル企業論 11

ニッチャー(スズキ)の戦略事例:ミニ・リーダー戦略 追加

スズキはインド市場の将来性を理解し1981年に合弁会社を設立し、日本国内でも大ヒットしていた軽自動車スズキアルトをベースとして排気量800ccのエンジンを搭載したマルチ800をインドとしても画期的な低価格で発売した。

この車はインドで爆発的人気を得て、インドの自動車市場を独占している。インドの自動車マーケットにおいてスズキは別格の存在であり、世界のトヨタですら足元にも及ばない。

12.コトラーの競争地位別戦略

12

フォロワー(Follower):三菱、マツダ

◆フォロワーは、チャレンジャーのようにトップシェアを狙う位置にもなく、ニッチャーのように特定市場での際立った独自性も有していない企業。

◆独自に多大な投資をすることが難しいため、上位企業(チャレンジャーやリーダー)の模倣(まね)やコピーによって生産や販売プロセスをできる限り効率化することを目指す。

◆上位企業からの報復(企業つぶし)を招かない様に事業展開し、市場で生き残るための利潤を確保することが目標となる。

最近は、リーダー企業やチャレンシャ企業との事業連携戦略により、市場での生き残りを図る傾向。

修正 12.コトラーの競争地位別戦略

13

2015年5月、トヨタとマツダは、「クルマが持つ魅力をさらに高めていく」ことを念頭に、互いの経営資源の活用や、商品・技術の補完など、相互にシナジー効果を発揮しうる、継続性のある協力関係の構築に向けた覚書に調印。

2017年8月には両企業が資本提携し、更なる事業連携を強化。

フォロワー(マツダ)の戦略事例:事業連携戦略

追加 12.コトラーの競争地位別戦略

1

企業の競争地位は普遍ではない

市場・顧客にニーズが変わると、企業の競争地位も変わる可能性がある。たとえ現在はリーダー企業であっても、市場・顧客のニーズに応えられなければ、その地位は低下する。

車産業は、経済重視から環境重視へと市場・顧客のニーズが変化している。更に、AI(人工知能)の発達により、自動運転も可能になりつつある。

これが実現すると、自動車産業会の勢力地図が塗り替えられ、企業間の競争地位が大きく変化する可能性がある。

追加 12.コトラーの競争地位別戦略

AIの活用 自動運転の推移

2

新興勢力 現在の勢力

自動運転の勢力争いが激化・・・各社が戦略的連携をスタートし、自動車産業界の競争地位が激変中。

追加

企業の競争地位は普遍ではない

12.コトラーの競争地位別戦略

3

トヨタとマツダが資本提携(2017.8.4):

積極的に電気自動車分野(EV)に進出。

追加 企業の競争地位は普遍ではない

12.コトラーの競争地位別戦略

4

日産、三菱が資本提携(2016.10.20)

日産と三菱自動車は、購買、車両プラットフォームの共用、新技術の開発分担、生産拠点の共用、および成長市場を含む、複数の面で協

力することで合意。

追加

企業の競争地位は普遍ではない

12.コトラーの競争地位別戦略

市場シェア No.1 ? リーダー 戦略

市場位シェア No2, or 3?十

分な経営資源(量的)があるか?

リーダー企業に対して差別化戦略は可能か?

市場での生残りをかけた独自の市場セグメントがあるか?

集中戦略は可能か?

コスト低減は可能か?

リーダーやチャレンジャー企業の模倣は可能か?

フォロワー戦略

Yes

No

Yes

No

Yes

No

チャレンジャ戦略

ニッチヤー戦略

成 長

競争地位の発展ステップ

5

12.コトラーの競争地位別戦略 修正

6

内部経営資源分析の為のVRIO分析

●VRIO分析

VRIO分析とは、競争優位を実現する為の企業の内部資源を分析する代表的手法であり、「経済価値(Value)」、「希少性(Rarity)」、「模倣困難性(inimitability)」、「組織(Organization)」の4つの支店で自社の経営資源の競争優位性を分析する。

①V/経済価値:自社の強み(経営資源やノウハウ)は価値があるか?

(経営資源は経営目標達成に有効か?)

②R/希少性:自社の強み(経営資源やノウハウ)は希少性があるか?

(同様な強みを有する企業はごく少数か?)

③I/模倣困難性:自社の強み(経営資源やノウハウ)は真似が困難か?

④O/組織:自社の強み(経営資源やノウハウ)を最大限に活用できる組織作り(人つくりを含む)ができているか?

この中で①、②、③の全てが満足できるレベルに達している場合、持続的な競争優位性を持った経営資源を有する企業であり、更にこれらの経営資源を最大限に活用できる組織となっている場合(④が満足されている場合)、最大限の持続的競争優位を実現できる。

VRIO分析

V:経済価値があるか?

R:希少性はあるか?

I:模倣困難性はあるか?

O:組織の仕組みは?

持続的競争優位を実現

Yes Yes

Yes Yes

12.コトラーの競争地位別戦略

7

内部経営資源分析の為のVRIO分析

価値

Value

希少性

Rarity

模倣困難性

Inimitability

組織

Organization

競争優位性 経済的業績

強み/弱み/

コアコンピタンス

(自社の独自技術・知識・ノウハウ等)

競争劣位

標準を下回る

弱み

競争均衡 標準 強み

一時的競争優位

一時的に標準を上回る

強みであり、一時的に固有コアコンピタン

スを有する

持続的競争優位

継続的に標準を上回る

強みであり、継続的な固有コアコンピタンス

を有する

絶対的・持続的競争優

絶対的かつ持続的に標準を上回る

強みであり、絶対的・継続的な固有コアコンピタンスを有する

価値

無し

価値

有り

価値

有り

価値

有り

価値

有り

稀少でない

稀少

稀少

稀少

模倣

容易

模倣

困難

模倣

困難

非組織化

組織化

(一部修正)

12.コトラーの競争地位別戦略

8

VRIO分析事例(日本企業) 追加

12.コトラーの競争地位別戦略

9

SVRIO分析グループ演習 追加

12.コトラーの競争地位別戦略

SBU/製品: .

経営資源 V(価値) R(希少性) I(模倣困難性) O(組織)

強み自社の強みは顧客にとって価値がある

か?

自社の強みは競合他社に比べて希少性があるか?

自社の強みは競合他社からの模倣は

困難か?

自社の強み(経営資源やノウハウ)を最大限に活用できる組織作り(人つくりを含む)ができているか?

SVRIO 分析

ビジネス・プロセスバリューチェーン 対応策評価

コトラーの競争地位別戦略(演習)

経営資源(量的)

豊富 少ない

経営資源

(質的)

高い

リーダー

(周辺需要拡大、同質化、非価格対応、最適シェア維持戦略)

ニッチャー (集中戦略)

・ ・ ・ ・

低い

チャレンジャー (差別化戦略)

・ ・ ・

フォロワー (リーダーやチャレンジャーの真似戦略)

・ ・

自社が選択した市場での競争優位なポジションや戦略を達成する為の戦術

1.

2.

3. 10

12.コトラーの競争地位別戦略

河口真一郎

経営戦略

=戦略策定、業績管理、組織構造=

Deployment of

Forward-Looking

Balanced Scorecard

& Business Process

Management

管理職向け

2019年9月

管理職向け経営戦略

第1章:組織における管理職の役割と経営戦略への取組み(1日目)1-1.組織のおける管理者の役割と責任1-2.管理職における経営戦略の位置付け1-3.管理職に必要なスキル1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考1-5.戦略立案の為の問題解決と意思決定モデル

第2章:管理職向け経営戦略の位置付けと策定への参画(2日目、3日目、4日目)2-1.企業における戦略の階層構造(2日目)2-2.戦略マネジメントへのコミットメントの必要性2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

第3章.経営・事業戦略実現の為のサポート戦略(5日目)3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略3-2.組織構造戦略

参考資料1.ビジネス・モデル・キャンバス ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2章対応2.STP (セグメンテーション、ターゲテイング、ポジショニング)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第2章対応3.無駄な競争をしない中小企業向け経営・事業戦略と日本企業の事例 ・・・・・・・・・第2章対応4.代表的な組織図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第3章対応

管理職向け経営戦略

第1章:組織における管理職の役割と経営戦略への取組み(1日目)

1-1.組織のおける管理者の役割と責任1-2.管理職における経営戦略の位置付け1-3.管理職に必要なスキル1-4.戦略立案のフレームワークとツール1-4-1.戦略立案の為の思考ツール:階層1-4-2.戦略立案の為の思考ツール:フレームワーク(フレーム、マトリックス)1-4-3.戦略立案の為の思考ツール:フロー1-4-4.戦略立案の為の思考ツール:その他のツール1-4-5.演習1-5.戦略立案の為の問題解決と意思決定のフレームワークとツール1-5-1.問題解決と意思決定モデル1-5-2.問題解決と意思決定演習

1-1.組織のおける管理者の役割と責任

管理職とは?

管理職とは、職場において、その組織が目指している目標を実現するために部下を指揮し、組織の運営をおこなう者。役職名だと「課長」「部長」といった名称が一般的。

労働基準法における「管理監督者」は、残業手当等が支払われないが、十分な権限や待遇を受ける者であり、役職名や肩書の有無に関わらず、「労働条件の決定その他労働者の労務管理について経営者と一体的な立場にある者」。

1-1.組織のおける管理者の役割と責任

管理職の役割と責任

管理職がなぜ組織にとって必要な理由は、組織が目指している目標を実現するために、「人の管理」と「業務の管理」をおこなう立場の人間が必要な為。

管理職の具体的役割と責任とは:(1)部下の管理(2)チーム内外の人間関係の管理(3)部・課の目標達成のための業務の企画・遂行(4)企業上位目標(ビジョン、ミッション、企業価値、

経営目標・戦略)、重要KPI、ルールの浸透

1-1.組織のおける管理者の役割と責任

管理職に必要な心得

(1)チームワークの実現企業の業績向上のためには、一人ひとりの社員の活躍とチームワークによる生産性アップが必須。

(2)オープンなコミュニケーション力のアップ部下が話しかけやすい雰囲気を持つ。「笑顔で接する」「多忙なときも、相談を持ちかけられたら、手を止めて短時間でも応じる」等。

(3)部下の働く意欲を高める動機づけを心掛ける組織の目標を実現するために、いかに部下の働く意欲を高めるかを工夫する。

(4)働く環境を整備する部下が能力を発揮できる環境の実現に留意し、職場環境を整える。

1-1.組織のおける管理者の役割と責任

管理職に必要な責任は成果責任(アカウンタビリテイ)

成果責任とは成果責任とは、自身が担当し権限を持つ部門において、成果の詳細や状況を説明する義務。

管理職の責任 従業員の責任

成果責任(Accountability)

業務遂行責任(Responsibility)

自分が権限を持つ部門・職場において、成果の詳細や状況を説明する義務

上司から指示された業務を、責任をもって遂行する義務

1-1.組織のおける管理者の役割と責任

管理職に必要な心得

管理職の役割は、組織全体としての結果に責任を持つが、個人の仕事の権限は部下に与える(権限移譲:delegation of authority / empowerment)。

個々人の能力を最大限に生かして、パフォーマンスを発揮できるように配慮する必要がある。その手段として、以下の対応が必要。

・達成するべき目標の設定する・部下の能力を把握して適した場所に配置する・目標の進捗状況を管理する・考えられるリスクへの対策をする・組織の団結力を高めるために必要なことを考える

このまま使用

1-2.管理職における経営目標・戦略の位置付け

組織内における管理職の役割と戦略との関連性

管理職は、企業上位目標・戦略・KPIを、部下と協力して自分の所属する部門や職場の目標・戦略・KPIに展開・実施する事が主たる役割。

その為、経営目標・戦略をベースとして、部門連携的な視点から自分が所属する部門(部・課)の目標・戦略・KPIに落とし込んで管理する。

企業上位目標戦略KPI

部門目標戦略KPI

部門連携

経営層

管理職層

監督職層

現場職員

1-2.管理職における経営目標・戦略の位置付け

管理職がいかに自立的に考がえて行動できるか、いかに部下に権限と責任を委譲できるかが、経営戦略の実行と企業存続の鍵。

企業では、決済や権限を重要度に応じて、上位から下位の階層に権限を委譲

する。(Empowerment)

役員

経営者

役員

取締役会(BOD)

権限移譲課長 課長 課長 課長

部長 部長

主任 主任 主任 主任 主任 主任 主任 主任

管理職業務内容により役割と責任を与えれ

れる。

現場責任者管理職の機能の一部を担当。

1-3.管理職に必要なスキル

管理職が自立的に考がえて行動する為には、PDCA管理サイクルに従うのがKSF(主要成功要因)。PDCA管理サイクルは生産管理の基本的考え方であり、このコンセプトが経営管理の普遍的コンセプトとして展開中。

業務遂行の管理サイクル

PDCA サイクルの基本コンセプトスパイラルに持続的成長を実現

Plan:計画を立てる

Do:計画を実行する

Check:計画と実績との差異をチェック

Action:チェック結果を次期計画にフィードバック

PDCA

PDCA

PDCA PDCA

管理職に必要な管理スキル:カッツモデル

管理職にはコンセプチュアル・スキル(概念化能力)、ヒューマン・スキル(対人関係能力)、テクニカル・スキル(業務遂行能力)の全てが重要であるが、ヒューマン・スキルが特に必要。・・・ロバート・カッツモデル(下図を参照)。

何故なら、管理職は経営者層と監督・現場職員との間のバッファであり、経営者層の経営目標・戦略・KPIを職場の関係者に周知・徹底し、達成するスキルが必要。

1-3.管理職に必要なスキル

役職 役職毎に必要なスキルの割合

経営幹部(Top Management)

管理職(Middle Management)

現場監督者(Supervisor)

現場職員(Employee)

コンセプチュアル・スキル

(概念化能力)

ヒューマン・スキル(対人能力)

テクニカル・スキル

(業務遂行能力)

管理職に必要な管理スキル:ロバート・カッツモデル

1-3.管理職に必要なスキル

役職毎に必要なスキルの内容と割合

経営幹部(Top Management)

管理職(Middle Management)

現場監督者(Supervisor)現場職員

(Employee)

コンセプチュアル・スキル

ヒューマン・スキル

テクニカル・スキル

・分析力 ・ビジョン構想力・問題発見&解決能力・意思決定力 ・創造力・戦略立案能力、等

・コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力・ネゴシエーター能力・ファシリテーション能力、等

・業務知識・技能・技術、等

役職毎に必要なスキルの割合

1-3.管理職に必要なスキル

管理職に必要な管理スキル:コンセプチュアル・スキル(概念化能力)

参考文献:Katz,R.L. 'Skills

コンセプチュアルスキルとは「知識や情報などを体系的に組み合わせ、複雑な事象を概念化することにより、物事の本質を戦略的に把握する能力」。

トップマネジメント層に上がってくる案件は下層では解決が困難であり、事象が複雑に絡み合い手に負えない、判断がつかないというものが多くなる傾向にあったり、本質が理解されていないプレゼンが上がってくることもある。その際に的確に本質を戦略的に見抜き、対処する能力がコンセプチュアル・スキル。

(コンセプチュアル・スキル)

戦略立案

多面的視点

俯瞰力

挑戦力

論理力

ロジカル思考

ゼロベース思考

クリチカル思考

スキル・能力の複合的活用

ヒューマンスキルとは「相手や集団との関係を円滑に豊かにしていく力」。

すなわち、「目的達成のために相手や集団に働きかけ、相互作用していく力」。

部門連携的管理には、関連部門とのコミュニケーションや交渉が必要。

1-3.管理職に必要なスキル

管理職に必要な管理スキル:ヒューマン・スキル(対人関係能力)

参考文献:Katz,R.L. 'Skills

リーダーシップ

コミュニケーション

コーチング

プレゼンテーション

交渉力

ファシリテーション

調整力

ヒューマン・スキル

聞く、話す、見る(ヒューマン・スキルのリテラシー)

業務遂行に必要な知識・技能・スキル。部門や業務内容によりスキルが異なる。

1-3.管理職に必要なスキル

管理職に必要な管理スキル:テクニカル・スキル(業務遂行能力)

参考文献:Katz,R.L. 'Skills

テクニカルスキルと汎用スキルの違い

テクニカルスキル

汎用スキル

業務を行う際に必要となる知識や技能・技術

テクニカルスキル

汎用スキル

PC操作、外国語、IT関連、経理・会計、貿易実務等の経験や知識、等

全ての職場でも必要とされる一般的な知識や技能・技術

コミュニケーション能力、仕事への取組み態度、規律意識、貢献意識、等

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

以前は、戦略立案は経営者や企画部、戦略部等で立案し、管理職は与えられた戦略の実行者として位置付けられていた。

しかし、現在では、管理職にも戦略的な役割が求められており、戦略立案に直接的・間接的に参画する機会が増加している。

管理職の中には、MBA等で経営戦略の知識を習得している者もいるが、特に現場から昇進した管理職の中には、管理スキルとしての戦略立案の能力やスキルが不足している者が多い。

管理職に必要な管理スキル:戦略立案スキル(クリチカル思考)

思考の基礎

その為、管理職向けの戦略立案スキルの向上・強化は、多くの企業で最大の経営課題の一つとなりつつある。

戦略立案のフレームワークとツールとしてのクリチカル思考は、戦略立案スキルの向上・強化に効果的であり、日本では、多くの管理職研修で活用されている。その内容は、以下の3項目。

①思考の基礎、②思考方法、③思考ツール。

思考方法

思考ツール

・MECE・システム思考・付加価値・その他

・ゼロべース・フレームワーク・オプションベース・その他

・階層・フレームワーク・フロー・その他

思考方法 思考ツール

ゼロ・ベース

フレームワーク・ベース

オプション・

ベース

プロセス・

オリエンテド

階層

フレームワーク

フレーム

マトリックス

フロー

戦略立案の為のクリチカル思考のレームワーク

思考の基礎

MECE

システマチック

肯定的

想像的

共有

付加価値

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

思考の基礎

MECE : 漏れ無くダブリ無く

M : Mutually, E : Exclusive, C : Collectively, E : Exhaustive

見落とし 重複

M : Mutually:互いにE : Exclusive:重ならずC : Collectively:全体的にE : Exhaustive:網羅する

MECE は、ソリューションや仮説を分析する際に、「漏れ無くダブリ無く」クリチカル思考を実施する為の最も重要なツールの一つ。

戦略立案の為の思考方法

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

思考方法 思考ツール

ゼロ・ベース

フレームワーク・ベース

オプション・

ベース

プロセス・

オリエンテド

階層

フレームワーク

フレーム

マトリックス

フロー

戦略立案の為のクリチカル思考のレームワーク

思考の基礎

MECE

システマチック

肯定的

想像的

共有

付加価値

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

思考方法

ゼロ・ベース: 先入観やステレオ・タイプ的アイデアを排除し、ゼロ・ベースで創造的・新規のアイデアを考える

フレームワーク・ベース: 汎用的なフレームワーク ( 4P, 5F, PPM, SWOT

等) を活用し、ロジカル分析により「漏れ無く、ダブリ無く」結論/ 解決策を立案

オプション・ベース: 複数の選択枝を準備し、複数の評価基準によりその選択枝を評価し、最終的に最適な解決策を決定

プロセス・オリエンド : フロー(流れ)のコンセプトを活用し、個々のプロセスを包含する全体的なフレームワークを捉える

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

戦略立案の為の思考方法

思考方法 思考ツール

ゼロ・ベース

フレームワーク・ベース

オプション・

ベース

プロセス・

オリエンテド

階層

フレームワーク

フレーム

マトリックス

フロー

戦略立案の為のクリチカル思考のレームワーク

思考の基礎

MECE

システマチック

肯定的

想像的

共有

付加価値

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

階層

論理ツリー:トップ・ダウン(演繹法)

- Why ツリー :原因(要因)の展開

- How ツリー: 解決策の展開

ピラミッド構造 : ボトム・アップ(帰納法)

- 原因(要因)や解決策をまとめる

論理ツリー(演繹法) ピラミッド構造 : ボトム・アップ(帰納法)

)

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-1.戦略立案の為の思考ツール:階層

フレームワーク

フレーム :汎用的ツール

- 3C 分析 :ミクロ・ビジネス環境分析(経営・事業・マーケテイング戦略用) ツール

(Customer:顧客, Company:自社, Competitor:競合他社)

- 4P 分析 : マーケテイング戦略・戦術用ツール

(Product:製品・サービス, Price:価格, Place:店舗、ロケーション, Promotion:宣伝)

- ABC Analysis : 主要要因分析ツール(70%以上の主要要因を抽出)

マトリックス: 2次分析ツール- SWOT 分析 : 代表的な外部・内部ビジネス環境分析、戦略策定用ツール

(Strong Point:強み, Weak Point:弱み, Opportunity:チャンス, Threat:脅威)

- ABCD 分析 (アンゾフの成長戦略分析):マーケテイング・セールス戦略用ツール(Attack:市場浸透, Bear:新製品開発, Challenge:新市場開拓, Develop:多角化)

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-2.戦略立案の為の思考ツール:フレームワーク

フレーム :汎用的ツール

- 3C 分析 :ミクロ・ビジネス環境分析(経営・事業・マーケテイング戦略用)ツール

(Customer:顧客, Company:自社, Competitor:競合他社)

Customer

--------------

Company

--------------

Competitor

--------------

●Customer : 顧客・市場のセグメント、市場規模、AIMDA、自社への顧客忠誠度、その他.

●Company : 自社の管理機能(ビジネス・事業プロセス)、経営資源 (5M+I)、その他.

●Competitor : 競争他社の市場占有率、競合のコア・コンピテンス、その他

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-2.戦略立案の為の思考ツール:フレームワーク

フレーム :汎用的ツール

- 4P 分析 : マーケット・セールス戦略ツール(Product:商品、Price:価格、Place:店舗、ロケーション、 Promotion:宣伝)

Product

-----------------

Promotion

-----------------

Price

-----------------

Place

-----------------

●Product : 製品戦略

●Price : 価格戦略

●Place : 店舗戦略

●Promotion : 宣伝戦略

マーケテイング戦略ミックス戦略マーケテイング・ミックス

4Pの統合

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-2.戦略立案の為の思考ツール:フレームワーク

マトリックス:2次元分析ツール

- SWOT 分析 :代表的な外部・内部ビジネス環境分析、戦略策定用ツール

プラス効果 マイナス効果

内部環境

(制御可能)

S:強み--------------------

--------------------

--------------------

W:弱み

--------------------

--------------------

--------------------

外部環境

(制御不可能)

O:チャンス--------------------

--------------------

--------------------

T:脅威--------------------

--------------------

--------------------

S-O 戦略

(短期)

積極戦略

------------------

S-T 戦略

(中期)

差別化戦略

------------------

W-O 戦略

(中期)

改善戦略

-------------------

W-T 戦略

(長期)

撤退・現状維持戦略

------------------

SWOT-分析(分析ツール)内外ビジネス環境分析

SWOT-合成(戦略策定ツール)SWOTベースの戦略策定

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-2.戦略立案の為の思考ツール:フレームワーク

マトリックス:2次元分析ツール

- ABCD 分析 (アンゾフの成長・多角化戦略):マーケット・セールス戦略

(Attach:市場浸透戦略, Bear:新製品開発戦略,

Challenge:新市場開拓戦略, Develop:多角化戦略)

現在の市場・顧客 新規市場・顧客

現在の商品・サービス

Attack Challenge

新規精進・サービス

Bear Develop

市場浸透

●Attack :低リスク&低ーリターン

●Bear : 中リスク&中リターン

●Challenge :中リスク&中リターン

●Develop : 高リスク&高リターン

どの方向にマーケット戦略を展開するかは、内外のビジネス環境を考慮して決定。

新市場開拓

新商品開発 多角化

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-2.戦略立案の為の思考ツール:フレームワーク

フロー:時系列フロー

-時系列フロー: 時間的推移を考慮した技術予測、新製品開発、

商品のPLC,AIDMA モデル

-処理フロー : コンピューター・フロチャート、部門連携プロセスフロー

フロー

時系列フロー

処理フロー

AIDMA モデル

コンピューター・フローチャート

ビジネス・プロセスフロー

ロードマップ

部門連携プロセスフロー

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-3.戦略立案の為の思考ツール:フロー

3. フロー : マーケテイング・セールス戦略

3-(1) 時系列フロー: AIMDA モデル

Items of AIDMA Content of action Schedule Issues

A Attention -------------------------- -------------- --------------

I Interest -------------------------- -------------- --------------

D Desire -------------------------- -------------- --------------

M Memory -------------------------- -------------- --------------

A Action -------------------------- -------------- --------------

マーケテイング戦略としてのAIMDAモデル

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-3.戦略立案の為の思考ツール:フロー

3. フロー :

3-(2) プロセス・フロー :部門連係的ビジネス・フロー

顧客 販売部 開発部 生産部 品質保証部 流通部

受注

生産指示

販売指示

課題 --------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

対応策 --------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

--------------

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-3.戦略立案の為の思考ツール:フロー

4. その他 :

4-(1) ブレイン・ストーミング: 演繹法

4-(2) マインド・マップ: 帰納法

ブレイン・ストーミング マインド・マップ

Category-A Category-B Category-C

(帰納法)(演繹法)

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-4.戦略立案の為の思考ツール:その他のツール

4. その他 :

4-(3) ブレイン・ライテング:半演繹法

4-(4) 特性要因図:帰納法(7 QC ツール)

ブレイン・ライテング 特性要因図

(帰納法(7 QC ツール)(半演繹法)

Pers

on 1

Pers

on 2

Pers

on 3

Pers

on 4

Pers

on 5

Pers

on 6

Idea

1

Idea

2

Idea

3

課題

要因1

要因2 要因3

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-4.戦略立案の為の思考ツール:その他のツール

4. その他 : BSCの戦略立案ツール

4-(5) 戦略マップ

BSC 視点 戦略マップ SKGI KPI

Target

担当部門

財務------------------

------------------

------------------

顧客------------------

------------------

------------------

ビジネスプロセス

------------------

------------------

------------------

成長と人材---------------------------

---------------------------

---------------------------

売上 利益

事業上位目標

顧客満足 市場シェア

TQM プロセス CRM プロセス

品質意識 生産管理スキル

高いモチベーション

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-4.戦略立案の為の思考ツール:その他のツール

4. その他 : ブルーオーシャンン戦略の戦略立案ツール

4-(6) 戦略キャンバス

競争力のレベル

競争力の要素

品質 コスト 納期 サービス デザイン

既存ビジネス新ビジネス

価値曲線

1-4.戦略立案のフレームワークとツール:クリチカル思考

1-4-4.戦略立案の為の思考ツール:その他のツール

問題・課題の発生要因 優先順位

1. ------------------------------

------------------------------P3

2. ------------------------------

------------------------------P5

3. ------------------------------

------------------------------

------------------------------

------------------------------

P1

4. ------------------------------

------------------------------

------------------------------

P4

5. ------------------------------

------------------------------

------------------------------

P2

優先順位が1番の発生要因に対するソリューション

ソリューションのスクリーニングと優先順位

コスト 時間 効果 優先順位

1. ------------------------

------------------------H

(1)

S

(3)

L

(1)

P4

(5)

2. ------------------------

------------------------L

(3)

S

(3)

H

(3)

P1

(9)

3. ------------------------

------------------------M

(2)

S

(3)

H

(3)

P2

(8)

4. ------------------------

------------------------H

(1)

L

(1)

M

(2)

P5

(4)

5. ------------------------

------------------------H

(1)

S

(3)

M

(2)

P3

(6)

問題課題

意思決定段階問題解決段階

1-5.戦略立案の為の問題解決と意思決定モデル

戦略立案を含め課題解決には、差異分析や要因分析に代表される問題解決段階と、最大の効果が見込まれるソリューションを決定する意思決定段階から構成される“問題解決と意思決定モデル”が有効なツールである。

問題・課題の発生要因 優先順位

1. ------------------------------

------------------------------

2. ------------------------------

------------------------------

3. ------------------------------

------------------------------

------------------------------

------------------------------

4. ------------------------------

------------------------------

------------------------------

5. ------------------------------

------------------------------

------------------------------

優先順位が1番の発生要因に対するソリューション

ソリューションのスクリーニングと優先順位

コスト 時間 効果 優先順位

1. ------------------------

------------------------

2. ------------------------

------------------------

3. ------------------------

------------------------

4. ------------------------

------------------------

5. ------------------------

------------------------

意思決定段階問題解決段階

1-5.戦略立案の為の問題解決と意思決定モデル

問題解決と意思決定モデル(演習)

管理職向け経営戦略

第2章:管理職向け経営戦略の位置付けと策定への参画(2日目、3日目、4日目)2-1.企業における戦略の階層構造(2日目)2-2.戦略マネジメントへのコミットメントの必要性2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定2-3-1.企業における経営戦略の位置付け2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップステップ1:企業上位目標の設定:経営目標と販売製品の決定ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析ステップ3:SWOTベースの経営戦略策定

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定(3&4日目)2-4-1.企業における事業戦略の位置付け2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

ステップ4:事業ドメイン、ビジネスモデル、STPステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product PortfolioManagement)ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略 ポーターの競争優位戦略 コトラーの競争地位別戦略 競争しない戦略:ブルーオーシャン戦略

2-1.企業における戦略の階層構造

①経営戦略(全社戦略):経営戦略(全社戦略)は、企業上位目標を実現する為に自社を取り巻くビジネス環境を分析し、分析結

果をSWOTに纏めて長期・中期・短期戦略を策定する。全社レベルでは、多角的な視点からの視点からの目標や戦略・KPIの設定が必要であり、BSC(Balanced ScoreCard) が良く活用される。経営戦略には、効果的な経営資源(人、モノ、カネ、情報等)の配分も重要な戦略テーマである。

②事業戦略(競争戦略):事業戦略(競争戦略)とは、SBU (Strategic Business Unit)毎に、如何にして競合相手に勝つを考える

戦略であり、その際は、競争優位性(差別化、集中化等)がキーワード。事業ドメイン、STP (Segmentation, Targeting, Positioning), PLC (Predict Life Cycle)、PPM (Product Portfolio Management) 等の市場分析ツールに加えて、経営戦略策定にも活用される3CやVC,VRIO等の分析結果も活用。それらの結果を踏まえ、アンゾフの成長・多角化戦略、ポーターの競争優位戦略、コトラーの競争地位別戦略、競争しないブルー・オーシャンとしてまとめる。

③部門別・機能別戦略(個別戦略):部門別機能別戦略とは、事業戦略を実現するために、購買、生産、

販売など、機能ごとの戦略。

経営戦略

事業戦略

部門別・機能別戦略

戦略の階層構造

企業における3種類の戦略の階層構造と特徴

2-2.戦略マネジメントへのコミットメントの必要性

管理職像の変化と戦略マネジメントへのコミットメントの必要性

最近の管理職は、単なる上意下達の役割に留まらず、自社の企業上位目標や全社・事業・個別戦略、KPIsの策定の戦略的コミットメントや戦略的業務遂行が評価対象となっており、必然的に戦略的組織マネジメントのへのコミットメントと実行が求められている。

その為、従来は社長や事業部長等の経営者層の役割と考えられていた経営戦略や事業戦略の立案の段階にも管理職が積極的に参画する傾向が広がっており、管理職層においても経営戦略や事業戦略の策定に活用されている戦略策定のフレームワークや戦略的問題解決や意思決定ツールの理解が不可欠となりつつある。

特に管理職の場合、部門連係的な課題に直面する事が多く、部門横断的な戦略・戦術の策定が重要な役割となっている。部門横断的な戦略は全社戦略や事業戦略と密接に関連しておりこれらの戦略にもコミットしなければ、効果的な部門横断的戦略の策定は困難である。

上意下達

管理職像の役割の変化

経営戦略

事業戦略

部門横断的戦略

管理職は全ての層の戦略にコミット

特に重要

従来の組織構造 新しい組織構造

経営目標・戦略 経営目標・戦略

多様な意見交換

イノベーション

2-3-1.企業における経営戦略の位置付け

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

= 経営戦略とは =自社を取り巻く内外のビジネス環境を踏まえて、企業上位目標(ビジョン、ミッション、コア価値、経営・事業目標等)を達成する為のビジネス上の活動。

外部ビジネス環境 内部ビジネス環境

現状

企業上位目標

何もしない状態

経営戦略

ギャップ

企業の目的 経営戦略 制約条件

◆事業継続◆収益獲得◆企業成長◆社会貢献◆顧客満足◆従業員満足◆生産性向上◆・・・◆・・・◆・・・

◆企業上位目標の実現・ビジョン・ミッション・コア価値・経営目標・事業目標◆経営資源の最適配分◆・・・

◆ビジネス環境の不確実性・外部マクロ環境・外部ミクロ環境・内部ミクロ環境(自社の状況)◆経営資源や時間は有限◆・・・

経営戦略: 自社を取り巻く種々のビジネス上の制約条件の下で、企業目標実現を

実現する為に策定される。

2-3-1.企業における経営戦略の位置付け

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

経営戦略の定義(種々の定義がある)

◆持続的競争優位を達成するためのポジショニングを構築すること

◆企業が考えた競争に成功するためのセオリー

◆企業を取り巻く環境との関わりについて、企業を成功に導くために何をどのように行うかを示

したもので、企業に関与する人たちの指針となり得るもの

◆「企業や事業の将来のあるべき姿とそこに至るまでの変革のシナリオ」を描いた設計図

◆市場のなかの組織としての活動の長期的な基本設計図

◆企業がその目標を達成するための資源展開のあり方を

環境とのかかわりの中で方向づけるもの

経営戦略

組織・人事システム

経営資源の有効活用

ビジョナリー経営

外部ビジネス環境

内部ビジネス環境

2-3-1.企業における経営戦略の位置付け

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

経営戦略

組織・人事システム

経営資源の有効活用

ビジョナリー経営

内部ビジネス環境

外部ビジネス環境

ビジョンミッション経営目標

◆企業ビジョン◆企業ミッション◆企業コア価値

◆経営目標”複数の視点から”(財務、顧客・市場、ビジネスプロセス、成長・人材等)

◆経営戦略

“経営目標にリンクした多面的経営目標”

現状

将来

現在 将来

経営計画

年度計画

ビジョン、ミッション、コア価値、経営目標、経営戦略、経営計画の関連

経営理念、ビジョン、ミッションや経営目標は、経営戦略(ビジョン、ミッション、経営目標を実現する為の経営活動の方向性)を策定するための大前提である。 一方、ビジョンや経営目標を実現するために、経営戦略をベースにした具体的な経営活動の計画を、経営計画という。

2-3-1.企業における経営戦略の位置付け

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

経営戦略策定経営計画策定

◆経営理念◆ビジョン、ミッション、コア価値◆経営・事業・個別目標◆経営・事業・個別戦略◆戦略マップ◆経営資源配分、等

◆戦略的ドメイン・ポジショニング◆内外ビジネス環境(SWOT)

◆ビジネス・モデル◆ビジネス・プロセス(VC, SC)

◆企業文化、CSR、等

反映

◆目標・戦略とリンクした経営・事業計画◆戦略目標(SKGI)◆主要業績指標(KPI)

◆組織構造◆業績予想、等

◆財務データ(BS/PL/CF)

◆経緯効率指標◆生産性指標◆個別管理指標、等

展開

実行

評価・分析

戦略的意思決定の領域

論理的評価・分析の領域

2-3-1.企業における経営戦略の位置付け

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

・ビジョン・ミッション

・経営目標・事業目標

・経営戦略

・経営戦略のアウトカム

中期経営戦略 2017

◆改革の着実な実施による企業成長の実現◆信頼とスピードによる将来への挑戦

安定的な収益基盤の拡大 機能を重視した新事業領域と企業価値の創造と

◆環境の変化に対応し、成長できる財務基盤の確立

◆企業資産の有効活用の継続的な取組み

◆当社の強み、知見、機能を最大限に活用、強化

◆顧客ニーズにマッチした事業ドメインの獲得・創出

財務戦略 投資戦略 リスク戦略 人材戦略

持続的成長の資するポートフォリオ経営

企業アイデンティティーの確立

絶え間ない変革と挑戦による新たな企業価値と豊かな未来の創造

実現

2-3-1.企業における経営戦略の位置付け

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

日本企業の事例

企業理念

ビジョン、ミッション、コア価値

経営目標

複数の視点(財務、顧客/市場、ビジネス・プロセス、成長と人材等)からの長期/中期/短期経営目標

戦略的SWOT分析

SWOTのまとめ

SWOTベース経営戦略

戦略オプション、戦略的意思決定、最適セ戦略 (Cross-SWOT 活用)

事業ドメインとSTP

事業別戦略

人事

戦略

財務

戦略

販売

戦略

内部ビジネス環境分析

経営資源の強み:Strong point と弱み:

Weak point の分析と活用

(SW分析)

(4M /5M + I)

外部ビジネス環境分析

外部ビジネス機会: Opportunity と

脅威: Threat の分析と予測

(OT分析)

(政治的、社会・経済・産業情勢、顧客、競合他社、マクロ・ミクロ傾向等))

成長、差別化、集中化、多角化、競争戦略

●アンゾフの成長戦略と多角化戦略

●ポーターの競争優位戦略

●コトラーの競争地位別戦略

●競争しない戦略:ブルーオーシャン戦略

利益と成長のバランス

●事業ドメイン、STP

●PLC、PPM

生産

戦略

個別戦略(機能別、部門別)

見直し 見直し

調達

戦略

R&D

戦略

マーケテイング

戦略・・・

2-3-1.企業における経営戦略の位置付け

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

ステップ1:企業上位目標

ステップ2:ステップ2:ステップ3:

ステップ4:ステップ5: ステップ6:

ステップ1:企業上位目標の設定

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

企業上位目標とは?

企業上位目標とは、企業にとって最も重要な経営目標であり、企業が達成すべき最上位のゴールである。

企業上位目標は以下の項目から構成される。・企業ビジョン・企業ミッション・企業のコア・バリュー・経営目標:多角的視点からの長期・中期・短期目標 目標

経営戦略や組織構造は、この企業上位目標を効果的に実現される為に策定される。

経営・事業戦略や組織構造は、経営戦略に従う。

このまま使用

Corporate Name

Business Field

Vision Statement

Mission Statement

Core Business Unit % of Total Sales % of Total Profit Main Market Core Business Unit % of Total Sales % of Total Profit Main Market

1. 1.

2. 2.

3. 3.

4. 4.

5. 5.

10

Corporate Vision, Mission, Core Value, SBU & Business Goals/Objectives・

Corporate Core Value

1

2

3

4

5

6

7

8

9

Short-term Business

Goals/Objectives

1.Financial business goals/objecgtives:

2. Customer/Market business goals/objectives

3. Internal business process goals/objectives

4. Growth & HR goals/objectives

5. Other goals/objectives:

Medium-term

Business

Goals/Objectives

1.Financial business goals/objecgtives:

2. Customer/Market business goals/objectives

3. Internal business process goals/objectives

4. Growth & HR goals/objectives

5. Other goals/objectives:

Short-term Business Plan (SBU): Core Business Unit Medium-term Business Plan (SBU): Core Business Unit

Long-term Business

Goals/Objectives

1.Financial business goals/objecgtives:

2. Customer/Market business goals/objectives

3. Internal business process goals/objectives

4. Growth & HR goals/objectives

5. Other goals/objectives:

ステップ1:企業上位目標の設定(演習)

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

エクセルファイルあり

自社

将来の目標

経営戦略・経営計画現状から、将来の目標達成に向けてのロード・マップ

現状

自社を取り巻くビジネス環境

=外部環境分析=競争優位を実現する為のOT分析

O:Opportunity, T: Threat

=内部環境分析=自社の経営資源等の有効活用の為のSW分析

S:Strength, W:Weakness

全てを分析するのではなく、経営目標や戦略実現の視点で分析

経営戦略・経営計画を有効かつ効果的に策定するためには、自社を取り巻く外部環境と自社の内部環境を客観的な事実情報から正確に把握することが重要。外部環境分析:競争優位を実現する為に、自社を取り巻く外部要因 を分析し、ビジネス上の機会(Opportunity)と脅威(Threat)に分類。内部環境分析:競争優位を実現する為に、自社の経営資源やコア・コンピテンス等を分析し、自社の強み(Strength)と弱み(Weakness)に分類。

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

マクロ外部環境セミ・マクロ外部環境

ミクロ外部環境

PEST分析 5F分析 3C分析

バリューチェーン/VRIO分析

供給業者

ミクロ内部環境(自社)

R&D 調達 生産 販売

競合他社

新規参入

代替品

顧客市場

原材料半製品

製品、サービス

経済動向

技術動向

人口動態

法規制

各種ステーク・

ホルダー動向

影響

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

戦略的SWOT

分析

自社を取り巻く内外のビジネス環境分析の手順

◆外部環境は、PEST分析 ⇒ 3C分析の順に、マクロからミクロに分析。5F分析によりより詳細な外部環境分析が可能。

◆内部環境(自社の現状)は、3Cの自社分析の実施後にバリューチェーン(VC)分析とVRIO分析を実施すると、内部環境がより詳細に分析できる。

◆SWOT分析は、これら内外ビジネス環境分析の結果を自社のSWOT(強み、弱み、機会、脅威)に分類。

PEST分析

5Force分析

3C分析

VC & VRIO分析

強み(Strength) 弱み(Weakness)

機会(Opportunity) 脅威(Threat)SWOT分析

外部環境

内部環境

自社の現状

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

16

マクロ外部環境分析= PEST分析 =

P:政治(Political / Legal)

S:社会(Social/Cultural)

T:技術(Technical)

E:経済(Economical)

外部マクロ・ビジネス環境

ビジネスを規制する法律や規則

経済水準。所得変化、為替、金利等

人口構成、価値観、流行、習慣等

ビジネスに影響を与える技術開発状況

マクロビジネス環境とは、事業の外部環境のうち、企業にとって統制不可能、つまり業界内の各企業とは無関係に起こっている外部ビジネス環境。具体的には、政治的(Political)環境、経済的(Economic)環境、社会的(Social)環境、技術的(Technological)環境の四つです。この四つのマクロ環境を分析することを、それぞれの頭文字を取ってPEST分析という。

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

PEST分析:代表的な外部マクロ環境分析の手法で、マーケテイング戦略の 巨頭である、F.Kotlerが提唱。自社を取り巻くマクロな環境を分析後、自社の”機会(Opportunity)”と”脅威(Threat)”に分類し、代表的な経営戦略立案の代表的ツールであるSWOT分析に活用する。

PEST 現在の外部マクロ環境(日本の事例)

自社の機会Opportunity

自社の脅威Threat

Politics

政治的環境

●規制緩和による政策で、製造コストが低下●給与増加政策により人件費増加●法人税の軽減

Economics

経済的環境

●銀行金利が低く、設備投資が容易●円高による輸出業が好調●国内景気の低迷による国内売上の低迷

Society

社会的環境

●若年層人口減少による労働力の不足●環境意識の高まりによる設計段階からの見直し●社会的課題の解決に民間企業が事業として参入

Technology

技術的環境

●IoT(Internet of Things)、BD(ビッグ・データ)等のインターネットの進化による新技術の導入●ウエラブル技術の活用による新事業分野の開拓●モバイル機器との連動による新商品開発

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

ミクロビジネス環境:自社を取り巻く市場・競合環境である準統制可能な外部環境と、統制可能である自社環境がある。

外部環境は、市場の規模、成長性、競争状況、流通チャネルの構造、顧客動向などが含まれる。市場分析には、製品ライフサイクルやマーケット・セグメンテーション、イノベーター理論などが用いられる。競合分析には、業界を分析するファイブ・フォース、戦略グループを分析する戦略グループ・マップなどが有用。自社環境の目的は、自社が市場や顧客にニーズの変化に合わせ、競合の対応を考慮しながら、自社が成功する要因を見いだす事にある。

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

業界環境:3C分析「市場・顧客環境」・市場規模/シェア・市場の成長性・顧客ニーズ・消費行動

「業界全体の競合環境」・競合各社の市場シェア・競合各社の特徴・新規参入や代替品の脅威「競合他社の特徴」・競合他社の強み・競合他社の戦略

「自社の内部環境」・企業上位目標・資本力/投資能力・経営資源・コア・コンピテンス・競争優位性

市場・顧客環境Customer

競合環境Competitor

自社内部環境Company

3C分析:代表的な外部ミクロ環境分析の手法で、自社を取り巻くミクロな外部環境である“市場・顧客(Customer)”、“競合(Competitor)”を分析後、自社の”機会(Opportunity)”と”脅威(Threat)”に分類。更に、ミクロな内部環境である自社(Company)の経営資源(5M+I)等を分析し“強み(Strength)”と“弱み(Weakness)”に分類。

2C ミクロ環境(日本の事例)

自社の機会Opportunity

自社の脅威Threat

Customer

市場・顧客環境

●市場規模●市場の成長性●顧客ニーズ●顧客の消費行動・購買行動

Competitor

競合環境

●競合各社のシェア●各競合の特徴●新規参入・代替品の脅威●競合の業界ポジション●特に注意すべき競合対象となる企業●注意すべき競合対象の企業と特徴

1C ミクロ環境(日本の事例)

自社の強みStrength

自社の弱みWeakness

Company

自社環境

●自社の企業理念・ビジョン●既存事業や製品の現状●資本力/投資能力●現有経営資源 (5M+I)

●既存ビジネスの特徴

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

SWOT分析 (演習)エクセルファイルあり

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

5F (5Fources)分析ポーターは、「競争戦略とは業界に働く5つの競争要因からうまく自社を守り、自社に有利にな

るように競争要因を動かせる位置を業界内に見つけること」と定義している。

5F (5つの競争要因)は、自社を取り巻く業界の中長期的な収益性に大きく影響するため、セミ・マクロな外部環境分析ツールとして広く活用されている。

5F とは:①新規参入業者の事業参入圧力(脅威)②代替品の市場参入圧力(脅威)③競争業者との競合圧力(脅威)④売り手(供給業者)の値上げ圧力(脅威)⑤買い手(消費者)の値下げ圧力(脅威) 売り手

業界分析の為の5つの圧力(脅威)

規模の経済、ブランド力、投資額、差別化力、参入障壁等

新規参入の脅威

買い手からの値下げ圧力。買い手との力関係等。

売り手からの値上げ圧力。売り手との力関係等。

買い手

代替品が市場に出回る圧力

代替品

業界内での競争圧力

業界内の競争

新規参入業者

売手競合他社 買手

代替品

代替品が市場に出回る可能性(代替品が買われる圧力)

買手の交渉力(販売価格値下げ圧力)

新規参入の可能性(競合他社の参入圧力)

売手の交渉力(納入価格値上げ圧力)

業者間の敵対関係の強弱(競合圧力)

22

(顧客)(供給業者)

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

5F (5Fources)分析 (演習)

SBU . 製品: .

支援活動

主活動

全般管理

人事労務

技術開発

調達活動

マ|

ジン

サービスマーケテイング販売

出荷物流

生産物流

財務報告経営の透明性

教育研修労働環境労務管理

産官学連携環境対策イノベーション

サプライチェーン

売上 - (主活動コスト + 支援活動コスト) =利益(マージン)

バリューチェ―ンポーターは 競争優位を実現する為、「モノを生産する流れ」に着目して企業の活動を主活動と支援活動に分け、それに利益(マージン)を加えて全体の付加価値を表している。 主活動:部品や原材料などの購買、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービス等の直接部門。 支援活動:主活動を支える人事や経理、技術開発などの間接部門。

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

24

Value

Chain

競争優位KFS 研究開発力 企画力、販売促進効率 仕入効率、安定調達基盤

アウトプット指標(KPI)

・研究開発人数・研究開発費・新製品発売数/研究開発人数・売上/研究開発費

・新製品発売数・企画人数・売上/宣伝広告費

・「仕入効率」・仕入単価「安定調達基盤」・仕入先件数

Value

Chain

競争優位KFS 生産効率、生産力 物流効率 営業力、ブランド力

アウトプット指標(KPI)

「生産効率」・人員当たり人件費・人員当たり売上・売上原価率・在庫回転率「生産力」・製造能力・生産リードタイム

・物流費/売上・物流リードタイム

「営業力」・営業人員数・営業人員当たり売上・1営業当たり成約率「チャネル力」・チャネル数・チャネル当たり売上・「ブランド力」

1. 研究開発 2. 画・販売促進 3. 調達

4. 生産 5. 物流 6. 営業・販売

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

バリューチェ―ン (日本企業の事例)

バリューチェ―ン分析:競合分析、SW分析を含む (演習)

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ・

・ ・ ・ ・ ・ ・

A.

B.

C.

資金 :Money

人材: Man

方法、技術、ノウハウ: Medhod, Technology, Know-how

能力・スキル: Knowledge, skill

IT

QCD ( Quality, Cost, Delivery time),

Production capacity, Productivity

資金 :Money

人材: Man

方法、技術、ノウハウ: Medhod, Technology, Know-how

能力・スキル: Knowledge, skill

IT

QCD ( Quality, Cost, Delivery time),

Production capacity, Productivity

MA / OS / SA MA / OS / SA MA / OS / SA MA / OS / SA MA / OS / SA MA / OS / SA

対応策(強みを強化): Intensify strongpoints

対応策(弱みを改善): Improve Weakpoints

垂直型多角化の対象プロセスTarget process of Vettical Diversification

外部資源活用(M&A、アウトソーシング、戦略的連携)

Utilization of external resources (M$A/Outsourcing/Strategic alliance)

主要成功要因:Key Success Factor

垂直型多角化のデザインの為の競合分析を含むValue-Chain&SW分析Value-chain & SW Analysis including Competitivve analysis for designing Vertical Diversification

主要業績指標:KPI

競合他社Competitore

自社の強み(Strong Point)

自社の弱み

(Weak Point)

R&D

研究開発

企画・

設計

PlanningDesign

調達

Purchaisng

製造

Manufacturin

g

品質

管理

QA

販売

Sales

エクセルファイルあり

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

VRIO分析ジェイ・B・バーニー(Jay B. Barney)氏が1991年に発表した経営資源に基づく戦略論をフレーム

ワーク化したもの。経営資源(リソース)を『価値(Value)』、『希少性(Rarity)』、『模倣困難性(Imitability)』、『組織

(Organization)』の4つの視点から評価することによって、企業内部に存在する強みの質と市場における現在の競争優位性を分析。

①価値はあるか?

②希少性は高いか?

③模倣困難性は高いか?

④組織に優位性はあるか?

競争優位の状況

競争劣位

競争均衡

一時的な競争優位

持続的競争優位

絶対的的競争優位

①価値はあるか?(V)

②希少性は高いか?(R)

③模倣困難性は高いか?(I)

④組織に優位性はあるか?(O)

競争劣位

競争均衡

一時的な競争優位

持続的競争優位

絶対的的競争優位

資産>成果

資産<成果

競争優位性

27

バリューチェーン分析とVIRO分析による自社の内部環境の明確化内部環境分析の代表的ツールであるバリューチェーン(V.C.)分析とVRIO分析を併用する事により、競合

他社を考慮した自社のビジネス・プロセス (バリューチェーン)毎の“強み・弱み”と、その源泉が明らかとなる。

V.C.

KCF 新商品開発力 仕入効率 不良率 ・・・・

自社の強み 大 中 小 ・・・・

R&D 調達 生産 ・・・

V R I O V R I O V R I O V R I O

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

・ ・ ・

VRIO

自社

X社

Y社

Z社

内部環境分析とは競合他社との相対比較自社の強み・弱みとは、競合他社との相対比較!!

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

28

V.C.

差別化のKSF ・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

・・・

自社の強み ・・

・・

・・

・・

・・

・・

自社の弱み ・・

・・

・・

・・

・・

・・

V R I OVRIO

自社

X社:

Y社:

Z社:

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

V R I OV R I OV R I OV R I OV R I O

バリューチェーン分析とVIRO分析による自社の内部環境の明確化 (演習)

PEST 現在の外部マクロ環境 自社の機会Opportunity

自社の脅威Threat

Politics

政治的環境

Economics

経済的環境

Society

社会的環境

Technology

技術的環境

2C 現在の外部ミクロ環境 自社の機会Opportunity

自社の脅威Threat

Customer

市場・顧客環境

Competitor

競合環境

1C 現在の内部ミクロ環境 自社の強みStrength

自社の弱みWeakness

Company

自社環境

ステップ2:ビジネス環境分析とSWOT分析 (PET&3C分析演習)

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

企業上位目標と経営戦略、事業ドメインの関連

強み(S) 弱み(W)

チャンス(O) 強みを活かして、チャンスを拡大

短期戦略(S-O):積極戦略

弱みを改善して、チャンスを拡大

中期戦略(W-O):弱点克服戦略

脅威(T) 強みを活かして、脅威を除く

中期戦略(S-T):差別化戦略

弱みを改善して、脅威を除く

長期戦略(W-T):維持・撤退戦略

ビジョン、ミッション、コア・バリュー、経営目標(短期・中期・長期)

SWOT環境分析

(強み、弱み、チャンス・脅威)

内部環境分析

(ミクロ)

外部環境分析

(マクロ、ミクロ))

外部・内部環境のリンク

S(強み):活用

W(弱み):改善

O(チャンス):拡大

T脅威):除く

内部外部

事業ドメイン

SO WO

ST WT

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

ステップ3:SWOTベースの経営戦略策定

Study: Sample of SWOT & Analysis & Strategy

= (日本企業の事例:ラーメン店) =

◆強み(Strength)・板前経験を活かした商品開発力・生産者から直接仕入れができる仕入ルートがある・最寄駅徒歩3分の立地・醤油ラーメンに特化しているため、生産時間が短い。 (短時間で提供が可能))

◆弱み(Weakness)・自己資金が少ない・IT知識に疎い・お店のPR手段が不十分・接客ノウハウが弱い(接客力に不安)・サイドメニューの品数が少ない・外国人観光客への対応ができていない(英語話せない、メニューは日本語のみ)

◆機会(Opportunity)・地元商店街に外国人観光客が増加している・特定遊興飲食店の深夜営業開始による深夜通行量の増加・近所のスナック店などから出前ニーズがある

◆脅威(Threat)・年々増加する新規競合店のオープン・食生活の変化(コンビニ活用)・カロリーを気にする20代~40代の増加(ラーメン離れの加速化)・消費税増税による支払金額の増加・野菜価格高騰による原価率(材料費)上昇

Cross-SWOT分析:SWOT分析で記入した4つのカテゴリについて、それぞれ掛け合わせ、それぞれの象限に関してSWOTベースの経営戦略をデザイン「①強み×機会」:積極戦略、市場浸透戦略等「②強み×脅威」:差別化戦略等「③弱み×機会」:弱点克服戦略等「④弱み×脅威」:維持・撤退戦略・多角化戦略等

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

ステップ3:SWOTベースの経営戦略策定

Study: Sample of SWOT & Analysis & Strategy

「①強み×機会」・積極戦略・市場浸透戦略等

「②強み×脅威」・差別化戦略等

「③弱み×機会」・弱点克服戦略等

「④弱み×脅威」・維持・撤退戦略・多角化戦略等

SWOTベースの戦略

「①強み×機会」:積極戦略、市場浸透戦略等

「②強み×脅威」:差別化戦略等「③弱み×機会」:弱点克服戦略等「④弱み×脅威」:維持・撤退戦略・

多角化戦略等

◆強み(Strength)

・板前経験を活かした商品開発力・生産者から直接仕入れができる仕入ルートがある・最寄駅徒歩3分の立地・醤油ラーメンに特化しているため、生産時間が短い。 (短時間で提供が可能))

◆弱み(Weakness)

・自己資金が少ない・IT知識に疎い・お店のPR手段が不十分・接客ノウハウが弱い(接客力に不安)・サイドメニューの品数が少ない・外国人観光客への対応ができていない(英語話せない、メニューは日本語のみ)

◆機会(Opportunity)

・地元商店街に外国人観光客が増加している

・特定遊興飲食店の深夜営業開始による深夜通行量の増加・近所のスナック店などから出前ニーズがある

【強みを活かして機会を活用する戦略】・外国人観光客向けのメニューを開発・土曜の営茉時間を23時まで延長・知り合いのスナック店向けに出前サービスを開始

【自社の弱みの為に機会損失を防止する戦略】・外国語対応メニューを作成・券売機の導入、セルフサービスの導入を検討・店舗HPを外注で作成

◆脅威(Threat)

・年々増加する新規競合店のオープン・食生活の変化(コンビニ活用)・カロリーを気にする20代~40代の増加(ラーメン離れの加速化)・消費税増税による支払金額の増加・野菜価格高騰による原価率(材料費)上昇

【自社の強みで脅威を回避、または事業機会を剔出する戦略】・醤油ラーメンに特化・低カロリー商品をラインナップ・自宅で作れるお土産用の醤油ラーメンを開発

【自社の弱みと脅威による顧客離れを防ぐ戦略】・店舗Hpを定期的に更新し、PRを継続・資金繰り表を作成して、資金の流れを把握新規開拓のため、平日夕方限定で学割サービスを始める

「①強み×機会」・積極戦略・市場浸透戦略等

「②強み×脅威」・差別化戦略等

「③弱み×機会」・弱点克服戦略等

「④弱み×脅威」・維持・撤退戦略・多角化戦略等

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

ステップ3:SWOTベースの経営戦略策定

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

ステップ3:SWOTベースの経営戦略策定

SWOTベースの短期経営目標(演習)エクセルファイルあり

短期経営目標、戦略、SGKI,リスク一覧表(演習)

2-3-2.戦略立案ツールによる管理職向け経営戦略の策定ステップ

2-3.戦略立案ツールを活用した管理職向け経営戦略の策定

ステップ3:SWOTベースの経営戦略策定

エクセルファイルあり

経営戦略 事業戦略 個別戦略

◆経営目標・戦略とリンクしながらSBU目標の実現・ドメイン、STP

・成長戦略・多角化戦略・競争戦略・差別化戦略・集中戦略・競争しない戦略・・・・

◆経営目標・戦略や事業目標・戦略とリンクしながら企業内の部門別・機能別目標の実現・R&D戦略・生産戦略・財務戦略・マーケテイング戦略・・・・

事業戦略は、経営戦略と個別戦略(部門別・機能別戦略)の中間に位置し、SBU毎

の戦略である。成長戦略、多角化戦略、競争戦略、差別化戦略、集中戦略、競争しない戦略(ブルーオーシャン戦略)が代表的。

2-4-1.企業における事業戦略の位置付け

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

◆企業上位目標の実現・ビジョン・ミッション・コア価値・経営目標◆経営資源の最適配分◆・・・

戦略事業ドメイン(Strategic Business Domain)とは、自社の企業上位目標やSBU目標を実現する為、SBU(Strategic Business Unit)毎の戦略事業領域(展開範囲)を示す。

事業ドメイン設定には、以下の2種類の設定方法がある。①企業上位目標(ビジョン、ミッション、コア価値、経営・事業目標)の

実現という側面からの設定(広義の戦略事業ドメイン)②内外ビジネス環境分析により明らかになった“現状”に準拠した設定(狭義の戦略事業ドメイン)

通常は、最初に①企業上位目標をベースに広範囲の事業ドメインを戦略的に設定後、②内外ビジネス環境分析の結果により、より具体的に事業ドメインを絞り込む

戦略事業ドメインの設定

企業上位目標 ビジネス環境分析

広義 狭義

① ②

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

戦略事業ドメイン決定のポイント

戦略ドメインの3要素 誰に ( Who:標的顧客)

何を ( What:顧客ニーズ)

どのように ( How:独自能力)

標的顧客・市場 事業展開を推進する際に、標的(対象)となる顧客や市場セグメント)

顧客ニーズ(提供価値) 他社と比較して、自社の製品やサービスが顧客に与える価値(操作性、デザイン、省エネルギー、低価格、信頼性、その他)

独自技術(差別優位の技術・サービスやノーハウ)

他社と比較して差別・優位性を持つ自社の技術・サービスやノウハウ

誰に

(Who:標的顧客・市場)

何を

( What:顧客ニーズ)

どのように

(How:独自能力)

戦略事業

ドメイン

戦略事業ドメインの3つの要因

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

事業ドメイン、事業ポジショニング、基本戦略、経営資源配分(演習)

標的顧客・市場 顧客ニーズ(提供価値) 独自技術

事業展開を推進する際に、標的(対象)となる顧客や市場セグメント)

他社と比較して、自社の製品やサービスが顧客に与える価値(操作性、デザイン、省エネルギー、低価格、信頼性、その他)

他社と比較して差別・優位性を持つ自社の技術・サービスやノウハウ

・ ・ ・

事業ポジショニングと基本戦略、経営資源配分

・どの標的顧客・市場に対して?:・どの様な独自技術を生かして?:・どの様な価値を標的顧客・市場に提供する事により?・どの分野にビジネスを展開するか(事業ドメイン)?・PLCによる事業のライフサイクルのステージは?・PPMによる基本戦略と経営資源配分は?

SBU: .

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

39

ビジネス・モデルは無数に存在するが、業種業界の壁を越えて共通に適用できる10種類の体表的「基本の型(パターン)」がある。

ビジネス・モデル 事業モデルの内容 事例

シンプル物販モデル製品やサービスを開発・製造し、ユーザーに提供して対価を受け取るシンプルなビジネス・モデル

多くのメーカー

小売モデル 商品を作らず、「仕入れて売る」だけのビジネス・モデル書店デパート

広告モデル商品そのものの価格を抑えたり無料にしたりして、商品を媒体として広告を掲載することで広告料を得るビジネス・モデル

雑誌民法テレビ局グーグル

合計モデル 消費者を呼び込む目玉商品を用意しておいて“ついで買い”を狙うビジネス・モデル格安旅行パック保険

二次利用モデル 商品を二度、三度と再利用して収益を上げるビジネス・モデル映画DVD復刻版音楽CD復刻版

消耗品モデル 本体商品の価格は抑え、消耗品やメンテナンスで利益を上げるビジネス・モデルジレット(髭剃り替刃)ゼロックス(印刷機器)

継続モデル製品やサービスを定期的に使い続けてもらい、継続的にビジネスを継続するビジネス・モデル

携帯電話定期購読

マッチング・モデル 製品・サービスを提供する側とユーザーとを仲介するビジネス・モデル不動産仲介人材募集サイト

フリーミアム・モデル機能制限した「べーシック版」を無料で多くの人に使用してもらい、その後に有料プレミアム版にバージョンアップすることを狙うモデル

パソコン・ソフト携帯電話ソフト

ソーシャルビジネス・モデル 社会的課題の課題解決をビジネスとしてソリューションを提供するモデル地域活性化対策少子高齢化対策

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

40

ビジネス・モデル・キャンバス

◆ビジネス・モデルを決定後、ビジネス・モデルを9つの要素に分類し、各要素が相互にどのように関わっているのかを図示する事により、視覚的にビジネス・モデルを把握できる。この為のツールをビジネス・モデル・キャンバスという。

右側にあるものが顧客・市場に近い要素、中央部が顧客に提供する価値、左側が自社に近い要素。

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

モバイル通信会社のビジネス・モデル・キャンバス

キーパートナー 主要活動 価値提供 顧客との関係 顧客セグメント

キーリソース チャネル

コスト構造 収益の流れ

通信機器メーカー

サプライヤー

販売代理店

ネットワーク・メンテ

サービス提供

マーケテイング

ネットワークブランド顧客基盤

音声、データ、コンテンツをモバイル端末で利用できる

獲得・維持

一般顧客(加入者)

ネットワークメンテナンス費用マーケテイング費用

通信料金オプション課金

小売店(ショップ)

41

Apple iPod/iTunesの事例(広い市場向け事例)

ビジネス・モデル・キャンバス

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

キーパートナー(KP)

主要活動(KA)

価値提供(VP)

顧客との関係(CR)

顧客セグメント(CS)

キーリソース(KR

チャネル(CH)

収益の流れ(RS)

コスト構造(CS)

レコード企業OEM企業

ハードウェアデザインマーケテイング

従業員AppleブランドiPod

ソフトウエア

シームレスな音楽体験

ハートマークスイッチング・コスト

小売店AppleストアITuner store

マス市場

従業員、製造、マーケテイングと販売 ハードウェア収入楽曲の販売収益

42

◆ジレット(替刃カミソリ)の事例(ニッチ市場向け事例)

ビジネス・モデル・キャンバス

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

キーパートナー(KP)

主要活動(KA)

価値提供(VP)

顧客との関係(CR)

顧客セグメント(CS)

キーリソース(KR

チャネル(CH)

収益の流れ(RS)

コスト構造(CS)

メーカー小売店

マーケテイングR&D

流通

ブランド特許

剃刀の刃を研ぐ手間が省ける

継続使用

小売店コンビニ

成人男性

マーケテイング、製造、流通、R&D 剃刀本体の購入頻繁な替刃の交換

43

◆ビジネス・モデル・キャンバスの立案ステップ

ビジネス・モデル・キャンバスの作図には決まった手順は存在しないが、一般的には、以下のステップで実施される事が多い。

①CS:顧客セグメント②VP:提供価値③KA:キーアクティビティ④CR:顧客との関係⑤KP:キーパートナー⑥CH:チャネル⑦KR:キーリソース⑧CS:コスト構造⑨RD:収益の流れ

1)最初に考えるべき項目は、「顧客セグメント」「提供価値」「キーアクティビティ」

2)「顧客との関係」は、「顧客セグメント」「提供価値」 「キーアクティビティ」から利便性、顧客満足度を意識して作成。

5)「キーパートナー」は最終的にバリューチェーン分析により詳細に検討。

3)「チャネル」は「顧客セグメント」「キーパートナー」を参考に作成

4)「キーリソース」は「提供価値」「キーアクティビティ」を満たせるものを探す。

6)「コスト構造」は自社サイドの項目と「チャネル」を参照。

7)「収益の流れ」は市場・顧客サイドの項目と「キーパートナー」を参照。

自社サイドの項目:内部環境③、⑤、⑦、⑧

市場・顧客サイドの項目:外部環境①、④、⑥、⑨

ビジネス・モデル・キャンバス

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

44

ビジネス・モデル・キャンバス

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

◆ビジネス・モデル・キャンバス(演習)

キーパートナー(KP)

主要活動(KA)

価値提供(VP)

顧客との関係(CR)

顧客セグメント(CS)

キーリソース(KR)

チャネル(CH)

収益の流れ(RS)

コスト構造(CS)

ビジネス・モデル・キャンバス

45

STPと競争優位(差別化)

顧客(個人)のニーズに合った製品・サービスを如何に差別化し、他社への優位性を実現できるか?製品属性やQCDの差別化がポイント。

Segmentation

市場細分化

細分化された部分は市場セグメント

B to C

主に顧客個人の属性(Ex: 年齢、職業等)により

細分化

B to B

主に顧客企業の属性(Ex: 業種、企業情報等)によ

り細分化

Targeting

ターゲテイング

最適な市場セグメントを選択(ターゲット・セグメント)

細分化された顧客セグメントの中で、顧客個人の属性を考慮して最適な市場セグメント(ターゲット顧客)を選択

細分化された企業セグメントの中で、企業の属性を考慮して最適な市場セグメント(ターゲット企業)を選択

Positioning

ポジショニング

選択された市場セグメント(ターゲット・セグメント)で、差別化・競争優位を実現する具体的なポイント

顧客(個人)のニーズに合った製品・サービスを如何に差別化し、他社への優位性を実現できるか?製品属性やQCDの差別化がポイント

顧客(企業)のニーズに合った製品(部品・半製品を含む)・サービス・機能・ビジネス・プロセス(バリューチェン、サプライ・チェーン)を如何に差別化し、他社への優位性を実現できるか?QCDが差別化の最重要ポイント。企画の段階からの参入がKSF。

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

46

自社主力製品のSPT (グループ演習)

製品 セグメント(S)

ターゲテイング(T)

競争優位実現の為の具体的なのターゲティング((差別化)対策

製品特性(QCD)

サービス 人材 販売チャネル ブラインド戦略 マーケティング戦略 価格戦略

ステップ4:事業ドメインとビジネスモデル、STP

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

PLC: Product Life Cycle(商品ライフサイクル)

PLCとは、製品が市場に登場してから退場するまでの4つのサイクル(①導入期、②成長期、③成熟期、④衰退期)を意味する。各製品に対してサイクル毎の売上と利益の変化に着目して、最適なマーケティング・販売戦略を構築するための基本的な情報となる。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

売上高

利益

導入期

導入期

成長期

成長期

成熟期

成熟期

衰退期

衰退期

顧客

金額

時間

イノベーター アーリーアダプター レイトマジョリテイ ラガード

導入期 成長期 成熟期 衰退期

製品

ライフサイクル

戦略 市場拡大 市場浸透 シェア維持 利益・資金回収・撤退

関連する価格戦略

●原価プラス利益方式を基本に適切なタイミングでの価格引き下げやサービスの付加を検討。

●導入時から低価格を訴求し、販売数量と市場占有率を短期間で上昇させ利益を確保しようとする市場浸透価格設定方式。

●原価プラス利益方式を基本として、適切なタイミングでの価格引き下げやサービスの付加を検討

●価格中心の競争が激化してくるので需要ベースの価格設定方式を検討。

●市場全体が衰退期であれば原価を確保して在庫処分し、原則として市場から撤退。

●自社のみにみられる傾向であれば価格・品質などの再検討。

●顧客の新規ニーズを発掘し、新商品開発を本格化

売上

利益

単価

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

PLC: Product Life Cycle(商品ライフサイクル)

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

導入期 成長期 成熟期 衰退期

製品ライフサイクル

市場成長率 低い 高い 飽和 低い

資金需要 多い 多い 低下 少ない

戦略 市場拡大 市場浸透 シェア維持 資金回収・撤退

競合 ほとんど無し 激化 減少・安定 さらに減少

4P戦略Positioning

製品戦略 製品開発 多角化 差別化 縮小/撤退

価格戦略 視点、製品形態、マーケテイング戦略により決定

チャネル戦略 限定 拡大 重点化 限定

プロモーション戦略 教育啓蒙 特徴強調 実利追究 効果減退

売上利益

単価

PLC: Product Life Cycle(商品ライフサイクル)

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

導入期 成長期 成熟期 衰退期

製品ライフサイクル

市場成長率

資金需要

戦略

競合

4P戦略

製品戦略

価格戦略

チャネル戦略

プロモーション戦略

売上

利益

単価

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

PLC: Product Life Cycle(商品ライフサイクル)(演習)

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

PPM(Product Portfolio Management by BCG)

●PPM :自社の製品・事業を市場成長率と相対的市場占有率の2つの評価尺度で分類し、企業全体としてバランスの取れた有益の捕獲と成長を狙う戦略的手法。 BCGが開発。

PPMの4つのセル

●4つのセル :各製品・事業は花形製品:スター(★)、金のなる木($)、問題児(?)、負け犬(X)という4つのセルに分類される。

PPM戦略の方向付け

●金のなる木で生み出した余剰資金を、魅力の高い問題児や花形製品に集中投入しつつ、魅力のない問題児や負け犬から撤退するという、集中と選択が戦略のポイントとなる。

相対的市場占有率高

市場成長率

高 ★花形製品

資金流出大/流入大

$金のなる木

資金流出小/流入大

?問題児

資金流出大/流入小

X負け犬

資金流出小/流入小

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

PPM: Product Portfolio Management(製品ポートフォリオ管理)

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

PPMの理論的根拠

●2つの根拠 :BCGのPPMモデルは製品ライフ・サイクルと経験曲線効果の2つの理論が根拠。

PPMの座標軸

市場成長率(縦軸)

相対的市場占有率(横軸)

関連する理論

製品ライフ・サイクル理論

経験曲線効果

製品ライフ・サイクル 経験曲線効果

導入期 成長期 成熟期 衰退期

製品ライフサイクル

市場占有率

低い 拡大 最大 減少

資金需要

多い 多い 少ない 少ない

売上

利益0

製品単位当たり平均コスト

累積生産量

累積生産量を2倍にすると、単位当たりのコストは20%-30%低減する。 その為、累積生産量を高める為には、市場シェアを高めればよい。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

PPM: Product Portfolio Management(製品ポートフォリオ管理)

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

相対的市場市エア

高い 低い

市場成長率

高い

低い

花形 問題児

金のなる木 負け犬

成長段階

成熟段階 衰退段階

事業開始時

(拡大・深堀戦略) (選択と集中戦略)

(現状維持段階)(縮小・撤退/戦略)(資金回収戦略)

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

PPMと基本戦略

PPM: Product Portfolio Management(製品ポートフォリオ管理)

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

相対的市場市エア

相対的市場市エア 相対的市場市エア

市場成長率

高い

低い

花形

金のなる木

負け犬

金のなる木

金のなる木

花形

①投資④投資

②成長

⑤成長

③成長 ⑥成長

縮小

撤退

問題児

問題児

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

PPM: Product Portfolio Management(製品ポートフォリオ管理)

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

PPMと投資・成長戦略

相対的市場市エア

相対的市場市エア 相対的市場市エア

市場成長率

高い

低い

Refrigerator

DVD Player IC Tip

Mobile

PhoneAir

Condition

花形

金のなる木 負け犬

問題児

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

PPM: Product Portfolio Management(製品ポートフォリオ管理)

PPM分析によるSBU戦略事例(パナソニック)

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

56

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

自社のデータによるPPM分析(純利益、売上)

ステップ5:PLC(Product Life Sycle)とPPM (Product Portfolio Management)

PPM: Product Portfolio Management(内部データによる製品ポートフォリオ管理)

High High

利益率

売上成長率

Sales Revenue

Growth rate

Net Profit rate (Net Profit / Sales revenue)

アンゾフの成長・多角化戦略マトリックス

4つの多角化戦略

既存の製品 新規製品

既存市場 市場浸透戦略 新製品開発戦略

新規市場(より広い顧客層を含む) 新市場開拓戦略 多角化戦略

市場

製品

水平型多角化戦略 現在より広い顧客層に対して、新しい製品を提供

垂直型多角化戦略 川上から川下にかけて複数のビジネス分野に進出

集中型多角化戦略 既存と新規の製品を関連付けて新規市場に進出

集成型多角化戦略 既存の製品市場と関連性のない新規市場に進出

●シナジー:シナジーとは、2+2=4ではなく、2+2>4となる様に、総和以上 を得ようとする事。 販売シナジー、生産シナジー、投資ジナジー、マネジメント・ シナジー等がある。

57

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

58

◆市場浸透戦略:既存の市場において、既存の商品群の売上拡大をはかる事により成長を実現する戦略。既存顧客の満足度の向上による売上拡大や、競合他社の顧客を自社に取込む等の対応。

◆新製品開発戦略:既存の市場に新製品を導入して売上拡大をはかる事により成長を実現する戦略。R&D による新技術を導入した新製品の開発したり、既存製品に新たな機能やデザインを付加し、より付加価値を高めて既存顧客の購買意欲を増加する等の対応。

◆新市場開拓戦略:既存製品群を新市場に投入し、売上拡大をはかる事により成長を実現する戦略。新たな市場セグメントに進出する等の対応。

◆多角化戦略:新規の製品を開発し新規の市場(より広い顧客層を含む)で売上拡大をはかる事により成長を実現する戦略。「関連多角化」と「非関連多角化」の2種類がある。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

アンゾフの成長・多角化戦略の詳細

59

新製品(新商品、新サービス)

新顧

客・新市場

技術関連あり(シナジ効果有り)

技術関連無し(シナジ効果無し)

より広い顧客層 水平型多角化戦略

自社が顧客 垂直型多角化戦略

類似領域 集中型多角化戦略

新領域集成多角化戦略

多角化戦略のフレームワーク

“関連多角化”である“水平型、垂直型、集中型の多角化”は製品・技術・市場分野のシナジー効果が期待できるが、非関連“多角化”である“集成型多角化”は期待できない。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

60

同じ分野での事業を広げる多角化です。例えば、乗用車を生産していた企業がトラックを生産する場合。オートバイを生産していたホンダが乗用車市場に進出した事例も、水平型多角化に準じている。水平型多角化は関連製品ライン多角化とも言われる。水平多角化は、他の多角化に比べてリスクが低い。

2輪市場 乗用車市場

スタート時の事業 水平型多角化事業

水平型多角化戦略

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

61

部品の製造(上流)や販売(下流)に手を広げる多角化。例えば、織物会社が婦人服などの最終製品にまで仕上げて販売する場合。垂直型多角化は関連機能多角化とも言われる。現在の商品・サービス市場を拡大していくので、安定的な需要を確保することが出来る。

縫製 製造・販売

織物事業 垂直型多角化事業

垂直型多角化戦略

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

62

Value Chain(バリューチェーン):垂直型多角化のデザイン・ツール

M. Porterポーターは、差別化による競争優位を実現する為の手段として、バリューチェーンのコンセプトを提示した。バリューチェーンは垂直型多角化をデザインする際の有効なツールでもある。

バリューチェーンとは、「製品・サービスを市場へ提供する全プロセス」の繋がりである。「商品・サービスの企画→設計→調達→生産→流通→販売→アフターサービスそれぞれのプロセス」をバリュ(価値)生む機能のチェーン(鎖)(ビジネス・プロセス)として捉える。

KSF毎に各プロセスの競合分析を行い、その結果を基に、経営資源をメインとして自社の強みと弱みを分析する。

その結果、自社で保有する(Inbound)垂直型多角化の対象プロセスや、その反対の対応としての外部資源(Outbound:M&A、アウト・ソーシング、戦略的連携等)活用の対象プロセスを明らかにする。

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

このまま使用

63

集中型多角化戦略

ビールメーカーがバイオ事業に進出するなど,ある特定のコア・コンピタンスに関連する新分野に進出する多角化です

ビールメーカーのアサヒがサプリメント事業に進出するケースや、iPodで成功を収めたApple社が音楽配信事業に進出するなど、ある特定のコア・コンピタンスに関連する新分野に進出する多角化戦略。

ビール事業 サプリメント事業

既存事業 集中多角化事業

集中型多角化戦略

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

64

集中型多角化戦略

ビールメーカーがバイオ事業に進出するなど,ある特定のコア・コンピタンスに関連する新分野に進出する多角化です

コンビニのセブン・イレブンーが銀行事業や郵便事業に進出するなど、従来の事業とは直接には関係のない分野に進出するなど,従来の事業とは直接には関係のない分野に進出する多角化。

コンビニエンスストア 銀行事業

既存事業 集成型多角化事業

集成型多角化戦略

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

集中多角化戦略:日本におけるシニア世代向け住居ビジネスの創出

ホテル・ビジネス 医療ビジネス シニア世代向け住居ビジネス(現在のビジネス) (現在のビジネス) (多角化ビジネス)

(自社の現有経営資源と経営のノウハウのシナジー(相乗)効果を活用して社会的課題に対して新ビジネスを展開)

強み:ホテル・ビジネスを通して培ったノウハウ、おもてなし、接客や顧客管理のホウハウ等の経営資源.

強み:医療ビジネスを通じて培った最新の医療技術、成人病・生活習慣病対策や最新の医療設備等の経営資源

シナジー効果の実現により、多角化ビジネスを創出:ホテル・ビジネスと医療ビジネスを通して培った経営資源(両者の経営資源のシナジー効果)を活用し、今後急激に増加するシニア世代向けの高品質・快適・安全な賃貸形式の住居ビジネスを展開。.

65

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略

66

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

アンゾフの成長戦略と多角化戦略 (演習)

既存製品・

新規製品・

既存市場/顧客・ 市場浸透戦略

・新製品開発戦略・

新規市場/顧客(より広い顧客層を含む)・

新製品開発戦略・

多角化戦略

SBU: .

多角化戦略

水平型多角化戦略:

垂直型多角化戦略:

集中型多角化戦略:

集成型多角化戦略:

コスト・リーダーシップ戦略

差別化戦略

コスト集中戦略

差別化集中戦略

広いセグメント

狭いセグメント

低コスト重視差別化重視戦略適用範囲

67

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略

ポーターは、企業は競争環境要因を分析し、自社の長所・弱点を把握して戦略の方向性を決め、競争優位を維持する必要を主張し、競争優位戦略としてまとめた。競争優位は低コストと差別化がベースとなるが、具体的には、コスト・リーダーシップ戦略、差別化戦略、集中戦略(コスト集中、差別化集中)がある。・・・外部環境重視の戦略!!

競争優位の戦略

コスト・リーダーシップ戦略

差別化戦略

集中戦略

コスト集中戦略

差別化集中戦略

68

低コストで競争優位を実現 差別化で競争優位を実現

業界全体(広い市場を対象)

コスト・リーダーシップ戦略

◆業界全体の広い顧客をターゲットにし、競合他社よりも低コストを実現して競争優位を実現する戦略

(業界No1.企業の戦略)

差別化戦略

◆業界全体の広い顧客をターゲットにし、競合他社(特に業界No.1企業)に対して、低コス以外の差別化を実現して競争優位を実現する戦略

(業界No.2-No4企業の戦略)

特定分野(狭い市場を対象

コスト集中戦略

◆特定市場でコスト優位を実現し競争優位を実現する戦略

差別化集中戦略

◆特定市場化で差別化優位を実現し競争優位を実現する戦略

集中戦略◆特性市場にターゲットを絞って経営資源を集中し、競争優位を実現する(市場で生き残る)戦略

(特定分野に強いニッチ企業)

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略

競争優位実現の方法

69

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略

「コスト・リーダーシップ」を実現する手段:STP・効率の良い生産設備の導入・コスト・経費に関する意識改革と管理の徹底・原材料入手方法の再検討・製造し易い(製造コスト低減、製造ミスの予防等)製品の開発・設計

「差別化」を実現する手段:STP・ブンランド・イメージ・高い技術・品質・製品特長・顧客サービス

「集中」を実現する手段:STP・顧客、製品・サービスの種類、対象とする市場セグメント等を限定し、選択された市場・顧

客セグメントを対象に経営資源(人、物、金、設備、IT等)を集中

競争優位実現の手段:STP

3つの基本戦略

競争優位戦略

対象市場範囲

低コスト 差別化

コスト・リーダーシップ

差別化

コスト集中(低コスト)

差別化集中(差別化)

70

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略

コスト・リーダーシップ戦略を実行するための組織1.組織構造

・少ない階層の報告構造・単純な報告関係・少数の本社スタッフ・特定機能分野への事業集中

2.経営管理システム・厳格なコスト管理システムの存在・チャレンジングなコスト数値目標・材料・原材料・人件費などコスト項目に対する詳細なモニタリングの仕組み・コストリーダーシップの価値観が社員に浸透していること

3.報酬システム

・コスト削減に対する報償金制度

・社員へのコスト削減に対するインセンティブ制度

コスト・リーダーシップ戦略を支える要素

71

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略

差別化戦略を実行するための組織1.組織構造

・部門横断的/機能横断的な製品開発チーム

・新たな機会を活用する組織構造を開発する努力

・創造的活動への資金確保

2.経営管理システム・幅広い意思決定が可能なガイドライン・ガイドラインの経営的な柔軟性・実験を奨励する方針・企業文化

3.報酬システム

・リスクを取ることを奨励。失敗を罰しない

・創造的な才能への報酬制度

・多様な視点でのパフォーマンス測定

差別化戦略を支える要素

72

コストリーダーシップ戦略は、業界全体を対象にして、低コストを最大の武器として業界の主導権を握る戦略。

差別化戦略は、業界全体を対象にして、他の企業が持たない特徴を生かし、業界内で特異な地位を占める、という戦略。

集中戦略は、特定の地域や特定の消費者など、特定のセグメントに資源を集中した上で、コスト優位か差別化優位を実現する戦略。

マクドナルドとモスバーガーは、マクドナルドが①コストリーダーシップ戦略、モスバーガーが②差別化戦略の代表例。両社は業界内のライバルでありながら、別々の戦略を実行し、互いに高い収益性を実現。

コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略事例 (日本の事例)

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略

73

■戦略:コスト・リーダーシップ■従業員: 2,775名. ■売上高,:5,298億円 (52.98 Billion US$)■ハンバーガーの周類:14種類■特徴:基本的に直営店が多い。一部フランチャイズ。ハンバーガー単品よりドリンクが儲かるのでセット(ハンバーガーとドリンク、ポテト等)を売りたがる。競合店として見据えてるのは他ハンバーガーショップではなく、コンビニ。

原材料は工場生産、店舗では組み立てるだけの調理法。

■戦略:差別化■従業員:1,166名. ■売上高,:327億円(3.27 Billion US$)■ハンバーガーの周類:36種類■特徴:全店がフランチャイズ。味と価格のバランスを考慮し単品価格400円前後と、バクドナルドと比較して高価格であるが、品質で差別化を実現。ハンバーガーチェーンではめずらしく「国産牛肉」を売りにしている。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略事例

ポーターの競争優位戦略

74

■マクドナルドはハンバーガーの種類が14種類と少ない。種類が少ないということは、コストを抑える要因になる。材料の種類も少なくて済み、ハンバーガーを作る作業も標準化できる。その為、コストを抑える事が可能となり、ハンバーガーを安く提供できる。

■一方のモスバーガーは36種類が多く、国内無農野を使用しているので、コスト的には高くならざるを得ないが、その代わり、豊富なメニューを取り揃えて、消費者の多様な好みに応えている。

■しかし、“コストリーダーシップ戦略では品質を無視しても良い。差別化戦略ではコストを無視しても良い”という意味ではない。

■コストリーダーシップ戦略は、単なる低価格戦略ではない。低コスト実現の裏付け(ビジネス・プロセス)の無い、単なる低価格戦略では、一時的で効果に留まり、長期的は赤字体質になる。

■更に、必ずしも業界の中で最低の価格を設定しているという意味でもない。同じ品質とサービスの水準の製品を市場に提供する場合、業界内の他の会社よりもコスト的に優位なポジションを確保するという意味である。

マクドナルドとモスバーガーの事業戦略の違い

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略

75

マクドナルド:コスト・リーダーシップ戦略特に駅前や繁華街などの来客数の多い店では、色

合いや座席の感じも含め、お客さんの回転率を上げたいという狙いが見えるような店作り。

モスバーガー:差別化戦略

自然な色合いを使ったり、入り口に大きな観葉植物を置いたりして、居心地のいい店作りが特徴。長時間いても寛げるような店づくり。

マクドナルドとモスバーガーの事業戦略の違い

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略

事業戦略が異なると、店舗の特徴まで異なる

コスト・リーダーシップ戦略

差別化戦略

コスト集中戦略

差別化集中戦略

広いセグメント

狭いセグメント

低コスト重視差別化重視戦略適用範囲

76

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

ポーターの競争優位戦略 (演習)

外部環境分析結果:5F分析結果 内部環境分析結果:バリューチェーン分析結果

・・・・・

・・・・・

SBU: . 製品: .

77

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

コトラーが提案した競争戦略の理論で、経営資源(量的・質的)の観点から企業を4つに類型化し、競争地位に応じた戦略を提示。・・・内部環境重視の戦略!!

リーダー戦略最大のマーケットシェアを持ち、業界を牽引する主導的立場にある企業の戦略。

チャレンジャー戦略業界で2、3番手に位置づく大企業で、リーダーに挑戦しトップを狙う企業の戦略。

フォロワー戦略業界トップになることを狙わずに競合他社の戦略を模倣する企業の戦略。

ニッチャー戦略市場全体でのシェアは高くないが、すきま市場(ニッチ市場)で独自の地位を獲得しミニ・リーダーを目指す企業の戦略。

高い 低い

質的経営資源 質的経営資源

量的経営資源多

量的経営資源少

リーダー戦略

チャレンジャー戦略

ニッチヤー戦略

フォロワー戦略

戦略ポジショニング

経営資源 (量的)

多い 少い

経営資源(質的)

高い

・リーダー:トヨタ・最適シェア維持戦略・売上高:186 billion US$

・ニッチャー:スズキ・集中戦略:小型車、インド市場・売上高::25 billion US$

低い

・チャレンジャー:日産、ホンダ・差別化戦略:ハイテク、斬新なデザイン・売上高:日産:94 billion US$

ホンダ:79 billion US$

・フォロワー:三菱、マツダ・リーダーやチャレンジャーの真似戦略・売上:三菱: 18 billion US$

マツダ:15 billion US$

78

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

リーダー戦略

40%市場占有率

ニッチヤー戦略

10%市場占有率

チャレンジャー戦略

30%市場占有率

フォロワー戦略

20%市場専有率

相対的量的経営資源

相対的質的経営資源

競争地位 戦略課題 基本戦略方針 戦略ドメイン 戦略定石

リーダー シェア、利潤

名声

全方位型

オーソドックス

経営理念

顧客機能中心

周辺需要拡大、同質化

非価格化、最適市場シェア

チャレンジャー シェア 対リーダー差別化

非オーソドックス

顧客機能と独自の能力の絞り込み

リーダーができないこと

フォロワー 利潤 模倣 通俗的理念 リーダー・チャレンジャー政策の観察と迅速な模倣

ニッチャー 利潤、名声 製品・市場の特定化・集中化 顧客対応

独自能力

対象市場の絞込み

特定市場内でのミニ・リーダー戦略

高い

79

競争地位と戦略

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

多い

リーダー企業の定石戦略

質的にも量的にも競合他社に比べて経営資源が豊富なリーダー企業の基本的戦略は「全方位戦略」。業界No.1企業がとる戦略。

具体的内容

①周辺需要拡大戦略 市場そのもののパイを大きくする戦略である。

リーダーは質量ともに優れた経営資源を持つので、周辺需要が拡大すると、それに対応した市場シェアーが獲得でき、売上増加とシェアの維持を見込める。

②同質化戦略 競合企業の取ってきた差別化戦略を模倣、追従して、競合企業の差別化戦略を無にしてしまう。

③非価格対応戦略 競合他社の安売り競争に安易に応じない。

安売りによる利益の減少額が最も大きいのは、最大の市場を持つリーダーである。

④最適シェア維持戦略 シェアを取りすぎるとトータル・コストが上昇したり、営業効率の低下を生じる。したがって、企業全体の利益が向上しないことがある。

そのため、当該市場のシェア独占を狙わない。

⑤全方位戦略 小型車から高級車、若者から熟年層までフルラインナップを揃える。 80

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

チャレンジャー企業の定石戦略

リーダー企業からの同質化を防止する“対リーダー差別化戦略”が基本。業界No.2-No.3の企業がとる戦略。

具体的内容

①対リーダー差別化戦略 リーダー企業と比較して、製品、価格、流通、プロモーション等に関して大きく差別化して市場にアピールする

②対リーダー市場セグメンテーション戦略

リーダー企業が重視していない分野に注力してシェアを拡大する

③シェア拡大戦略 自社より弱い下位企業を狙い撃ちしてそのシェアを奪うことでシェアを拡大する

④プロモーション差別化 シェアを取りすぎるとトータル・コストが上昇したり、営業効率の低下を生じる。したがって、企業全体の利益が向上しないことがある。

そのため、当該市場のシェア独占を狙わない。

81

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

ニッチャー企業の定石戦略

規模の小さい特殊な製品の”市場(ニッチ市場)で独占的あるいは寡占的な地位を確保”する戦略。限られた市場セグメントでミニー・リーダー企業をねらう企業が取る戦略。

具体的内容

①ミニ・リーダー戦略 独自の技術やブランド、流通チャネルといった専門性、独自性を徹底的に磨き上げ、隣接領域や上位カテゴリーの大手企業が参入してこないよう高い参入障壁を築く

②高収益戦略 市場規模が小さいため大きな売上(や拡大)は見込めないが、大手企業(リーダー企業やチャレンジャー企業)の本格的参入を防止して、安定的な高収益を実現

82

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

フォロワーの定石戦略

自社の市場シェアが低く、トップ争いに参加するほどの存在感もない業界4番手以降の企業がとる戦略。W市場における生き残りと利益の確保”を目指す戦略。

具体的内容

①模倣戦略 他社の模倣により製品の開発コストを抑える

②コストダウン戦略 機能を最低限に抑えるなど徹底したコストダウンにより利益を確保する

③低価格戦略 低コストによる低価格を武器に、価格競争で一定のシェアを確保する

83

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

84

リーダーは、業界内のマーケットシェアトップの企業で、業界を牽引する主導的立場にある。潤沢な資本、優れた製品開発力、強力な流通体系によって業界の他社を凌駕する。

リーダーの取るべき戦略は、市場全体の規模を拡大させることにある。市場シェアが最も高いリーダーは、市場規模拡大の恩恵を最も大きく受けるため、市場が拡大すればするほど高い利益を得ることができる。その為、、トップシェアを維持することと、市場全体をカバーするフルライン戦略によって周辺需要を拡大させることが戦略目標となる。

同質化対応、非価格対応などの施策も行われる。質化対応とは、他社が優れた技術や製品を開発し展開した場合に、すぐさま同様の技術や製品を展開することで、業界シェアや利益を奪われないようにする戦略である。販売力、ブランド力、技術生産力の優位性により、下位企業に負ける事は滅多にない。

非価格対応とは、業界全体の利益が低下しないように、価格競争をしないことである。価格競争が起こると業界全体の収益が縮小してしまい、最も利益が縮小するのはリーダーとなる。そのため、他社からの値下げやチャネルの圧力に対抗する為にも、ブランディング、付加価値作り、新製品投入など価格以外の競争点を作る必要がある。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

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ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

リーダー(Leader):トヨタ

創価大学ーグローバル企業論85

ミート戦略の活用:豊富な経営資源(ヒト・モノ・カネ・ノウハウ)を持ったトヨタ自動車は広告・宣伝、研究開発、販売

チャネル、顧客サービスなど経営のあらゆる局面で他社よりも優位に展開

全方位(フル・ライン)戦略:トヨタは、低価格の小型車からSUV、高級セダンまですべての顧客のニーズに合わせた、全セグメントの

自動車を製造・販売。これは豊富な経営資源を持つリーダー企業としての、トヨタでしかできない戦略。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

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ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

リーダー(Leader):トヨタ

86

チャレンジャーは、業界上位のシェアを持ちながらもトップシェアでは無い企業。

チャレンジャーの戦略は、何よりも業界内におけるシェア拡大、トップシェアの獲得を目指す。

シェアを拡大する方法として、リーダーがまだ強化していないエリアや製品分野に注力してリーダーのシェアを奪う戦略と、自社よりもシェアの小さい企業を攻撃して業界内のシェアを拡大する方法がある。

リーダーとの競争では、量的な真っ向勝負ではなかなか勝てない為、製品や流通体系などをリーダーと差別化させることによってマーケットにアピールすることが重要である。

チャレンジャー(Challenger):日産、ホンダ

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

87

日産(チャレンシャー企業:対リーダー差別化戦略を取る)は、商品、技術、市場の3つの側面で他社との提携に好機があると判断したら、連合を拡大してシナジー効果を発揮する戦略を取っている(シナジー戦略)。

1社を中心に複数のブランドを有するトヨタ・グループ (リーダー企業)とは一線を画する(リーダーとの差別化)。

三菱との事業連携

< 期待されるシナジー効果 >

◆海外にあるルノー工場で三菱の車を製造・販売◆三菱の東南アジアでの販売網を活用して日産の車を販売◆両企業が分担してEV(電気自動車)開発◆国内の製造拠点を相互活用

チャレンジャー(日産)の戦略事例:シナジー戦略

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ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

88

◆ニッチャーは、業界全体のシェアは小さいものの、独自の技術、ブランド、仕組み等を獲得することによって、特定市場におけるシェアを獲得している企業。

◆特殊な技術や製品、価格帯、販売チャネルを活用することで、大企業との競争を回避し、特定市場のニーズに適した製品を提供する。

◆ニッチャーの戦略は、リーダーやチャレンジャーが参入してこない、すきま(ニッチ)セグメントを発見または創造し、そこに経営資源を集中することで、専門性や独自性を高めて参入障壁(競争相手が簡単に市場に参入出来なくする)を形成し、特定市場の独占的地位を維持していくことである。

ニッチャー(Nicher):ススキ

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ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

創価大学ーグローバル企業論89

BtoCのニッチャー(スズキ)の戦略事例:ミニ・リーダー戦略

スズキはインド市場の将来性を理解し1981年に合弁会社を設立し、日本国内でも大ヒットしていた軽自動車スズキアルトをベースとして排気量800ccのエンジンを搭載したマルチ800を画期的な低価格で発売した。

この車はインドで爆発的人気を得て、インドの自動車市場を独占している。人口が13憶人を超え、更に購買層が増加しているインドの自動車マーケットにおいてスズキは別格の存在であり、トヨタですら足元にも及ばない。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

創価大学ーグローバル企業論90

BtoBのニッチャー(キーエンス)の戦略事例:ミニリーダー戦略

キーエンスはセンサや測定器などの制御機器を扱うBtoBメーカーのミニリーダー企業。汎用機器を扱うBtoBメーカーは薄利多売が基本戦略であるが、キーエンスは営業利益率が40%~50%という超高収益企業。生涯給与ランキングは大企業を含めてNo.1。

制御機器分野のミニリーダーであるキーエンスの戦略は:・顧客ニーズの調査と新製品の売り込みに絞ったコンサル営業・コンサルティング営業で蓄積した顧客ニーズに沿った新商品開発(世界初、業界初の新製品を次

々を生み出し、競合他社と差別化を図る)・キーエンスは生涯給与ランキングは大企業を含めてNo.1。

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

このまま使用

91

ポーターの競争優位戦略とコトラーの競争地位別戦略の比較

ポーターの競争優位戦略

コスト・リーダーシップ戦略

差別化戦略 該当なし 集中戦略

ターゲット顧客 ◆市場全体◆フルカバレッジ

◆ある程度限定された市場◆セミーフルカバレッジ

◆特定市場 ◆ニッチ市場◆成長し過ぎない市場

経営戦略の基本方針

◆市場拡大◆同質化

◆模倣されにくい差別化 ◆リーダー企業やチェレンジャー企業のまね

◆独自のビジネス空間(他社にない強み)を確立

マーケテイング戦略の基本方針

◆フルラインナップ

◆多くの顧客が納得する価格

◆ある程度限定された顧客のニーズに対応◆低価格か高価格

◆2流企業としてのブランデイング◆比較的低価格

◆特定顧客のニーズに完全に対応◆時には高価格

コトラーの競争地位別戦略

リーダー戦略 チャレンジャー戦略 フォロワー戦略 ニッチャー戦略

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ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

コトラーの競争地位別戦略(演習)

経営資源(量的)

豊富 少ない

経営資源(質的)

高い

リーダー(周辺需要拡大、同質化、非価格対応、最適シェア維持戦略)

ニッチャー

(集中戦略)

低い

チャレンジャー(差別化戦略)

フォロワー(リーダーやチャレンジャーの真似戦略)

自社が選択した市場で優位な競争地位を実現する為の4P

・製品 (Product):・価格 (Price):・店舗、流通 (Place):・販売促進、宣伝広告 (Promotion):

92

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

コトラーの競争地位別戦略

ブルー・オーシャン戦略(新市場での低価格戦略 &差別化戦略)

現在の製品 新しい製品

現在の市場

(競争市場:レッド・オーシャン)

市場浸透戦略 新製品開発戦略

新しい市場

(非競争市場:ブルー・オーシャン) 低価格戦略 &差別化戦略

市場 製品

C. キムとR. モボルニューが提唱した戦略。イノベーションにより製品の「差別化」と「低価格化」の両方を同時に実現し、既存市場(レッド・オーシャン)ではなく、競合他社と比較して高付加価値の製品を新しい市場(ブル・オーシャン)に投入。その結果、競争の無い市場でビジネス展開を実現。これを、バリュー・ イノベーション(Value innovation) といい、ブルー・オーシャン戦略の特徴。

93

技術イノベーションにより、低価格化と差別化の両方を同時に実現

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク 競争しない戦略:ブルーオーシャン戦略

94

自社にとって魅力的な新市場の見つける方法

自社にとって魅力的な新市場を見つける6つの方法

1)代替産業に学ぶ(自動車で移動する価格で航空券を提供し、顧客層を拡大)

2)業界内の他の優良戦略を学ぶ(フィッドネス・クラブと家庭用運動プログラムを融合した新市場を開拓)

3)顧客となる買手層を拡大する(医師ではなく、糖尿病患者自身が自分でインスリンを注射する製品の開発)

4)補完材や補完サービスを見直す(フィルター付きヤカンの開発

5)機能と感性を見直す(どちらかに重点を置く、両方のシナジーを生かす:機能重視であった腕時計にデザイン性も重視し、富裕層の顧客を拡大)

6)未来志向(将来のニーズを先取り:ウェアラブル端末による生体データのリアルタイム収集

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク 競争しない戦略:ブルーオーシャン戦略

競争力(付加価値)

強い

弱い

評価基準 品質 価格 新規性 デザイン サービス

従来商品新規ビジネス

価値曲線:Value curve

ブルー・オーシャン戦略に活用される戦略キャンバス

低価格、かつ差別化された製品をデザイン後、戦略キャンバスにより新ビジネスの妥当性を確認する。

95

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク 競争しない戦略:ブルーオーシャン戦略

96

ウェアラブル端末による生体データのリアルタイム収集

ウェアラブル端末内蔵メガネ

ブルーオーシャン事例(日本企業)

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク 競争しない戦略:ブルーオーシャン戦略

97

ウェアラブル端末によるウェアラブルコンピューター

Speaker

Touch pad

Camera

Liquid crystal display

Eye Glasses

Google’s

Cyber eye glasses

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク 競争しない戦略:ブルーオーシャン戦略

98

2-4-2.戦略立案ツールによる管理職向け事業戦略の策定ステップ

2-4.戦略立案ツールを活用した管理職向け事業戦略の策定

ステップ6:代表的な事業戦略のフレームワーク

事業戦略の包括的フレームワーク

事業戦略策定の為の事前情報

事業ドメイン:顧客 製品 独自技術

・ ・ ・

PLC: Product Life Sycle①導入期、 ②成長期、 ③成熟期、 ④衰退期

PPM: Product Portfolio Management①問題児、 ②花形、 ③のなる木、 ④負け犬

代表的な事業戦略

競争戦略 (レッド・オーシャン戦略) 競争しない戦略成長・多角化戦略 競争優位戦略 競争地位別戦略 ブルーオーシャン戦略

◆市場浸透戦略 ●コスト・リーダーシップ戦略 ●リーダー戦略 ●差別化戦略・ ・ ・ ・◆新製品開発戦略 ●差別化戦略 ●チャレンジャ戦略 ●低価格化戦略・ ・ ・ ・◆新市場開拓戦略 ●コスト集中戦略 ●ニッチャー戦略 ●差別化&低価格化ミックス戦略・ ・ ・ ・◆多角化戦略 ●差別化集中戦略 ●フォロワ―戦略●水平型多角化戦略 ・ ・・●ー垂直型多角化戦略・●集中型多角化戦略・●集成型多角化戦略・

製品特性(QCD) ・ ・ ・ ・サービス ・ ・ ・ ・人材 ・ ・ ・ ・販売チャネル ・ ・ ・ ・ブランド戦略 ・ ・ ・ ・マーケテイング戦略 ・ ・ ・ ・価格戦略 ・ ・ ・ ・

競争優位実現の為の具体的なのターゲティング((差別化)対策

エクセルファイルあり

管理職向け経営戦略

第3章.経営・事業戦略実現の為のサポート戦略(5日目)3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略3-1-1.組織におけるKPI(Key Performance Indicator)の展開3-1-2.戦略マップとKPI展開事例3-1-3.戦略、SKGI、KPIへの展開3-1-4.KPIにはSMARTが必要3-1-5.代表的なKPI3-1-6.KPIの垂直展開(全社KPI→部門KPI)3-1-7.KPIの水平・垂直展開プロセス3-1-8.KPIの水平展開

3-2.組織構造戦略3-2-1.経営・事業戦略と組織構造3-2-2.組織開発の視点からの組織構造の設計・再設計3-2-3.組織DNA情報の視点からの組織再設計3-2-4.組織DNAと、組織再設計の10の原理の視点からの組織図の再設計3-2-5.再設計された組織構造の整合性チェック

垂直展開

水平展開

KPI setting

経営層

上級管理職中間管理職

担当者(現場)

部門KPI

全社KPI

現場KPI

Plan

Do

Check

Action

KPI

定義KPI目標設定

KPIモニタリング

KPI差異分析

改善標準化

KP達成度フィードバック

KPIは、企業経営時に使用される種類の業績評価指標の中でも、「キー(主要)」となる指標。経営・事業目標の達成に向かって戦略やプロセスが適切に実行されているかどうかを評価する為、階層別展開(垂直展開:全社・事業KPI→部門別・機能別KPI→現場・個人KPI)と、水平的展開(部門横断的展開:R&D部門KPI→マーケテイング・販売戦略部門KPI→設計部門KPI→購買部門KPI)→品質管理部門KPI→流通部門)の2種類のKPI展開が必要。

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-1.組織におけるKPI(Key Performance Indicator)の展開

主要業績評価基準(KPI)は、戦略の達成度の評価基準としても使用される。戦略マップ上の各戦略にKPIを記入する事により、戦略とKPIが可視化される。

ROA/ROIの向上

売上の増加 コストダウン 資産効率の向上

・売上増加率 ・コストダウン率

・総資産回転率

顧客満足の向上

品質向上 欠品の防止

・ROA/ROI増加率

品質管理の徹底

PMの実施

在庫削減 生産性向上生産能力の有効活用

組織開発・人材育成 モチベーションの向上 効果的な人事システム

・改善件数・多能工比率

・提案件数・授業員満足度

・間接人員比率

原価低減

在庫管理の効率化

生産技術の革新 段取り改善

・クレーム件数 ・欠品率 ・原価率

・不良率 ・稼働率 ・在庫回転率 ・生産効率 段取り効率 ・稼働率・スループット

財務の視点

顧客・市場の視点

ビジネス・プロセスの視点

成長と人材の視点

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-2.戦略マップとKPI展開事例

項目 数値目標値

KPI戦略マップ KPI

(主要業績評価指標)

航空会社の事例 SKGI

(主要戦略ゴール)評価項目 数値目標

・ROA/ROI

・収益性・所有機体数

・市場価値・座席の収益・機体のリース費用

・30%アップ・20%アップ・5%アップ

・顧客数・定刻率・価格満足度

・リピート客の数・顧客数・定刻離着陸ランキング・価格満足度ランキング

・ 70%アップ・12%アップ・第1位・第1位

・迅速な折り返し率 ・地上滞在時間 ・30分以内

・戦略的業務の徹底率・支援システム開発達成率

・戦略への方向づけ達成度

・戦略的業務のレディネス・情報システムの利用可能率・戦略意識・地上係員の持ち株者数

・70%

・100%

・100%

・70%

財務

ビジネス・プロセス

ROA/ROI

収益拡大 機体削減

顧客獲得

定刻の発着 低価格

地上での迅速な折り返し

戦略的業務の徹底

支援システムの開発

地上係員の戦略への方向づけ

顧客市場

成長人材

米国の航空会社の事例

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-3.戦略、SKGI、KPIへの展開

① Specific: KPIは業績目標を具体的に示しているか?② Measurable: KPIは量的に表現できるか?③ Attainable: KPIは頑張れば達成可能か?④ Realistic: KPIは業務活動と直結しているか?⑤ Time-based: KPIは与えられた期間内で測定可能か?

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-4.KPIにはSMARTが必要

このまま使用

6

Typical Sample of Financial KPI.

No. Items of business goals/objectives from financial perspective

1 Total assets ($)

2 Total assets/employee ($)

3 Revenue/total assets (%)

4 Revenue from new products or business operations ($)

5 Revenue/employee ($)

6 Profit/total assets (%)

7 Profits from new products or business operations ($)

8 Profits/employee ($)

9 Market value ($)

10 Return on net assets ($)

11 Value added/employee ($)

12 Return on total assets (%)

13 Return on capital employed (%)

14 Profit margin (%)

15 Contribution /revenue, or contribution margin (%)

16 Contribution/employee ($)

17 Cash flow ($)

18 Shareholder equality/total assets or solvency (%)

19 Return on investment (%)

20 Total costs ($)

財務分野の代表的KPI

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-5.代表的なKPI

このまま使用

7

Typical Sample of Customer KPI.

No. Items of business goals/objectives from the customer perspective

1 Market share (%)

2 Number of customers (No. or other)

3 Annual sales/customer ($)

4 Customers lost (No. or %)

5 Average time spent on customer relations (No. or other)

6 Customers/employees (No. or %)

7 Sales closed/sales contacts (%)

8 Satisfied-customer index (%)

9 Customer-loyalty index (%)

10 Cost/customer ($)

11 Number of visits to customers (No. or other)

12 Number of complaints (No. or other)

13 Marketing expenses ($)

14 Brand-image index (%)

15 Average duration of customer relationship (No. or other)

16 Average customer size ($)

17 Customer rating (%)

18 Customer visits to the company (No. or other)

19 Average time from customer contact to sales response (No. or other)

20 Service expenses/customer/year ($)

顧客・市場分野の代表的KPI

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-5.代表的なKPI

このまま使用

8

Typical Sample of Internal Business Process KPI.

No. Items of business goals/objectives from business process perspective

1 Administrative expenses/total revenues (%)

2 Processing time, out payments (No. or other)

3 On-time delivery (%)

4 Average lead time (hours, minutes or seconds)

5 Lead time, product development (hours, minutes or seconds)

6 Lead time from order to delivery (hours, minutes or seconds)

7 Lead time, suppliers (hours, minutes or seconds)

8 Lead time, production (hours, minutes or seconds)

9 Average time for problem-solving or decision-making (hours, minutes or seconds)

10 Inventory turnover (year, month or day)

11 Improvement of productivity (%)

12 IT capacity (No. or other)

13 IT capacity/employees (No. or other)

14 Change in IT inventory ($ or %)

15 IT expense/administrative expense (%)

16 Emissions from production into the environment (No. or other)

17 Environmental impact of product use (No. or other)

18 Cost of administrative error/management revenues (%)

19 Claim handling (No. or other)

20 Administrative expenses/employees ($)

ビジネス・プロセス分野の代表的KPI

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-5.代表的なKPI

このまま使用

9

Typical Sample of Learning & Growth KPI. No. Items of business goals/objectives from learning & growth perspective

1 R&D expenses ($)

2 R&D expenses/total expenses (%)

3 IT development expenses/IT expenses (%)

4 Hours, R?D (%)

5 R&D resources/total resources (%)

6 Investment in training/customers No. or other)

7 Investment in research ($)

8 Investment in new product support and training ($)

9 Investment in development of new markets ($)

10 Direct communications to customer/year (No. or other)

11 Patents pending (No. or other)

12 Average age of company patents (No. or other)

13 Suggested improvements/employee (No.)

14 Competence/competency development expenses/employee ($)

15 Satisfied-employee index (No. or other)

16 Marketing expenses/customer ($)

17 Employee’s view (empowerment index) (No. or other)

18 Share of employees below age X (%)

19 Non-product-related expenses/customer/year ($)

20 Ratio of new products (less than X years old) to full company catalogue (%)

学習・成長分野の代表的KPI

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-5.代表的なKPI

このまま使用

10

Typical Sample of Human Resource KPI. No. Items of business goals/objectives from human resource perspective

1 Leadership index (No. or other)

2 Motivation index (No. or other)

3 Morale index (No. or other)

4 Number of employees (No. or other)

5 Employee turnover (%)

6 Average employee years of service with company (Year)

7 Average age of employees (age)

8 Time in training (days/year)

9 Temporary employees/permanent employees (%)

10 Average absenteeism (days)

11 Number of woman managers (No. or other)

12 Empowerment index (No. or other), number of managers (No. or %)

13 Share of employees less than 40 years old (%)

14 Job rotation (year)

15 Per capital annual cost of training ($)

16 Percentage of full-time permanent employees (%)

17 Per capital annual cost of training, communication, and support programs (No. or other)

18 Number of full-time temporary employees (No. or other)

19 Number of part-time employees or non-full-time contractors (No. or other)

20 Carrier development index (No. or other)

人材分野の代表的KPI

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-5.代表的なKPI

このまま使用

担当部署毎に全てのKPIを集約すると、上位レベルのKPIである全社レベルKPIとリンクした、下位レベルの部門毎のKPIと行動計画が決定される。

LONG XXX CORPORATION (LHC)

Objectives: Strategic Key Goal Indicator

(SKGI)

Critical Success Factor

(CSF)

Key Performance Indicator

(KPI)

KPI Target

(Quantitative target)Action plan Responsibility/ dept

1. Financial: + Achieve profitability growth + Increasing profit + Total profit before tax 190 B. VND F & A dept

+ Increase customers + Increase revenue + Total revenue 500 B. VND S & M dept.

+ Expand area+ Find new land & approval + Land area at least 150 ha

+ Assure investment capital + Total investment capital (350.000USD * Land area)

+ Effective infrastructure cost + Minimum construction cost + Unit construction cost less than 25 USD/m2 Technical dept.

2. Customer + Increase customer satisfactions of

services

+ Increase supporting services + Number of additional services 3 up S & M dept.

+ Convenient location + Nearby sea port + Distance to sea port less than 50 km

+ Convenience trafic system + Connect to national road connected

+ Reasonnable construction + Assure quality of construction + Exactly construct to design 0% different

+ Assure schedule + Time of Delay less than 1 month

3. Internal Bussiness Process + Decrease time of legal procedures

completion

+ Apply for business registration + Time to complete BR within 15 days S & M dept.

+ Apply for investment certificate + Time to complete IC within 20 days

+ Environment license + Time to complete EL within 15 days

+ Finding suitable land and

completing approval

+ Completing investment procedures + Time to complete IP till quarter 2 Project development dept

+ Supervision of construction + Assure budget of execution + rate of arising budget less than 5% Technical dept.

4. HR & Innovation + Bonus policy + Ensure employee motivation + Employee handbook (EHB)

+ Implementation ESOP

till quarter 1 HR dept

+ Ensure human resource for project

dept+ Manpower recruitment for project

inside and outside as requested

+ Manpower recruitment

planning and execusion100% quality & quantity

HR dept

+ Enrich training program + Organization technical training

course

+ Biding technical training

+ Advance construction training

100% matching with training

needsTechnical dept.

Control construction cost and

increase revenue

Focus on quality of services

and infrastructure

Assure available & efficient

human resouces

Project development dept

Discover new location to give

more choice for customers

and provide more supporting

services

Technical dept.

Project development dept

F & A Dept

Achieving the profit of 190 billion VND and developing

land of 150 ha in 2008

Increasecustomers

Expand areaEffective

infrastructure cost

Increasecustomer

satisfactions of services

Convenient location

Reasonnable construction

Decreasetime of legal procedures

Finding suitable land and completing the

approval

Enrich training program

Suitably select

designer and constractors

Bonus policyEnsure human resource for project dept

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-6.KPIの垂直展開(全社KPI→部門KPI)

このまま使用

SWOT-bast Strategy

Strategic Key

Goal Indicator

(SKGI)

Key Item

(KPI)

KPI Target

(Quantitative target)

Department in

chargeAction Risk Factor

1. Financial:

2. Customer

3. Internal Bussiness Process

4. Growth & HR

SWOT-based Strategy and KPI Depoyment

SWOTベースの戦略とKPI展開マトリックス(演習)

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-6.KPIの垂直展開(全社KPI→部門KPI)

エクセル・ファイルあり

KPIs KPIs KPIs KPIs

KPIs

KPIs

KPIs KPIs KPIs KPIs

KPIs

KPIsKPIs KPIs

KPIsKPIs

SKGIs

& KPIs

KPI の垂直展開全社レベル

部・事業部レベル

課レベル

チームレベル

個人レベル

KPIの水平展開

トップ・ダウンと

ボトム・アップ

組織内でのKPIの水平・垂直展開のフレームワーク

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-7.KPIの水平・垂直展開プロセス

KPIの水平・垂直展開の目的は、①4つの視点での全社レベルでのKPIを組織の階層毎に垂直展開すると同時に、②部門横断的に部門連携的なKPIを水平展開する事である。

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-7.KPIの水平・垂直展開プロセス

組織内でのKPIの水平・垂直展開のフレームワーク

水平展開

垂直展開

水平展開

■2次元ビジネス・プロセス分析により、部門連係的なビジネス・プロセスに関連したKPIやコンピテンシー(スキル・知識)の設定が可能。

業務プロセス1 業務プロセス2 業務プロセス3 業務プロセス4

担当部門1

担当部門2

担当部門3

担当部門4

コア・プロセス ・---- ・---- ・---- ・----

KPI ・----・----

・----・----

・----・----

・----・----

コンピテンシー(スキル・知識)

・----・----

・----・----

・----・----

・----・----

YESNO

15

KPIの水平展開(2次元ビジネス・プロセスにおける部門連係KPIの展開)

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-8.KPIの水平展開

KPIの水平展開(演習)

部門/部/課: .

担当部署

業務プロセス名

顧客 (内部/外部)

外部協力組織: グループ企業/外

注先、その他

部門/部/課:

.

部門/部/課:

部門/部/課:

部門/部/課:

部門/部/課:

部門/部/課:

部門/部/課:

部門/部/課:

ITシステム: データベース

管理項目

・コスト & KPI

・ 品質 & KPI

・納期 & KPI

・その他の項目と KPI

必要な技術

必要なスキル /知識

要員計画

(プロセス実施に必要な時間)

BPR(ビジネス・プロセス再設計・再構築)の為の2次元ビジネス・プロセス・チャート

BPRの為の2次元ビジネス・フロー

3-1.KPIをベースにした組織業績管理戦略

3-1-8.KPIの水平展開

エクセル・ファイルあり

企業上位目標(ビジョン、ミッション、経営目標)

企業上位目標の実現BSCの視点からのビジネス環境分析による、Cross-SWOT戦略策定

経営戦略の効果的展開企業競争力と競争優位を実現可能な、付加価値の高い業務プロセスの設計と運用

経営戦略の持続的展開業務プロセスの効果的展開を可能にする組織構造の構築と、組織管理システムの運用

企業上位目標の達成の為には、目標を達成するためのアクションとしての経営・事業戦略、経営戦略の効果的展開を可能にする業務プロセスと、経営戦略の持続的展開を可能にする組織構造を包含した組織管理システムの構築が不可欠である。業務プロセスと組織管理システムは、最終的に組織図に反映される。

戦略と組織構造の関係

3-2.組織構造戦略

3-2-1.経営・事業戦略と組織構造

経営戦略

業務プロセス

組織管理システム

18

①チャンドラー:「組織は戦略に従う」、1962年②アンゾフ「戦略は組織構造に従う」、1979年③現在:①を基本とするが、「戦略と組織構造は、主従関係にあるのではなく、相互に影響し合っている」

戦略と組織構造の関係

③基本

戦略を決めてから組織を決める。

組織と戦略は相互に影響し合っている。

組織構造の現状

組織構造の現状から実行しやすい戦略を検討

目標から戦略の決定

戦略実施に効果的な組織構造の構築

戦略 組織組織構造が戦略に影響を与える

戦略は組織構造を決定する

①戦略に応じて組織構造を構築

②組織構造を考慮して戦略を決定

3-2.組織構造戦略

3-2-1.経営・事業戦略と組織構造

19

戦略と組織構造の関係

3-2.組織構造戦略

3-2-2.組織開発の視点からの組織構造の設計・再設計

■組織開発 (Organization Development)とは組織開発とは組織の効果性 (effectiveness) と健全性 (soundness) を高め、また組織が環境変

化にタイミングよく適応していくために、組織を動かしている人の価値観や態度、風土、人と人との関係などをより良い方向に変革を図って目的としている。

■具体的には、組織活動のプロセスに行動科学 ( behavioral science) の理論や技法を用いて、組織の体質強化や協調体制を図っていく組織戦略をさし、 「OD」ともいう。

■組織開発は組織の改変や制度、手続きの変革だけでなく、職場で良好な人間関係の構築を通じ組織人のもてる力を十二分に発揮させ、協働の成果が上げられるような風土づくりをめざすことに焦点をおいた活動である。

■従って、組織開発は職場での良好な人間関係構築の為の上級レベルの全社的取組みと捉えられている。

ハード面(フォーマル)

・企業上位目標・戦略・組織構造・システム・プロセス・制度・規則・

ソフト面(インフォーマル)

・組織文化・職場規範・SDGs・ヒューマン

プロセス(人間関係)

・人材育成・

組織開発関連図

組織開発社会レベル

組織レベル

集団間レベル

集団レベル

対人レベル

個人レベル人材開発

■組織開発 (Organization Development)とは組織開発とは組織の効果性 (effectiveness) と健全性 (soundness) を高め、また組織が

環境変化にタイミングよく適応していくために、組織を動かしている人の価値観や態度、風土、人と人との関係などをより良い方向に変革を図って目的としている。

■具体的には、組織活動のプロセスに行動科学 ( behavioral science) の理論や技法を用いて、組織の体質強化や協調体制を図っていく組織戦略をさし、 「OD」ともいう。

■組織開発は組織の改変や制度、手続きの変革だけでなく、職場で良好な人間関係の構築を通じ組織人のもてる力を十二分に発揮させ、協働の成果が上げられるような風土づくりをめざすことに焦点をおいた活動である。

■従って、組織開発は職場での良好な人間関係構築の為の上級レベルの全社的取組みと捉えられている。

組織開発とは

3-2.組織構造戦略

3-2-2.組織開発の視点からの組織構造の設計・再設計

組織開発の代表的モデル: コングルーエンス・モデル(Congruence Model)

非公式ネットワーク

業務 公式な決定事項

個人

組織グループ個人

外部環境経営資源組織の歴史

戦略インプット アウトプット成果

Congruence

CongruenceCongruence

変換プロセス

フィードバック

インプット 変換プロセス アウトプット

フィードバック

フィードバック・モデルの基本形

コングルーエンス・モデル

組織開発分野に、工学的手法であるフィードバック・モデ

ルを採用

3-2.組織構造戦略

3-2-2.組織開発の視点からの組織構造の設計・再設計

ファクター 内容 現状レベル 理想レベル 組織再設計の為の対策

1.インプット(Input)

組織の経営資源(有形資産、無形資産)、組織の歴史、環境、戦略等

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

2.アウトプット(Output)

組織管理システムの機能、グループの行動、グループ間の関係、個人の行動とその影響等。組織管理システムの機能というのは、組織を動かす仕組みや制度を意味する

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

3.変換プロセス(Conversion Process)

インプットをアウトプットに変換するプロセスのことであり、業務、個人、公式な決定事項、非公式ネットワークから構成される

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

4.個人(Individual)

対象とする人の年齢、性別、スキル、個性、態度 大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

5.非公式ネットワーク(Informal network)

所属する組織以外で関係している人的ネットワーク等 大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

6.公式な決定事項(Formal arrangement)

公式の組織管理メカニズムのことで予算制度、業務フロー、報酬制度、情報システム等を意味し、組織全体の管理を組織化に寄与する。

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

6.コングルーエンス(Congruence)

インプット各要素の適合性、変換プロセスとの適合性、アウトプットへの適合性を示す尺度である。これらの適合性が高ければ、個人も組織も高いパフォーマンスを出すことができる

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

コングルーエンス・モデルに準拠した組織構造の設計・再設計の為の質問票と分析結果

3-2.組織構造戦略

3-2-2.組織開発の視点からの組織構造の設計・再設計

23

3-2.組織構造戦略

3-2-3.組織DNA情報の視点からの組織再設計

組織DNAとは

経営・事業戦略を効果的に実行するためには、“企業文化(インフォーマルな要素)と企業業績(フォーマルな要素)の“両方に影響を与える要素の組み合わせ”がKSFであり、それが組織DNA

である。

組織DNAの構成要素を分析する事により、戦略の実行に際しての課題が明らかとなり、その課題を克服すべく組織構造を再設計する必要がある。

組織DNAを構成する8つの要素

フォーマルな要素 補完関係 インフォーマルな要素

意思決定権 規範意識

動機付け コミットメント

情報活用 マインドセット

組織構造 ネットワーク

このまま使用

24

3-2.組織構造戦略

3-2-3.組織DNA情報の視点からの組織再設計

組織DNAの質問票

組織DNAプロファーラー 現状と課題、その対策 組織再設計の為の対策

Ⅰ. フォーマル要素 現状レベル 理想レベル

意思決定権: 意思決定や意思決定プロセスの透明性の現状レベルは?

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

動機付け: 報酬制度、キャリアデザイン、スキル向上の現状レベルは?

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

情報活用: KPIの活用、情報や知識管理の現状レベルは?

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

組織構造: 組織図、役割と責任、ビジネス/業務プロセスの現状レベルは?

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

Ⅱ. インフォーマル要素 現状レベル 理想レベル 組織再設計の為の対策

規範意識:企業価値・標準、倫理意識、業務規律の現状レベルは?

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

コミットメント: 企業のビジョン、ミッション、目標、戦略、個人の目標、チャレンジ精神、従業員としてのプライドの現状レベルは?

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

マインドセット:従業員のアイデンティティや信念、偏見、精神状態の現状レベルは?

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

ネットワーク:職場での人間関係やコラボレーション、チームビルディング、他人への敬意の現状レベルは?

大変良い/良い/大体良い/悪い 大変良い/良い/大体良い/悪い

25

3-2.組織構造戦略

3-2-4.組織再設計の10の原理の視点からの組織図の再設計

組織再設計の10の原理

企業を取り巻く内外のビジネス環境は、日々変化しており、経営・事業戦略も継続的に軌道修正が求められる。そのれに呼応して組織構造も環境の変化に対応して弾力的に再設計する必要がある。

その為の対応策として、組織DNAに準拠した組織構造の再設計があげられる。組織構造の再設計には以下の10の原理を留意して実施すると効果的である。

組織再設計の10の原理第1原理: 過去の成功体験を忘れる第2原理: 組織DNAに基づいて組織構想を再設計する第3原理: 組織改編は最初ではなく、最後にやる第4原理: コアとなる人材を最大限に活用する第5原理:自社で制御可能な要素にフォーカスする第6原理: アカウンタビリティ(説明責任)の流れを明確にする第7原理:他社との比較(ベンチマーク)は慎重に行う第8原理: 組織構造を企業上位目標、経営・事業戦略に適合させる第9原理: インフォーマルの要素を重視する第10原理: 自社のコア・コンピテンスや強みをベースとする

26

3-2.組織構造戦略

3-2-4.組織再設計の10の原理の視点からの組織図の再設計

組織再設計の10の原理優先順位

組織再設計の為の対策現状レベル 理想レベル

第1原理:“過去の成功体験を忘れる”の優先順位は? 大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第2原理:“組織DNAに基づいて組織構想を再設計する”の優先順位は?

大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第3原理:“組織改編は最初ではなく、最後にやる”の優先順位は?

大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第4原理:“コアとなる人材を最大限に活用する”の優先順位は?

大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第5原理:“自社で制御可能な要素にフォーカスする”の優先順位は?

大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第6原理:“アカウンタビリティ(説明責任)の流れを明確にする”の優先順位は?

大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第7原理:“他社との比較(ベンチマーク)は慎重に行う” 大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第8原理:“組織構造を企業上位目標、経営・事業戦略に適合させる”の優先順位は?

大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第9原理:“インフォーマルの要素を重視する”の優先順位は?

大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

第10原理:“自社のコア・コンピテンスや強みをベースとする”の優先順位は?

大変高い/高い/比較的高い/低い 大変高い/高い/比較的高い/低い

組織再設計時の10の原理の質問票

27

3-2.組織構造戦略3-2-5.再設計された組織図

組織DNAプロファーラー 組織再設計の為の対策

Ⅰ. フォーマル要素

意思決定権

動機付け:

情報活用

組織構造:

Ⅱ. インフォーマル要素 組織再設計の為の対策

規範意識:

コミットメント:

マインドセット:

ネットワーク:

組織再設計の10の原理

組織再設計の為の対策

第1原理:

第2原理:

第3原理:

第4原理:“

第5原理:“

第6原理:

第7原理:

第8原理:

第9原理:

第10原理:

組織開発の要素 組織再設計の為の対策

1.インプット(Input)

2.アウトプット (Output)

3.変換プロセス (Conversion Process)

4.個人(Individual)

5.非公式ネットワーク(Informal network)

6.公式な決定事項(Formal arrangement)

6.コングルーエンス(Congruence)

現在の組織図 再設計された組織図

組織開発、組織DNA、組織再設計の10の原理による組織図の再設計

組織再設計の10の原理の視点組織DNAの視点 組織開発の視点

マーケテイング(経営者コース)

自己紹介をかねてマーケテイングを学ぶ動機を発表してください。

はじめに。。。マーケテイングの定義は色々あります。この講座は「どのようにしたら売上げを伸ばすことができるか?」にフォーカスします。アメリカの大学研究者を中心に発展してきたマーケテイング理論は一般企業の経営者や学生にも分かり易く説明されています。しかしそれを学んだあとすぐに売上げを伸ばすことに役だったと言う話はあまり聞きません。何故でしょうか?企業は人と同じで、それぞれが個性を持ち、得手不得手の組織能力も異なり、成長ステージも異なります。成功事例として取り上げられる企業もそれぞれが異なる個性を持ち、於かれていた環境もそれぞれです。それらの事例をそのまま真似ようとしても無理があります。先ずは一般理論や成功事例の中の本質的な事を理解し、さらに事例で確認してください。その上であなたの会社でどのように役立てるか考えて下さい。最初はうまくいかない事が多いですが、次第に経営やマーケテイングの基本的な考え方があなたの中に蓄積され、あなたの会社に適した名案が浮かび出します。マーケテイングはこれが正しいという単一の回答を学ぶものでありません。成功すればそれぞれの中に正解があります。しかしそれらをよく観察すると基本的な類似点があります。答えを急ぐならば「如何に顧客から高い評価」を継続的に得るかにつきます。顧客を意識することがマーケテイングを学ぶ秘訣であり成功につながります。

目次

1.マーケテイング発展史

2.マーケテイング戦略の策定プロセス

3.環境分析フレームワーク理解(PEST、5F、SWOT、3C、PPM、バリューチェーン)

4.主なマーケテイング理論

4-1競争の戦略

4-2製品ライフサイクル

4-4サービスのマーケテイング

4-5ソーシャルマーケテイング・社会的責任マーケテイング

5.中小企業のマーケテイング

6.ビジネスモデル

7. イノベーション

7-1イノベーションとイノべーションのジレンマ

7-2 J.ムーア:キャズム

7-3 S.ブランク:アントレプレナー

4-3ブルーオーシャン戦略

4-6CRM・データベースマーケテイング

4-7流通分野の新しい取り組み

4-8タイプ別マーケテイング成功事例

7-4バーテイカルマーケテイングからラテラルマーケテイング

7-5リバースイノベーション

8.新製品企画開発

9.価格戦略

10.購買における消費者行動と組織購買の行動

11.マーケテイングコミュニケーション

12-1マーケテイングによる販売チーム支援

12-2事業計画を策定する

付録.市場調査の流れと留意点

12.販売力の向上

事例1 ユニクロ日本では成熟産業時代に突入して久しいアパレル(衣料品)産業において急激な成長を続けるユニクロ、その背景は何か?

2011年2001年1991年

売上

71億円

4185億円

8234億円

売上げ116倍/20年間

全世界3445店舗

フリース1900円

1900円

ブラトップヒートテック

成長の根源フリース:登山用防寒上着をおしゃれで安価なタウンウエアーブラトップ、ヒートテック:スポーツ用下着として販売されていたがごわごわした製品を薄着に

改良してリメーク

マーケテイング???

990円

事例2 ソニートランジスタラジオ1955年

TR55:18900円・・・同年平均所得29000円 真空管式ラジオ

電源:電池2本音質:悪い

家庭電源音質:良い何故トランジスタラジオは爆発的に売れたか?

ヒント:1950年代のアメリカの若者の文化

1.マーケテイング理論発展史

~第2次世界大戦までの世界経済市場での競争が緩慢でありマーケテイング概念は存在しなかった。理由:二度に及ぶ世界大戦による世界経済の疲弊と産業会は製品と製造技術へのフォーカス

第二次大戦以降大戦による経済的疲弊が比較的軽微であったアメリカを中心に生産体制合理化への投資が進み、市場では物が溢れ出し、販売競争が急激に進んだ。市場対応にフォーカスした学問として「マーケテイング」研究がアメリカで盛んになった。

*マーケテイングとは市場(Market)の進化(ing)への対応(Marketing)である黎明期のマーケテイング

「マーケテイングとは何か?」P・コトラー:マーケテイングとは本物の顧客価値を生み出す技術であり、顧客の生活向上を

支援する技術マーケテイングとは広告やダイレクトメールに限定される活動でなく、何を作るべきか、製品をどのように顧客に届けるか、継続して購入したいと顧客に思わせるにはどうするかを組織全体で解明する活動である

*ピーター・ドラッカー:「究極のマーケテイングとは販売を不要にすることである。」つまり「。。。?」

マーケテイング1.0:もの中心のマスマーケテイング1950年代~大企業中心マスプロダクツ(誰も必用とする規格化された大量生産品)マスメデイア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)と交通広告(電車の中吊りや駅のポスターネオン、看板)による大量な広告による大量販売主義

マーケテイング2.0:生活者指向のマーケテイング1980年代~顧客中心(顧客が選択し消費する時代)→顧客満足経済の変化(生産からサービスへのシフト)、働き方の変化、インターネットの普及

マーケテイング3.0:顧客の気持ちを掴むマーケテイング1990年代~メデイアは従来型大量広告からSNSによる双方向コミュニケーションにシフト生活者のニーズに応える商品と販売、接客とサービスの開発市場細分化=セグメンテーションと差別化の加速顧客から企業、商品への愛好者(ファン)へのシフト(CS→ES→ブランド戦略)

マーケテイングは初期の物やサービスを売る時代から企業のファン、投資家、従業員予備軍を意識した企業全体の活動に拡大されている

事例3日清食品カップヌードル

従来のインスタントラーメン カップヌードル

従来のお湯を掛けて柔らかくして戻して食べる即席ラーメンから1971年カップヌードルは日本の若者の文化を変え、世界の街角で見られるように普及した。

質問:普及の背景は???

2.マーケテイング戦略の策定プロセス

事業戦略展開

経営戦略企業ミッション企業目標事業戦略事業ポートフォリオ計画

マーケテイング戦略環境分析ターゲット市場選定マーケテイングミクス

製品戦略販促戦略価格戦略流通戦略マーケテイング目標

マーケテイング情報フィードバック

企業活動を方向付ける経営戦略を具現化して目標達成のためにマーケテイングが存在する。

マーケテイングの推進状況が経営マネージメントにフィードバックされ、必要に応じて軌道修正され、さらに推進状況が逐次確認される。このサイクルを通じて当初の企業目標への到達精度が高められていく。

マーケテイング戦略策定の流れ

STP

顧客ソリューション 顧客コスト 顧客の利便性 コミュニケーション

顧客視点の4C

マーケテイング目標設定企業目標とのリンク、完了予定時期、数値目標、達成状況言語表記、

マーケテイング4Pを使う理由STPにより顧客が決まり他社との差別化(ポジションニング)が決定されると具体的にどのような製品(又はサービス)をいくらで、どこで、どんな販売ルートや場所でどのような販促策により販売するかの4P戦略が必用となる。但し、マーケテイング2.0以降のステージでは、供給サイドの4Pでなく顧客サイドの視点で考えた4Cを意識した4Pであることが必用。

4Pを使うメリット1.バランスのとれた理解が生まれる

想定する顧客に製品やサービスを効果的に届けるには4Pがバランスがよく機能すること2.統合的なマーケテイングが実践され、シナジーが期待できる。

内的一貫性と外的一貫性の調和?

4Pの実践に於いて新製品発売プッシュ型とプル型の二つのモデルを比較し内的一貫性及び外的一貫性の必用性を考える

プッシュ型モデル1これまでとは全く異なる新製品高めの価格で流通業者のマージンも十分確保対面販売を考えて小規模小売り店を使用販売員による店頭説明やプロモーション採用

プル型モデル1新製品であるが買い手は使い方をよく知っている低価格にして流通業者マージンも少なくするコンビニや全国スーパーを使用テレビによるマス広告で宣伝

新製品タイプによる4Pは内的統制及び外的一環性が必用

4Pの外的一貫性買い手にとり魅力的商品(サービス)か?競争に対する優位性はあるか?流通業者や広告宣伝会社との合理的取引が可能か?検討する4Pのなかで自社で実行予定の部分は実行可能か?

マクロ環境=企業に影響を与える環境要因人口動態要因・経済的要因・資源的要因議政治的要因・文化的要因

ミクロ環境=企業に直接影響を与える要因企業内部状況・チャネル環境・顧客市場競合他社・利害関係先

Sセグメンテーション=市場細分化Tターゲッテイング=顧客選定Pポジショニング=他社との差別化

顧客視点での価値提供マーケテイング4Pは生産者視点の価値提供

STPによるマーケテイング市場にものが溢れ消費者の嗜好も多様化している中で過去のマスマーケテイングから選択した市場へのマーケテイングが主流となっている。

第1ステップ:市場細分化、4つの発想基軸1)マスマーケテイング(現在はほとんど存在しない)

単一商品を大量に生産販売する。マスメデイアを使った大規模広告宣伝

2)セグメントマーケット市場を細分化して最適な商品を販売する。例 富裕層向け自動社、時計、高齢者向け商品、富裕層子供向け商品

3)ニッチマーケティングセグメントされた市場を更に細分化してその中で競合が少なく小規模な市場にフォーカスする

4)ミクロマーケテイング地域限定=エリアマーケティング、顧客限定=One to One マーケテイング

第2ステップ:市場細分化の視点市場細分化の標準的フレームは存在せず、各社の視点でフレームを設定する。以下の消費財のフレーム例が参考となる1)地理的細分化

国(国内/海外)、地域、都市別細分

2)人口動態的細分化年齢、性別、家族構成、ライフステージ、所得、職業、教育、宗教、人種、世代、国籍

3)サイコグラフィック(心理的要因、価値観)社会的階層、ライフスタイル、パーソナリティ

4)行動による細分化購買状況、要求される便益、現在の使用者、過去使用者、未使用者、使用頻度、ロイヤリティー、購買意識レベル(熱狂的、無関心、否定的)

第3ステップ:市場の評価とターゲッテイング細分化された市場の選択に於ける視点

1)市場の規模と成長性現在の売上げ高や成長率から採択の可否を判定、但し、規模が大きく成長性が高くとも自社の生産力、資金力などの限界から対応できるかの判断も必用

2)市場が持つ構造的魅力度現在は競合企業が参入していなくて魅力的であっても、大手企業や異業種からの参入が予測されるなら自社の差別化策による競争力を考慮して参入可否を判断

3)市場と自社の目標と経営資源の整合性

市場が選択されるとそこで市場へのアプローチとして戦略を検討する。非差別型マーケテイング(現在採用するケースは少ない)差別型マーケテイング集中型マーケテイング

第4ステップ:競争優位のポジショニング市場が選択され後、ポジショニング(差別化策)を決定するポジショニングステップ1.自社の競争優位を明確にする2.いくつかの競争優位性から最も強い優位性を選択3.ポジショニング戦略の確定

他社が既に参入済みの市場でのポジショニング1.利点や強みが多く高い価格設定2.利点や強みが多く他社並価格3.利点や強みが多く他社より低価格4.利点や強みが同じで価格が同じ5.利点や強みが少なく価格が安い

価 格 高

新 新

ポジショニングを考えるには品質機能と価格で考える場合とデザインも取り込んで考える場合もある。それぞれの商品サービス特性で効果的な比較マップを作成

会社概要(創業者、設立背景、事業沿革、事業内容、資本金推移)

1.新規事業について 3.事業スケジュールについて(既存事業と新規事業)

  ①事業名    ①事業開始までの準備計画

  ②社会背景を踏まえた事業の狙い     ②年度毎又は半期、4半期毎の計画

  ③提供する商品やサービスの内容 4.数値計画について

  ④狙いとする市場や顧客    ①売上計画(日時、月次、年次、中期)

  ⑤仕入れ生産性    ②売上原価計画

  ⑥新規性や独自性    ③人員及び人件費計画、福利厚生費計画

  ⑦競合分析と競争優位性    ④経費計画(販売費及び一般管理費計画、原価償却費計画)

   (競合他社、競合商品、競合箇所、理由、強味弱み比較    ⑤資金計画(設備計画他の使途面、借入金や投資受入れ等の調達面)

    他社参入可能性、難易度、影響等)    ⑥損益計画

  ⑧市場分析と市場開拓、市場拡大戦略

  ⑨価格設定政策と具体策

  ⑩販売促進策と具体策

  ⑪生産購買計画

  ⑫売上高利益目標設定

  ⑬工場や店舗の詳細

2.既存分野を含む企業全体について

  ①経営方針(経営理念、今後の事業方針、ビジョン、株式公開等)

  ②業界展開と今後の基本戦略 

    (顧客ニーズを含め経営環境変化、業界動向と当社比較、強味弱み

脅威機会分析)

  ③その他

    (決済方法、経営陣、組織図、事業資産、株主構成、主要金融機関、

利用外部機関等)

事業計画をまとめる

事業計画フォーマットサンプル

マーケテイング目標設定企業目標とのリンク、完了予定時期、数値目標、達成状況言語表記、

3.環境分析フレームワークの理解今後の展開や新規計画策定を含めて自社の事業性を事業環境の中で客観的に分析してその時々の自社の強み弱みを把握して、改善策を検討する事は事業を継続的に発展させる為に必要である。ここでは、市場分析、企業分析によく利用される分析フレームワークを学習する。分析フレームワークは分析するだけで終わるのでなく、そこから有効な成長戦略や改善策を見つけ出すことを目的とする。

3-1:PEST分析フィリップ・コトラー中期経営計画、新規事業計画策定において社会環境の予測が重要であり特に今後大きく変化する要因を把握することが重要

PEST分析でのポイントは、「中長期的な将来、概ね3~5年後の世の中のマクロトレンドついて仮説を立てること」にあります。将来予測は不確実です。しかし、積極的に仮説を立て、組織で共有し、3~5年後の世の中に対し、現在取り組むべき戦略を構築しましょう。仮説を立てシミュレーションすることで、業界に及ぼす影響、環境変化を考える視点が得られます。

PEST分析のマクロ環境トレンドの変化でも、「一時的なもの」と「中長期の構造的変化」があります。目先の一時的なトレンドだけを追っても、事業の成功は望めません。PEST分析では、「一時的なもの=中長期では変化がないもの」と「一時的ではなく、中長期の構造的に変化するもの」をしっかり見極めましょう。中長期のマクロ環境トレンドを、他社に先取りして掴み、マーケティング戦略を構築すれば、成功に近づきます。

PEST分析大きなトレンドに乗れず失敗した事例・写真フィルムメーカーコダック・スマートフォーン登場によるデジタルカメラメーカーの低迷

PEST分析大きなトレンドに乗った成功事例•「マイクロソフト」「インテル」:パソコンの消費者への普及(社会)、技術進化による急速なパソコンの高性能化・低価格化(技術)•「Google」「楽天」「Facebook」「Amazon」:インターネットの消費者への普及(社会)、インターネットの低価格化・大容量化(技術)

3-2:SWOT分析自社分析と外部環境分析を同時に行い自社の強みを生かした事業領域を確立するため、又は改善策検討の為に利用される。使い勝手がよく頻繁に活用されるが分析が主観的になりやすく有効な戦略導出に結びつかないケースも多い。有効性担保の為外部者も含めた客観的分析が必須である。

3-3:3C分析SWOT分析と分析視点が近いが3C分析では競合他社、顧客をより意識している。但し、3Cは事実情報収集に努め、情報をSWOTで整理すると効果的である。

3-4:5フォース分析マイケル・ポーター「競争の戦略」「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対」という内的要因と「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」の外的要因から業界の魅力度を測り新規事業としての参入の可否判断に使われる。日本メーカーの例としてそれまでカメラ業界の事業領域であったカメラビジネスにデジタル技術が確立されパナソニックやカシオなど異業種からの参入が進み業界再編が進んだ。

3-5:バリューチェーン分析マイケル・ポーター「競争優位の戦略」顧客に提供する総合的価値からそれぞれのコストを差し引いたものがマージンでありその企業価値とする。単純に各工程や作業のコストダウンを進めるのでなくそれらの価値から提供価値の最大化を狙う。

3-6:PPM分析ボストンコンサルテイングにより打ち出されたが複数事業を営む企業の経営資本のアロケーションの妥当性を評価する手法であり。潜在的新規事業は意識されない。

マクロ環境=企業に影響を与える環境要因人口動態要因・経済的要因・資源的要因議政治的要因・文化的要因

ミクロ環境=企業に直接影響を与える要因企業内部状況・チャネル環境・顧客市場競合他社・利害関係先

Sセグメンテーション=市場細分化Tターゲッテイング=顧客選定Pポジショニング=他社との差別化

顧客視点での価値提供マーケテイング4Pは生産者視点の価値提供

マーケテイング戦略

マーケット・シェアに関して、企業のポジショニングを4つのタイプに分類し、それぞれが採用する3つの戦略を明確にしました。

1 マーケット・リーダーのポジショニング充分な経営資材を活用して、市場全体を攻略する →1 コスト・リーダー戦略マーケティング活動を展開

2 マーケット・チャレンジャーのポジショニングマーケットリーダーと差別化して、市場全体を攻略する→2 リーダーに対する差別化戦略マーケティング活動を展開

3 マーケット・フォロアーのポジショニング上位の企業の真似を中心として、市場全体を攻略するマーケティング活動を展開

4 マーケット・ニッチャーのポジショニング市場の特定のセグメントに集中して攻略することで、小さなセグメントを独占するマーケティング活動を展開→3 集中型(集中型マーケティング)戦略

4-1競争の戦略:マイケル・ポーター(1980)

4.主なマーケテイング理論

4.主なマーケテイング理論4-2製品ライフサイクル ジョエル・デイーン(1950)

Product Life Cycle(PLC)製品の市場における各ステージに適する価格戦略、販促戦略、製品戦略、生産戦略を採用して製品の生涯マネージメントを展開する

商品 新製品 機能、デザインの改善競争

更なる差別化 改善継続か中止により新製品開発加速

価格 スキミングプライスによるR&Dコスト回収

価格維持の為の改善新製品

上位市場向け改善による価格競争からの防衛

残存市場の刈り取りの為に安売り

マーケテイングコミュニケーション

普及の為の積極的PR、展示会等

積極的販促、ブランド広告プル型コミュニケーション

スポット販促、宣伝 あまり費用を掛けない

各ステージでのマーケテイング戦術

マーケテイング戦術

偶然による産業の誕生

1.電気自動車は何故普及が遅れたか?

1900年頃アメリカ電気自動車は30000台走行していたがガソリン車が登場し電気自動車は市場から消えた。

何故か?

2.ゼロックスはカールソン式複写機917発明し、現在のベースとなった。資金力がなく開発支援をIBMに依頼したが、拒否された。IBMは当時複写機の需要を予測できなかった。ゼロックスは機械を売るのでなく、コピー1枚の単価をベースにするレンタルビジネスを普及させた。

成熟期に於ける事業継続意志決定

4-3ブルーオーシャン戦略:W ・キム、レネ・モボルネ

競争のない市場(ブルーオーシャン)は既存市場(レッド-シャン)の周辺にある。

ブルーオーシャン市場

レッドオーシャン市場A

既存市場の製品やサービスに不満を持ちながら仕方なく我慢しているユーザーの不満を分析し不満を解消する製品サービスの投入を進める。但し、不満分析は他社分析を細かく行うのでなく顧客の不満を大きく掴む。

ケース1QBハウス(日本の理髪点チェンーンショップ)

従来型理髪店に対するユーザーの不満1.サービスに対して価格が高いと感じている。2.土日は混雑し、自分に都合の良い時の予約が困難。3.サービスにかかる時間が長い。(1時間以上)

不満客受容客 非受容客

既存市場 既存市場

ケース2医師処方箋取得ステップ省略したドラッグストアー

従来型医師処方箋医薬品に対するユーザーの不満「風邪薬など簡単な薬の処方箋でも医師に面談が必用だが時間が持ったいない」

洗髪、ひげ剃りなど関連サービス廃止、カットされた毛くずはバキューム吸収

作業時間15-25分

ドラッグストアー内に処方箋を発行できる上級看護師配置

医師との面談不要

アンバンドリング戦略が新市場を創出するケース

4-4サービスのマーケテイング経済の進化:脱工業化、3次産業(サービス業)へのシフト→サービスのマーケテイング

1977年R・ショスタック「ショスタックの分子モデル」無形財であるサービスは有形財とはことなるマーケテイングが必用

有形財主体(モノ)

有形性高 低低 高 無形性

無形財主体(サービス)

清涼飲料

洗剤

化粧品

自動車

ファーストフード

教育

コンサルタント

投資管理

航空会社

広告代理店

航空輸送

頻度 サービス 機内食 機材

自動車

付属品輸送

有形無形の組み合わせ

1988年A・パラスラマン/B・ザイタムル/R・ベリー 「SERVQUALモデル」提案「サービスの品質とは顧客の期待と知覚のギャップ」:SERVICE QUALITY

施設従業員外見 約束を守る 従業員の対応速度 顧客に適切に伝え聞く 顧客の利益

疑念や危険を感じない 従業のサービス能力 礼儀思いやり接客 顧客の要望理解速度 連絡とりやすいサービス品質10項目での向上が顧客満足を高める

物的要素 信頼性 応答性コミュニケー

ション信用性

安全性 能力 礼儀正しさ 顧客理解 アクセス

1991年R・ベリー/A・パラスマン「インターナルマーケテイング」提案1.人材獲得を競う:有能の人材の確保2.ビジョン提供:職場に目的と意味を理解させる3.従業員訓練:社員がサーサービス結果を出せる訓練4.チームプレーの強調5.自由裁量6.評価に応じた報酬7.顧客を知る為の調査

1981年B・クーム/M・ビトナー:サービスマーケテイング7P無形性(サービス)の特性

無形性、同時性、不可分性、異質性、消滅性

サービス7P(4P+3P)Participants(参加者ーサービス提供者、受益者他)Physical evidence(物理的環境ー素材、形、照明、温度他)Process of service assembly( サービス組み立てプロセスー方針、手順、生産、納品管理他)

1978年R・ノーマンサービスエンカウンター「真実の瞬間」スカンジナビア航空(SAS)の改革

15秒ルール:1000万人の顧客は5人のスタッフに平均15秒接している。15秒が企業のイメージと将来性を決める

時間の管理:限られた時間を如何に有効に売るかー繁忙期はプレミアム、閑散期は魅力的価格関与関わりの程度:価格に応じた顧客の自主サービス学習:顧客の自社サービスの学習に応じた対応ー経験者へのプレミアムサービス安心安全快適アクセスの便利性:提供者と顧客の最適環境適切なコミュニケーションの質と量:サービスの意図理解と顧客の理解満足の促進を進める

1994年J・ヘスケット/w・サッサー「サービスプロフィットチェーン」インターナルマーケテイングとエクスターナルマーケテイングの関係

社内サービス向上

社員満足度向上

社員定着率向上 生産性向上

顧客サービス向上

顧客満足度向上

顧客ロイヤリテイー向上

売上げ利益向上

1社内サービスが高いと社員満足が高い

2社員高満足は従業員高ロイヤリテイ

3従業員高ロイヤリテイは高生産

4高生産はサービス価値向上

5高サービス価値は高顧客満足度

6高顧客満足度や高顧客ロイヤリテイ

7高顧客ロイヤリテイは企業業績向上

4-5ソーシャルマーケテイング・社会的責任マーケテイング・コーズリレーテッドマーケテイング

マーケテイングの発展4P:企業サイドのマーケテイング

顧客志向(4C)

企業イメージの向上CSR:企業の事業と無関係(寄付、フィランソロフィー)、持続性の問題

2001年M・ポーター「共通価値の戦略」

企業使命は社会との共通価値創造1.社会的課題を解決する製品と市場の開発2.自社バリューチェーンを改革強化して社会に貢献3.産業集積による事業基盤強化により地域貢献する

1999年S・アドキンス「コーズ・リレーテッドマーヶテイング」会社の売上げの一部を消費者と協同で特定の社会的貢献目的に使用アメリカンエクスプレス:サンフランシスコ芸術振興、自由の女神修復

1998年アンダーセンコンサルテイング顧客生涯価値:顧客が生涯に及んでもたらしてくれる利益

CRM(Customer Relationship Management)既存顧客との関係維持強化により顧客満足度を高め顧客生涯価値を高めるマーケテイング顧客の許可を得た上で顧客データーベースを作り誕生日や記念日などにDM等でプロモーションを行うデータベース作成

年齢、性別、趣味、嗜好、購入履歴、購入動機、苦情、意見など顧客層別と顧客層別需要、購買行動分析層別個人別マーケテイング但し、パーミッションマーケテイング従来型プロモーション:インタラプションマーケテイング・アウトバウンドマーケテイング許可を得たプロモーション:パーミッションマーケテイング・インバウンドマーケテイング

インターネットの普及による新マーケテイング顧客は購買の為の必要な情報はネットを使い自分で検索する。一方で従来型のアウトバンド情報は生活者の関心が低くなっている。

ネットにおいて顧客を引き付けるSEOや魅力あるコンテンツの閲覧が重要になっている。アンバサダーマーケテイング、バイラルマーケテイング、バズマーケテイング

4-6CRM・データベースマーケテイング

顧客維持型マーケティング 顧客創造型マーケティング

焦点

• 顧客の維持、囲い込み• 顧客内シェアの拡大• 顧客満足度• 双方向コミュニケーション• 顧客との協力関係・学習関係• エンパワーメント志向

• 新規顧客の獲得• 市場内シェアの拡大• 製品認知度• 効果的情報伝達• マネジメント志向

Product• 顧客の問題解決重視• ホール・プロダクト• 提案型。 組み合わせ型

• 機能重視• コア・プロダクト• 選択型、バリエーション型

Price• ファン重視

(例:マイレージ・サース)• 比較的画一的• エントリー顧客重視

Place• 顧客に応じたマルチ・チャネル

• 顧客情報の収集に注力• 顧客との距離の短縮化

• シングル・チャネル• 売れ筋情報の収集に注力• Productの効率的デリバリー

Promotion • 顧客が情報発信者• クチコミの効果大• 「社員全員がマーケター」

• 企業が情報発信者• 伝統的広告・販促重視

市場成長期市場成熟期

CRMの実施

実施の流れ:

44

顧客データベースを構築して顧客情報を集め、セグメンテーションの切り口や顧客ニーズの把握・特定を行う。

自社にとって重要な顧客を選別しランク付けする。

ターゲットとした顧客のニーズに対応する製品やサービスを重点的に提供し、顧客を獲得する。

その顧客を維持するための取組を行い、増収を図る。

SNS、インターネット技術の普及はCRMを更に進化させている。

CRM顧客情報の

巨大化

ビッグデータ

I O T

One to One Marketing

個別商品開発と個別マーヶケテイング

従来の流通製造業者→卸売り業者→小売業者

1980年代マイケル・マークス「1ペニーショップ」マークス・スペンサー(M&S)設立:PBブランドSPA(Speciality store retailer of private label apparel)の登場製造は委託、デザインにフォーカスして販売ルートを構築

GAP、ユニクロなどグローバル企業の登場

*アウトレット・モールの登場高級ブランドの傷物や売れ残り在庫品専売ショップ

*チェーン店標準化、単純化、専門又分業

*EDLPウォールマート

4-7流通分野の新しい取り組み

成功事例を学びマーケテイング戦略の理解を深める4つのタイプの事例1.ライフサイクルに応じた戦略展開による売上げ減少危機に歯止めをかけた事例

トヨタ自動車プリウス:導入期の市場参入戦略ファミリーマートの海外進出:国内成長期での競争からの脱出ピジョン:成熟市場での新ビジネスタニタ:新しいニーズをつかみ衰退期に入った既存事業から転換

2.セグメンテーションにこだわるマーケテイング戦略オオゼキ:過剰競争による不況期にあった食品スーパーの地域未着型店変身に

よる成功大塚製薬:人口動態変化に着目して男性化粧品の投入導入に成功アニコム損害保険:サイコグラフィック視点からペット保険導入による成功ハウス食品:行動変数視点に着目して導入したウコンの成功

3.ブランド戦略における成功事例TOTO:サブブランド展開富士フイルム:サブブランドの活用により新規事業進出

4.マーケテイング3.0価値提供による成功事例住友化学:マラリア対策蚊帳のアフリカ現地での製造販売

4-8タイプ別マーケテイング成功事例

企業名 トヨタ自動車

マーケテイングタイプ 環境分析と自社の適応性

売上げ高 30兆2256億円

成功商品・サービス 電気モーターとガソリンエンジン併用エコ自動車プリウスHV車によりガソリン燃費を大幅改善

背景 90年代初めよりガソリン車などから排出されるCO2による温暖化懸念が世

界的な議論となる、一方で世界情勢の不安定さから原油価格の不安定が続く中でトヨタはHV車の開発に着手1997年温暖化防止のために京都議定書が合意されたタイミングでプリウス発表

成功のポイント 自動社業界では欧州車のプレミアムカーの位置づけがはっきりしているが、アメリカ日本車は機種揃えは広いが特徴が曖昧であるとポーターが指摘していた。トヨタは自動車の排ガスが世界的に問題視されている中で既存技術の組み合わせと改良による課題解決を提案。当初の5-10年は採算ベースに乗らなかったか現在では年間150万台(2017年)と社内シェアー10以上に成長した。同事業と社会的責任に対する同社トップの強いコミットメントがドライブフォースとなった。

企業名 ファミリーマート

マーケテイングタイプ 環境分析と成長期に於ける競争激化解決策

売上げ高 3兆円

成功商品・サービス 日本での競合による成長頭打ち打開のため海外進出

背景 日本では業界の競争が激化し新規出店が難しくなってきた中でコンビニ未開拓市場のアジア進出を決定。他社は米国本社のライセンスとの関係で海外展開できないが当社は独自展開しており制約がなかった。

成功のポイント コンビニ店は地域の消費者を顧客とするため単独出店は困難と判断し、現地パートナーと協同で店舗展開を進めた。仕入れ先についても現地でパートナーを開拓、運営もパートナーに委託した。但し、コンビニの生命線であるPOS等により商品、顧客管理、配送効率については日本から専門家を派遣して指導した。

企業名 ピジョン

マーケテイングタイプ 環境分析と成熟期の事業転換策

売上げ高 1000億円

成功商品・サービス 哺乳瓶などベビー用品の製造販売会社と1957年設立。当時の哺乳瓶は品質が悪く、当社の社長は自然に近づけるため日本人の女性1000人以上に乳首を自ら吸ったと自伝にある。このような品質改良への努力と戦後のベビーブームにより順調に成長してきたが、近年の日本では新生児の大幅に減少売上げ減少に苦しんでいた。一方で人口の高齢化化急激に進む事に着眼し、高齢者に対する介護予防システム事業として介護支援サポーターなどが成功している。

背景 深刻化する少子高齢化問題なかで自社の売上げ減少対策を全社で取り組んだ結果、社内的にも新規事業への抵抗感はあまり見られなかった事が組織としてのまとまりを創った。

成功のポイント ベビー用品という製品対するデリケートな配慮が必用な事業で養われた高い評価とノウハウを既存事業への補完としての高齢者介護に転用する事は対象顧客が違ってもどちらもデリケートな配慮と安心が必用である事に着眼した。かっての母親が高齢者の介護に関わる時代になり過去のブランドが同社の

企業名 タニタ

マーケテイングタイプ 社会の関心をを取り込んだ衰退期の事業転換

売上げ高 150億円

成功商品・サービス 1923年創業の会社でオーブントースター、電子ライターなどの製造販売から近年では体脂肪が判る家庭用ヘルスメーターを製造販売がヒットしたが現在は頭打ち。但し、社会ニーズとしての健康指向の高まりを事業に取り込み、健康メニューを販売して食の改善啓蒙などタニタ製品販売でなく、コンセプトの普及を通じた事業展開が進んでいる。企業内に健康食堂を設置したり、菓子メーカーと提携して健康菓子の協同作成などを進め健康指向の会社としてブランド価値を高めてる。

背景 ヘルスメーターの販売を通じて世の中の健康志向の高まりを理解し、さらにものの販売に限界を経験した結果、ことの販売に拡大の可能性があることを認知し事業の方向を大きく転換

成功のポイント 社会の関心が人口構成の変化から大きく変化していることを認知し自社の適応性分析と過去経験から健康志向へのソリューション提案としての情報提供が市場で高い評価を得ている。

企業名 オオゼキ

マーケテイングタイプ セグメンテーションによる地域密着型スーパの展開

売上げ高 756億円

成功商品・サービス 1957年開業の食品スーパーマーケットであるが、同社は競争を回避するため高級で新鮮の食材が好まれる高額所得者が住む地域に限定してドミナント出店している。その結果同社の利益率は7~8%で剥離多売の他社より2~3倍高い。同社のライバルは高額商品を中心に扱う成城石井言われるが、生鮮食品にフォーカスし、価格は成城石井より安く、店舗も350平米でやや小さい。店舗は他社が撤退した後に射抜きで入りコストを抑え、高級生鮮食品の限定している

背景 食品スーパーは競争が激しく剥離多売で閉店する店が多いなかで、同社はの当初より地域密着型を志向し、且つ民力(高額所得者層が住む地域)高い地域に限定して店舗展開している。

成功のポイント 立地条件の良いところに設置するが店構えにあまり投資しないで、顧客の求める商品の提供にフォーカスし、他店のようにあまり回転しない商品まで陳列することはない。但し、生鮮食品への顧客の声をしっかり聴くため、店員はアルバイトでなく全員正社員で仕入れ各店長に一任されている。

企業名 大塚製薬

マーケテイングタイプ 人口動態的視点で確認された男性意識変化の取り込み

売上げ高 5300億円

成功商品・サービス 同社は過去にポカリスエット、オロナミンC、カロリーメイト、ソイジョイなどスポーツ系ドリンクの新市場を開拓してきた。それらの販売が頭打ちの中で新製品として男性スキンケア製品に参入した。ターゲットは中年男性、スキンケア、ニオイ対策品

背景 日本で男性が体臭を意識してケア商品を使うことが少なかったが、動態調査の結果男性の体臭に対する関心が高まっていることが判明した。

成功のポイント かって日本では頭髪用整髪料や洗顔料が男性用に販売されてきたがニオイをや肌のケアに対する商品はほとんど見られなかった。しかし現在の中高年は若い時にファッションの洗礼や清潔感への関心が高まったことから肌やニオイ対策に抵抗が少ない。特に加齢臭という言葉が日常的に頻繁に使われるようになり、ニオイ対策には敏感になっている、同社はこのトレンドをつかみ購入に抵抗を示す層に対しても清潔感のイメージキャンペーンを通じてプロモーションしている。

企業名 アニコム損害保険

マーケテイングタイプ サイコグラフィック的視点のセグメンテーション

売上げ高 138億円

成功商品・サービス ペット保険の専門会社として発足。保険会社はレッドオーシャン市場となっており多数存在し競争が激しく、ペット保険も商品の一部として販売している会社も存在したが、ペットと家族を考えたペット専門保険は同社が初めて。

背景 少子高齢化が進む日本ではペットの数が15歳未満の子供の数より増えている。ペットに対するケアも進み寿命が長くなっている。半面、生存リスクも高まっている中で、ペット保険が普及していないため家族のペット医療費の負担が高まっている。同社は保険市場は成熟しているが、ペット保険は今後も成長ビジネスであることを日本人のライフスタイルの変化から認識しサービスを開始したとところ急成長を続けている。

成功のポイント ライフスタイルが変化している中で従来の常識に固まり大手の損害保険会社は全くケアーしていない分野に、成長の機会を見逃さなかった。身の回りでどんなことが起きているかを冷静に見つめ、困りごとがないかと言う視点で課題探索した結果の発見であった。

企業名 ハウス食品

マーケテイングタイプ 行動変数視点のセグメンテーションにより、継続購入のポイントを調査

売上げ高 2143億円

成功商品・サービス アルコールを飲む前の飲料「うこんの力」200円/本

背景 生活者の行動様式分析の結果30~40代の日本人男性は継続的に栄養ドリンクを飲用、アルコールを常飲するため肝機能を心配、納得すれば高くても購入する、コンビニの利用者が多い等の特徴が判明した。更に同社の食品には従来ウコンが使用されており、生活者は飲酒した時にはウコンが体によさそうなイメージを50%以上もっていることが判明。これらの調査から飲酒の前にウコンを使ったドリンクを飲用するしてもらう商品コンセプトが決定

成功のポイント 健康美容食品、飲料市場は2005年以降減少している中で商品名やデザインだけを変えて低価格で販売する商品が増えているが、低価格は市場の先取りであり市場の創出にはならない。同社はこのような市場で低価格でなく多少高くても販売可能な新しい市場創出を模索した。その結果、飲酒する機会が増えている世代が抱える肝臓への不安を和らげるため飲酒前にコンビニで飲めば肝臓への負担が軽くなると言うこれまでにないイメージ創出に成功。発売から15年経過するも同社の主力商品となっている。

企業名 TOTO

マーケテイングタイプ ブランドによるマーケテイング戦略、

売上げ高 5860億円

成功商品・サービス 温水洗浄便座「ウオシュレット」1980年

背景 経済発展に伴い日本社会に水洗式トイレが普及とともに同社の腰掛式便器の売上が伸びた。同時に社会では清潔さに対する意識が高まってきた。当時米国で病院の肛門科のトイレで使われていたエアウオシュに着目、空気でなく水洗式に改良して発売したところ爆発的に売れ、同社製品の商品名「ウオシュレット」が温水洗浄便座の一般名詞になった。但し同社の企業ブランドはTOTOであり商品名と混同され、同社の他の製品キッチン関連やバスルーム関連のイメージに影響しないように商品カテゴリー別にサブブランを設定している。

成功のポイント 「ウオシュレット」の開発は同社製品の従来品の改善からの発想で生まれたが時の社会的ニーズを的確につかんだ製品開発であった。一方でこの事例は当社が他の製品も含めたバランスのよい成長の為のブランド戦略としての事例として紹介している。

企業名 富士フイルム

マーケテイングタイプ 新市場へのサブブランド型参入

売上げ高 2兆4000億円

成功商品・サービス 写真フィルムメーカーから化粧品への進出

背景 カメラ市場はデジタルカメラやスマートホンの登場でアナログ市場が急激に縮小された。アナログカメラのフィルムの製造販売を主力事業としていたコダック社は2012年に倒産。同社も業態変換を目指して新規事業を模索していた中でフィルム製造で蓄積された技術やノウハウの活用を検討し化粧品事業への参入を決定。

成功のポイント フィルムの半分はコラーゲンでできており、人の肌も同様にコラーゲンを含み女性を中心にコラーゲンに対する関心が高まっていた。加えてフィルム製造でのナノテクノロジーが化粧品製造に有効である事が判明し化粧品事業に「アスタリフト」ブランドで参入した。富士フィルムとしての企業ブランドが強く化粧品のイメージとの融合が難しいことからサブブランとして展開。アスタリフトが富士フィルム社の製品である事を知らない女性も多いが、それを知らされても富士フィルムの信頼感が一般に強いことから肌につける化粧品であっても安心感を与えるシナジー効果を伴っており、サブブランドの戦略的使用例と見なせる。

企業名 住友化学

マーケテイングタイプ マーケテイング3.0時代のCSRマーケテイング

売上げ高 2兆円

成功商品・サービス アフリカのマラリア対策として長時間有効な蚊帳をアフリカで製造販売することで現地に雇用を創出し、収益の一部を現地での学校建設維持に寄付

背景 アフリカの風土病の一つマラリアはWHOによりワクチン接種が進められているが18か月と限定的で死者が減らず貧困の病と言われている。住友化学は5年間防虫効果が持続する蚊帳を開発し単価4000円程度の製品をコストダウンに努め500円程度に引き下げた。更に現地で製造販売することで雇用を創出し、利益の大部分を現地の学校建設維持などに寄付している。

成功のポイント 同社の社是は「自利公私一如、事業は会社として利益を得同時に社会に利益をもたらすべきである」に従いCSRと自社の事業を一体化させることで持続性を担保している。従来の一過性のCSRとはことなり自社業務を通じた社会貢献として社会に認知されている。

ホームワーク自社の環境についてSWOT,3C、バリューチェーン、ファイブフォースのどれかを使い分析してみましょう。明日皆さんに発表して頂きます。

5.中小企業のマーケテイング

グループワーク:大企業に対する中小企業の制約としてどのような事が考えられるか?

5-1.中小企業マーケテイングの必用性

中小企業の普遍的課題 → 課題を克服しながら成長する企業もあるが大部分は持続維持が限界経営規模の制約:人員が限定され、仕入れ生産配送が中心となり顧客開拓販売要員が少ない

独走による成長

独走による成長

独走による成長

独走による成長独走による成長

統率危機

自立危機

統制危機

形式主義危機 発展型中小企業

持続型中小企業

中小企業の発展には経営者のリーダーシップが欠かせないと同時に商品開発に於ける市場情報の収集でも発展段階の初期においては経営者の役割が大きい

中小企業マーケテイングの構造

簡素化(方法)

多義性(実施主体及び対象)

市場直結による問題発見力(意志決定)

経営者の役割リーダーシップ製品サービス開発改善3IM

経営者による直感的顧客ニーズと満足の把握

限られた人員による限られた領域でのマーケテイング大手企業との同様なマーケテイング効果

無制限市場(大企業中心)

限定市場中小企業同士の競争

営業構造 BtoB規模の優位に対して独自技術でのニッチ市場獲得

中小企業同士の競争で規模と範囲の経済が機能し技術水準が影響

BtoC市場多様性より中小企業にも存在訴求の可能性あり

アイデアや広告のユニークさで注目度が高まれば業績向上の可能性

市場規模に対する中小企業のポジショニング考察

中小企業に於ける経営者の役割とその強み意志決定の早さ:大手企業に比べ非常に早い

リーダーシップ:規模が小さいことからリーダーシップが発揮し易い

市場顧客の声の確認:市場や顧客の声が経営者に届きやすい。

制約下での中小企業パターン別マーケテイング4P取り組み

中小製造業 中小卸売業 中小小売業 中小サービス業

製品商品機能面差別 大手が扱わない

商品品揃え商品機能と個性的商品取り扱い

中核と周辺サービス地域での名声

価格コストベース積み上げ

数量値引き 売り場雰囲気と値引き選択

顧客値頃感の重視

販促卸小売り活用 最新情報提供 インストアマー

チャンダイジングとPOP

最終消費者への注力

流通立地卸小売り消費者企業系列(下請)

迅速配送、顧客財庫圧縮

消費者満足追求立地別

生産と販売が同時性による立地選好

人的制約の中で4Pに於ける限界に加えソーシャルマーケテイング、環境対応、CSRなどの動きに対する限界が見られる

簡素なマーケテイングと多面的効用が期待できる取り組み

マーケテイング

機能的分野:4P等

戦略的分野:事業領域の選択等

象限4厳しい競争

リーダー フォロワーニッチャー イメージ

嗜好性

象限1中小企業同士の競争

規模限定の既存マーケテイング展開

象限3リーダー模倣

地域ドミナント確率ブランド確立

象限2リーダー又は棲み分け成熟商品、伝統的熟練地域ブランドの存在

競争強度強

市場規模

大 小

中小企業は各市場においてその特性を考慮することで存在位置を確保できる

中小企業業態別3つのIM

3つのマーケテイング 1.インタラクテイブ マーケテイング(Interactive Marketing)

2.インターオーガニゼーショナル マーケテイング(Interorganizational Marketing)

3.インターナルマーケテイング(Internal Marketing)

製造業 卸売業 小売業 サービス業

インタラクテイブ BtoBによる業務を通じて技術とコストのバランス

地域小売り業や業務販売を通して迅速対応

消費者との直接会話によるニーズの把握

地域深耕による対話と持続性維持

インターオーガ二ゼーショナル

下請け関係上位企業との縦型協同意識

業者間商品融通仲介による顧客満足提供

商店街など地域的集積による協同仕入れ等機能協力

地域協同によるサービスの利活用

インターナショナル

従業員満足に向上よる支技術向上

卸売り業の信用向上の為の機能性改善を目指して内部管理体制改善

家庭的経営による意志統一

従業員による顧客との新サービス創造

5-2.中小企業マーケテイングの実践

既に確認したマーケテイングプロセスを参考にしながら中小企業の実践プロセスを学習する。

自社内外分析から市場開拓までのプロセス

市場開拓を進める

経営資源を把握する 変革テーマを見出す

新たな取り組みへの経営姿勢 顧客志向性を高める 新たな取り組みへの経営ノウハウ高める

事業計画をまとめる

事実把握に取り組む

自社の内外を見ていない顧客が誰か見えていない他社や他社製品との優劣が見えてない

お金がない人がいない物がない技術がない

何をして良いか判らない改革のネタが見えない改善するところが見えない

やる気がない新しい事をやる気がない後継者がいない

顧客がいない顧客の満足が判らない

何から始めて良いか判らない自社の強みが判らない人物金が推進力にならない

アイデアが具体かしないパートナーがいないブレイン、支援者がいない計画がまとまらない

顧客ができない標的顧客が定まらないアピールポイントが見えない商品計画見直しが進まない

1 2 3

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6 7

中小企業としてよくある状況

事実把握に取り組む

自社の内外を見ていない顧客が誰か見えていない他社や他社製品との優劣が見えてない

事実把握に取り組むとは客観的に自社の経営姿勢を把握したり、経営環境変化を認識することである。事例1.レストランの店長が顧客から店頭の照明が切れていると告げ

られた。店長は顧客にお礼を言いながら、昨日の強風により照明が切れてしまったが、店員が突然休み電気店に連絡できず照明が切れたままになっていると説明した。

課題:この経営者は問題に気づいていない。あなたならどのようにアドバイスしてあげますか?

事例2.初めて使うレストランに食事の予約を入れた客が予約時間に店を訪問したところ店は入り口から奥まで見渡せるオープンスペースになっている。本来は食事時で混み合っていると思って予約したが実際には客はほとんど入っていなく、あまり人気がない店なのかと不安になった。又子供連れで予約なしできた家族は店が混みあう夜の時間帯は子共連れはお断りしていると入店を拒否された。ところがレストランのオーナーは来店客数が少なく赤字を嘆いている。

課題:さてあなたがオーナーなら状況を改善するために何から始めますか?

改善ヒント1

改善ヒント2

何をして良いか判らない改革のネタが見えない改善するところが見えない

変革テーマを見出す3

顧客や取引先他関係者、競合情報などより改革改善テーマを探索しリスト化するアイデア源泉例

1.顧客顧客要望顧客不満市場調査フォーカスグループ

2.競合競合動向確認

3.流通チャネル原材料供給者

卸、小売り4.研究開発関係者5.内部販売部隊従業員ステークホルダー

6.メデイア、コンサルタント

改善ヒント3

変革テーマを見出す

何をして良いか判らない改革のネタが見えない改善するところが見えない

自社の内外を見ていない顧客が誰か見えていない他社や他社製品との優劣が見えてない

事実把握に取り組む 経営資源を把握する

お金がない人がいない物がない技術がない

各プロセスの確認を終えたら重要プロセスをピックアップして解決シナリオを考える

例。変革アイデアをまとめる

顧客や取引先他関係者、競合情報などより改革改善テーマを探索しリスト化する

リスト化案件より自社で取り組めそうな案件を抽出する。その際自社だけでなく、パートナーとの協同化も考慮する。

事業計画策定までのプロセスが進まないなら遡って検討する。

3 1 2

新たな取り組みへの経営姿勢

やる気がない新しい事をやる気がない後継者がいない

新たな取り組みへの経営ノウハウ高める

何から始めて良いか判らない自社の強みが判らない人物金が推進力にならない

リーダーシップ論参照

事業計画をまとめる

アイデアが具体かしないパートナーがいないブレイン、支援者がいない計画がまとまらない

新規事業計画をまとめる際、単一事業だけでなく、メインの新規事業がうまく進展しない場合を想定し複数案を用意することが望ましい。その際には全く異なるビジネスでなく補完関係にある事業などメイン事業の関連事業が好ましく、当初のメイン事業が成功した場合に事業の拡張領域としても取り込める可能性を残す。

事業計画を作成する目的

1.事業アイデアを明確な実行計画に落とし込み、事業の推進と進捗確認を容易にする。

2.社内関係者の行動指針、行動計画の明確化ができる。

3.外部関係者として事業パートナーの探索、資金提供協力者の事業理解を得やすくする。

会社概要(創業者、設立背景、事業沿革、事業内容、資本金推移)

1.新規事業について 3.事業スケジュールについて(既存事業と新規事業)

  ①事業名    ①事業開始までの準備計画

  ②社会背景を踏まえた事業の狙い     ②年度毎又は半期、4半期毎の計画

  ③提供する商品やサービスの内容 4.数値計画について

  ④狙いとする市場や顧客    ①売上計画(日時、月次、年次、中期)

  ⑤仕入れ生産性    ②売上原価計画

  ⑥新規性や独自性    ③人員及び人件費計画、福利厚生費計画

  ⑦競合分析と競争優位性    ④経費計画(販売費及び一般管理費計画、原価償却費計画)

   (競合他社、競合商品、競合箇所、理由、強味弱み比較    ⑤資金計画(設備計画他の使途面、借入金や投資受入れ等の調達面)

    他社参入可能性、難易度、影響等)    ⑥損益計画

  ⑧市場分析と市場開拓、市場拡大戦略

  ⑨価格設定政策と具体策

  ⑩販売促進策と具体策

  ⑪生産購買計画

  ⑫売上高利益目標設定

  ⑬工場や店舗の詳細

2.既存分野を含む企業全体について

  ①経営方針(経営理念、今後の事業方針、ビジョン、株式公開等)

  ②業界展開と今後の基本戦略 

    (顧客ニーズを含め経営環境変化、業界動向と当社比較、強味弱み

脅威機会分析)

  ③その他

    (決済方法、経営陣、組織図、事業資産、株主構成、主要金融機関、

利用外部機関等)

事業計画をまとめる事業計画フォーマットサンプル

環境分析と基本戦略及びマーケテイングの流れ

マーケテイング理論 イノベーション理論 ビジネスモデルマーケテイング戦略の最終ステージではビジネスモデルを参照にする。ビジネスモデルは市場での成功事例のエッセンスが含まれている。

6.ビジネスモデル1.地域ドミナント2.顧客ライフサイクルマネジメント3.顧客の購買代理4.プラットフォーム5.ソユーション6.同質化7.アンバンドリング8.デファクトスタンダード9.レーザーブレード10。ダイレクト

ビジネスモデル 地域ドミナント

モデルの特徴 地域に競合が入れないように高密度に出店する。店舗間での客の共食いが見られるが、商品、材料の配送や、広告での効率化が期待できる。又、一定期間定着すると価格コントロールがし易くなる。

顧客セグメント 地域子顧客対象とし地域では知名度が高い

提供価値 顧客への地理的便利性

価格収入構造 一定期間の定着後は価格コントロールし易いが、あまり高いと競合参入が始まる。

リスク 地域需要の独占により事業計画が作り易い

競争優位性 地理的に競争の参入を阻止するが極端な市場支配策は顧客離れを誘発し他社の参入が始まる

適用される状況 地方での事業者などの店舗展開の定番、フランチャイズとの相性は悪い

適用事例 スターバックス、イオン等

ビジネスモデル 顧客ライフサイクルマネージメント

モデルの特徴 CRMにより顧客と生涯にわたり付き合い製品ピラミッドを用意して高級製品サービスへ誘導する

顧客セグメント 子供の時から付き合いが開始される

提供価値 慣れ親しんだブランドへの安心感と商品サービスのバリエーションによる顧客選択肢を増やすことで顧客を囲い込む

価格収入構造 ブランドへの信頼からある程度の価格支配は可能であり、事業計画が作り易い、但し品質が伴わないと他社に逃げる。

リスク 他社同行の監視だけでなく顧客の嗜好やステータスの適宜の確認がないと他社に失う

競争優位性 差別化された商品サービスラインとバリエーションがあれば顧客を囲い込める

適用される状況 ライフサイクルに合わせた商品サービスが展開されている事

適用事例 トヨタ(カローラからクラウン、)ベネッセコーポレーション(子供学習~介護)

ビジネスモデル 顧客の代理購買

モデルの特徴 顧客の代理として顧客が依頼する商品サービスを顧客視点で調達する。規模の経済を使い低価格での調達を得意とするところと顧客の理解して適切な商品サービスの調達を行う二つのタイプがあるが、顧客への引き渡しは調達価格で行い調達手数料を受ける

顧客セグメント 価格感度が高く、購買に自信がない客

提供価値 顧客の立場での調達代行

価格収入構造 取引には介在しないで成功報酬的手数料を受ける

リスク 十分な顧客を維持できないと規模の経済が展開できず顧客を失う。

競争優位性 顧客の先取りと取引実績が長くなると他社の参入を阻止できる

適用される状況 メーカーのダイレクト販売に対抗可能

適用事例 アスクル、ミスミ、グルーポン

ビジネスモデル プラットフォーム

モデルの特徴 自社の仕組みの上で顧客同士が取引したりオークションの場を提供する。ネットではE-marketplaceと呼ばれるし、リアルでは株式他各種取引所と呼ばれる。ネットでは場の提供に対する手数料や広告が収入減となる。ネットワーク効果で成功すると莫大な収益になる。

顧客セグメント 全ての顧客

提供価値 場の提供により顧客同士を結ぶ

価格収入構造 手数料、広告料

リスク 業界トップになれないと存在価値が薄い。但し専門サイトの高い分野でのニッチトップは可能

競争優位性 場の使い勝手、参加者の多さ

適用される状況 広く活用され、グローバルにも展開される。

適用事例 Facebook Yahoo オークション 他

ビジネスモデル ソリューション

モデルの特徴 商品や単純サービスの販売でなく、それらを使いながら顧客の抱えるそれぞれの課題に個別の改善提案を行う。課題解決した顧客ベースが増えると提供者のノウハウも拡大されて他社との差別化になる。

顧客セグメント ソリューションの理解とソリューションという課題解決への対価支払い可能な顧客

提供価値 蓄積された課題と解決ノウハウによる顧客課題の解決

価格収入構造 コスト構造ではなく解決により顧客が受ける利益の多寡により相場が決まる。但し競争が激化し相場は低下している。

リスク 真の解決でなく単に販売の領域に留まる業者も見られコンサルに対する否定的な意見も多い。

競争優位性 一端顧客が満足する解決ができると風評効果が高く顧客の拡大と囲い込み可能

適用される状況 モノや単純サービスの需要が停滞うる成熟市場でニーズが高まる

適用事例 IBM、デロイト、アクセンチュア―他

ビジネスモデル 同質化

モデルの特徴 市場のトップ企業が2位以下の企業が差別化策で対抗してくると資金力と組織力で同じ戦略を採用して対抗企業を潰してしまう戦略

顧客セグメント 市場顧客全体に対応

提供価値 競合が打ち出す戦略の模倣による価値提供

価格収入構造 価格は2位以下と同等が基本

リスク 2位以下が顧客評価を確認済みでリスクが少ない。但し、顧客から大手の驕りと評価される事は避ける必要がある

競争優位性 規模の優位性を持つことによる戦略

適用される状況 この戦略はトップ企業にのみ許される

適用事例 日本コカコーラー、トヨタ、IBM

ビジネスモデル アンバンドリング

モデルの特徴 従来商品サービスの一部として販売されていたものをモジュールに分解して顧客が不要と思う部分を削除して安く提供する。

顧客セグメント 価格感応度が高い顧客

提供価値 不要なもの部分を除いて安く販売

価格収入構造 不要なものを除くことで安くなるので顧客が増える傾向にあり、除去した部分が必要な場合はオプション化する。

リスク アンバンドリングは競合の従う可能性を否定できないのでその時の差別化策は準備しておく

競争優位性 価格優位

適用される状況 既存事業形態に不満を持つ客が多い場合

適用事例 LCC、QBハウス、ユーテイリテーオファ

ビジネスモデル デファクトスタンダード

モデルの特徴 業界におけるイノベーテイブな製品システムを開発販売し業界の実質的標準品となる独占状態を確保、バージョンアップによる他社を排除してコストや事業リスクを下げる。

顧客セグメント できるだけ大きな範囲をカバー

提供価値 自社製品が世の中の実質的標準品となる

価格収入構造 値引き販促不要の独占的立場を確保

リスク 他社が自社製品を上回る製品を出す危険

競争優位性 業界標準とのしての立場が強まるとスイッチコストが高まり安定的地位を維持できる

適用される状況 相互関連性が高い製品で独走的製品ができるとこのモデルが成立し易い

適用事例 マイクロソフトOS、インテルCPU他

ビジネスモデル レーザーブレード

モデルの特徴 最初に購買される本体を安く販売しその消耗品や保守サービスを比較的高くして利益を上げる。顧客は消耗品を買わざるを得ないので製品のライフサイクル全体を収益サイクルとすることで大きな収入になる。

顧客セグメント ジレットひげ剃りから大型複写機まで様々な顧客層で展開される。

提供価値 顧客はライフサイクルに必用な全ての消耗品や購入したり、サービース契約の締結が不要で必用に応じて購入したり、契約できる。

価格収入構造 消耗品や保守サービスが収入源

リスク 消耗品やサービスへの第三者の出現

競争優位性 継続的新製品投入で優位性維持

適用される状況 消耗品やサービスが必用な製品

適用事例 ジレット替え刃、エプソンプリンター他

ビジネスモデル ダイレクト

モデルの特徴 メーカーや保険などの本社が代理店や小売店を経由しないでネット経由でダイレクトに消費者や顧客に販売する中抜き

顧客セグメント 最終顧客

提供価値 中間マージンの削除による低価格販売、マスカスタマイゼーション、ロングテール

価格収入構造 中抜きによる低価格

リスク ダイレクトは価格感応度の高い顧客で、ネットでの他社との比較も容易のため常に他社比較は必用、又EC取引は返品率が高いのでロジステイクスの業務対応を十分に行う必用がある。

競争優位性 既存チャネルは中間業者との関係で参入できない、競争はEーコマース同士の競争

適用される状況 競合がチャネル支配して参入できない状況において新規参入業者は入りやすい

適用事例 外資系生命保険、既存メーカーでは既存ルートに制約されない製品に限定

7.イノベーション

企業の規模的大小を問わず事業の成功は組織としての力とイノベ―テイブ(革新的)な事業アイデアを生み出せるかに負う。ここではイノベーションについて考察し、企業がイノベ―テイブなアイデアを生み出す仕組みを学ぶ。

1)J・シュンペーターシュンペーター(1883-1950)によれば、市場経済は、イノベーションによって不断に変化している。そして、イノベーションがなければ、市場経済は均衡状態に陥っていき、企業者利潤は消滅し、利子はゼロになる。したがって、企業者は、創造的破壊を起こし続けなければ、生き残ることができない。

シュンペーターのイノベーション既存知と既存知の組み合わせ

1.新しい財貨の生産2.新しい生産方法の導入3.新しい販売先の開拓4.原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得5.新しい組織の実現(独占の形成やその打破)

イノベーションの成否は→無消費者(潜在顧客)の願望の発見

新市場型破壊例1950年代アメリカの若者潜在願望「音は悪くても外でロックを聴きたい」真空管式ラジオは高音質だが室内専用

破壊的技術ソニー

ローエンド型破壊例高級百貨店メーシーズは色々な製品を販売しているが価格が高い。品質は劣ってももっと低価格製品を多数そろえる店があれば便利

ウオールマート、ワンペニーショップ

7-1イノベーションのジレンマ:C・クリステンセン

時間

性能

破壊的インベーション技術は新たな破壊的イノベーション技術で駆逐される

こんなのはおもちゃと思われた製品は持続的改善で進化し従来製品を凌駕する。

グループワーク特定事業で成功したA社は首位の座をキープするため常に顧客の声に傾注し、顧客満足を高める新技術開発に投資を繰り返してきたが今では事業の成長は止まり経営不振に陥っている。このような状況になった理由としてどんな事が原因として考えられるか?

破壊的イノベーションとは?従来技術製品より機能は劣るが新しい市場で評価される製品が生まれると、やがてその市場で機能が改善され従来の市場での従来の製品を駆逐するようになる

事例1 デジタルカメラVSスマホカメラ

大企業のイノベーションへの取り組みが遅れる理由1.企業は投資家と顧客依存し、イノベーションによる新しい製品開発で既存客を失いたくないし、

短期的利益を重視する投資家に対して回収に時間のかかる新規投資の提案はしたくない。

2.新規市場の初期は市場規模が小さく大企業の活動場所として相応しくないように見られがち。

3.新規市場は不確実性が高く、投資対象として敬遠されがち。

4.組織に既存事業での成功者が残存し、寄らば大樹の陰的発想で既得権を保護のため新規事業に抵抗する。

5.新規技術の発展性が見えず、更に否定的に見がちである。

イノベーションへの抵抗勢力の追い込み1.危機感の創出2.よそ者、若者、変わり者の投入

事例1:IBMによるPC導入それまでIBMは大型コンピューター開発において世界のリーデイングメーカーであったが、市場のことなるパーソナル市場にコンピューターを開発し同分野でのトップシェア-を得ることになった。その成功の理由は以下の4点と言われている。1.プロジェクトは小さな組織に丸ごと任せた。何故?

2.開発手段はチームに一切任せたが開発期間は1年とした。何故?

3.チップはインテル、OSはマイクロソフトから調達した。何故?

4.販売は小売業者を使い成功した。何故?

7-2キャズム理論:ジェフリー・ムーア(1991)

大部分の新製品はキャズムという深い溝に埋没して再び浮かび上がることは少ない。新製品がキャズムを乗り越えて成功するためはホールプロダクトが準備される必要がある。

電気自動社はバッテリーの充電技術がガソリン車並にならないと普及は難しい。製品の関連市場、インフラを含め新製品が使いやすい環境が整備されないと普及しない。ホールプロダクトとは関連市場やインフラの整備が準備されている状態

7-3アントレプレナー:S・ブランク

J.シュンペーター:イノベーションは既存知の組み合わせ(新結合)でありその事業は資本家と起業家(アントレプレナー)で実現される。

S・ブランク:良い商品なのに売れないのは顧客開発をしていないからである。

コンセプト 製品開発機能検証テスト 販売開始製品開発モデル

顧客発見 顧客実証 顧客開拓 組織構築

方向修正

探索 実行開発商品は顧客の問題を本当に解決できるか否か?顧客はその製品を本当に買うのか?

顧客開発モデル

リーンスタートアップ

7-4バーテイカルマーケテイングからラテラルマーケテイング従来型の発想で変革アイデアに困ったら発想を変えて見るバーテイカルマーケテイング(従来型)

分析→仮説→アクション(商品開発・販路開拓)

ラテラルマーケテイングステップ1「フォーカス」新市場創造(市場、想定顧客)新製品開発(パッケージ、ブランド、パッケージ)

ステップ2「水平移動」代用、結合、逆転、除去、強調、並べ換え

ステップ3「連結」ステップ1のフォーカス対象をステップ2でアイデアを創出しステップ3で実現レベルに高める

ステップ2の水平移動ではオズボーンのチェックリストの活用も効果的1.転用する:新しい使い道、使い方を探す、他分野での活用2.応用する:何他に真似できる物はないか3.変更する:色や機能など、様式や形の変更4.拡大する:5.縮小する6.代用する:異なる利用場所を探す7.再利用する8.逆転する9.結合する

例:ラテラルマーケテイングお菓子製造販売会社(株)江崎グリコの問題

市場は成熟、販売ルートは全て開拓済み、子供人口の減少による売上げ減少が続いた。そこで打開策として新しい市場の検討を開始した「オフィスでのお菓子販売」オフィスでお菓子を食べる習慣は日本では一般的でなかったし、お菓子をオフィスに販売する発想はなかった。一方オフィスでは不況が続き厳しい環境での業務が続いて

いた。

癒やしとしてのお菓子の棚を置いて食べたい時に食べた人が代金を払ってもらう方式の仮説が出てきた。

テストマーケテイングを繰り返した結果アイデアの可能性が検証され。少しずつお菓子棚を採用するオフィスが増えた。これは企業では古くからドリンクの自販機があったが、お菓子の自販機はなかった点、職場でたばこを吸う習慣が日本から消えたがそれに代わる癒やしが提供できないかなどのアイデアがブレーンストーミングで出され次第に現実的な提案に固まっていった。

江崎グリコのオフィスグリコの発想法

ステップ1「フォーカス」新市場創造:オフィスに於ける菓子販売と言う新事業

ステップ2「水平移動」代用:オフィスで売り場の代わりになるもの、オフィスにリフレッシュメントを提供できる場結合:農家の無人野菜販売所の発想、代金回収として銀行の提供する貯金箱のイメージ活用逆転:既存の代金回収の盲点、特定の人が利用する事を前提とした代金回収除去:職場に菓子を置くデメリット除去とメリットに換える発想、菓子の置き場を目立たなく

する方法強調:仕事の効率を高める存在としての菓子、災害時の非常食としての菓子並べ替え:絶えず鮮度をアピールできる品揃え

ステップ3「連結」利用者はオフィスに設置されたフィフレッシュボックスにある24種の菓子を選び代金100円を代金箱「ヨミガエル」に投入。サービススタッフが週に1度代金の回収と菓子の補充に訪問

7-5リバースイノベーション2012年B・ゴビンダラジャン、C・トリンプル

先進国と途上国の所得差

先進国製品 途上国途上国一部の高額所得層のみ

先進国メーカーの生産基地

経済の発展による消費市場化

途上国として製品ニーズの顕在化

グーロバリゼーション グローカリゼーションローカル

イノベーションリバース

イノベーション

リバースイノベーションプロセスと条件

1.ローカル市場を重視して権限移譲する2.開発人員は大部分をローカル市場に費やす3.ローカルチームに損益の責任を与える4.製品開発販売決済件をチームに与える。5.ローカルチームに本は資源の活用と支援を認める6.ロカール開発製品をグローバル展開する。

98

新製品は企業の競争力向上の決定的要因の一つである。1ほとんどの新製品は成功しない。2従来製品での販売低迷に比べヒット製品は会社に急成長をもたらす。3ヒット製品の登場が会社の全部門の動きを変える事がある。4ヒットする新製品を企画できないのは会社の主要メンバーの市場に対する近視眼

8.新製品企画開発

新製品の失敗理由

1他社製品との違いが少ない新製品投入2差別化が曖昧3品質が悪い.

4計画された長所が見えない5マーケテイング支援が少ない6価格と品質のバランスが悪い7市場規模予測の失敗8製造、販売コスト見積もり失敗9チェネル選定失敗10急激な市場変化

99

新製品開発戦略

新製品とは?1. 世界的な新製品2. 会社の既存製品に対する新製品3. 会社の既存製品に対する新規カテゴリー製品4. 既存製品の改良、見直し製品5. 既存製品による新規市場開拓6. 既存製品のコスト改善製品

製品市場

既存 新

既存 市場深耕 新製品

新 市場開拓 多角化

アンゾフ成長戦略:新製品と新市場

100

新製品企画開発プロセス

新製品の企画開発の一般的流れとポイント

アイデア創出一般的に一つの成功アイデアが創出される裏で60から70のアイデアが失敗に終わっていると言われ、その資金は全開発費の4分の3に相当する。しかし、アイデアの開発において最も金のかからないプロセスであり、ここでなるべく多くのソースからアイデアを集めることが新製品開発成功への道程となる。

トップマネージメントがリスクを回避したいなら革新的製品開発は期待できず、マイナーチェンジの製品の山にやがてその会社は消えていくであろう。

全開発プロセスに対してトップの開発計画者への手厚いサポートこそが革新的新製品を創出するドライブフォースとなる。商品化

テストマーケテイング

プロジェクト発足

推進

スクリーニング

アイデア創出

101

新製品開発アイデア源泉の事例

1.顧客a. 顧客要望b. 顧客クレーム不満c. 市場調査d. フォーカスグループ

2. 競合a. 競合製品動向b. 競合品テスト情報c. 業界動向

3. 代理店情報a. 供給者b. 代理店c. 小売店d. 展示会

4. 研究開発生産部門情報a. 製品試験b. 製品認証試験c. ブレーンストーミングd. 偶発的発見

5. その他社内情報a.マネージメントb. 営業部門c. 従業員提案d. 革新グループ会議e. 株主会

6. 外部情報a. コンサルタントb. 学術誌c. 業界誌

102

新製品開発における事前審査項目

1. 市場の要求に答えているか?2. パテント申請の可能性 ? 独占禁止法抵触の可能性?3. 現在のチャネルや営業部隊で販売可能か?新規ならどんなチャネル、営業部隊は何名

必要か?新規の販売教育やトレーニングは必要か?4. 単位あたり製造コストはロット別で管理されているか?ブレークイーブンは明確か?5. パーケージは発売コンセプトを反映しているか?6. ROIは?7. 当初の価格が受容されないケースの目標ロット、原価、単価はロット別に検討してい

るか、発売中止の決定はどこで行うか?

テストマーケテイングアイデアが新製品として実用化されるか否かは十分なテストマーケテイングにより細部の課題が改善されているかどうかである。テストマーケテイングの結果は製品の改良だけでなくマーケテイング戦略の変更やマーケテイングミックスの変更につながる。十分なテストマーケテイングを経ずに中途半端な状態で発売することは、多大な開発費のロスや資本を減少せるので開発における重要な意志決定プロセスと位置付ける。

103

新製品初期流動管理

新製品が市場投入されると、当初の計画に従って初期流動評価される。そこで観察された項目は改善計画、状況により発売中止決定となる。

主な初期流動管理項目

顧客受容 商品

使い勝手における顧客受容顧客満足度売上

財務成果

ブレークイーブン時期利幅ROI投資対効果他事業性評価

コスト投入時期適否商品機能品質

Other

新製品投入による財務面以外の効果例企業イメージ、社内モラル等

9.価格戦略

価格は価値を表すが、低価格戦略と高価格戦略はそれぞれ変更はできない。但しほとんどの分野で低価格戦略より高価格戦略を採用する企業が多い。

低価格戦略成功要因発売当初より低価格大量販売を継続効率の徹底追求バラツキの内品質維持顧客の望まないことはやらない値引きは避けEDLP(常時低価格)

高価格戦略成功要因価格に見合う価値提供安定した高品質高いブランドイメージを確保常に改善を訴求販促値引きは絶対行わない

価格戦略での3つの留意点

1.プラシーボ効果価格は品質と結びつけて理解される。

2.アンカーはじめの価格は判断ベースになる

3.プロスペクト理論損する金額は得する金額より大きい。

価格弾力性を考慮する。

価格の変動による重要の変動が大きいケースを価格弾力性が高いと言う

競争が多いケース:価格の変動は需要の取り合いなるので総需要だけでなく、競争も価格弾力性に影響する。

新製品価格の設定価格弾力性高い→市場浸透価格戦略:攻撃的な安い価格で短期間に市場シェアーを確保価格弾力性低い→経時的価格改訂

その他の戦略的価格設定補完価格設定:消耗品ビジネスが存在する場合には本体を安く、消耗品を比較的高く設定する。定額制、従量課金制価格設定:使用頻度の高い顧客には定額制とし、少ない客には従量制を適用ゾーン価格設定:販売スポットにより価格設定を変えるイメージ価格設定:販促策、付加サービス、店舗により価格設定を変える

10.消費者、組織タイプ別購買意志決定プロセス

多数の事例をベースとした購買意志決定プロセスより次の基本プロセスや特徴が分析されている。自社の製品サービスが消費者或いは製品サービス自体が社会的にどのように普及しているかを把握することで自社製品サービスの販促活動や販売に活用することで購買決定まで効果的な誘因策の展開が期待される。

消費者の購買意志決定影響因子と決定プロセス

意志決定影響因子(社会的影響、マーケテイング、購買決定状況)

社会的影響因子:取得水準、学歴、居住地域、職業社会的影響要因によりカテゴライズされる各グループ内では間接的直接的に関心事や購買特性に類似性が見られる。例えば高額所得者グループでは名誉、メンバーシップ、教育、社会貢献などが関心事となり購買製品、ブランド選考などに類似性が見られる一方中位所得者グループは衣料品に関心を持ちメデイアの宣伝に影響されやすく子供の教育への関心、より高級ブランドへの関心も強い労働者階層、低所得層では家族、親戚に家計を依存依存しあい、より軽い肉体労働やレジャーに関心が高い

マーケテイング影響因子:マーケテイングによる影響は商品、価格、販促、ブランドに影響される。特にブランドイメージは確立されるまでは時間を要するので、長期的視で取り組む。又販促の中では広告宣伝による認知活動が重要であるが、目標顧客が好むメデイアの選択も重要販売される店舗や地域の選択なども購買意志決定に影響を与える

購買意志決定状況因子: 購買意志決定がどうのようなタイミングや場所で行われるかも意志決定に影響し、要因として物理的因子:居場所、近くのデカル、香り、照明、天気、視覚に入る展示商品

社会的関係:知人との関係や気性

時間時候 :季節,前回の購入時期、食事時間前後、休暇

現在状況 :緊迫不安、喜び、敵愾心、興奮、現金を手にしている、疲れている状況

消費者購買意志決定プロセス

必用認知 選択肢探索 選択肢比較 購買決定 使用後評価

使用後の評価結果は次回の購入選択時の判断知識としてしく蓄積される

消費者購買意志決定は常に一定のプロセスを経由するのでは、日常品など低額商品では比較選定プロセスが省略される。

1.家、車、PCなど高額商品はショウルーム見学などに十分な時間費やす。

2.シャツやパンツなど衣料品などは数店舗を訪問して決定する。

3.靴下、飲料、食品などの日常品は購買するブランドが決まっている場合が多い

これらの購買決定プロセスの特徴を考慮した販売商品の販促策が決定される。

組織購買意志決定影響要因と決定プロセス

一般企業組織・政府系組織の購買意志決定影響因子は購買意志決定プロセスと密接に関係する

購買タイプ別影響 組織内機能別影響 個人選好特性

単純契約更改タイプ部分修正契約更改タイプ新プロジェクトタイプ

ユーザー購買担当購買決定者

知人関係者職業的専門性自尊心リスク警戒者信念個人的野心

組織機能別特性

組織特性技術指向:技術部門製品指向:生産部門

組織規模組織集中度・購買部門

購買提案

購買決定影響因子

購買決定プロセス

ベンダー比較 購買交渉 購買後評価

組織購買タイプ マーケテイング要素 アプロ-チ

広告宣伝 ユーザー認知加速宣伝企業イメージ

単純契約更改 販促策 展示会招待等イベント

販売 購買自動化提案

広告宣伝 競争比較宣伝

部分修正契約 販促策 顧客現場デモ 展示会招待

販売 既存客工場招待、新規客トレードイン価格提案

広告宣伝 従来製品に対する革新的製品

新規プロジェクト 販促策 展開会デモトライアル使用推奨

販売 顧客への新製品機能と顧客メリットの徹底訴求

タイプ別マーケテイングアプローチ

111

11.マーケテイングコミュニケーション

認知 理解 確信 発注

営業マンの力

広告宣伝

販促策

パブリックレレーション

マーケテイングコミュニケーションとは顧客に対して営業マン、広告宣伝、販促策、PRの全てを通じて共通のメッセージを発信して発注決定まで誘導する仕掛けである

下記はそれぞれどのステージで強い効果を持つかを示す

112

プッシュとプルタイプのマーケテイングコミュニケーション

プッシュ

プル

マーケットコミュニケーション

生産者 卸、小売り 消費者

引き合い

マーケットコミュニケーション

生産者引き合い 卸、小売り 消費者

マーケテイングコミュニケーションメデイアを使った広告宣伝、PR

リベート/コンテスト等の販促策中心

113

広告宣伝に於けるチェックポイント

広告宣伝は計画的に実行されるべきではあるが内容は都度ユニークな進め方で構わない。但し効果を確かに為るためには計画について以下を自問自答するとよい。

1. 宣伝はだれが管理しているか?2. 他のコミュニケーション費用と比較で宣伝にはいくら使うのか?3. だれに向けた宣伝か4. 商品についてなんと説明しているか?5. どんなメデイアを使うか?6. 宣伝の有効期間をどう見ているか?7. 宣伝の曜日と時間は適切か?8. 効果はどうのように測定され、その評価基準は正しく設定され管理されているか?

114

宣伝に使用される各メデイアの長所短所

新聞長所1. 変更し易い2. 地域を集中カバー3. 広い範囲にも展開可能4. 印刷文字に対する信頼性が高い短所1. 一過性2. 注意深く読まれない3. 無視されるか見過ごし安いラジオ長所1. 聴者の選択可能2. 低コスト3. 地理的制限が少ない短所1. 音声のみで残らない2. 傾注度が低い3. 一過性看板長所1. 柔軟な設計2. 競合とのコンフリクトを避けれる3. 何度も視覚に入る4. 比較的低コスト短所1.創造性が薄い2.視覚の障害

3.視覚者の選択がなTV長所1. 音と視覚とアクションで訴えれる2. 五感へのアピール3. 大衆向け短所1. 対象の選択なし2. 瞬時の印象3. 短命4. コストが高い雑紙長所1. 地理的、人口統計的選択可能2. プリント品質がよい短所1. 放送までの時間待ちが長い2. 優先度の保証はない3. (割り増しを払えば保証)DM長所1.対象の選択2.変更が柔軟3.個人向けのクリエート可能短所1.比較的コストが高い2.読まないで捨てられる可能性高い

インターネット長所1. 双方向2. 低コスト3. 注目される場所に広告を打てる4. タイムリー5. 高い情報密度短所1. 低い傾注度2. 短期的3. 読者側の選択4. 邪魔者扱いされる

IMC(Integrated Marketing Communications)

IMC

プロモーションミックス

流通

価格

製品

広告

PR

人的販売

セールスプロモーション

顧客とのコミュニケーション

IMCは企業活動の全てにおいて一体感をもって顧客にアプローチする為の社内の統合管理

(理念、ビジョンに基づいた組織統合)

ブランド戦略

ブランド普及は顧客維持、新規顧客誘因、自社提案価格受容性において有効な企業資産である。

ブランドイメージ:今どう見られているか?

ブランドアイデンテイテイ:将来どう見られたいか?

ブランドは4つの視点で考える1.製品ブランド:ブランドによる製品イメーと機能便益の定着

例 コーラの褐色:清涼感、ソーダの刺激ルイビトン:ステータス、強靱感

2.組織ブランド:製品総体としての企業イメージ例 アップル:最先端技術製品群

アマゾン、グーグル:IT先端、従来事業の変革者3.ブランドパーソナリテイー(個性):情緒的便益、自己表現として便益

例 ハーレーダビットソン:強い男性、安定感、開拓者4.シンボル化:ブランドの強化

例 コーラの赤:清涼感の強化ベンツのシンボル:高級で強靱なドイツ車

ブランド(ロゴ名前)

資産

ブランド連想ブランド認知

知覚品質

ブランドロイヤリテイ その他資産(特許商標など)

ブランド資産の企業価値としての有効性

*マーケテイングプログラムの有効性向上*ブランドロイヤリテイの向上*価格政策の優位性*ブランド拡張*競争地位向上

ブランド向上は企業戦略推進の有効資産となる

ブランド資産の企業価値としての有効性

5.ブランド拡張

1.価格プレミアム

2.ロイヤリテイー

3.プロモーション支援

4.流通業者との交渉力

6.ライセンス供与

7.人材採用

8.資材調達力向上

9.社員のモラル向上

ブランドエレメント(要素)ネームカラーマークキャラクタージングルスタイルパッケージ

見えざるブランド資産

製品・サービスへのブランド付与保証機能識別機能想起機能

ブランド認知ブランド再認ブランド再生

ブランド連想情報処理付加軽減自己表現媒体化

ブランド連想の事例

1.ハーレーダビッドソンの再生1950年アメリカ市場大型車の70%1980年代大型車シェアー10%の凋落・・・ホンダ他日本製バイク1990年代大型車シェアー60%

1980年代後半のレーガン政策「強いアメリカ」と重なるハーレーダビッドソン=「最も大きく、最も重く、最も騒々しい」=「最も男らしい」、「西部開拓のヒーロー」「男らしさ」「愛国心」「社会的拘束から解放」のブランド連想による復活

2.ソニーのウオークマン1979年「録音はできないがステレオ音響を携帯する」コンセプト「最先端技術」「ファッショナブル」「アウトドアを楽しく」のブランド連想はアメリカ西海外の若者にも影響→ウオークマンを危機ながら海外通りをローラースケートで流す

ブランドは一朝一夕ではできあがらない!しかし築かれたブランド価値は高い!

ブランド機能保証識別想起(再生・連想)

マーケテイング効果プロモーション新製品サービスの開発流通網整備価格設定事業ドメインの設定

ブランド育成

ブランド活用

ブランド効果価格プレミアムロイヤリテイープロモーション効果流通ルートへの交渉力ブランド拡張ライセンス供与

ブランド育成は定期的にブランド評価して進めるブランド認知:再生率、再認率ブランド連想:属性評価、知覚品質評価、自由連想ブランド効果:顧客ロイヤリテイー

価格プレミアム流通業者との関係ブランド拡張成果ライセンス供与成果

121

計画前に確認すべき3点(1) 一次データが必用か二次データでよいか?(2) 量的調査(数値)と質的調査(内容?)

(3) 自社調査か外部委託か?

調査計画

一次データ : 今回の調査によるデータ.

例 顧客選好ブランド、商品価格帯二次データ:内部外部により過去に調査されたデー

例 ターゲット市場の人口や経済デー質的調査:インタビューにより調査

フォーカスグループインタビューや街頭インタビュー等

量的調査:数値調査

付録.市場調査の流れと留意点

122

市場調査に於ける主な調査手法と長所と短所

調査方法 長所 短所

フォーカスグループインタビュー

・詳細情報収集.

・使い勝手の自在性・比較的低コスト・情報収集が早い

・経験者が必用・グループサイズやメンバー構成に影響されやすい・司会者のバイアスの危険・接待数が少ない

電話調査 ・集中管理できる調査・コストが比較的かかる・データー収集が早い

・財務データや収入情報開示抵抗・深彫りの限界・低所得者の回答でのバラツキ・法務関係者によるクレーム・迷惑感

郵便調査. ・低コスト・広域地理的分散・管理の簡便性・収集の早さ

・特定セグメントでの回答拒否、接触困難.

・回答の曖昧さ・未回答の理由探索の困難性・所得情報開示の困難性・追加郵便のフォロー率の低さ

個別インタビュー

・電話より深い調査・グループインタビューより回答者数は増える

・オープンにならない・広範な質問は困難・コストが高い・時間超過になりがち

モール調査 ・回答へ柔軟性・短時間情報収集・コンセプトアンケートに便利・回答率が高い

・時間が限定される・回答数の限定

123

Method Advantages Disadvantages

インターネット ・早くて低コスト・データのオンライン処理可能・回答者の都合の良い時に回答

・本人回答、回答の信頼性チェック・本人流の質問解釈による誤解

投影法 ・ニューブランドアンケートに有効・質問の客観化による本人意識の確認・選択肢により本当の動機の確認可能

・質問者の訓練が必用・時間とコストがかかる

観察 ・デリケートなデータ収集可能・行動の正確な動きを確認・異文化間の行動様式の違い観察

・頻度の高い行動の観察・コストが高い

12.販売力の向上

本講座では売上げ向上を目指すマーケテイングの学習を進めている。究極のマーケテイングは販売を不要とする製品、サービスの開発と言われるが実際のビジネスでは販売部隊の存在なしでは売上げは成り立たない。

マーケテイングの効果を高めるのは、販売部隊であり、販売部隊の効率を高めるしかけもマーケテイングである。以下販売プロセスをリビューし、各プロセスでマーケテイングとしてどのようなアクションが販売部隊のサポートに繋がるか学習する。

12-1マーケテイングによる販売チーム支援

販売力の向上は販売スキル(会話力、ヒアリング分析力、提案力)向上とバックヤードとしてのマーケテイング支援が必須である。

集客

初回訪問

提案

修正提案

クロージング

納品

フォロー

リピート販売

フォロー

紹介口コミ

顧客化

再販拡販

固定客化

見込み客を集める

ニーズ課題確認

提案顧客カウンター意見

アフターケアー

再契約、拡販

固定客化イベントフォロー等

固定客からの見込み客紹介

営業マンのスキル向上

論理思考、表現力

情報力

コミュニケーション力

マーケテイング支援

集客

初回訪問

提案

修正提案

クロージング

納品

フォロー

リピート販売

フォロー

紹介口コミ

顧客化

再販拡販

固定客化

見込み客を集める

ニーズ課題確認

提案顧客カウンター意見

アフターケアー

再契約、拡販

固定客化イベントフォロー等

固定客からの見込み客紹介

営業マンのスキル向上

論理思考、表現力

情報力

コミュニケーション力

マーケテイング支援

CSR管理

セミナー・キャンペーン展示会・ニュースレターホームページ・ネット受注

ブランデイング

営業力強化

• 顧客別営業マンの適正配置、ローテーション• 新規顧客開拓リスト• 戦略製品への販促策• 戦略顧客への販促

• 提案力のスキルアップ• コミュニケーション力向上• 成功失敗事例のシェアー• 営業マンへの支援助言

• 個別営業マンの定期的進捗管理と助言• 販売スキル向上シェアー会議• 顧客情報のアップデート• 営業報償制度• 販売トレーニング、OJT

新製品開発による商品力強化

• 新製品開発戦略• 年次製品開発計画と実施状況• マーケテイングプランと新製品開発コンセプトのマッチング• 製品開発のおける全体目標の整合性

• 製品別会社業績貢献度• 各製品の市場価値• 製品開発リソースの中央統合管理• 製品開発におけるコスト意識• 開発区で開発途上に得られた知見の社内共有化• 製品価値の営業フォースとの共有

• 定期的開発進捗チェック• 開発チーム評価と動機付け• 顧客情報の営業サービスから開発区へのフィードバック状況• 市場ニーズ、技術開発の継続的把握と蓄積と洗い出し• 開発チームのリーダーシップ

129

12-2事業計画を策定する1.販売見込み予算の設定

事業計画は中期計画として3ー5年間の計画、短期は1年間の計画を策定し、それを月次計画に分割して予実績管理する。事業計画は販売マーケテイングは無論、財務の資金計画、生産の仕入れ生産計画、企画の新製品開発投入計画に直接関係するので全ての部門とのコンセンサスが必用である。

販売予算は一般に以下のプロセスで決定する。ステップ1.過去の販売実績とトレンドステップ2.環境として3Cの分析後、販売目標を設定ステップ3.目標達成の為に施策実施事項

全社計画が決定されると計画の従って販売マーケテイング、生産、企画、財務のの各部署で全社目標達成の為の各部署の予算と実施事項を作成する。

収益改善

販売増

• 成長市場に集中しているか?• 製品サービスの競争力?• 新規市場開拓、新規販売ルート、販売地域拡張又見直し• 新製品開拓• 販売ルート支援• 営業力スキルアップ、体制強化• 販促策• 関係区とのアライアンス

粗利率• 商品ミックスの改善• 製造原価削減• 物流コスト改善策

固定費• 間接人員コスト• 金利• 経費管理

チェック項目

1. 中期販売目標、戦略は設定済みか否か?

2. 年次販売、月次販売予算(台数、売上げ、粗利)は設定済みか否か?

3. 各部署は全社予算を自分用にブレークダウンした計画予算を設定済みか?

4. 戦略製品の販売予算は主要顧客別に売上げ、利益に分割計画されているか?

5. 顧客群別の販売戦略、目標は設定済みか?

6. 新規開拓顧客リストが明確に設定され、顧客群別の販売戦略や目標は設定済みか?

7. 販促計画や進捗達成時期が明確になり、進捗達成管理できる計画になっているか?

8. 定期的市場競合調査、顧客満足調査は組み込まれているか?

9. 定期的主力製品の事業計画達成への貢献状況把握と対策が打てる計画になっているか?

10.項目8及び9に基づく計画の修正要否の検討は予定されているか?

11.新製品開発計画と進捗管理は計画に組み込まれているか?

12.マーケテイング計画の見直し日程は計画されているか?

1.販売マーケテイング計画事前チェックリスト

チェック項目

1. 効果的提案フォーマット、フレームワーク、商品リーフレット他効果チェックと対策

2. 販売成功失敗事例情報を社内共有できる仕組みの効果と対策

3. 営業マンの営業マネージャーによる支援や助言状況

4. 戦略製品サービスの企業トップによる拡販活動

5. 与信管理の運営状況

6. 営業別予算管理と支援助言状況

7. 販売部門内の予実績会議と会議の機能状況

8. 計画販促策、広告宣伝の販売への有効性評価

9. 営業マンへの報償制度の有効性評価

10.営業マン教育プログラムの有効性評価

2.販売マーケテイング計画実施状況チェックリスト

実績l 2014 実績l 2015 粗利率% 実績 2016 粗利率% 計画2017 粗利率%

売上

商品A 65000 94500 145% 100000 105%

商品 B 350000 400000 114% 420000 105%

商品 C 5000 65000 130% 55000 85%

売上合計 420000 559500 133% 575000 103%

製造原価

商品A 32000 45000 48000

商品B 170000 220000 210000

商品 C 3000 35000 27000

製造原価合計 205000 300000 285000

粗利 215000 259500 120% 290000 112%

粗利率% 51.5% 46.4% 90% 50.4% 108%

*事例では2017年事業計画策定のため2014年ー2016年の販売実績を参考にしている。

ステップ1 過去販売実績トレンド確認

実績l 2014 実績l 2015 粗利率% 実績 2016 粗利率% 計画2017 粗利率%

売上

商品A 65000 94500 145% 100000 105%

商品 B 350000 400000 114% 420000 105%

商品 C 5000 65000 130% 55000 85%

売上合計 420000 559500 133% 575000 103% 603750 105%

製造原価

商品A 32000 45000 48000

商品B 170000 220000 210000

商品 C 3000 35000 27000

製造原価合計 205000 300000 285000

粗利 215000 259500 120% 290000 112%

粗利率% 51.5% 46.4% 90% 50.4% 108% 31390 52%

*事例では2017年事業計画策定のため2014年ー2016年の販売実績を参考にしている。

ステップ1 過去販売実績トレンド確認

135

ステップ2 3Cをチェック

自社: 1. 期待の新製品Dの発売予定あり。2. 新製品発売により販売不振のCの販売は中止3. A地区、B地区ではそれぞれ販売員を5名増員する。4. 商品Aと新製品Dは販売促進特別キャンペーン実施予定5. 地方販売強化の為同地区代理店を販売契約締結予定6. 生産効率は5%改善し製造原価3%削減目標7. 販売実績は133% GP90% in 2015/2014, 03% GP108% in 2016/2015

顧客: 1. GDP 6%, 人口 1%, 政府予算 2%, それぞれ増化

競合他社: 1. Aは今年新製品投入の噂がある introduced a new product this year2.新規の競合として2社参入の噂あり

これらの分析結果Kとして2017年は売上げ105%前年対比、粗利52%を目標とする

Actual 2014 Actual 2015 GR% Actual 2016 GR% Plan2017 GR%

Sales

Product A 65000 94500 145% 100000 105%

Product B 350000 400000 114% 420000 105%

Product C 5000 65000 130% 55000 85%

Sales Total 420000 559500 133% 575000 103% 603750 105%

Production Cost

Product A 32000 45000 48000

Product B 170000 220000 210000

Product C 3000 35000 27000

Cost Total 205000 300000 285000

Gross Profit 215000 259500 120% 290000 112%

GP% 51.5% 46.4% 90% 50.4% 108% 313950 52%

Business Plan for 2017 Company Total

137

1.期待される新製品Dの予定通りの市場投入2. 商品Cは製造販売中止3. 営業マンをA地区B地区に各5名増員4. 特別販促策を商品Aと新製品Dに実施5. 地方販売増強のため新規代理店契約予定

ステップ3 施策実施事項

この計画に従い、関係区で詳細実施事項と実施時期、予算を編成する。

138

重要実施事項1.営業人員増 xxx in 地区 A & B2.新規販促計画策定3.新規支店D解説4.販促計画

1)xxxxx2)xxxxxx3)xxxx

5.新製品投入2017年8月6.CSR調査9月7.XXXXXXXXXXx8XXXxx9.Xxxxxxx10.XXXXXXXXXXXXxxx11,xxxxxxxxxxxxx12.Xxxxxxxx13.XXXxxxxxx

全社計画は月次予算に分割され、それは各関連部署の計画に落とし込まれる

139

作成された計画の進捗管理は毎月確認され、達成され内場合は改善策が協議され実施される。改善策の結果と更なる改善を含め毎月計画は確認され最終月までに計画達成をめざしす。PDCA=Plan, Do, Check, ActionPlan: 計画Do: 実行するCheck: 実績を確認し、達成されなかった場合は原因

を分析し改善策を検討Action: 改善策を実施、更に結果を確認し必要なら

何度も改善策を検討実施し最終的に年度末までに目標を達成する

ホームワーク自社の環境分析から社員がイノベーテイブになるために何をすればよいか考えて見ましょう。明日皆さんに発表して頂きます。

マーケテイング(管理職クラス)

グループワーク1

あなたにとりマーケテイングとはどのようなことですか。グループ毎に意見交換して代表者はグループの意見をまとめて発表してください。1.グループでそれぞれ自己紹介してください。2.代表を決めてください。3.マーケテイングとは何か意見交換してください。4.何故マーケテイングを学びたいのか各自の意見を具体的に

まとめ、代表者をそれを発表してください。

はじめに。。。マーケテイングの定義は色々あります。この講座は「どのようにしたら売上げを伸ばすことができるか?」にフォーカスします。アメリカの大学研究者を中心に発展してきたマーケテイング理論は一般企業の経営者や学生にも分かり易く説明されています。しかしそれを学んだあとすぐに売上げを伸ばすことに役だったと言う話はあまり聞きません。何故でしょうか?企業は人と同じで、それぞれが個性を持ち、得手不得手の組織能力も異なり、成長ステージも異なります。成功事例として取り上げられる企業もそれぞれが異なる個性を持ち、於かれていた環境もそれぞれです。それらの事例をそのまま真似ようとしても無理があります。先ずは一般理論や成功事例の中の本質的な事を理解し、さらに事例で確認してください。その上であなたの会社でどのように役立てるか考えて下さい。最初はうまくいかない事が多いですが、次第に経営やマーケテイングの基本的な考え方があなたの中に蓄積され、あなたの会社に適した名案が浮かび出します。マーケテイングはこれが正しいという単一の回答を学ぶものでありません。成功すればそれぞれの中に正解があります。しかしそれらをよく観察すると基本的な類似点があります。答えを急ぐならば「如何に顧客から高い評価」を得るかにつきます。顧客を意識することがマーケテイングを学ぶ秘訣であり成功につながります。

目次

1.マーケテイング発展史

2.マーケテイング戦略の策定プロセス

3.環境分析フレームワーク理解(PEST、5F、SWOT、3C、PPM、バリューチェーン)

4.主なマーケテイング理論

4-1競争の戦略

4-2製品ライフサイクル

4-4サービスのマーケテイング

4-5ソーシャルマーケテイング・社会的責任マーケテイング

5.購買における消費者行動と組織購買の行動

6.マーケテイングコミュニケーション

7. イノベーション

7-1イノベーションとイノべーションのジレンマ

7-2 J.ムーア:キャズム

7-3 S.ブランク:アントレプレナー

4-3ブルーオーシャン戦略

4-6CRM・データベースマーケテイング

4-7流通分野の新しい取り組み

4-8タイプ別マーケテイング成功事例

7-4バーテイカルマーケテイングからラテラルマーケテイング

7-5リバースイノベーション

8. 新製品企画開発

9.中小企業のマーケテイング

10.ビジネスモデル

11-1マーケテイングによる販売チーム支援

11-2事業計画を策定する

付録.市場調査の流れと留意点

11.販売力の向上

事例1 ユニクロ日本では成熟産業時代に突入して久しいアパレル(衣料品)産業において急激な成長を続けるユニクロ、その背景は何か?

2011年2001年1991年

売上

71億円

4185億円

8234億円

売上げ116倍/20年間

全世界3445店舗

フリース1900円

1900円

ブラトップヒートテック

成長の根源フリース:登山用防寒上着をおしゃれで安価なタウンウエアーブラトップ、ヒートテック:スポーツ用下着として販売されていたがごわごわした製品を薄着に

改良してリメーク

マーケテイング???

990円

事例2 ソニートランジスタラジオ1955年

TR55:18900円・・・同年平均所得29000円 真空管式ラジオ

電源:電池2本音質:悪い

家庭電源音質:良い何故トランジスタラジオは爆発的に売れたか?

ヒント:1950年代のアメリカの若者の文化

1.マーケテイング理論発展史

~第2次世界大戦までの世界経済市場での競争が緩慢でありマーケテイング概念は存在しなかった。理由:二度に及ぶ世界大戦による世界経済の疲弊と産業会は製品と製造技術へのフォーカス

第二次大戦以降大戦による経済的疲弊が比較的軽微であったアメリカを中心に生産体制合理化への投資が進み、市場では物が溢れ出し、販売競争が急激に進んだ。市場対応にフォーカスした学問として「マーケテイング」研究がアメリカで盛んになった。

*マーケテイングとは市場(Market)の進化(ing)への対応(Marketing)である黎明期のマーケテイング

「マーケテイングとは何か?」P・コトラー:マーケテイングとは本物の顧客価値を生み出す技術であり、顧客の生活向上を

支援する技術マーケテイングとは広告やダイレクトメールに限定される活動でなく、何を作るべきか、製品をどのように顧客に届けるか、継続して購入したいと顧客に思わせるにはどうするかを組織全体で解明する活動である

*ピーター・ドラッカー:「究極のマーケテイングとは販売を不要にすることである。」つまり「。。。?」

マーケテイング1.0:もの中心のマスマーケテイング1950年代~大企業中心マスプロダクツ(誰も必用とする規格化された大量生産品)マスメデイア(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)と交通広告(電車の中吊りや駅のポスターネオン、看板)による大量な広告による大量販売主義

マーケテイング2.0:生活者指向のマーケテイング1980年代~顧客中心(顧客が選択し消費する時代)→顧客満足経済の変化(生産からサービスへのシフト)、働き方の変化、インターネットの普及

マーケテイング3.0:顧客の気持ちを掴むマーケテイング1990年代~メデイアは従来型大量広告からSNSによる双方向コミュニケーションにシフト生活者のニーズに応える商品と販売、接客とサービスの開発市場細分化=セグメンテーションと差別化の加速顧客から企業、商品への愛好者(ファン)へのシフト(CS→ES→ブランド戦略)

マーケテイングは初期の物やサービスを売る時代から企業のファン、投資家、従業員予備軍を意識した企業全体の活動に拡大されている

マーケテイングで何を学ぶか?

あなたの会社の商品サービスが売れるような仕組みを考えて実行する。

どうすれば売れるのか?

あなたが何かを買った時の理由を考える?

あなたは今着ている服はなぜ買ったのか?

このサイクルでマーケテイングは回せるか? 答えはNO. 何故か?

マーケテイングでは売れる理由を4つの視点で考える1.ベネフィット

顧客にとっての価値

2.セグメンテーションとターゲッテイング顧客を分けて考える

3.差別化競合より高い価値

4.価値を伝えて、価値を実現する4Pを決める

事例3日清食品カップヌードル

従来のインスタントラーメン カップヌードル

従来のお湯を掛けて柔らかくして戻して食べる即席ラーメンから1971年カップヌードルは日本の若者の文化を変え、世界の街角で見られるように普及した。

質問:普及の背景は???

2.マーケテイング戦略の策定プロセス

事業戦略展開

経営戦略企業ミッション企業目標事業戦略事業ポートフォリオ計画

マーケテイング戦略環境分析ターゲット市場選定マーケテイングミクス

製品戦略販促戦略価格戦略流通戦略マーケテイング目標

マーケテイング情報フィードバック

企業活動を方向付ける経営戦略を具現化して目標達成のためにマーケテイングが存在する。

マーケテイングの推進状況が経営マネージメントにフィードバックされ、必要に応じて軌道修正され、さらに推進状況が逐次確認される。このサイクルを通じて当初の企業目標への到達精度が高められていく。

顧客にとっての価値

満足する

>支払うお金

必要な時間と手間

顧客は時間と手間をかけて代金を払っても満足を感じた時に買う

売れる商品とは1.顧客にとり価値がある2.顧客が買うための手間と時間を減らす3.値下げをするための努力をする

全社の努力

価値とは?ベネフィットとは?

人間の3つの欲望に答える1.自己欲求

もっと成長したい、自分らしく生きたい、充実して生きたい等2.社会欲求

人に褒められたい、人に自慢したい、異性にもてたい、家族と楽しく暮らしたい3.生存欲求

長く生きたい、生きるためにお金が欲しい、美味しいものが食べたい、楽したい

生存欲求 社会欲求 自己欲求

コーラ 喉を潤す かっこいい飲み物 スカッとさわやか

家 エアコン完備の家 いい家と言われたい 自分の家を持てた満感

口紅 唇を守る 美しく見られる なりたい自分になる

洋服 保温、体を覆う かっこよく見られたい 自分らしく着る

商品購入と欲望満足

マーケテイング戦略策定の流れ

STP

顧客ソリューション 顧客コスト 顧客の利便性 コミュニケーション

顧客視点の4C

マーケテイング目標設定企業目標とのリンク、完了予定時期、数値目標、達成状況言語表記、

マクロ環境=企業に影響を与える環境要因人口動態要因・経済的要因・資源的要因議政治的要因・文化的要因

ミクロ環境=企業に直接影響を与える要因企業内部状況・チャネル環境・顧客市場競合他社・利害関係先

Sセグメンテーション=市場細分化Tターゲッテイング=顧客選定Pポジショニング=他社との差別化

顧客視点での価値提供マーケテイング4Pは生産者視点の価値提供

セグメンテーションとは販売する人間をタイプで選ぶ人間の感じる価値は人によって異なる

情緒的価値(ベネフィット)優越感、名誉、思い出、記念、かっこいい、達成感、ご褒美

機能的価値(ベネフィット)早い、便利、うまい、丈夫、保証が良い

人口統計的セグメンテーション:男女、年代、家族、独身、社会人、学生、人口

心理的セグメンテーション:早いもの好き、慎重派、不和雷同型、スロー

セグメンテーション例

ベネフィットで分ける(時計の場合):普通に正確で安い、正確で手間いらず、かっこいい、ブランド

STPによるマーケテイング市場にものが溢れ消費者の嗜好も多様化している中で過去のマスマーケテイングから選択した市場へのマーケテイングが主流となっている。

第1ステップ:市場細分化、4つの発想基軸1)マスマーケテイング(現在はほとんど存在しない)

単一商品を大量に生産販売する。マスメデイアを使った大規模広告宣伝

2)セグメントマーケット市場を細分化して最適な商品を販売する。例 富裕層向け自動社、時計、高齢者向け商品、富裕層子供向け商品

3)ニッチマーケティングセグメントされた市場を更に細分化してその中で競合が少なく小規模な市場にフォーカスする

4)ミクロマーケテイング地域限定=エリアマーケティング、顧客限定=One to One マーケテイング

マーケテイング4Pを使う理由STPにより顧客が決まり他社との差別化(ポジションニング)が決定されると具体的にどのような製品(又はサービス)をいくらで、どこで、どんな販売ルートや場所でどのような販促策により販売するかの4P戦略が必用となる。但し、マーケテイング2.0以降のステージでは、供給サイドの4Pでなく顧客サイドの視点で考えた4Cを意識した4Pであることが必用。

4Pを使うメリット1.バランスのとれた理解が生まれる

想定する顧客に製品やサービスを効果的に届けるには4Pがバランスがよく機能すること2.統合的なマーケテイングが実践され、シナジーが期待できる。

内的一貫性と外的一貫性の調和?

4Pの実践に於いて新製品発売プッシュ型とプル型の二つのモデルを比較し内的一貫性及び外的一貫性の必用性を考える

プッシュ型モデル1これまでとは全く異なる新製品高めの価格で流通業者のマージンも十分確保対面販売を考えて小規模小売り店を使用販売員による店頭説明やプロモーション採用

プル型モデル1新製品であるが買い手は使い方をよく知っている低価格にして流通業者マージンも少なくするコンビニや全国スーパーを使用テレビによるマス広告で宣伝

新製品タイプによる4Pは内的統制及び外的一環性が必用

4Pの外的一貫性買い手にとり魅力的商品(サービス)か?競争に対する優位性はあるか?流通業者や広告宣伝会社との合理的取引が可能か?検討する4Pのなかで自社で実行予定の部分は実行可能か?

4Pの基本Product(製品サービス):

ものやサービスの販売を通じて顧客にどんなベネフィットを提供するか?

Promotion(広告販促):顧客の製品サービスのベネフィットを伝え買ってもらう。広告=媒体+メッセージ

基本3欲求 メッセージ例

自己欲求(自分らしさ) 達成感:「いつかはクラウン」

リフレッシュ:「スカッとさわか」

社会的欲求 思いやり:「愛情一本」

異性:「私もっと近づけた」

生存欲求 健康:「体脂肪が気になる方へ」

元気:「ファイト―一発」

Place(どこで買ってもらうか):店舗→小売店、直販店、高級店、デパート、スーパー

コンビニセールスマン販売代理店・販社自動販売機通信販売:インターネット、電話・スマートホン、テレビショッピング

Price(価格):11価格戦略参照

4Pは一貫性が大切:ターゲット客を意識した一貫したイメージの創出更に差別化と4Pの一貫性も必要

手軽軸 商品軸 密着軸

顧客 拘り薄く価格重視 品質技術重視 マニア拘り層

製品サービス 万人に受けるもの 最高品質、技術 拘り素材、特区仕様

広告販促 一般大衆メデイア 先端層を中心の訴求 おたくでの口コミ

流通 長時間営業、駅前、ネット

限定的 限定的

価格 低価格 高価格、 高価格

第2ステップ:市場細分化の視点市場細分化の標準的フレームは存在せず、各社の視点でフレームを設定する。以下の消費財のフレーム例が参考となる1)地理的細分化

国(国内/海外)、地域、都市別細分

2)人口動態的細分化年齢、性別、家族構成、ライフステージ、所得、職業、教育、宗教、人種、世代、国籍

3)サイコグラフィック(心理的要因、価値観)社会的階層、ライフスタイル、パーソナリティ

4)行動による細分化購買状況、要求される便益、現在の使用者、過去使用者、未使用者、使用頻度、ロイヤリティー、購買意識レベル(熱狂的、無関心、否定的)

第3ステップ:市場の評価とターゲッテイング細分化された市場の選択に於ける視点

1)市場の規模と成長性現在の売上げ高や成長率から採択の可否を判定、但し、規模が大きく成長性が高くとも自社の生産力、資金力などの限界から対応できるかの判断も必用

2)市場が持つ構造的魅力度現在は競合企業が参入していなくて魅力的であっても、大手企業や異業種からの参入が予測されるなら自社の差別化策による競争力を考慮して参入可否を判断

3)市場と自社の目標と経営資源の整合性

市場が選択されるとそこで市場へのアプローチとして戦略を検討する。非差別型マーケテイング(現在採用するケースは少ない)差別型マーケテイング集中型マーケテイング

第4ステップ:競争優位のポジショニング市場が選択され、採用するマーケテイング戦略が決定した後、ポジショニング(差別化策)を決定する1.自社の競争優位を明確にする2.いくつかの競争優位性から最も強い優位性を選択3.ポジショニング戦略の確定

他社が既に参入済みの市場でのポジショニング1.利点や強みが多く高い価格設定2.利点や強みが多く他社並価格3.利点や強みが多く他社より低価格4.利点や強みが同じで価格が同じ5.利点や強みが少なく価格が安い

3つの差別化軸1.手軽:早い、安い、便利2.商品:最新技術、最高品質、3.親しい:顧客をよく知っている

価 格 高

新 新

ポジショニングを考えるには品質機能と価格で考える場合とデザインも取り込んで考える場合もある。それぞれの商品サービス特性で効果的な比較マップを作成

美しい戦略事例:東京デヅニーリゾート

ベネフィット:「夢のような楽しい時間」セグメンテーション:「子供と両親」2477万人/年差別化:最高のアトラクション、サービス、イベント

4P製品サービス:一般的遊園地乗り物~、

エレクトリックパレード、花火など常に鮮度の高いイベント

広告:ほとんどやらない販路:----価格:チケット5800円、レストラン、お土産は別途

平均収入9220円/人内訳チケット44%お土産34%レストラン22%

会社概要(創業者、設立背景、事業沿革、事業内容、資本金推移)

1.新規事業について 3.事業スケジュールについて(既存事業と新規事業)

  ①事業名    ①事業開始までの準備計画

  ②社会背景を踏まえた事業の狙い     ②年度毎又は半期、4半期毎の計画

  ③提供する商品やサービスの内容 4.数値計画について

  ④狙いとする市場や顧客    ①売上計画(日時、月次、年次、中期)

  ⑤仕入れ生産性    ②売上原価計画

  ⑥新規性や独自性    ③人員及び人件費計画、福利厚生費計画

  ⑦競合分析と競争優位性    ④経費計画(販売費及び一般管理費計画、原価償却費計画)

   (競合他社、競合商品、競合箇所、理由、強味弱み比較    ⑤資金計画(設備計画他の使途面、借入金や投資受入れ等の調達面)

    他社参入可能性、難易度、影響等)    ⑥損益計画

  ⑧市場分析と市場開拓、市場拡大戦略

  ⑨価格設定政策と具体策

  ⑩販売促進策と具体策

  ⑪生産購買計画

  ⑫売上高利益目標設定

  ⑬工場や店舗の詳細

2.既存分野を含む企業全体について

  ①経営方針(経営理念、今後の事業方針、ビジョン、株式公開等)

  ②業界展開と今後の基本戦略 

    (顧客ニーズを含め経営環境変化、業界動向と当社比較、強味弱み

脅威機会分析)

  ③その他

    (決済方法、経営陣、組織図、事業資産、株主構成、主要金融機関、

利用外部機関等)

事業計画をまとめる

事業計画フォーマットサンプル

マーケテイング目標設定企業目標とのリンク、完了予定時期、数値目標、達成状況言語表記、

3.環境分析フレームワークの理解今後の展開や新規計画策定を含めて自社の事業性を事業環境の中で客観的に分析してその時々の自社の強み弱みを把握して、改善策を検討する事は事業を継続的に発展させる為に必要である。ここでは、市場分析、企業分析によく利用される分析フレームワークを学習する。分析フレームワークは分析するだけで終わるのでなく、そこから有効な成長戦略や改善策を見つけ出すことを目的とする。

3-1:PEST分析フィリップ・コトラー中期経営計画、新規事業計画策定において社会環境の予測が重要であり特に今後大きく変化する要因を把握することが重要

PEST分析でのポイントは、「中長期的な将来、概ね3~5年後の世の中のマクロトレンドついて仮説を立てること」にあります。将来予測は不確実です。しかし、積極的に仮説を立て、組織で共有し、3~5年後の世の中に対し、現在取り組むべき戦略を構築しましょう。仮説を立てシミュレーションすることで、業界に及ぼす影響、環境変化を考える視点が得られます。

PEST分析のマクロ環境トレンドの変化でも、「一時的なもの」と「中長期の構造的変化」があります。目先の一時的なトレンドだけを追っても、事業の成功は望めません。PEST分析では、「一時的なもの=中長期では変化がないもの」と「一時的ではなく、中長期の構造的に変化するもの」をしっかり見極めましょう。中長期のマクロ環境トレンドを、他社に先取りして掴み、マーケティング戦略を構築すれば、成功に近づきます。

PEST分析大きなトレンドに乗れず失敗した事例・写真フィルムメーカーコダック・スマートフォーン登場によるデジタルカメラメーカーの低迷

PEST分析大きなトレンドに乗った成功事例•「マイクロソフト」「インテル」:パソコンの消費者への普及(社会)、技術進化による急速なパソコンの高性能化・低価格化(技術)•「Google」「楽天」「Facebook」「Amazon」:インターネットの消費者への普及(社会)、インターネットの低価格化・大容量化(技術)

3-2:SWOT分析自社分析と外部環境分析を同時に行い自社の強みを生かした事業領域を確立するため、又は改善策検討の為に利用される。使い勝手がよく頻繁に活用されるが分析が主観的になりやすく有効な戦略導出に結びつかないケースも多い。有効性担保の為外部者も含めた客観的分析が必須である。

3-3:3C分析SWOT分析と分析視点が近いが3C分析では競合他社、顧客をより意識している。但し、3Cは事実情報収集に努め、情報をSWOTで整理すると効果的である。

3-4:5フォース分析マイケル・ポーター「競争の戦略」「供給企業の交渉力」「買い手の交渉力」「競争企業間の敵対」という内的要因と「新規参入者の脅威」「代替品の脅威」の外的要因から業界の魅力度を測り新規事業としての参入の可否判断に使われる。日本メーカーの例としてそれまでカメラ業界の事業領域であったカメラビジネスにデジタル技術が確立されパナソニックやカシオなど異業種からの参入が進み業界再編が進んだ。

3-5:バリューチェーン分析マイケル・ポーター「競争優位の戦略」顧客に提供する総合的価値からそれぞれのコストを差し引いたものがマージンでありその企業価値とする。単純に各工程や作業のコストダウンを進めるのでなくそれらの価値から提供価値の最大化を狙う。

3-6:PPM分析ボストンコンサルテイングにより打ち出されたが複数事業を営む企業の経営資本のアロケーションの妥当性を評価する手法であり。潜在的新規事業は意識されない。

マクロ環境=企業に影響を与える環境要因人口動態要因・経済的要因・資源的要因議政治的要因・文化的要因

ミクロ環境=企業に直接影響を与える要因企業内部状況・チャネル環境・顧客市場競合他社・利害関係先

Sセグメンテーション=市場細分化Tターゲッテイング=顧客選定Pポジショニング=他社との差別化

顧客視点での価値提供マーケテイング4Pは生産者視点の価値提供

マーケテイング戦略

マーケット・シェアに関して、企業のポジショニングを4つのタイプに分類し、それぞれが採用する3つの戦略を明確にしました。

1 マーケット・リーダーのポジショニング充分な経営資材を活用して、市場全体を攻略する →1 コスト・リーダー戦略マーケティング活動を展開

2 マーケット・チャレンジャーのポジショニングマーケットリーダーと差別化して、市場全体を攻略する→2 リーダーに対する差別化戦略マーケティング活動を展開

3 マーケット・フォロアーのポジショニング上位の企業の真似を中心として、市場全体を攻略するマーケティング活動を展開

4 マーケット・ニッチャーのポジショニング市場の特定のセグメントに集中して攻略することで、小さなセグメントを独占するマーケティング活動を展開→3 集中型(集中型マーケティング)戦略

4-1競争の戦略:マイケル・ポーター(1980)

4.主なマーケテイング理論

4.主なマーケテイング理論4-2製品ライフサイクル ジョエル・デイーン(1950)

Product Life Cycle(PLC)製品の市場における各ステージに適する価格戦略、販促戦略、製品戦略、生産戦略を採用して製品の生涯マネージメントを展開する

商品 新製品 機能、デザインの改善競争

更なる差別化 改善継続か中止により新製品開発加速

価格 スキミングプライスによるR&Dコスト回収

価格維持の為の改善新製品

上位市場向け改善による価格競争からの防衛

残存市場の刈り取りの為に安売り

マーケテイングコミュニケーション

普及の為の積極的PR、展示会等

積極的販促、ブランド広告

スポット販促、宣伝 あまり費用を掛けない

各ステージでのマーケテイング戦術

マーケテイング戦術

偶然による産業の誕生

1.電気自動車は何故普及が遅れたか?

1900年頃アメリカ電気自動車は30000台走行していたがガソリン車が登場し電気自動車は市場から消えた。

何故か?

2.ゼロックスはカールソン式複写機917発明し、現在のベースとなった。資金力がなく開発支援をIBMに依頼したが、拒否された。IBMは当時複写機の需要を予測できなかった。ゼロックスは機械を売るのでなく、コピー1枚の単価をベースにするレンタルビジネスを普及させた。

成熟期に於ける事業継続意志決定

4-3ブルーオーシャン戦略:W ・キム、レネ・モボルネ

競争のない市場(ブルーオーシャン)は既存市場(レッド-シャン)の周辺にある。

ブルーオーシャン市場

レッドオーシャン市場A

既存市場の製品やサービスに不満を持ちながら仕方なく我慢しているユーザーの不満を分析し不満を解消する製品サービスの投入を進める。但し、不満分析は他社分析を細かく行うのでなく顧客の不満を大きく掴む。

ケース1QBハウス(日本の理髪点チェンーンショップ)

従来型理髪店に対するユーザーの不満1.サービスに対して価格が高いと感じている。2.土日は混雑し、自分に都合の良い時の予約が困難。3.サービスにかかる時間が長い。(1時間以上)

不満客受容客 非受容客

既存市場 既存市場

ケース2医師処方箋取得ステップ省略したドラッグストアー

従来型医師処方箋医薬品に対するユーザーの不満「風邪薬など簡単な薬の処方箋でも医師に面談が必用だが時間が持ったいない」

洗髪、ひげ剃りなど関連サービス廃止、カットされた毛くずはバキューム吸収

作業時間15-25分

ドラッグストアー内に処方箋を発行できる上級看護師配置

医師との面談不要

アンバンドリング戦略が新市場を創出するケース

4-4サービスのマーケテイング経済の進化:脱工業化、3次産業(サービス業)へのシフト→サービスのマーケテイング

1977年R・ショスタック「ショスタックの分子モデル」無形財であるサービスは有形財とはことなるマーケテイングが必用

有形財主体(モノ)

有形性高 低低 高 無形性

無形財主体(サービス)

清涼飲料

洗剤

化粧品

自動車

ファーストフード

教育

コンサルタント

投資管理

航空会社

広告代理店

航空輸送

頻度 サービス 機内食 機材

自動車

付属品輸送

有形無形の組み合わせ

1988年A・パラスラマン/B・ザイタムル/R・ベリー 「SERVQUALモデル」提案「サービスの品質とは顧客の期待と知覚のギャップ」:SERVICE QUALITY

施設従業員外見 約束を守る 従業員の対応速度 顧客に適切に伝え聞く 顧客の利益

疑念や危険を感じない 従業のサービス能力 礼儀思いやり接客 顧客の要望理解速度 連絡とりやすいサービス品質10項目での向上が顧客満足を高める

物的要素 信頼性 応答性コミュニケー

ション信用性

安全性 能力 礼儀正しさ 顧客理解 アクセス

1991年R・ベリー/A・パラスマン「インターナルマーケテイング」提案1.人材獲得を競う:有能の人材の確保2.ビジョン提供:職場に目的と意味を理解させる3.従業員訓練:社員がサーサービス結果を出せる訓練4.チームプレーの強調5.自由裁量6.評価に応じた報酬7.顧客を知る為の調査

1981年B・クーム/M・ビトナー:サービスマーケテイング7P無形性(サービス)の特性

無形性、同時性、不可分性、異質性、消滅性

サービス7P(4P+3P)Participants(参加者ーサービス提供者、受益者他)Physical evidence(物理的環境ー素材、形、照明、温度他)Process of service assembly( サービス組み立てプロセスー方針、手順、生産、納品管理他)

1978年R・ノーマンサービスエンカウンター「真実の瞬間」スカンジナビア航空(SAS)の改革

15秒ルール:1000万人の顧客は5人のスタッフに平均15秒接している。15秒が企業のイメージと将来性を決める

時間の管理:限られた時間を如何に有効に売るかー繁忙期はプレミアム、閑散期は魅力的価格関与関わりの程度:価格に応じた顧客の自主サービス学習:顧客の自社サービスの学習に応じた対応ー経験者へのプレミアムサービス安心安全快適アクセスの便利性:提供者と顧客の最適環境適切なコミュニケーションの質と量:サービスの意図理解と顧客の理解満足の促進を進める

1994年J・ヘスケット/w・サッサー「サービスプロフィットチェーン」インターナルマーケテイングとエクスターナルマーケテイングの関係

社内サービス向上

社員満足度向上

社員定着率向上 生産性向上

顧客サービス向上

顧客満足度向上

顧客ロイヤリテイー向上

売上げ利益向上

1社内サービスが高いと社員満足が高い

2社員高満足は従業員高ロイヤリテイ

3従業員高ロイヤリテイは高生産

4高生産はサービス価値向上

5高サービス価値は高顧客満足度

6高顧客満足度や高顧客ロイヤリテイ

7高顧客ロイヤリテイは企業業績向上

4-5ソーシャルマーケテイング・社会的責任マーケテイング・コーズリレーテッドマーケテイング

マーケテイングの発展4P:企業サイドのマーケテイング

顧客志向(4C)

企業イメージの向上CSR:企業の事業と無関係(寄付、フィランソロフィー)、持続性の問題

2001年M・ポーター「共通価値の戦略」

企業使命は社会との共通価値創造1.社会的課題を解決する製品と市場の開発2.自社バリューチェーンを改革強化して社会に貢献3.産業集積による事業基盤強化により地域貢献する

1999年S・アドキンス「コーズ・リレーテッドマーヶテイング」会社の売上げの一部を消費者と協同で特定の社会的貢献目的に使用アメリカンエクスプレス:サンフランシスコ芸術振興、自由の女神修復

1998年アンダーセンコンサルテイング顧客生涯価値:顧客が生涯に及んでもたらしてくれる利益

CRM(Customer Relationship Management)既存顧客との関係維持強化により顧客満足度を高め顧客生涯価値を高めるマーケテイング顧客の許可を得た上で顧客データーベースを作り誕生日や記念日などにDM等でプロモーションを行うデータベース作成

年齢、性別、趣味、嗜好、購入履歴、購入動機、苦情、意見など顧客送別と顧客送別需要、購買行動分析送別個人別マーケテイング但し、パーミッションマーケテイング従来型プロモーション:インタラプションマーケテイング・アウトバウンドマーケテイング許可を得たプロモーション:パーミッションマーケテイング・インバウンドマーケテイング

インターネットの普及による新マーケテイング顧客は購買の為の必要な情報はネットを使い自分で検索する。一方で従来型のアウトバンド情報は生活者の関心が低くなっている。

ネットにおいて顧客を引き付けるSEOや魅力あるコンテンツの閲覧が重要になっている。アンバサダーマーケテイング、バイラルマーケテイング、バズマーケテイング

4-6CRM・データベースマーケテイング

顧客維持型マーケティング 顧客創造型マーケティング

焦点

• 顧客の維持、囲い込み• 顧客内シェアの拡大• 顧客満足度• 双方向コミュニケーション• 顧客との協力関係・学習関係• エンパワーメント志向

• 新規顧客の獲得• 市場内シェアの拡大• 製品認知度• 効果的情報伝達• マネジメント志向

Product• 顧客の問題解決重視• ホール・プロダクト• 提案型。 組み合わせ型

• 機能重視• コア・プロダクト• 選択型、バリエーション型

Price• ファン重視

(例:マイレージ・サース)• 比較的画一的• エントリー顧客重視

Place• 顧客に応じたマルチ・チャネル

• 顧客情報の収集に注力• 顧客との距離の短縮化

• シングル・チャネル• 売れ筋情報の収集に注力• Productの効率的デリバリー

Promotion • 顧客が情報発信者• クチコミの効果大• 「社員全員がマーケター」

• 企業が情報発信者• 伝統的広告・販促重視

市場成長期市場成熟期

SNS、インターネット技術の普及はCRMを更に進化させている。

CRM顧客情報の

巨大化

ビッグデータ

I O T

One to One Marketing

個別商品開発と個別マーヶケテイング

CRMの実施

実施の流れ:

52

顧客データベースを構築して顧客情報を集め、セグメンテーションの切り口や顧客ニーズの把握・特定を行う。

自社にとって重要な顧客を選別しランク付けする。

ターゲットとした顧客のニーズに対応する製品やサービスを重点的に提供し、顧客を獲得する。

その顧客を維持するための取組を行い、増収を図る。

従来の流通製造業者→卸売り業者→小売業者

1980年代マイケル・マークス「1ペニーショップ」マークス・スペンサー(M&S)設立:PBブランドSPA(Speciality store retailer of private label apparel)の登場製造は委託、デザインにフォーカスして販売ルートを構築

GAP、ユニクロなどグローバル企業の登場

*アウトレット・モールの登場高級ブランドの傷物や売れ残り在庫品専売ショップ

*チェーン店標準化、単純化、専門又分業

*EDLPウォールマート

4-7流通分野の新しい取り組み

成功事例を学びマーケテイング戦略の理解を深める4つのタイプの事例1.ライフサイクルに応じた戦略展開による売上げ減少危機に歯止めをかけた事例

トヨタ自動車プリウス:導入期の市場参入戦略ファミリーマートの海外進出:国内成長期での競争からの脱出ピジョン:成熟市場での新ビジネスタニタ:新しいニーズをつかみ衰退期に入った既存事業から転換

2.セグメンテーションにこだわるマーケテイング戦略オオゼキ:過剰競争による不況期にあった食品スーパーの地域未着型店変身に

よる成功大塚製薬:人口動態変化に着目して男性化粧品の投入導入に成功アニコム損害保険:サイコグラフィック視点からペット保険導入による成功ハウス食品:行動変数視点に着目して導入したウコンの成功

3.ブランド戦略における成功事例TOTO:サブブランド展開富士フイルム:サブブランドの活用により新規事業進出

4.マーケテイング3.0価値提供による成功事例住友化学:マラリア対策蚊帳のアフリカ現地での製造販売

4-8タイプ別マーケテイング成功事例

企業名 トヨタ自動車

マーケテイングタイプ 環境分析と自社の適応性

売上げ高 30兆2256億円

成功商品・サービス 電気モーターとガソリンエンジン併用エコ自動車プリウスHV車によりガソリン燃費を大幅改善

背景 90年代初めよりガソリン車などから排出されるCO2による温暖化懸念が世

界的な議論となる、一方で世界情勢の不安定さから原油価格の不安定が続く中でトヨタはHV車の開発に着手1997年温暖化防止のために京都議定書が合意されたタイミングでプリウス発表

成功のポイント 自動社業界では欧州車のプレミアムカーの位置づけがはっきりしているが、アメリカ日本車は機種揃えは広いが特徴が曖昧であるとポーターが指摘していた。トヨタは自動車の排ガスが世界的に問題視されている中で既存技術の組み合わせと改良による課題解決を提案。当初の5-10年は採算ベースに乗らなかったか現在では年間150万台(2017年)と社内シェアー10以上に成長した。同事業と社会的責任に対する同社トップの強いコミットメントがドライブフォースとなった。

企業名 ファミリーマート

マーケテイングタイプ 環境分析と成長期に於ける競争激化解決策

売上げ高 3兆円

成功商品・サービス 日本での競合による成長頭打ち打開のため海外進出

背景 日本では業界の競争が激化し新規出店が難しくなってきた中でコンビニ未開拓市場のアジア進出を決定。他社は米国本社のライセンスとの関係で海外展開できないが当社は独自展開しており制約がなかった。

成功のポイント コンビニ店は地域の消費者を顧客とするため単独出店は困難と判断し、現地パートナーと協同で店舗展開を進めた。仕入れ先についても現地でパートナーを開拓、運営もパートナーに委託した。但し、コンビニの生命線であるPOS等により商品、顧客管理、配送効率については日本から専門家を派遣して指導した。

企業名 ピジョン

マーケテイングタイプ 環境分析と成熟期の事業転換策

売上げ高 1000億円

成功商品・サービス 哺乳瓶などベビー用品の製造販売会社と1957年設立。当時の哺乳瓶は品質が悪く、当社の社長は自然に近づけるため日本人の女性1000人以上に乳首を自ら吸ったと自伝にある。このような品質改良への努力と戦後のベビーブームにより順調に成長してきたが、近年の日本では新生児の大幅に減少売上げ減少に苦しんでいた。一方で人口の高齢化化急激に進む事に着眼し、高齢者に対する介護予防システム事業として介護支援サポーターなどが成功している。

背景 深刻化する少子高齢化問題なかで自社の売上げ減少対策を全社で取り組んだ結果、社内的にも新規事業への抵抗感はあまり見られなかった事が組織としてのまとまりを創った。

成功のポイント ベビー用品という製品対するデリケートな配慮が必用な事業で養われた高い評価とノウハウを既存事業への補完としての高齢者介護に転用する事は対象顧客が違ってもどちらもデリケートな配慮と安心が必用である事に着眼した。かっての母親が高齢者の介護に関わる時代になり過去のブランドが同社の

企業名 タニタ

マーケテイングタイプ 社会の関心をを取り込んだ衰退期の事業転換

売上げ高 150億円

成功商品・サービス 1923年創業の会社でオーブントースター、電子ライターなどの製造販売から近年では体脂肪が判る家庭用ヘルスメーターを製造販売がヒットしたが現在は頭打ち。但し、社会ニーズとしての健康指向の高まりを事業に取り込み、健康メニューを販売して食の改善啓蒙などタニタ製品販売でなく、コンセプトの普及を通じた事業展開が進んでいる。企業内に健康食堂を設置したり、菓子メーカーと提携して健康菓子の協同作成などを進め健康指向の会社としてブランド価値を高めてる。

背景 ヘルスメーターの販売を通じて世の中の健康志向の高まりを理解し、さらにものの販売に限界を経験した結果、ことの販売に拡大の可能性があることを認知し事業の方向を大きく転換

成功のポイント 社会の関心が人口構成の変化から大きく変化していることを認知し自社の適応性分析と過去経験から健康志向へのソリューション提案としての情報提供が市場で高い評価を得ている。

企業名 オオゼキ

マーケテイングタイプ セグメンテーションによる地域密着型スーパの展開

売上げ高 756億円

成功商品・サービス 1957年開業の食品スーパーマーケットであるが、同社は競争を回避するため高級で新鮮の食材が好まれる高額所得者が住む地域に限定してドミナント出店している。その結果同社の利益率は7~8%で剥離多売の他社より2~3倍高い。同社のライバルは高額商品を中心に扱う成城石井言われるが、生鮮食品にフォーカスし、価格は成城石井より安く、店舗も350平米でやや小さい。店舗は他社が撤退した後に射抜きで入りコストを抑え、高級生鮮食品の限定している

背景 食品スーパーは競争が激しく剥離多売で閉店する店が多いなかで、同社はの当初より地域密着型を志向し、且つ民力(高額所得者層が住む地域)高い地域に限定して店舗展開している。

成功のポイント 立地条件の良いところに設置するが店構えにあまり投資しないで、顧客の求める商品の提供にフォーカスし、他店のようにあまり回転しない商品まで陳列することはない。但し、生鮮食品への顧客の声をしっかり聴くため、店員はアルバイトでなく全員正社員で仕入れ各店長に一任されている。

企業名 大塚製薬

マーケテイングタイプ 人口動態的視点で確認された男性意識変化の取り込み

売上げ高 5300億円

成功商品・サービス 同社は過去にポカリスエット、オロナミンC、カロリーメイト、ソイジョイなどスポーツ系ドリンクの新市場を開拓してきた。それらの販売が頭打ちの中で新製品として男性スキンケア製品に参入した。ターゲットは中年男性、スキンケア、ニオイ対策品

背景 日本で男性が体臭を意識してケア商品を使うことが少なかったが、動態調査の結果男性の体臭に対する関心が高まっていることが判明した。

成功のポイント かって日本では頭髪用整髪料や洗顔料が男性用に販売されてきたがニオイをや肌のケアに対する商品はほとんど見られなかった。しかし現在の中高年は若い時にファッションの洗礼や清潔感への関心が高まったことから肌やニオイ対策に抵抗が少ない。特に加齢臭という言葉が日常的に頻繁に使われるようになり、ニオイ対策には敏感になっている、同社はこのトレンドをつかみ購入に抵抗を示す層に対しても清潔感のイメージキャンペーンを通じてプロモーションしている。

企業名 アニコム損害保険

マーケテイングタイプ サイコグラフィック的視点のセグメンテーション

売上げ高 138億円

成功商品・サービス ペット保険の専門会社として発足。保険会社はレッドオーシャン市場となっており多数存在し競争が激しく、ペット保険も商品の一部として販売している会社も存在したが、ペットと家族を考えたペット専門保険は同社が初めて。

背景 少子高齢化が進む日本ではペットの数が15歳未満の子供の数より増えている。ペットに対するケアも進み寿命が長くなっている。半面、生存リスクも高まっている中で、ペット保険が普及していないため家族のペット医療費の負担が高まっている。同社は保険市場は成熟しているが、ペット保険は今後も成長ビジネスであることを日本人のライフスタイルの変化から認識しサービスを開始したとところ急成長を続けている。

成功のポイント ライフスタイルが変化している中で従来の常識に固まり大手の損害保険会社は全くケアーしていない分野に、成長の機会を見逃さなかった。身の回りでどんなことが起きているかを冷静に見つめ、困りごとがないかと言う視点で課題探索した結果の発見であった。

企業名 ハウス食品

マーケテイングタイプ 行動変数視点のセグメンテーションにより、継続購入のポイントを調査

売上げ高 2143億円

成功商品・サービス アルコールを飲む前の飲料「うこんの力」200円/本

背景 生活者の行動様式分析の結果30~40代の日本人男性は継続的に栄養ドリンクを飲用、アルコールを常飲するため肝機能を心配、納得すれば高くても購入する、コンビニの利用者が多い等の特徴が判明した。更に同社の食品には従来ウコンが使用されており、生活者は飲酒した時にはウコンが体によさそうなイメージを50%以上もっていることが判明。これらの調査から飲酒の前にウコンを使ったドリンクを飲用するしてもらう商品コンセプトが決定

成功のポイント 健康美容食品、飲料市場は2005年以降減少している中で商品名やデザインだけを変えて低価格で販売する商品が増えているが、低価格は市場の先取りであり市場の創出にはならない。同社はこのような市場で低価格でなく多少高くても販売可能な新しい市場創出を模索した。その結果、飲酒する機会が増えている世代が抱える肝臓への不安を和らげるため飲酒前にコンビニで飲めば肝臓への負担が軽くなると言うこれまでにないイメージ創出に成功。発売から15年経過するも同社の主力商品となっている。

企業名 TOTO

マーケテイングタイプ ブランドによるマーケテイング戦略、

売上げ高 5860億円

成功商品・サービス 温水洗浄便座「ウオシュレット」1980年

背景 経済発展に伴い日本社会に水洗式トイレが普及とともに同社の腰掛式便器の売上が伸びた。同時に社会では清潔さに対する意識が高まってきた。当時米国で病院の肛門科のトイレで使われていたエアウオシュに着目、空気でなく水洗式に改良して発売したところ爆発的に売れ、同社製品の商品名「ウオシュレット」が温水洗浄便座の一般名詞になった。但し同社の企業ブランドはTOTOであり商品名と混同され、同社の他の製品キッチン関連やバスルーム関連のイメージに影響しないように商品カテゴリー別にサブブランを設定している。

成功のポイント 「ウオシュレット」の開発は同社製品の従来品の改善からの発想で生まれたが時の社会的ニーズを的確につかんだ製品開発であった。一方でこの事例は当社が他の製品も含めたバランスのよい成長の為のブランド戦略としての事例として紹介している。

企業名 富士フイルム

マーケテイングタイプ 新市場へのサブブランド型参入

売上げ高 2兆4000億円

成功商品・サービス 写真フィルムメーカーから化粧品への進出

背景 カメラ市場はデジタルカメラやスマートホンの登場でアナログ市場が急激に縮小された。アナログカメラのフィルムの製造販売を主力事業としていたコダック社は2012年に倒産。同社も業態変換を目指して新規事業を模索していた中でフィルム製造で蓄積された技術やノウハウの活用を検討し化粧品事業への参入を決定。

成功のポイント フィルムの半分はコラーゲンでできており、人の肌も同様にコラーゲンを含み女性を中心にコラーゲンに対する関心が高まっていた。加えてフィルム製造でのナノテクノロジーが化粧品製造に有効である事が判明し化粧品事業に「アスタリフト」ブランドで参入した。富士フィルムとしての企業ブランドが強く化粧品のイメージとの融合が難しいことからサブブランとして展開。アスタリフトが富士フィルム社の製品である事を知らない女性も多いが、それを知らされても富士フィルムの信頼感が一般に強いことから肌につける化粧品であっても安心感を与えるシナジー効果を伴っており、サブブランドの戦略的使用例と見なせる。

企業名 住友化学

マーケテイングタイプ マーケテイング3.0時代のCSRマーケテイング

売上げ高 2兆円

成功商品・サービス アフリカのマラリア対策として長時間有効な蚊帳をアフリカで製造販売することで現地に雇用を創出し、収益の一部を現地での学校建設維持に寄付

背景 アフリカの風土病の一つマラリアはWHOによりワクチン接種が進められているが18か月と限定的で死者が減らず貧困の病と言われている。住友化学は5年間防虫効果が持続する蚊帳を開発し単価4000円程度の製品をコストダウンに努め500円程度に引き下げた。更に現地で製造販売することで雇用を創出し、利益の大部分を現地の学校建設維持などに寄付している。

成功のポイント 同社の社是は「自利公私一如、事業は会社として利益を得同時に社会に利益をもたらすべきである」に従いCSRと自社の事業を一体化させることで持続性を担保している。従来の一過性のCSRとはことなり自社業務を通じた社会貢献として社会に認知されている。

5.消費者、組織タイプ別購買意志決定プロセス

多数の事例をベースとした購買意志決定プロセスより次の基本プロセスや特徴が分析されている。自社の製品サービスが消費者或いは製品サービス自体が社会的にどのように普及しているかを把握することで自社製品サービスの販促活動や販売に活用することで購買決定まで効果的な誘因策の展開が期待される。

消費者の購買意志決定影響因子と決定プロセス

意志決定影響因子(社会的影響、マーケテイング、購買決定状況)

社会的影響因子:取得水準、学歴、居住地域、職業社会的影響要因によりカテゴライズされる各グループ内では間接的直接的に関心事や購買特性に類似性が見られる。例えば高額所得者グループでは名誉、メンバーシップ、教育、社会貢献などが関心事となり購買製品、ブランド選考などに類似性が見られる一方中位所得者グループは衣料品に関心を持ちメデイアの宣伝に影響されやすく子供の教育への関心、より高級ブランドへの関心も強い労働者階層、低所得層では家族、親戚に家計を依存依存しあい、より軽い肉体労働やレジャーに関心が高い

マーケテイング影響因子:マーケテイングによる影響は商品、価格、販促、ブランドに影響される。特にブランドイメージは確立されるまでは時間を要するので、長期的視で取り組む。又販促の中では広告宣伝による認知活動が重要であるが、目標顧客が好むメデイアの選択も重要販売される店舗や地域の選択なども購買意志決定に影響を与える

購買意志決定状況因子: 購買意志決定がどうのようなタイミングや場所で行われるかも意志決定に影響し、要因として物理的因子:居場所、近くのデカル、香り、照明、天気、視覚に入る展示商品

社会的関係:知人との関係や気性

時間時候 :季節,前回の購入時期、食事時間前後、休暇

現在状況 :緊迫不安、喜び、敵愾心、興奮、現金を手にしている、疲れている状況

消費者購買意志決定プロセス

必用認知 選択肢探索 選択肢比較 購買決定 使用後評価

使用後の評価結果は次回の購入選択時の判断知識としてしく蓄積される

消費者購買意志決定は常に一定のプロセスを経由するのでは、日常品など低額商品では比較選定プロセスが省略される。

1.家、車、PCなど高額商品はショウルーム見学などに十分な時間費やす。

2.シャツやパンツなど衣料品などは数店舗を訪問して決定する。

3.靴下、飲料、食品などの日常品は購買するブランドが決まっている場合が多い

これらの購買決定プロセスの特徴を考慮した販売商品の販促策が決定される。

組織購買意志決定影響要因と決定プロセス

一般企業組織・政府系組織の購買意志決定影響因子は購買意志決定プロセスと密接に関係する

購買タイプ別影響 組織内機能別影響 個人選好特性

単純契約更改タイプ部分修正契約更改タイプ新プロジェクトタイプ

ユーザー購買担当購買決定者

知人関係者職業的専門性自尊心リスク警戒者信念個人的野心

組織機能別特性

組織特性技術指向:技術部門製品指向:生産部門

組織規模組織集中度・購買部門

購買提案

購買決定影響因子

購買決定プロセス

ベンダー比較 購買交渉 購買後評価

組織購買タイプ マーケテイング要素 アプロ-チ

広告宣伝 ユーザー認知加速宣伝企業イメージ

単純契約更改 販促策 展示会招待等イベント

販売 購買自動化提案

広告宣伝 競争比較宣伝

部分修正契約 販促策 顧客現場デモ 展示会招待

販売 既存客工場招待、新規客トレードイン価格提案

広告宣伝 従来製品に対する革新的製品

新規プロジェクト 販促策 展開会デモトライアル使用推奨

販売 顧客への新製品機能と顧客メリットの徹底訴求

タイプ別マーケテイングアプローチ

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6.マーケテイングコミュニケーション

認知 理解 確信 発注

営業マンの力

広告宣伝

販促策

パブリックレレーション

マーケテイングコミュニケーションとは顧客に対して営業マン、広告宣伝、販促策、PRの全てを通じて共通のメッセージを発信して発注決定まで誘導する仕掛けである

下記はそれぞれどのステージで強い効果を持つかを示す

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プッシュとプルタイプのマーケテイングコミュニケーション

プッシュ

プル

マーケットコミュニケーション

生産者 卸、小売り 消費者

引き合い

マーケットコミュニケーション

生産者引き合い 卸、小売り 消費者

マーケテイングコミュニケーションメデイアを使った広告宣伝、PR

リベート/コンテスト等の販促策中心

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広告宣伝に於けるチェックポイント

広告宣伝は計画的に実行されるべきではあるが内容は都度ユニークな進め方で構わない。但し効果を確かに為るためには計画について以下を自問自答するとよい。

1. 宣伝はだれが管理しているか?2. 他のコミュニケーション費用と比較で宣伝にはいくら使うのか?3. だれに向けた宣伝か4. 商品についてなんと説明しているか?5. どんなメデイアを使うか?6. 宣伝の有効期間をどう見ているか?7. 宣伝の曜日と時間は適切か?8. 効果はどうのように測定され、その評価基準は正しく設定され管理されているか?

74

宣伝に使用される各メデイアの長所短所

新聞長所1. 変更し易い2. 地域を集中カバー3. 広い範囲にも展開可能4. 印刷文字に対する信頼性が高い短所1. 一過性2. 注意深く読まれない3. 無視されるか見過ごし安いラジオ長所1. 聴者の選択可能2. 低コスト3. 地理的制限が少ない短所1. 音声のみで残らない2. 傾注度が低い3. 一過性看板長所1. 柔軟な設計2. 競合とのコンフリクトを避けれる3. 何度も視覚に入る4. 比較的低コスト短所1.創造性が薄い2.視覚の障害

3.視覚者の選択がなTV長所1. 音と視覚とアクションで訴えれる2. 五感へのアピール3. 大衆向け短所1. 対象の選択なし2. 瞬時の印象3. 短命4. コストが高い雑紙長所1. 地理的、人口統計的選択可能2. プリント品質がよい短所1. 放送までの時間待ちが長い2. 優先度の保証はない3. (割り増しを払えば保証)DM長所1.対象の選択2.変更が柔軟3.個人向けのクリエート可能短所1.比較的コストが高い2.読まないで捨てられる可能性高い

インターネット長所1. 双方向2. 低コスト3. 注目される場所に広告を打てる4. タイムリー5. 高い情報密度短所1. 低い傾注度2. 短期的3. 読者側の選択4. 邪魔者扱いされる

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新製品開発アイデア源泉の事例

1.顧客a. 顧客要望b. 顧客クレーム不満c. 市場調査d. フォーカスグループ

2. 競合a. 競合製品動向b. 競合品テスト情報c. 業界動向

3. 代理店情報a. 供給者b. 代理店c. 小売店d. 展示会

4. 研究開発生産部門情報a. 製品試験b. 製品認証試験c. ブレーンストーミングd. 偶発的発見

5. その他社内情報a.マネージメントb. 営業部門c. 従業員提案d. 革新グループ会議e. 株主会

6. 外部情報a. コンサルタントb. 学術誌c. 業界誌

IMC(Integrated Marketing Communications)

IMC

プロモーションミックス

流通

価格

製品

広告

PR

人的販売

セールスプロモーション

顧客とのコミュニケーション

IMCは企業活動の全てにおいて一体感をもって顧客にアプローチする為の社内の統合管理

(理念、ビジョンに基づいた組織統合)

ブランド戦略

ブランド普及は顧客維持、新規顧客誘因、自社提案価格受容性において有効な企業資産である。

ブランドイメージ:今どう見られているか?

ブランドアイデンテイテイ:将来どう見られたいか?

ブランドは4つの視点で考える1.製品ブランド:ブランドによる製品イメーと機能便益の定着

例 コーラの褐色:清涼感、ソーダの刺激ルイビトン:ステータス、強靱感

2.組織ブランド:製品総体としての企業イメージ例 アップル:最先端技術製品群

アマゾン、グーグル:IT先端、従来事業の変革者3.ブランドパーソナリテイー(個性):情緒的便益、自己表現として便益

例 ハーレーダビットソン:強い男性、安定感、開拓者4.シンボル化:ブランドの強化

例 コーラの赤:清涼感の強化ベンツのシンボル:高級で強靱なドイツ車

ブランド(ロゴ名前)

資産

ブランド連想ブランド認知

知覚品質

ブランドロイヤリテイ その他資産(特許商標など)

ブランド資産の企業価値としての有効性

*マーケテイングプログラムの有効性向上*ブランドロイヤリテイの向上*価格政策の優位性*ブランド拡張*競争地位向上

ブランド向上は企業戦略推進の有効資産となる

ブランド資産の企業価値としての有効性

5.ブランド拡張

1.価格プレミアム

2.ロイヤリテイー

3.プロモーション支援

4.流通業者との交渉力

6.ライセンス供与

7.人材採用

8.資材調達力向上

9.社員のモラル向上

ブランドエレメント(要素)ネームカラーマークキャラクタージングルスタイルパッケージ

見えざるブランド資産

製品・サービスへのブランド付与保証機能識別機能想起機能

ブランド認知ブランド再認ブランド再生

ブランド連想情報処理付加軽減自己表現媒体化

ブランド連想の事例

1.ハーレーダビッドソンの再生1950年アメリカ市場大型車の70%1980年代大型車シェアー10%の凋落・・・ホンダ他日本製バイク1990年代大型車シェアー60%

1980年代後半のレーガン政策「強いアメリカ」と重なるハーレーダビッドソン=「最も大きく、最も重く、最も騒々しい」=「最も男らしい」、「西部開拓のヒーロー」「男らしさ」「愛国心」「社会的拘束から解放」のブランド連想による復活

2.ソニーのウオークマン1979年「録音はできないがステレオ音響を携帯する」コンセプト「最先端技術」「ファッショナブル」「アウトドアを楽しく」のブランド連想はアメリカ西海外の若者にも影響→ウオークマンを危機ながら海外通りをローラースケートで流す

7.イノベーション

企業の規模的大小を問わず事業の成功は組織としての力とイノベ―テイブ(革新的)な事業アイデアを生み出せるかに負う。ここではイノベーションについて考察し、企業がイノベ―テイブなアイデアを生み出す仕組みを学ぶ。

1)J・シュンペーターシュンペーター(1883-1950)によれば、市場経済は、イノベーションによって不断に変化している。そして、イノベーションがなければ、市場経済は均衡状態に陥っていき、企業者利潤は消滅し、利子はゼロになる。したがって、企業者は、創造的破壊を起こし続けなければ、生き残ることができない。

シュンペーターのイノベーション既存知と既存知の組み合わせ

1.新しい財貨の生産2.新しい生産方法の導入3.新しい販売先の開拓4.原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得5.新しい組織の実現(独占の形成やその打破)

7-1イノベーションのジレンマ:C・クリステンセン

時間

性能

破壊的インベーション技術は新たな破壊的イノベーション技術で駆逐される

こんなのはおもちゃと思われた製品は持続的改善で進化し従来製品を凌駕する。

グループワーク特定事業で成功したA社は首位の座をキープするため常に顧客の声に傾注し、顧客満足を高める新技術開発に投資を繰り返してきたが今では事業の成長は止まり経営不振に陥っている。このような状況になった理由としてどんな事が原因として考えられるか?

破壊的イノベーションとは?従来技術製品より機能は劣るが新しい市場で評価される製品が生まれると、やがてその市場で機能が改善され従来の市場での従来の製品を駆逐するようになる

事例1 デジタルカメラVSスマホカメラ

イノベーションの成否は→無消費者(潜在顧客)の願望の発見

新市場型破壊例1950年代アメリカの若者潜在願望「音は悪くても外でロックを聴きたい」真空管式ラジオは高音質だが室内専用

破壊的技術ソニー

ローエンド型破壊例高級百貨店メーシーズは色々な製品を販売しているが価格が高い。品質は劣ってももっと低価格製品を多数そろえる店があれば便利

ウオールマート、ワンペニーショップ

大企業のイノベーションへの取り組みが遅れる理由1.企業は投資家と顧客依存し、イノベーションによる新しい製品開発で既存客を失いたくないし、

短期的利益を重視する投資家に対して回収に時間のかかる新規投資の提案はしたくない。

2.新規市場の初期は市場規模が小さく大企業の活動場所として相応しくないように見られがち。

3.新規市場は不確実性が高く、投資対象として敬遠されがち。

4.組織に既存事業での成功者が残存し、寄らば大樹の陰的発想で既得権を保護のため新規事業に抵抗する。

5.新規技術の発展性が見えず、更に否定的に見がちである。

イノベーションへの抵抗勢力の追い込み1.危機感の創出2.よそ者、若者、変わり者の投入

事例1:IBMによるPC導入それまでIBMは大型コンピューター開発において世界のリーデイングメーカーであったが、市場のことなるパーソナル市場にコンピューターを開発し同分野でのトップシェア-を得ることになった。その成功の理由は以下の4点と言われている。1.プロジェクトは小さな組織に丸ごと任せた。何故?

2.開発手段はチームに一切任せたが開発期間は1年とした。何故?

3.チップはインテル、OSはマイクロソフトから調達した。何故?

4.販売は小売業者を使い成功した。何故?

7-2キャズム理論:ジェフリー・ムーア(1991)

大部分の新製品はキャズムという深い溝に埋没して再び浮かび上がることは少ない。新製品がキャズムを乗り越えて成功するためはホールプロダクトが準備される必要がある。

電気自動社はバッテリーの充電技術がガソリン車並にならないと普及は難しい。製品の関連市場、インフラを含め新製品が使いやすい環境が整備されないと普及しない。ホールプロダクトとは関連市場やインフラの整備が準備されている状態

7-3アントレプレナー:S・ブランク

J.シュンペーター:イノベーションは既存知の組み合わせ(新結合)でありその事業は資本家と起業家(アントレプレナー)で実現される。

S・ブランク:良い商品なのに売れないのは顧客開発をしていないからである。

コンセプト 製品開発機能検証テスト 販売開始製品開発モデル

顧客発見 顧客実証 顧客開拓 組織構築

方向修正

探索 実行開発商品は顧客の問題を本当に解決できるか否か?顧客はその製品を本当に買うのか?

顧客開発モデル

リーンスタートアップ

7-4バーテイカルマーケテイングからラテラルマーケテイング従来型の発想で変革アイデアに困ったら発想を変えて見るバーテイカルマーケテイング(従来型)

分析→仮説→アクション(商品開発・販路開拓)

ラテラルマーケテイングステップ1「フォーカス」新市場創造(市場、想定顧客)新製品開発(パッケージ、ブランド、パッケージ)

ステップ2「水平移動」代用、結合、逆転、除去、強調、並べ換え

ステップ3「連結」ステップ1のフォーカス対象をステップ2でアイデアを創出しステップ3で実現レベルに高める

ステップ2の水平移動ではオズボーンのチェックリストの活用も効果的1.転用する:新しい使い道、使い方を探す、他分野での活用2.応用する:何他に真似できる物はないか3.変更する:色や機能など、様式や形の変更4.拡大する:5.縮小する6.代用する:異なる利用場所を探す7.再利用する8.逆転する9.結合する

例:ラテラルマーケテイングお菓子製造販売会社(株)江崎グリコの問題

市場は成熟、販売ルートは全て開拓済み、子供人口の減少による売上げ減少が続いた。そこで打開策として新しい市場の検討を開始した「オフィスでのお菓子販売」オフィスでお菓子を食べる習慣は日本では一般的でなかったし、お菓子をオフィスに販売する発想はなかった。一方オフィスでは不況が続き厳しい環境での業務が続いて

いた。

癒やしとしてのお菓子の棚を置いて食べたい時に食べた人が代金を払ってもらう方式の仮説が出てきた。

テストマーケテイングを繰り返した結果アイデアの可能性が検証され。少しずつお菓子棚を採用するオフィスが増えた。これは企業では古くからドリンクの自販機があったが、お菓子の自販機はなかった点、職場でたばこを吸う習慣が日本から消えたがそれに代わる癒やしが提供できないかなどのアイデアがブレーンストーミングで出され次第に現実的な提案に固まっていった。

江崎グリコのオフィスグリコの発想法

ステップ1「フォーカス」新市場創造:オフィスに於ける菓子販売と言う新事業

ステップ2「水平移動」代用:オフィスで売り場の代わりになるもの、オフィスにリフレッシュメントを提供できる場結合:農家の無人野菜販売所の発想、代金回収として銀行の提供する貯金箱のイメージ活用逆転:既存の代金回収の盲点、特定の人が利用する事を前提とした代金回収除去:職場に菓子を置くデメリット除去とメリットに換える発想、菓子の置き場を目立たなく

する方法強調:仕事の効率を高める存在としての菓子、災害時の非常食としての菓子並べ替え:絶えず鮮度をアピールできる品揃え

ステップ3「連結」利用者はオフィスに設置されたフィフレッシュボックスにある24種の菓子を選び代金100円を代金箱「ヨミガエル」に投入。サービススタッフが週に1度代金の回収と菓子の補充に訪問

7-5リバースイノベーション2012年B・ゴビンダラジャン、C・トリンプル

先進国と途上国の所得差

先進国製品 途上国途上国一部の高額所得層のみ

先進国メーカーの生産基地

経済の発展による消費市場化

途上国として製品ニーズの顕在化

グーロバリゼーション グローカリゼーションローカル

イノベーションリバース

イノベーション

リバースイノベーションプロセスと条件

1.ローカル市場を重視して権限移譲する2.開発人員は大部分をローカル市場に費やす3.ローカルチームに損益の責任を与える4.製品開発販売決済件をチームに与える。5.ローカルチームに本は資源の活用と支援を認める6.ロカール開発製品をグローバル展開する。

ホームワーク自社の環境についてSWOT,3C、バリューチェーン、ファイブフォースのどれかを使い分析してみましょう。明日皆さんに発表して頂きます。

93

新製品は企業の競争力向上の決定的要因の一つである。1ほとんどの新製品は成功しない。2従来製品での販売低迷に比べヒット製品は会社に急成長をもたらす。3ヒット製品の登場が会社の全部門の動きを変える事がある。4ヒットする新製品を企画できないのは会社の主要メンバーの市場に対する近視眼

8.新製品企画開発

新製品の失敗理由

1他社製品との違いが少ない新製品投入2差別化が曖昧3品質が悪い.

4計画された長所が見えない5マーケテイング支援が少ない6価格と品質のバランスが悪い7市場規模予測の失敗8製造、販売コスト見積もり失敗9チェネル選定失敗10急激な市場変化

94

新製品開発戦略

新製品とは?1. 世界的な新製品2. 会社の既存製品に対する新製品3. 会社の既存製品に対する新規カテゴリー製品4. 既存製品の改良、見直し製品5. 既存製品による新規市場開拓6. 既存製品のコスト改善製品

製品市場

既存 新

既存 市場深耕 新製品

新 市場開拓 多角化

アンゾフ成長戦略:新製品と新市場

95

新製品企画開発プロセス

新製品の企画開発の一般的流れとポイント

アイデア創出一般的に一つの成功アイデアが創出される裏で60から70のアイデアが失敗に終わっていると言われ、その資金は全開発費の4分の3に相当する。しかし、アイデアの開発において最も金のかからないプロセスであり、ここでなるべく多くのソースからアイデアを集めることが新製品開発成功への道程となる。

トップマネージメントがリスクを回避したいなら革新的製品開発は期待できず、マイナーチェンジの製品の山にやがてその会社は消えていくであろう。

全開発プロセスに対してトップの開発計画者への手厚いサポートこそが革新的新製品を創出するドライブフォースとなる。商品化

テストマーケテイング

プロジェクト発足

推進

スクリーニング

アイデア創出

96

新製品開発における事前審査項目

1. 市場の要求に答えているか?2. パテント申請の可能性 ? 独占禁止法抵触の可能性?3. 現在のチャネルや営業部隊で販売可能か?新規ならどんなチャネル、営業部隊は何名

必要か?新規の販売教育やトレーニングは必要か?4. 単位あたり製造コストはロット別で管理されているか?ブレークイーブンは明確か?5. パーケージは発売コンセプトを反映しているか?6. ROIは?7. 当初の価格が受容されないケースの目標ロット、原価、単価はロット別に検討してい

るか、発売中止の決定はどこで行うか?

テストマーケテイングアイデアが新製品として実用化されるか否かは十分なテストマーケテイングにより細部の課題が改善されているかどうかである。テンスの結果は製品の改良だけでなくマーケテイング戦略の変更やマーケテイングミックスの変更につながる。十分なテストマーケテイングを経ずに中途半端な状態で発売することは、多大な開発費のロスや資本を減少せるので開発におけるプロセスと位置付ける。

11.価格戦略

価格は価値を表すが、低価格戦略と高価格戦略はそれぞれ変更はできない。但しほとんどの分野で低価格戦略より高価格戦略を採用する企業が多い。

低価格戦略成功要因発売当初より低価格大量販売を継続効率の徹底追求バラツキの内品質維持顧客の望まないことはやらない値引きは避けEDLP(常時低価格)

高価格戦略成功要因価格に見合う価値提供安定した高品質高いブランドイメージを確保常に改善を訴求販促値引きは絶対行わない

価格戦略での3つの留意点

1.プラシーボ効果価格は品質と結びつけて理解される。

2.アンカーはじめの価格は判断ベースになる

3.プロスペクト理論損する金額は得する金額より大きい。

価格弾力性を考慮する。

価格の変動による重要の変動が大きいケースを価格弾力性が高いと言う

競争が多いケース:価格の変動は需要の取り合いなるので総需要だけでなく、競争も価格弾力性に影響する。

新製品価格の設定価格弾力性高い→市場浸透価格戦略:攻撃的な安い価格で短期間に市場シェアーを確保価格弾力性低い→経時的価格改訂

その他の戦略的価格設定補完価格設定:消耗品ビジネスが存在する場合には本体を安く、消耗品を比較的高く設定する。定額制、従量課金制価格設定:使用頻度の高い顧客には定額制とし、少ない客には従量制を適用ゾーン価格設定:販売スポットにより価格設定を変えるイメージ価格設定:販促策、付加サービス、店舗により価格設定を変える

99

新製品初期流動管理

新製品が市場投入されると、当初の計画に従って初期流動評価される。そこで観察された項目は改善計画、状況により発売中止決定となる。

主な初期流動管理項目

顧客受容 商品

使い勝手における顧客受容顧客満足度売上

財務成果

ブレークイーブン時期利幅ROI投資対効果他事業性評価

コスト投入時期適否商品機能品質

Other

新製品投入による財務面以外の効果例企業イメージ、社内モラル等

9.中小企業のマーケテイング

グループワーク:大企業に対する中小企業の制約としてどのような事が考えられるか?

9-1.中小企業マーケテイングの必用性

中小企業の普遍的課題 → 課題を克服しながら成長する企業もあるが大部分は持続維持が限界経営規模の制約:人員が限定され、仕入れ生産配送が中心となり顧客開拓販売要員が少ない

独走による成長

独走による成長

独走による成長

独走による成長独走による成長

統率危機

自立危機

統制危機

形式主義危機 発展型中小企業

持続型中小企業

中小企業の発展には経営者のリーダーシップが欠かせないと同時に商品開発に於ける市場情報の収集でも発展段階の初期においては経営者の役割が大きい

中小企業マーケテイングの構造

簡素化(方法)

多義性(実施主体及び対象)

市場直結による問題発見力(意志決定)

経営者の役割リーダーシップ製品サービス開発改善3IM

経営者による直感的顧客ニーズと満足の把握

限られた人員による限られた領域でのマーケテイング大手企業との同様なマーケテイング効果

無制限市場(大企業中心)

限定市場中小企業同士の競争

営業構造 BtoB規模の優位に対して独自技術でのニッチ市場獲得

中小企業同士の競争で規模と範囲の経済が機能し技術水準が影響

BtoC市場多様性より中小企業にも存在訴求の可能性あり

アイデアや広告のユニークさで注目度が高まれば業績向上の可能性

市場規模に対する中小企業のポジショニング考察

中小企業に於ける経営者の役割とその強み意志決定の早さ:大手企業に比べ非常に早い

リーダーシップ:規模が小さいことからリーダーシップが発揮し易い

市場顧客の声の確認:市場や顧客の声が経営者に届きやすい。

制約下での中小企業パターン別マーケテイング4P取り組み

中小製造業 中小卸売業 中小小売業 中小サービス業

製品商品機能面差別 大手が扱わない

商品品揃え商品機能と個性的商品取り扱い

中核と周辺サービス地域での名声

価格コストベース積み上げ

数量値引き 売り場雰囲気と値引き選択

顧客値頃感の重視

販促卸小売り活用 最新情報提供 インストアマー

チャンダイジングとPOP

最終消費者への注力

流通立地卸小売り消費者企業系列(下請)

迅速配送、顧客財庫圧縮

消費者満足追求立地別

生産と販売が同時性による立地選好

人的制約の中で4Pに於ける限界に加えソーシャルマーケテイング、環境対応、CSRなどの動きに対する限界が見られる

簡素なマーケテイングと多面的効用が期待できる取り組み

マーケテイング

機能的分野:4P等

戦略的分野:事業領域の選択等

象限4厳しい競争

リーダー フォロワーニッチャー イメージ

嗜好性

象限1中小企業同士の競争

規模限定の既存マーケテイング展開

象限3リーダー模倣

地域ドミナント確率ブランド確立

象限2リーダー又は棲み分け成熟商品、伝統的熟練地域ブランドの存在

競争強度強

市場規模

大 小

中小企業は各市場においてその特性を考慮することで存在位置を確保できる

中小企業業態別3つのIM

3つのマーケテイング 1.インタラクテイブ マーケテイング(Interactive Marketing)

2.インターオーガニゼーショナル マーケテイング(Interorganizational Marketing)

3.インターナルマーケテイング(Internal Marketing)

製造業 卸売業 小売業 サービス業

インタラクテイブ BtoBによる業務を通じて技術とコストのバランス

地域小売り業や業務販売を通して迅速対応

消費者との直接会話によるニーズの把握

地域深耕による対話と持続性維持

インターオーガ二ゼーショナル

下請け関係上位企業との縦型協同意識

業者間商品融通仲介による顧客満足提供

商店街など地域的集積による協同仕入れ等機能協力

地域協同によるサービスの利活用

インターナショナル

従業員満足に向上よる支技術向上

卸売り業の信用向上の為の機能性改善を目指して内部管理体制改善

家庭的経営による意志統一

従業員による顧客との新サービス創造

9-2.中小企業マーケテイングの実践

既に確認したマーケテイングプロセスを参考にしながら中小企業の実践プロセスを学習する。

自社内外分析から市場開拓までのプロセス

市場開拓を進める

経営資源を把握する 変革テーマを見出す

新たな取り組みへの経営姿勢 顧客志向性を高める 新たな取り組みへの経営ノウハウ高める

事業計画をまとめる

事実把握に取り組む

自社の内外を見ていない顧客が誰か見えていない他社や他社製品との優劣が見えてない

お金がない人がいない物がない技術がない

何をして良いか判らない改革のネタが見えない改善するところが見えない

やる気がない新しい事をやる気がない後継者がいない

顧客がいない顧客の満足が判らない

何から始めて良いか判らない自社の強みが判らない人物金が推進力にならない

アイデアが具体かしないパートナーがいないブレイン、支援者がいない計画がまとまらない

顧客ができない標的顧客が定まらないアピールポイントが見えない商品計画見直しが進まない

1 2 3

4 5 6

6 7

中小企業としてよくある状況

事実把握に取り組む

自社の内外を見ていない顧客が誰か見えていない他社や他社製品との優劣が見えてない

事実把握に取り組むとは客観的に自社の経営姿勢を把握したり、経営環境変化を認識することである。事例1.レストランの店長が顧客から店頭の照明が切れていると告げ

られた。店長は顧客にお礼を言いながら、昨日の強風により照明が切れてしまったが、店員が突然休み電気店に連絡できず照明が切れたままになっていると説明した。

課題:この経営者は問題に気づいていない。あなたならどのようにアドバイスしてあげますか?

事例2.初めて使うレストランに食事の予約を入れた客が予約時間に店を訪問したところ店は入り口から奥まで見渡せるオープンスペースになっている。本来は食事時で混み合っていると思って予約したが実際には客はほとんど入っていなく、あまり人気がない店なのかと不安になった。又子供連れで予約なしできた家族は店が混みあう夜の時間帯は子共連れはお断りしていると入店を拒否された。ところがレストランのオーナーは来店客数が少なく赤字を嘆いている。

課題:さてあなたがオーナーなら状況を改善するために何から始めますか?

改善ヒント1

改善ヒント2

何をして良いか判らない改革のネタが見えない改善するところが見えない

変革テーマを見出す3

顧客や取引先他関係者、競合情報などより改革改善テーマを探索しリスト化するアイデア源泉例

1.顧客顧客要望顧客不満市場調査フォーカスグループ

2.競合競合動向確認

3.流通チャネル原材料供給者

卸、小売り4.研究開発関係者5.内部販売部隊従業員ステークホルダー

6.メデイア、コンサルタント

改善ヒント3

変革テーマを見出す

何をして良いか判らない改革のネタが見えない改善するところが見えない

自社の内外を見ていない顧客が誰か見えていない他社や他社製品との優劣が見えてない

事実把握に取り組む 経営資源を把握する

お金がない人がいない物がない技術がない

各プロセスの確認を終えたら重要プロセスをピックアップして解決シナリオを考える

例。変革アイデアをまとめる

顧客や取引先他関係者、競合情報などより改革改善テーマを探索しリスト化する

リスト化案件より自社で取り組めそうな案件を抽出する。その際自社だけでなく、パートナーとの協同化も考慮する。

事業計画策定までのプロセスが進まないなら遡って検討する。

3 1 2

新たな取り組みへの経営姿勢

やる気がない新しい事をやる気がない後継者がいない

新たな取り組みへの経営ノウハウ高める

何から始めて良いか判らない自社の強みが判らない人物金が推進力にならない

リーダーシップ論参照

事業計画をまとめる

アイデアが具体かしないパートナーがいないブレイン、支援者がいない計画がまとまらない

新規事業計画をまとめる際、単一事業だけでなく、メインの新規事業がうまく進展しない場合を想定し複数案を用意することが望ましい。その際には全く異なるビジネスでなく補完関係にある事業などメイン事業の関連事業が好ましく、当初のメイン事業が成功した場合に事業の拡張領域としても取り込める可能性を残す。

事業計画を作成する目的

1.事業アイデアを明確な実行計画に落とし込み、事業の推進と進捗確認を容易にする。

2.社内関係者の行動指針、行動計画の明確化ができる。

3.外部関係者として事業パートナーの探索、資金提供協力者の事業理解を得やすくする。

会社概要(創業者、設立背景、事業沿革、事業内容、資本金推移)

1.新規事業について 3.事業スケジュールについて(既存事業と新規事業)

  ①事業名    ①事業開始までの準備計画

  ②社会背景を踏まえた事業の狙い     ②年度毎又は半期、4半期毎の計画

  ③提供する商品やサービスの内容 4.数値計画について

  ④狙いとする市場や顧客    ①売上計画(日時、月次、年次、中期)

  ⑤仕入れ生産性    ②売上原価計画

  ⑥新規性や独自性    ③人員及び人件費計画、福利厚生費計画

  ⑦競合分析と競争優位性    ④経費計画(販売費及び一般管理費計画、原価償却費計画)

   (競合他社、競合商品、競合箇所、理由、強味弱み比較    ⑤資金計画(設備計画他の使途面、借入金や投資受入れ等の調達面)

    他社参入可能性、難易度、影響等)    ⑥損益計画

  ⑧市場分析と市場開拓、市場拡大戦略

  ⑨価格設定政策と具体策

  ⑩販売促進策と具体策

  ⑪生産購買計画

  ⑫売上高利益目標設定

  ⑬工場や店舗の詳細

2.既存分野を含む企業全体について

  ①経営方針(経営理念、今後の事業方針、ビジョン、株式公開等)

  ②業界展開と今後の基本戦略 

    (顧客ニーズを含め経営環境変化、業界動向と当社比較、強味弱み

脅威機会分析)

  ③その他

    (決済方法、経営陣、組織図、事業資産、株主構成、主要金融機関、

利用外部機関等)

事業計画をまとめる事業計画フォーマットサンプル

環境分析と基本戦略及びマーケテイングの流れ

マーケテイング理論 イノベーション理論 ビジネスモデルマーケテイング戦略の最終ステージではビジネスモデルを参照にする。ビジネスモデルは市場での成功事例のエッセンスが含まれている。

10.ビジネスモデル1.地域ドミナント2.顧客ライフサイクルマネジメント3.顧客の購買代理4.プラットフォーム5.ソユーション6.同質化7.アンバンドリング8.デファクトスタンダード9.レーザーブレード10。ダイレクト

ビジネスモデル 地域ドミナント

モデルの特徴 地域に競合が入れないように高密度に出店する。店舗間での客の共食いが見られるが、商品、材料の配送や、広告での効率化が期待できる。又、一定期間定着すると価格コントロールがし易くなる。

顧客セグメント 地域子顧客対象とし地域では知名度が高い

提供価値 顧客への地理的便利性

価格収入構造 一定期間の定着後は価格コントロールし易いが、あまり高いと競合参入が始まる。

リスク 地域需要の独占により事業計画が作り易い

競争優位性 地理的に競争の参入を阻止するが極端な市場支配策は顧客離れを誘発し他社の参入が始まる

適用される状況 地方での事業者などの店舗展開の定番、フランチャイズとの相性は悪い

適用事例 スターバックス、イオン等

ビジネスモデル 顧客ライフサイクルマネージメント

モデルの特徴 CRMにより顧客と生涯にわたり付き合い製品ピラミッドを用意して高級製品サービスへ誘導する

顧客セグメント 子供の時から付き合いが開始される

提供価値 慣れ親しんだブランドへの安心感と商品サービスのバリエーションによる顧客選択肢を増やすことで顧客を囲い込む

価格収入構造 ブランドへの信頼からある程度の価格支配は可能であり、事業計画が作り易い、但し品質が伴わないと他社に逃げる。

リスク 他社同行の監視だけでなく顧客の嗜好やステータスの適宜の確認がないと他社に失う

競争優位性 差別化された商品サービスラインとバリエーションがあれば顧客を囲い込める

適用される状況 ライフサイクルに合わせた商品サービスが展開されている事

適用事例 トヨタ(カローラからクラウン、)ベネッセコーポレーション(子供学習~介護)

ビジネスモデル 顧客の代理購買

モデルの特徴 顧客の代理として顧客が依頼する商品サービスを顧客視点で調達する。規模の経済を使い低価格での調達を得意とするところと顧客の理解して適切な商品サービスの調達を行う二つのタイプがあるが、顧客への引き渡しは調達価格で行い調達手数料を受ける

顧客セグメント 価格感度が高く、購買に自信がない客

提供価値 顧客の立場での調達代行

価格収入構造 取引には介在しないで成功報酬的手数料を受ける

リスク 十分な顧客を維持できないと規模の経済が展開できず顧客を失う。

競争優位性 顧客の先取りと取引実績が長くなると他社の参入を阻止できる

適用される状況 メーカーのダイレクト販売に対抗可能

適用事例 アスクル、ミスミ、グルーポン

ビジネスモデル プラットフォーム

モデルの特徴 自社の仕組みの上で顧客同士が取引したりオークションの場を提供する。ネットではE-marketplaceと呼ばれるし、リアルでは株式他各種取引所と呼ばれる。ネットでは場の提供に対する手数料や広告が収入減となる。ネットワーク効果で成功すると莫大な収益になる。

顧客セグメント 全ての顧客

提供価値 場の提供により顧客同士を結ぶ

価格収入構造 手数料、広告料

リスク 業界トップになれないと存在価値が薄い。但し専門サイトの高い分野でのニッチトップは可能

競争優位性 場の使い勝手、参加者の多さ

適用される状況 広く活用され、グローバルにも展開される。

適用事例 Facebook Yahoo オークション 他

ビジネスモデル ソリューション

モデルの特徴 商品や単純サービスの販売でなく、それらを使いながら顧客の抱えるそれぞれの課題に個別の改善提案を行う。課題解決した顧客ベースが増えると提供者のノウハウも拡大されて他社との差別化になる。

顧客セグメント ソリューションの理解とソリューションという課題解決への対価支払い可能な顧客

提供価値 蓄積された課題と解決ノウハウによる顧客課題の解決

価格収入構造 コスト構造ではなく解決により顧客が受ける利益の多寡により相場が決まる。但し競争が激化し相場は低下している。

リスク 真の解決でなく単に販売の領域に留まる業者も見られコンサルに対する否定的な意見も多い。

競争優位性 一端顧客が満足する解決ができると風評効果が高く顧客の拡大と囲い込み可能

適用される状況 モノや単純サービスの需要が停滞うる成熟市場でニーズが高まる

適用事例 IBM、デロイト、アクセンチュア―他

ビジネスモデル 同質化

モデルの特徴 市場のトップ企業が2位以下の企業が差別化策で対抗してくると資金力と組織力で同じ戦略を採用して対抗企業を潰してしまう戦略

顧客セグメント 市場顧客全体に対応

提供価値 競合が打ち出す戦略の模倣による価値提供

価格収入構造 価格は2位以下と同等が基本

リスク 2位以下が顧客評価を確認済みでリスクが少ない。但し、顧客から大手の驕りと評価される事は避ける必要がある

競争優位性 規模の優位性を持つことによる戦略

適用される状況 この戦略はトップ企業にのみ許される

適用事例 日本コカコーラー、トヨタ、IBM

ビジネスモデル アンバンドリング

モデルの特徴 従来商品サービスの一部として販売されていたものをモジュールに分解して顧客が不要と思う部分を削除して安く提供する。

顧客セグメント 価格感応度が高い顧客

提供価値 不要なもの部分を除いて安く販売

価格収入構造 不要なものを除くことで安くなるので顧客が増える傾向にあり、除去した部分が必要な場合はオプション化する。

リスク アンバンドリングは競合の従う可能性を否定できないのでその時の差別化策は準備しておく

競争優位性 価格優位

適用される状況 既存事業形態に不満を持つ客が多い場合

適用事例 LCC、QBハウス、ユーテイリテーオファ

ビジネスモデル デファクトスタンダード

モデルの特徴 業界におけるイノベーテイブな製品システムを開発販売し業界の実質的標準品となる独占状態を確保、バージョンアップによる他社を排除してコストや事業リスクを下げる。

顧客セグメント できるだけ大きな範囲をカバー

提供価値 自社製品が世の中の実質的標準品となる

価格収入構造 値引き販促不要の独占的立場を確保

リスク 他社が自社製品を上回る製品を出す危険

競争優位性 業界標準とのしての立場が強まるとスイッチコストが高まり安定的地位を維持できる

適用される状況 相互関連性が高い製品で独走的製品ができるとこのモデルが成立し易い

適用事例 マイクロソフトOS、インテルCPU他

ビジネスモデル レーザーブレード

モデルの特徴 最初に購買される本体を安く販売しその消耗品や保守サービスを比較的高くして利益を上げる。顧客は消耗品を買わざるを得ないので製品のライフサイクル全体を収益サイクルとすることで大きな収入になる。

顧客セグメント ジレットひげ剃りから大型複写機まで様々な顧客層で展開される。

提供価値 顧客はライフサイクルに必用な全ての消耗品や購入したり、サービース契約の締結が不要で必用に応じて購入したり、契約できる。

価格収入構造 消耗品や保守サービスが収入源

リスク 消耗品やサービスへの第三者の出現

競争優位性 継続的新製品投入で優位性維持

適用される状況 消耗品やサービスが必用な製品

適用事例 ジレット替え刃、エプソンプリンター他

ビジネスモデル ダイレクト

モデルの特徴 メーカーや保険などの本社が代理店や小売店を経由しないでネット経由でダイレクトに消費者や顧客に販売する中抜き

顧客セグメント 最終顧客

提供価値 中間マージンの削除による低価格販売、マスカスタマイゼーション、ロングテール

価格収入構造 中抜きによる低価格

リスク ダイレクトは価格感応度の高い顧客で、ネットでの他社との比較も容易のため常に他社比較は必用、又EC取引は返品率が高いのでロジステイクスの業務対応を十分に行う必用がある。

競争優位性 既存チャネルは中間業者との関係で参入できない、競争はEーコマース同士の競争

適用される状況 競合がチャネル支配して参入できない状況において新規参入業者は入りやすい

適用事例 外資系生命保険、既存メーカーでは既存ルートに制約されない製品に限定

127

計画前に確認すべき3点(1) 一次データが必用か二次データでよいか?(2) 量的調査(数値)と質的調査(内容?)

(3) 自社調査か外部委託か?

調査計画

一次データ : 今回の調査によるデータ.

例 顧客選好ブランド、商品価格帯二次データ:内部外部により過去に調査されたデー

例 ターゲット市場の人口や経済デー質的調査:インタビューにより調査

フォーカスグループインタビューや街頭インタビュー等

量的調査:数値調査

付録.市場調査の流れと留意点

128

市場調査に於ける主な調査手法と長所と短所

調査方法 長所 短所

フォーカスグループインタビュー

・詳細情報収集.

・使い勝手の自在性・比較的低コスト・情報収集が早い

・経験者が必用・グループサイズやメンバー構成に影響されやすい・司会者のバイアスの危険・接待数が少ない

電話調査 ・集中管理できる調査・コストが比較的かかる・データー収集が早い

・財務データや収入情報開示抵抗・深彫りの限界・低所得者の回答でのバラツキ・法務関係者によるクレーム・迷惑感

郵便調査. ・低コスト・広域地理的分散・管理の簡便性・収集の早さ

・特定セグメントでの回答拒否、接触困難.

・回答の曖昧さ・未回答の理由探索の困難性・所得情報開示の困難性・追加郵便のフォロー率の低さ

個別インタビュー

・電話より深い調査・グループインタビューより回答者数は増える

・オープンにならない・広範な質問は困難・コストが高い・時間超過になりがち

モール調査 ・回答へ柔軟性・短時間情報収集・コンセプトアンケートに便利・回答率が高い

・時間が限定される・回答数の限定

129

Method Advantages Disadvantages

インターネット ・早くて低コスト・データのオンライン処理可能・回答者の都合の良い時に回答

・本人回答、回答の信頼性チェック・本人流の質問解釈による誤解

投影法 ・ニューブランドアンケートに有効・質問の客観化による本人意識の確認・選択肢により本当の動機の確認可能

・質問者の訓練が必用・時間とコストがかかる

観察 ・デリケートなデータ収集可能・行動の正確な動きを確認・異文化間の行動様式の違い観察

・頻度の高い行動の観察・コストが高い

11.販売力の向上

本講座では売上げ向上を目指すマーケテイングの学習を進めている。究極のマーケテイングは販売を不要とする製品、サービスの開発と言われるが実際のビジネスでは販売部隊の存在なしでは売上げは成り立たない。

マーケテイングの効果を高めるのは、販売部隊であり、販売部隊の効率を高めるしかけもマーケテイングである。以下販売プロセスをリビューし、各プロセスでマーケテイングとしてどのようなアクションが販売部隊のサポートに繋がるか学習する。

11-1マーケテイングによる販売チーム支援

販売力の向上は販売スキル(会話力、ヒアリング分析力、提案力)向上とバックヤードとしてのマーケテイング支援が必須である。

集客

初回訪問

提案

修正提案

クロージング

納品

フォロー

リピート販売

フォロー

紹介口コミ

顧客化

再販拡販

固定客化

見込み客を集める

ニーズ課題確認

提案顧客カウンター意見

アフターケアー

再契約、拡販

固定客化イベントフォロー等

固定客からの見込み客紹介

営業マンのスキル向上

論理思考、表現力

情報力

コミュニケーション力

マーケテイング支援

集客

初回訪問

提案

修正提案

クロージング

納品

フォロー

リピート販売

フォロー

紹介口コミ

顧客化

再販拡販

固定客化

見込み客を集める

ニーズ課題確認

提案顧客カウンター意見

アフターケアー

再契約、拡販

固定客化イベントフォロー等

固定客からの見込み客紹介

営業マンのスキル向上

論理思考、表現力

情報力

コミュニケーション力

マーケテイング支援

CSR管理

セミナー・キャンペーン展示会・ニュースレターホームページ・ネット受注

ブランデイング

営業力強化

• 顧客別営業マンの適正配置、ローテーション• 新規顧客開拓リスト• 戦略製品への販促策• 戦略顧客への販促

• 提案力のスキルアップ• コミュニケーション力向上• 成功失敗事例のシェアー• 営業マンへの支援助言

• 個別営業マンの定期的進捗管理と助言• 販売スキル向上シェアー会議• 顧客情報のアップデート• 営業報償制度• 販売トレーニング、OJT

新製品開発による商品力強化

• 新製品開発戦略• 年次製品開発計画と実施状況• マーケテイングプランと新製品開発コンセプトのマッチング• 製品開発のおける全体目標の整合性

• 製品別会社業績貢献度• 各製品の市場価値• 製品開発リソースの中央統合管理• 製品開発におけるコスト意識• 開発区で開発途上に得られた知見の社内共有化• 製品価値の営業フォースとの共有

• 定期的開発進捗チェック• 開発チーム評価と動機付け• 顧客情報の営業サービスから開発区へのフィードバック状況• 市場ニーズ、技術開発の継続的把握と蓄積と洗い出し• 開発チームのリーダーシップ

収益改善

販売増

• 成長市場に集中しているか?• 製品サービスの競争力?• 新規市場開拓、新規販売ルート、販売地域拡張又見直し• 新製品開拓• 販売ルート支援• 営業力スキルアップ、体制強化• 販促策• 関係区とのアライアンス

粗利率• 商品ミックスの改善• 製造原価削減• 物流コスト改善策

固定費• 間接人員コスト• 金利• 経費管理

136

11-2事業計画を策定する1.販売見込み予算の設定

事業計画は中期計画として3ー5年間の計画、短期は1年間の計画を策定し、それを月次計画に分割して予実績管理する。事業計画は販売マーケテイングは無論、財務の資金計画、生産の仕入れ生産計画、企画の新製品開発投入計画に直接関係するので全ての部門とのコンセンサスが必用である。

販売予算は一般に以下のプロセスで決定する。ステップ1.過去の販売実績とトレンドステップ2.環境として3Cの分析後、販売目標を設定ステップ3.目標達成の為に施策実施事項

全社計画が決定されると計画の従って販売マーケテイング、生産、企画、財務のの各部署で全社目標達成の為の各部署の予算と実施事項を作成する。

チェック項目

1. 中期販売目標、戦略は設定済みか否か?

2. 年次販売、月次販売予算(台数、売上げ、粗利)は設定済みか否か?

3. 各部署は全社予算を自分用にブレークダウンした計画予算を設定済みか?

4. 戦略製品の販売予算は主要顧客別に売上げ、利益に分割計画されているか?

5. 顧客群別の販売戦略、目標は設定済みか?

6. 新規開拓顧客リストが明確に設定され、顧客群別の販売戦略や目標は設定済みか?

7. 販促計画や進捗達成時期が明確になり、進捗達成管理できる計画になっているか?

8. 定期的市場競合調査、顧客満足調査は組み込まれているか?

9. 定期的主力製品の事業計画達成への貢献状況把握と対策が打てる計画になっているか?

10.項目8及び9に基づく計画の修正要否の検討は予定されているか?

11.新製品開発計画と進捗管理は計画に組み込まれているか?

12.マーケテイング計画の見直し日程は計画されているか?

1.販売マーケテイング計画事前チェックリスト

チェック項目

1. 効果的提案フォーマット、フレームワーク、商品リーフレット他効果チェックと対策

2. 販売成功失敗事例情報を社内共有できる仕組みの効果と対策

3. 営業マンの営業マネージャーによる支援や助言状況

4. 戦略製品サービスの企業トップによる拡販活動

5. 与信管理の運営状況

6. 営業別予算管理と支援助言状況

7. 販売部門内の予実績会議と会議の機能状況

8. 計画販促策、広告宣伝の販売への有効性評価

9. 営業マンへの報償制度の有効性評価

10.営業マン教育プログラムの有効性評価

2.販売マーケテイング計画実施状況チェックリスト

実績l 2014 実績l 2015 粗利率% 実績 2016 粗利率% 計画2017 粗利率%

売上

商品A 65000 94500 145% 100000 105%

商品 B 350000 400000 114% 420000 105%

商品 C 5000 65000 130% 55000 85%

売上合計 420000 559500 133% 575000 103%

製造原価

商品A 32000 45000 48000

商品B 170000 220000 210000

商品 C 3000 35000 27000

製造原価合計 205000 300000 285000

粗利 215000 259500 120% 290000 112%

粗利率% 51.5% 46.4% 90% 50.4% 108%

*事例では2017年事業計画策定のため2014年ー2016年の販売実績を参考にしている。

ステップ1 過去販売実績トレンド確認

実績l 2014 実績l 2015 粗利率% 実績 2016 粗利率% 計画2017 粗利率%

売上

商品A 65000 94500 145% 100000 105%

商品 B 350000 400000 114% 420000 105%

商品 C 5000 65000 130% 55000 85%

売上合計 420000 559500 133% 575000 103% 603750 105%

製造原価

商品A 32000 45000 48000

商品B 170000 220000 210000

商品 C 3000 35000 27000

製造原価合計 205000 300000 285000

粗利 215000 259500 120% 290000 112%

粗利率% 51.5% 46.4% 90% 50.4% 108% 31390 52%

*事例では2017年事業計画策定のため2014年ー2016年の販売実績を参考にしている。

ステップ1 過去販売実績トレンド確認

141

ステップ2 3Cをチェック

自社: 1. 期待の新製品Dの発売予定あり。2. 新製品発売により販売不振のCの販売は中止3. A地区、B地区ではそれぞれ販売員を5名増員する。4. 商品Aと新製品Dは販売促進特別キャンペーン実施予定5. 地方販売強化の為同地区代理店を販売契約締結予定6. 生産効率は5%改善し製造原価3%削減目標7. 販売実績は133% GP90% in 2015/2014, 03% GP108% in 2016/2015

顧客: 1. GDP 6%, 人口 1%, 政府予算 2%, それぞれ増化

競合他社: 1. Aは今年新製品投入の噂がある introduced a new product this year2.新規の競合として2社参入の噂あり

これらの分析結果Kとして2017年は売上げ105%前年対比、粗利52%を目標とする

Actual 2014 Actual 2015 GR% Actual 2016 GR% Plan2017 GR%

Sales

Product A 65000 94500 145% 100000 105%

Product B 350000 400000 114% 420000 105%

Product C 5000 65000 130% 55000 85%

Sales Total 420000 559500 133% 575000 103% 603750 105%

Production Cost

Product A 32000 45000 48000

Product B 170000 220000 210000

Product C 3000 35000 27000

Cost Total 205000 300000 285000

Gross Profit 215000 259500 120% 290000 112%

GP% 51.5% 46.4% 90% 50.4% 108% 313950 52%

Business Plan for 2017 Company Total

143

1.期待される新製品Dの予定通りの市場投入2. 商品Cは製造販売中止3. 営業マンをA地区B地区に各5名増員4. 特別販促策を商品Aと新製品Dに実施5. 地方販売増強のため新規代理店契約予定

ステップ3 施策実施事項

この計画に従い、関係区で詳細実施事項と実施時期、予算を編成する。

144

重要実施事項1.営業人員増 xxx in 地区 A & B2.新規販促計画策定3.新規支店D解説4.販促計画

1)xxxxx2)xxxxxx3)xxxx

5.新製品投入2017年8月6.CSR調査9月7.XXXXXXXXXXx8XXXxx9.Xxxxxxx10.XXXXXXXXXXXXxxx11,xxxxxxxxxxxxx12.Xxxxxxxx13.XXXxxxxxx

全社計画は月次予算に分割され、それは各関連部署の計画に落とし込まれる

145

作成された計画の進捗管理は毎月確認され、達成され内場合は改善策が協議され実施される。改善策の結果と更なる改善を含め毎月計画は確認され最終月までに計画達成をめざしす。PDCA=Plan, Do, Check, ActionPlan: 計画Do: 実行するCheck: 実績を確認し、達成されなかった場合は原因

を分析し改善策を検討Action: 改善策を実施、更に結果を確認し必要なら

何度も改善策を検討実施し最終的に年度末までに目標を達成する

マーケティング

Relo Panasonic Excel International Co.,Ltd.

Koji Uehigashi (Senior Consultant)

補講

上東幸次(Uehigashi Koji)

Relo Panasonic Excel International, 上級コンサルタントJICA 専門家Panasonic 人材開発会社 マーケティング研修所 講師

上東幸次氏は Panasonic Corp.に 34年間勤務し、主に

マーケティングの仕事を担当し、アメリカ、台湾、フィリピンでの勤務経験を有する。また、パナソニック社のマーケティング研修所にて、海外会社の幹部育成の研修講師を5年間務める。2015~ JICA 専門家

(Mongolia, Vietnam, Myanmar, Cambodia, Kyrgyz)

2000~2015 Panasonic マーケティング研修所、主幹講師2003~2005 Panasonic Philippines, 副社長1998~2000 Panasonic Taiwan, 営業所長1989~1994 Panasonic USA , ハワイ営業所マネージャー

マーケティング 店舗管理経営シミュレーション

松下幸之助経営理念

ビィー・フォワード社 山川社長

撮った! 「次のアマゾン」モンゴルへ

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00003/010900002/

良いものを作るためには衆知を集めることが必要

みんなの知恵を集めることで、よりよいアイデアが生まれてきます。松下幸之助はこの経営スタイルを「衆知を集めた全員経営」と呼びました。

仕事をするには道具が必要

道具を使えないと仕事はできません。また、使い方を知らないと良い仕事はできません。良い仕事をするためには、道具を使いこなす練習が必要なのです。

PEST

3C分析SWOT分析

Cross

SWOT

Marketing Mix

4P分析

(PEST)

(Customer)

(Competitors)

(Company)

(Opportunity) (Threat)

(Strength) (Weakness)

O T

S W

(Product)

(Price)

(Promotion)

(Place)

マーケティングにも道具があります(Frame work①)

Competitive

StrengthValue Chain STP

マーケティングにも道具があります(Frame work②)

何が自分の会社の強みなのか?

差別性 コスト優位性

どこでビジネスをするのか

全体市場

差別化戦略 コストリーダーシップ戦略

特定市場

集中戦略

差別化集中コスト集中

購買

物流 製造

出荷

物流

販売

マーケティング

サービス

全般管理

人事・労務管理

技術開発

調達活動

マージン

単機能

多機能

低価格

製品D

製品X

製品B

製品C

製品A

ポジショニングマップ

PPM Product Cone GAP分析

マーケティングにも道具があります(Frame work③)

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

市場成長率

相対シェア(高) (低)

負け犬金のなる木

花形製品 問題児

ボストン・コンサルティング・グループ

PPMの4つのドメインと資金の流出入

+-

X+ -

+-

+-

PEST分析

P=Policy 政府の政策や規制

E=Economy 経済の動向

S=Society 社会の動きや流行

T=Technology 技術のトレンド

自分の事業に関係する情報を選び出しPESTに

分類する。 全て外部状況となること注意

*肯定的な情報と否定的な情報に区別すると利用しやすい。

国の政策

Policy

新しいビジネスの育成に積極的

比較的容易に借り入れが可能

政治的不安定さはある

経済

Economy

経済成長は緩やか

外資の受け入れは積極的

一人当たりのGDP=$4000

通貨ツグルクが弱い

平均月収$400

社会の変化

Society

ウランバートルへの人口集中

若い国民 24歳以下132万人(43%)

新しいものを受け入れる柔軟性

高いITスキル

ファッションへの関心

冬季の厳しい寒さ

泥道

技術動向

Technology

靴専用洗濯機

スマートフォン普及率90%

革製品修理技術

PEST分析 靴クリーニング店

+ -

国の政策

Policy

定住化政策

経済

Economy

多様なビジネスの発展

富裕層の出現

貧困問題

社会の変化

Society

ウランバートルへの人口集中

コンクリート住宅

西欧式生活様式

環境悪化

技術動向

Technology

多様なシステムキッチン

PEST分析 住宅設備改装業

+ -

国の政策

Policy

観光産業振興 環境汚染

経済

Economy

経済活動の活発化

中国からの投資拡大

社会の変化

Society

外国人の増加

安全性

技術動向

Technology

配車アプリ

快適性

PEST分析 カンボジアのタクシー

+ -

国の政策

Policy

経済

Economy

社会の変化

Society

技術動向

Technology

PEST分析 (練習:あなたの会社)

+ -

3C分析

C=Customer 自分の顧客についての情報

C=Competitor 競合会社の情報

C=Company 自社の情報

顧客の特徴、求めるもの、満足・不満足などについて分析する競争会社の得意なこと・不得意なことを分析する

自分の会社の得意なこと不得意なことを分析する

*肯定的な情報と否定的な情報に区別すると利用しやすい。

3C分析 (Circle K コンビニエンスストア)

顧客

Customer

若者

家族連れ

カップル

会社員

買い物数は少ない

競合他社

Competitor

若者にターゲット

幅広い弁当

数多いKIOSK

自社

Company

先進的なイメージ

人気のホットドッグ

淹れたてコーヒー

明るいサービス

少ない独自商品

ビジネス地区の店舗

+ -

3C分析(カーン銀行)

顧客

Customer

国民全体に幅広い顧客

中間層からの支持が多い

顧客への高い利便性

大手の法人顧客が少ない

競合他社

Competitor

大手企業との幅広い取引

海外業務の強み

低サービス品質

店舗の課題

システムが弱い

自社

Company

支店店舗数が多い

高いサービス品質

従業員教育

明るく清潔な店舗作り

法人取引が弱い

営業活動が弱い

+ -

3C分析(ケーキ店)

顧客

Customer

子供のいる家族層

特別な日にケーキを購入

若い顧客が喫茶店として利用が増える

平均的に購入は2-3カ月に一回程度

中間的な価格のケーキ購入がほとんど

喫茶店としての利用はゼロ

競合他社

Competitor

喫茶店としての利用客が多い

明るい清潔な店内で集客力が強い

イメージが良い

店員の態度が良い

店舗の立地が良い

店舗が少ない

駐車場が狭い

10%ほど値段が高い

自社

Company

駐車場が完備

ケーキの種類が多い

新鮮なケーキを提供

子供の遊ぶスペースを持っている

廃棄するケーキが多い

従業員のサービスが弱い

+ -

3C分析 (練習:あなたの会社)

顧客

Customer

競合他社

Competitor

自社

Company

+ -

5F モデル

Force (1) 業界内の競合の強さ

Force (2) 新規参入の可能性

Force (3) 新しい技術に置き換わる可能性

Force (4) 仕入れ先の交渉力の強さ

Force (5) 販売先の交渉力の強さ

5つのForceを総合的に分析して、自分の属している業界の

魅力度を判断する

5 Forceモデル Supermarket

競争 新規参入 売り手の交渉力 買い手の交渉力 代替商品

卸会社の販売価格統制

売り場作りに強い影響力.

Mini Mart

コンビニエンスストアネット販売

消費者は価格交渉できない

強い

弱い

魅力的? 魅力的

5 Forceモデル カシミア

競争 新規参入 売り手の交渉力 買い手の交渉力 代替商品

独占状態

他業種からの参入は

多くない

カシミア生産者は小規模農場や零細農家

販売価格は、大手メーカーに統制されている

「毛糸の宝石」として珍重させており、代替するものは見当たらない

強い

弱い

魅力的? 一社独占の状況で、魅力度は高くなくなった

5 Forceモデル 赤ちゃん用品店

競争 新規参入 売り手の交渉力 買い手の交渉力 代替商品

百貨店、専門店とも多数が赤ちゃん用品を販売

赤ちゃん服に加えて

ベビーミルクやベビー用品の総合店

値下げ交渉は簡単ではない

選択肢が多く、買い手のチョイスは多い

ネット販売にはまだまだ時間がかかる

強い

弱い

魅力的? 魅力的

5 Forceモデル 100円ショップ

競争 新規参入 売り手の交渉力 買い手の交渉力 代替商品

「Japan Store」「Can Do」以外にほとん

どない

可能性低い

ダイソー

セリア

それほど強くない

価格交渉はゼロ

今のところない

強い

弱い

魅力的? 現在は低いが急速に発展

する可能性あり

5 Forceモデル (練習:あなたの会社)

競争 新規参入 売り手の交渉力 買い手の交渉力 代替商品

強い

弱い

魅力的?

Value Chain分析

購買

物流 製造

出荷

物流

販売マーケティング サービス

全般管理

人事・労務管理

技術開発

調達活動利益

利益

Primary activities

Supportin

g a

ctiv

ities

自社の強みと弱みを分析するためのワークシート。全て内部の状況の分析である。

Value Chain分析 JUR UR

国内の認定サプライヤーから厳選した材料

衛生管理を徹底した効率的な生産設備

効率的な配送システム

13の直営販売店での販売

Eat-inを基本に過ごしやすい店内設計

包装デザインや

メッセージカードに

独自のアイデア

経営方針:「一人ひとりを愛する絆を築く」というミッション

人事方針:失敗を個人の責任にしない、社員は失敗から学び失敗を恐れずに

チャレンジ精神を持つ社員が育つ=>社員定着率が高い

社員研修に力を入れ、日本センターでの人材育成に取り組んでいる

技術開発: ケーキ品質の向上を目指し、最新の生産設備への投資を行う

購買: 材料や道具が不足しないよう、常に在庫を用意している。(ダム式経営)

利益

Value Chain分析(製造業)

材料の在庫が少なくなったら供給先に注文する。

販売数が見通せないので、計画を立ててはいない。

5Sは実践していない

生産性を計る指標はない

品質管理の記録は残していない

納期が遅れることがある

輸送時に破損が

発生している

値引きは実施している

宣伝はしていない

顧客からのクレーム

に回答している

クレーム内容を

社内で共有している

満足度調査をして

いる

経営方針は持っているが、従業員全員に知られているわけではない

従業員が定着してくれない。給与は他社と比べて低くない

他社の製品の真似をして、少し安い価格で販売している

少しでも安い供給先を探して、頻繁に供給先を変える

利益

Value Chain分析(販売・サービス業)

鮮度を保つための

JITは実施していない

材料廃棄が多数

レシピは書面になっていない

キッチンは見せられない

客を待たせることが多い

サービスの順番がバラバラになることもある

季節ごとの特別メニューは無い

顧客からのクレーム

が多い

クレーム内容を

社内で共有している

満足度調査をして

いない

経営方針というものはない

従業員の態度が良くないが、従業員の訓練は実施していない

ずっと同じメニューを続けており、新しいメニューは無い

同じ供給先から購入しているが、価格以外に供給先への要望はあまりしない

利益

Value Chain分析(練習:あなたの会社)

利益

SWOT ・Cross SWOT分析

(S) Strength =強み、得意なこと、優れている点

(W) Weakness =弱み、苦手なこと、劣っている点

(O) Opportunity =機会、チャンス、望ましいこと

(T) Threat =脅威、望ましくないこと

(S)と(W)は会社内部の状況を考える

(O)と(T)は会社外の環境を考える

SWOT・クロスSWOT分析内部要因

強み 弱み

S1: 家具店が集結(家具団地)

S2: 多様な商品中国から輸入

W1: 店舗面積が小さい

W2: お客の奪い合いになる

W3: 同じような商品デザイン

W4: 家具は高価格

「積極化戦略」

S1X O1

様式家具への需要増大

S2 X O3

大量仕入れと多様なデザインの品揃え戦略

「弱点強化戦略」

W1・W2 X O1・O2

消費者の買い回り行動に対して

大型化で多様な品揃え

W3 X O3

メーカーに独自デザイン発注

W4 X O4

持ち帰り家具販売

O1:都市生活で家具需要増大

O2:洋式化が進む

O3:需要増加

O4:自動車の普及 機会 外

部要因

「差別化戦略」

S1 X T1

家具団地の中で、一号店、二号店、三号店とグループ化することで多様なニーズにこたえる

「防衛策」

W1 X T2

グループ経営で規模の拡大

W2 X T2

組み立て式家具販売

T1:i大型店舗の出現

T2低価格量販店の出現脅威

家具屋の戦略

SWOT・クロスSWOT分析内部要因

強み 弱み

S1: ドイツの技術と設備導入

S2: 従業員の高い熟練度

S3:ガラスの品質の高さ

S4:多くの大型施工実績

W1: 営業拠点が少ない

W2: 提案力が弱い

W3: 顧客管理

W4: 輸送破損が多い

「積極化戦略」

S X O

ウランバートル市内の住宅展示場へのショールーム設置

「弱点強化戦略」

W X O

口コミ作戦のため、紹介キャンペーン

O1: コンクリートビルの増加

O2: 防寒技術の理解度

O3: ショーウィンドウなどの普及

機会 外

部要因

「差別化戦略」

S X T

ガラス組合を設立し、ガラス品質の適合マーク実施

「防衛策」

W X T

輸送梱包技術の開発

T1: 低価格競争の増加

T2: 低品質ガラスの横行

T3: 路面状況が悪い 脅威

窓用ガラスメーカー

SWOT・クロスSWOT分析内部要因

強み 弱み

S1:

S2:

S1:

W1:

W2:

W3:

「積極化戦略」

S X O

「弱点強化戦略」

W X O

O1:

O2:

O3:

機会 外

部要因

「差別化戦略」

S X T

「防衛策」

W X T

T1:

T2:

T3: 脅威

あなたの会社の戦略

4P分析 (Marketing Mix)

P = Product 商品やサービス

P = Price 価格戦略

P = Place 場所=流通戦略

P = Promotion 宣伝=販売促進

4P戦略 (Gobi: Galleria Mall)

商品・サービス

Product

優れたデザイン

豊富なカラー

高い品質

価格

Price

手の届きやすい価格

崩れない価格

Place

流通戦略

直営Mallで販売

専門販売員によるサービス

Promotion

販促活動

季節ごとの売り出し処分

4P戦略 (練習:あなたの会社)

商品・サービス

Product

価格

Price

Place

流通戦略

Promotion

販促活動

STP分析

S = Segmentation 市場全体を幾つかの変数により分割する

T = Targeting Segmentationの中からTargetを選ぶ

P = Positioning 自社の強みを活かせる場所を考える

Segmentationの変数は無数にあり、試行しながら適切な変数を選択する。

Targetは、自社の強みを活かせるところを選択する

Positioningは、競争会社とは異なるPositioningを狙う

STP分析 Segmentation

独身 夫婦 夫婦+子供

持家

賃借

その他(親と同居)

STP分析 Target

独身 夫婦 夫婦+子供

持家

賃借

その他(親と同居)

STP分析 Segmentation

T100,000 – 4,999,999 T5,000,000 – 9,999,999 T10,000,000 -

持家 + 自動車

持家

自動車

持家も自動車もない

STP分析 Target

T100,000 – 4,999,999 T5,000,000 – 9,999,999 T10,000,000 -

持家 + 自動車

持家

自動車

持家も自動車もない

STP分析 Segmentation

義務教育のみ 職業高校終了 高等教育終了

20才台

30才台

40歳代

50歳代

STP分析 Target

義務教育のみ 職業高校終了 高等教育終了

20才台

30才台

40歳代

50歳代

STP分析 Segmentation

20才台 30才台 40才台

スポーツ

旅行

チェスなどのゲーム

読書

STP分析 Target

20才台 30才台 40才台

スポーツ

旅行

チェスなどのゲーム

読書

あなたの狙う市場 STP分析 Segmentation

あなたの狙う市場 STP分析 Target

家電量販店 STP分析 Positioning

パソコン専門店 家庭用電気製品

サービス志向

価格志向

通信会社 STP分析 Positioning

料金低い 料金高い

サービス品質高い

サービス品質低い

コーヒーショップ STP分析 Positioning

コーヒーマシン 本格的コーヒー

極上の雰囲気

カジュアルな雰囲気

あなたの会社のSTP分析 Positioning

Competitive strategy と Blue Ocean Strategy

低価格Cost Leadership

集中Focus

差別化Differentiation

Red Ocean

Blue Ocean

商品戦略 Product Cone

Benefit 製品・サービスを使うことによって得られる便益は何か

を考える。 3つくらいが適正。

Attribute 便益がなぜ得られるのかの理由について考える。

製品・サービスの技術的特長などを考える。

Character 製品・サービスの優れている点を一言で表現する

新製品・新サービスを創出するときに使うことができる。

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

シーバクソーンジュース自動販売機

栄養豊富のシーバクソーンジュースがどこでも飲める

ショッピングセンターや事務所内、学校内、人の集まるところ

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone シーバクソーンジュース

いつでも健康!イエロードクター

①コルステロール抑制、更年期障害改善②動脈硬化・心筋梗塞予防③免疫力向上

①ビタミンEを豊富に含有②バルミトレイン酸による悪玉コルステロール低減③免疫テストを実施。75%の治験者で免疫力向上が確認

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

ガソリンスタンド内コンビニエンスストア

給油時に駐車と買い物と食事や喫茶の利便を提供する

ガソリンスタンド利用者

給油時に買い物や食事をする

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone

一度にいろいろ済ませたい人集合!

①給油で止まるお客様への飲食や買い物の提供②給油が楽しくなる③安全

①ガソリンを入れたときに、買い物がしたいと思うお客様にサークルKを併設。②ホットドッグを食べたり、コーヒーを飲んだり③明るいから安全

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

Shoro

キルギスの伝統的飲料を、手軽に街中で、いつでも飲めるように

健康に気を付ける人たち街中の全ての人伝統的飲料を好む人たち

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone Kyrgyz Shoro

手ぶらで散歩

①先祖から受け継がれた健康法②昔ながらの家庭の味を③どこでも持っていける

①昔からキルギスの家庭で飲まれていた伝統的飲料2種類一つはヨーグルト飲料、一つは穀物から作る飲料

②電気を使わないコンテナで冷たく冷やされており、通勤通学や運動中や散歩中の人たちが手軽に飲める③街中の全ての4つ角に必ずある

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

個人荷物のCircle K

で受け取りCircle Kで荷物の受け取り

オンライン販売業者オンライン販売の利用客

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone モンゴル宅配

開いててよかったCircle K

①Circle Kで配達荷物の受け取り②Circle Kでお支払い③Circle Kで荷物の発送と代金回収も

①最寄りのCircle Kを受け取り場所に指定②商品代金と手数料をCircle Kで支払い③相手先の最寄りのCircle Kに荷物の発送と代金回収も

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

企画意図コアターゲット商品名(品番)

あなたの会社の Product Cone

ケース スタディー

パナソニック・フィリピン

一槽式(Single Tub)洗濯機

参考:二槽式(Twin Tub)

国の政策

Policy

製造業の振興

工場誘致

経済発展

輸入品への高関税政策

経済

Economy

経済規模が小さい

低所得者層が大多数

共働きが大多数

一部の富裕層と貧困の二極化

社会の変化

Society

農村から都市部へ

アメリカファッションが流行

父親母親両方が働く

子供を世話するためにHouse Maid(女中)雇用

技術動向

Technology

高機能で高価格製品が増加 単機能で低価格な商品は少ない

PEST分析 (Panasonic Philippinesの洗濯機)

+ -

3C分析 (Panasonic Philippinesの洗濯機)

顧客

Customer

夫婦共働き家庭が圧倒的

お手伝いさん(House Maid)を雇うことが一般的

国民全体の平均年齢が若い

国民の大多数は低所得

洗濯は手洗いがまだまだ一般的

お手伝いさんは外国への出稼ぎが多く、国内では供給不足

お手伝いさんは複雑な機械が苦手

競合他社

Competitor

フィリピンに工場設立しているメーカーは限られる その他の競合は高価な輸入品を販売

価格競争

自社

Company

フィリピンで洗濯機、テレビ、エアコンを自社工場で生産

社内に設計部を持つ

独自設計が許されている

都市部から地方まで数多い取引先を持つ

低コストでの生産は得意ではない

+ -

5 Forceモデル (フィリピンの洗濯機)

競争 新規参入 売り手の交渉力 買い手の交渉力 代替商品

強い

弱い

魅力的? ふつう程度

Value Chain分析(Panasonic Philippines)

フィリピン国内の共栄サプライヤーからの調達

・JIT

・品質管理

工場は5Sや改善活動を取り入れた日本式運営方法

フィリピン国内のあらゆる取引先に自社物流ネットワーク

テレビ、新聞、ラジオ、雑誌宣伝を通じて

積極的にPR

自社サービスセンターと委託サービスセンターで迅速なサービス

経営理念を持ち、フィリピン国民の生活の向上に全力で取り組むという考え方

フィリピン人が社長をしており、経営幹部および管理職もフィリピン人が多く占めており、

人事制度もフィリピン人登用に積極的

日本の工場から、技術者が派遣され、日本で開発された技術や生産管理で

運営さている。

フィリピン国内で入手困難な重要部品は、日本のサプライヤーから購入

利益

SWOT・クロスSWOT分析内部要因

強み 弱み

S1: 工場がある

S2: 設計部がある

S1: 販売・サービスが強力

W1: 低価格生産が弱い

W2: 日本設計の商品が中心

「積極化戦略」

S X O

低価格の洗濯機生産

「弱点強化戦略」

W X O

日本技術をベースにフィリピン設計

O1:洗濯機需要は拡大中

O2:夫婦共働きが一般的

O3:家事はお手伝いさんを使っている

04:実際に洗濯するのはお手伝いさん

機会 外

部要因

「差別化戦略」

S X T

手洗いから洗濯機へのPR

「防衛策」

W X T

根本的な商品設計見直し

T1:手洗いが根強い

T2:価格競争

T3: 脅威

Panasonic Philippinesの戦略

4P戦略 (Panasonic Philippines)

商品・サービス

Product

洗うだけ 一槽式洗濯機 (脱水機能なし)

価格

Price

$50

Place

流通戦略

フィリピン全土 都市部から農村部まで

Promotion

販促活動

手洗いー>洗濯機へ

Panasonic Philippinesの狙う市場 STP分析 Segmentation

住み込みお手伝いさん

時間制お手伝いさん

お手伝いさんなし

高所得層

中所得層

低所得層都市部

農村部

Panasonic Philippinesの狙う市場 STP分析 Target

住み込みお手伝いさん

時間制お手伝いさん

お手伝いさんなし

高所得層

中所得層

低所得層都市部

農村部

Panasonic PhilippinesのSTP分析 Positioning

単機能 多機能

高価格

低価格

輸入品洗濯機

パナソニックSingle Tub

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

Single Tub

Washing machine生活の改善大量生産で低価格

お手伝いさんのいる家庭低所得層共働き家庭

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Panasonic Philippines Product Cone

手洗いから洗濯機へ

①重労働から解放②低価格である③小型である

①お手伝いさんは洗濯機の有る家で仕事したい②たったの$50で買える③結婚式やクリスマスのプレゼントになる

Internet Marketing

Internetをビジネスに活用する方法が、どんどん新しく創出されている。

成功しているビジネスの特徴は、個人と個人を結びつけて価値を生み出す方法である。

タクシーのUBERが、その代表であり、世界中で類似のサービスがスタートしている。

私がInternetのマーケティングで一番注目している幾つかの事例を紹介する

MERCARI (日本)

出品 支払い

配送支払い

個人 個人

OVO (Indonesia)

買い物

タクシー

給与受け取り

送金(仕送り)

融資

銀行口座のない人、クレジットカードの無い人にお金を貸す仕組み

小さな信用供与

信用度をAIで分析

大きな信用供与

買い物

期日までに返済

買い物サービス利用

携帯電話番号

Relo Panasonic Excel International Co.,Ltd.

Koji Uehigashi (Senior Consultant)

マーケティング補講 part2

Segmentation 一層の理解のため

Segmentationの基準

人口統計的変数 年齢、世帯規模、家族構成、家族のライフサイクル、収入、職業

地理的変数 地域、都市、人口密度、機構

心理的変数 ライフスタイル、パーソナリティー、好み、趣向、趣味、ファッション、価値観、金銭感覚

行動上の変数 利用頻度、ベネフィット、ユーザーの状態、利用割合、利用状況、ロイヤルティ、購買認知段階、製品に対する態度

製品・サービスの属性変数

製品・サービスの品質、性能、サイズ、スタイル、デザイン、質感、素材

STP分析 Segmentation

1,591,848 1,646,631

合計3,238,479

STP分析 Target

Target

STP分析 Segmentation

世帯当たり月収額 世帯数 %

0-T300,000 42,000 5%

T300,000-T500,000 118,500 13%

T500,000-T700,000 110,300 12%

T700,000-T900,000 117,600 13%

T900,000-T1,100,000 99,000 11%

T1,100,001-T1,600,000 193,300 21%

T1,600,001-T2,100,000 114,000 13%

T2,100,001- 116,700 13%

総世帯数 911,800 100%

STP分析 Target

世帯当たり月収額 世帯数 %

0-T300,000 42,000 5%

T300,000-T500,000 118,500 13%

T500,000-T700,000 110,300 12%

T700,000-T900,000 117,600 13%

T900,000-T1,100,000 99,000 11%

T1,100,001-T1,600,000 193,300 21%

T1,600,001-T2,100,000 114,000 13%

T2,100,001- 116,700 13%

総世帯数 911,800 100%

Target

STP分析 Segmentation

Outdoor Indoor

STP分析 Target

Outdoor Indoor

○Target

STP分析 Segmentation

Football

Truck

&fieldBasketball

Tennis

Baseball

Badminton

Table tennis

Volleyball

Choice of Sports activity by Junior high boy students(2018)

STP分析 Target

Football

Truck

&fieldBasketball

Tennis

Baseball

Badminton

Table tennis

Volleyball

Choice of Sports activity by Junior high students(2018)

○Target

4P分析 (Marketing Mix)

P = Product 商品やサービス商品・サービスが提供する本質的な価格、その商品が提供する機能、その商品に付随している

補助的な無償サービスなど

P = Price 価格戦略商品/サービスのコスト、市場浸透価格(ペネトレーションプライシング)、

PLC(製品ライフサイクル)からみた価格戦略など

P = Place 場所=流通戦略実店舗かネットショップか、自社が直接販売しているか、代理店経由か、流通チャネルの長さと幅

P = Promotion 宣伝=販売促進プル戦略とプッシュ戦略、広告と広報、(狭義での)販促、AIDMAやAISAS

製品の付随機能

製品の形態

中核製品

●取り付け●配達と支払い●保証●アフターサービス

●パッケージング●特徴

●ブランド ●品質

基本製品

期待製品

膨張製品

潜在製品

機能価値

実現価値企業

顧客

商品(Product)

商品(Product) (例:iPhone10)

高級時計のような包装誰でも知っているブランドマークオリジナリティー溢れる商品設計先進的技術革新的デザイン高い品質

期待製品

潜在製品

基本製品

新開発CPUは70%高速OLED採用2カメラ(1200万画素、7万画素)ワイアレス充電高い防水機能(IP67レベル)電池:連続通話21時間前面・背面はガラス使用、ベゼルレスデザイン

iPhoneショップ所有することへのプライドiPhone修理店が豊富製品保証の充実再販価値も高い

商品(Product) (例:ЧАЦАРГАНЫ ОХЬ)

持ち運びに便利な6本パック栄養ドリンクのようなパッケージ豊富な栄養素を含有

(ビタミン、ミネラル、アミノ酸、有機酸、ポリフェノール、脂肪酸、食物繊維)ドイツ製最新生産設備、品質管理

体質改善美容と健康に効果的:

疲労回復、免疫力アップ、美肌効果、ダイエット効果、便秘解消、膀胱炎予防、Anti-aging、風邪予防

期待製品

潜在製品

基本製品

天然チャツァルガンの果実100%ジュース添加物無使用50ml 6本入り T10,799

商品(Product) (例:KHAAN Chips)

国産品輸入品より新鮮価格も手ごろ(輸入品の3分の一)

ビールに合う子供のおやつに良いピクニックに持参ちょっとお腹が空いたときに良い

期待製品

潜在製品

基本製品

ポテト菓子T449

塩味とチーズ風味30g

商品(Product) (例:Golden Gobi)

モンゴルの絵の包装箱と包装紙高い品質上品な美味しさ品質の高さ

モンゴルのお土産家族、職場、友達へのプレゼント

期待製品

潜在製品

基本製品

チョコレート24個入りT11,999ベルギーの技術

PLC(Product Life Cycle)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

売上

利益

導入期 成長期 成熟期 衰退期

認知と市場確立を目的としたマーケ

ティング

シェアー拡大や差別化のためのマーケ

ティング

プロモーションによるブランド強化

広告を減らし、販売に直結する販売促

進に特化

最初は赤字状態展示会の参加

多数の新製品新機能追加

激しい価格競争 撤退する企業

PLC(例:システムキッチン)

売上

導入期

認知と市場確立を目的としたマーケ

ティング

システムキッチン

PLC(例:CVS モンゴル)

売上

導入期

認知と市場確立を目的としたマーケ

ティング

CVS

Ulaanbaatar 人口1,310,000

店舗:30

さいたま市 人口:1,307,000

店舗:495

PLC(ケーキショップ)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

成長期

シェアー拡大や差別化のためのマーケ

ティング

PLC(コーヒーショップ)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

成長期

シェアー拡大や差別化のためのマーケ

ティング

PLC(Product Life Cycle)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

成熟期

プロモーションによるブランド強化

モンゴルのスマートフォン普及率は79%(MMCG)

日本は60%

PLC(例:CVS 日本)

売上

CVS

成熟期

プロモーションによるブランド強化

店舗数:58,000

奈良県:人口1,340,000

457店

PLC(Product Life Cycle)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

衰退期

広告を減らし、販売に直結する販売促

進に特化

Brandを形作る要素

Brand

識別機能 保証機能 想起機能

良好なイメージが想起されるほど、価格プレミアアム、顧客ロイヤリティーが向上する

歴史 文化 価値 便益

Brand Ranking 2019

https://www.interbrand.com/best-brands/best-global-brands/2019/ranking/

Interbrand社調べ

Brand Equity戦略

組織

人シンボル

製品

Brand loyalty

Brand Recognition

Brand連想他の所有権のあるブラン

ド資産

知覚品質

Brand

Identity確立

Brand loyaltyが高いほど他のBrandに乗り換える可能性が低い

顧客の知覚に基づく総合的な品質。製品・サービスだけでなく、広告価格やイメージなどBrandに関するフィーリング。

その他のBrandやPatent

Brandが何の商品なのか顧客が認識できる。商品名を聞くと、Brandが想起される。

Brandに結びつくあらゆる記憶

Brand Equity戦略(Lexus)

Brand loyalty

Brand Recognition

Brand連想他の所有権のあるブラン

ド資産

知覚品質

ずっとTOTOTAの車を乗り継いでいる他のメーカーに乗り換えるつもりはない

Lexusのアフターセールスの品質の高さ。高度なモノづくり。設計技術の高さ。ショールームの気持ちよさ。従業員の丁寧な対応。

TOYOTAブランド。F1レース

Lexusは高級車である。高級車と言えばLexusが思い浮かぶ

Lexusを試乗した時の感動

Brand

Identity確立

Brand Equity戦略(ハーン銀行)

Brand loyalty

Brand Recognition

Brand連想他の所有権のあるブラン

ド資産

知覚品質

いつもハーン銀行を使い続けたい。他の銀行に変えるつもりはない。

店舗の綺麗さ、接客態度が訓練されていて気持ちいい。明るい店内で、行き届いたサービス。

日本の澤田ホールディング

ハーン銀行は信頼できる銀行信頼できる銀行と言えばハーン銀行が思い浮かぶ

ハーン銀行の窓口サービスがとても良かった。

Brand

Identity確立

商品戦略 Product Cone

Benefit 製品・サービスを使うことによって得られる便益は何か

を考える。 3つくらいが適正。

Attribute 便益がなぜ得られるのかの理由について考える。

製品・サービスの技術的特長などを考える。

Character 製品・サービスの優れている点を一言で表現する

新製品・新サービスを創出するときに使うことができる。

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

シーバクソーンジュース自動販売機

栄養豊富のシーバクソーンジュースがどこでも飲める

ショッピングセンターや事務所内、学校内、人の集まるところ

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone シーバクソーンジュース

いつでも健康!イエロードクター

①コルステロール抑制、更年期障害改善②動脈硬化・心筋梗塞予防③免疫力向上

①ビタミンEを豊富に含有②バルミトレイン酸による悪玉コルステロール低減③免疫テストを実施。75%の治験者で免疫力向上が確認

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

ガソリンスタンド内コンビニエンスストア

給油時に駐車と買い物と食事や喫茶の利便を提供する

ガソリンスタンド利用者

給油時に買い物や食事をする

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone

一度にいろいろ済ませたい人集合!

①給油で止まるお客様への飲食や買い物の提供②給油が楽しくなる③安全

①ガソリンを入れたときに、買い物がしたいと思うお客様にサークルKを併設。②ホットドッグを食べたり、コーヒーを飲んだり③明るいから安全

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

Shoro

キルギスの伝統的飲料を、手軽に街中で、いつでも飲めるように

健康に気を付ける人たち街中の全ての人伝統的飲料を好む人たち

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone Kyrgyz Shoro

手ぶらで散歩

①先祖から受け継がれた健康法②昔ながらの家庭の味を③どこでも持っていける

①昔からキルギスの家庭で飲まれていた伝統的飲料2種類一つはヨーグルト飲料、一つは穀物から作る飲料

②電気を使わないコンテナで冷たく冷やされており、通勤通学や運動中や散歩中の人たちが手軽に飲める③街中の全ての4つ角に必ずある

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

個人荷物のCircle K

で受け取りCircle Kで荷物の受け取り

オンライン販売業者オンライン販売の利用客

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone モンゴル宅配

開いててよかったCircle K

①Circle Kで配達荷物の受け取り②Circle Kでお支払い③Circle Kで荷物の発送と代金回収も

①最寄りのCircle Kを受け取り場所に指定②商品代金と手数料をCircle Kで支払い③相手先の最寄りのCircle Kに荷物の発送と代金回収も

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

企画意図コアターゲット商品名(品番)

あなたの会社の Product Cone

価格(Price)

€1,800,000

¥230,000,000

T5,750,000,000

1969 Ferrari 365 GTB/4 Daytona

価格弾力性(Price elasticity)

価格弾力性 =価格の変化 (%)

需要の変化 (%)

数量

価格引き下げ10%→

弾力性が高い

需要増加 大

penetration priceが適合

数量

価格引き下げ10%→

弾力性が低い

需要増加 小

skim priceが適合

PE=3.0 PE=0.5

価格弾力性(Price elasticity)

数量

価格引き下げ10%→

弾力性が高い

需要増加 大

penetration priceが適合

PE=3.0

価格弾力性(Price elasticity)

数量

弾力性が低い

需要増加 小

skim priceが適合

PE=0.5

高い 中間 低い

高い Premium High Value Super value

中間 Over charging Average Good value

低い Rip-off False economy economy

価格

商品・サービスの品質

Philip Kotoler

価格を1%増加するとき営業利益は11.1%

高くなく

売上を1%増加するとき営業利益は3%

改善する

価格と品質の関係

損益分岐点表

費用

売上高

総費用

変動費(Variable expense)

固定費(Fixed expense)

利益

損失

売上

損益分岐点Break-even

point

売上高 T10,000,000 100%

材料費 T5,500,000

売上高利益

(粗利)

T4,500,000 45%

販売管理費 T3,500,000

営業利益 T1,000,000 10%

損益計算書

あなたはケーキ屋を経営しています。今月の売上はT10,000,000でした。帳簿をキチンと付けているあなたは、今月も損益計算書を作成しました。営業利益はT1,000,000となっており、安心したところです。

「結果の利益は分かるのだけど、打ち手の考えられる分析方法はないかな?」

限界利益という考え方があるようだ。

費用を変動費と固定費に分けて考えるようだ。

費用明細

材料費 T5,500,000 変動費

家賃 T1,000,000 固定費

人件費 T1,250,000 従業員6名 固定費

設備償却費 T500,000 設備償却費は5年間 固定費

水道光熱費 T250,000 固定費

広告宣伝費 T100,000 固定費

販売費 T250,000 デパートの販売手数料

売上の0.25%

変動費

広告協力金 T150,000 売上の0.15% 変動費

合計 T9,000,000

設備償却費とは

T60,000,000

支払い

10年償却一年の償却費T60,000,000÷10=T6,000,000

一カ月の償却費用T6,000,000÷12=T500,000

売上高 T10,000,000 100%

変動費 T5,900,000

限界利益

(売上高-変動費)

T4,100,000 41%

(限界利益率)

固定費 T3,100,000

営業利益 T1,000,000 10%

(営業利益率)

限界利益計算

限界利益を使って損益分岐点を求める

限界利益 売上高 変動費= -

限界利益 固定費 営業利益= + 利益が「ゼロ」の場合、

限界利益 固定費=

損益分岐点売上高 固定費 ÷ 限界利益率=

T3,100,000 ÷ 41%=

T7,560,976ケーキ屋が赤字にならないために必要な売上高

利益がゼロの売上高

価格 基本

価格施策の基本

価格設定の基本手法

コスト志向型価格設定

知覚志向型価格設定

競争志向型価格設定

アンケート調査

Focus group

Conjoint分析

コスト志向型価格設定

材料費 T500,000

人件費 T100,000

賃貸料 T50,000

光熱費 T10,000

通信費 T5,000

配送費 T15,000

その他経費 T10,000

経費合計 T690,000

生産数 100

一つ当たり原価 T6,900

100個生産

売値決定

x - 6900 = ? X 0.25x - 0.25x = 6900(1-0.25)x = 6900

x = 6900 ÷ (1-0.25)x = 9200

利益は25%欲しい!売値計算しよう

売値に25%の利益が含まれるように計算しよう

売値はT9200となった

利益25%

売値 x

原価T6,900

コスト志向型価格設定

T9,200 X (1-0.25) =T6,900

売れ残り

T8,625 X (1-0.25) =T6,468

競争志向型価格設定

T8,200 T8,300T8,000T8,100

T8,500Benchmarking

T9,200

プレミアム価格設定

T8,200 T8,300T8,000T8,100

T9,800豪華な店舗有名ブランド厳選材料コンテストで金賞獲得テレビ宣伝の人気店

T9,200

知覚志向型価格設定

Conjoint分析

Model A

¥2,895,000

Model E

¥2,565,200

Model S

¥2,612,500

¥282,500

¥47,300

+LED Fog lamp

価格(新製品価格戦略)

Skimming Price

高価格

Penetration Price

低価格

高品質であるしるし

Veblen 効果高価格ほどよく売れる

非常に低価格

市場での早期浸透

高価格戦略

NogamiHalf ¥432 (T10,800)

Yamazaki¥157 (T3,925)

高価格戦略(Let’s note)

CF-QV8GFRQR

OS Windows 10 Pro CPU Corei7 SSD 512GB メモリー 16GB MS OfficeScreen:12inch¥412,443 (T10,311,075)

HP Spectre x360 13-aw0000 WWANOS Windows 10 Pro CPU Corei7 SSD 1TB メモリー 16GB MS OfficeScreen:13inch¥198,880 (T4,972,000)

高価格戦略(SD card)

2004 ¥50,000 (T1,250,000)

2019 ¥1,380 (T34,500) 販売

生産コスト

低価格戦略(Yoshinoya)

1966 1975 1979 1985 1990 2001 2006 2013 2014 2015

¥120

¥200

¥300

¥280

¥400

370

¥350

¥380

¥300

価格調整戦略

価格調整戦略

割引とAllowance

地理的価格設定

差別的価格設定

販売促進型価格設定

価格調整戦略(online shopping)

初回限定¥1000,二回目以降も10%OFFの¥4665

初回限定¥0

価格調整戦略(ジャパネット)

古い洗濯機 下取り¥20,000 さらにもう¥10,000値引き

今日一日だけ¥20,000値引き

送料、分割払い金利、手数料は無料

価格調整戦略 (ネット販売大手)

無料配送 ショッピングポイント15倍 カード支払いで+5%ポイント還元

価格調整戦略 (Steak Gusto)

サラダバーが無料で取り放題食べ放題

ビーフステーキ食べ放題¥2199

価格調整戦略 (McDonald)

日本を6つの地域に分け地域ごとに異なる「値段 ¥290~¥360

都心部、郊外など立地条件により値段を9つに区分

2015年価格統一 ¥390

(T9,759)

地域別価格

立地別価格

ビッグマック

価格調整戦略 (二つ目半額)

お寿司盛り合わせが2皿目半額ジーンズが二本目半額 二足目半額

製品ミックスによる価格戦略

製品ミックス企業における製品ラインの組み合わせ

製品ラインによる価格設定

Captive製品の価格設定

Bundle価格設定

関連製品価格設定

製品ライン

製品ライン

製品ライン

製品ライン

製品ラインによる価格設定

EOS-1D X Mark II¥500,200(T12,505,000)

EOS R¥237,500(T5,937,500)

EOS RP¥158,690(T3,967,250)

EOS 5D Mark IV¥354,700(T8,867,500)

Professional High amateur EntryHigh amateur

関連商品価格設定

¥130,640(T3,266,000)

¥2,480(T62,000)

¥19,400(T485,000)

¥10,120(T253,000)

¥28,050(T701,250)

¥158,690(T3,967,250)

¥205,690(T5,142,250)

¥15,000(T375,000)

¥364,380(T9,109,500)

Bundle価格設定

EOS RP + Lens kit¥277,250(T6,931,250)

Bundle価格

Lens kit¥130,640(T3,266,000)

¥289,330T7,233,250

EOS RP¥158,690(T3,967,250)

キャプティブ(captive)製品価格設定

CanonPIXUSTS3130SBK¥4,940(T59,300)

Black ink cartridge¥2,580(T31,000)

Color ink cartridge¥2,480(T29,800)

消耗品戦略

流通(Place)

製造

小売

58,000店¥10,378,000,000,000

T259,450,000,000,000

3,812店¥2,468,703,780,000

T61,717,500,000,000

1,059店¥6,101,400,000,000

T152,525,000,000,000

コンビニエンスストア

ホームセンタースーパーマーケット

¥601,400,000,000

T15,035,000,000,000

¥872,600,000,000

T21,800,000,000,000¥1,580,000,000,000

T39,500,000,000,000

直接注文

垂直マーケティングシステム(VMS)

製造

小売

製造

小売

製造

小売

企業型VMS一つの資本が全流通チャ

ネルを所有する

契約型VMS独立したメンバーが契約

で結びつく

管理型VMS影響力の強いメンバーが他のメンバーをコントロー

ルする

企業型VMS(31アイスクリーム)

製造

小売

企業型VMS一つの資本が全流通チャ

ネルを所有する

企業型VMS(Gobi)

製造

小売

企業型VMS一つの資本が全流通チャ

ネルを所有する

管理型VMS (TRUSCO)

機械メーカー2500社

機械工具商ネット通販企業

ホームセンター

小売

5305社

製造

小売

管理型VMS影響力の強いメンバーが他のメンバーをコントロー

ルする

管理型VMS (Aeon)

製造

小売

管理型VMS影響力の強いメンバーが他のメンバーをコントロー

ルする

メーカー

直接仕入れ

卸卸から仕入れ

Private

label

仕入れ

契約型VMS (マクドナルド Japan)

仕入先

小売

契約型VMS独立したメンバーが契約

で結びつく

2890店舗¥272,200,000,000

T6,805,000,000,000

Franchise契約

技術指導・購入契約

無製造型(Fabless) Uniqlo

製造

小売

SPASpecialty Store Retailer of

Private Label Apparel

817店舗(日本)1379店舗(海外)¥2,290,500,000,000

T57,262,500,000,000

R&D(デザイナー/パタンナー

マーチャンダイジング(商品企画)

素材開発・調達

生産工場全て委託工場自社工場はゼロ

Amazon Japan (日本事業)

製造

小売

輸送

Platform企業があらゆる商品の販売を行い、物流会社を使って消費者に届

ける。

¥1,535,000,000,000

T38,375,000,000,000

Aeon Mall

Mall

Developer

巨大なモールを建設し、有名テナントを集め、抜群

の集客力を誇る

日本:153海外:27

小売Cambodia Sen Sok City

180,000 sqr meter

店舗における新しい形態

Place:Don Quijote

https://www.youtube.com/watch?v=zK1OEAXUAGE

500店舗¥2,000,000,000,000

(T50,000,000,000,000)

遊園地のような楽しい空間曲がったり、入り組んだ狭い通路は迷路のようPOP(販促物)が山盛りで使われているPOPは各店に専任クリエーターが作成する値段は激安何でも売っています外国人観光客は必ず訪れる

Place:業務スーパー

業務用スーパーという名称だが、一般の人たちでも買い物できる。店内は商品が段ボール箱に積まれており、店舗というより倉庫という感じ食料品や飲料の値段はとにかく安い肉は1Kgで売っており、パスタは5Kgで¥870。冷凍食品の種類が多く、内容量が大きく値段が激安。

845店舗¥277,000,000,000

(T6,925,000,000,000)

Place:Daiso(¥100 shop)

全商品価格は100円(T2500)

商品数70,000種類あり、全てが自社開発商品毎月800種類の新製品が生まれている100円とは思えない商品がお客を驚かせる

日本3367店舗海外2174店舗

¥475,700,000,000

(T11,892,500,000,000)

Place:e-mart (Mongolia)

13,550 square

meter

Khan-Uul District

7,590 square meter

Beijing street

5,000 square meter

Solo mall, Western Ulaanbaatar

3店舗の総面積は26,500㎡となり、当初計画を完成させた。電気製品売り場を拡大しており、電化製品の需要増に対応。販売品目も35,000種類を揃え、商品を充実させる。プライベートラベル商品の拡大

Place:Gobi-Galleria (Mongolia)

2,500 square meter

Chinggis Khan Square

高級ブランドを作り上げる大きな要素は、ショールームの品質。Gobiは着実にカシミアの#1としての地位を築いた。GOBI,GOYOの2大ブランドを一つのフロアーに集めた売り場は、ブランド発信力が強力。

Place:Nishimatsuya (ベビー用品店)

ベビー用品店。そのような専門店をCategory

Killerと呼ぶ。このような単一カテゴリーの専門店が成長しており、多くの商品カテゴリーを販売するデパートは縮小している。店内の通路が広く、ベビーカーを押してもゆったりと買い物できる。

1009店舗¥138,000,000,000

T3,450,000,000,000

Place:BSB (電器店)

家電専門店。これもCategory Killer。量販店として多くのメーカー、商品を扱っており、家電製品の需要が高まっていくモンゴルで、今後も成長が期待できる。この店舗の特徴は、店内のレイアウトや陳列が優れている点。商品説明にPOPを活用すればもっと良くなる。

ヨドバシカメラ(日本)

Place:WORKMAN (作業服専門店)

最近急成長している作業服専門店。これもCategory Killer。作業服に集中している。作業服の機能的デザインが一般客にも受けている。これまで作業服は、工事道具や工事材料とともに薄暗い店舗で販売されていたが、売り方を一新し大成功した。

858店舗¥66,969,000,000

T1,674,225,000,000

Place:Dordoi Plaza Mall (Kyrgyz)

ショッピングモールは急速に顧客に受け入れられる。以前 デパートの時代2013年 Bishkek Park

2017年 Asia Mall

2018年 Dordoi Plaza Mall

(70,000㎡,800台駐車場,200店舗,遊園地)

広告・販売促進(Promotion)

Promotion

PRPublic Relations

広告

人的販売 SPSales Promotion

Promotion Mix4要素の最適な組み合わせ

Integrated

Marketing

Communication統一されたデザイン、統一さ

れたメッセージ

日本の広告宣伝

ラジオ2%

テレビ29%

雑誌 3%新聞 7%

インターネット27%

セールスプロモーションメディア 32%

交通広告POP

展示・映像

2018年広告費合計¥6,630,000,000,000

T165,750,000,000,000

インターネットの利用が非常に増加していることが、大きな特徴。

モンゴルのメディア媒体

媒体のメリット・デメリット

メリット デメリット

マス広告4媒体 新聞 信頼性 若者は読まない

雑誌 絞ったターゲット 発行部数が少ない

ラジオ 自動車へのリーチ 聞き流す

テレビ 広範囲・高インパクト 高価格・変更困難

セールスプロモション媒体

交通広告 地域セグメント容易 商品により向き不向き

野外広告 比較的低コスト 地域限定的

新聞折込 地域セグメントが容易 読まれないリスク

DM 低コスト 低いレスポンス率

電話帳 低コスト 読まれないリスク

インターネット 柔軟で細分化されたターゲットにリーチ

競争が激しい

PR(Public Relations)

Publication

Event

News

Community Activity

Identity Media

Lobbying

Social Responsibility

年次報告書、顧客向けパンフレット、カタログ

展示会、記者会見、セレモニー、スポーツ大会協賛

企業活動、製品に関するニュース発信

地域社会への貢献活動

名刺、レターヘッド、服装規定など

政治に働きかけ

社会的責任の遂行

人的販売を活性化するために

セールスパーソンの教育訓練

インパクトと影響力

粘り強さ自分に対する自信

目標達成重視

セールスフォース全体の業績向上

組織的販売(Team selling)

標準的販売プロセス

情報の共有化

部門横断的な組織

新製品販売プロセスの標準化

1月 2月 3月 4月 5月

技術マーケティング

営業

サポート

技術資料マーケティング計画

見込客調査

営業用パンフレット

合同会議でスケジュール確認

プレス発表展示会開催ポスター、POP

顧客訪問商談会開催フォロー

DM発送電話作戦

顧客接点拡大、顧客意見検討

アフターサービスと定期的顧客訪問

新製品企画

マーケティング戦略

SP(Sales Promotion)

大人数

個人

静的 動的

イベント展示会街頭映像

Direct Mail

新聞折り込みPOP

電話帳広告

交通広告屋外広告

試供品配布店頭映像

媒体別Sales Promotion

●数量値引き●Allowance

●イベント招待●招待旅行●達成ボーナス

対象別Sales Promotion

●クーポン●懸賞●景品●キャッシュバック●無料トライアル●ポイント

●販売コンテスト●Novelty

●報奨金●社員販売●ボーナス

消費者向けSP 社内向けSP流通向けSP

ダイレクトマーケティング

企業

顧客

顧客との直接取引し、信頼関係を築き、顧客との長期的関係を大切にする

Competitive strategy と Blue Ocean Strategy

低価格Cost Leadership

集中Focus

差別化Differentiation

Red Ocean

Blue Ocean

Product

Price

Place

Promotion

7P People

Process

Physical

evidence

■従業員採用、訓練、動機付け、賃金、昇格■顧客教育、訓練■企業文化、価値観、経営理念

■施設デザイン 美的、機能的、快適■備品、道具、■従業員の服装■カタログ、パンフレット

■サービス提供の流れ標準化、個別のサービス

■サービス提供手順の数単純、複雑

■顧客のサービスへの参画の度合い

サービス Marketing

サービス・プロフィット・チェーン

従業員の満足度向上

定着率向上

生産性の向上

顧客サービスの質の向上

顧客満足度顧客ロイヤルティ向上

売上向上

利益向上

社内サービスの質向上

従業員満足調査

仕事

職場

上司

法令順守

業務負荷

人事制度

Top Management

お客様志向

従業員満足調査

The Ritz-Carlton

経営理念(The Ritz-Carlton)

従業員への約束: 従業員は紳士淑女であり、最も大切な宝物です。個々人の才能を育成し、最大限に伸ばします。多様性を尊重し、充実した生活が送れ、個々人の目標実現できるよう職場環境を作ります。

人材育成(Panasonic)

Panasonic社員研修所

施設(Facility)

制服

小児病院スタッフ制服

東京ディズニーランド

パンフレット(海遊館 KAIYUKAN)

館内Map

サービスの手順

トリートメントの手順

顧客参画の度合い

注文セルフサービス 回転寿司・セルフサービス

Internet Marketing

Product

Price

Place

Promotion

●企業の内部で開発

●利用者が製品作りに参加するケースは少ない

●メーカーが価格を決める●流通が価格を決める●競争を意識しつつ、コストに利益を乗せる

●現実の店舗での購入が基本●通信販売はカタログ、テレビがメイン

●従来型の広告媒体●新たなSP媒体も開発された

●インターネット利用の市場調査、顧客調査●利用者による製品開発への参加●使い勝手に関する意見●利用者からの製品提案

●一般客が価格設定を決定・価格比較・共同購入・オークション

●ネット販売が通販の主役に●巨大流通チャンネルとなる●企業にとってRelation Marketingの重要ツールに

●テレビを追い越しつつある●PublicityやPromotionにインターネット利用が欠かせない

Before Internet After Internet

Blog Marketing

Blog コメント機能読み手がBlogの内容に対してコメントを書き込める

Track back機能関連したBlog記事と相互にリンクを張れる

マーケテイングツールとして活用

パブリシティーツール良好なPRを構築する

●社長Blog

●製品開発者のBlog

●映画製作者のBlog

販売促進ツール販売に直結する●推奨販売

●Affiliateとの連携●店舗一体型Blog

パブリック・オピニオン形成ツールメディアが発信した記事に一般読者が

コメント●メディア・読者一体型サイト●大衆オピニオン形成

Social Network Marketing

Face Book 友達の輪が広がる

マーケテイングツールとして活用

関連SNSの閲覧

自社ビジネスに関連するSNSを

閲覧して、利用者の本音を探る。或いは積極的に参加する。

企業独自のSNS立ち上げ

自社商品やサービス関連の独自SNSを立ち上げ、ファン・サイトと

して運営

新たなビジネスとしてのSNS

特定のテーマに絞ったSNSを立ち上げ、利用者を募る。運営費は広告収入

e-Commerce (EC)

¥17,984,500,000,000

T449,600,000,000,000

EC市場規模EC化率とは、店舗販売を含む全販売の中でのECの比率

EC化率

日本事業のみ¥1,535,000,000,000

T38,375,000,000,000

m-Commerce (Mobile Commece)

459

$459billion

¥50,490billion

T1,262,250billion

693

m-Commerce (Mobile Commerce)

Mobile

Shopping

Mobile

Payment

Mobile

Banking

m-Shopping利用率

性別年齢別m-Shopping利用率女性20才台では70%が利用全体では42%が利用

ネット利用型の製品開発

市場調査顧客調査

製品開発への利用者参加

製品に対する意見の収集

製品企画への提案

インターネットが製品開発に与えたインパクト

ネット利用型の価格設定

ネット型価格設価格設

価格比較 共同購入 オークション 個人間売買

MERCARI (日本)

出品 支払い

配送支払い

個人 個人

OVO (Indonesia)

買い物

タクシー

給与受け取り

送金(仕送り)

融資

銀行口座のない人、クレジットカードの無い人にお金を貸す仕組み

小さな信用供与

信用度をAIで分析

大きな信用供与

買い物

期日までに返済

買い物サービス利用

携帯電話番号

Relo Panasonic Excel International Co.,Ltd.

Koji Uehigashi (Senior Consultant)

経営者・管理職共通

マーケティング

上東幸次(Uehigashi Koji)

Relo Panasonic Excel International, 上級コンサルタントJICA 専門家Panasonic 人材開発会社 マーケティング研修所 講師

上東幸次氏は Panasonic Corp.に 34年間勤務し、主に

マーケティングの仕事を担当し、アメリカ、台湾、フィリピンでの勤務経験を有する。また、パナソニック社のマーケティング研修所にて、海外会社の幹部育成の研修講師を5年間務める。2015~ JICA 専門家

(Mongolia, Vietnam, Myanmar, Cambodia, Kyrgyz)

2000~2015 Panasonic マーケティング研修所、主幹講師2003~2005 Panasonic Philippines, 副社長1998~2000 Panasonic Taiwan, 営業所長1989~1994 Panasonic USA , ハワイ営業所マネージャー

マーケティング 店舗管理経営シミュレーション

松下幸之助経営理念

ビィー・フォワード社 山川社長

撮った! 「次のAmazon」モンゴルへ

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00003/010900002/

マーケティングとは?

昨年電動ドリルが百万台売れた!

Theodor Levitt

百万人の消費者は、電動ドリルを欲したのではなく、

電動ドリルを使って穴を開けることを欲したのである。

マーケティングとは?

Cadillacのライバルは?

Alfred Pritchard Sloan, Jr.GM CEO

マーケティングの基本

企業・会社 市場価値を届ける

WantsNeeds

市場のニーズに応えて、顧客が望むものを届けて、利益を得ること

マーケティングの基本

マクロ分析

業界の状況

ミクロ分析

ビジネス情報をまとめて、整理する

ビジネスの方向性

Product

Price

Place

PromotionS

egm

enta

tion

Positio

nin

g

Targ

etin

g

市場を取り巻く環境を理解する 戦略策定 戦術策定

PEST

5F

3CSWOT

STP Marketing

mix

会社の状況

Value chain

良いものを作るためには衆知を集めることが必要

みんなの知恵を集めることで、よりよいアイデアが生まれてきます。松下幸之助はこの経営スタイルを「衆知を集めた全員経営」と呼びました。

仕事をするには道具が必要

道具を使えないと仕事はできません。また、使い方を知らないと良い仕事はできません。良い仕事をするためには、道具を使いこなす練習が必要なのです。

PEST

3C分析SWOT分析

Cross

SWOT

Marketing Mix

4P分析

(PEST)

(Customer)

(Competitors)

(Company)

(Opportunity) (Threat)

(Strength) (Weakness)

O T

S W

(Product)

(Price)

(Promotion)

(Place)

マーケティングにも道具があります(Frame work①)

Competitive

StrengthValue Chain STP

マーケティングにも道具があります(Frame work②)

何が自分の会社の強みなのか?

差別性 コスト優位性

どこでビジネスをするのか

全体市場

差別化戦略 コストリーダーシップ戦略

特定市場

集中戦略

差別化集中コスト集中

購買

物流 製造

出荷

物流

販売

マーケティング

サービス

全般管理

人事・労務管理

技術開発

調達活動

マージン

単機能

多機能

低価格

製品D

製品X

製品B

製品C

製品A

ポジショニングマップ

PPM Product Cone GAP分析

マーケティングにも道具があります(Frame work③)

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)

市場成長率

相対シェア(高) (低)

負け犬金のなる木

花形製品 問題児

ボストン・コンサルティング・グループ

PPMの4つのドメインと資金の流出入

+-

X+ -

+-

+-

STP分析

S = Segmentation 市場全体を幾つかの変数により分割する

T = Targeting Segmentationの中からTargetを選ぶ

P = Positioning 自社の強みを活かせる場所を考える

Segmentationの変数は数多くあり、試行しながら適切な変数を選択する。

Targetは、自社の強みを活かせるところを選択する

Positioningは、競争会社とは異なるPositioningを狙う

Segmentationの基準

人口統計的変数 年齢、世帯規模、家族構成、家族のライフサイクル、収入、職業

地理的変数 地域、都市、人口密度、機構

心理的変数 ライフスタイル、パーソナリティー、好み、趣向、趣味、ファッション、価値観、金銭感覚

行動上の変数 利用頻度、ベネフィット、ユーザーの状態、利用割合、利用状況、ロイヤルティ、購買認知段階、製品に対する態度

製品・サービスの属性変数

製品・サービスの品質、性能、サイズ、スタイル、デザイン、質感、素材

STP分析 Segmentation, Target

独身 夫婦 夫婦+子供

持家

賃借

その他(親と同居)

Target

修正アニメーション

STP分析 Segmentation, Target

子供年齢18歳以下1人~2人

子供年齢 18歳以下3人以上

子供年齢 19歳以上

家族年収~T9,999,999

家族年収T10,000,000

~T29,999,999

家族年収T30,000,000~

Target

修正アニメーション

STP分析 Segmentation, Target

Target

1,591,848 1,646,631

合計3,238,479

修正アニメーション

STP分析 Segmentation, Target

世帯当たり月収額 世帯数 %

0-T300,000 42,000 5%

T300,000-T500,000 118,500 13%

T500,000-T700,000 110,300 12%

T700,000-T900,000 117,600 13%

T900,000-T1,100,000 99,000 11%

T1,100,001-T1,600,000 193,300 21%

T1,600,001-T2,100,000 114,000 13%

T2,100,001- 116,700 13%

総世帯数 911,800 100%

Target

修正アニメーション

STP分析 Segmentation, Target

Outdoor Indoor

○Target

修正アニメーション

STP分析 Segmentation, Target

Football

Truck

&fieldBasketball

Tennis

Baseball

Badminton

Table tennis

Volleyball

Choice of Sports activity by Junior high students(2018)

○Target

修正アニメーション

STP分析 Segmentation, Target

T100,000 – 4,999,999 T5,000,000 – 9,999,999 T10,000,000 -

持家 + 自動車

持家

自動車

持家も自動車もない

修正アニメーション

STP分析 Target

義務教育のみ 職業高校終了 高等教育終了

20才台

30才台

40歳代

50歳代

修正アニメーション

STP分析 Segmentation, Target

20才台 30才台 40才台

スポーツ

旅行

チェスなどのゲーム

読書

修正アニメーション

あなたの狙う市場 STP分析 Segmentation, Target

家電量販店 STP分析 Positioning

パソコン専門店 家庭用電気製品

サービス志向

価格志向

通信会社 STP分析 Positioning

料金低い 料金高い

サービス品質高い

サービス品質低い

コーヒーショップ STP分析 Positioning

コーヒーマシン 本格的コーヒー

極上の雰囲気

カジュアルな雰囲気

子供服店のSTP分析 Positioning

飽きの来ないシンプルデザイン

装飾の多いデザイン

貰ってうれしい値段高め

お手頃値段

コムサ ミキハウス

赤ちゃん本舗

西松屋

BABYDOLL

Devirock

ナルミヤ

追加スライド

4P分析 (Marketing Mix)

P = Product 商品やサービス商品・サービスが提供する本質的な価格、その商品が提供する機能、その商品に付随している

補助的な無償サービスなど

P = Price 価格戦略商品/サービスのコスト、市場浸透価格(ペネトレーションプライシング)、

PLC(製品ライフサイクル)からみた価格戦略など

P = Place 場所=流通戦略実店舗かネットショップか、自社が直接販売しているか、代理店経由か、流通チャネルの長さと幅

P = Promotion 宣伝=販売促進プル戦略とプッシュ戦略、広告と広報、(狭義での)販促、AIDMAやAISAS

商品(Product)の本質

製品の付随機能

製品の形態

中核製品

●取り付け●配達と支払い●保証●アフターサービス

●パッケージング●特徴

●ブランド ●品質

基本製品

期待製品

膨張製品

潜在製品

機能価値

実現価値企業

顧客

商品(Product) (例:iPhone10)

高級時計のような包装誰でも知っているブランドマークオリジナリティー溢れる商品設計先進的技術革新的デザイン高い品質

期待製品

潜在製品

基本製品

新開発CPUは70%高速OLED採用2カメラ(1200万画素、7万画素)ワイアレス充電高い防水機能(IP67レベル)電池:連続通話21時間前面・背面はガラス使用、ベゼルレスデザイン

iPhoneショップ所有することへのプライドiPhone修理店が豊富製品保証の充実再販価値も高い

商品(Product) (例:ЧАЦАРГАНЫ ОХЬ)

持ち運びに便利な6本パック栄養ドリンクのようなパッケージ豊富な栄養素を含有

(ビタミン、ミネラル、アミノ酸、有機酸、ポリフェノール、脂肪酸、食物繊維)ドイツ製最新生産設備、品質管理

体質改善美容と健康に効果的:

疲労回復、免疫力アップ、美肌効果、ダイエット効果、便秘解消、膀胱炎予防、Anti-aging、風邪予防

期待製品

潜在製品

基本製品

天然チャツァルガンの果実100%ジュース添加物無使用50ml 6本入り T10,799

商品(Product) (例:KHAAN Chips)

国産品輸入品より新鮮価格も手ごろ(輸入品の3分の一)

ビールに合う子供のおやつに良いピクニックに持参ちょっとお腹が空いたときに良い

期待製品

潜在製品

基本製品

ポテト菓子T449

塩味とチーズ風味30g

商品(Product) (例:Golden Gobi)

モンゴルの絵の包装箱と包装紙高い品質上品な美味しさ品質の高さ

モンゴルのお土産家族、職場、友達へのプレゼント

期待製品

潜在製品

基本製品

チョコレート24個入りT11,999ベルギーの技術

PLC(Product Life Cycle)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

売上

利益

導入期 成長期 成熟期 衰退期

認知と市場確立を目的としたマーケ

ティング

シェアー拡大や差別化のためのマーケ

ティング

プロモーションによるブランド強化

広告を減らし、販売に直結する販売促

進に特化

最初は赤字状態展示会の参加

多数の新製品新機能追加

激しい価格競争 撤退する企業

PLC(例:システムキッチン)

売上

導入期

認知と市場確立を目的としたマーケ

ティング

システムキッチン

PLC(例:CVS モンゴル)

売上

導入期

認知と市場確立を目的としたマーケ

ティング

CVS

Ulaanbaatar 人口1,310,000

店舗:30

さいたま市 人口:1,307,000

店舗:495

PLC(ケーキショップ)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

成長期

シェアー拡大や差別化のためのマーケ

ティング

PLC(コーヒーショップ)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

成長期

シェアー拡大や差別化のためのマーケ

ティング

PLC(Product Life Cycle)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

成熟期

プロモーションによるブランド強化

モンゴルのスマートフォン普及率は79%(MMCG)

日本は60%

PLC(例:CVS 日本)

売上

CVS

成熟期

プロモーションによるブランド強化

店舗数:58,000

奈良県:人口1,340,000

457店

PLC(Product Life Cycle)

¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥¥

衰退期

広告を減らし、販売に直結する販売促

進に特化

Brandを形作る要素

Brand

識別機能 保証機能 想起機能

良好なイメージが想起されるほど、価格プレミアアム、顧客ロイヤリティーが向上する

歴史 文化 価値 便益

Brand Ranking 2019

https://www.interbrand.com/best-brands/best-global-brands/2019/ranking/

Interbrand社調べ

Brand Equity戦略

組織

人シンボル

製品

Brand loyalty

Brand Recognition

Brand連想他の所有権のあるブラン

ド資産

知覚品質

Brand

Identity確立

Brand loyaltyが高いほど他のBrandに乗り換える可能性が低い

顧客の知覚に基づく総合的な品質。製品・サービスだけでなく、広告価格やイメージなどBrandに関するフィーリング。

その他のBrandやPatent

Brandが何の商品なのか顧客が認識できる。商品名を聞くと、Brandが想起される。

Brandに結びつくあらゆる記憶

Brand Equity戦略(Lexus)

Brand loyalty

Brand Recognition

Brand連想他の所有権のあるブラン

ド資産

知覚品質

ずっとTOTOTAの車を乗り継いでいる他のメーカーに乗り換えるつもりはない

Lexusのアフターセールスの品質の高さ。高度なモノづくり。設計技術の高さ。ショールームの気持ちよさ。従業員の丁寧な対応。

TOYOTAブランド。F1レース

Lexusは高級車である。高級車と言えばLexusが思い浮かぶ

Lexusを試乗した時の感動

Brand

Identity確立

Brand Equity戦略(ハーン銀行)

Brand loyalty

Brand Recognition

Brand連想他の所有権のあるブラン

ド資産

知覚品質

いつもハーン銀行を使い続けたい。他の銀行に変えるつもりはない。

店舗の綺麗さ、接客態度が訓練されていて気持ちいい。明るい店内で、行き届いたサービス。

日本の澤田ホールディング

ハーン銀行は信頼できる銀行信頼できる銀行と言えばハーン銀行が思い浮かぶ

ハーン銀行の窓口サービスがとても良かった。

Brand

Identity確立

商品戦略 Product Cone

Benefit 製品・サービスを使うことによって得られる便益は何か

を考える。 3つくらいが適正。

Attribute 便益がなぜ得られるのかの理由について考える。

製品・サービスの技術的特長などを考える。

Character 製品・サービスの優れている点を一言で表現する

新製品・新サービスを創出するときに使うことができる。

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

シーバクソーンジュース自動販売機

栄養豊富のシーバクソーンジュースがどこでも飲める

ショッピングセンターや事務所内、学校内、人の集まるところ

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone シーバクソーンジュース

いつでも健康!イエロードクター

①コルステロール抑制、更年期障害改善②動脈硬化・心筋梗塞予防③免疫力向上

①ビタミンEを豊富に含有②バルミトレイン酸による悪玉コルステロール低減③免疫テストを実施。75%の治験者で免疫力向上が確認

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

ガソリンスタンド内コンビニエンスストア

給油時に駐車と買い物と食事や喫茶の利便を提供する

ガソリンスタンド利用者

給油時に買い物や食事をする

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone

一度にいろいろ済ませたい人集合!

①給油で止まるお客様への飲食や買い物の提供②給油が楽しくなる③安全

①ガソリンを入れたときに、買い物がしたいと思うお客様にサークルKを併設。②ホットドッグを食べたり、コーヒーを飲んだり③明るいから安全

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(理由)

CHARACTER(要点)

Shoro

キルギスの伝統的飲料を、手軽に街中で、いつでも飲めるように

健康に気を付ける人たち街中の全ての人伝統的飲料を好む人たち

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone Kyrgyz Shoro

手ぶらで散歩

①先祖から受け継がれた健康法②昔ながらの家庭の味を③どこでも持っていける

①昔からキルギスの家庭で飲まれていた伝統的飲料2種類一つはヨーグルト飲料、一つは穀物から作る飲料

②電気を使わないコンテナで冷たく冷やされており、通勤通学や運動中や散歩中の人たちが手軽に飲める③街中の全ての4つ角に必ずある

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

個人荷物のCircle K

で受け取りCircle Kで荷物の受け取り

オンライン販売業者オンライン販売の利用客

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone モンゴル宅配

開いててよかったCircle K

①Circle Kで配達荷物の受け取り②Circle Kでお支払い③Circle Kで荷物の発送と代金回収も

①最寄りのCircle Kを受け取り場所に指定②商品代金と手数料をCircle Kで支払い③相手先の最寄りのCircle Kに荷物の発送と代金回収も

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

企画意図コアターゲット商品名(品番)

あなたの会社の Product Cone

価格(Price)

€1,800,000

¥230,000,000

T5,750,000,000

1969 Ferrari 365 GTB/4 Daytona

価格弾力性(Price elasticity)

価格弾力性 =価格の変化 (%)

需要の変化 (%)

数量

価格引き下げ10%→

弾力性が高い

需要増加 大

penetration priceが適合

数量

価格引き下げ10%→

弾力性が低い

需要増加 小

skim priceが適合

PE=3.0 PE=0.5

価格弾力性(Price elasticity)

数量

価格引き下げ10%→

弾力性が高い

需要増加 大

penetration priceが適合

PE=3.0

価格弾力性(Price elasticity)

数量

弾力性が低い

需要増加 小

skim priceが適合

PE=0.5

損益分岐点表

費用

売上高

総費用

変動費(Variable expense)

固定費(Fixed expense)

利益

損失

売上

損益分岐点Break-even

point

売上高 T10,000,000 100%

材料費 T5,500,000

売上高利益

(粗利)

T4,500,000 45%

販売管理費 T3,500,000

営業利益 T1,000,000 10%

損益計算書

あなたはケーキ屋を経営しています。今月の売上はT10,000,000でした。帳簿をキチンと付けているあなたは、今月も損益計算書を作成しました。営業利益はT1,000,000となっており、安心したところです。

「結果の利益は分かるのだけど、打ち手の考えられる分析方法はないかな?」

限界利益という考え方があるようだ。

費用を変動費と固定費に分けて考えるようだ。

費用明細

材料費 T5,500,000 変動費

家賃 T1,000,000 固定費

人件費 T1,250,000 従業員6名 固定費

設備償却費 T500,000 設備償却費は5年間 固定費

水道光熱費 T250,000 固定費

広告宣伝費 T100,000 固定費

販売費 T250,000 デパートの販売手数料

売上の0.25%

変動費

広告協力金 T150,000 売上の0.15% 変動費

合計 T9,000,000

設備償却費とは

T60,000,000

支払い

10年償却一年の償却費T60,000,000÷10=T6,000,000

一カ月の償却費用T6,000,000÷12=T500,000

売上高 T10,000,000 100%

変動費 T5,900,000

限界利益

(売上高-変動費)

T4,100,000 41%

(限界利益率)

固定費 T3,100,000

営業利益 T1,000,000 10%

(営業利益率)

限界利益計算

限界利益を使って損益分岐点を求める

限界利益 売上高 変動費= -

限界利益 固定費 営業利益= + 利益が「ゼロ」の場合、

限界利益 固定費=

損益分岐点売上高 固定費 ÷ 限界利益率=

T3,100,000 ÷ 41%=

T7,560,976ケーキ屋が赤字にならないために必要な売上高

利益がゼロの売上高

価格 基本

価格施策の基本

価格設定の基本手法

コスト志向型価格設定

知覚志向型価格設定

競争志向型価格設定

アンケート調査

Focus group

Conjoint分析

コスト志向型価格設定

材料費 T500,000

人件費 T100,000

賃貸料 T50,000

光熱費 T10,000

通信費 T5,000

配送費 T15,000

その他経費 T10,000

経費合計 T690,000

生産数 100

一つ当たり原価 T6,900

100個生産

売値決定

x - 6900 = ? X 0.25x - 0.25x = 6900(1-0.25)x = 6900

x = 6900 ÷ (1-0.25)x = 9200

利益は25%欲しい!売値計算しよう

売値に25%の利益が含まれるように計算しよう

売値はT9200となった

利益25%

売値 x

原価T6,900

コスト志向型価格設定

T9,200 X (1-0.25) =T6,900

売れ残り

T8,625 X (1-0.25) =T6,468

競争志向型価格設定

T8,200 T8,300T8,000T8,100

T8,500Benchmarking

T9,200

プレミアム価格設定

T8,200 T8,300T8,000T8,100

T9,800豪華な店舗有名ブランド厳選材料コンテストで金賞獲得テレビ宣伝の人気店

T9,200

知覚志向型価格設定

Conjoint分析

Model A

¥2,895,000

Model E

¥2,565,200

Model S

¥2,612,500

¥282,500

¥47,300

+LED Fog lamp

価格(新製品価格戦略)

Skimming Price

高価格

Penetration Price

低価格

高品質であるしるし

Veblen 効果高価格ほどよく売れる

非常に低価格

市場での早期浸透

高価格戦略

NogamiHalf ¥432 (T10,800)

Yamazaki¥157 (T3,925)

高価格戦略(Let’s note)

CF-QV8GFRQR

OS Windows 10 Pro CPU Corei7 SSD 512GB メモリー 16GB MS OfficeScreen:12inch¥412,443 (T10,311,075)

HP Spectre x360 13-aw0000 WWANOS Windows 10 Pro CPU Corei7 SSD 1TB メモリー 16GB MS OfficeScreen:13inch¥198,880 (T4,972,000)

高価格戦略(SD card)

2004 ¥50,000 (T1,250,000)

2019 ¥1,380 (T34,500) 販売

生産コスト

低価格戦略(Yoshinoya)

1966 1975 1979 1985 1990 2001 2006 2013 2014 2015

¥120

¥200

¥300

¥280

¥400

370

¥350

¥380

¥300

価格調整戦略

価格調整戦略

割引とAllowance

地理的価格設定

差別的価格設定

販売促進型価格設定

価格調整戦略(online shopping)

初回限定¥1000,二回目以降も10%OFFの¥4665

初回限定¥0

価格調整戦略(ジャパネット)

古い洗濯機 下取り¥20,000 さらにもう¥10,000値引き

今日一日だけ¥20,000値引き

送料、分割払い金利、手数料は無料

価格調整戦略 (ネット販売大手)

無料配送 ショッピングポイント15倍 カード支払いで+5%ポイント還元

価格調整戦略 (Steak Gusto)

サラダバーが無料で取り放題食べ放題

ビーフステーキ食べ放題¥2199

価格調整戦略 (McDonald)

日本を6つの地域に分け地域ごとに異なる「値段 ¥290~¥360

都心部、郊外など立地条件により値段を9つに区分

2015年価格統一 ¥390

(T9,759)

地域別価格

立地別価格

ビッグマック

価格調整戦略 (二つ目半額)

お寿司盛り合わせが2皿目半額ジーンズが二本目半額 二足目半額

製品ミックスによる価格戦略

製品ミックス企業における製品ラインの組み合わせ

製品ラインによる価格設定

Captive製品の価格設定

Bundle価格設定

関連製品価格設定

製品ライン

製品ライン

製品ライン

製品ライン

製品ラインによる価格設定

EOS-1D X Mark II¥500,200(T12,505,000)

EOS R¥237,500(T5,937,500)

EOS RP¥158,690(T3,967,250)

EOS 5D Mark IV¥354,700(T8,867,500)

Professional High amateur EntryHigh amateur

関連商品価格設定

¥130,640(T3,266,000)

¥2,480(T62,000)

¥19,400(T485,000)

¥10,120(T253,000)

¥28,050(T701,250)

¥158,690(T3,967,250)

¥205,690(T5,142,250)

¥15,000(T375,000)

¥364,380(T9,109,500)

Bundle価格設定

EOS RP + Lens kit¥277,250(T6,931,250)

Bundle価格

Lens kit¥130,640(T3,266,000)

¥289,330T7,233,250

EOS RP¥158,690(T3,967,250)

キャプティブ(captive)製品価格設定

CanonPIXUSTS3130SBK¥4,940(T59,300)

Black ink cartridge¥2,580(T31,000)

Color ink cartridge¥2,480(T29,800)

消耗品戦略

流通(Place)

製造

小売

58,000店¥10,378,000,000,000

T259,450,000,000,000

3,812店¥2,468,703,780,000

T61,717,500,000,000

1,059店¥6,101,400,000,000

T152,525,000,000,000

コンビニエンスストア

ホームセンタースーパーマーケット

¥601,400,000,000

T15,035,000,000,000

¥872,600,000,000

T21,800,000,000,000¥1,580,000,000,000

T39,500,000,000,000

直接注文

垂直マーケティングシステム(VMS)

製造

小売

製造

小売

製造

小売

企業型VMS一つの資本が全流通チャ

ネルを所有する

契約型VMS独立したメンバーが契約

で結びつく

管理型VMS影響力の強いメンバーが他のメンバーをコントロー

ルする

企業型VMS(31アイスクリーム)

製造

小売

企業型VMS一つの資本が全流通チャ

ネルを所有する

企業型VMS(Gobi)

製造

小売

企業型VMS一つの資本が全流通チャ

ネルを所有する

管理型VMS (TRUSCO)

機械メーカー2500社

機械工具商ネット通販企業

ホームセンター

小売

5305社

製造

小売

管理型VMS影響力の強いメンバーが他のメンバーをコントロー

ルする

管理型VMS (Aeon)

製造

小売

管理型VMS影響力の強いメンバーが他のメンバーをコントロー

ルする

メーカー

直接仕入れ

卸卸から仕入れ

Private

label

仕入れ

契約型VMS (マクドナルド Japan)

仕入先

小売

契約型VMS独立したメンバーが契約

で結びつく

2890店舗¥272,200,000,000

T6,805,000,000,000

Franchise契約

技術指導・購入契約

無製造型(Fabless) Uniqlo

製造

小売

SPASpecialty Store Retailer of

Private Label Apparel

817店舗(日本)1379店舗(海外)¥2,290,500,000,000

T57,262,500,000,000

R&D(デザイナー/パタンナー

マーチャンダイジング(商品企画)

素材開発・調達

生産工場全て委託工場自社工場はゼロ

Amazon Japan (日本事業)

製造

小売

輸送

Platform企業があらゆる商品の販売を行い、物流会社を使って消費者に届

ける。

¥1,535,000,000,000

T38,375,000,000,000

Aeon Mall

Mall

Developer

巨大なモールを建設し、有名テナントを集め、抜群

の集客力を誇る

日本:153海外:27

小売Cambodia Sen Sok City

180,000 sqr meter

店舗における新しい形態

Place:Don Quijote

https://www.youtube.com/watch?v=zK1OEAXUAGE

500店舗¥2,000,000,000,000

(T50,000,000,000,000)

遊園地のような楽しい空間曲がったり、入り組んだ狭い通路は迷路のようPOP(販促物)が山盛りで使われているPOPは各店に専任クリエーターが作成する値段は激安何でも売っています外国人観光客は必ず訪れる

Place:業務スーパー

業務用スーパーという名称だが、一般の人たちでも買い物できる。店内は商品が段ボール箱に積まれており、店舗というより倉庫という感じ食料品や飲料の値段はとにかく安い肉は1Kgで売っており、パスタは5Kgで¥870。冷凍食品の種類が多く、内容量が大きく値段が激安。

845店舗¥277,000,000,000

(T6,925,000,000,000)

Place:Daiso(¥100 shop)

全商品価格は100円(T2500)

商品数70,000種類あり、全てが自社開発商品毎月800種類の新製品が生まれている100円とは思えない商品がお客を驚かせる

日本3367店舗海外2174店舗

¥475,700,000,000

(T11,892,500,000,000)

Place:e-mart (Mongolia)

13,550 square

meter

Khan-Uul District

7,590 square meter

Beijing street

5,000 square meter

Solo mall, Western Ulaanbaatar

3店舗の総面積は26,500㎡となり、当初計画を完成させた。電気製品売り場を拡大しており、電化製品の需要増に対応。販売品目も35,000種類を揃え、商品を充実させる。プライベートラベル商品の拡大

Place:Gobi-Galleria (Mongolia)

2,500 square meter

Chinggis Khan Square

高級ブランドを作り上げる大きな要素は、ショールームの品質。Gobiは着実にカシミアの#1としての地位を築いた。GOBI,GOYOの2大ブランドを一つのフロアーに集めた売り場は、ブランド発信力が強力。

Place:Nishimatsuya (ベビー用品店)

ベビー用品店。そのような専門店をCategory

Killerと呼ぶ。このような単一カテゴリーの専門店が成長しており、多くの商品カテゴリーを販売するデパートは縮小している。店内の通路が広く、ベビーカーを押してもゆったりと買い物できる。

1009店舗¥138,000,000,000

T3,450,000,000,000

Place:BSB (電器店)

家電専門店。これもCategory Killer。量販店として多くのメーカー、商品を扱っており、家電製品の需要が高まっていくモンゴルで、今後も成長が期待できる。この店舗の特徴は、店内のレイアウトや陳列が優れている点。商品説明にPOPを活用すればもっと良くなる。

ヨドバシカメラ(日本)

Place:WORKMAN (作業服専門店)

最近急成長している作業服専門店。これもCategory Killer。作業服に集中している。作業服の機能的デザインが一般客にも受けている。これまで作業服は、工事道具や工事材料とともに薄暗い店舗で販売されていたが、売り方を一新し大成功した。

858店舗¥66,969,000,000

T1,674,225,000,000

Place:Dordoi Plaza Mall (Kyrgyz)

ショッピングモールは急速に顧客に受け入れられる。以前 デパートの時代2013年 Bishkek Park

2017年 Asia Mall

2018年 Dordoi Plaza Mall

(70,000㎡,800台駐車場,200店舗,遊園地)

商圏の考え方 追加スライド

半径1.5Km実勢商圏東0.5Km

南0.5Km

北西1.5Km

店舗候補地

競合店強い

弱い

車・人の流れ

商圏をどう考える

スーパーマーケット、コンビニ、クリーニング店など日常生活に必要な商品・サービスを提供する店舗には商圏の考え方が必要

追加スライド

商圏をどう考える

スーパーマーケット、コンビニ、クリーニング店、パン屋など日常生活に必要な商品・サービスを提供する店舗には商圏の考え方が必要

追加スライド

半径?km

商圏をどう考える

追加スライド

半径500m

住民人口、幹線道路やバス路線などを考慮。ライバル店の商圏も考慮

商圏が関係ないケース

追加スライド

家具が買いたい人、パソコンが買いたい人は、この場所に集まってくる。

家具団地:複数の家具店が固まって家具団地を形成

PCセンター:パソコン・携帯のライバル店一つのビルに集積

広告・販売促進(Promotion)

Promotion

PRPublic Relations

広告

人的販売 SPSales Promotion

Promotion Mix4要素の最適な組み合わせ

Integrated

Marketing

Communication統一されたデザイン、統一さ

れたメッセージ

日本の広告宣伝

ラジオ2%

テレビ29%

雑誌 3%新聞 7%

インターネット27%

セールスプロモーションメディア 32%

交通広告POP

展示・映像

2018年広告費合計¥6,630,000,000,000

T165,750,000,000,000

インターネットの利用が非常に増加していることが、大きな特徴。

モンゴルのメディア媒体

媒体のメリット・デメリット

メリット デメリット

マス広告4媒体 新聞 信頼性 若者は読まない

雑誌 絞ったターゲット 発行部数が少ない

ラジオ 自動車へのリーチ 聞き流す

テレビ 広範囲・高インパクト 高価格・変更困難

セールスプロモション媒体

交通広告 地域セグメント容易 商品により向き不向き

野外広告 比較的低コスト 地域限定的

新聞折込 地域セグメントが容易 読まれないリスク

DM 低コスト 低いレスポンス率

電話帳 低コスト 読まれないリスク

インターネット 柔軟で細分化されたターゲットにリーチ

競争が激しい

PR(Public Relations)

Publication

Event

News

Community Activity

Identity Media

Lobbying

Social Responsibility

年次報告書、顧客向けパンフレット、カタログ

展示会、記者会見、セレモニー、スポーツ大会協賛

企業活動、製品に関するニュース発信

地域社会への貢献活動

名刺、レターヘッド、服装規定など

政治に働きかけ

社会的責任の遂行

人的販売を活性化するために

セールスパーソンの教育訓練

インパクトと影響力

粘り強さ自分に対する自信

目標達成重視

セールスフォース全体の業績向上

組織的販売(Team selling)

標準的販売プロセス

情報の共有化

部門横断的な組織

新製品販売プロセスの標準化

1月 2月 3月 4月 5月

技術マーケティング

営業

サポート

技術資料マーケティング計画

見込客調査

営業用パンフレット

合同会議でスケジュール確認

プレス発表展示会開催ポスター、POP

顧客訪問商談会開催フォロー

DM発送電話作戦

顧客接点拡大、顧客意見検討

アフターサービスと定期的顧客訪問

新製品企画

マーケティング戦略

SP(Sales Promotion)

大人数

個人

静的 動的

イベント展示会街頭映像

Direct Mail

新聞折り込みPOP

電話帳広告

交通広告屋外広告

試供品配布店頭映像

媒体別Sales Promotion

●数量値引き●Allowance

●イベント招待●招待旅行●達成ボーナス

対象別Sales Promotion

●クーポン●懸賞●景品●キャッシュバック●無料トライアル●ポイント

●販売コンテスト●Novelty

●報奨金●社員販売●ボーナス

消費者向けSP 社内向けSP流通向けSP

ダイレクトマーケティング

企業

顧客

顧客との直接取引し、信頼関係を築き、顧客との長期的関係を大切にする

Competitive strategy と Blue Ocean Strategy

低価格Cost Leadership

集中Focus

差別化Differentiation

Red Ocean

Blue Ocean

Product

Price

Place

Promotion

7P People

Process

Physical

evidence

■従業員採用、訓練、動機付け、賃金、昇格■顧客教育、訓練■企業文化、価値観、経営理念

■施設デザイン 美的、機能的、快適■備品、道具、■従業員の服装■カタログ、パンフレット

■サービス提供の流れ標準化、個別のサービス

■サービス提供手順の数単純、複雑

■顧客のサービスへの参画の度合い

7P分析(サービス Marketing Mix) 修正

サービス商品の作り方 追加スライド

• 高いサービスレベルは、複雑で高度な業務水準を必要とする

サービスパッケージの決定

サービスコンセプトの設計

サービス品質の決定

プロダクトラインアップ、ブランディング決

サービス・プロフィット・チェーン

従業員の満足度向上

定着率向上

生産性の向上

顧客サービスの質の向上

顧客満足度顧客ロイヤルティ向上

売上向上

利益向上

社内サービスの質向上

従業員満足調査

仕事

職場

上司

法令順守

業務負荷

人事制度

Top Management

お客様志向

従業員満足調査

The Ritz-Carlton

経営理念(The Ritz-Carlton)

従業員への約束: 従業員は紳士淑女であり、最も大切な宝物です。個々人の才能を育成し、最大限に伸ばします。多様性を尊重し、充実した生活が送れ、個々人の目標実現できるよう職場環境を作ります。

人材育成(Panasonic)

Panasonic社員研修所

施設(Facility)

制服

小児病院スタッフ制服

東京ディズニーランド

パンフレット(海遊館 KAIYUKAN)

館内Map

サービスの手順

トリートメントの手順

顧客参画の度合い

注文セルフサービス 回転寿司・セルフサービス

Internet Marketing

Product

Price

Place

Promotion

●企業の内部で開発

●利用者が製品作りに参加するケースは少ない

●メーカーが価格を決める●流通が価格を決める●競争を意識しつつ、コストに利益を乗せる

●現実の店舗での購入が基本●通信販売はカタログ、テレビがメイン

●従来型の広告媒体●新たなSP媒体も開発された

●インターネット利用の市場調査、顧客調査●利用者による製品開発への参加●使い勝手に関する意見●利用者からの製品提案

●一般客が価格設定を決定・価格比較・共同購入・オークション

●ネット販売が通販の主役に●巨大流通チャンネルとなる●企業にとってRelation Marketingの重要ツールに

●テレビを追い越しつつある●PublicityやPromotionにインターネット利用が欠かせない

Before Internet After Internet

Blog Marketing

Blog コメント機能読み手がBlogの内容に対してコメントを書き込める

Track back機能関連したBlog記事と相互にリンクを張れる

マーケテイングツールとして活用

パブリシティーツール良好なPRを構築する

●社長Blog

●製品開発者のBlog

●映画製作者のBlog

販売促進ツール販売に直結する●推奨販売

●Affiliateとの連携●店舗一体型Blog

パブリック・オピニオン形成ツールメディアが発信した記事に一般読者が

コメント●メディア・読者一体型サイト●大衆オピニオン形成

Social Network Marketing

Face Book 友達の輪が広がる

マーケテイングツールとして活用

関連SNSの閲覧

自社ビジネスに関連するSNSを

閲覧して、利用者の本音を探る。或いは積極的に参加する。

企業独自のSNS立ち上げ

自社商品やサービス関連の独自SNSを立ち上げ、ファン・サイトと

して運営

新たなビジネスとしてのSNS

特定のテーマに絞ったSNSを立ち上げ、利用者を募る。運営費は広告収入

e-Commerce (EC)

¥17,984,500,000,000

T449,600,000,000,000

EC市場規模EC化率とは、店舗販売を含む全販売の中でのECの比率

EC化率

日本事業のみ¥1,535,000,000,000

T38,375,000,000,000

m-Commerce (Mobile Commerce)

459

$459billion

¥50,490billion

T1,262,250billion

693

フェイスブック利用率80%台のモンゴル

モンゴルのフェイスブック利用者数は計200万人。モンゴル人は

フェイスブックを自由時間に使っており、対して小中企業はその製品や事業の広告によく使用しているという

FB users in Mongolia

FB users in Japan

ユーザー数29,707 ,000

SNS users in Japan

Users

81,000,000

45,000,000

33,000,000

26,000,000

9,500,000

4,000,000

Facebook Pages Stats in Mongolia

1 1 Mobicom Mongolia

Total Fans

Total Fans 975 468

2 2 Unitel Mongolia

Total Fans 869 429

3 3 Discover Inner Mongolia Mongolia

Total Fans 659 314

4 4 Mongol TV Mongolia

Total Fans 625 824

5 5 Аархал Mongolia

Total Fans 623 911

6 6 Edutainment TV Mongolia

Total Fans 614 060

7 7 Big Gee Mongolia

Total Fans 562 382

8 8 Elbegdorj Tsakhia Mongolia

Total Fans 498 709

9 9 Urban Jeans Mongolia

Total Fans 490 788

10 10 Mongolia Live Mongolia

Total Fans 459 480

Facebook広告の特徴

ターゲティング精度が高い

Facebook広告の最大の特徴は、細かな条件設定により精度の高いターゲティングができる点です。性別、年代、趣味・嗜好など、広告出稿前に詳細条件を設定できるため、広告主の意図に沿ったターゲットに広告を届けられます。

購買ファネルのすべての段階に使える

Facebookは消費者の購買funnelのなかのAIDMA(Attention, Interest, Desire, Memory,

Action)のすべてに対して使えます。

Visitors

Customers

AIDMA(Funnel)

FBマーケティング利用のメリット-デメリット

細かいターゲット設定によって、適切なユーザーに広告を表示できる•少額から広告配信を開始できる•自社ページを持っていれば、ファンとコミュニケーションを取ることができる(顧客管理)•広告の停止や再開を簡単に行える

基本的にFacebook内で展開するため、幅広いリーチには向いていない(※TV等と比較して)

•細かな運用が必要(PDCA*のスピード)•仕様変更や新機能の追加などが多いため、その都度キャッチアップが必要

メリット

デメリット

PDCAPlan

Do

Check

Action

m-Commerce (Mobile Commerce)

Mobile

Shopping

Mobile

Payment

Mobile

Banking

m-Shopping利用率

性別年齢別m-Shopping利用率女性20才台では70%が利用全体では42%が利用

電子決済時代の到来

今日では銀行口座を持っていなくても支払いを完了できる技術的手段が確立されたている

コンビニ店舗での受け取り

ネット利用型の製品開発

市場調査顧客調査

製品開発への利用者参加

製品に対する意見の収集

製品企画への提案

インターネットが製品開発に与えたインパクト

ネット利用型の価格設定

ネット型価格設価格設

価格比較 共同購入 オークション 個人間売買

ネットを使った新ビジネス

MERCARI (日本)

出品 支払い

配送支払い

個人 個人

OVO (Indonesia)

買い物

タクシー

給与受け取り

送金(仕送り)

融資

銀行口座のない人、クレジットカードの無い人にお金を貸す仕組み

小さな信用供与

信用度をAIで分析

大きな信用供与

買い物

期日までに返済

買い物サービス利用

携帯電話番号

AKIPPA(日本)

予約

駐車

登録報酬

ユーザー 駐車場オーナー

駐車場予約サービス 自宅の駐車場の相手いる時間に利用してもらいます

Gojek(Indonesia)

GRAB (Indonesia)

環境分析からマーケティング戦略策定

経営者コース

Koji Uehigashi

PEST分析P=Policy

E=Economy

S=Society

T=Technology

3C分析

5F モデル

Value Chain分析

環境分析

市場分析

自社分析

C=Customer

C=Competitor

C=Company

環境分析 市場分析 自社分析

SWOT

Cross SWOT

Strength Weakness

Opportunity SXO 積極戦略 WXO 弱点強化戦略

Threat SXT 差別化戦略 WXT 防御戦略

マーケティング戦略(STP) Segmentation, Targeting

マーケティング戦略(STP)Positioning

対象顧客・市場商品名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

Marketing 4P Product

企画意図

マーケティング(4P) Price, Place, Promotion

Price

Place

Promotion

ケース スタディー①

パナソニック・フィリピン

一槽式(Single Tub)洗濯機

参考:二槽式(Twin Tub)

・製造業の振興経済発展低所得者層が多数農村から都市部へ人口移動輸入品へ高関税富裕層と貧困層二極化電気製品需要は急拡大

夫婦共働きが常識子供の数が多い高機能な製品が多く低価格の商品は少ない一般家庭でhouse Maidが当たり前フィリピンに工場を持つメーカーは限られる洗濯はメードが手洗いするのが一般的出稼ぎが多く、メードを見つけるのが困難低価格生産の得意なライバル

自社工場でテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機を生産技術部門を持ち、設計は社内で低コストの精算は苦手国内多くの取引先を持つ販売ルートが国内一広い

SWOT

Cross SWOT

工場がある設計部がある販売・サービスが強力

低価格生産が弱い日本設計の商品が中心

洗濯機需要は拡大中夫婦共働きが一般的家事はお手伝いさんを使っている実際に洗濯するのはお手伝いさん

低所得者でも買える低価格の洗濯機生産 日本技術をベースにフィリピン設計

手洗いが根強い価格競争低価格生産の得意なライバル

手洗いから洗濯機へのPR 根本的な商品設計見直し

STP分析 Segmentation Target

住み込みお手伝いさん

時間制お手伝いさん

お手伝いさんなし

高所得層

中所得層

低所得層都市部

農村部

Panasonic PhilippinesのSTP分析 Positioning

洗うだけ 洗い+脱水

$300

$30

輸入品メーカー洗濯機

低価格洗濯機メーカー

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

Single Tub

Washing machine生活の改善大量生産で低価格

お手伝いさんのいる家庭低所得層共働き家庭

企画意図コアターゲット商品名(品番)

手洗いから洗濯機へ

①錆びない②低価格である③小型である

①プラスティックボディー②たったの$50で買える③結婚式やクリスマスのプレゼントとして人気

Panasonic Philippines Product Cone

4P戦略 (Panasonic Philippines)

価格

Price

$50 Twin tub 洗濯機の半値以下

農村家庭でもローンを組んで無理なく買える

クリスマスギフトに使える

Place

流通戦略

フィリピン全土 都市部から農村部までの広く多い販売店網をフル活用して大量販売

年間100万台販売

Promotion

販促活動

手洗いー>洗濯機キャンペーン

農村部での分割払い販売促進

販売店の宣伝応援

ケース スタディー②

T3500ショップ(¥100ショップ)

若い世代の人口が大きい収入は伸びているが、微増のレベル急速に外国文化・習慣が広がる個性や自己主張が認められるライフスタイルが大きく変わり始めた輸入雑貨への関心が強い

商店の数はどんどん増えつつあるコンビニが急速に増えだした買い物をする場所へのこだわりが出てきた数多くの新しい店舗が現れ、顧客を魅了若者をターゲットにした店舗はますます増える店つくりも新しいタイプが好まれる

日本の最新ビジネスモデル導入他にはない独自の商品ラインが豊富スタッフは訓練され充実している商品内容は豊富で新規性が高いT3500は日本の¥100という安い印象でないプロモーションが弱い 店舗にも課題

SWOT

Cross SWOT

日本の最新小売スタイル独自商品が豊富スタッフは訓練されて充実

T3500という価格は日本の¥100と違う印象プロモーションが弱い店舗のカイゼンが必要

若い人口が増加外国文化・習慣が広がるライフスタイルが大きく変わってきた輸入雑貨への関心コンビニ急増若者をターゲットにした店増加

若者向けに店舗イメージ変更陳列スタイルを若者向けに

若者を狙ったプロモーションスタイルへ切り替え価格以上の価値を鮮明に

収入レベルは微増 提案型販売に切り替え商品情報発信を的確に

安物という印象を払拭

環境分析 環境分析 市場分析 市場分析 自社分析 自社分析

業種T3500ショップ

商品・サービス均一価格ショップ、雑貨販売、T3500に見えない

STP分析 Segmentation Target

Target

STP分析 Positioning

みんなと同じが良い 他人と違う個性が好き

お得な買い物

値段の安いもの

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

T3500ショップアクセサリー

日本の流行の少女向けアクセサリーを低価格若い女性の集まる店

10代の個性を重視する少女お得感を重視する女性

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone

見てるだけで時間を忘れます

①お得な値段②日本で流行の最先端のアクセサリー③明るい店内で女性らしい雰囲気

①全品T3500ですが、T3500には見えません②商品開発者の独自デザイン品を全て日本の代理店からの直輸入③明るいピンクのインテリアで、買い物の楽しさを演出

4P戦略 (Panasonic Philippines)

価格

Price

均一価格T3500

とてもT3500とは思えないデザインや素材や品質

Place

流通戦略

日本からの直接輸入品を直営販売店とフランチャイズ店で

学校近くへの立地

ピースAvenue沿い

Promotion

販促活動

可愛らしい店内

若い女性に好まれる店舗設計

POPで特色をアピール

ケース スタディー③

赤ちゃん用品店

出生数は毎年80,000人と増加傾向政策は人口増加ラフスタイルの変化

贈り物の習慣が強くなっている幼児の死亡率が高い

デパートでの販売や専門店が増えつつある輸入品販売が主流

父母は子供に対しての支出は優先する祖父や祖母からの贈り物の習慣

高品質のイメージ価格は中級から高級まで輸入品以外に自社での生産品もある自社ブランドを入れた輸入品もある店舗は広く買い物しやすい子供を遊ばせるスペースを用意している店舗が二階にあり、不利となっている

SWOT

Cross SWOT

出生数は毎年80,000人と増加傾向政策は人口増加ラフスタイルの変化贈り物の習慣が強くなっているデパートでの販売や専門店が増えつつある輸入品販売が主流父母は子供に対しての支出は優先する祖父や祖母からの贈り物の習慣

店舗が二階にあり、不利となっている

高品質のイメージ価格は中級から高級まで輸入品以外に自社での生産品もある自社ブランドを入れた輸入品もある店舗は広く買い物しやすい子供を遊ばせるスペースを用意している

多店舗展開戦略自社ブランド製品の拡充

窓や外壁をラッピングするなどインパクトあるPR

バルーンを使って訴求力アップ

幼児の死亡率が高い 幼児死亡率低下への活動への売り上げの一部の募金

STP分析 Segmentation Target

Target

STP分析 Positioning

高級感あふれる カジュアルで買い物しやすい

幅広い品ぞろえ

厳選の品揃え

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

お祝い用商品電子カタログ

子供モデルを使って電子商品カタログ

父母、祖父母、親戚、友人

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone

かわいい孫ですもの

①来店しなくても選べます②電話でお取り置きしておきます③ギフトラップ無料サービス

①お家でくつろいでPCかスマホで眺めてください②品番とサイズをご連絡いただけると、ご来店までお取り置きいたします。③お祝いの贈り物の場合は、お祝いカードとギフトラッピングをいたします。

4P戦略 (ベビー用品店)

価格

Price

品質に見合う価格設定。

低価格販売はしない

Place

流通戦略

店舗販売が基本

店舗数は3店まで増やす

全店舗CI(Corporate Identity)統一

Promotion

販促活動

FBを通じての販売促進

電子カタログ(紙媒体も)を使い中高年にもリーチ

ギフトラップサービス

誕生日プレゼント

あなたのケース スタディー

あなたの商品、サービス

SWOT

Cross SWOT

STP分析 Segmentation Target

STP分析 Positioning

BENEFIT(利得)

ATTRIBUTE(規格)

CHARACTER(要点)

企画意図コアターゲット商品名(品番)

Product Cone

①②③

①②③

4P戦略 (Panasonic Philippines)

価格

Price

Place

流通戦略

Promotion

販促活動

商品(サービス)企画Product/Service Planning

管理職コース

Koji Uehigashi

Blue Ocean Strategy

一人占め激しい競争

Red Ocean Blue Ocean

商品・サービスをどのように差別化するか

Value curve 分析

Value Curve(価値曲線)を描いてみよう

①Blue Oceanにたどり着くには、製品・サービスを徹底的に

「差別化」しなければならない。

②顧客に提供している価値を見直す。

どのような価値を提供しているのか?

その価値はライバルと比べて多いのか、少ないのか?

提供している価値のレベルに顧客は満足しているのか?

③提供している価値を知るために価値曲線を描く

飲食料金 高品質の食材と熟練の職人の技

高品質のサービス一対一の対面サービスで限られた座席数

重要人物の接待に利用

機械で大量生産、コンベアーでセルフサービス

家族全員でそろって外食

5

4

3

2

1

Value curve分析

Value

回転寿司屋

●● ●

● ●● ●

● ●

利便性どこでも見つけられる

低料金 信頼性安心感

サービス品質車両メンテナンスレベル

領収書発行 事故対応事故保険責任能力

5

4

3

2

1

Value curve分析

Value

正規タクシー会社

●●

● ●

● ● ● ●

売り場面積 販売商品の種類(SKU)

弁当、サンドイッチ、おでん、饅頭などお昼ごはん、夜食

営業時間 銀行ATM荷物発送住民票各種サービス

近所に必ずある生活基盤

5

4

3

2

1

Value curve分析

Value

コンビニエンスストア

● ●

● ● ●

● ● ● ●

店舗が多い利便性

商品の豊富さ必要なものがある

店内の楽しさ展示が楽しい気軽に買い物できる

清潔さ明るくつねに掃除されている

店内が広い野菜やくだものまでそろっている

5

4

3

2

1

Value curve分析

Value

m-mart

●●

●●

●● ● ●●

店舗面積の広さ

商品の豊富さ100を超える専門店の多さ

500台以上の地下駐車場

清潔さ、掃除され、整理整頓されている

5面のCinema Complex映画館

最上階に室内遊園地

5

4

3

2

1

Value curve分析

Value

Shopping Mall

●● ●

●●

● ● ●●

デパート

Value curve 分析作ってみよう

5

4

3

2

1

Value curve分析(手書き練習用)

Value

5

4

3

2

1

Value curve分析(手書き練習用)

Value

5

4

3

2

1

Value curve分析(手書き練習用)

Value

5

4

3

2

1

Value curve分析(データ練習用)

Value

●●

●● ● ● ●● ● ● ●●

商品企画・サービス企画Product cone

Product Coneを書いてみよう

①自分の商品・サービスの顧客に与える便益「Benefit」は何か?

顧客のニーズに応えることのできる「Benefit」とは

②「Benefit」を与えることのできる「Attribute」(理由・原因)

は何か? きちんと科学的に説明がつかないと顧客は確信してくれな

い。

③顧客が印象深く記憶してくれるように、商品・サービスを一言で言うと?

「Character」をどう表現する?

対象顧客・市場商品名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

商品の特長を一言で言うと

お使いいただくことによる便益がたくさんあります1.

2.

3.

便益があるのは、以下のことが理由です1.

2.

3.

プロダクトコーンとは何か?

企画意図

対象顧客・市場商品・サービス名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

家族で寿司パーティー

1.低価格でお寿司が楽しめます2.家族全員でも食事会ができます3.衛生管理、鮮度管理も万全です

1.お寿司一皿の値段は¥100(T1,200)

2. カウンターだけでなく6人座れるボックス席もあります

3. 55分間コンベヤーで残ったものは廃棄されます

プロダクトコーンのサンプル企画意図

回転すし家族やグループでの食事寿司をお腹いっぱい食べたい人

機械化による寿司の低コスト生産とセルフサービス

対象顧客・市場商品・サービス名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

安心のプロドライバー

1.安全・信頼のサービス2.ドライバー品質の高さ3.車両メンテナンスは万全

1.安全運航とお客様満足を理念にしています2. ドライバーは30時間の運転技術教習と安全教習と事故時訓練を受けた熟練driverです。

3. 法定点検とは別に会社での車両点検を実施しております。

プロダクトコーン企画意図

正規タクシー観光客・外国人・ビジネス客空港、ホテル、官庁、大手企業

国際会議・スポーツイベント開催で急増する観光・出張者への対応

対象顧客・市場商品・サービス名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

屋根の下に一つの街がある

1.巨大なビルディング2.巨大な地下駐車場3.室内遊園地

1.70,000sq meterの広大な売り場2. 800台以上駐車できる地下駐車場。寒さにも雨にも心配無用。

3. たくさんの遊具があり、子供連れでにぎわう

プロダクトコーン企画意図

ショッピングモール都市生活者の増加。都市型生活スタイルへの変化。富裕層。

近代的ショッピングモールでモンゴル人の生活を一変させる

バザール

対象顧客・市場商品・サービス名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

これはサービスのデパートだ

1.大都市部ならすぐそこにある2.買い物がとても楽3.たくさんのサービス

1.コンビニの店舗数は58,000店舗ある2. 200㎡の店舗に3,000種類の商品3. 行政サービス、銀行サービス、ビジネスサービス、小包送付サービス

プロダクトコーン企画意図

コンビニエンスストア

多くの人口が都市型ライフスタイルに変わった。大都市部の全ての生活者および地方の生活者

利便性の高い生活インフラストラクチャーの提供

対象顧客・市場商品名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

「いいね!」をたくさんもらおう

1.水中写真が撮影できます2.写真をスマートフォンに無線で送れます3.片手で撮影できます

1.Scuba divingでも使える防水20mの性能2. Eye-fi技術でカメラからスマートフォンに写真を無線で転送

3. 重い専用housingと違い、200gと軽量

プロダクトコーン 新製品開発企画意図

水中カメラ

海、湖、河川などでスポーツを楽しむ大人や水中動物の観察をしたい子供

専用の器具なく、カメラだけで水中撮影ができる

対象顧客・市場商品名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

親子でらくらくすいすい

1.足が疲れない電動アシストで長い間走れる2.子供と買い物を一度に運べます3.盗難防止で安心

1.一回(4.5時間)の充電で96Km走れます2. 子供は二人乗せられます、丈夫な前かごには買い物をたくさん積めます

3. スタンドを立てるとハンドルが固定されて動かすことができません。

プロダクトコーン(新製品開発)企画意図

電動アシスト自転車子供乗せタイプ

小さな子供のいる家庭。買い物に子供を連れて行かないといけない人。幼稚園の送り迎え。

子供を乗せて、買い物もできる力強いアシストと長持ちバッテリー

対象顧客・市場商品名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

ポイントはこれ一枚

1.ショッピングポイントが一つのカードに2.たまったポイントは買い物で使えます3.利用範囲が広い

1.Tポイントカードの加盟店であれば、ポイントをまとめることが出来ます

2.1ポイント=1円なので、ためたポイントを買い物に使えます

3. 加盟店舗は1,060,000店舗あるので、広い範囲で使えます。

プロダクトコーン(新サービス開発)企画意図

Tポイントカード

買い物をするとお店毎にショッピングマイルが付くが、ポイントカードがたくさんあって煩わしい

全ての買い物のポイントを一つのカードにまとめる

商品企画サービス企画作ってみよう

対象顧客・市場商品名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

プロダクトコーン企画意図

対象顧客・市場商品名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

プロダクトコーン企画意図

対象顧客・市場商品名

C

B

A

Benefits

Attributes

Character

プロダクトコーン企画意図

モンゴル日本人材開発センター

通常コース人的資源管理 経営者クラス

1

2019年10月実施

講師自己紹介

山﨑京子 ( Kyoko Yamazaki )

学習院大学特別客員教授

人材・組織開発コンサルタント

JSHRM認定HRスペシャリスト

日本人材マネジメント協会 執行役員

産業カウンセラー

MBA (Tsukuba Univ.)

Ph.D. (Kobe Univ.)

企業の人事制度、教育制度、各種研修プログラムの企画、運営実績多数。

2006年まで、フランス系高級ブランド会社の人材開発マネージャー

2002年まで アメリカ系自動車会社のトレーニングスペシャリスト

1997年まで イギリス系ニュース配信会社のトレーニングエグゼクティブ

1989年まで 日本の旅行会社でツアー企画、シドニー駐在 2

フルーツができるまで

3

(今年の)コーススケジュール日程 コマ 項目 講義内容

第1日目

1 イントロダクション 自己紹介と現状課題の整理

2 戦略的人材マネジメント 戦略と組織の関係競争的経営社会における人事戦略

3 組織能力のギャップ分析 戦略と組織能力のギャップ分析

第2日目

採用

人件費コントロール、採用計画

5 コンピテンシーの作成、

6ジョブディスクリプションと面接シートの作成、募集広告、選考方法

第3日目

7 採用面接 採用面接のスキル

8人材開発

新入社員オリエンテーション

9 OJTとOff-JT、学習理論、研修効果測定

第4日目

10

人事基盤制度と評価

人事戦略と評価・報酬の繋がり

11 コンピテンシー評価と目標管理(MBO)

12 評価結果のフィードバック、コーチング・スキル

第5日目

13

組織変革とリーダーシップ

組織改革の方法

14 リーダーシップの役割

15 まとめのグループディスカッション 4

期待される成果

企業を取り巻く外部環境の変化を踏まえたうえで、数年後の戦略実現に必要な人事戦略の構築方法が理解できるようになる。

人事戦略の下位施策となる、人事基盤、採用、育成、評価、報酬について、具体的な手法や連動性について理解できるようになる。

組織変革のプロセスを学び、経営者としてのリーダーシップに必要なことを再確認する。

5

講義番号1

イントロダクション

6

自己紹介と現状課題の整理

グループ学習を効果的に進めるために、下記のグループワークを行います。

① 各自が自社の人事労務の課題1つにつき、1枚の付箋紙に書きます

② 自己紹介と付箋紙の内容を説明します

③ 付箋紙の内容が同じものごとにまとめて、大きな紙に貼り、タイトルを書きます

④ 大きな紙を見せて、グループごとに発表します

7

社員教育をどうしたら良いか?

退職者が多い

リーダーは何をすべきか?

Drivers of Retention

8

Retention

Characteristics of the Employer

Culture and values

Management

Job security

Job design and work

Job/person matching

Time flexibility

Work/life balancing

Career Opportunities

Training/development and mentoring

Career planning/path

Rewards

Competitive pay and benefits

Performance and compensation

Recognition

Employee Relationships

Fair, non-discriminator treatment

Supervisory/management support

Co-worker relations

Employee Surveys with Anonymous Are you satisfied with the following items in your company ?

YES!!

yesso-so

noNO!!

Comments

1 Culture and values

2 Management

3 Job security

4 Job/person matching

5 Time flexibility

6 Work/life balancing

7 Training/development and mentoring

8 Career planning/path

9 Competitive pay and benefits

10 Performance and compensation

11 Recognition

12 Fair, non-discriminator treatment

13 Supervisory/management support

14 Co-worker relations9

Worksheet 1

人間の欲求モデルから見たHRM

10

A.H.Maslow 1908~1970

自尊欲求

他人から尊敬されたい-地位、賛美、評価

自信、独立、自尊

評価・報酬

社会的欲求

自分の居場所がほしい-集団への帰属

友情や愛情

福利厚生

安全欲求

安全に暮らしたい-身体的危険、脅威がない

仕事への保障、保険、安定

労働安全衛生

生理的欲求

人間としての生理的、肉体的欲求

衣・食・住

就業管理

キャリアデザイン 自己実現欲求 限りなく成長したい-継続的自己啓発

潜在能力の実現

創造性発揮

自己充実、有意味感、個性、躍動

講義番号2

戦略的人材マネジメント

11

市場経済社会における4つのキーワード

12

組 織

戦 略

1.競争優位性

3.組織能力

2.差別化

4.持続性

戦略と組織

13

組 織

戦 略

「組織は戦略に従う」Alfred D. Chandler

1964年

「戦略は組織に従う」H. Igor Ansoff

1978年

ポジショニング 優位性Michel E.Porter

内部資源 優位性Jay B.Barney

ミッション - 戦略 - 組織

14

ミッション 企業の存在理由、ビジネスの目的

ビジョン 株主、経営者、従業員が思い描く企業の望ましいあり方

外部環境環境の与える機会、脅威

・組織戦略

・組織目標

・個人目標

・個人能力

ハード面HRM

制度/仕組み

HRD

組織文化

組 織ソフト面

MBO 目標管理制度

=戦略に連動

自社の強み、弱み内部環境

・全社戦略

・事業戦略/機能戦略

ビジョンを実現するための長期基本方針

全社戦略を具体的に実現するための中期的施策

事業単位別/機能単位別の戦略

戦 略

コンピテンシー評価

=ミッション、ビジョンに連動

ヘリコプタービュー

日本のことわざ「木を見て森を見ず」

高度を上げてマクロで捉えることと、高度を下げてミクロで捉えることの両立

15

組織を見渡す概念

経営

組織

チーム

メンバー

16

外部環境

人材マネジメント(HRM)と人材開発(HRD)の2つのループ

17

社員格付け役割期待評価基準

組織能力ギャップ分析

採用配置

組織学習

教育・育成キャリア形成

就業規則福利厚生労働安全

処遇報酬

人事評価

リテンション出口戦略

HRD人材開発

~ヒトを伸ばす~

HRM人材管理

~ヒトを統制する~

人事理念・方針人事戦略

経営戦略を実現する人材価値連鎖

HRDとHRMの2つのループ = 人事制度

経営理念経営戦略

人材像の明確化

組織化

講義番号3

組織能力のギャップ分析

18

【組織能力ギャップ分析】

19

戦略 理想の組織や人材の状態

本人の問題:

上司の問題:

組織の問題:

人事制度の問題:

その他:

ギャップ

現在の状態

組織化:

新規採用:

能力開発:

評価・報酬制度:

リーダーシップ開発:

その他:

原因 人事戦略

組織構造

20

社長

仕入 製造 販売

職能別組織

社長

A事業 B事業 C事業

事業部制組織

人事経理

仕入 製造 販売

【自社の戦略を実現するための組織図】

自社の戦略を実現ために相応しい組織図を描きましょう。

21

【自社の戦略を実現するための組織文化・人材像】

自社の戦略を実現するために相応しい組織文化と人材像を描きましょう。

22

事例: 日本のSME R社

23

ステップ1 戦略会議R社を取り巻く外部環境とパラダイムシフト

24

少子高齢化

電子商取引(E-Commerce)の増加

接客されたくない若者が増加

競争が激しく、利益率が低い業界

予算達成のために、考え方を抜本的に変更

販売員は商品の出口ではなく、情報の入口になる

商品

EC 店舗

店頭接客による差別化

ブランディング商品開発による差別化

電子販売による差別化

ステップ1 戦略会議商品とECと店頭販売の全体最適化

相乗効果の戦略

ステップ2 ビジネスモデルの検討各部門の機能・役割明確化

従来のバリューチェーン

• バリューチェーンを循環モデルにする

顧客

ブランディング

仕入れ製造

販売

ブランディング

仕入れ 製造 販売 顧客

ステップ3 組織構造の見直し顧客接点組織の強化

27

従来の組織図 • 新戦略の組織図

社長

A事業 B事業 経営企画IT

デザイン

ブランディング

店舗

社長

A事業 B事業

経営企画チーム

ICT

デザイン

ブランディング 店舗

販売部

スーパーバイザー

EC

ステップ4 人材の役割検討3要素に相乗効果を生み出す販売員の役割

販売員の新しい役割

店舗情報を顧客に直接届ける

店頭発信の楽しいイベント企画

お客様との関わりを商品開発につなげる

お客様投票のようなライブ感、エンターテイメント性をもたせる

商品開発への関与

• ブランド部門は、ゼロからの創造性

• 販売員は、既存商品を顧客に似合わせる創造性が強み

• 個客のニーズ、悩みを良く知る販売員が持つ情報を、モノづくりに反映させる

販売員のキャリアパスと組織風土

• 販売員それぞれの強みを生かした「表現の場」を店頭機能に持たせる

• 自分の強みが会社から評価されると、非金銭的インセンティブになる

• 自社での自己実現、仲間からの承認による家庭的な相互信頼を作る

• 既存社員の職務満足度を高めないと、良い人材を採用できない

29

ステップ5 組織文化と人材像の明確化文化の核となるマインドセットの検討

Mindset

Pure

Play

Design

Gift

スタッフB スタッフA スペシャリスト 店長

役割難易度

役割

定義

【販売】基礎的知識、技術、精神力

【販売】説得力、行動力、問題解決

【高度専門家】周囲への影響、ロールモデル

【管理者】チーム全体の成果を高める

Pure

Play

Design

Gift

ステップ6 コンピテンシーの開発等級・役割ごとの人材要件と評価内容

30

各等級・各役割に応じた能力評価内容を記述

31

スタッフB スタッフA チーフ 部長

対応職位 一般職 一般職 指導・監督職 管理職

求める能力要件・役割・条件 習得・改善・報告・協調 提案・実施  応用・共有・模範 運営推進・創意工夫・指導調整立案・実行・達成・業務管理・評価

育成・創造・変革

4つのマインド 評価項目 期待在留年数 1年 4年 11年 -

Pure ~

開かれた自分~

私たちは常に開いている事を

ためらいません。

1 コミュニケーション力 本社・取引先とのコミュニケーション能力誰とでも分け隔てなく相手の意見を聞き、自分の

意見も伝えられる標準的定型業務に関して、下位者の指導をしている

小グループのマネジメントをしている(グループ単位で行う業務のポイント:注意点等を指示出来ている)

部門間で業務上必要なコミュニケーションを積極的に推進し、情報共有している

2共感力

(協調性・柔軟性)相手の気持ちに寄り添う能力

組織の基本ルールを理解し、チーム内で協力している

自分の直接担当外であっても、積極的に問題解決に協力・提案している

周りを巻き込む吸引力があり、オープンな精神を元に周囲の共感を呼び起こしパワーに変える

部の目標や方針・計画を掲げ、全員で達成するための達成責任を果たしている

3個性発揮力

(おしゃれ・輝き)自分を表現する能力

自分の可能性を信じ、自分が出来る事を表現する姿はキラリと光るところがある。

自分自身をよく理解し、自らの殻を破りし自己成長を果たそうとしKPI出来る

経験や専門知識をもって自分の判断や思考力をフルに使い仕事ができる

現状に満足ぜず常に独創的な発想をもち先進な事に取り組んでいる

PLAY~あそびと遊び、楽しむこと~

 

オープンであるために、心に余

裕を持ち、一瞬一瞬を楽しみま

す。

用意された「タノシミ」はつまら

ない。

4ENJOY力

(エンターテイメント力)

自分から楽しむ能力お客様の為になる事ワクワクを沢山見つけ、楽しみながら仕事が出来る

自身のセルフコントロール・プロデュ―ス力は分析力・表現力・共感力を学び、遊び心やオープンな精神に繋がっている

自身のセルフコントロール・プロデュ―ス力は分析力・表現力・共感力を学び、遊び心やオープンな精神に繋がっている

部のモチベーションを高める様な職場の環境作りをしている。

5 発信力自分の思いや考えを伝えたい相手に分かりやすく伝える事・学ぶこと・伝える能力

社内・取引先に発信したい事を様々な工夫をして発信する

社内・取引先に発信したい内容を様々な工夫をしてわかりやすく・正確に伝える

自分の責任・権限を適切に理解し、誰に何をやらせるべきか本人の力量とやる気のレベルを見て適当な業務を割り振りができる

高度な経営知識と専門知識をもって。経営層に対し意見等を具申している。

6闘魂力

(セルフコントロール・リーダーシップ)

意気込み・自分の感情や行動を自分で制する能力

自分に任された担当範囲に責任を持ち、小さな事でも達成できる内容を考え、実行に移せる

自立した考えを持ち、与えられた業務の優先順位を考慮しスピーディーに正確に処理が出来る

与えられた職種(現場)におこける最も高いレベルの仕事をしている。計画又は指示に基づき部下・後輩の指導をしている。

自らが長になる組織の目的・目標達成の為にバランスのとれた運営をしている

Design~想像し創造すること~

生活の1コマ1コマを想像し創

造する。私たちは、その輪郭

を描き、そこへ豊かなな彩を

添える。今の自分に、未来の

自分に。そして、周りにいる人

7 おしゃれ力自分自身や店舗作りの美に対する意識・感覚・態度の能力

美意識が仕事に与える影響について理解し、自分自身が内面的、外面的に美しくあるための自分磨きを行う。思い込みではなく、様々な情報を通して、お客様が求めるライフスタイル、ニーズ、願望が何かを理解する

美意識が仕事に与える影響について理解し、自分自身が内面的、外面的に美しくあるための自分磨きを行う。思い込みではなく、様々な情報を通して、お客様が求めるライフスタイル、ニーズ、願望が何かを理解し、表現できる

美意識が仕事に与える影響について理解し、自分自身が内面的、外面的に美しくあるための自分磨きを行い、常に刺激を与える存在で、自分らしいスタイルを持っている

美意識が仕事に与える影響について理解し、自分自身が内面的、外面的に美しくあるための自分磨きを行い、常に刺激を与える存在で、自分らしいスタイルや知識をもっている

8お客様の心を読む

行動させる力(マーケティング)

お客様の求めるニーズを事業部の運営に活かせる能力

自分を取り巻く環境の人たちと沢山コミュニケーションを取り、お客様に何が必要かフイードバックが出来る

気づきや、お客様のニーズを自分の感性で動きフィードバックを活かし、行動に移せる

お客様一人一人のニーズを知り、業界やトレンド世の中の流れに対して、今のお客様に何が必要か情報の整理やフィードバックが出来る

先を読み取る感性を持ち、情報やトレンド・世の中の流れに対して広い視野を持ち、店に必要な情報を整理・伝達できる。

9 課題解決力 目的達成するために必要な手順や考え 問題の事実を上司に正しく報告している常に原因や影響を配慮し、その大きさに合わせて周囲の協力のもとに解決する。

改善の糸口を見つけ、問題の整理・修正を行え、粘り強さや判断力を持っている

部で起こり得る問題に対し、予防処置を取っている

Gift~モノ、コト、気持ち、全てが贈

り物~             ヒ

トとのかかわりを「贈り物」とし

て考えて行きたい。何かを贈る

とき、相手のいろんなことを想う

はず。私たちは、関わる人が置

かれている状況を知り、共感し

て一人一人に向き合っていきま

す。

10

  お客様感動力(お客様満足のその先へ)お客様一人ひとりのその時置かれている状況に向き合い、ベストな商品サービスを提供する。

お客様=本社・取引先          お客様が嬉しくなる事を考え実行し、それを自分の事の様に喜べる能力

お客様に「GIFT]を届けよう!(ご来店のお客様 )★プレゼントを選ぶときのワクワクした相手を思いやる気持ち★お客様と感情的なつながりを築く為に積極的にコミュニケーションを取る事が出来る

お客様に「GIFT]を届けよう!(ご来店のお客様)★プレゼントを選ぶときのワクワクした相手を思いやる気持ち★お客様と感情的なつながりを築く事マニュアルではない、ワクワクの提供が自分の考えで出来る

お客様に「GIFT]を届けよう!(お客様・部下)ブランド愛にあふれ、お客様を繋ぐプロデューサーとしてお客様が笑顔になるサプライズを常にイメージし、GIFTとしてお客様に提供できる。

お客様に「GIFT]を届けよう!  (部下)★プレゼントを選ぶときのワクワクした相手を思いやる気持ち  ★お客様と感情的なつながりを築く事が  マニュアルではなく、ワクワクの提供が店舗全員で出来る様に勤めている。

等級・役割ごとのコンピテンシー一覧表イメージ図 ・ 翻訳不要

32

コンピテンシーシート 第     期 上期    下期 一次考課者 印 二次考課者 印

等級 社員番号 氏名 入社年 ブランド・店舗

スペシャリスト店長

S店長 周りを巻き込む吸引力があり、スタッフの模範となる人物。管理者として問題解決方法を導く

能力項目 能力内容 評価内容 本人 一次考課者 第二考課者本人コメント

1 コミュニケーション力 コミュニケーション業界・トレンドや世の中の流れにたいして広い視野を持ち、お客様や店舗スタッフとの信頼関係を積極的に広げ、より良い関係をまとめられる

2共感力

(協調性・柔軟性)相手の気持ちに寄り添う能力

周りを巻き込む吸引力があり、オープンな精神を元に周囲の共感を得られリーダーシップを発揮できる

3個性発揮力

(おしゃれ・輝き)自分を表現する能力

ブランドの体現者として自らの個性を発揮し、周りに与える影響力がある

4ENJOY力

(エンターテイメント力)

自分から楽しむ能力遊び心やオープンな精神を持ち、周りを巻き込むパワーは周囲の笑顔につながっている 第一考課者コメント

5発信力

(表現力・SNS)

自分の思いや考えを伝えたい相手に分かりやすく伝える事・学ぶこと・伝える能力

ブランドの全体的なイメージを店頭やSNS上でも店舗演出や施策を表現でき、SNS上での発信を指示できる

6

 闘魂力

(セルフコントロール・リーダーシップ)

意気込み・自分の感情や行動を自分で制する能力

パフォーマンスを効果的に上げる為に目的や役割を与え、自ら考え行動出来るよう導ける

7おしゃれ力

( 美意識・店舗演出)

自分自身や店舗作りの美に対する意識・感覚・態度の能力

美意識が仕事に与える影響について理解し、自分自身が内面的、外面的に美しくあるための自分磨きを行い、常に刺激を与える存在で、自分らしいスタイルや知識をもっている

第二考課者コメント

8お客様の心を読む

行動させる力(マーケティング)

接客におけるニースチェックを接客や運営に活かせる能力

先を読み取る感性を持ち、情報やトレンド・世の中の流れに対して広い視野を持ち、店に必要な情報を整理・伝達できる。

9 課題解決力目的達成するために必要

な手順や考え改善の糸口を見つけ、問題の整理・修正を行え、粘り強く問題解決が出来る

Gift~モノ、コト、気持ち、全てが贈り物~

ヒトとのかかわりを「贈り物」として考えて行きた

い。何かを贈るとき、相手のいろんなことを想う

はず。私たちは、関わる人が置かれている状況

を知り、共感して一人一人に向き合っていきま

す。

10

  お客様感動力(お客様満足のその先へ)お客様一人ひとりのその時置かれている状況に向き合い、ベストな商品サービスを提供する。

お客様=部下お客様が嬉しくなる事を考え実行し、それを自分の事の様に喜べる能力

お客様に「GIFT]を届けよう!  (お客様=部下)★プレゼントを選ぶときのワクワクした相手を思いやる気持ち  ★お客様と感情的なつながりを築く事がマニュアルではなく、ワクワクの提供が店舗全員で出来る様に勤めている。

評価点

4・良くみられる(81~100%) 3・見受けられる(61~80%)

合計

40 40 402・あまり見受けられない(41~60%)1・ほとんど見受けられない(20~40%)

Pure~ 開かれた自分~

私たちは常に開いている事をためらいません。

PLAY~あそびと遊び、楽しむこと~

 

オープンであるために、心に余裕を持ち、一瞬

一瞬を楽しみます。

用意された「タノシミ」はつまらない。

Design~想像し創造すること~

生活の1コマ1コマを想像し創造する。私たち

は、その輪郭を描き、そこへ豊かなな彩を添え

る。今の自分に、未来の自分に。そして、周りにいる人たちの今と未来に。

その評価内容についてその態度、行動が、0%以上~40%未満 = 「ほとんど見られない」

20%以上~60%未満 = 「あまり見受けられない」61%以上~80%未満 = 「見受けられる」81%以上~100% = 「よく見られる」

Pure 3項目 12点Play 3項目 12点Design 3項目 12点Gift 1項目 4点

合計 40点満点

個人のコンピテンシー評価シートイメージ図 ・ 翻訳不要

ステップ7 MBO項目の検討BSCに合わせた4つの視点

顧客の視点

財務の視点

学習と成長の視点

業務プロセスの視点顧客満足

売上

自己・チーム成長

業務過程経営戦略

バランス・スコアカード(Balanced Scorecard)とは・・

■MBO 4つの視点

33

34

◆ 目標管理(MBO)シート       第     期    ○上期    ○下期     一次考課者 二次考課者 本人 一次考課者 二次考課者 本人

印 印 印 印 印 印

写真・イラスト 社員番号 店舗・氏名 部門 入社年 ★ 自分のテーマソング★ ★好きな言葉★

123      玲    かずん RC 2014年 店長

目標項目 上期実績 予算比結果下期予算

店  舖

売上予算達成 ( 千円)

上期目標 競合ポジション 下期目標 競合ポジション目  標

店舗ランキング改善 (       位・店)以上

(   位・店)以上

視点 半期目標(内容・目標数値) 達成の目安 目標達成のためのアプローチ 評価ウエイト 本人自己評価欄・達成内容・アピール・反省点

①売上に対する視点

競合店 シェア率一位 シェア率1位 フロアランキング1位を目指すために・・・・・40

本人

   上長

②お客様視

点新規顧客作り(ご案内○○%・本登録○%)

ご案内○○%・本登録

○○%・・・・・・・ 30

人   上長

③業務過程の視点

売上分析におけるシフト管理 20

人   上長

専門性とキラキラ視点の成長

店舗演出力UP 10

本人

   上長

修正 修正

合 計

100(評価ウエイトについて) ・その重要度に応じて 10% 刻みで設定 <達成度>  (%)

・全ての項目の合計を 100% とする 130 : そのランク以上の貢献を果たした

120 : 期待以上の達成度上長

110 : 期待をやや上回る

100 : 期待通りの達成度 絶対評価 90 : 期待にやや満たない

 80 : 期待に満たない

 70 : 期待にかなり足りない

ああたtty¥

◆部門ビジョン ○○○

120-130 :S すごーい!素晴らしい!

110-119  :A 有難う!やったね。

 90-109 :B 有難う! 

 80-89 :C 巻き返ししましょう!

 70-79 :D かなりの巻き返しが必要!

上期予算 修正予算 実績 達成率

店 売上予算達成 千円 千円 千円 %

舖目 上期目標 競合ポジション 結果

標店舗ラ ンキング 位 店・以上 位

◆店舗ビジョン ○○○◆会社ビジョン うれしい驚きの提供

達成度 ポイント

バランス・スコアカードの4つの視点

SMART

個人のMBO評価シートイメージ図 ・ 翻訳不要

35

時間 テーマ 担当者

10:00~10:30オープニング経営戦略と人事制度見直しの目的

社長

10:30~11:15 1.経営と個人をつなぐ人事評価について 山﨑講師

11:30~13:00 2.自社のコンピテンシーと評価部長山﨑講師

14:00~15:00 3.事例を用いた評価の実際 山﨑講師

15:15~16:15 4.MBO評価のための目標設定 山﨑講師

16:30~17:30 5.フィードバックスキル 山﨑講師

17:30~17:45 6.今後の評価関連スケジュール 部長

17:45~18:00 7.質疑応答

ステップ8 評価者研修の実施研修スケジュール例

ステップ9 報酬との連動 賞与の計算

36

個人支給額

個人給与

部門評価

個人MBO

調整係数

個人が所属する部門の全体評価

決算に基づく賞与原資

目標達成なら100%

等級制度に基づく賃金なので、納得性高い

講義番号4

採用人件費コントロール、採用計画

37

人材採用のプロセス

38

社会環境

自社の人材理念、求める人材要件の確認組織人員構成の再確認

人員計画から採用計画へ職務定義・職務記述書の作成

競合他社 応募者の意識自社戦略と

現状のギャップ

応募者の情報収集

応募者への情報提供募集広告

応募者とのコミュニケーション会社説明会・インターン

応募者の採用選考テスト・インタビュー

社内外環境分析

人材ビジョンと組織化

ニーズと採用のすりあわせ

採用計画の策定

応募者へのアプローチ

【人件費比率の計算と採用計画】

39

部門 来期戦略 人員構成 能力要件 必要人員数 人件費予算

仕入れ コストダウン 仕入マネージャー 交渉力 1名 20

販売 高額商品販売 教育トレーナー 販売スキル教育 1名 20

販売員 リピーター獲得 5名 60

2018年実績 2019年予算

売上高 Net sales 1,000 2,000

原価 Cost of sales 300 500

人件費 Personal expenses 200 300

営業利益 Operating income 500 1200

人件費率 Personnel cost ratio 20% 15%

採用計画

人件費予算

事例

人件費・労働分配率と必要人員数

40

人件費比率(%) = 人件費*÷ 売上高 × 100 *人件費 = 役員給与+役員賞与+従業員給与+従業員賞与+福利厚生費

業種 人件費率 労働分配比率

ホテル 30.6% 39.8%

ITサービス 55.1% 69.6%

洋服小売り 20.3% 44.3%

参考:TKC経営指標 http://www.tkc.jp/clientcompany/bast/

来期戦略 人員構成 能力要件 必要人員数 人件費予算

製造部

営業部

管理部

講義番号5

採用コンピテンシーの作成

41

コンピテンシーと成果

能力評価の新しい概念:「成果を上げ続けることのできる行動特性」「再現性のある成果行動能力」

高業績者の行動特性から抽出された成果行動能力=成果発揮能力

42

水上=見える

水面下=隠された

スキル、知識

氷山モデル

自己イメージ

特性・動因

知識・スキル

特性・動因

自己イメージ

態度・価値観

表層的なので能力開発が容易

中核的人格なので能力開発困難特性動因

自己イメージ態度

価値観知識

行動スキル

職務上の業績

Competence at Work: Models for Superior Performance

Lyle M. Spencer , Signe M. Spencer ISBN-10: 047154809X

モンゴル人のコンピテンシー

43

A 評価 B 会社での重要性

コンピテンシー・アセスメントシート (例) 全くその能力がない=1 不要な能力=1

能力が足りない=2 少し必要な能力=2

一般的な能力がある=3 一般レベルの能力が必要=3

一般的な人より能力がある=4 重要な能力=4

他者を教育できる高い能力がある=5 かなり重要な能力=5

A:モンゴル人の一般的特性

B:あなたの会社におけるその能力の重要性

達成重視 ACH 革新的なアイデアによって組織に成功をもたらす行動を徹底して行いますか?

秩序や正確性 CO 職場においてルールを守り、秩序のある組織的な行動を取りますか?

イニシアティブ INT その職務で期待されていること以上の高い目標を達成しようと一歩先の仕事をしますか?

情報探求 INF 好奇心を持って新しい情報を収集し、学習しようとしますか?

インパクトと影響力 IMP 他の人たちを説得し、印象付けることができますか?

組織の理解 OA 組織内外の力関係を理解し、誰にどのように働きかけることが適切かを分かっていますか?

関係の構築 RB 重要人物とのネットワークを築き、良い関係を維持することができますか?

対人関係理解 IU 周囲の人たちの話を良く聴き、相手の考えを理解しようとしますか?

顧客サービス CSO 社内外の関係者のニーズに応えて、相手を支援し、満足させようとしますか?

人材育成 DEV 周囲の人たちを教育し、能力を高めることができますか?

指揮命令 DIR 周囲の人たちが何をすべきかを示し、相手の行動を促すことができます?

チームワーク TW 他の人たちと協力して、協調しながらチームの目標達成に貢献することができますか?

リーダーシップ TL グループのリーダーとしてビジョンを示し、指揮を取り、責任を取ることができますか?

分析的思考 AT 問題を分析し、原因を段階的に追及することができますか?

概念化思考 CT 具体的な事柄ではなく、全体的な状況や問題を理解して大きな絵姿を描き出すことができますか?

専門能力 EXP 職務上必要となる知識体系をマスターしていますか?

セルフコントロール SCT 高いストレスがあるときでも、自分をコントロールして仕事をすることができますか?

自己確信 SCF 自分自身の能力に対する信頼感、確信がありますか?

柔軟性 FLX 変化する環境に自分を合わせて効果的に仕事をすることができますか?

組織へのコミットメント OC 組織目標達成ために、個人の要求を組織に合わせることができますか?

個人の効果性

支援と人的サービス

L.M.Spencer,Jr.,PhD 「Competence at Work」を題材に筆者加筆

インパクトと影響力

達成とアクション

マネジメント

認知

【ギャップを埋めるコンピテンシーの検討】

人材採用にあたり、新入社員に求められるコンピテンシーを検討します。

経験、知識、スキル以外に、業務を成功させるために重要なコンピテンシー(成果を上げ続けることのできる行動特性)は何ですか?

コンピテンシー設計の対象として検討すべきなのは、

1. 会社の中での主要業務(例:販売会社なら販売員、製造業なら技術者)

2. 中間管理職のリーダーシップ

3. 会社の理念、ビジョン、カルチャー

44

講義番号5

採用ジョブディスクリプションと面接シートの作成、

募集広告、選考方法

45

職務記述書

職務: 等級・役割: .

(1)職務の概要、定義 (経営ビジョンや戦略とつながる内容)

(2)期待される成果 (経営戦略につながるアウトプット)

(3)主な職務の内容 (具体的な職務内容)

(4) コンピテンシー (成果を出すために必要な能力)

コンピテンシー:

知識(Knowledge):

スキル(Skill):

態度(Attitude):

価値観(大切に思っていること):46

Recruiting Sources

Recruiting Source

Advantages Disadvantages

Internal

• The morale of the promote is usually high.

• The firm can better assess a candidate’s abilities.

• Recruiting costs are lower for some jobs.• The process is a motivator for good

performance.• The process causes a succession of

promotions.• The firm has to hire only at entry level.

• “Inbreeding” results.• Those not promoted may experience

morale problems.• Employees may engage in “political”

infighting for promotions.

External

• New “Blood” brings new perspectives.• Training new hires is cheaper and faster

because of prior external experience.• The new hire has no group of “political

supporters” in the organization.• The new hire may bring new industry

insights.

• The firm may not select someone who will fit the job or the organization.

• The process may cause morale problems for internal conditions not selected.

• The new employee may require a longer adjustment or orientation time.

47

<ディスカッション>人材募集のメディア選択

48

募集方法 メリット デメリット

新聞の求人広告•不特定多数の母集団•広告反応が早い

•対象者が絞り込めない•広告効果が一次的

求人雑誌や人材マッチングサイト

自社のホームページ

学校からの推薦状

会社説明会

社内外のリクルーター

その他

人材募集広告はマーケティング活動

Attention: 目を向ける

Interest: 関心や興味を持つ

Desire: 欲しいと思う

Memory: 記憶に残る

Action: 購買行動に移る

49

人材募集広告でアピールすること=ターゲットにとってのベネフィット

企業イメージ

職場の人間関係が良い

若々しい、活動的

将来性、成長性がある

創造的、革新的な経営

社会や生活に貢献している

能力主義、実力主義

国際性が豊か

50

個人にとってのメリット

労働条件(給与、休暇、通勤、作業環境など)が良い

仕事がおもしろそう

子供に誇れる仕事ができる

研修が充実している

昇進、昇格が期待できる

仕事と生活の両立がイメージできる

【魅力的な募集広告】

自社のキャッチコピーを作り、応募者にとって魅力的な広告をデザインして下さい

51

採用選考手法と選考内容

52

選考手法

選考内容

エントリーシート

職業適性検査

筆記試験 作文論文 面接グループワーク

志望動機 ○ × × ○ ○ △

知識 × × ○ △ △ △

スキル △ × △ △ △ ○

価値観 △ △ × ○ ○ △

態度・姿勢 × ○ × ○ ○ ○

性格特性 × ○ × ○ ○ ○

有効な手段: ○ 補助的な手段:△ 有効ではない: ×

ホランドの職業興味モデル

53

内容

現実的興味Realistic

機械や物体を対象とする具体物で実際的な仕事や活動の領域

研究的興味Investigative

研究や調査のような研究的、探索的な仕事や活動の領域

芸術的興味Artistic

音楽、芸術、文学等を対象とするような仕事や活動の領域

社会的興味Social

人と接したり、人に奉仕したりする仕事や活動の領域

企業的興味Enterprising

企画・立案したり、組織の運営や経営等の仕事や活動の領域

慣習的興味Conventional

定まった方式や規則、習慣を重視したり、それに従って行うような仕事や活動の領域

講義番号7

採用採用面接のスキル

54

面接の3ステップ

55

• 相手が話しやすい雰囲気を作る

• 相手の自社への関心を引くオープニング

• 相手の態度、姿勢、能力を引き出して評価する

• 自社で働く魅力を伝える本論

•相手の質問や要望を尋ねて相手の自社に対する本気度を確認する

•相手が自社で働きたいと思わせるクロージング

深く聞くための質問

56

When

Where

Who

What

Why

How

志望動機

転職きっかけ

新しいチームになじめるか

今後のキャリアに対する考え方

これまでの成功体験と失敗体験

Commonly used questions in selection interviews

57

General What are your strengths and weaknesses?

Why did you leave your last job?

Why should we hire you?

What is most important to you in a job?

What questions do you have for me?

Problem Solving What is the most creative work-related idea you have had?

Describe a difficult problem you faced and solved.

What approach to problem solving works best for you?

Describe a sale you did not make, and explain why.

Motivation What have you done that shows initiative?

What career objectives have you met?

How do you measure success?

What reward mean the most to you?

What projects make you excited?

Commonly used questions in selection interviews cont.

58

Working with others

What kind of people do you like to work with?

Tell me about a conflict with a fellow worker.How was it resolved?

Describe your management style.

When is teamwork more appropriate?

Integrity-Indicator

Tell me about a time when you were not honest.

How would you react if you were asked to do something unethical?

If you saw a co-worker doing something dishonest, what would you do?

When did you last break a rule?

When I call your previous employer, what comments will I get?

Your Original based on the Competencies

【面接シートの作成】

59

職務・等級・役割: 氏名:

全般 質問例: メモ

志望動機 質問例: メモ

職務経験 質問例: メモ

人間関係 質問例: メモ

キャリア 質問例: メモ

コンピテンシー

人事評価コンピテンシー: 5 ・ 4 ・ 3 ・ 2 ・ 1

知識・スキル: 5 ・ 4 ・ 3 ・ 2 ・ 1

態度: 5 ・ 4 ・ 3 ・ 2 ・ 1

価値観: 5 ・ 4 ・ 3 ・ 2 ・ 1

総合判定 5.採用したい、4.採用しても良い、3.どちらとも言えない、2.保留、1.採用しない

<ロールプレイング>採用面接

1. 3名人組になります

2. 1名が人事面接担当者、1名が応募者、1名が二人の会話を観察し、終了後にフィードバックを与える役割です

3. 最初に、人事面接担当者が応募者の役割を演じる人に対して職務記述書を見せて説明します。

4. 応募者の人は自分なりに演じる役柄をイメージします。

5. スタートの合図と同時に、面接の芝居を10分間行います。

6. 人事担当者は、面接芝居の最中に自分が作成した面接シートに記入をします。

7. 10分終了後に、合否判定をします。

8. 二人の会話を観察していた人が、この面接の進め方についてフィードバックをします。

60

講義番号8

新入社員オリエンテーション

61

オリエンテーション・プログラムの内容

会社概要

沿革

ビジョン

事業内容

方針

新入社員に期待すること

就業規則について

評価・賃金制度について

教育制度について

必要書類の提出について

今後のスケジュール

社内ツアー62

Relations between the Feeling of tension and Active performance

63

Time

High

Low

Performance

Tension

Time Saving

【入社オリエンテーションのプログラム】

64

時間 内容 担当者 配布物など

講義番号9

人材開発

65

OJT (On the Job Training)

仕事をしながら、仕事に即して、上司や先輩が部下や後輩に、業務遂行上必要となる知識、技術、技能、対人関係スキル、仕事の進め方のノウハウを教えていくこと。

メリット

仕事そのものが教材となり、自分の能力の足りないところを目の前で教えてもらい、実行でき、結果を具体的に知ることができる

デメリット

目の前の仕事をいかにうまくこなすかに注意が向きがちで、短期的、場当たり的になる

指導者によって、指導レベルに大きな差が出る

66

自己啓発意欲

Off-JT 組織開発 OJT

計画的OJT

計画的に体系化されたOJTは、場当たり的なOJTと比べて習得時間は1/5、経済的利益は2倍

計画的OJTの実施企業74% (1996年調査)

計画的OJTの方策 (実施比率多い順)

OJT教育について上司への教育

OJT担当者を任命し、OJT技法の指導、育成

OJTマニュアルの作成、指導

トレーナーとトレーニーのペアによる相互啓発への援助

67

計画的OJT 非計画的OJT

何をいつまでに習得させるべきか、目的、方法が明確であり、具体的な行動に落とし込まれたマニュアルがある

OJTの目的

何を伝えるべきかは指導者任せで、マニュアルもなく口頭で、人によって言うことが違う

担当者を任命し、指導方法を教え、業務や精神的な負担増への上司の配慮があり、後輩育成が評価項目になる

OJT担当者

担当者が不特定で、指導方法の基本を知らず、上司のサポートもない

OJT担当者間でのミーティングで進捗報告、反省会を行う

モニタリング

報告書だけで完了している

Off-JT (Off the Job Training)

仕事環境を離れて行い、特定のテーマや階層に分類し、研修目的とゴールを定めて実施する集合研修

メリット

上司が作業現場では教えきれない専門的、知識的、理論的な事柄を短期的、集中的に専門家から学ぶことにより、新しい知識を得たり、散在した実務経験を再整理して体系的に理解することができる

職場の利害関係から一旦離れ、社員同士の相互理解を深めて人間関係を形成することができる

デメリット

学習した内容を現場で即実践することが難しい。

68

教育体系構築のプロセス

69

1.関連部門のニーズ把握

2.経営戦略、人事理念とのギャップ把握

3.人材育成方針の決定

4.人事戦略、人事制度との整合性

5.教育体系の構築

6.各種プログラムの検討、研修内容の開発

7.研修実施、効果測定、フォローアップ

営業力が弱い帰属意識が

足りない

顧客満足を得られない

リーダーがいない

評価結果

会社と共に成長する人材会社の成長を促進する人材

社員格付け、人事評価項目など

リーダーシップ研修チームビルディング研修

ボックス型、課題解決型など

社内外講師、日程、事前準備、満足度調査、上司へのヒヤリング

あるべき姿 GAP 現状

具体的事例

ボックス型教育体系図(例)

70

新入社員 中級社員 中級マネージャー

経営幹部

人事部門実施

階層別研修

一般的専門研修

OJTプログラム

自己啓発

海外派遣、社内起業

事業部門

事業別専門研修

新入社員研修

フォローアップ

マネジメント エグゼクティブ

アセスメント

コンピューター

語学

プレゼンテーション

MBAコース

OJT実施 OJTリーダー、メンター養成

通信教育

資格試験

海外派遣社内ベンチャー

生産管理

店舗管理

研究開発技法

技術戦略策定

研修の進め方の原則

効果的な「大人の学習」の法則とは

1. 大人の学習は実践的 (Practical) である

2. 大人の学習はモチベーション (Motivation) が必要である

3. 大人の学習は自律的 (Autonomous) である

4. 大人の学習は関係性 (Relevancy) が必要である

5. 大人の学習は目的志向 (Goal-Oriented) である

6. 大人の学習は人生経験 (Life Experience) がある

71

研修効果測定

レベル1 反応(reaction)

研修内容について参加者はどのように感じたのを確認する。アンケート調査。

レベル2 学習(learning)

研修から参加者は何を学習したのかを確認する。テスト、レポートの提出。

レベル3 行動・態度(behavior)

研修後、職場に戻ってからの行動がどのように変わったかを確認する。360度アンケート。

レベル4 結果(results)

最終的にどのような成果(量、質、安全、セールス、コスト、利益)が出たかを確認する。定量的測定。

72

OJTとOff-JTとワークプレースラーニング

「研修(Off-JT)での学び」に加え「現場(OJT)での学び」を重視する考え方

OJTをしっかりサポートし、Off-JTと連動した現場での学びをデザインする

ラーニング(学習)の機能

手段的学習: 問題解決のための具体的なやり方に特化した学習

対話的学習: 対話によって相手の意味することを理解し、学習する

自己省察的学習: 対話を通して、自分の経験から来る意味や感情に気づく学習

研修中におけるラーニングを促進させるためには

聞いて ⇒ 考えて ⇒ 対話して ⇒ 気づく こと!

73

①事前の職場活動 ②研修中の学習 ③事後の職場活動

鍵となる要因 現場マネージャーから研修の目的が伝えられる

現場マネージャーが適切な人を研修に送る

よくデザインされた教材

講師によるファシリテーション

講師の教える技術

同僚のサポート

学んだことを実践できる機会が与えられる

成功への影響度 40% 20% 40%

【トレーニング体系の設計】

74

新入社員研修 中堅レベル 管理職 役員

人事部企画

役割・責任に関わる研修

コンピテンシーを伸ばす研修

OJTプログラム

Self Learning

各部門

企画 専門性研修

講義番号10

人事戦略と評価、報酬のつながり

75

日本とアメリカの人事視点の違い

76

長期の組織貢献

潜在能力成果に繋がる

発揮された能力職務内容 成果

年功序列 職能資格制度 コンピテンシー ジョブグレード 成果主義

市場価値重視

社員と組織重視

人事評価の基準

日本的

アメリカ的

人事視点の違いを生み出した理由民族的背景宗教的背景歴史的背景政治的背景

グローバル化の中でどのように折り合いを付けるか?

組織文化を左右する等級(偉さ)の考え方

77

伝統的日本型 欧米型 新日本型

年功序列 職能資格制度職務等級制度

(ジョブグレード)役割等級制度

基本要件 勤務年数 能力(保有) 職務(仕事) 役割(責任の重さ)

評価基準 勤務年数 職能要件書 職務記述書 役割基準書

能力評価勤務年数が増えれば能力が上がると考える

部門異動をしても安定して必要となる能力(柔軟性など)や職務態度(熱心さ)の保有程度

職務や役割を果たすうえで必要な能力の発揮程度

成果評価勤務年数が増えれば成果が出せると考える

保有能力が高ければ成果が出せると考える

職務や役割を果たしているか(組織への貢献度)

評価が高い人の口癖

「長く勤めているから、色々知っています」

「あの部門でも、この部門でも、それなりにこなせますよ」

「自分の仕事の専門性で組織に貢献しています」

「自分が与えられた役割をしっかり果たして組織に貢献しています」

ジョブグレード

職務(役割)ごとに求められる成果責任を明確にし、果たすべき職務上の役割と、達成すべき成果責任を定めた「職務記述書」に基づく等級のしくみ。

ヒト基点の発想ではなく、戦略⇒組織⇒職務という連続性の中で、職務が先に定義され、その職務に見合ったヒトを配置する、という考え方。

手続き

① 職務分析: 戦略目標を達成する組織に必要な個々の職務を対象に分析

② 職務記述書: 職務ごとに何をすべきかを明文化

③ 職務明細書: その職務を遂行する上で必要な能力要件(コンピテンシー)を明文化する

④ 職務評価: 職務の相対的価値付けによる等級の序列化

⑤ 職務給: 職務等級に応じた給与の決定

日本での変化 (部長級)

2000年 職能資格制度 75% ジョブグレード 18%

2006年 職能資格制度 33% ジョブグレード 68%

78

ジョブグレードと給与

業務の専門性・難易度ごとにグループ化したしくみ

79

ジョブグループ

給与

マネジメント職群

研究職群エンジニア職群

営業職群事務職群

中心能力

能力(コンピテンシー)による幅

上級能力

初級能力

各職群の職務定義と対の能力要件の整備が必要

職務記述書 事例

新規事業部マネージャー職

(1)職務の概要、定義 (経営ビジョンや戦略とつながる内容)市場成長率の高い産業領域を新たに開発し、既存事業に代わる主力事業に育てることで、モンゴルのリーディングカンパニーとして国民の豊かな生活創造に貢献する。

(2)期待される成果 (経営戦略に適合したアウトプット)

新規市場を開拓し、シェアを10%獲得する

(3)主な職務の内容 (具体的な職務内容)

市場分析とターゲットの明確化、新規市場におけるビジネスプランの策定と実行

(4)コンピテンシー

コンピテンシー(成果を出すために必要な能力): 例:インパクトと影響力、対人関係理解

知識(知っている): 例:マーケティング知識、 コンピュータ-知識

スキル(できる): 例:コミュニケーションスキル、 価格交渉スキル、

態度(外から見える): 例:達成意欲、 柔軟性

価値観(大切に思っている):例:チャレンジ、 自己成長80

職能資格制度

過去主流だった日本的能力主義

従業員の能力(潜在)評価による「資格」で人事評価を行うしくみ

「資格」と「職位」を分離する

昇級試験は成果ではなく潜在能力で判断する。

81

社員区分 職能資格 定義 昇格基準 等級 対応役職位

幹部社員経営補佐 統率業務

実績1 本部長

高度管理職 上級管理業務 2 部長

試験

中間幹部中級管理職 監督・指導業務

能力3 課長

初級管理職 非定型判断業務 4 係長

試験

一般社員

中級職 定型判断業務

勤続

5 大学院卒

初級職 定型業務 6 大学卒

補助職 補助業務 7 高校卒

職能資格(日本式)と給与

82

役割等級

給与

Level1

中心給与

評価による幅

Level2Level3Level4Level5

高評価

低評価

等級ごとの給与レンジテーブルがあり、等級の中での評価水準で給与が決定

職能資格制度の給与テーブルの事例

83

Level 1505,600496,000485,000472,500453,000

Level 2 443,500432,100411,200391,100

Level 3 382,600376,100 377,100370,900 371,600368,300 368,900365,700 366,200363,100 363,500360,500 360,900

Level 4 344,700 344,800323,800 324,000304,700 304,000

Level 5 302,300 301,600297,600 297,600 296,700293,000 293,100 291,800288,600 288,500279,500 279,300

Level 6 272,900 272,500268,500 268,600 268,200256,300 255,700248,200 247,300240,200 239,100232,200 231,000224,300216,400208,500200,600

職能資格とジョブグレードの比較

84

職能資格制度

Japanese Style

ジョブグレード

American Style

社員の保有能力を基本にする 基本要件 職務評価を基本にする

保有能力が基本なので、能力を発揮し、成果を出さなくても評価される

特徴 職務価値と業績成果で評価される

職能給なので、結果的に年功序列化し右上がりのカーブになる

賃金職務給

定期昇給がなく、同一職務なら同一賃金

保有能力が高まれば昇格し、原則として降格はない

よって、将来役職ポストがなくなる

昇格と任用役職ポストに空席が出たときに昇任

組織変更で役職ポストがなくなれば離脱

若年者が多い場合に適している メリット 人件費が膨張することがない

高技能者が低技能者と同じ簡単な仕事をしていても、高賃金になる

問題点高技能者が簡単な作業をしていれば、作業内容に合わせて低賃金

コンピテンシーと成果

能力評価の新しい概念:「成果を上げ続けることのできる行動特性」「再現性のある成果行動能力」

高業績者の行動特性から抽出された成果行動能力=成果発揮能力

85

水上=見える

水面下=隠された

スキル、知識

氷山モデル

自己イメージ

特性・動因

知識・スキル

特性・動因

自己イメージ

態度・価値観

表層的なので能力開発が容易

中核的人格なので能力開発困難特性動因

自己イメージ態度

価値観知識

行動スキル

職務上の業績

Competence at Work: Models for Superior Performance

Lyle M. Spencer , Signe M. Spencer ISBN-10: 047154809X

【等級・役割ごとの人材要件とコンピテンシー】

等級

コンピテンシー

役割

定義

例:レベル1新卒新人

レベル2 レベル3 レベル4

仕事を覚え、先輩の手助けをする。

例:チームワーク

仕事仲間を信頼し、チームとしての成果を出すこと

ができる。

自分がどのようにしたら仕事仲間の役に立てるかを考え、行動する。

86

【等級・役割ごとの賃金テーブル】

給与水準

レベル1 レベル2 レベル3 レベル4

87

金額

講義番号11

コンピテンシー評価と目標管理評価

88

Performance Appraisals (Evaluation)

89

Administrative Use

• Compensation

• Promotion

• Disciplinary action

• Dismissal

• Downsizing

Developmental Use

• Identifying strengths

• Identifying areas for change

• Training / Development

• Coaching

• Career planning

Performance

Appraisals

人事評価を成功させる2視点と3原則

90

企業

従業員

方針の浸透

成長と貢献

透明性評価基準が公開されており、明確であること

納得性評価結果に対して本人

が納得していること

公平性評価者による差異が

大きくないこと

91

2つの評価

MBO評価= Management By Objectives

コンピテンシー評価

評価の視点<Gapを振り返る>

Gap Gap目標 結果理想

(人材像)現実

期初に設定した目標に対する結果を上司-部下で振り返り、そのGapについて

コミュニケーションを図る。

求められる人材像に対する現実を上司-部下で認識し、

そのGapをOJTやOff-JTを通じ育成する。

評価のタイムスパン 短期的成果 を評価 中長期的能力 を評価

何を評価するか設定された目標に対する

達成数値業務全般における

プロセス(行動・態度)

評価結果の報酬成果重視型 育成重視型

賞与 昇給・昇格 91

KPIとMBO(目標管理制度)の違い

92

KPIKey Performance Indicator

MBOManagement by objectives

企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標

意味 (自己)目標(設定)による、(人事)管理

BSCの中で用いられる。BSCは、Robert S. Kaplan & David P. Norton (会計学、企業業績評価)が提唱。

提唱者Peter F. Drucker (経営学の神様)Douglas M. McGregor (心理学者、経営学者)

経営戦略の道具としても活用されるようになったが、根底には会計学における業績評価の理念がある。(大学では会計学者の専門領域)

考え方の背景

モチベーション理論である「目標設定理論」(人は自ら具体的な目標を立てることで動機付けられる)という研究結果に基く。 (大学では産業心理や人事学者の専門領域)

経営指標の具体化。他社と比較可能にし、現状を把握し、戦略実現につなげる。

使われ方従業員の人事評価制度。企業戦略に対して、従業員は何が貢献できるかを考え、目標設定する。

設定するのは、経営者や管理職。組織としての経営指標であり、個別の従業員の評価を目的としていない。

相違点

設定するのは、従業員個人。従業員のモチベーションを高める人事施策であり、戦略策定ツールではない。だが、戦略との連動を意識して目標設定する。

BSCで設定したKPIを部門や個人の責任として強要しすぎると、個別最適となり、部門や個人の連携が失われる。

注意点上司による部下へのコーチングがなければ機能しない。

MBO人事評価

Managing By Objectives の略

従業員の達成意欲を喚起させる、自己実現人モデルに基づいたもの

組織目標と個人目標の連動を目指す

93

経営戦略

部門目標

個人の目標 個人目標の設定

中間レビュー

評価と結果業績結果

上司

面接

【MBOシート例】MBOシート 所属部門: 名前:

Goal Weight 本人コメント 達成率

目標1

目標2

目標3

目標4

会社の目標:

部門の目標:

期首目標 期末評価

What How 上司コメント

達成率合計

94

MBO目標の立て方は「スマート」

Specific 具体的

Measurable 定量的

Achievable 達成可能性

Related 経営目標との連動

Time-bound 期限

95

コンピテンシーと成果

能力評価の新しい概念:「成果を上げ続けることのできる行動特性」「再現性のある成果行動能力」

高業績者の行動特性から抽出された成果行動能力=成果発揮能力

96

水上=見える

水面下=隠された

スキル、知識

氷山モデル

自己イメージ

特性・動因

知識・スキル

特性・動因

自己イメージ

態度・価値観

表層的なので能力開発が容易

中核的人格なので能力開発困難特性動因

自己イメージ態度

価値観知識

行動スキル

職務上の業績

Competence at Work: Models for Superior Performance

Lyle M. Spencer , Signe M. Spencer ISBN-10: 047154809X

【コンピテンシー評価例】

97

コンピテンシー

役割

定義

例:レベル1 新卒新人自己評価 上司評価

仕事を覚え、先輩の手助けをする。 1.能力を全く発揮していない2.能力の発揮が安定していない

3.能力を常に発揮している

例:チームワーク

仕事仲間を信頼し、チームとしての成果を

出すことができる。

自分がどのようにしたら仕事仲間の役に立てるかを考え、行動する。 1. 2. 3. 1. 2. 3.

1. 2. 3. 1. 2. 3.

1. 2. 3. 1. 2. 3.

1. 2. 3. 1. 2. 3.

1. 2. 3. 1. 2. 3.

評価点合計

短期的処遇

コンピテンシー評価

MBO評価

評価ツール

インセンティブ研修

他職務への抜擢

賞与

総合評価

長期的処遇

同じ等級内給与

等級変更

評価と処遇 (例)

Total Rewards Components

99

Compensation

• Base Plan of Wages and Salaries

• Variable Pay such as Bonuses, Incentives and Stock options

• Monetary Incentive

Benefits

• Health/medical insurance

• Life/disability insurance

• Paid time off

• Retirement/pension plans

• Educational assistance

• Work-Life support

Performance and talent Management

• Goal Setting and Performance Reviews

• Training & Development

• Career planning

• Succession planning

• Non-Monetary Incentive

Total Rewards

金銭的インセンティブ

インセンティブ

生産性を向上させるための報奨金

労働意欲を向上させるための刺激(動因)になるもの

短期インセンティブ

賞与 (ボーナス)

歩合 (営業目標達成)

報奨金 (受賞、資格試験合格)

長期インセンティブ

ストック・オプション (社員持ち株権利制度)

自己啓発投資 (海外研修、経営大学院授業料免除)

100

非金銭的インセンティブ

101

仕事そのものの価値を高める

アシスタント補充

昇進・昇格

自由研究テーマ

特別予算付与

魅力的な仕事への任命

社内資格制度

社員の貢献への感謝を示す

社内表彰

社長との会食

ワークライフバランスへの配慮

社内託児所

育児休暇、看病休暇

自由時間の付与

魅力的な組織文化、風土を創る

自由提案制度

ダイアログの場を作る

魅力的なビジョンとトップのコミットメント

家族を招いたパーティー

社員一人一人のキャリアを伸ばす

能力開発の機会

社内公募制

FA制度

労働環境の改善

オフィスの場所

オフィスの清潔さ、家具調度品

ストレスマネジメントへの配慮

福利厚生の充実

モチベーション理論: 衛生要因と動機付け要因

衛生要因:会社への不満足を減らすことはできるが、モチベーション向上にはならない

動機付け要因:仕事それ自体や仕事を通して得られる内的な満足がモチベーション向上につながる

よって、職場のモチベーションアップには、衛生要因の改善より、職務自体を改善する必要がある。(職務拡大、職務充実)

102

50% 40% 30% 20% 10% 10% 20% 30% 40% 50%

達成

承認

仕事そのもの

会社の政策と経営

監督

給与

(動機付け要因)(衛生要因)職務不満に寄与している全要因 職務満足に寄与している全要因

人間の欲求モデルから見たHRM

103

A.H.Maslow 1908~1970

自尊欲求

他人から尊敬されたい-地位、賛美、評価

自信、独立、自尊

評価・報酬

社会的欲求

自分の居場所がほしい-集団への帰属

友情や愛情

福利厚生

安全欲求

安全に暮らしたい-身体的危険、脅威がない

仕事への保障、保険、安定

労働安全衛生

生理的欲求

人間としての生理的、肉体的欲求

衣・食・住

就業管理

キャリアデザイン 自己実現欲求 限りなく成長したい-継続的自己啓発

潜在能力の実現

創造性発揮

自己充実、有意味感、個性、躍動

モチベーション理論: XY理論

104

X理論

部下が低次欲求を追及することを前提として、その態度や行動を否定的に認識するという人間観。

ふつうの人間は、生来仕事が嫌いで、なろうことなら仕事はしたくないと思っている

強制されたり、命令されたり、処罰するぞと脅かさなければ、企業目標を達成するために十分な力は出さない

普通の人間は命令されるほうが好きで、責任を回避し、野心を持たず、安全を望むものである

Y理論

部下が高次の欲求を追及していることを前提として、その態度や行動を肯定的に認識する人間観

仕事で心身を使うのは、遊びや休憩と変わらない

人は自分が進んで身を委ねた目標のためには自ら自分にムチ打って働く

高度の想像力や創意工夫をする能力は、一部の人だけのものではない

現代企業では、従業員の知恵はほんの一部しか生かされていない

X理論とY理論のいずれの人間観に従うかによって、部下の管理方法が変わってくる

モチベーション理論: 目標設定理論

「とにかく頑張れ」といった全般的な目標より、特定で具体的な目標を設定したほうが高いパフォーマンスを達成する

目標に対する達成度を本人にフィードバックすることで、目標達成の行動を強める

本人が達成可能であると感じる範囲内であれば、困難な目標のほうが目標達成の行動を強める

目標に本人が合意したほうが目標達成の行動を強める

105

MBO

Organizational and Individual Career Planning Perspectives

Person’s

Career

1. Identify Future organizational staffing needs.

2. Plan career ladders.

3. Assess individual potential and training needs.

4. Match organizational needs to individual abilities.

5. Audit and develop a career system for the organization.

1. Identify personal abilities and interests.

2. Plan life and work goals.

3. Assess alternative paths inside and outside the organization.

4. Note changes in interests and goals as career and life stage changes.

106

Organizational Perspective Individual Perspective

Career Development

Japanese university student learn “Career Design” in the class.

107

Kyoko Yamazaki & Masaki Hirabayashi

“Career design lessens for new future”

講義番号12

評価者研修

108

評価者研修で実施する項目

経営戦略と人事評価の連動制

組織文化や人材像とコンピテンシーの連動制

コンピテンシー評価の実際

評価エラーの説明

事例による模擬評価

評価の個人差の確認とディスカッション

MBO評価の実際

目標設定のポイント

評価基準の確認

成果とコンピテンシーの関係検討

本人へのフィードバックのスキル

フィードバックのロールプレイ

コーチングスキル

次年度の目標設定への連動

報酬との連動

評価スケジュール 109

人事評価は会社と社員の航路を支える

110

経営方針のメッセージ性

コミュニケーション

役割明確化 望ましい社員像の浸透

プロフェッショナル化 モチベーション

評価者自身のマネジメント能力向上

組織開発効果

能力開発

評価の際に陥りがちなエラー

111

ハロー効果

期末効果

厳格化傾向 寛大化傾向中心化傾向

対比誤差

逆算誤差

論理誤差

模擬評価

1. コンピテンシー評価シートを予め作成しておきます

2. 架空の人物 A さんの事例を予め作成しておきます

3. 評価者研修参加者にAさんの事例を配布します

4. 参加者個人で、Aさんに対する評価を記入します

5. 参加者全員が記入が終わったら、全員で評価結果を

比較します

6. 各自の評価エラーについて自覚します

7. 評価した際の判断基準について、全員で議論し、合

意形成します

上司から部下へのフィードバック面接の一般的な進め方

アイスブレイク (緊張をほぐす、日常業務へのねぎらい)

評価結果の伝達と理由の説明

本人の受け止め方の傾聴

認識の合致点と不合致点の意見交換と上司の期待の説明

今後の能力開発や業務方針の合意

本人への今後の期待表明

相手との信頼関係があれば、素直に評価を受け止められる

会社の評価基準と自分の行動評価に納得ができる

ギャップは自分への期待の表れだと実感する

自分の育成を真面目に考えてくれている

参考: 『人事評価の教科書』 高原暢恭 著

部下育成のコーチング技法

成長支援

観察

(分析)

傾聴

質問

フィードバック

(振り返り)

114

コーチングとは、対話を重ねることを通して、相手が目標設定に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセス

本人を知る事実を確認する

信頼関係を築く考えさせる

答えを引き出す

理解・納得に導く

傾聴のバリエーション

115

うなずき

あいづち

(同調)

繰り返し

(復唱)

言い換え

うながし

要約

質問のバリエーション

116

When

Where

Who

What

Why

How拡大質問

未来質問

肯定質問

(例) 期限・納期

(例) 仕事の場所

(例) 担当・対象

(例) 仕事の内容

(例) 意義・目的

(例) 方法・進め方予算

コーチングのGROWモデル

117

G

R

O

WWill

達成の意思

Options

実現の選択肢

Reality

現状把握

Goal

目標設定

Resource

使える資源

達成したいことは何ですか?

現状は何点くらいですか?

目標と現状の差が発生する原因は何ですか?

達成のために役立つ資源をどのくらい持っていますか?

優先順位と行動計画は?

差を縮めるために、何ができますか?

【ロールプレイ】 コーチング面接

コーチング・スキルを練習するロールプレイを行います

3人1組になります。

1名が自分(部下役)、 1名が上司役、1名がオブザーバーです。

相談者は、自分の上司に自分の目標達成のための相談をします。

上司役は、GROWモデルと質問のスキルを使ってコーチングを行います。

仕事の内容は分からなくてもいいので、質問と傾聴だけで会話をします。

コーチング時間は10分間です。

ふりかえり

終了したら、オブザーバーも一緒に「効果的なコーチング」「コーチ型リーダー」かどうかをふりかえります。(5分間)

交替

役割を交替します。

118

自分

(部下役)

上司役オブザーバー

講義番号13

組織変革の方法

119

組織開発

学習活動の一部であるが、組織における個人よりも全体的な人間のシステムに焦点

仕事や組織の環境に対する組織の全構成員の価値観(組織文化)を一挙に変えたほうがよい場合に有効

古くて硬い組織を、柔軟で変化に対応できる組織風土にしたい

指示がないと動かない社員の意識を、一人一人が自ら考え、プロフェッショナルな行動が取れる組織にしたい

お客様のことを考えず、社内政治ばかりに関心が向く風土を、全社員がお客様の方向を向いて顧客満足度の高い会社にしたい

120

自己啓発意欲

Off-JT 組織開発 OJT

従業員は組織文化を何から学ぶか?

エピソード

組織の創設者の自伝

ヒット商品が生み出されたときの逸話など

儀式

販売優秀者への大掛かりな授賞式

創立記念日のパーティー

物的シンボル

社員手帳、制服、オフィスのレイアウト

従業員用のラウンジなどの福利厚生のメニュー

社内言語

社員のことをスタッフと呼ぶのかメンバーと呼ぶのか

デパートの売り場を、あえてお買場と呼ぶ

社会貢献

社会的ボランティア活動の参加

社会貢献事業への寄付金やスポンサーシップ

121

チームの発達段階とベクトル

122

形成期

混乱期

規範作り

高生産

組織の成長段階 Greinerモデル

123

組織規模

第1期 第2期 第3期 第4期 第5期

誕生期 成熟期

創造による成長

権限集中による成長

権限委譲による成長

調整による成長

協働による成長

リーダーシップの危機

自律性の危機

統制の危機

官僚制の危機

組織変革のマネジメント

組織変革 外部環境の変化に合わせて組織や構造を変革する

人事制度を新しくする

チームワークの良い組織にする

124

安全への恐怖 経済的要因

未知なものへの不安 組織的抵抗

既得権への固執

抵抗

変革のプロセス

変革を成功させる八段階のプロセス

1. 危機意識を高める

2. 変革推進チームを作る

3. 変革のビジョンと戦略を立てる

4. 変革のビジョンを周知徹底する

5. 行動しやすい環境を整える

6. 短期的な成果を生む

7. さらに変革を進める

8. 新しい文化を築く

125

変化

解凍

再凍結

J.P.Kotter,1997 K.Lewin, 1947

ファシリテーション・スキル

ファシリテーションとは

「促進する」ことが語源

チームが取り組むプロセスが円滑に進むように支援すること

ファシリテーション・スキルとは

双方向コミュニケーションが成り立つように、チームに働き掛け、議論を拡散したり、収束させて、最終的にコンセンサスを得られるようにする技術

左脳と右脳の融合スキル

126

ファシリテーション・スキル左脳型 右脳型

論理技術知識

形式知

直感芸術経験

暗黙知

融合

頭と心で納得行動に繋がる

ファシリテーションのスパイラル

127

伝えて

聴いて

質問して整理して一方的に情報を押し込む

のではなく、

参加者から情報を引き出して巻き込んでゆく 開かれた質問

共感・傾聴

要約ビジュアル化

フレームワーク

プレゼンテーション事例・比喩

【ロールプレイ】シミュレーション会議

個人の個性を生かしたシミュレーション会議を行います

リーダー(ファシリテーター)を1名決めます

その他のメンバーは、全員リーダーの会社の社員になります

リーダーは、組織変革、組織改革に関するテーマをメンバーに説明します

メンバーは個人の個性に即した発言をして活発な議論をしてください

会議の目的とゴール

リーダーは、新しい方針をメンバーに説明し、全員のコンセンサスを得ること

進め方

リーダーは、ファシリテーションスキルを用いて各人の個性を上手く引き出して、ダイバーシティマネジメントを行うこと

会議の最終結果は、個人の総和以上のイノベーションによる価値創造が起きていることが望ましい

128

ファシリテーションに使えるフレームワーク

マトリクス型

メリット デメリット

本社

代表的事例: SWOT分析

高額

低額

欧米的アジア的

機会 脅威

強み 成長戦略 縮小戦略

弱み 克服戦略 撤退戦略

ファシリテーションに使えるフレームワーク

サークル型

130

スポーツ 登山 アウトドア

代表的事例:

P.F.Druckerの3つの輪

MUST

CAN WILL

ファシリテーションに使えるフレームワーク

ツリー型

131

利益増大

原価低減

売上アップ

経費削減

商品力

チャネル

販促・宣伝

代表的事例: WHY分析

変化に弱い組織

人材がいない商品がない

市場のニーズが

不明

人材育成していない

ビジョンや戦略がない

代表的事例: HOW分析

変化に強い組織にする

能力高い人材適切な商品開発

マーケティング分析

人材育成を強化

組織の

ビジョンを作る

ファシリテーションに使えるフレームワーク

フロー型

代表的事例: M.Porter の価値連鎖

仮説 アンケート 分析

社内新聞データベース

方針決定

購買物流

製造出荷物流

販売マーケティング

サービス

調達活動

技術開発

人事・労務管理

全般管理

マージン

講義番号14

リーダーシップ

133

マネージャーとリーダー

134

マネージャーシップ リーダーシップ

日常的な作業に勤しむ。経営資源を維持し、配分する

システム変革のための長期目標を構築し、戦略と戦術を策定する

監督行動を取る。 長期目標に従って、他人に変化を起こすような行動を取る

組織内の部分最適化を管理する 組織全体に変革をもたらす

既存の組織文化の範囲で行動する 組織のビジョンと意味を創造し、文化を変革すべく努力する

部下に仕事をさせるよう支配する 部下が自ら仕事の意味を見つけ出し、行動が取れるようにエンパワーする

現状を維持し、組織を安定化させる 現状にチャレンジし、変革を起こす

取引的な影響を行使する

報酬、懲罰、公的権威で服従させる

変革的な影響を行使する

個人や組織の価値観、態度、行動に変化をもたらす

組織マネジメントとリーダーシップ

135

ミッション 企業の存在理由、ビジネスの目的

ビジョン 株主、経営者、従業員が思い描く企業の望ましいあり方

・組織目標

・個人目標

組織のハード面

【人事制度】

組織のソフト面

【組織文化】

組 織

外部環境

・全社戦略

・事業戦略/機能戦略

戦 略

リーダーシップ

内部環境

リーダーシップのスタイル

1. 強制型

「私の言う通りにしろ」というスタイル

2. 人間関係重視型

社内の人間関係が円滑にいくように配慮するスタイル

3. ビジョン型

ゴールイメージであるビジョンに向かってチームを引っ張るスタイル

4. 民主型

メンバーの意見を聞き、合意を得て意思決定をするスタイル

5. 率先垂範型

高い業績基準を設定し、自ら能力を発揮して従業員の先頭に立つタイプ

6. コーチ型

自分自身よりも部下が目標を達成できるように人材育成をするタイプ 136

6つのリーダーシップ・スタイル一覧出典:Harvard Business Review 2000

1強制型

2

人間関係重視型

3ビジョン型

4民主型

5率先垂範

6コーチ型

タイプ 服従の要求調和

感情ながりビジョンに向けて動かす

参加合意

高い達成水準

未来に向けて育成

キャッチフレーズ

私の言う通りにしろ

人が一番大事

私について来い

あなたの考えは?

今すぐ私と同じように

これをやってみて

能力達成意欲自主性

共感性コミュニケー

ション

自信変化を起こ

協力チームワー

達成意欲エネルギー

育成共感

効果的な場合

経営危機や問題社員が多

不和の解消、ストレス解消

新しいビジョン、方向性

が必要

賛同を得て自主的に動

かす

高い能力とモチベーションのチームから成果出

長期的パフォーマンス

改善

組織風土への影響

マイナス プラス 最も強い+ プラス マイナス プラス

137

リーダシップ行動理論: PM理論

138

情報や意見を求める

情報や意見を提供する

アイデアを明確にしたり、練り上げる

アイデアを集約する

メンバーの意見が一致しているか確かめる

P機能

(課題達成)Pm型リーダーシップ PM型リーダーシップ

pm型リーダーシップ pM型リーダーシップ

M機能 (組織維持)

メンバーを励ます

グループ内の感情を表出させる

異論を和解し、葛藤を和らげ、調停する

良い意味での妥協をする

メンバーの発言や参加を促す

講義番号15

まとめ

139

【組織能力ギャップ分析】

140

戦略 理想の組織や人材の状態

本人の問題:

上司の問題:

組織の問題:

人事制度の問題:

その他:

ギャップ

現在の状態

組織化:

新規採用:

能力開発:

評価・報酬制度:

リーダーシップ開発:

その他:

原因 人事戦略

人材マネジメント(HRM)と人材開発(HRD)の2つのループ

141

社員格付け役割期待評価基準

組織能力ギャップ分析

採用配置

組織学習

教育・育成キャリア形成

就業規則福利厚生労働安全

処遇報酬

人事評価

リテンション出口戦略

HRD人材開発

~ヒトを伸ばす~

HRM人材管理

~ヒトを統制する~

人事理念・方針人事戦略

経営戦略を実現する人材価値連鎖

HRDとHRMの2つのループ = 人事制度

経営理念経営戦略

人材像の明確化

組織化

参考図書

人事管理実務 人事管理研究会 産業能率大学出版部 ISBN4-382-05527-X

労務管理実務 人事管理研究会 産業能率大学出版部 ISBN4-382-05528-X

人事・労務がわかる事典 鈴木敦子 日本実業出版社 ISBN4-534-02469-X

人事管理入門 今野浩一郎・佐藤博樹 日本経済新聞社 ISBN4-532-13230-4

人事の仕組みとルール 中島豊 日本経団連出版 ISBN4-8185-2502-2

“ひと”の視点からみた人事管理 小野公一 白桃書房 ISBN4-561-2387-7

HRMマスターコース 人事スペシャリスト養成講座 須田敏子 慶応大学出版会 ISBN4-766-1207-9

中小企業のための人事・労務診断ハンドブック 東京都社会保険労務士編 日本経済新聞社 ISBN4-532-14352-7

戦略的人材マネジメント ウィリアム・マーサー社 東洋経済新報社 ISBN4-492-08967-5

直感で分かる人事のしくみ 人事システム研究会 東洋経済新報社 ISBN4-492-09173-4

HRスコアカード ブライアン E ベッカー他 日経BP社 ISBN4-8222-4265-X

コンピテンシー・マネジメントの展開 ライル・M・スペンサー他 生産性出版 ISBN4-8201-1722-X

Competence at Work: Models for Superior Performance Lyle M. Spencer (著), Signe M. Spencer ISBN-10: 047154809X

CHO 最高人事責任者が会社を変える 金井壽宏・守島基博 東洋経済新報社 ISBN4-492-53178-5

企業内人材育成入門 中原淳 ダイヤモンド社 ISBN4-478-44055-7

企業組織の労働と管理 渡辺峻 中央経済社 ISBN4-502-33183-X

ここから始まる人材育成 中原淳 中央経済社 ISBN4-502-37540-3

企業内人材育成入門 中原淳 ダイヤモンド社 ISBN4-478-44055-7

組織マネジメント戦略 高木晴夫 慶応大学ビジネススクール編 有斐閣 ISBN4-641-05383-9

組織行動のマネジメント ステファン・P・ロビンス ダイヤモンド社 ISBN4-478-43014-4

学習する組織「5つの能力」 ピーター・センゲ ISBN4-532-31075X

人材マネジメントアドバンス講座講義テキスト 人材マネジメント協会 ISBN978-4-88372-343-0

142

モンゴル日本人材開発センター

通常コース人的資源管理 管理職クラス

1

2019年10月実施

講師自己紹介

山﨑京子 ( Kyoko Yamazaki )

学習院大学特別客員教授

人材・組織開発コンサルタント

JSHRM認定HRスペシャリスト

日本人材マネジメント協会 執行役員

産業カウンセラー

MBA (Tsukuba Univ.)

Ph.D. (Kobe Univ.)

企業の人事制度、教育制度、各種研修プログラムの企画、運営実績多数。

2006年まで、フランス系高級ブランド会社の人材開発マネージャー

2002年まで アメリカ系自動車会社のトレーニングスペシャリスト

1997年まで イギリス系ニュース配信会社のトレーニングエグゼクティブ

1989年まで 日本の旅行会社でツアー企画、シドニー駐在 2

フルーツができるまで

3

コーススケジュール日程 コマ 項目

第1日目

1 イントロダクション 自己紹介と現状課題の整理

2 戦略的人材マネジメント 人的資源管理の2つのサイクル(HRMとHRD)

3 組織能力のギャップ分析 人事課題の明確化、離職、モチベーション低下の構造

第2日目

採用

コンピテンシー評価と目標管理(MBO)

5 コーチング・スキル、人事評価結果のフィードバック

6 金銭的インセンティブ、非金銭的インセンティブ

第3日目

7 採用面接 新入社員オリエンテーションとOJT

8人材開発

Off-JT、リーダーシップ研修、研修効果測定

9 キャリア開発

第4日目

10

人事基盤制度と評価

戦略と組織の「連結ピン」

11 経営戦略と人事戦略の結び付け

12 組織文化、組織開発

第5日目

13

組織変革とリーダーシップ

職場におけるリーダーシップ

14 ファシリテーション・スキル

15 まとめのグループディスカッション 4

期待される成果

人事課題を人事担当者に任せっきりにするのではなく、中間職が人事に果たす重要な役割を理解して部下を育成する意識とスキルを習得する。

人的資源管理に関する理論と実践の全体像を把握することで、現状の人事課題を整理し、課題解決に向けてアクションが取れるようになる。

ファシリテーション・スキルやコーチング・スキルを用いて、チームと個人の目標達成のモチベーションを高めることができるようになる。

5

講義番号1

イントロダクション

6

自己紹介と現状課題の整理

グループ学習を効果的に進めるために、下記のグループワークを行います。

① 各自が自社の人事労務の課題1つにつき、1枚の付箋紙に書きます

② 自己紹介と付箋紙の内容を説明します

③ 付箋紙の内容が同じものごとにまとめて、大きな紙に貼り、タイトルを書きます

④ 大きな紙を見せて、グループごとに発表します

7

社員教育をどうしたら良いか?

退職者が多い

リーダーは何をすべきか?

講義番号2

人的資源管理の体系

8

市場経済社会における4つのキーワード

9

組 織

戦 略

1.競争優位性

3.組織能力

2.差別化

4.持続性

ミッション - 戦略 - 組織

10

ミッション 企業の存在理由、ビジネスの目的

ビジョン 株主、経営者、従業員が思い描く企業の望ましいあり方

外部環境環境の与える機会、脅威

・組織戦略

・組織目標

・個人目標

・個人能力

ハード面HRM

制度/仕組み

HRD

組織文化

組 織ソフト面

MBO 目標管理制度

=戦略に連動

自社の強み、弱み内部環境

・全社戦略

・事業戦略/機能戦略

ビジョンを実現するための長期基本方針

全社戦略を具体的に実現するための中期的施策

事業単位別/機能単位別の戦略

戦 略

コンピテンシー評価

=ミッション、ビジョンに連動

人材マネジメント(HRM)と人材開発(HRD)の2つのループ

11

社員格付け役割期待評価基準

組織能力ギャップ分析

採用配置

組織学習

教育・育成キャリア形成

就業規則福利厚生労働安全

処遇報酬

人事評価

リテンション出口戦略

HRD人材開発

~ヒトを伸ばす~

HRM人材管理

~ヒトを統制する~

人事理念・方針人事戦略

経営戦略を実現する人材価値連鎖

HRDとHRMの2つのループ = 人事制度

経営理念経営戦略

人材像の明確化

組織化

人事制度設計のための全体モデル

12

等級制度 ・ 賃金体系

役割定義・評価基準

採用 育成 評価 報酬

経営戦略 ・ 人材像

講義番号3

現状把握

13

組織の成長段階 Greinerモデル

14

組織規模

第1期 第2期 第3期 第4期 第5期

誕生期 成熟期

創造による成長

権限集中による成長

権限委譲による成長

調整による成長

協働による成長

リーダーシップの危機

自律性の危機

統制の危機

官僚制の危機

分業と組織化

15

仕入/製造/販売

仕入 製造 販売

単独

分業化

組織階層化

仕入 製造 販売

分業化の特徴

メリット

学習効果による作業効率の向上

人件費の節約 (難易度の高い仕事=高賃金、低い仕事=低賃金)

デメリット

単純、部分的作業によるモチベーションの低下

部門間障壁、対立、既得権固執による横連携の欠如

分業を緩める手法

16

ジョブローテーション

職務拡大 職務充実

バリューチェーン

17

購買物流

製造出荷物流

販売マーケティング

サービス

調達活動

技術開発

人事・労務管理

全般管理

マージン

Drivers of Retention

18

Retention

Characteristics of the Employer

Culture and values

Management

Job security

Job design and work

Job/person matching

Time flexibility

Work/life balancing

Career Opportunities

Training/development and mentoring

Career planning/path

Rewards

Competitive pay and benefits

Performance and compensation

Recognition

Employee Relationships

Fair, non-discriminator treatment

Supervisory/management support

Co-worker relations

Employee Surveys with Anonymous Are you satisfied with the following items in your company ?

YES!!

yesso-so

noNO!!

Comments

1 Culture and values

2 Management

3 Job security

4 Job/person matching

5 Time flexibility

6 Work/life balancing

7 Training/development and mentoring

8 Career planning/path

9 Competitive pay and benefits

10 Performance and compensation

11 Recognition

12 Fair, non-discriminator treatment

13 Supervisory/management support

14 Co-worker relations19

人間の欲求モデルから見たHRM

20

A.H.Maslow 1908~1970

自尊欲求

他人から尊敬されたい-地位、賛美、評価

自信、独立、自尊

評価・報酬

社会的欲求

自分の居場所がほしい-集団への帰属

友情や愛情

福利厚生

安全欲求

安全に暮らしたい-身体的危険、脅威がない

仕事への保障、保険、安定

労働安全衛生

生理的欲求

人間としての生理的、肉体的欲求

衣・食・住

就業管理

キャリアデザイン 自己実現欲求 限りなく成長したい-継続的自己啓発

潜在能力の実現

創造性発揮

自己充実、有意味感、個性、躍動

モチベーション理論: 衛生要因と動機付け要因

衛生要因:会社への不満足を減らすことはできるが、モチベーション向上にはならない

動機付け要因:仕事それ自体や仕事を通して得られる内的な満足がモチベーション向上につながる

よって、職場のモチベーションアップには、衛生要因の改善より、職務自体を改善する必要がある。(職務拡大、職務充実)

21

50% 40% 30% 20% 10% 10% 20% 30% 40% 50%

達成

承認

仕事そのもの

会社の政策と経営

監督

給与

(動機付け要因)(衛生要因)職務不満に寄与している全要因 職務満足に寄与している全要因

モチベーション理論: XY理論

22

X理論

部下が低次欲求を追及することを前提として、その態度や行動を否定的に認識するという人間観。

ふつうの人間は、生来仕事が嫌いで、なろうことなら仕事はしたくないと思っている

強制されたり、命令されたり、処罰するぞと脅かさなければ、企業目標を達成するために十分な力は出さない

普通の人間は命令されるほうが好きで、責任を回避し、野心を持たず、安全を望むものである

Y理論

部下が高次の欲求を追及していることを前提として、その態度や行動を肯定的に認識する人間観

仕事で心身を使うのは、遊びや休憩と変わらない

人は自分が進んで身を委ねた目標のためには自ら自分にムチ打って働く

高度の想像力や創意工夫をする能力は、一部の人だけのものではない

現代企業では、従業員の知恵はほんの一部しか生かされていない

X理論とY理論のいずれの人間観に従うかによって、部下の管理方法が変わってくる

講義番号4

モチベーション施策1コンピテンシー評価と目標管理評価

23

Performance Appraisals (Evaluation)

24

Administrative Use

• Compensation

• Promotion

• Disciplinary action

• Dismissal

• Downsizing

Developmental Use

• Identifying strengths

• Identifying areas for change

• Training / Development

• Coaching

• Career planning

Performance

Appraisals

人事評価を成功させる2視点と3原則

25

企業

従業員

方針の浸透

成長と貢献

透明性評価基準が公開されており、明確であること

納得性評価結果に対して本人

が納得していること

公平性評価者による差異が

大きくないこと

26

2つの評価

MBO評価= Management By Objectives

コンピテンシー評価

評価の視点<Gapを振り返る>

Gap Gap目標 結果理想

(人材像)現実

期初に設定した目標に対する結果を上司-部下で振り返り、そのGapについて

コミュニケーションを図る。

求められる人材像に対する現実を上司-部下で認識し、

そのGapをOJTやOff-JTを通じ育成する。

評価のタイムスパン 短期的成果 を評価 中長期的能力 を評価

何を評価するか設定された目標に対する

達成数値業務全般における

プロセス(行動・態度)

評価結果の報酬成果重視型 育成重視型

賞与 昇給・昇格 26

KPIとMBO(目標管理制度)の違い

27

KPIKey Performance Indicator

MBOManagement by objectives

企業目標の達成度を評価するための主要業績評価指標

意味 (自己)目標(設定)による、(人事)管理

BSCの中で用いられる。BSCは、Robert S. Kaplan & David P. Norton (会計学、企業業績評価)が提唱。

提唱者Peter F. Drucker (経営学の神様)Douglas M. McGregor (心理学者、経営学者)

経営戦略の道具としても活用されるようになったが、根底には会計学における業績評価の理念がある。(大学では会計学者の専門領域)

考え方の背景

モチベーション理論である「目標設定理論」(人は自ら具体的な目標を立てることで動機付けられる)という研究結果に基く。 (大学では産業心理や人事学者の専門領域)

経営指標の具体化。他社と比較可能にし、現状を把握し、戦略実現につなげる。

使われ方従業員の人事評価制度。企業戦略に対して、従業員は何が貢献できるかを考え、目標設定する。

設定するのは、経営者や管理職。組織としての経営指標であり、個別の従業員の評価を目的としていない。

相違点

設定するのは、従業員個人。従業員のモチベーションを高める人事施策であり、戦略策定ツールではない。だが、戦略との連動を意識して目標設定する。

BSCで設定したKPIを部門や個人の責任として強要しすぎると、個別最適となり、部門や個人の連携が失われる。

注意点上司による部下へのコーチングがなければ機能しない。

MBO人事評価

Managing By Objectives の略

従業員の達成意欲を喚起させる、自己実現人モデルに基づいたもの

組織目標と個人目標の連動を目指す

28

経営戦略

部門目標

個人の目標 個人目標の設定

中間レビュー

評価と結果業績結果

上司

面接

モチベーション理論: 目標設定理論

「とにかく頑張れ」といった全般的な目標より、特定で具体的な目標を設定したほうが高いパフォーマンスを達成する

目標に対する達成度を本人にフィードバックすることで、目標達成の行動を強める

本人が達成可能であると感じる範囲内であれば、困難な目標のほうが目標達成の行動を強める

目標に本人が合意したほうが目標達成の行動を強める

29

MBO

【MBOシート例】MBOシート 所属部門: 名前:

Goal Weight 本人コメント 達成率

目標1

目標2

目標3

目標4

会社の目標:

部門の目標:

期首目標 期末評価

What How 上司コメント

達成率合計

30

MBO目標の立て方は「スマート」

Specific 具体的

Measurable 定量的

Achievable 達成可能性

Related 経営目標との連動

Time-bound 期限

31

コンピテンシーと成果

能力評価の新しい概念:「成果を上げ続けることのできる行動特性」「再現性のある成果行動能力」

高業績者の行動特性から抽出された成果行動能力=成果発揮能力

32

水上=見える

水面下=隠された

スキル、知識

氷山モデル

自己イメージ

特性・動因

知識・スキル

特性・動因

自己イメージ

態度・価値観

表層的なので能力開発が容易

中核的人格なので能力開発困難特性動因

自己イメージ態度

価値観知識

行動スキル

職務上の業績

Competence at Work: Models for Superior Performance

Lyle M. Spencer , Signe M. Spencer ISBN-10: 047154809X

モンゴル人のコンピテンシー

33

A 評価 B 会社での重要性

コンピテンシー・アセスメントシート (例) 全くその能力がない=1 不要な能力=1

能力が足りない=2 少し必要な能力=2

一般的な能力がある=3 一般レベルの能力が必要=3

一般的な人より能力がある=4 重要な能力=4

他者を教育できる高い能力がある=5 かなり重要な能力=5

A:モンゴル人の一般的特性

B:あなたの会社におけるその能力の重要性

達成重視 ACH 革新的なアイデアによって組織に成功をもたらす行動を徹底して行いますか?

秩序や正確性 CO 職場においてルールを守り、秩序のある組織的な行動を取りますか?

イニシアティブ INT その職務で期待されていること以上の高い目標を達成しようと一歩先の仕事をしますか?

情報探求 INF 好奇心を持って新しい情報を収集し、学習しようとしますか?

インパクトと影響力 IMP 他の人たちを説得し、印象付けることができますか?

組織の理解 OA 組織内外の力関係を理解し、誰にどのように働きかけることが適切かを分かっていますか?

関係の構築 RB 重要人物とのネットワークを築き、良い関係を維持することができますか?

対人関係理解 IU 周囲の人たちの話を良く聴き、相手の考えを理解しようとしますか?

顧客サービス CSO 社内外の関係者のニーズに応えて、相手を支援し、満足させようとしますか?

人材育成 DEV 周囲の人たちを教育し、能力を高めることができますか?

指揮命令 DIR 周囲の人たちが何をすべきかを示し、相手の行動を促すことができます?

チームワーク TW 他の人たちと協力して、協調しながらチームの目標達成に貢献することができますか?

リーダーシップ TL グループのリーダーとしてビジョンを示し、指揮を取り、責任を取ることができますか?

分析的思考 AT 問題を分析し、原因を段階的に追及することができますか?

概念化思考 CT 具体的な事柄ではなく、全体的な状況や問題を理解して大きな絵姿を描き出すことができますか?

専門能力 EXP 職務上必要となる知識体系をマスターしていますか?

セルフコントロール SCT 高いストレスがあるときでも、自分をコントロールして仕事をすることができますか?

自己確信 SCF 自分自身の能力に対する信頼感、確信がありますか?

柔軟性 FLX 変化する環境に自分を合わせて効果的に仕事をすることができますか?

組織へのコミットメント OC 組織目標達成ために、個人の要求を組織に合わせることができますか?

個人の効果性

支援と人的サービス

L.M.Spencer,Jr.,PhD 「Competence at Work」を題材に筆者加筆

インパクトと影響力

達成とアクション

マネジメント

認知

【コンピテンシー評価例】

34

コンピテンシー

役割

定義

例:レベル1 新卒新人自己評価 上司評価

仕事を覚え、先輩の手助けをする。 1.能力を全く発揮していない2.能力の発揮が安定していない

3.能力を常に発揮している

例:チームワーク

仕事仲間を信頼し、チームとしての成果を

出すことができる。

自分がどのようにしたら仕事仲間の役に立てるかを考え、行動する。 1. 2. 3. 1. 2. 3.

1. 2. 3. 1. 2. 3.

1. 2. 3. 1. 2. 3.

1. 2. 3. 1. 2. 3.

1. 2. 3. 1. 2. 3.

評価点合計

短期的処遇

コンピテンシー評価

MBO評価

評価ツール

インセンティブ研修

他職務への抜擢

賞与

総合評価

長期的処遇

同じ等級内給与

等級変更

評価と処遇 (例)

講義番号5

モチベーション施策2コーチング、フィードバック

36

評価者研修で実施する項目

経営戦略と人事評価の連動制

組織文化や人材像とコンピテンシーの連動制

コンピテンシー評価の実際

評価エラーの説明

事例による模擬評価

評価の個人差の確認とディスカッション

MBO評価の実際

目標設定のポイント

評価基準の確認

成果とコンピテンシーの関係検討

本人へのフィードバックのスキル

フィードバックのロールプレイ

コーチングスキル

次年度の目標設定への連動

報酬との連動

評価スケジュール 37

人事評価は会社と社員の航路を支える

38

経営方針のメッセージ性

コミュニケーション

役割明確化 望ましい社員像の浸透

プロフェッショナル化 モチベーション

評価者自身のマネジメント能力向上

組織開発効果

能力開発

評価の際に陥りがちなエラー

39

ハロー効果

期末効果

厳格化傾向 寛大化傾向中心化傾向

対比誤差

逆算誤差

論理誤差

模擬評価

1. コンピテンシー評価シートを予め作成しておきます

2. 架空の人物 A さんの事例を予め作成しておきます

3. 評価者研修参加者にAさんの事例を配布します

4. 参加者個人で、Aさんに対する評価を記入します

5. 参加者全員が記入が終わったら、全員で評価結果を

比較します

6. 各自の評価エラーについて自覚します

7. 評価した際の判断基準について、全員で議論し、合

意形成します

上司から部下へのフィードバック面接の一般的な進め方

アイスブレイク (緊張をほぐす、日常業務へのねぎらい)

評価結果の伝達と理由の説明

本人の受け止め方の傾聴

認識の合致点と不合致点の意見交換と上司の期待の説明

今後の能力開発や業務方針の合意

本人への今後の期待表明

相手との信頼関係があれば、素直に評価を受け止められる

会社の評価基準と自分の行動評価に納得ができる

ギャップは自分への期待の表れだと実感する

自分の育成を真面目に考えてくれている

参考: 『人事評価の教科書』 高原暢恭 著

部下育成のコーチング技法

成長支援

観察

(分析)

傾聴

質問

フィードバック

(振り返り)

42

コーチングとは、対話を重ねることを通して、相手が目標設定に必要なスキルや知識、考え方を備え、行動することを支援するプロセス

本人を知る事実を確認する

信頼関係を築く考えさせる

答えを引き出す

理解・納得に導く

傾聴のバリエーション

43

うなずき

あいづち

(同調)

繰り返し

(復唱)

言い換え

うながし

要約

質問のバリエーション

44

When

Where

Who

What

Why

How拡大質問

未来質問

肯定質問

(例) 期限・納期

(例) 仕事の場所

(例) 担当・対象

(例) 仕事の内容

(例) 意義・目的

(例) 方法・進め方予算

コーチングのGROWモデル

45

G

R

O

WWill

達成の意思

Options

実現の選択肢

Reality

現状把握

Goal

目標設定

Resource

使える資源

達成したいことは何ですか?

現状は何点くらいですか?

目標と現状の差が発生する原因は何ですか?

達成のために役立つ資源をどのくらい持っていますか?

優先順位と行動計画は?

差を縮めるために、何ができますか?

【ロールプレイ】 コーチング面接

コーチング・スキルを練習するロールプレイを行います

3人1組になります。

1名が自分(部下役)、 1名が上司役、1名がオブザーバーです。

相談者は、自分の上司に自分の目標達成のための相談をします。

上司役は、GROWモデルと質問のスキルを使ってコーチングを行います。

仕事の内容は分からなくてもいいので、質問と傾聴だけで会話をします。

コーチング時間は10分間です。

ふりかえり

終了したら、オブザーバーも一緒に「効果的なコーチング」「コーチ型リーダー」かどうかをふりかえります。(5分間)

交替

役割を交替します。

46

自分

(部下役)

上司役オブザーバー

講義番号6

モチベーション施策3金銭的インセンティブ、非金銭的インセンティブ

47

金銭的インセンティブ

インセンティブ

生産性を向上させるための報奨金

労働意欲を向上させるための刺激(動因)になるもの

短期インセンティブ

賞与 (ボーナス)

歩合 (営業目標達成)

報奨金 (受賞、資格試験合格)

長期インセンティブ

ストック・オプション (社員持ち株権利制度)

自己啓発投資 (海外研修、経営大学院授業料免除)

48

非金銭的インセンティブ

49

仕事そのものの価値を高める

アシスタント補充

昇進・昇格

自由研究テーマ

特別予算付与

魅力的な仕事への任命

社内資格制度

社員の貢献への感謝を示す

社内表彰

社長との会食

ワークライフバランスへの配慮

社内託児所

育児休暇、看病休暇

自由時間の付与

魅力的な組織文化、風土を創る

自由提案制度

ダイアログの場を作る

魅力的なビジョンとトップのコミットメント

家族を招いたパーティー

社員一人一人のキャリアを伸ばす

能力開発の機会

社内公募制

FA制度

労働環境の改善

オフィスの場所

オフィスの清潔さ、家具調度品

ストレスマネジメントへの配慮

福利厚生の充実

人間の欲求モデルから見たHRM

50

A.H.Maslow 1908~1970

自尊欲求

他人から尊敬されたい-地位、賛美、評価

自信、独立、自尊

評価・報酬

社会的欲求

自分の居場所がほしい-集団への帰属

友情や愛情

福利厚生

安全欲求

安全に暮らしたい-身体的危険、脅威がない

仕事への保障、保険、安定

労働安全衛生

生理的欲求

人間としての生理的、肉体的欲求

衣・食・住

就業管理

キャリアデザイン 自己実現欲求 限りなく成長したい-継続的自己啓発

潜在能力の実現

創造性発揮

自己充実、有意味感、個性、躍動

Organizational and Individual Career Planning Perspectives

Person’s

Career

1. Identify Future organizational staffing needs.

2. Plan career ladders.

3. Assess individual potential and training needs.

4. Match organizational needs to individual abilities.

5. Audit and develop a career system for the organization.

1. Identify personal abilities and interests.

2. Plan life and work goals.

3. Assess alternative paths inside and outside the organization.

4. Note changes in interests and goals as career and life stage changes.

51

Organizational Perspective Individual Perspective

【非金銭的インセンティブ】

あなたの会社にはどのような非金銭的インセンティブがありますか?

1. 生理的欲求を満たすもの

2. 安全欲求を満たすもの

3. 社会的欲求を満たすもの

4. 承認欲求を満たすもの

5. 自己実現欲求を満たすもの

52

講義番号7

部下の育成1新入社員オリエンテーション

53

オリエンテーション・プログラムの内容

会社概要

沿革

ビジョン

事業内容

方針

新入社員に期待すること

就業規則について

評価・賃金制度について

教育制度について

必要書類の提出について

今後のスケジュール

社内ツアー54

Relations between the Feeling of tension and Active performance

55

Time

High

Low

Performance

Tension

Time Saving

【入社オリエンテーションのプログラム】

56

時間 内容 担当者 配布物など

OJT (On the Job Training)

仕事をしながら、仕事に即して、上司や先輩が部下や後輩に、業務遂行上必要となる知識、技術、技能、対人関係スキル、仕事の進め方のノウハウを教えていくこと。

メリット

仕事そのものが教材となり、自分の能力の足りないところを目の前で教えてもらい、実行でき、結果を具体的に知ることができる

デメリット

目の前の仕事をいかにうまくこなすかに注意が向きがちで、短期的、場当たり的になる

指導者によって、指導レベルに大きな差が出る

57

自己啓発意欲

Off-JT 組織開発 OJT

計画的OJT

計画的に体系化されたOJTは、場当たり的なOJTと比べて習得時間は1/5、経済的利益は2倍

計画的OJTの実施企業74% (1996年調査)

計画的OJTの方策 (実施比率多い順)

OJT教育について上司への教育

OJT担当者を任命し、OJT技法の指導、育成

OJTマニュアルの作成、指導

トレーナーとトレーニーのペアによる相互啓発への援助

58

計画的OJT 非計画的OJT

何をいつまでに習得させるべきか、目的、方法が明確であり、具体的な行動に落とし込まれたマニュアルがある

OJTの目的

何を伝えるべきかは指導者任せで、マニュアルもなく口頭で、人によって言うことが違う

担当者を任命し、指導方法を教え、業務や精神的な負担増への上司の配慮があり、後輩育成が評価項目になる

OJT担当者

担当者が不特定で、指導方法の基本を知らず、上司のサポートもない

OJT担当者間でのミーティングで進捗報告、反省会を行う

モニタリング

報告書だけで完了している

講義番号8

部下の育成2集合研修、リーダーシップ研修

59

Off-JT (Off the Job Training)

仕事環境を離れて行い、特定のテーマや階層に分類し、研修目的とゴールを定めて実施する集合研修

メリット

上司が作業現場では教えきれない専門的、知識的、理論的な事柄を短期的、集中的に専門家から学ぶことにより、新しい知識を得たり、散在した実務経験を再整理して体系的に理解することができる

職場の利害関係から一旦離れ、社員同士の相互理解を深めて人間関係を形成することができる

デメリット

学習した内容を現場で即実践することが難しい。

60

教育体系構築のプロセス

61

1.関連部門のニーズ把握

2.経営戦略、人事理念とのギャップ把握

3.人材育成方針の決定

4.人事戦略、人事制度との整合性

5.教育体系の構築

6.各種プログラムの検討、研修内容の開発

7.研修実施、効果測定、フォローアップ

営業力が弱い帰属意識が

足りない

顧客満足を得られない

リーダーがいない

評価結果

会社と共に成長する人材会社の成長を促進する人材

社員格付け、人事評価項目など

リーダーシップ研修チームビルディング研修

ボックス型、課題解決型など

社内外講師、日程、事前準備、満足度調査、上司へのヒヤリング

あるべき姿 GAP 現状

具体的事例

ボックス型教育体系図(例)

62

新入社員 中級社員 中級マネージャー

経営幹部

人事部門実施

階層別研修

一般的専門研修

OJTプログラム

自己啓発

海外派遣、社内起業

事業部門

事業別専門研修

新入社員研修

フォローアップ

マネジメント エグゼクティブ

アセスメント

コンピューター

語学

プレゼンテーション

MBAコース

OJT実施 OJTリーダー、メンター養成

通信教育

資格試験

海外派遣社内ベンチャー

生産管理

店舗管理

研究開発技法

技術戦略策定

研修の進め方の原則

効果的な「大人の学習」の法則とは

1. 大人の学習は実践的 (Practical) である

2. 大人の学習はモチベーション (Motivation) が必要である

3. 大人の学習は自律的 (Autonomous) である

4. 大人の学習は関係性 (Relevancy) が必要である

5. 大人の学習は目的志向 (Goal-Oriented) である

6. 大人の学習は人生経験 (Life Experience) がある

63

研修効果測定

レベル1 反応(reaction)

研修内容について参加者はどのように感じたのを確認する。アンケート調査。

レベル2 学習(learning)

研修から参加者は何を学習したのかを確認する。テスト、レポートの提出。

レベル3 行動・態度(behavior)

研修後、職場に戻ってからの行動がどのように変わったかを確認する。360度アンケート。

レベル4 結果(results)

最終的にどのような成果(量、質、安全、セールス、コスト、利益)が出たかを確認する。定量的測定。

64

OJTとOff-JTとワークプレースラーニング

「研修(Off-JT)での学び」に加え「現場(OJT)での学び」を重視する考え方

OJTをしっかりサポートし、Off-JTと連動した現場での学びをデザインする

ラーニング(学習)の機能

手段的学習: 問題解決のための具体的なやり方に特化した学習

対話的学習: 対話によって相手の意味することを理解し、学習する

自己省察的学習: 対話を通して、自分の経験から来る意味や感情に気づく学習

研修中におけるラーニングを促進させるためには

聞いて ⇒ 考えて ⇒ 対話して ⇒ 気づく こと!

65

①事前の職場活動 ②研修中の学習 ③事後の職場活動

鍵となる要因 現場マネージャーから研修の目的が伝えられる

現場マネージャーが適切な人を研修に送る

よくデザインされた教材

講師によるファシリテーション

講師の教える技術

同僚のサポート

学んだことを実践できる機会が与えられる

成功への影響度 40% 20% 40%

講義番号9

部下の育成3キャリア開発

66

キャリアとは

「生涯を通して他者および社会と関係する中で得られる諸経験の価値づけ、意味づけで構築される個々人それぞれの独自の生き方の構築の過程」(Savickas, 2011)

外的キャリア:

経済的な富や社会的な地位など周囲から評価されやすいもの

内的キャリア:

本人がその仕事に意味や価値を見出し、やりがいや満足を感じるもの

キャリア・アンカーE.H.Schein, 1990

「キャリア・アンカー 自分のほんとうの価値を発見しよう」

キャリア選択の指針や方向付けとなるアンカー(船の錨)

① 専門・職能別 Technical Functional

② 経営管理 General Management

③ 自律・独立 Autonomy

④ 保障・安定 Security

⑤ 起業家的創造性 Entrepreneurial Creativity

⑥ 奉仕・社会貢献 Service

⑦ 純粋な挑戦 Pure Challenge

⑧ 生活様式 Lifestyle

キャリア・アンカーと内的キャリア

外的キャリア 内的キャリア キャリアアンカー経験

家庭教師をしていた子どもが合格したのが嬉しい!!

学生サークルで難民支援をしたが、本質的な問題解決には力不足だ

研究者になったが他国の専門家との協力体制がないと社会を動かせない

自分の関心以外の研究テーマを組織から与えらえるのは耐え難い

人の成長に関与できるのが喜び

社会的な問題解決に貢献したい

影響力を持ちたい

社会的な問題解決に関わり続けたい

経験を通して

自己像が形成

① 専門・職能別 Technical Functional

仕事経験と学習を経て特定の仕事に対する才能と高い意欲を持つに到り、自分が専門家(エキスパート)であることを自覚し、満足感を覚える。

② 経営管理 General Management

経営管理そのものに関心を持ち、組織の階段を上り、責任ある地位に就いて組織全体の方針を決定し、自分の努力によって組織の成果を左右してみたいと考える。

③ 自律・独立 Autonomy

あらかじめ定められた規則が我慢できず、自分のやり方、自分のペース、自分の納得する仕事の標準を優先したいと考える。目標達成のための方法やプロセスはすべて自分に任せて欲しいと考える。

④ 保障・安定 Security

仕事環境が安全で確実だと感じられ、将来の出来事が予測でき、ゆったりとした気持ちで仕事ができるようなキャリアを最優先させたいと考える。

⑤ 起業家的創造性 Entrepreneurial Creativity

新しい製品や新しいサービスを開発したり、財務上の工夫で新しい組織を作ったり、あるいは現存する事業を買収してもくろみ通りに事業を再編したりして新しい事業を起こしたいという欲求がある。

⑥ 奉仕・社会貢献 Service

世の中をもっと良くしたいという欲求や、自分の中心的価値に合う仕事を選びたいと考える。人々と共に働き、時には人類のために身をなげうってもいいという価値観がある。

⑦ 純粋な挑戦 Pure Challenge

何事にも、あるいは誰にでも打ち勝つことができるということを自覚している。一見不可能と思えるような障害を克服することや、解決不可能と思われてきた問題を解決することが、人生の成功だと考える。

⑧ 生活様式 Lifestyle

単に仕事とプライベートのバランスを取るということのみならず、自分自身のニーズ、家族のニーズ、キャリアのニーズをうまく統合させる方法を見出したいという欲求がある。

【グループディスカッション】キャリア・アンカー

同じキャリア・アンカーの人とグループを作り、以下の2点を話し合います。

現在の仕事の中で、あなたのキャリア・アンカーが満たされる気持ちになれるのは、どのようなときですか?

あなたの部下のキャリア・アンカーが、あなたとは異なるキャリア・アンカーであったときは、どのように部下を動機づけますか?

キャリア・デザインを社員教育として実施するときの注意点

内的キャリアを現在の仕事に見つけ出した社員のモチベーションは上がる

逆に、自分の内的キャリアに気付き、組織内の仕事で満足できなくなる社員は会社を辞めることもある

キャリア・デザイン研修をする場合は、個人のキャリア発達を組織が支援する仕組みを用意しておくこと

個人のキャリア発達を組織が支援する仕組み

コンピテンシーによる等級制度

等級制度と賃金制度の連動

若手とコア人材に対するジョブローテーション

メンター制度

上司によるコーチング

人事部によるキャリア・コンサルテーション

異動希望申告

オープンポジション

社内ベンチャー

働く時間や場所の柔軟な対応

自己啓発支援

など

講義番号10

中間管理職の人事的役割1戦略と組織の連結ピン

76

78

トランプ企業 ねらい

このゲームのねらい

組織として課題を達成する過程で、部内、部門間で起こるリーダーシップ、コミュニケーション、意思決定、戦略などについて、体験を通した学びを得る

より効果的な組織活動のあり方を体験的に学ぶ

ゲームの内容

キング社、クイーン社という2社に分かれて、裏返しに並べられているトランプの数字合わせを行い、得点を競う

時間

ゲーム前準備 30分間

ゲーム時間 60分間

ディスカッションと発表 60分間

79

トランプ企業 ルール説明

1. キング社とクイーン社とジャック社は同じグループに属する別会社です2. キング社には2部門(K1部、K2部)、クイーン社、ジャック社にも各2部門(Q1部、Q2

部)(J1部、J2部)があり、それぞれに、社長と部長、そして部員という組織になります

キング社

社長

K1部長 K2部長

スタッフ スタッフ

クイーン社

社長

Q1部長 Q2部長

スタッフ スタッフ

ジャック社

社長

J1部長 J2部長

スタッフ スタッフ

80

トランプ企業 ルール説明 2

3. 3つの会社の仕事は、トランプの同じ数字を合わせることです。

4. カードは皆さんが見えない場所に、裏返しに並べられています。

5. 部門ごとに順番に1名がカードをめくりに行きます。社長以外の誰がめくりに行ってもかまいませんが、部門名が呼ばれて30秒経過しても取りに行かない場合は次の部門に権利が移ります。

6. 一回にめくれるカードは2枚だけです。同じ数字のペアが出来たら持ち帰りますが、ペアにならない場合は元の位置に戻して、席に帰ります。

7. 自分の会社名と同じカード以外のカードをめくった場合は無効です(例:キング社がクイーンやジャックのカードを引いた)。カードを元の位置に戻して席に帰ります。

8. カードの並べ方には一定のルールがあります。

81

9. トランプのペアの種類によって、点数が異なります

① 自社の名称カード(キング、クイーン、もしくはジャック) ペアにつき 3点

ただし、全体の中で一番早く見つけると 3点、

二番目に早く見つけると 2点

三番目に見つけると 1点、のボーナス得点が加算される

② 自社名称カード以外のペアにつき 1点

③ ペアにならない1枚だけのカードを推察できたとき 7点

(ただし、カードめくりの最後に1枚が残った場合は点数にならない)

10.高い点数を取った部門ごとに順位が発表されますが、

会社として(2部門合わせて)最低11点を取らない会社は倒産します。

11.3社はグループ会社ですので、1社が倒産すると、残り2社も同時に倒産になるため、

助け合うことも必要です。

ルール説明 3

82

12.そのため、カードめくりが2周するごとに、3分間の社長会議があります。

その間はカードめくりの作業は中止します。再開するときは、先行が入れ替わります。

13.カードがすべてなくなるとゲーム終了です。点数と順位を発表します。

14.社長、2名の部長、部門ごとのスタッフを決めて、決められた席に座ります。( 5分間)

15.社長はカードが並べられている場所を視察に行きます (3分間)メモ用紙を持参することはできません。 社長同士はしゃべってはいけません。

16.社長が席に戻ってから、会社ごとに作戦会議をします (10分間)

17.作戦会議が修了したら、ゲームをスタートします。

18.ゲームスタート以降は、社長とスタッフは直接話すことはできません。同じ会社でも部門の異なるスタッフ同士が話すことはできません。すべて部長を通してコミュニケーションをします。

社長

K1部長 K2部長

スタッフ スタッフ

ルール説明 4

83

トランプ企業

ゲーム開始!

84

経験学習

具体的経験をする

ふりかえる

内省する

教訓を引き出す

新しい状況に当て

はめる

Kolb 1984

経験を内省することで、学習に変えて成長する

85

ゲーム終了後のふりかえり

1. あなたはこのゲームの結果に満足しましたか? 5点中何点ですか?

2. このゲームを通して、次の項目で気付いたこと、学んだことは何ですか?

戦略の妥当性、軌道修正

トップのリーダーシップのあり方

中間管理職のリーダーシップのあり方

上司と部下、部門と部門、部下同士のコミュニケーションの質や頻度

意思決定のプロセス

モチベーション、チームワークの状態

その他

3. このゲームで発生していることは、あなたの職場でも起きていませんか?

ここで学んだことを、あなたの職場にどのように活用しますか?

中間管理職の「連結ピン」としての役割

86R.Likert, 1961

講義番号11

中間管理職の人事的役割2経営戦略と人事戦略の結び付け

87

ミッション - 戦略 - 組織

88

ミッション 企業の存在理由、ビジネスの目的

ビジョン 株主、経営者、従業員が思い描く企業の望ましいあり方

外部環境環境の与える機会、脅威

・組織戦略

・組織目標

・個人目標

・個人能力

ハード面HRM

制度/仕組み

HRD

組織文化

組 織ソフト面

MBO 目標管理制度

=戦略に連動

自社の強み、弱み内部環境

・全社戦略

・事業戦略/機能戦略

ビジョンを実現するための長期基本方針

全社戦略を具体的に実現するための中期的施策

事業単位別/機能単位別の戦略

戦 略

コンピテンシー評価

=ミッション、ビジョンに連動

【グループディスカッション】中間管理職による人事的役割

ラインマネージャーが、経営戦略とスタッフを繋げ、人事的な役割を果たすのはどのような場面でしょうか?

例:人事評価の結果を部下に伝えるときに、単純に評価結果だけを伝えるのではなく、経営戦略に基づき会社が部下に何を期待しているのかを明確に伝え、その期待を部下が満たしているのかどうかを具体的にフィードバックするとき。

89

講義番号12

中間管理職の人事的役割3組織開発

90

組織開発

学習活動の一部であるが、組織における個人よりも全体的な人間のシステムに焦点

仕事や組織の環境に対する組織の全構成員の価値観(組織文化)を一挙に変えたほうがよい場合に有効

古くて硬い組織を、柔軟で変化に対応できる組織風土にしたい

指示がないと動かない社員の意識を、一人一人が自ら考え、プロフェッショナルな行動が取れる組織にしたい

お客様のことを考えず、社内政治ばかりに関心が向く風土を、全社員がお客様の方向を向いて顧客満足度の高い会社にしたい

91

自己啓発意欲

Off-JT 組織開発 OJT

従業員は組織文化を何から学ぶか?

エピソード

組織の創設者の自伝

ヒット商品が生み出されたときの逸話など

儀式

販売優秀者への大掛かりな授賞式

創立記念日のパーティー

物的シンボル

社員手帳、制服、オフィスのレイアウト

従業員用のラウンジなどの福利厚生のメニュー

社内言語

社員のことをスタッフと呼ぶのかメンバーと呼ぶのか

デパートの売り場を、あえてお買場と呼ぶ

社会貢献

社会的ボランティア活動の参加

社会貢献事業への寄付金やスポンサーシップ

92

チームの発達段階とベクトル

93

形成期

混乱期

規範作り

高生産

組織変革のマネジメント

組織変革 外部環境の変化に合わせて組織や構造を変革する

人事制度を新しくする

チームワークの良い組織にする

94

安全への恐怖 経済的要因

未知なものへの不安 組織的抵抗

既得権への固執

抵抗

変革のプロセス

変革を成功させる八段階のプロセス

1. 危機意識を高める

2. 変革推進チームを作る

3. 変革のビジョンと戦略を立てる

4. 変革のビジョンを周知徹底する

5. 行動しやすい環境を整える

6. 短期的な成果を生む

7. さらに変革を進める

8. 新しい文化を築く

95

変化

解凍

再凍結

J.P.Kotter,1997 K.Lewin, 1947

【グループディスカッション】組織変革

あなたの会社では組織変革は必要ですか?

過去には通用していたこと(ビジネス、制度、従業員の態度など)でも、未来には通用しなくなることは何ですか?

変革のビジョンはありますか?

変革のチームはいますか?

抵抗に対しては、どのように対処しますか?

組織変革の成功の目安はどこにありますか?

96

講義番号13

リーダーシップのスキル1職場におけるリーダーシップ

97

マネージャーとリーダー

98

マネージャーシップ リーダーシップ

日常的な作業に勤しむ。経営資源を維持し、配分する

システム変革のための長期目標を構築し、戦略と戦術を策定する

監督行動を取る。 長期目標に従って、他人に変化を起こすような行動を取る

組織内の部分最適化を管理する 組織全体に変革をもたらす

既存の組織文化の範囲で行動する 組織のビジョンと意味を創造し、文化を変革すべく努力する

部下に仕事をさせるよう支配する 部下が自ら仕事の意味を見つけ出し、行動が取れるようにエンパワーする

現状を維持し、組織を安定化させる 現状にチャレンジし、変革を起こす

取引的な影響を行使する

報酬、懲罰、公的権威で服従させる

変革的な影響を行使する

個人や組織の価値観、態度、行動に変化をもたらす

組織マネジメントとリーダーシップ

99

ミッション 企業の存在理由、ビジネスの目的

ビジョン 株主、経営者、従業員が思い描く企業の望ましいあり方

・組織目標

・個人目標

組織のハード面

【人事制度】

組織のソフト面

【組織文化】

組 織

外部環境

・全社戦略

・事業戦略/機能戦略

戦 略

リーダーシップ

内部環境

リーダーシップのスタイル

1. 強制型

「私の言う通りにしろ」というスタイル

2. 人間関係重視型

社内の人間関係が円滑にいくように配慮するスタイル

3. ビジョン型

ゴールイメージであるビジョンに向かってチームを引っ張るスタイル

4. 民主型

メンバーの意見を聞き、合意を得て意思決定をするスタイル

5. 率先垂範型

高い業績基準を設定し、自ら能力を発揮して従業員の先頭に立つタイプ

6. コーチ型

自分自身よりも部下が目標を達成できるように人材育成をするタイプ 100

6つのリーダーシップ・スタイル一覧出典:Harvard Business Review 2000

1強制型

2

人間関係重視型

3ビジョン型

4民主型

5率先垂範

6コーチ型

タイプ 服従の要求調和

感情ながりビジョンに向けて動かす

参加合意

高い達成水準

未来に向けて育成

キャッチフレーズ

私の言う通りにしろ

人が一番大事

私について来い

あなたの考えは?

今すぐ私と同じように

これをやってみて

能力達成意欲自主性

共感性コミュニケー

ション

自信変化を起こ

協力チームワー

達成意欲エネルギー

育成共感

効果的な場合

経営危機や問題社員が多

不和の解消、ストレス解消

新しいビジョン、方向性

が必要

賛同を得て自主的に動

かす

高い能力とモチベーションのチームから成果出

長期的パフォーマンス

改善

組織風土への影響

マイナス プラス 最も強い+ プラス マイナス プラス

101

リーダシップ行動理論: PM理論

102

情報や意見を求める

情報や意見を提供する

アイデアを明確にしたり、練り上げる

アイデアを集約する

メンバーの意見が一致しているか確かめる

P機能

(課題達成)Pm型リーダーシップ PM型リーダーシップ

pm型リーダーシップ pM型リーダーシップ

M機能 (組織維持)

メンバーを励ます

グループ内の感情を表出させる

異論を和解し、葛藤を和らげ、調停する

良い意味での妥協をする

メンバーの発言や参加を促す

講義番号14

リーダーシップのスキル2ファシリテーション・スキル

103

ファシリテーション・スキル

ファシリテーションとは

「促進する」ことが語源

チームが取り組むプロセスが円滑に進むように支援すること

ファシリテーション・スキルとは

双方向コミュニケーションが成り立つように、チームに働き掛け、議論を拡散したり、収束させて、最終的にコンセンサスを得られるようにする技術

左脳と右脳の融合スキル

104

ファシリテーション・スキル左脳型 右脳型

論理技術知識

形式知

直感芸術経験

暗黙知

融合

頭と心で納得行動に繋がる

ファシリテーションのスパイラル

105

伝えて

聴いて

質問して整理して一方的に情報を押し込む

のではなく、

参加者から情報を引き出して巻き込んでゆく 開かれた質問

共感・傾聴

要約ビジュアル化

フレームワーク

プレゼンテーション事例・比喩

【ロールプレイ】シミュレーション会議

個人の個性を生かしたシミュレーション会議を行います

リーダー(ファシリテーター)を1名決めます

その他のメンバーは、全員リーダーの会社の社員になります

リーダーは、組織変革、組織改革に関するテーマをメンバーに説明します

メンバーは個人の個性に即した発言をして活発な議論をしてください

会議の目的とゴール

リーダーは、新しい方針をメンバーに説明し、全員のコンセンサスを得ること

進め方

リーダーは、ファシリテーションスキルを用いて各人の個性を上手く引き出して、ダイバーシティマネジメントを行うこと

会議の最終結果は、個人の総和以上のイノベーションによる価値創造が起きていることが望ましい

106

ファシリテーションに使えるフレームワーク

マトリクス型

メリット デメリット

本社

代表的事例: SWOT分析

高額

低額

欧米的アジア的

機会 脅威

強み 成長戦略 縮小戦略

弱み 克服戦略 撤退戦略

ファシリテーションに使えるフレームワーク

サークル型

108

スポーツ 登山 アウトドア

代表的事例:

P.F.Druckerの3つの輪

MUST

CAN WILL

ファシリテーションに使えるフレームワーク

ツリー型

109

利益増大

原価低減

売上アップ

経費削減

商品力

チャネル

販促・宣伝

代表的事例: WHY分析

変化に弱い組織

人材がいない商品がない

市場のニーズが

不明

人材育成していない

ビジョンや戦略がない

代表的事例: HOW分析

変化に強い組織にする

能力高い人材適切な商品開発

マーケティング分析

人材育成を強化

組織の

ビジョンを作る

ファシリテーションに使えるフレームワーク

フロー型

代表的事例: M.Porter の価値連鎖

仮説 アンケート 分析

社内新聞データベース

方針決定

購買物流

製造出荷物流

販売マーケティング

サービス

調達活動

技術開発

人事・労務管理

全般管理

マージン

講義番号15

まとめ

111

参考図書

人事管理実務 人事管理研究会 産業能率大学出版部 ISBN4-382-05527-X

労務管理実務 人事管理研究会 産業能率大学出版部 ISBN4-382-05528-X

人事・労務がわかる事典 鈴木敦子 日本実業出版社 ISBN4-534-02469-X

人事管理入門 今野浩一郎・佐藤博樹 日本経済新聞社 ISBN4-532-13230-4

人事の仕組みとルール 中島豊 日本経団連出版 ISBN4-8185-2502-2

“ひと”の視点からみた人事管理 小野公一 白桃書房 ISBN4-561-2387-7

HRMマスターコース 人事スペシャリスト養成講座 須田敏子 慶応大学出版会 ISBN4-766-1207-9

中小企業のための人事・労務診断ハンドブック 東京都社会保険労務士編 日本経済新聞社 ISBN4-532-14352-7

戦略的人材マネジメント ウィリアム・マーサー社 東洋経済新報社 ISBN4-492-08967-5

直感で分かる人事のしくみ 人事システム研究会 東洋経済新報社 ISBN4-492-09173-4

HRスコアカード ブライアン E ベッカー他 日経BP社 ISBN4-8222-4265-X

コンピテンシー・マネジメントの展開 ライル・M・スペンサー他 生産性出版 ISBN4-8201-1722-X

Competence at Work: Models for Superior Performance Lyle M. Spencer (著), Signe M. Spencer ISBN-10: 047154809X

CHO 最高人事責任者が会社を変える 金井壽宏・守島基博 東洋経済新報社 ISBN4-492-53178-5

企業内人材育成入門 中原淳 ダイヤモンド社 ISBN4-478-44055-7

企業組織の労働と管理 渡辺峻 中央経済社 ISBN4-502-33183-X

ここから始まる人材育成 中原淳 中央経済社 ISBN4-502-37540-3

企業内人材育成入門 中原淳 ダイヤモンド社 ISBN4-478-44055-7

組織マネジメント戦略 高木晴夫 慶応大学ビジネススクール編 有斐閣 ISBN4-641-05383-9

組織行動のマネジメント ステファン・P・ロビンス ダイヤモンド社 ISBN4-478-43014-4

学習する組織「5つの能力」 ピーター・センゲ ISBN4-532-31075X

人材マネジメントアドバンス講座講義テキスト 人材マネジメント協会 ISBN978-4-88372-343-0

112

財務管理

Mongolia-Japan Center

Sep,2019

講師紹介

講師氏名 千種 一信(ちぐさ かずのぶ;Kazunobu CHIGUSA)

職業 千種公認会計士事務所 代表(株)日本開発サービス 研究員

経歴 • 1998-2004 監査法人トーマツ(Deloitte. Tokyo)にて、財務諸表監査、システム監査、内部統制コンサルティング、内部監査支援業務等に従事

• 2004-現在 千種公認会計士事務所開業。企業規模を問わず会計、税

務、財務等のコンサルティング業務、また財務諸表監査、内部監査、M&A支援、海外進出支援業務等に従事

• 2012-2013 JICA短期シニア海外ボランティアとしてカンボジア国に派遣。カンボジア日本人材開発センター(CJCC)にて、現地中小企業のコンサルティング業務等に従事

• 2018-現在 モンゴル日本センター(Mojc)、ミャンマー日本センター(MJC)、キルギス日本センター(KRJC)において、JICA専門家として、各センターで行われるビジネスコースの財務管理の講師に従事

資格 公認会計士税理士

2

(免責事項)

本講義の、ケーススタディーで利用する「DN社」の財務諸表は、モンゴル国の上場企業のひとつをモデルにしたものですが、講義の便宜上、各科目の金額や科目名称等を変更したり、仮定をおいたりしています。本講義の目的は、受講生に財務諸表を用いた分析方法を講義することであり、分析結果を

示すことは目的としていません。

よって、これ以降のケーススタディーで判明する分析結果は、あくまでも講義上の仮定等に基づくものであり、現実とは全く異なるものであることに注意してください。

受講生のほかこのテキストを入手・閲覧した者が、本講義における分析結果等に基づき、何らかの投資行動を行い、その結果がいかなるものになろうとも、研修講師及びMoJCは、一切の責任を負いません。

3

経営と会計の関係

計画

実行

評価

改善

経営管理会計

財務会計

• 財務分析-CVP分析-限界利益分析

• 投資意思決定

• 財務分析-財務諸表比較分析-財務諸表分析

4

講義内容

1. 財務諸表と資金

2. 財務分析

3. 投資意思決定の評価

5

会計情報

公認会計士上場企業等

財務諸表 監査報告書

会計基準

監査意見表明

利害関係者(株主、債権者、投資家、従業員等)6

財務諸表の構造

(ⅰ) 貸借対照表* B/S

(ⅱ) 損益計算書 P/L

(ⅲ) 包括利益計算書 C/I

(ⅳ) キャッシュ・フロー計算書 C/F

(ⅴ) 株主資本変動計算書 S/S

(ⅵ) 財務諸表に対する注記

C/I財務諸表

7

Note*IFRSでは、Statement of Financial Position:F/P(財政状態計算書)

負債Liabilities

株主資本

Equity

Money

Money

Use

貸借対照表の構造1

資産Assets

8

貸借対照表の構造2

資産

Assets

負債Liabilities

株主資本Equity

貸借対照表の意義

(1) ある一定時点における企業の資産、負債、株主資本の状態を表しA=L+Eである

(2) A=資金(キャッシュ)の使途を表す

(3) L=支払、返済しなければならない資金を表す

(4) E=支払、返済が不要な資金を表す

(5) 前期末と当期首の数値は必ず一致する

(6) Aの金額、あるいはL+Eの金額を総資産とも呼ぶ

9

損益計算書の構造

100

60

25

40

15

15

損益計算書の意義 一定期間、通常は1年間の利益(または損失)を表す

売上 100

売上原価 -40

売上総利益 60

販売費・一般管理費 -15

その他の収益・費用等 -5

営業利益 40

金融収益・費用 -15

税引前当期純利益 25

法人所得税 -5

当期純利益 20

20

10

キャッシュ・フロー計算書の構造

キャッシュ・フロー計算書の意義一定期間、通常は1年間の現金の増加・減少の理由を表す

営業活動によるキャッシュ・フロー [ 7,250]

投資活動によるキャッシュ・フロー [ -4,700]

財務活動によるキャッシュ・フロー [ -900]

現金正味増加(または減少)額合計 [ 1,650]

<キャッシュ・フロー計算書>企業の本業の営業活動によってどれだけキャッシュを稼いだかを示す(当期純利益のキャッシュ・フロー版)

資本投資と金融投資に関するキャッシュ・フロー

会社と株主及び会社と銀行等債権者との取引

現金期首残高 [ 3,000]

現金期末残高 [ 4,650]

<貸借対照表より>

11

貸借対照表の現金及び現金同等物残高の期首期末の差額と原則一致する

営業活動によるキャッシュ・フロー(直接法)

営業活動によるキャッシュ・フローは、商品の販売や商品の仕入、従業員等に対する給料の支払いや家賃等の営業経費といった、企業の本業の営業活動によってどれだけキャッシュを稼いだかを示す

営業活動によって支出した現金(預金)額を記載する。なお、商品を仕入たり、サービスを提供してもらっても、代金の支払をまだ行ってなければここには記載されない

12

営業活動によって獲得した現金(預金)収入を記載する。なお、商品やサービスを売上げても、代金が未回収ならば、ここには記載されない。

ҮНДСЭН ҮЙЛ АЖИЛЛАГААНЫ МӨНГӨН ГҮЙЛГЭЭ 営業活動によるキャッシュ・フロー

Мөнгөн орлогын дүн 収入額合計 21,100

Бараа борлуулсан, үйлчилгээ үзүүлсний орлого 商品販売・サービス代金回収による収入 20,000

Эрхийн шимтгэл, хураамж, төлбөрийн орлого ロイヤリティ・手数料収入 500

Даатгалын нөхвөрөөс хүлээн авсан мөнгө 保険金収入 100

Буцаан авсан албан татвар 還付税金収入 150

Татаас, санхүүжилтийн орлого 補助金収入 300

Бусад мөнгөн орлого その他の現金収入 50

Мөнгөн зарлагын дүн 支出額合計 13,850

Ажиллагчдад төлсөн 従業員給与の支払額 6,000

Нийгмийн даатгалын байгууллагад төлсөн 社会保険料の支払額 1,000

Бараа материал худалдан авахад төлсөн 棚卸資産取得のための支出 1,500

Ашиглалтын зардалд төлсөн 営業活動費用の支出 3,950

Түлш шатахуун, тээврийн хөлс, сэлбэг хэрэгсэлд төлсөн 燃料費・輸送費等の支出 500

Хүүний төлбөрт төлсөн 利息の支払額 400

Татварын байгууллагад төлсөн 法人所得税の支払額 350

Даатгалын төлбөрт төлсөн 保険料の支出 100

Бусад мөнгөн зарлага その他の支出 50

Үндсэн үйл ажиллагааны цэвэр мөнгөн гүйлгээний дүн 営業活動によるキャッシュ・フロー合計 7,250

投資活動によるキャッシュ・フロー

資本投資• 固定資産のキャッシュベースの増加、減少• 買収・合併によるキャッシュベースの増加、減少 など

金融投資 • 金融資産(貸付金、有価証券等)のキャッシュベースの増加、減少など

資本投資合計

-2,900

金融投資合計

-1,800

13

ХӨРӨНГӨ ОРУУЛАЛТЫН ҮЙЛ АЖИЛЛАГААНЫ МӨНГӨН ГҮЙЛГЭЭ 投資活動によるキャッシュフロー

Мөнгөн орлогын дүн 収入額合計 2,700

Үндсэн хөрөнгө борлуулсны орлого 固定資産の売却による収入 1,500

Биет бус хөрөнгө борлуулсны орлого 無形資産の売却による収入 100

Хөрөнгө оруулалт борлуулсны орлого 投資資産の売却による収入 400

Бусад урт хугацаат хөрөнгө борлуулсны орлого その他の非流動性資産の売却による収入 150

Бусдад олгосон зээл, мөнгөн урьдчилгааны буцаан төлөлт 貸付金の回収による収入 200

Хүлээн авсан хүүний орлого 利息の受取額 50

Хүлээн авсан ногдол ашиг 配当金の受取額 300

Мөнгөн зарлагын дүн 支出額合計 7,400

Үндсэн хөрөнгө олж эзэмшихэд төлсөн 固定資産の取得による支出 4,000

Биет бус хөрөнгө олж эзэмшихэд төлсөн 無形資産の取得による支出 500

Хөрөнгө оруулалт олж эзэмшихэд төлсөн 投資資産の取得による支出 250

Бусад урт хугацаат хөрөнгө олж эзэмшихэд төлсөн その他の非流動性資産の取得による支出 150

Бусдад олгосон зээл болон урьдчилгаа 貸付金による支出 2,500

Хөрөнгө оруулалтын үйл ажиллагааны цэвэр мөнгөн гүйлгээний дүн 投資活動によるキャッシュ・フロー合計 -4,700

財務活動によるキャッシュ・フロー

会社と債権者との間の取引合計

-600会社と株主との間の取引合計

-300

会社⇔債権者との取引 • 借入金の実行、返済 社債の発行、償還など

会社⇔株主の取引• 増資、減資(キャッシュベース)• 配当金の支払(キャッシュベース) など

14

САНХҮҮГИЙН ҮЙЛ АЖИЛЛАГААНЫ МӨНГӨН ГҮЙЛГЭЭ 財務活動によるキャッシュ・フロー

Мөнгөн орлогын дүн 収入額合計 1,700

Зээл авсан, өрийн үнэт цаас гаргаснаас хүлээн авсан 社債の発行・借入金による収入 1,500

Хувьцаа болон өмчийн бусад үнэт цаас гаргаснаас хүлээн авсан 株式の発行による収入 200

Мөнгөн зарлагын дүн 支出額合計 2,600

Зээл, өрийн үнэт цаасны төлбөрт төлсөн мөнгө 社債の償還・借入金の返済による支出 2,000

Санхүүгийн түрээсийн өглөгт төлсөн リース債務の支払 100

Хувьцаа буцаан худалдаж авахад төлсөн 減資による支出 200

Төлсөн ногдол ашиг 配当金の支払額 300

Санхүүгийн үйл ажиллагааны цэвэр мөнгөн гүйлгээний дүн 財務活動によるキャッシュ・フロー合計 -900

財務諸表の読み方の基本1

1. 合計値の再計算 貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の各合計値科目の数値は正しいか?

2. 各財務諸表及び財務諸表間の整合性のチェック

貸借対照表について、資産合計=負債・株主資本合計となっているか? 貸借対照表の前年度期末残高と当期首残高は一致しているか? キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の期首残高、期末残高は貸借対照表の現金及び現金同等物残高と整合しているか?

キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の前期末残高と当期首残高は一致しているか?

→チェック結果にエラーがある場合は、財務諸表そのものが間違っていることになる。

15

財務諸表の読み方の基本2

3. 財務諸表の各科目の前期比較を実施する<貸借対照表>• 残高のある科目について、前年度の差額と増減率(%)を計算する• 前年度と比較して「著しい増減」がある科目について、その理由を把握、調査する。なお「著しい増減」と

は、会社の状況によるものの、総資産の5%以上の残高がある科目について、前期比10%以上の増減があるものを目安とするとよい。

<損益計算書>• 残高のある科目について、前年度との差額と増減率(%)を計算する。• 前年度と比較して「著しい増減」がある科目について、その理由を把握、調査する。なお「著しい増減」と

は、会社の状況によるものの、税引前当期純利益の5%以上の残高がある科目について、前期比10%以上の増減があるものを目安とするとよい。

<キャッシュ・フロー計算書>• 残高のある科目について、前年度との差額と増減率(%)を計算する。• 前年度と比較して「著しい増減」がある科目について、その理由を把握、調査する。なお「著しい増減」と

は、会社の状況によるものの、当該科目合計値の5%以上の残高がある科目について、前期比10%以上の増減があるものを目安とするとよい。

→正確な財務諸表を作成していなければ、正確な比較もできない。

16

財務諸表の読み方の基本3

4. 前年度と比較して著しい増減があった場合の調査ポイントの例<貸借対照表>• 営業債権(Account receivable)の増加→長期滞留のものがないか?• 営業債務(Account payable)の増加→支払が遅延しているものはないか?• 棚卸資産の増加→一時的なものか、それとも製品が売れなくて滞留しているのか? など

<損益計算書>• 利益の増減→売上の増減によるものか、売上原価や費用の増減によるものか• 売上の増減→どの製品、サービスが原因となっているか?• 費用の増減→どの費用が原因か、増減が著しい費用についてはその理由はなにか? など• 費用の増減については、売上と各費用の比率、例えば、売上原価率(=売上原価÷売上高)、一般

管理費比率(一般管理費÷売上高)でも比較してみる。

<キャッシュ・フロー計算書>• 各キャッシュ・フロー項目の増減の原因は何か?• 営業キャッシュ・フローがプラス、投資及び財務キャッシュフローがマイナスという理想的な形になっているか、

そうでない場合は何が原因しているか?→財務分析の講義で説明予定

→もしどうしても原因がわからない著しい増減があった場合、財務諸表の数値が誤っている可能性がある。

17

財務諸表の読み方

DN社の2016年度、2017年度の比較財務諸表は別紙のとおりとなっています。あなたがDN社の経営者であった場合、2017年度の財務諸表において、あなたはどの科目に注目して、前年度と比較した場合の著しい増減の理由を社員に調査させますか?前頁までの「財務諸表の読み方の基本」に沿って数値や比率などを計算し、貸借対照表、損益計算書について、注目すべき科目を挙げてください。

18

<ケーススタディ>

キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法1

キャッシュ・フロー計算書 営業活動によるキャッシュ・フロー欄

直接法商品の販売や、仕入、給料の支払い、経費の 支払いなどの主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示

間接法損益計算書の当期純利益を出発点とし、そこに調整を加えることで誘導的に営業キャッシュ・フローを表示

キャッシュ・フロー計算書 メリット デメリット

直接法・営業キャッシュ・フローを構成するキャッシュ項目に関して収支の全貌が把握しやすい。

・作成に手間がかかる。・利益とキャッシュ・フローの差異の原因が間接法ほどすぐには判明しない。

間接法・作成が容易。・利益とキャッシュ・フローの差異の原因がすぐにわかる。

・営業キャッシュ・フローを構成するキャッシュ項目を直接把握することができない。

IFRSでは直接法が原則であるが、間接法での作成も認められる。モンゴルでは直接法が原則である。一方日本では上場企業の約9割が、間接法で作成している。

19

間接法で作成した場合、営業活動によるキャッシュ・フローは、当期純利益から得られるキャッシュ(現金)の増加を意味する。(税引後)当期純利益+調整項目金額=営業活動によるキャッシュ・フローとなる。

営業活動によるキャッシュ・フロー

当期純利益(税引後) 8,300

減価償却費 1,500

法人所得税費用 500

支払利息 700

金融およびその他の収入 -2,000

その他の収益 -1,700

営業債権の増減 -400

前払金の増減 1,000

棚卸資産の増減 -2,000

営業債務の増減 1,500

その他 600

小計 8,000

利息の支払額 -400

法人所得税の支払額 -350

営業活動によるキャッシュ・フロー 7,250

キャッシュ・フローに影響を与えない費用または収益(=非資金損益項目)

収益・費用とキャッシュ・フローの発生時期のズレ。前年度の貸借対照表と比較し、資産項目が増加(減少)した場合はキャッシュの減少(増加)、負債項目が増加(減少)した場合はキャッシュの増加(減少)となる。資産が減ればお金を回収、負債が減ればお金を支払ったと考える。

支払利息、法人所得税の支払額については、キャッシュベースで小計欄の下に記載する。

調整項目

当期純利益からどれだけキャッシュが増加したかを示す。 20

P/Lの営業利益より下の数値をマイナス(又はプラス)して営業利益まで遡る。

キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法2

ディスカッション

Q)正確な財務諸表を作成するために必要と思われる要素を3つ挙げてください。また、あなたの会社で正確な財務諸表を作成するために何らかの課題があれば、それもあわせて検討してみてください。

21

現金の収支(例題)

Q1)A社では、当月(3月)の取引において、売上が700(現金売上300、掛売上400)仕入が450(現金仕入250、掛仕入200)、各種経費が150(150すべて現金支払)でした。在庫はゼロと仮定し、このときの下記左欄の月次損益計算書を作ってください。また、下記右欄の「A社の実際の現金の収支」表の空欄も埋め、損益計算書と比較してください。さらに当月初の現金残高が100であった場合、A社はどうなるか検討してみてください。

<A社 月次損益計算書>

科目 3月

売上

仕入(売上原価)

売上総利益

各種経費

当期利益

A社 の実際の現金の収支

科目 3月

現金売上

現金仕入

各種経費現金支払

当期現金収支

22

現金の収支(解答)

Q1)解答 各数値は以下のとおり。また月初の現金が100であったとすると、月末の現金残高はゼロとなっているため、

翌日までに現金をどこからか調達しておかないと、資金がショートし、A社は当月黒字100にもかかわらず倒産する。

<A社 月次損益計算書>

科目 3月

売上 700

仕入(売上原価) 450

売上総利益 250

各種経費 150

当期利益 100

A社 の実際の現金の収支

科目 3月

現金売上 300

現金仕入 -250

各種経費現金支払 -150

当期現金収支 -100

3月初現金残高 100

3月末現金残高 0

23

→“資金繰り表”を作成し管理することが重要

資金繰り表の作成(例題)

Q2)B社について下記の前提条件のもと、次頁の資金繰り表の空欄を埋め、4月~7月の資金繰り表を完成させてください。

<前提条件>1)売上高は4月の売上高10,000から毎月10%ずつ増加することが見込まれている。2)売上のうち40%が現金売上、60%が掛売高であり、売掛金は翌月回収される。但し4月の売上回収額はゼロである。3)仕入高は、4月の仕入高7,500から毎月10%ずつ増加することが見込まれている。4)仕入のうち80%が現金仕入、20%が買掛金仕入であり、買掛金は翌月支払となっている。但し4月の買掛金支払高はゼロである。5)人件費は毎月1,000の現金払い、販管費も現金払いで売上に比例して増加する。6)7月に税金を現金で500支払う必要がある。7)6月に設備の購入のため、現金で1,000支払う予定である。8)取引先のひとつから、6月の製品販売(現金のみの販売)の前受金として、5月に現金で200受け取る予定である。9)4月に借入金を30,000し、5月から毎月元利あわせて5,000ずつ返済する予定である。10)7月に使わなくなった機械を売却し、20,000の現金収入があった。

24

Appendix

資金繰り表の作成(Q2解答用紙)

4月 5月 6月 7月

前月繰越 ① 2,500

営業収支

収入

売上代金

現金売上 4,000

掛売上の回収 0

その他前受金 0

その他の現金収入 0

営業収入 計 ② 4,000

支出

仕入代金

現金仕入 6,000

買掛金支払 0

その他

人件費

販売費・管理費 2,000

その他の支出 0

税金支払 0

営業支出 計 ③

営業収支 計 ④=②-③

財務収支

収入

借入金

その他の収入 0

財務収入 計 ⑤

支出

借入金の返済 0

その他の支出 0

財務支出 計 ⑥ 0

経常収支 ⑦=④+⑤-⑥

翌月繰越 ⑧=①+⑦ 27,50025

Appendix

資金繰り表の作成(Q2解答)

4月 5月 6月 7月

前月繰越 ① 2,500 27,500 21,800 14,710

営業収支

収入

売上代金

現金売上 4,000 4,400 4,640 5,324

掛売上の回収 0 6,000 6,600 7,260

その他前受金 0 200 0 0

その他の現金収入 0 0 0 20,000

営業収入 計 ② 4,000 10,600 11,240 32,584

支出

仕入代金

現金仕入 6,000 6,600 7,260 7,986

買掛金支払 0 1,500 1,650 1,815

その他

人件費 1,000 1,000 1,000 1,000

販売費・管理費 2,000 2,200 2,420 2,662

その他の支出 0 0 1,000 0

税金支払 0 0 0 500

営業支出 計 ③ 9,000 11,300 13,330 13,963

営業収支 計 ④=②-③ -5,000 -700 -2,090 18,621

財務収支

収入

借入金 30,000 0 0 0

その他の収入 0 0 0 0

財務収入 計 ⑤ 30,000 0 0 0

支出

借入金の返済 0 5,000 5,000 5,000

その他の支出 0 0 0 0

財務支出 計 ⑥ 0 5,000 5,000 5,000

経常収支 ⑦=④+⑤-⑥ 25,000 -5,700 -7,090 13,621

翌月繰越 ⑧=①+⑦ 27,500 21,800 14,710 28,331 26

Appendix

資金繰り表を作成・レビューする際のポイント

資金繰り表の種類 ポイント

資金繰り計画表 <翌月繰越の欄がプラス&増加>・設備投資・将来に向けての投資・借入金の前倒し返済

などを検討

<翌月繰越の欄がゼロ以下>・資金の追加調達が必要・収益計画の見直しやコストの削減が必要

資金繰り実績表 <資金に余裕があるとき>・設備投資・将来に向けての投資・借入金の前倒し返済

などを検討

<資金不足の兆候があるとき>・収益の改善・売掛金の早期回収・買掛金の支払サイトの延長・追加の借入

などを検討

27

講義内容

1. 財務諸表と資金

2. 財務分析

3. 投資意思決定の手法

28

財務分析において財務諸表から読み取るべきポイント

収益性資本からどれだけ多くの利益を生み出すことができるか?

財務安全性十分な支払能力があるか?

成長性会社は成長しているか?

キャッシュ・フロー十分な現金を生んでいるか?

B/SP/L

C/F

29

収益性

収益性 資本からどれだけ多くの利益を生み出すことができるか?

自己資本当期純利益率(ROE)=当期純利益

自己(株主)資本

アウトプット:株主に帰属する利益

インプット:株主が拠出した資金(過年度の利益剰余金含む)

費用売上高

当期純利益

資産負債

自己(株主)資本

当期純利益÷自己資本

P/L B/S

→ROEは高いほどよい。また日本の中小企業のデータでは25%以上であると、ほぼ倒産確率がゼロに近くなるといわれている

30

ROEの分解

ROE=当期純利益

=当期純利益

×売上高

×総資産

自己資本 売上高 総資産 自己(株主)資本

=当期純利益

×売上高

÷自己(株主)資本

売上高 総資産 総資産

当期純利益率 総資産回転率財務レバレッジ

自己資本比率

費用売上高

当期純利益

資産負債

自己資本

P/L B/S

31

売上高当期純利益率と総資産回転率の分解

ROE=当期純利益

=当期純利益

×売上高

×総資産

自己(株主)資本 売上高 総資産 自己(株主)資本

売上原価= 原価率

売上高

営業利益= 売上高営業利益率

売上高

売上高= 売掛金回転率

売掛金

売上高= 棚卸資産回転率

棚卸資産

売上高= 固定資産回転率固定(非流動)

資産

32

財務安全性

財務安全性 十分な支払能力があるか?

短期の安全性 流動比率 =流動資産

> 100%流動(短期)負債

長期の安全性 自己資本比率 =自己(株主)資本

> 25%総資産

流動資産

流動(短期)負債

長期負債

固定(非流動)資産 自己資本

流動資産 流動(短期)負債

固定(非流動)資産

長期負債

自己資本

><

>25%< 25%

安全性が高い企業 安全性が低い企業

33

成長性

成長性 会社は成長しているか?

当期売上高成長率 =当期売上高-前期売上高

> GDP成長率前期売上高

出典)世界経済のネタ帳 http://ecodb.net/

単位:%

2016 2017

全世界 3.2 3.7

モンゴル 1.2 5.1

日本 1.0 1.7

経済成長率(実質GDP) 単位:%

出典)IMF World Economic Outlook

34

キャッシュ・フロー

営業キャッシュ・フロー

+投資キャッシュ・フロー

+財務キャッシュ・フロー

+ 換算差額 +現金等期首残高

=現金等期末残高

キャッシュ・フロー 十分な現金を生んでいるか?

営業キャッシュ・フロー

+ 資本投資 金融投資株主との取引

債権者との取引

現金等増減額

( >0 )

フリーCF( >0 )

・資本投資>減価償却費⇒資本投資に積極的である。

・資本投資<減価償却費⇒資本投資に消極的である。

・配当性向(*)>30%⇒配当金の支払に積極的である。

・配当性向<30%⇒配当金の支払に消極的である。

*)配当性向=支払配当金÷当期純利益

・現金回転率(*)<12回⇒現金残高は十分である。

・現金回転率>12回⇒現金残高は不十分である。

*)現金回転率=売上高÷現金及び現金同等物期末残高

35

標準値の考え方

36

当期純利益率、総資産回転率、自己資本比率の標準値はどう求めるか?

他社と自社を比較する場合• 同業他社3社~5社の平均値と比較する。→上場会社のデータならば、モンゴル証券取引所のWebページから各社の財務諸表を入手できるので、その売上高などの数値から各比率を求める。→ 当期純利益がマイナス(損失)になっている会社や、明らかに異常値を示している会社については、標準値の計算をする際は除外する。

自社自身のデータと比較する場合• 期首にたてた自社の年間目標値(予算値)と期末の実績値を比較し、目標の達成度を把握する。

• 自社の過去3~5年の数値の平均と比較し、当年度の状況を把握する。

今回のケーススタディでは、モンゴル証券取引所のTop20Indexの会社の中から、製造業5社を選びその平均値を標準値としている。

財務分析

a・DN社の2017年度の損益計算書と貸借対照表を使用して、P/L B/S分析表に数値を記入し①収益性、②財務安全性および③成長性について分析してください。なお、各比率は小数点第3位を四捨五入して第2位まで求めてください。

b・DN社の2017年度のキャッシュ・フロー計算書を使用して、C/F分析表に数値を記入し、①営業CFとフリーCFがプラスか否か、②その他留意点について分析してください。

c ・「まとめワークシート」を埋め、aとbの結果を点数化してください。

<ケーススタディ>

37

P/L・B/S 分析表

収益性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

ROE %

当期純利益率 % > 7.25 %

総資産回転率 % > 74.20 %

財務レバレッジ > 1.72

財務安全性 DN社の数値 基準 標準値判定✔or ☓

流動比率 % > 100.00 %

自己資本比率 % > 25.00 %

成長性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

売上高成長率 % > 5.10 %

<ケーススタディ>

38

C/F 分析表(1)

営業キャッシュ・フロー

[ ]

投資キャッシュ・フロー

[ ]

財務キャッシュ・フロー

[ ]

為替変動による影響

0

現金等期首残高

[ ]

現金等期末残高

[ ]

資本投資[ ]

金融投資[ ]

株主との取引[ ]

債権者との取引[ ]

フリーCF[ ]

現金及び現金同等物増減額

[ ]

減価償却費[ ]

支払配当金[ ]

当期純利益[ ]

配当性向[ ]

<ケーススタディ>

39

C/F 分析表(2)

フリーCF DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

営業CF > 0

営業CF+資本投資 > 0

その他留意点 DN社の数値基準

標準値 考察

資本投資(絶対値)>減価償却費?

YES or NO

配当性向 % > 30.00 %

現金回転率 回 < 12.00 回

<ケーススタディ>

40

まとめワークシート

財務諸表 項目 点数 考察

P/L 収益性 ( )/3

成長性 ( )/1

B/S 財務安全性 ( )/2

C/F キャッシュ・フロー ( )/2

合計 ( )/8 判定: [ ]

(評価方法) ✔:1点 ☓:0点(判定基準) A:8~7点, B:6~5点, C:4~3点, D: 2~0点

<ケーススタディ>

41

P/L・B/S 分析表

収益性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

ROE 2.9 %

当期純利益率 5.69 % > 7.25 % ☓

総資産回転率 39.42 % > 74.20 % ☓

財務レバレッジ 1.29 % > 1.72 ☓

財務安全性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

流動比率 816.42 % > 100.00 % ✔

自己資本比率 77.73 % > 25.00 % ✔

成長性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

売上高成長率 38.52 % > 5.10 % ✔

<ケーススタディ解答>

42

C/F 分析表(1)

営業キャッシュ・フロー

[ 1,782 ]

投資キャッシュ・フロー

[ -1,927 ]

財務キャッシュ・フロー

[ -1,051 ]

為替変動による影響

0

現金等期首残高

[ 3,319]

現金等期末残高

[ 2,123 ]

資本投資[ -1,130 ]

金融投資[ -797 ]

株主との取引[ -66 ]

債権者との取引[ -985 ]

フリーCF[ 652 ]

現金及び現金同等物増減額

[ -1,196 ]

減価償却費[ 1,187 ]

支払配当金[ 60 ]

当期純利益[ 1,090 ]

配当性向[ 5.50% ]

<ケーススタディ解答>

43

C/F 分析表(2)

フリーCF DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

営業CF 1,782 > 0 ✔

営業CF+資本投資 652 > 0 ✔

その他留意点 DN社の数値基準

標準値 考察

資本投資(絶対値)>減価償却費?

YES or NO 資本投資にあまり積極的ではない

配当性向 5.50 % > 30.00 % 配当金の支払に消極的である

現金回転率 9.02 回 < 12.00 回 現金残高は十分である

<ケーススタディ解答>

44

まとめワークシート

財務諸表 項目 点数 考察

P/L 収益性 ( 0 )/3

成長性 ( 1 )/1

B/S 財務安全性 ( 2 )/2

C/F キャッシュ・フロー ( 2 )/2

合計 ( 5 )/8 判定: [ B ]

(評価方法) ✔:1点 ☓:0点(判定基準) A:8~7点, B:6~5点, C:4~3点, D: 2~0点

<ケーススタディ解答>

45

ROEとPBRの関係

ROE=当期純利益

自己資本

原則 ROEが増加するとき、株価が上昇してPBRも増加する

PBR

(株価純資産倍率)

=

株価

1株あたり自己資本(簿価)

出典: My INDEX http://myindex.jp/global_per.php

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

0.00% 5.00% 10.00% 15.00% 20.00%

PBR

ROE

ROE(%) PBR(倍)

Japan 8.88% 1.5

USA 14.59% 3.4

UK 8.09% 1.9

Australia 11.76% 2

Canada 10.23% 2.2

France 10.65% 1.8

Germany 10.75% 2

China 11.18% 1.7

India 13.70% 3

46

ROEと企業価値の関係

ROE=当期純利益

自己資本

原則 ROEが増加するとき、企業価値も増加する

PBR

(株価純資産倍率)

=

株価

1株あたり自己資本

自己資本時価

自己資本簿価

自己資本時価(自己資本価値)

企業価値

分母分子に株式数を掛けると

自己資本簿価は大きく変動しないから、

自己資本価値に負債価値を加えたものが企業価値であるから、

47

ROEの指標としての性質

・企業価値は企業にとって究極の定量目標である。・前述よりROEを増加させると企業価値も増加する。よって、企業価値を増加させるためにはROEを増加させることが重要である。

企業価値 ROE

当期純利益

総資産回転率

財務レバレッジ

企業の価格

48

ディスカッション

Q)あなたがDN社の経営コンサルタントだった場合、「まとめワークシート」に記載されたDN社の財務分析結果をみて、どのようなことをDN社にアドバイスしますか?検討してみてください。

49

講義内容

1. 財務諸表と資金

2. 財務分析

3. 投資意思決定の評価

50

経営と会計の関係

計画

実行

評価

改善

経営管理会計

財務会計

• 財務分析-CVP分析-限界利益分析

• 投資意思決定

• 財務分析-財務諸表比較分析-財務諸表分析

51

管理会計概要

管理会計

期間 短期 (≦1年) 長期 (>1年)

キーワード• 変動費、固定費• 限界利益

• キャッシュ・フロー• 時間価値

対象分野

• CVP分析• 限界利益分析• 短期経営計画

• 投資価値評価

52

P/Lの図解

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

直接原価計算方式のP/L

売上高 3,600

変動費(*1) 1,200

限界利益(*2) 2,400

固定費(*3) 1,800

税引前利益 600

(*1):売上高に応じて増減する費用

(例)商品売上原価、材料費、外注加工費、輸送費

(*2):売上高-変動費

(*3):変動費以外の費用、すなわち短期において固定的に発生する一定の費用

(例)人件費、減価償却費、支払利息

53

CVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis ・・・・・損益分岐点分析)(例題)

Q1)下記P/L図解を使用して、損益分岐点売上高を求めてください。なお損益分岐点売上高とは、税引前利益がゼロとなる売上高のことをいい、損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

=固定費÷(1-(変動費/売上高))=固定費÷限界利益/売上高=固定費÷限界利益率 の式で求められる。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

(Note)

54

CVP分析の表

売上高線と費用線が交差するところにおいて、税引前利益がゼロとなるため、その点が損益分岐点(売上高)ということになる。

費用

売上高

費用線

売上高線

損益分岐点

実際売上高

変動費

3,600

2,700

固定費

900

55

CVP分析(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

Q1) 解答

・1,200/3,600=1/3≒33% 変動費率・2,400/3,600=2/3≒67% 限界利益率

∴損益分岐点売上高 1,800/限界利益率=1,800÷2/3=2,700

56

安全余裕率と労働分配率(例題)

Q2)下記P/L図解を使用して、安全余裕率と労働分配率を求めてください。なおそれぞれの式は下記のとおりです。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

・安全余裕率=売上高-損益分岐点売上高

×100売上高

・労働分配率=人件費

×100限界利益

(Note)

57

安全余裕率と労働分配率(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

Q2) 解答

・1,200/3,600=1/3≒33% 変動費率・2,400/3,600=2/3≒67% 限界利益率・1,800/限界利益率=2,700 損益分岐点売上高

∴ 安全余裕率=(3,600-2,700)/3,600×100=25%(>20%が望ましい)労働分配率=(1,200/2,400)×100=50%(業種によって標準は異なる)

58

目標利益達成のための売上高その1(例題)

Q3)下記P/L図解より、税引前利益1,400達成のための売上高を求めてください。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200→?

売上高3,600→X

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400→?

税引前利益600→1,400

(Note)

59

目標利益達成のための売上高その1(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費=(1,200/3600)X

売上高X

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

3,200

税引前利益1,400

Q3) 解答

・税引前利益1,400を達成するための売上高をXとすると、限界利益=固定費+税引前利益=1,400+1,800=3,200となる。売上高-変動費=限界利益なので、X-(1,200/3,600)X=3,200 となり、これよりxを求めると、X=4,800

∴ 税引前利益1,400MNTを達成するための売上高は4,800

60

目標利益達成のための売上高その2(例題)

Q4)下記P/L図解より、売上高税引前利益率25%を達成するための売上高を求めてください。なお、売上高税引前利益率は、次の式となります。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200→?

売上高3,600→X

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400→?

税引前利益600→?

(Note)

・売上高税引前利益率=税引前利益

×100売上高

61

目標利益達成のための売上高その2(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費=(1,200/3600)X

売上高X

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

?

税引前利益?

Q4) 解答

・売上高税引前利益率25%を達成するための売上高をXとすると、税引前利益÷X=0.25 → 税引前利益=0.25Xとなる。売上高-変動費-固定費=税引前利益なので、X-(1,200/3,600)X-1,800=0.25Xこの式よりXを求めると、X=4,320となり、このときの税引前利益=1,080、限界利益=2,880、変動費=1,440である。∴ 売上高税引前利益率25%を達成するための売上高は4,320

62

利益の改善(例題)

Q5)税引前利益を増加させるためには、下記P/L図解より、固定費を削減するか、変動費率を削減(限界利益率を増加させる)か、売上高を増加させるか、の3つの方法がある。この3つをどのような順番で達成していくべきか、理由とともに検討してください。

(Note)直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200→?

売上高3,600→?

固定費1,800(人件費 1,200)

→?限界利益

2,400→?

税引前利益600↑

63

利益の改善(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費1,200→ ?

売上高3,600→?

固定費1,800(人件費 1,200)

→?

限界利益2,400→?

税引前利益600→660

Q5) 解答

固定費の削減→変動費率の削減→売上の増加の順で達成していくべきである。その理由としては、まず売上増加は、顧客があってこそ成立するものであり、 顧客に依存する度合いが高いため、短期的に収益の改善を行うことは難しい場合が多い。一方、上記のPLで税引前利益を10%、すなわち60増加(600→660)させるためには、固定費を3.3%(=60÷1,800)削減するか、変動費を5%(=60÷1,200)削減する必要がある。両者の比率を比較した場合、固定費を削減する方が容易である。したがって、固定費をまず最初に削減すべきである。但し、これは、変動費率が33%(=1,200÷3,600)と相対的に低いP/Lを例としているためであり、変動費率が高い会社の場合は変動費の削減の方が数値的には容易となる。 64

従業員給与と会社利益の関係(例題)

Q6)労働分配率が一定であるとき、従業員の給与の増加は、必ずしも会社の利益を減少させることにはならない。従業員給与を20%増加させるケース(人件費1,440)を考え、この理由につき下図を用いて説明してください。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800→2,040(人件費

1,200→1,440)限界利益

2,400

税引前利益600→?

(Note)

65

従業員給与と会社利益の関係(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

Q6) 解答

従前の労働分配率は、労働分配率=人件費/限界利益より、1,200/2,400=0.5(50%)

労働分配率を変更しないならば、限界利益を増加させる必要があるため、1.440/限界利益=0.5より、限界利益=2,880となる。

このとき、税引前利益は2,880-2,040=840となり、税引前利益も増加する。

よって、売上の増加、または、変動費率の削減により限界利益を増加させることができれば、従業員の給与を増加させることができるとともに、会社の税引前利益も増加することとなり、賃上げと企業利益の増大は必ずしも対立するものではない。

変動費 1,200→?

売上高3,600→?

固定費2,040(人件費1,440) 限界利益

2,880

税引前利益840

66

ディスカッション

Q) ここまでの講義では、長期雇用の従業員を雇用していることを前提とし、人件費を固定費、すなわち売上高応じての増減はしない費用として考えてきました。しかしながら、業務の閑散によって雇用数を増減できる派遣労働者や、パートタイマー、アルバイトなど非正規雇用の従業員の人件費は、変動費として定義することができると思います。変動費として定義できる人件費を増やすことにより、会社にとって、どんなメリットとデメリットがあるか検討してみてください。

67

限界利益とセールスミックス

どのような企業にも従業員や在庫、そして時間といった資源には限りがある。その限りある資源を「制約条件」と呼ぶが、制約条件の中でどの製品を優先的に製造・販売していくか決める事を「最適セールスミックス」とよぶ。最適セールスミックスを行う理由は、会社の利益を最大化するためにある。

<制約条件の例>

■共通の制約条件・売上(販売)総額→市場競争が激しく製品全体の売上高に制約がある場合を想定する。・生産能力→原材料の調達(仕入)力、機械の製造能力、稼働可能時間、従業員数、労働時間などを想定する。

■各製品個別の制約条件・総需要数量→個別の製品ごとに、市場の需要数量が決まっている場合を想定する。・販売価格→個別の製品ごとに、価格が決まっている場合を想定する。

など

68

製品販売の優先順位(例題1)

Q7)下記C社の場合、利益を最大化させるためにはどの製品を優先的に製造、販売していけばよいでしょうか?

製品 a b

1個あたりの販売価格 100 40

1個あたりの変動費 40 10

1個あたりの限界利益 60 30

1個あたりの製造時間 2時間 3時間

C社の製品単位ごとのP/L

(制約条件)売上総額 = 4,000

69

製品販売の優先順位(解答1)

Q7)解答 本ケースの制約は売上総額である。よって、売上あたりの限界利益(限界利益率=限界利益÷販売価格)が最も⼤きい製品を販売することで、限界利益を最⼤化することができる。よって、製品bを製造販売すべきである。

製品 a b

1個あたりの販売価格 100 40

1個あたりの変動費 40 10

1個あたりの限界利益 60 30

限界利益率 60% 75%

1個あたりの製造時間 2時間 3時間

(NOTE)製品aを売上総額限界まで販売した場合、限界利益=(4,000÷100)個×60 = 2,400製品bを売上総額限界まで販売した場合、限界利益=(4,000÷40)個×30 = 3,000

70

製品販売の優先順位(例題2)

Q8)下記C社の場合、利益を最大化させるためにはどの製品を優先的に製造、販売していけばよいでしょうか?

製品 a b

1個あたりの販売価格 100 40

1個あたりの変動費 40 10

1個あたりの限界利益 60 30

1個あたりの製造時間 2時間 3時間

C社の製品単位ごとのP/L

(制約条件)製造可能時間 = 3,000時間

71

製品販売の優先順位(解答2)

Q8)解答 本ケースの制約は製造可能時間である。すなわち製造時間あたりの限界利益(=限界利益÷製造時間)が最も⼤きい製品を販売することで、限界利益を最⼤化することができる。よって、製品aを販売すべきである。

製品 a b

1個あたりの販売価格 100 40

1個あたりの変動費 40 10

1個あたりの限界利益 60 30

1時間あたりの限界利益 30 10

1個あたりの製造時間 2時間 3時間

(NOTE)製品aを製造可能時間限界まで販売した場合、限界利益=(3.000÷2)個×60= 90,000製品bを製造可能時間限界まで販売した場合、限界利益=(3,000÷3)個×30 = 30,000

→ ⼀般的に、制約条件当りの限界利益が最も⼤きい製品を売るべきである。72

製品販売の優先順位(製品3つ以上)

Q9) 下記A社の場合、限界利益を最大化させるためにはそれぞれの製品を何個ずつ生産販売していけばよいでしょうか?なお共通固定費を48,000とします。

73

Appendix

製品 製品X 製品Y 製品Z

1個あたり販売単価 100 40 80

1個あたり変動費 40 10 50

1個あたり限界利益 60 30 30

A社の製品単位ごとのP/L

制約条件 合計 製品X 製品Y 製品Z

最大需要量 個 12,000 30,000 15,000

最低生産量 個 1,000 1,000 1,000

1個あたり機械作業時間 時間 4 1 2

年間機械稼働能力(共通) 時間 60,000

74

Solverの適用(製品3つ以上) Appendix

製品販売の優先順位(制約条件なし)

Q10)下記C社の場合、当期純利益を最大化させるためにはどの製品を優先的に製造、販売していけばよいでしょうか?

製品 P Q R

総売上高 8,000 4,200 3,600

変動費 3,700 1,700 1,400

固定費 3,000 1,600 2,300

(税引前)当期純利益 1,300 900 -100

C社の製品ごとのP/L

(制約条件)特になし。P、Q、Rは顧客からみて類似した商品であり、同じ製造ライン、同じ人員で製造している。製造ライン(設備、人員)にはかなりの余裕がある。なお、変動費、固定費以外の費用はないものとする。また、販売数量が増減しても、固定費や製品1個あたりの販売価格には変化がないものとする。

75

Appendix

製品販売の優先順位(制約条件なし-解答)

Q10)解答 Rの製造販売に何らかの限界が来るまで、Rを優先的に製造・販売する。その後はQ→Pの順で優先的に販売する。すなわち制約条件が特になく、製造ラインにかなりの余裕がある場合は、限界利益率が高い製品を優先して製造・販売する。

製品 P Q R

限界利益率 53.7% 59.5% 61.1%

C社の製品ごとのP/L

76

(解説)比較する製品数が何個になっても、限界利益率の高い順に優先して製造・販売することになる。また、R製品は、当初の当期純利益がマイナスであるが、固定費額は変わらないため、販売量が増えるにしたがって、当期純利益はプラスとなり増加していく。

Appendix

追加注文に応じるか否かの意思決定(例題)

Q11) C社は、P製品を500個製造・販売している。P製品の1個当りの製造原価は100 (変動費80 、固定費20 )であり、P製品の販売単価は120 である。このたび、C社は、外国企業からP製品100個を販売単価85 で販売してほしいとの注文を受けました。D社がこの追加受注に応じることができる十分な設備能力、労働力があるため、追加注文によっても固定費は増加しないとしたとき、この注文に応じるべきでしょうか?

製品 P

売上高 60,000

変動費 40,000

限界利益 20,000

固定費 10,000

税引前利益 10,000

C社製品PのP/L

77

追加注文に応じるか否かの意思決定(解答)

Q11) 解答 税引前利益が500増加するので、C社は追加注文に応じるべきである。

追加受注前P/L 追加受注分 追加受注後合計

売上高 60,000 8,500 68,500

変動費 40,000 8,000 48,000

限界利益 20,000 500 20,500

固定費 10,000 - 10,000

税引前利益 10,000 500 10,500

(解説)追加注文に応じられる十分な生産能力、労働力があることを前提とした場合、追加注文に応じるか否かは、追加注文に伴う限界利益がプラスになるのかマイナスになるのかで判断する。プラスの場合は応諾し、マイナスの場合は拒絶するべきとなる。

78

予算実績分析(例題)

Q12) E社は、食品事業部門、不動産賃貸事業部門、ホテル事業部門の3つの事業部門をもつ会社です。現在この3つのうち、食品事業部門の業績が悪化しているため、その原因を分析することにしました。前年度の食品事業部門の売上高の計画上の予算、及び実績は以下のとおりでした。売上高の実績が予算を1,500,000下回っている要因を、価格差異と数量差異にわけて分析してください。なお、 数量差異=予算単価×(実績数量ー予算数量)

価格差異=実績数量×(実績価格ー予算価格) で求めます。

製品 予算 実績 差異

販売数量(個) 30,000 45,000 15,000

平均販売単価(MNT/個)

2,000 1,300 -700

売上高(MNT) 60,000,000 58,500,000 -1,500,000

E社食品事業部門売上高の予算と実績データ

79

予算実績分析(解答)

Q12) 解答 以下の図のとおりとなる。

(解説)販売数量は計画上の予算を大幅に上回ったが、販売単価の下落分を補うことができず、結果として売上高は実績が予算を-1,500,000MNT 下回ってしまったという意味になる→予算実績分析をする際は、必ず数量と単価で分けて分析することが重要

80

価格

数量

0 1,300 2,000

30,000

45,000

価格差異45,000×(1,300-2,000)=-31,500,000

数量差異2,000×(45,000-30,000)=30,000,000

Төсвийн гүйцэтгэлийн шинжилгээ (1)

81

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

価格

数量

価格

数量数量

数量

価格

価格

Үнэ

ҮнэҮнэ

ҮнэТоо

Тоо

ТооТоо

Тооны зөрүү数量差異

Үни

йн

зөр

үү価格差異

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

Appendix

Төсвийн гүйцэтгэлийн шинжилгээ (2)

82

価格

数量

価格

数量数量

数量

価格

価格

Үнэ

ҮнэҮнэ

Үнэ

Тоо

ТооТоо

Тоо

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

Борлуулалтын実績

Төлөвлөсөн予算

(-)Тооны зөрүү(-) 数量差異

(-)Үни

йн

зөр

үү(-)価

格差異

Appendix

Төсвийн гүйцэтгэлийн шинжилгээ (3)

83

価格

数量

価格

数量数量

数量

価格

価格

Үнэ

ҮнэҮнэ

Үнэ

Тоо

ТооТоо

Тоо

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

Борлуулалтын実績

Төл

өвл

өсө

н予算

Тооны зөрүү数量差異

(-)Үни

йн

зөр

үү(-)価

格差異

Appendix

Төсвийн гүйцэтгэлийн шинжилгээ (4)

84

価格

数量

価格

数量数量

数量

価格

価格

Үнэ

Үнэ

Үнэ Үнэ

Тоо

ТооТоо

Тоо

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

(-)Тооны зөрүү(-) 数量差異

Үни

йн

зөр

үү価格差異

Appendix

値下げの意思決定(例題)

Q13) MC社は、従来6,000MNTで50個販売していた製品M(1個あたり変動費2,000MNT、固定費の総額100,000MNT)を半額の3,000MNTで販売する計画である。この半額セールにより、税引前利益を増大させるためには、最低何個の製品Mを販売する必要があるでしょうか?ただし、一個あたりの変動費、及び固定費総額は販売価格を変更しても変わらないものとする。

半額セール実施前 半額セール実施後

売上高 300,000 @6,000×50 ? @3,000×?

変動費 100,000 @2,000×50 ? @2,000×?

限界利益 200,000 ?

固定費 100,000 - 100,000

税引前利益 100,000 ?

85

値下げの意思決定(解答)

Q13)解答 税引前利益を値下げ前より増加させるためには、製品Mを201個以上販売する必要がある。なお、200個の場合は従前と変わらない利益となる。

(解説)値下げ後に販売しなければならないMの個数をxとおく。値下げ後に当初の税引前利益100,000を上回らなければならないので、次の式が成立する。

3,000x-2,000x-100,000>100,000

これを変形して→1,000x>200,000→x>200

値下げをする場合は、販売数量の増加がどれだけ必要かについてよく検討すべきである。

86

価格と販売数量と税引前利益の関係

87

売上 300,000

個数 50

単価 6,000

変動費 100,000

個数 50

単価 2,000

限界利益 200,000

固定費 100,000

税引前利益 100,000

### 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 11,000 12,000

10 -110,000 -100,000 -90,000 -80,000 -70,000 -60,000 -50,000 -40,000 -30,000 -20,000 -10,000 0

20 -120,000 -100,000 -80,000 -60,000 -40,000 -20,000 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000

30 -130,000 -100,000 -70,000 -40,000 -10,000 20,000 50,000 80,000 110,000 140,000 170,000 200,000

40 -140,000 -100,000 -60,000 -20,000 20,000 60,000 100,000 140,000 180,000 220,000 260,000 300,000

50 -150,000 -100,000 -50,000 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000

60 -160,000 -100,000 -40,000 20,000 80,000 140,000 200,000 260,000 320,000 380,000 440,000 500,000

70 -170,000 -100,000 -30,000 40,000 110,000 180,000 250,000 320,000 390,000 460,000 530,000 600,000

80 -180,000 -100,000 -20,000 60,000 140,000 220,000 300,000 380,000 460,000 540,000 620,000 700,000

90 -190,000 -100,000 -10,000 80,000 170,000 260,000 350,000 440,000 530,000 620,000 710,000 800,000

100 -200,000 -100,000 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 900,000

110 -210,000 -100,000 10,000 120,000 230,000 340,000 450,000 560,000 670,000 780,000 890,000 1,000,000

120 -220,000 -100,000 20,000 140,000 260,000 380,000 500,000 620,000 740,000 860,000 980,000 1,100,000

130 -230,000 -100,000 30,000 160,000 290,000 420,000 550,000 680,000 810,000 940,000 1,070,000 1,200,000

140 -240,000 -100,000 40,000 180,000 320,000 460,000 600,000 740,000 880,000 1,020,000 1,160,000 1,300,000

150 -250,000 -100,000 50,000 200,000 350,000 500,000 650,000 800,000 950,000 1,100,000 1,250,000 1,400,000

160 -260,000 -100,000 60,000 220,000 380,000 540,000 700,000 860,000 1,020,000 1,180,000 1,340,000 1,500,000

170 -270,000 -100,000 70,000 240,000 410,000 580,000 750,000 920,000 1,090,000 1,260,000 1,430,000 1,600,000

180 -280,000 -100,000 80,000 260,000 440,000 620,000 800,000 980,000 1,160,000 1,340,000 1,520,000 1,700,000

190 -290,000 -100,000 90,000 280,000 470,000 660,000 850,000 1,040,000 1,230,000 1,420,000 1,610,000 1,800,000

200 -300,000 -100,000 100,000 300,000 500,000 700,000 900,000 1,100,000 1,300,000 1,500,000 1,700,000 1,900,000

210 -310,000 -100,000 110,000 320,000 530,000 740,000 950,000 1,160,000 1,370,000 1,580,000 1,790,000 2,000,000

価格

数量(個数)

需要の価格弾力性(Price elasticity )

88

需要

価格

価格が変化したときに需要の増加(または減少)分が大きい

価格が変化したときに需要の増加(または減少)分が小さい

奢侈品(luxury goods)• 宝石• 有名ブランドのバッグ• 高級車• 代替品(substitution goods)

があるもの など

必需品(necessary goods)• 小麦粉• パン• 電気代

• 水道代など

需要の価格弾力性をeとすると

e=-(需要の変化率÷価格の変化率)

となる。

ディスカッション

Q)前述MC社の取締役の一人から、自社の製品Mはあまり売れていないので、半額セールをするよりも、むしろ単価を12,000MNT/個に値上げをして利益を増大させるべきだとの意見がありました。この意見にあなたは賛成ですか、反対ですか? 賛否を明らかにした上でその理由について数値を使いながら検討してください。

89

需要の価格弾力性(Price elasticity )とマーケティング

90

1. 商品単独またはその商品マーケットにおける価格弾力性の把握価格弾力性は、売価変更を伴う実販売を行った際の販売データがないと算出できない。• 過去の売価変更の際のデータの蓄積が必要。• メーカーの場合は、取引先の小売業との情報共有やPOSデータ分析などを通じ、価格弾力性をつかむことができる。

2. 価格設定の考え方例えば、リニューアル商品をマーケットに投入する際、その商品マーケットの特性によって価格設定が異なる。• 価格弾力性の小さいマーケット→これまでより高い価格設定ができる可能性あり• 価格弾力性の大きいマーケット→低価格戦略が有効な可能性あり

価格弾力性だけで価格決定できるわけではないことに注意。

3. 売価コントロールの基準売価コントロールの基準として活用する。• 価格弾力性が小さい→値上げをしても需要減少の影響は少ない• 価格弾力性が大きい→値下げ戦略が効果的

やみくもに値下げ政策を採るのではなく、価格弾力性も基準に入れて商品別の売価コントロール戦略を検討すべき

管理会計概要

管理会計

期間 短期 (≦1年) 長期 (>1年)

キーワード• 変動費、固定費• 限界利益

• キャッシュ・フロー• 時間価値

対象分野

• CVP分析• 限界利益分析• 短期経営計画

• 投資価値評価

91

講義内容

1. 財務諸表と資金

2. 財務分析

3. 投資意思決定の評価

92

投資意思決定(投資価値)評価のプロセス

I R

• 投資額の決定• 毎期の経済的効果の見積

• 計算及び評価

• 投資キャッシュ・フローの見積

• キャッシュ・フローの見積

• 会計的利益の見積

• 経済命数• 時間価値• 資本コスト

• R>Iならば投資する

• R<Iならば投資しない

(評価プロセス

(検討事項

93

投資意思決定手法の種類

経済的効果の測定

キャッシュ・フローを利用 会計的利益を利用

貨幣の時間的価値

考慮する

• 正味現在価値法(Net Present Value method:NPV法)

• 内部利益率法(Internal Rate of Return method:IRR法)

考慮しない

• 回収期間法(Payback Period Method:PP法)

• 投資利益率法(Return On Investement method:ROI法)

94

回収期間法(PP法)

投資金額を回収できるまでの期間が、社内で定めた基準期間よりも短ければ投資を実行して、長ければ投資を行わないとする方法であり、貨幣の時間的価値は考慮しない。

メリット デメリット

回収期間法

• 計算が容易で誰にでも理解しやすい • 投資金額を回収した後のキャッシュフローを無視している。

• 社内で定める投資回収期間の基準について、その決め方に明確な方法がない。

• 貨幣の時間的価値を考慮していない。

95

回収期間法による投資意思決定の評価(例題)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末 4年度末以降

CF -270 50 100 150 毎期100

Q1)0年度末に270 million MNTの設備を現金で購入すると、毎期以下のような現金を得られる(回収できる)投資案がある。会社の定めた投資の回収期間は4年である。この投資案を採用するべきかどうか、回収期間法を用いて検討してください。

(単位:million MNT)

回収期間法を用いると、回収期間は( )年である。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

96

回収期間法による投資意思決定の評価(解答)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末 4年度末以降

CF -270 50 100 150 毎期100

Q1)解答下記のとおりとなる。

(単位:million MNT)

回収期間法を用いると、回収期間は( 2.8 (<4) )年である。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

(計算式)・2年度末までの回収額は150(=50+100)なので、未回収残は120(=270-150)。・3年度は150を回収するので、3年目は0.8年(=120÷150)で未回収残を回収できる。よって、2年+0.8年=2.8年

97

投資利益率法(ROI法)

メリット デメリット

投資利益率法

• 計算が容易で誰にでも理解しやすい • 会計的利益を利用するため、実際のキャッシュ・フローの収支と差額が出る可能性がある。

• 平均利益を使うため、投資の回収タイミングが考慮されていない。

• 貨幣の時間的価値を考慮していない。

98

投資利益率法(Return On Investement method:ROI法)とは、

という計算式により、投資利益率を求め、この比率の大小により投資案を評価する方法であり、貨幣の時間的価値を考慮しない。

投資利益率(%) =税引後平均利益

× 100初期投資額

投資利益率法による投資意思決定の評価(例題)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末 4年度末 5年度末

投資案A

税引後利益 100 70 60 60 60

初期投資額 -270

Q2)0年度末に270 million MNTの初期投資をすると、毎期以下のような利益(税引後利益)を得られる投資案Aがある。会社の規定では、ROIが25%以上であれば投資案を採用すべきことになっている。投資利益率法を用いて、この投資案を採用するべきかどうか、検討してください。また6年目以降の利益は考慮しないものとする。

(単位:million MNT)

投資利益率法を用いると、ROIは ( )%である。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

99

投資利益率法による投資意思決定の評価(解答)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末 4年度末 5年度末

投資案A

税引後利益 100 70 60 60 60

初期投資額 -270

Q2)解答下記のとおりとなる。

(単位:million MNT)

投資利益率法を用いると、ROIは ( 25.92 (>25.0) )%である。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

100

(計算式)・税引後平均利益=(100+70+60+60+60)/5=70・ROI=70/270=25.92%

貨幣の時間的価値

現在(0年) 1年後

将来価値 10,000 10,50010,000×(1+0.05)=10,500

現在価値 9,524 10,00010,000÷(1+0.05)=9,524

●年利率5%で運用した場合

現在の9,524は、1年後の10,000と価値が等しい→9,524は1年後の10,000の現在価値

101

貨幣の時間的価値(例題)

現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後

現在価値 ? 10,000

計算式 ?

Q3)ある銀行に預金すると、年利率10%(複利)で運用可能である。5年後に元本利息一括で10,000 million MNT得るためには、いくら預金すればよいでしょうか?

(単位:million MNT)

102

貨幣の時間的価値(解答)

0年 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後

現在価値 6,209 10,000

計算式10,000

(1+0.10)5

Q3)解答 下記表のとおり、6,209 million MNTとなる。

6,209

(単位:million MNT)

103

現価係数

年利率r%でn年運用した際、P MNTをn年後に得られるとすると、それぞれの現在価値は下記の現価係数にPを乗じることにより表すことができる。

→前頁の例題よりP=10,000million、r=10%、n=5年とすると、10,000×0.6209=6,209となる。

104

現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 n年後

現価係数

r = 5% 1 0.9524 0.9070 0.8638 0.8227 0.7835

r = 10% 1 0.9091 0.8264 0.7513 0.6830 0.6209

1

(1 + r)2

1

(1 + r)3

1

(1 + r)4

1

(1 + r)5

1

(1 + r)n

1

(1 + 0.05)n

1

(1 + 0.10)n

1

(1 + r)1

1

(1 + r)0

投資の判断と資本コスト(例題)

Q4)前の「貨幣の時間的価値」の例題は、読み替えると、今6,209millomMNTの現金を投資すれば、5年後に10,000millomMNTの現金を得られる投資案件であるということがいえます。ただし、あなたは今6,209millomMNTの現金を持っていないので、どこからか調達する必要があります。下記の1)から3)いずれかの形で資金を調達することができた場合、あなたはこの投資案件に投資するでしょうか?

1) 金融機関から年利率8%、5年後元利一括払いの借入をすることができた場合2) 自社の株式を発行して、投資家から資金調達した場合。ただしこの株式を購入した投資家は、他人にいつでも売却することが可能なものとし、また配当は不要とする。3) 1枚1,000MNTで買った宝くじが偶然当選し、6,209millomMNTを賞金として得た場合。

105

資本コストと割引率

採用される投資案は、各種資金調達に伴うコスト(=資本コスト)を上回る利益をもたらす必要がある。したがって、r=資本コスト となる。

利率(割引率)=r をどのように設定するか?

資本コスト投資案が必要とする最低の利益率

資本の調達源泉

調達に伴うコスト

・株式 ・株式の期待収益率・支払配当金

・借入金・社債

・支払利息

106

NPV(正味現在価値)法

NPVは、将来的なキャッシュ・フローを現在価値に割り戻した上で、当初の投資額を差し引いたもの

NPV 投資案実行する

ゼロ

NPV

ゼロ 投資案実行しない

107

NPV法による投資意思決定の評価(例題1)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

CF

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値

Q5) 0年度末に270 million MNTの設備を現金で購入すると、1年度末から3年度末にわたって毎年100 million MNTの現金(将来キャッシュ・フロー=CF)を得られる投資案がある。この投資案を採用するべきかどうか、正味現在価値法を用いて下表の空欄を埋め、検討してください。なお、資本コスト率を5%とする。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、( million MNT)となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

毎年度のCF割引現在価値の合計が正味現在価値(NPV)となる。

108

NPV法による投資意思決定の評価(解答1)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

CF -270 100 100 100

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値 -270 95.24 90.7 86.38

Q5)解答 以下のとおりであり、この投資案を採用すべきである。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、(2.32 million MNT(=95.24+90.7+86.38-270>0))となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

109

NPV法による投資意思決定の評価(例題2)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

CF

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値

正味現在価値

Q6) 0年度末に270 million MNTの設備を現金で購入すると、1年度末と2年度末にそれぞれ50、3年度に200 million MNTの現金(将来キャッシュ・フロー=CF)を得られる投資案がある。この投資案を採用するべきかどうか、正味現在価値法を用いて下表の空欄を埋め、検討してください。なお、資本コストを5%とする。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、( million MNT)となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

110

NPV法による投資意思決定の評価(解答2)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

CF -270 50 50 200

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値 -270 47.62 45.35 172.76

正味現在価値 -4.27

Q6)解答 以下のとおりであり、この投資案を採用すべきではない。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、(-4.27 million MNT(=47.62+45.35+172.76-270<0))となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

111

将来キャッシュ・フローの予測方法(簡便的な方法)

① 設備投資によって生じるそれぞれの期の売上の増加分、費用の増加分を予測し、税引前利益を算出する。

② ①に法人所得税率(10%)をかけて、法人所得税の支払分を差し引く③ ②に現金支出を伴わない費用(固定費)である減価償却費(投資した設備分)を加える。

※ 設備を何年か後に売却あるいは廃棄処分する予定がある場合、その売却・廃棄処分によるキャッシュ・フロー(税金分を考慮)を加減する。

112

<計算式>① 売上の増加分ー費用の増加分=税引前利益② 税引前利益×法人所得税額=法人所得税支払額

税引前利益ー法人所得税支払額=税引後利益③ 税引後利益+減価償却費(投資した設備分)=毎年の将来キャッシュフロー(CF)

※ (設備売却または処分によるキャッシュ・フロー)-(売却・処分損益(→損はマイナス)×法人所得税率)

将来キャッシュ・フローの予測(例題1)

Q7) F社では、0年度末に270millionMNTの設備を現金で購入しようとしている。この投資案を実行した場合の1年度末~3年度末の将来キャッシュ・フローを予測し、次頁の[ ]内に数値を記入してください。なお、投資案を実行した場合の売上高の増加分などの予測値は以下のとおりである。

1. 毎期の売上高の増加分はそれぞれ次頁に記載された数値のとおりと予測された。2. 毎期の変動費の増加分はそれぞれ売上高の増加分の20%と予測された。3. 毎期の固定費の増加分の予測はそれぞれ次頁のとおりと予測された。これには

減価償却費の増加分が含まれる。4. 減価償却は、残存価額ゼロ、耐用年数3年の定額法で行う。5. 法人所得税率は10%である。6. 3年度末にこの設備は廃棄するものとする。よって設備の売却損益は生じない。

また処分費用もかからないとする。7. 単位はすべてmillionMNTである。

113

将来キャッシュ・フローの予測(解答用紙1)

年度 0年度 1年度末 2年度末 3年度末

売上高(増加分) 250 200 180

変動費(増加分) [ ] [ ] [ ]

固定費(増加分) 150 150 124

税引前利益(増加分) [ ] [ ] [ ]

法人所得税(増加分) [ ] [ ] [ ]

税引後利益(増加分) [ ] [ ] [ ]

減価償却費(増加分) [ ] [ ] [ ]

将来CF -270 [ ] [ ] [ ]

(単位:million MNT)

114

将来キャッシュ・フローの予測(解答1)

年度 0年度 1年度末 2年度末 3年度末

売上高(増加分) 250 200 180

変動費(増加分) 50 40 36

固定費(増加分) 150 150 124

税引前利益(増加分) 50 10 20

法人所得税(増加分) 5 1 2

税引後利益(増加分) 45 9 18

減価償却費(増加分) 90 90 90

将来CF -270 135 99 108

(単位:million MNT)

115

将来キャッシュフローの予測(例題2)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

将来CF

処分費用のCF - - -

CF合計

r=5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値

正味現在価値

Q8) 前頁Q7のようにF社の将来キャッシュ・フローを予測したものの、3年度末に設備を廃棄する際処分費用が60かかることが判明しました。将来キャッシュ・フローを修正し、この投資案を採用するべきかどうか、正味現在価値法を用いて下表の空欄を埋め、検討してください。なお、資本コスト率を5%とし、3年度末のF社の全体的な税引前利益はこの処分費用を考慮しても黒字になるものとする。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、( million MNT)となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

116

Appendix

将来キャッシュフローの予測(解答2)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

将来CF -270 135 99 108

処分費用のCF - - - -54

CF合計 -270 135 99 54

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値 -270 128.57 89.79 46.65

正味現在価値 -4.99

Q8)解答 以下のとおりであり、この投資案を採用すべきではない。なお、3年度末のCFは、108+{廃棄処分によるCF-(廃棄損×法人所得税率)}より、

108+{-60-(ー60×10%)}=54となる。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、(-4.99 million MNT(=128.57+89.79+46.65-270<0))となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

117

Appendix

IRR(内部利益率)法

計算が複雑となることに注意

IRR(内部利益率)=NPVがゼロとなる割引率のこと

資本コスト 投資案実行する< IRR

資本コスト > IRR 投資案実行しない

118

IRR法による投資意思決定の評価(例題)

Q9) 0年度末に270 million MNTの設備を現金で購入すると、1年度末から3年度末にわたって毎年100 million MNTの現金を得られる投資案がある。この投資案を採用するべきかどうか、内部利益率(IRR)法を用いて検討してください。なお、資本コストを5%とする。

解答→IRRは、( 5.46 )%となり、資本コストより( 高く・低く ) なる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

IRRをXとおくと、NPVがゼロとなるXを求めるには、下記の式を解けばよい

270=

計算が複雑なため、ExcelのIRR関数を用いると、X= 5.46%

100+

100+

100

(1+X) (1+X)2 (1+X)3

119

NPV法とIRR法の比較

メリット デメリット

NPV法

• 貨幣の時間的価値を考慮している。

• IRR法のように複雑な計算を要しない。

• 複数の投資案からひとつを採用する際に正しい評価ができる。

• 資本コストの算定に見積要素が含まれる。

IRR法

• 貨幣の時間的価値を考慮している。

• 資本コストがわからない場合でも内部利益率が算定できる。

• 規模の異なる複数の投資案を比較する場合には、額(規模)を無視してしまう

• 計算が複雑。但しExcelなどのスプレッドシートを利用すればこの問題は解決する。

120

ディスカッション

Q) あなたには、今手持ちの現金が十分にあり、どんな設備投資案に投資しようとする場合でも、借入金や株主発行等の資金調達をする必要がないと仮定します。一方、銀行預金の利息は年利10%と高めの利率となっています。このような状況ですと、単純に考えれば、内部利益率が10%以下の投資案に投資するよりも、銀行預金をした方が有利ということになります。ここで、内部利益率が9%と見積もられる投資案件がありました。あなたは経営者としてこの案件に投資しますか?検討してみてください。

121

期待値と投資意思決定の評価(例題)

Q9) 今後の経済情勢によって、将来キャッシュフローが変化し、下記のような確率で内部利益率が変動する投資案Xがあります。資本コストを5%としたとき、投資案Xに投資するべきでしょうか?

解答投資案XのIRRの期待値は、4.1%(=5%×30%+4%×50%+3%×20%)<5%となる。よって投資案Xには投資すべきではない。

122

経済情勢 良化 普通 悪化

確率 30% 50% 20%

XのIRR 5% 4% 3%

将来予測の不確実性

投資意思決定の評価においては、NPV法、IRR法などどのような方法を使っても、将来キャッシュ・フローまたは会計的利益の予測や見積もりが必要なため、どうしても不確実性は伴うものである。たとえ前頁の例題のように期待値を用いても、経済情勢と確率を予測しなければならないので、どんなに緻密に計算をしても不確実性が伴うことになる。

→ 完璧な方法ではない。

123

ただし、4つの方法のいずれも使わずに投資意思決定を行うのは、経営上のリスクが高い。

資本コストの構造

資本コスト

(加重平均資本コスト:WACC)

自己資本コスト(%)=安全資産利子率

+β×マーケットリスクプレミアム(MRP)

負債コスト(%)

=負債利子率×(1-法人所得税率)

注意)資本コストで割引く対象は税引後FCFなので、負債コストの計算も税引後の数値を用いる。

両者の時価残高割合で加重平均する

124

Appendix

自己資本コストの求め方

自己資本コストは、株式の期待収益率そのものということができる。株式期待収益率は、リスクフリー投資の利回り(=国債利子率)に株式への投資を誘引するために必要となるリスクプレミアムを加味した値であり、一般的に下記のような算式となる。これを(Capital Asset Pricing Model : CAPM)という。

自己資本コスト=安全資産利子率+β×(株式市場全体の投資収益率-安全資産利子率)

リスクフリー投資の利回り。通常は10年満期国債の利子率

マーケットリスクプレミアム(Market Risk Premium)

ベータ値と読み、株式市場全体(株価指数)に対する、各個別銘柄の株価の感応度のことをいう。例えばβ値が2の場合、市場全体の株価指数が1%変動したとき、その企業の株価は2%変動することになる。各企業によって異なるものである。

125

Appendix

マーケットリスクプレミアム

マーケットリスクプレミアム(Market Risk Premium)は、過去の実績から算定するものであるが、企業評価実施者が過去何年間分のMRPを採用するかによって、その数値が若干異なってくる。下記のデータは、各国のファイナンス研究者や実務家へのアンケートによって収集、集計されたMRPの水準である。

Countries Japan USA China Korea Mongolia

MRPの中央値(Median) 6.1% 5.7% 7.8% 6.8 ?

(参考)S&Pによる国債格付け

A+ AA+ A+ AA B-

(出典)Market Risk Premium and Risk Free Rate used for 41 countries in 2017-IESE Business School; Pablo Fernandez, Vitaly Pershin and Isabel F. Acin

126

Appendix

リスクとリターン

国債金利=時間価値+インフレ率

2.5%

10%

リスク(β値)0 1

国債

リスクプレミアム

平均的な株式

ハイリスク・ハイリターンリターン

(期待収益率)

リターン

確率1.0

(100%)

0.5

2.5% 10%

株式

国債

<リスクとリターンの変動性>

127

Appendix

ご清聴ありがとうございました

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баярлалаа

128

財務管理

Mongolia-Japan Center

Jan,2020

講師紹介

講師氏名 千種 一信(ちぐさ かずのぶ;Kazunobu CHIGUSA)

職業 千種公認会計士事務所 代表(株)日本開発サービス 研究員

経歴 • 1998-2004 監査法人トーマツ(Deloitte. Tokyo)にて、財務諸表監査、システム監査、内部統制コンサルティング、内部監査支援業務等に従事

• 2004-現在 千種公認会計士事務所開業。企業規模を問わず会計、税

務、財務等のコンサルティング業務、また財務諸表監査、内部監査、M&A支援、海外進出支援業務等に従事

• 2012-2013 JICA短期シニア海外ボランティアとしてカンボジア国に派遣。カンボジア日本人材開発センター(CJCC)にて、現地中小企業のコンサルティング業務等に従事

• 2018-現在 モンゴル日本センター(Mojc)、ミャンマー日本センター(MJC)、キルギス日本センター(KRJC)において、JICA専門家として、各センターで行われるビジネスコースの財務管理の講師に従事

資格 公認会計士税理士

2

(免責事項)

本講義の、ケーススタディーで利用する「DN社」の財務諸表は、モンゴル国の上場企業のひとつをモデルにしたものですが、講義の便宜上、各科目の金額や科目名称等を変更したり、仮定をおいたりしています。本講義の目的は、受講生に財務諸表を用いた分析方法を講義することであり、分析結果を

示すことは目的としていません。

よって、これ以降のケーススタディーで判明する分析結果は、あくまでも講義上の仮定等に基づくものであり、現実とは全く異なるものであることに注意してください。

受講生のほかこのテキストを入手・閲覧した者が、本講義における分析結果等に基づき、何らかの投資行動を行い、その結果がいかなるものになろうとも、研修講師及びMoJCは、一切の責任を負いません。

3

経営と会計の関係

計画

実行

評価

改善

経営管理会計

財務会計

• 財務分析-CVP分析-限界利益分析

• 投資意思決定

• 財務分析-財務諸表比較分析-財務諸表分析

4

講義内容

1. 財務諸表と資金

2. 財務分析

3. 投資意思決定の評価

5

会計情報

公認会計士上場企業等

財務諸表 監査報告書

会計基準

監査意見表明

利害関係者(株主、債権者、投資家、従業員等)6

財務諸表の構造

(ⅰ) 貸借対照表* B/S

(ⅱ) 損益計算書 P/L

(ⅲ) 包括利益計算書 C/I

(ⅳ) キャッシュ・フロー計算書 C/F

(ⅴ) 株主資本変動計算書 S/S

(ⅵ) 財務諸表に対する注記

C/I財務諸表

7

Note*IFRSでは、Statement of Financial Position:F/P(財政状態計算書)

負債Liabilities

株主資本

Equity

Money

Money

Use

貸借対照表の構造1

資産Assets

8

貸借対照表の構造2

資産

Assets

負債Liabilities

株主資本Equity

貸借対照表の意義

(1) ある一定時点における企業の資産、負債、株主資本の状態を表しA=L+Eである

(2) A=資金(キャッシュ)の使途を表す

(3) L=支払、返済しなければならない資金を表す

(4) E=支払、返済が不要な資金を表す

(5) 前期末と当期首の数値は必ず一致する

(6) Aの金額、あるいはL+Eの金額を総資産とも呼ぶ

9

損益計算書の構造

100

60

25

40

15

15

損益計算書の意義 一定期間、通常は1年間の利益(または損失)を表す

売上 100

売上原価 -40

売上総利益 60

販売費・一般管理費 -15

その他の収益・費用等 -5

営業利益 40

金融収益・費用 -15

税引前当期純利益 25

法人所得税 -5

当期純利益 20

20

10

キャッシュ・フロー計算書の構造

キャッシュ・フロー計算書の意義一定期間、通常は1年間の現金の増加・減少の理由を表す

営業活動によるキャッシュ・フロー [ 7,250]

投資活動によるキャッシュ・フロー [ -4,700]

財務活動によるキャッシュ・フロー [ -900]

現金正味増加(または減少)額合計 [ 1,650]

<キャッシュ・フロー計算書>企業の本業の営業活動によってどれだけキャッシュを稼いだかを示す(当期純利益のキャッシュ・フロー版)

資本投資と金融投資に関するキャッシュ・フロー

会社と株主及び会社と銀行等債権者との取引

現金期首残高 [ 3,000]

現金期末残高 [ 4,650]

<貸借対照表より>

11

貸借対照表の現金及び現金同等物残高の期首期末の差額と原則一致する

営業活動によるキャッシュ・フロー(直接法)

営業活動によるキャッシュ・フローは、商品の販売や商品の仕入、従業員等に対する給料の支払いや家賃等の営業経費といった、企業の本業の営業活動によってどれだけキャッシュを稼いだかを示す

営業活動によって支出した現金(預金)額を記載する。なお、商品を仕入たり、サービスを提供してもらっても、代金の支払をまだ行ってなければここには記載されない

12

営業活動によって獲得した現金(預金)収入を記載する。なお、商品やサービスを売上げても、代金が未回収ならば、ここには記載されない。

ҮНДСЭН ҮЙЛ АЖИЛЛАГААНЫ МӨНГӨН ГҮЙЛГЭЭ 営業活動によるキャッシュ・フロー

Мөнгөн орлогын дүн 収入額合計 21,100

Бараа борлуулсан, үйлчилгээ үзүүлсний орлого 商品販売・サービス代金回収による収入 20,000

Эрхийн шимтгэл, хураамж, төлбөрийн орлого ロイヤリティ・手数料収入 500

Даатгалын нөхвөрөөс хүлээн авсан мөнгө 保険金収入 100

Буцаан авсан албан татвар 還付税金収入 150

Татаас, санхүүжилтийн орлого 補助金収入 300

Бусад мөнгөн орлого その他の現金収入 50

Мөнгөн зарлагын дүн 支出額合計 13,850

Ажиллагчдад төлсөн 従業員給与の支払額 6,000

Нийгмийн даатгалын байгууллагад төлсөн 社会保険料の支払額 1,000

Бараа материал худалдан авахад төлсөн 棚卸資産取得のための支出 1,500

Ашиглалтын зардалд төлсөн 営業活動費用の支出 3,950

Түлш шатахуун, тээврийн хөлс, сэлбэг хэрэгсэлд төлсөн 燃料費・輸送費等の支出 500

Хүүний төлбөрт төлсөн 利息の支払額 400

Татварын байгууллагад төлсөн 法人所得税の支払額 350

Даатгалын төлбөрт төлсөн 保険料の支出 100

Бусад мөнгөн зарлага その他の支出 50

Үндсэн үйл ажиллагааны цэвэр мөнгөн гүйлгээний дүн 営業活動によるキャッシュ・フロー合計 7,250

投資活動によるキャッシュ・フロー

資本投資• 固定資産のキャッシュベースの増加、減少• 買収・合併によるキャッシュベースの増加、減少 など

金融投資 • 金融資産(貸付金、有価証券等)のキャッシュベースの増加、減少など

資本投資合計

-2,900

金融投資合計

-1,800

13

ХӨРӨНГӨ ОРУУЛАЛТЫН ҮЙЛ АЖИЛЛАГААНЫ МӨНГӨН ГҮЙЛГЭЭ 投資活動によるキャッシュフロー

Мөнгөн орлогын дүн 収入額合計 2,700

Үндсэн хөрөнгө борлуулсны орлого 固定資産の売却による収入 1,500

Биет бус хөрөнгө борлуулсны орлого 無形資産の売却による収入 100

Хөрөнгө оруулалт борлуулсны орлого 投資資産の売却による収入 400

Бусад урт хугацаат хөрөнгө борлуулсны орлого その他の非流動性資産の売却による収入 150

Бусдад олгосон зээл, мөнгөн урьдчилгааны буцаан төлөлт 貸付金の回収による収入 200

Хүлээн авсан хүүний орлого 利息の受取額 50

Хүлээн авсан ногдол ашиг 配当金の受取額 300

Мөнгөн зарлагын дүн 支出額合計 7,400

Үндсэн хөрөнгө олж эзэмшихэд төлсөн 固定資産の取得による支出 4,000

Биет бус хөрөнгө олж эзэмшихэд төлсөн 無形資産の取得による支出 500

Хөрөнгө оруулалт олж эзэмшихэд төлсөн 投資資産の取得による支出 250

Бусад урт хугацаат хөрөнгө олж эзэмшихэд төлсөн その他の非流動性資産の取得による支出 150

Бусдад олгосон зээл болон урьдчилгаа 貸付金による支出 2,500

Хөрөнгө оруулалтын үйл ажиллагааны цэвэр мөнгөн гүйлгээний дүн 投資活動によるキャッシュ・フロー合計 -4,700

財務活動によるキャッシュ・フロー

会社と債権者との間の取引合計

-600会社と株主との間の取引合計

-300

会社⇔債権者との取引 • 借入金の実行、返済 社債の発行、償還など

会社⇔株主の取引• 増資、減資(キャッシュベース)• 配当金の支払(キャッシュベース) など

14

САНХҮҮГИЙН ҮЙЛ АЖИЛЛАГААНЫ МӨНГӨН ГҮЙЛГЭЭ 財務活動によるキャッシュ・フロー

Мөнгөн орлогын дүн 収入額合計 1,700

Зээл авсан, өрийн үнэт цаас гаргаснаас хүлээн авсан 社債の発行・借入金による収入 1,500

Хувьцаа болон өмчийн бусад үнэт цаас гаргаснаас хүлээн авсан 株式の発行による収入 200

Мөнгөн зарлагын дүн 支出額合計 2,600

Зээл, өрийн үнэт цаасны төлбөрт төлсөн мөнгө 社債の償還・借入金の返済による支出 2,000

Санхүүгийн түрээсийн өглөгт төлсөн リース債務の支払 100

Хувьцаа буцаан худалдаж авахад төлсөн 減資による支出 200

Төлсөн ногдол ашиг 配当金の支払額 300

Санхүүгийн үйл ажиллагааны цэвэр мөнгөн гүйлгээний дүн 財務活動によるキャッシュ・フロー合計 -900

財務諸表の読み方の基本1

1. 合計値の再計算 貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の各合計値科目の数値は正しいか?

2. 各財務諸表及び財務諸表間の整合性のチェック

貸借対照表について、資産合計=負債・株主資本合計となっているか? 貸借対照表の前年度期末残高と当期首残高は一致しているか? キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の期首残高、期末残高は貸借対照表の現金及び現金同等物残高と整合しているか?

キャッシュ・フロー計算書の現金及び現金同等物の前期末残高と当期首残高は一致しているか?

→チェック結果にエラーがある場合は、財務諸表そのものが間違っていることになる。

15

財務諸表の読み方の基本2

3. 財務諸表の各科目の前期比較を実施する<貸借対照表>• 残高のある科目について、前年度の差額と増減率(%)を計算する• 前年度と比較して「著しい増減」がある科目について、その理由を把握、調査する。なお「著しい増減」と

は、会社の状況によるものの、総資産の5%以上の残高がある科目について、前期比10%以上の増減があるものを目安とするとよい。

<損益計算書>• 残高のある科目について、前年度との差額と増減率(%)を計算する。• 前年度と比較して「著しい増減」がある科目について、その理由を把握、調査する。なお「著しい増減」と

は、会社の状況によるものの、税引前当期純利益の5%以上の残高がある科目について、前期比10%以上の増減があるものを目安とするとよい。

<キャッシュ・フロー計算書>• 残高のある科目について、前年度との差額と増減率(%)を計算する。• 前年度と比較して「著しい増減」がある科目について、その理由を把握、調査する。なお「著しい増減」と

は、会社の状況によるものの、当該科目合計値の5%以上の残高がある科目について、前期比10%以上の増減があるものを目安とするとよい。

→正確な財務諸表を作成していなければ、正確な比較もできない。

16

財務諸表の読み方の基本3

4. 前年度と比較して著しい増減があった場合の調査ポイントの例<貸借対照表>• 営業債権(Account receivable)の増加→長期滞留のものがないか?• 営業債務(Account payable)の増加→支払が遅延しているものはないか?• 棚卸資産の増加→一時的なものか、それとも製品が売れなくて滞留しているのか? など

<損益計算書>• 利益の増減→売上の増減によるものか、売上原価や費用の増減によるものか• 売上の増減→どの製品、サービスが原因となっているか?• 費用の増減→どの費用が原因か、増減が著しい費用についてはその理由はなにか? など• 費用の増減については、売上と各費用の比率、例えば、売上原価率(=売上原価÷売上高)、一般

管理費比率(一般管理費÷売上高)でも比較してみる。

<キャッシュ・フロー計算書>• 各キャッシュ・フロー項目の増減の原因は何か?• 営業キャッシュ・フローがプラス、投資及び財務キャッシュフローがマイナスという理想的な形になっているか、

そうでない場合は何が原因しているか?→財務分析の講義で説明予定

→もしどうしても原因がわからない著しい増減があった場合、財務諸表の数値が誤っている可能性がある。

17

財務諸表の読み方

DN社の2016年度、2017年度の比較財務諸表は別紙のとおりとなっています。あなたがDN社の経営者であった場合、2017年度の財務諸表において、あなたはどの科目に注目して、前年度と比較した場合の著しい増減の理由を社員に調査させますか?前頁までの「財務諸表の読み方の基本」に沿って数値や比率などを計算し、貸借対照表、損益計算書について、注目すべき科目を挙げてください。

18

<ケーススタディ>

キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法1

キャッシュ・フロー計算書 営業活動によるキャッシュ・フロー欄

直接法商品の販売や、仕入、給料の支払い、経費の 支払いなどの主要な取引ごとにキャッシュ・フローを総額表示

間接法損益計算書の当期純利益を出発点とし、そこに調整を加えることで誘導的に営業キャッシュ・フローを表示

キャッシュ・フロー計算書 メリット デメリット

直接法・営業キャッシュ・フローを構成するキャッシュ項目に関して収支の全貌が把握しやすい。

・作成に手間がかかる。・利益とキャッシュ・フローの差異の原因が間接法ほどすぐには判明しない。

間接法・作成が容易。・利益とキャッシュ・フローの差異の原因がすぐにわかる。

・営業キャッシュ・フローを構成するキャッシュ項目を直接把握することができない。

IFRSでは直接法が原則であるが、間接法での作成も認められる。モンゴルでは直接法が原則である。一方日本では上場企業の約9割が、間接法で作成している。

19

間接法で作成した場合、営業活動によるキャッシュ・フローは、当期純利益から得られるキャッシュ(現金)の増加を意味する。(税引後)当期純利益+調整項目金額=営業活動によるキャッシュ・フローとなる。

営業活動によるキャッシュ・フロー

当期純利益(税引後) 8,300

減価償却費 1,500

法人所得税費用 500

支払利息 700

金融およびその他の収入 -2,000

その他の収益 -1,700

営業債権の増減 -400

前払金の増減 1,000

棚卸資産の増減 -2,000

営業債務の増減 1,500

その他 600

小計 8,000

利息の支払額 -400

法人所得税の支払額 -350

営業活動によるキャッシュ・フロー 7,250

キャッシュ・フローに影響を与えない費用または収益(=非資金損益項目)

収益・費用とキャッシュ・フローの発生時期のズレ。前年度の貸借対照表と比較し、資産項目が増加(減少)した場合はキャッシュの減少(増加)、負債項目が増加(減少)した場合はキャッシュの増加(減少)となる。資産が減ればお金を回収、負債が減ればお金を支払ったと考える。

支払利息、法人所得税の支払額については、キャッシュベースで小計欄の下に記載する。

調整項目

当期純利益からどれだけキャッシュが増加したかを示す。 20

P/Lの営業利益より下の数値をマイナス(又はプラス)して営業利益まで遡る。

キャッシュ・フロー計算書の直接法と間接法2

ディスカッション

Q)正確な財務諸表を作成するために必要と思われる要素を3つ挙げてください。また、あなたの会社で正確な財務諸表を作成するために何らかの課題があれば、それもあわせて検討してみてください。

21

現金の収支(例題)

Q1)A社では、当月(3月)の取引において、売上が700(現金売上300、掛売上400)仕入が450(現金仕入250、掛仕入200)、各種経費が150(150すべて現金支払)でした。在庫はゼロと仮定し、このときの下記左欄の月次損益計算書を作ってください。また、下記右欄の「A社の実際の現金の収支」表の空欄も埋め、損益計算書と比較してください。さらに当月初の現金残高が100であった場合、A社はどうなるか検討してみてください。

<A社 月次損益計算書>

科目 3月

売上

仕入(売上原価)

売上総利益

各種経費

当期利益

A社 の実際の現金の収支

科目 3月

現金売上

現金仕入

各種経費現金支払

当期現金収支

22

現金の収支(解答)

Q1)解答 各数値は以下のとおり。また月初の現金が100であったとすると、月末の現金残高はゼロとなっているため、

翌日までに現金をどこからか調達しておかないと、資金がショートし、A社は当月黒字100にもかかわらず倒産する。

<A社 月次損益計算書>

科目 3月

売上 700

仕入(売上原価) 450

売上総利益 250

各種経費 150

当期利益 100

A社 の実際の現金の収支

科目 3月

現金売上 300

現金仕入 -250

各種経費現金支払 -150

当期現金収支 -100

3月初現金残高 100

3月末現金残高 0

23

→“資金繰り表”を作成し管理することが重要

資金繰り表の作成(例題)

Q2)B社について下記の前提条件のもと、次頁の資金繰り表の空欄を埋め、4月~7月の資金繰り表を完成させてください。

<前提条件>1)売上高は4月の売上高10,000から毎月10%ずつ増加することが見込まれている。2)売上のうち40%が現金売上、60%が掛売高であり、売掛金は翌月回収される。但し4月の売上回収額はゼロである。3)仕入高は、4月の仕入高7,500から毎月10%ずつ増加することが見込まれている。4)仕入のうち80%が現金仕入、20%が買掛金仕入であり、買掛金は翌月支払となっている。但し4月の買掛金支払高はゼロである。5)人件費は毎月1,000の現金払い、販管費も現金払いで売上に比例して増加する。6)7月に税金を現金で500支払う必要がある。7)6月に設備の購入のため、現金で1,000支払う予定である。8)取引先のひとつから、6月の製品販売(現金のみの販売)の前受金として、5月に現金で200受け取る予定である。9)4月に借入金を30,000し、5月から毎月元利あわせて5,000ずつ返済する予定である。10)7月に使わなくなった機械を売却し、20,000の現金収入があった。

24

Appendix

資金繰り表の作成(Q2解答用紙)

4月 5月 6月 7月

前月繰越 ① 2,500

営業収支

収入

売上代金

現金売上 4,000

掛売上の回収 0

その他前受金 0

その他の現金収入 0

営業収入 計 ② 4,000

支出

仕入代金

現金仕入 6,000

買掛金支払 0

その他

人件費

販売費・管理費 2,000

その他の支出 0

税金支払 0

営業支出 計 ③

営業収支 計 ④=②-③

財務収支

収入

借入金

その他の収入 0

財務収入 計 ⑤

支出

借入金の返済 0

その他の支出 0

財務支出 計 ⑥ 0

経常収支 ⑦=④+⑤-⑥

翌月繰越 ⑧=①+⑦ 27,50025

Appendix

資金繰り表の作成(Q2解答)

4月 5月 6月 7月

前月繰越 ① 2,500 27,500 21,800 14,710

営業収支

収入

売上代金

現金売上 4,000 4,400 4,640 5,324

掛売上の回収 0 6,000 6,600 7,260

その他前受金 0 200 0 0

その他の現金収入 0 0 0 20,000

営業収入 計 ② 4,000 10,600 11,240 32,584

支出

仕入代金

現金仕入 6,000 6,600 7,260 7,986

買掛金支払 0 1,500 1,650 1,815

その他

人件費 1,000 1,000 1,000 1,000

販売費・管理費 2,000 2,200 2,420 2,662

その他の支出 0 0 1,000 0

税金支払 0 0 0 500

営業支出 計 ③ 9,000 11,300 13,330 13,963

営業収支 計 ④=②-③ -5,000 -700 -2,090 18,621

財務収支

収入

借入金 30,000 0 0 0

その他の収入 0 0 0 0

財務収入 計 ⑤ 30,000 0 0 0

支出

借入金の返済 0 5,000 5,000 5,000

その他の支出 0 0 0 0

財務支出 計 ⑥ 0 5,000 5,000 5,000

経常収支 ⑦=④+⑤-⑥ 25,000 -5,700 -7,090 13,621

翌月繰越 ⑧=①+⑦ 27,500 21,800 14,710 28,331 26

Appendix

資金繰り表を作成・レビューする際のポイント

資金繰り表の種類 ポイント

資金繰り計画表 <翌月繰越の欄がプラス&増加>・設備投資・将来に向けての投資・借入金の前倒し返済

などを検討

<翌月繰越の欄がゼロ以下>・資金の追加調達が必要・収益計画の見直しやコストの削減が必要

資金繰り実績表 <資金に余裕があるとき>・設備投資・将来に向けての投資・借入金の前倒し返済

などを検討

<資金不足の兆候があるとき>・収益の改善・売掛金の早期回収・買掛金の支払サイトの延長・追加の借入

などを検討

27

講義内容

1. 財務諸表と資金

2. 財務分析

3. 投資意思決定の手法

28

財務分析において財務諸表から読み取るべきポイント

収益性資本からどれだけ多くの利益を生み出すことができるか?

財務安全性十分な支払能力があるか?

成長性会社は成長しているか?

キャッシュ・フロー十分な現金を生んでいるか?

B/SP/L

C/F

29

収益性

収益性 資本からどれだけ多くの利益を生み出すことができるか?

自己資本当期純利益率(ROE)=当期純利益

自己(株主)資本

アウトプット:株主に帰属する利益

インプット:株主が拠出した資金(過年度の利益剰余金含む)

費用売上高

当期純利益

資産負債

自己(株主)資本

当期純利益÷自己資本

P/L B/S

→ROEは高いほどよい。また日本の中小企業のデータでは25%以上であると、ほぼ倒産確率がゼロに近くなるといわれている

30

ROEの分解

ROE=当期純利益

=当期純利益

×売上高

×総資産

自己資本 売上高 総資産 自己(株主)資本

=当期純利益

×売上高

÷自己(株主)資本

売上高 総資産 総資産

当期純利益率 総資産回転率財務レバレッジ

自己資本比率

費用売上高

当期純利益

資産負債

自己資本

P/L B/S

31

売上高当期純利益率と総資産回転率の分解

ROE=当期純利益

=当期純利益

×売上高

×総資産

自己(株主)資本 売上高 総資産 自己(株主)資本

売上原価= 原価率

売上高

営業利益= 売上高営業利益率

売上高

売上高= 売掛金回転率

売掛金

売上高= 棚卸資産回転率

棚卸資産

売上高= 固定資産回転率固定(非流動)

資産

32

財務安全性

財務安全性 十分な支払能力があるか?

短期の安全性 流動比率 =流動資産

> 100%流動(短期)負債

長期の安全性 自己資本比率 =自己(株主)資本

> 25%総資産

流動資産

流動(短期)負債

長期負債

固定(非流動)資産 自己資本

流動資産 流動(短期)負債

固定(非流動)資産

長期負債

自己資本

><

>25%< 25%

安全性が高い企業 安全性が低い企業

33

成長性

成長性 会社は成長しているか?

当期売上高成長率 =当期売上高-前期売上高

> GDP成長率前期売上高

出典)世界経済のネタ帳 http://ecodb.net/

単位:%

2016 2017

全世界 3.2 3.7

モンゴル 1.2 5.1

日本 1.0 1.7

経済成長率(実質GDP) 単位:%

出典)IMF World Economic Outlook

34

キャッシュ・フロー

営業キャッシュ・フロー

+投資キャッシュ・フロー

+財務キャッシュ・フロー

+ 換算差額 +現金等期首残高

=現金等期末残高

キャッシュ・フロー 十分な現金を生んでいるか?

営業キャッシュ・フロー

+ 資本投資 金融投資株主との取引

債権者との取引

現金等増減額

( >0 )

フリーCF( >0 )

・資本投資>減価償却費⇒資本投資に積極的である。

・資本投資<減価償却費⇒資本投資に消極的である。

・配当性向(*)>30%⇒配当金の支払に積極的である。

・配当性向<30%⇒配当金の支払に消極的である。

*)配当性向=支払配当金÷当期純利益

・現金回転率(*)<12回⇒現金残高は十分である。

・現金回転率>12回⇒現金残高は不十分である。

*)現金回転率=売上高÷現金及び現金同等物期末残高

35

標準値の考え方

36

当期純利益率、総資産回転率、自己資本比率の標準値はどう求めるか?

他社と自社を比較する場合• 同業他社3社~5社の平均値と比較する。→上場会社のデータならば、モンゴル証券取引所のWebページから各社の財務諸表を入手できるので、その売上高などの数値から各比率を求める。→ 当期純利益がマイナス(損失)になっている会社や、明らかに異常値を示している会社については、標準値の計算をする際は除外する。

自社自身のデータと比較する場合• 期首にたてた自社の年間目標値(予算値)と期末の実績値を比較し、目標の達成度を把握する。

• 自社の過去3~5年の数値の平均と比較し、当年度の状況を把握する。

今回のケーススタディでは、モンゴル証券取引所のTop20Indexの会社の中から、製造業5社を選びその平均値を標準値としている。

財務分析

a・DN社の2017年度の損益計算書と貸借対照表を使用して、P/L B/S分析表に数値を記入し①収益性、②財務安全性および③成長性について分析してください。なお、各比率は小数点第3位を四捨五入して第2位まで求めてください。

b・DN社の2017年度のキャッシュ・フロー計算書を使用して、C/F分析表に数値を記入し、①営業CFとフリーCFがプラスか否か、②その他留意点について分析してください。

c ・「まとめワークシート」を埋め、aとbの結果を点数化してください。

<ケーススタディ>

37

P/L・B/S 分析表

収益性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

ROE %

当期純利益率 % > 7.25 %

総資産回転率 % > 74.20 %

財務レバレッジ > 1.72

財務安全性 DN社の数値 基準 標準値判定✔or ☓

流動比率 % > 100.00 %

自己資本比率 % > 25.00 %

成長性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

売上高成長率 % > 5.10 %

<ケーススタディ>

38

C/F 分析表(1)

営業キャッシュ・フロー

[ ]

投資キャッシュ・フロー

[ ]

財務キャッシュ・フロー

[ ]

為替変動による影響

0

現金等期首残高

[ ]

現金等期末残高

[ ]

資本投資[ ]

金融投資[ ]

株主との取引[ ]

債権者との取引[ ]

フリーCF[ ]

現金及び現金同等物増減額

[ ]

減価償却費[ ]

支払配当金[ ]

当期純利益[ ]

配当性向[ ]

<ケーススタディ>

39

C/F 分析表(2)

フリーCF DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

営業CF > 0

営業CF+資本投資 > 0

その他留意点 DN社の数値基準

標準値 考察

資本投資(絶対値)>減価償却費?

YES or NO

配当性向 % > 30.00 %

現金回転率 回 < 12.00 回

<ケーススタディ>

40

まとめワークシート

財務諸表 項目 点数 考察

P/L 収益性 ( )/3

成長性 ( )/1

B/S 財務安全性 ( )/2

C/F キャッシュ・フロー ( )/2

合計 ( )/8 判定: [ ]

(評価方法) ✔:1点 ☓:0点(判定基準) A:8~7点, B:6~5点, C:4~3点, D: 2~0点

<ケーススタディ>

41

P/L・B/S 分析表

収益性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

ROE 2.9 %

当期純利益率 5.69 % > 7.25 % ☓

総資産回転率 39.42 % > 74.20 % ☓

財務レバレッジ 1.29 % > 1.72 ☓

財務安全性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

流動比率 816.42 % > 100.00 % ✔

自己資本比率 77.73 % > 25.00 % ✔

成長性 DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

売上高成長率 38.52 % > 5.10 % ✔

<ケーススタディ解答>

42

C/F 分析表(1)

営業キャッシュ・フロー

[ 1,782 ]

投資キャッシュ・フロー

[ -1,927 ]

財務キャッシュ・フロー

[ -1,051 ]

為替変動による影響

0

現金等期首残高

[ 3,319]

現金等期末残高

[ 2,123 ]

資本投資[ -1,130 ]

金融投資[ -797 ]

株主との取引[ -66 ]

債権者との取引[ -985 ]

フリーCF[ 652 ]

現金及び現金同等物増減額

[ -1,196 ]

減価償却費[ 1,187 ]

支払配当金[ 60 ]

当期純利益[ 1,090 ]

配当性向[ 5.50% ]

<ケーススタディ解答>

43

C/F 分析表(2)

フリーCF DN社の数値 基準 標準値判定

✔ or ☓

営業CF 1,782 > 0 ✔

営業CF+資本投資 652 > 0 ✔

その他留意点 DN社の数値基準

標準値 考察

資本投資(絶対値)>減価償却費?

YES or NO 資本投資にあまり積極的ではない

配当性向 5.50 % > 30.00 % 配当金の支払に消極的である

現金回転率 9.02 回 < 12.00 回 現金残高は十分である

<ケーススタディ解答>

44

まとめワークシート

財務諸表 項目 点数 考察

P/L 収益性 ( 0 )/3

成長性 ( 1 )/1

B/S 財務安全性 ( 2 )/2

C/F キャッシュ・フロー ( 2 )/2

合計 ( 5 )/8 判定: [ B ]

(評価方法) ✔:1点 ☓:0点(判定基準) A:8~7点, B:6~5点, C:4~3点, D: 2~0点

<ケーススタディ解答>

45

ROEとPBRの関係

ROE=当期純利益

自己資本

原則 ROEが増加するとき、株価が上昇してPBRも増加する

PBR

(株価純資産倍率)

=

株価

1株あたり自己資本(簿価)

出典: My INDEX http://myindex.jp/global_per.php

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

3.5

4

0.00% 5.00% 10.00% 15.00% 20.00%

PBR

ROE

ROE(%) PBR(倍)

Japan 8.88% 1.5

USA 14.59% 3.4

UK 8.09% 1.9

Australia 11.76% 2

Canada 10.23% 2.2

France 10.65% 1.8

Germany 10.75% 2

China 11.18% 1.7

India 13.70% 3

46

ROEと企業価値の関係

ROE=当期純利益

自己資本

原則 ROEが増加するとき、企業価値も増加する

PBR

(株価純資産倍率)

=

株価

1株あたり自己資本

自己資本時価

自己資本簿価

自己資本時価(自己資本価値)

企業価値

分母分子に株式数を掛けると

自己資本簿価は大きく変動しないから、

自己資本価値に負債価値を加えたものが企業価値であるから、

47

ROEの指標としての性質

・企業価値は企業にとって究極の定量目標である。・前述よりROEを増加させると企業価値も増加する。よって、企業価値を増加させるためにはROEを増加させることが重要である。

企業価値 ROE

当期純利益

総資産回転率

財務レバレッジ

企業の価格

48

ディスカッション

Q)あなたがDN社の経営コンサルタントだった場合、「まとめワークシート」に記載されたDN社の財務分析結果をみて、どのようなことをDN社にアドバイスしますか?検討してみてください。

49

講義内容

1. 財務諸表と資金

2. 財務分析

3. 投資意思決定の評価

50

経営と会計の関係

計画

実行

評価

改善

経営管理会計

財務会計

• 財務分析-CVP分析-限界利益分析

• 投資意思決定

• 財務分析-財務諸表比較分析-財務諸表分析

51

管理会計概要

管理会計

期間 短期 (≦1年) 長期 (>1年)

キーワード• 変動費、固定費• 限界利益

• キャッシュ・フロー• 時間価値

対象分野

• CVP分析• 限界利益分析• 短期経営計画

• 投資価値評価

52

P/Lの図解

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

直接原価計算方式のP/L

売上高 3,600

変動費(*1) 1,200

限界利益(*2) 2,400

固定費(*3) 1,800

税引前利益 600

(*1):売上高に応じて増減する費用

(例)商品売上原価、材料費、外注加工費、輸送費

(*2):売上高-変動費

(*3):変動費以外の費用、すなわち短期において固定的に発生する一定の費用

(例)人件費、減価償却費、支払利息

53

CVP分析(Cost-Volume-Profit Analysis ・・・・・損益分岐点分析)(例題)

Q1)下記P/L図解を使用して、損益分岐点売上高を求めてください。なお損益分岐点売上高とは、税引前利益がゼロとなる売上高のことをいい、損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動費率)

=固定費÷(1-(変動費/売上高))=固定費÷限界利益/売上高=固定費÷限界利益率 の式で求められる。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

(Note)

54

CVP分析の表

売上高線と費用線が交差するところにおいて、税引前利益がゼロとなるため、その点が損益分岐点(売上高)ということになる。

費用

売上高

費用線

売上高線

損益分岐点

実際売上高

変動費

3,600

2,700

固定費

900

55

CVP分析(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

Q1) 解答

・1,200/3,600=1/3≒33% 変動費率・2,400/3,600=2/3≒67% 限界利益率

∴損益分岐点売上高 1,800/限界利益率=1,800÷2/3=2,700

56

安全余裕率と労働分配率(例題)

Q2)下記P/L図解を使用して、安全余裕率と労働分配率を求めてください。なおそれぞれの式は下記のとおりです。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

・安全余裕率=売上高-損益分岐点売上高

×100売上高

・労働分配率=人件費

×100限界利益

(Note)

57

安全余裕率と労働分配率(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

Q2) 解答

・1,200/3,600=1/3≒33% 変動費率・2,400/3,600=2/3≒67% 限界利益率・1,800/限界利益率=2,700 損益分岐点売上高

∴ 安全余裕率=(3,600-2,700)/3,600×100=25%(>20%が望ましい)労働分配率=(1,200/2,400)×100=50%(業種によって標準は異なる)

58

目標利益達成のための売上高その1(例題)

Q3)下記P/L図解より、税引前利益1,400達成のための売上高を求めてください。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200→?

売上高3,600→X

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400→?

税引前利益600→1,400

(Note)

59

目標利益達成のための売上高その1(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費=(1,200/3600)X

売上高X

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

3,200

税引前利益1,400

Q3) 解答

・税引前利益1,400を達成するための売上高をXとすると、限界利益=固定費+税引前利益=1,400+1,800=3,200となる。売上高-変動費=限界利益なので、X-(1,200/3,600)X=3,200 となり、これよりxを求めると、X=4,800

∴ 税引前利益1,400MNTを達成するための売上高は4,800

60

目標利益達成のための売上高その2(例題)

Q4)下記P/L図解より、売上高税引前利益率25%を達成するための売上高を求めてください。なお、売上高税引前利益率は、次の式となります。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200→?

売上高3,600→X

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

2,400→?

税引前利益600→?

(Note)

・売上高税引前利益率=税引前利益

×100売上高

61

目標利益達成のための売上高その2(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費=(1,200/3600)X

売上高X

固定費1,800(人件費 1,200) 限界利益

?

税引前利益?

Q4) 解答

・売上高税引前利益率25%を達成するための売上高をXとすると、税引前利益÷X=0.25 → 税引前利益=0.25Xとなる。売上高-変動費-固定費=税引前利益なので、X-(1,200/3,600)X-1,800=0.25Xこの式よりXを求めると、X=4,320となり、このときの税引前利益=1,080、限界利益=2,880、変動費=1,440である。∴ 売上高税引前利益率25%を達成するための売上高は4,320

62

利益の改善(例題)

Q5)税引前利益を増加させるためには、下記P/L図解より、固定費を削減するか、変動費率を削減(限界利益率を増加させる)か、売上高を増加させるか、の3つの方法がある。この3つをどのような順番で達成していくべきか、理由とともに検討してください。

(Note)直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200→?

売上高3,600→?

固定費1,800(人件費 1,200)

→?限界利益

2,400→?

税引前利益600↑

63

利益の改善(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費1,200→ ?

売上高3,600→?

固定費1,800(人件費 1,200)

→?

限界利益2,400→?

税引前利益600→660

Q5) 解答

固定費の削減→変動費率の削減→売上の増加の順で達成していくべきである。その理由としては、まず売上増加は、顧客があってこそ成立するものであり、 顧客に依存する度合いが高いため、短期的に収益の改善を行うことは難しい場合が多い。一方、上記のPLで税引前利益を10%、すなわち60増加(600→660)させるためには、固定費を3.3%(=60÷1,800)削減するか、変動費を5%(=60÷1,200)削減する必要がある。両者の比率を比較した場合、固定費を削減する方が容易である。したがって、固定費をまず最初に削減すべきである。但し、これは、変動費率が33%(=1,200÷3,600)と相対的に低いP/Lを例としているためであり、変動費率が高い会社の場合は変動費の削減の方が数値的には容易となる。 64

従業員給与と会社利益の関係(例題)

Q6)労働分配率が一定であるとき、従業員の給与の増加は、必ずしも会社の利益を減少させることにはならない。従業員給与を20%増加させるケース(人件費1,440)を考え、この理由につき下図を用いて説明してください。

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800→2,040(人件費

1,200→1,440)限界利益

2,400

税引前利益600→?

(Note)

65

従業員給与と会社利益の関係(解答)

直接原価計算方式のP/L

変動費 1,200

売上高3,600

固定費1,800(人件費1,200) 限界利益

2,400

税引前利益600

Q6) 解答

従前の労働分配率は、労働分配率=人件費/限界利益より、1,200/2,400=0.5(50%)

労働分配率を変更しないならば、限界利益を増加させる必要があるため、1.440/限界利益=0.5より、限界利益=2,880となる。

このとき、税引前利益は2,880-2,040=840となり、税引前利益も増加する。

よって、売上の増加、または、変動費率の削減により限界利益を増加させることができれば、従業員の給与を増加させることができるとともに、会社の税引前利益も増加することとなり、賃上げと企業利益の増大は必ずしも対立するものではない。

変動費 1,200→?

売上高3,600→?

固定費2,040(人件費1,440) 限界利益

2,880

税引前利益840

66

ディスカッション

Q) ここまでの講義では、長期雇用の従業員を雇用していることを前提とし、人件費を固定費、すなわち売上高応じての増減はしない費用として考えてきました。しかしながら、業務の閑散によって雇用数を増減できる派遣労働者や、パートタイマー、アルバイトなど非正規雇用の従業員の人件費は、変動費として定義することができると思います。変動費として定義できる人件費を増やすことにより、会社にとって、どんなメリットとデメリットがあるか検討してみてください。

67

限界利益とセールスミックス

どのような企業にも従業員や在庫、そして時間といった資源には限りがある。その限りある資源を「制約条件」と呼ぶが、制約条件の中でどの製品を優先的に製造・販売していくか決める事を「最適セールスミックス」とよぶ。最適セールスミックスを行う理由は、会社の利益を最大化するためにある。

<制約条件の例>

■共通の制約条件・売上(販売)総額→市場競争が激しく製品全体の売上高に制約がある場合を想定する。・生産能力→原材料の調達(仕入)力、機械の製造能力、稼働可能時間、従業員数、労働時間などを想定する。

■各製品個別の制約条件・総需要数量→個別の製品ごとに、市場の需要数量が決まっている場合を想定する。・販売価格→個別の製品ごとに、価格が決まっている場合を想定する。

など

68

製品販売の優先順位(例題1)

Q7)下記C社の場合、利益を最大化させるためにはどの製品を優先的に製造、販売していけばよいでしょうか?

製品 a b

1個あたりの販売価格 100 40

1個あたりの変動費 40 10

1個あたりの限界利益 60 30

1個あたりの製造時間 2時間 3時間

C社の製品単位ごとのP/L

(制約条件)売上総額 = 4,000

69

製品販売の優先順位(解答1)

Q7)解答 本ケースの制約は売上総額である。よって、売上あたりの限界利益(限界利益率=限界利益÷販売価格)が最も⼤きい製品を販売することで、限界利益を最⼤化することができる。よって、製品bを製造販売すべきである。

製品 a b

1個あたりの販売価格 100 40

1個あたりの変動費 40 10

1個あたりの限界利益 60 30

限界利益率 60% 75%

1個あたりの製造時間 2時間 3時間

(NOTE)製品aを売上総額限界まで販売した場合、限界利益=(4,000÷100)個×60 = 2,400製品bを売上総額限界まで販売した場合、限界利益=(4,000÷40)個×30 = 3,000

70

製品販売の優先順位(例題2)

Q8)下記C社の場合、利益を最大化させるためにはどの製品を優先的に製造、販売していけばよいでしょうか?

製品 a b

1個あたりの販売価格 100 40

1個あたりの変動費 40 10

1個あたりの限界利益 60 30

1個あたりの製造時間 2時間 3時間

C社の製品単位ごとのP/L

(制約条件)製造可能時間 = 3,000時間

71

製品販売の優先順位(解答2)

Q8)解答 本ケースの制約は製造可能時間である。すなわち製造時間あたりの限界利益(=限界利益÷製造時間)が最も⼤きい製品を販売することで、限界利益を最⼤化することができる。よって、製品aを販売すべきである。

製品 a b

1個あたりの販売価格 100 40

1個あたりの変動費 40 10

1個あたりの限界利益 60 30

1時間あたりの限界利益 30 10

1個あたりの製造時間 2時間 3時間

(NOTE)製品aを製造可能時間限界まで販売した場合、限界利益=(3.000÷2)個×60= 90,000製品bを製造可能時間限界まで販売した場合、限界利益=(3,000÷3)個×30 = 30,000

→ ⼀般的に、制約条件当りの限界利益が最も⼤きい製品を売るべきである。72

製品販売の優先順位(製品3つ以上)

Q9) 下記A社の場合、限界利益を最大化させるためにはそれぞれの製品を何個ずつ生産販売していけばよいでしょうか?なお共通固定費を48,000とします。

73

Appendix

製品 製品X 製品Y 製品Z

1個あたり販売単価 100 40 80

1個あたり変動費 40 10 50

1個あたり限界利益 60 30 30

A社の製品単位ごとのP/L

制約条件 合計 製品X 製品Y 製品Z

最大需要量 個 12,000 30,000 15,000

最低生産量 個 1,000 1,000 1,000

1個あたり機械作業時間 時間 4 1 2

年間機械稼働能力(共通) 時間 60,000

74

Solverの適用(製品3つ以上) Appendix

製品販売の優先順位(制約条件なし)

Q10)下記C社の場合、当期純利益を最大化させるためにはどの製品を優先的に製造、販売していけばよいでしょうか?

製品 P Q R

総売上高 8,000 4,200 3,600

変動費 3,700 1,700 1,400

固定費 3,000 1,600 2,300

(税引前)当期純利益 1,300 900 -100

C社の製品ごとのP/L

(制約条件)特になし。P、Q、Rは顧客からみて類似した商品であり、同じ製造ライン、同じ人員で製造している。製造ライン(設備、人員)にはかなりの余裕がある。なお、変動費、固定費以外の費用はないものとする。また、販売数量が増減しても、固定費や製品1個あたりの販売価格には変化がないものとする。

75

Appendix

製品販売の優先順位(制約条件なし-解答)

Q10)解答 Rの製造販売に何らかの限界が来るまで、Rを優先的に製造・販売する。その後はQ→Pの順で優先的に販売する。すなわち制約条件が特になく、製造ラインにかなりの余裕がある場合は、限界利益率が高い製品を優先して製造・販売する。

製品 P Q R

限界利益率 53.7% 59.5% 61.1%

C社の製品ごとのP/L

76

(解説)比較する製品数が何個になっても、限界利益率の高い順に優先して製造・販売することになる。また、R製品は、当初の当期純利益がマイナスであるが、固定費額は変わらないため、販売量が増えるにしたがって、当期純利益はプラスとなり増加していく。

Appendix

追加注文に応じるか否かの意思決定(例題)

Q11) C社は、P製品を500個製造・販売している。P製品の1個当りの製造原価は100 (変動費80 、固定費20 )であり、P製品の販売単価は120 である。このたび、C社は、外国企業からP製品100個を販売単価85 で販売してほしいとの注文を受けました。D社がこの追加受注に応じることができる十分な設備能力、労働力があるため、追加注文によっても固定費は増加しないとしたとき、この注文に応じるべきでしょうか?

製品 P

売上高 60,000

変動費 40,000

限界利益 20,000

固定費 10,000

税引前利益 10,000

C社製品PのP/L

77

追加注文に応じるか否かの意思決定(解答)

Q11) 解答 税引前利益が500増加するので、C社は追加注文に応じるべきである。

追加受注前P/L 追加受注分 追加受注後合計

売上高 60,000 8,500 68,500

変動費 40,000 8,000 48,000

限界利益 20,000 500 20,500

固定費 10,000 - 10,000

税引前利益 10,000 500 10,500

(解説)追加注文に応じられる十分な生産能力、労働力があることを前提とした場合、追加注文に応じるか否かは、追加注文に伴う限界利益がプラスになるのかマイナスになるのかで判断する。プラスの場合は応諾し、マイナスの場合は拒絶するべきとなる。

78

予算実績分析(例題)

Q12) E社は、食品事業部門、不動産賃貸事業部門、ホテル事業部門の3つの事業部門をもつ会社です。現在この3つのうち、食品事業部門の業績が悪化しているため、その原因を分析することにしました。前年度の食品事業部門の売上高の計画上の予算、及び実績は以下のとおりでした。売上高の実績が予算を1,500,000下回っている要因を、価格差異と数量差異にわけて分析してください。なお、 数量差異=予算単価×(実績数量ー予算数量)

価格差異=実績数量×(実績価格ー予算価格) で求めます。

製品 予算 実績 差異

販売数量(個) 30,000 45,000 15,000

平均販売単価(MNT/個)

2,000 1,300 -700

売上高(MNT) 60,000,000 58,500,000 -1,500,000

E社食品事業部門売上高の予算と実績データ

79

予算実績分析(解答)

Q12) 解答 以下の図のとおりとなる。

(解説)販売数量は計画上の予算を大幅に上回ったが、販売単価の下落分を補うことができず、結果として売上高は実績が予算を-1,500,000MNT 下回ってしまったという意味になる→予算実績分析をする際は、必ず数量と単価で分けて分析することが重要

80

価格

数量

0 1,300 2,000

30,000

45,000

価格差異45,000×(1,300-2,000)=-31,500,000

数量差異2,000×(45,000-30,000)=30,000,000

Төсвийн гүйцэтгэлийн шинжилгээ (1)

81

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

価格

数量

価格

数量数量

数量

価格

価格

Үнэ

ҮнэҮнэ

ҮнэТоо

Тоо

ТооТоо

Тооны зөрүү数量差異

Үни

йн

зөр

үү価格差異

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

Appendix

Төсвийн гүйцэтгэлийн шинжилгээ (2)

82

価格

数量

価格

数量数量

数量

価格

価格

Үнэ

ҮнэҮнэ

Үнэ

Тоо

ТооТоо

Тоо

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

Борлуулалтын実績

Төлөвлөсөн予算

(-)Тооны зөрүү(-) 数量差異

(-)Үни

йн

зөр

үү(-)価

格差異

Appendix

Төсвийн гүйцэтгэлийн шинжилгээ (3)

83

価格

数量

価格

数量数量

数量

価格

価格

Үнэ

ҮнэҮнэ

Үнэ

Тоо

ТооТоо

Тоо

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

Борлуулалтын実績

Төл

өвл

өсө

н予算

Тооны зөрүү数量差異

(-)Үни

йн

зөр

үү(-)価

格差異

Appendix

Төсвийн гүйцэтгэлийн шинжилгээ (4)

84

価格

数量

価格

数量数量

数量

価格

価格

Үнэ

Үнэ

Үнэ Үнэ

Тоо

ТооТоо

Тоо

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

Төлөвлөсөн予算

Борлуулалтын実績

(-)Тооны зөрүү(-) 数量差異

Үни

йн

зөр

үү価格差異

Appendix

値下げの意思決定(例題)

Q13) MC社は、従来6,000MNTで50個販売していた製品M(1個あたり変動費2,000MNT、固定費の総額100,000MNT)を半額の3,000MNTで販売する計画である。この半額セールにより、税引前利益を増大させるためには、最低何個の製品Mを販売する必要があるでしょうか?ただし、一個あたりの変動費、及び固定費総額は販売価格を変更しても変わらないものとする。

半額セール実施前 半額セール実施後

売上高 300,000 @6,000×50 ? @3,000×?

変動費 100,000 @2,000×50 ? @2,000×?

限界利益 200,000 ?

固定費 100,000 - 100,000

税引前利益 100,000 ?

85

値下げの意思決定(解答)

Q13)解答 税引前利益を値下げ前より増加させるためには、製品Mを201個以上販売する必要がある。なお、200個の場合は従前と変わらない利益となる。

(解説)値下げ後に販売しなければならないMの個数をxとおく。値下げ後に当初の税引前利益100,000を上回らなければならないので、次の式が成立する。

3,000x-2,000x-100,000>100,000

これを変形して→1,000x>200,000→x>200

値下げをする場合は、販売数量の増加がどれだけ必要かについてよく検討すべきである。

86

価格と販売数量と税引前利益の関係

87

売上 300,000

個数 50

単価 6,000

変動費 100,000

個数 50

単価 2,000

限界利益 200,000

固定費 100,000

税引前利益 100,000

### 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 9,000 10,000 11,000 12,000

10 -110,000 -100,000 -90,000 -80,000 -70,000 -60,000 -50,000 -40,000 -30,000 -20,000 -10,000 0

20 -120,000 -100,000 -80,000 -60,000 -40,000 -20,000 0 20,000 40,000 60,000 80,000 100,000

30 -130,000 -100,000 -70,000 -40,000 -10,000 20,000 50,000 80,000 110,000 140,000 170,000 200,000

40 -140,000 -100,000 -60,000 -20,000 20,000 60,000 100,000 140,000 180,000 220,000 260,000 300,000

50 -150,000 -100,000 -50,000 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 350,000 400,000

60 -160,000 -100,000 -40,000 20,000 80,000 140,000 200,000 260,000 320,000 380,000 440,000 500,000

70 -170,000 -100,000 -30,000 40,000 110,000 180,000 250,000 320,000 390,000 460,000 530,000 600,000

80 -180,000 -100,000 -20,000 60,000 140,000 220,000 300,000 380,000 460,000 540,000 620,000 700,000

90 -190,000 -100,000 -10,000 80,000 170,000 260,000 350,000 440,000 530,000 620,000 710,000 800,000

100 -200,000 -100,000 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 800,000 900,000

110 -210,000 -100,000 10,000 120,000 230,000 340,000 450,000 560,000 670,000 780,000 890,000 1,000,000

120 -220,000 -100,000 20,000 140,000 260,000 380,000 500,000 620,000 740,000 860,000 980,000 1,100,000

130 -230,000 -100,000 30,000 160,000 290,000 420,000 550,000 680,000 810,000 940,000 1,070,000 1,200,000

140 -240,000 -100,000 40,000 180,000 320,000 460,000 600,000 740,000 880,000 1,020,000 1,160,000 1,300,000

150 -250,000 -100,000 50,000 200,000 350,000 500,000 650,000 800,000 950,000 1,100,000 1,250,000 1,400,000

160 -260,000 -100,000 60,000 220,000 380,000 540,000 700,000 860,000 1,020,000 1,180,000 1,340,000 1,500,000

170 -270,000 -100,000 70,000 240,000 410,000 580,000 750,000 920,000 1,090,000 1,260,000 1,430,000 1,600,000

180 -280,000 -100,000 80,000 260,000 440,000 620,000 800,000 980,000 1,160,000 1,340,000 1,520,000 1,700,000

190 -290,000 -100,000 90,000 280,000 470,000 660,000 850,000 1,040,000 1,230,000 1,420,000 1,610,000 1,800,000

200 -300,000 -100,000 100,000 300,000 500,000 700,000 900,000 1,100,000 1,300,000 1,500,000 1,700,000 1,900,000

210 -310,000 -100,000 110,000 320,000 530,000 740,000 950,000 1,160,000 1,370,000 1,580,000 1,790,000 2,000,000

価格

数量(個数)

ディスカッション

Q)前述MC社の取締役の一人から、自社の製品Mはあまり売れていないので、半額セールをするよりも、むしろ単価を12,000MNT/個に値上げをして利益を増大させるべきだとの意見がありました。この意見にあなたは賛成ですか、反対ですか? 賛否を明らかにした上でその理由について数値を使いながら検討してください。

88

需要の価格弾力性(Price elasticity )

89

価格

需要

価格が変化したときに需要の増加(または減少)分が大きい

価格が変化したときに需要の増加(または減少)分が小さい

奢侈品(luxury goods)• 宝石• 有名ブランドのバッグ• 高級車• 代替品(substitution goods)

があるもの など

必需品(necessary goods)• 小麦粉• パン• 電気代

• 水道代など

需要の価格弾力性をeとすると

e=-(需要の変化率÷価格の変化率)

となる。

需要の価格弾力性(Price elasticity )とマーケティング

90

1. 商品単独またはその商品マーケットにおける価格弾力性の把握価格弾力性は、売価変更を伴う実販売を行った際の販売データがないと算出できない。• 過去の売価変更の際のデータの蓄積が必要。• メーカーの場合は、取引先の小売業との情報共有やPOSデータ分析などを通じ、価格弾力性をつかむことができる。

2. 価格設定の考え方例えば、リニューアル商品をマーケットに投入する際、その商品マーケットの特性によって価格設定が異なる。• 価格弾力性の小さいマーケット→これまでより高い価格設定ができる可能性あり• 価格弾力性の大きいマーケット→低価格戦略が有効な可能性あり

価格弾力性だけで価格決定できるわけではないことに注意。

3. 売価コントロールの基準売価コントロールの基準として活用する。• 価格弾力性が小さい→値上げをしても需要減少の影響は少ない• 価格弾力性が大きい→値下げ戦略が効果的

やみくもに値下げ政策を採るのではなく、価格弾力性も基準に入れて商品別の売価コントロール戦略を検討すべき

管理会計概要

管理会計

期間 短期 (≦1年) 長期 (>1年)

キーワード• 変動費、固定費• 限界利益

• キャッシュ・フロー• 時間価値

対象分野

• CVP分析• 限界利益分析• 短期経営計画

• 投資価値評価

91

講義内容

1. 財務諸表と資金

2. 財務分析

3. 投資意思決定の評価

92

投資意思決定(投資価値)評価のプロセス

I R

• 投資額の決定• 毎期の経済的効果の見積

• 計算及び評価

• 投資キャッシュ・フローの見積

• キャッシュ・フローの見積

• 会計的利益の見積

• 経済命数• 時間価値• 資本コスト

• R>Iならば投資する

• R<Iならば投資しない

(評価プロセス

(検討事項

93

投資意思決定手法の種類

経済的効果の測定

キャッシュ・フローを利用 会計的利益を利用

貨幣の時間的価値

考慮する

• 正味現在価値法(Net Present Value method:NPV法)

• 内部利益率法(Internal Rate of Return method:IRR法)

考慮しない

• 回収期間法(Payback Period Method:PP法)

• 投資利益率法(Return On Investement method:ROI法)

94

回収期間法(PP法)

投資金額を回収できるまでの期間が、社内で定めた基準期間よりも短ければ投資を実行して、長ければ投資を行わないとする方法であり、貨幣の時間的価値は考慮しない。

メリット デメリット

回収期間法

• 計算が容易で誰にでも理解しやすい • 投資金額を回収した後のキャッシュフローを無視している。

• 社内で定める投資回収期間の基準について、その決め方に明確な方法がない。

• 貨幣の時間的価値を考慮していない。

95

回収期間法による投資意思決定の評価(例題)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末 4年度末以降

CF -270 50 100 150 毎期100

Q1)0年度末に270 million MNTの設備を現金で購入すると、毎期以下のような現金を得られる(回収できる)投資案がある。会社の定めた投資の回収期間は4年である。この投資案を採用するべきかどうか、回収期間法を用いて検討してください。

(単位:million MNT)

回収期間法を用いると、回収期間は( )年である。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

96

回収期間法による投資意思決定の評価(解答)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末 4年度末以降

CF -270 50 100 150 毎期100

Q1)解答下記のとおりとなる。

(単位:million MNT)

回収期間法を用いると、回収期間は( 2.8 (<4) )年である。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

(計算式)・2年度末までの回収額は150(=50+100)なので、未回収残は120(=270-150)。・3年度は150を回収するので、3年目は0.8年(=120÷150)で未回収残を回収できる。よって、2年+0.8年=2.8年

97

投資利益率法(ROI法)

メリット デメリット

投資利益率法

• 計算が容易で誰にでも理解しやすい • 会計的利益を利用するため、実際のキャッシュ・フローの収支と差額が出る可能性がある。

• 平均利益を使うため、投資の回収タイミングが考慮されていない。

• 貨幣の時間的価値を考慮していない。

98

投資利益率法(Return On Investement method:ROI法)とは、

という計算式により、投資利益率を求め、この比率の大小により投資案を評価する方法であり、貨幣の時間的価値を考慮しない。

投資利益率(%) =税引後平均利益

× 100初期投資額

投資利益率法による投資意思決定の評価(例題)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末 4年度末 5年度末

投資案A

税引後利益 100 70 60 60 60

初期投資額 -270

Q2)0年度末に270 million MNTの初期投資をすると、毎期以下のような利益(税引後利益)を得られる投資案Aがある。会社の規定では、ROIが25%以上であれば投資案を採用すべきことになっている。投資利益率法を用いて、この投資案を採用するべきかどうか、検討してください。また6年目以降の利益は考慮しないものとする。

(単位:million MNT)

投資利益率法を用いると、ROIは ( )%である。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

99

投資利益率法による投資意思決定の評価(解答)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末 4年度末 5年度末

投資案A

税引後利益 100 70 60 60 60

初期投資額 -270

Q2)解答下記のとおりとなる。

(単位:million MNT)

投資利益率法を用いると、ROIは ( 25.92 (>25.0) )%である。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

100

(計算式)・税引後平均利益=(100+70+60+60+60)/5=70・ROI=70/270=25.92%

貨幣の時間的価値

現在(0年) 1年後

将来価値 10,000 10,50010,000×(1+0.05)=10,500

現在価値 9,524 10,00010,000÷(1+0.05)=9,524

●年利率5%で運用した場合

現在の9,524は、1年後の10,000と価値が等しい→9,524は1年後の10,000の現在価値

101

貨幣の時間的価値(例題)

現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後

現在価値 ? 10,000

計算式 ?

Q3)ある銀行に預金すると、年利率10%(複利)で運用可能である。5年後に元本利息一括で10,000 million MNT得るためには、いくら預金すればよいでしょうか?

(単位:million MNT)

102

貨幣の時間的価値(解答)

0年 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後

現在価値 6,209 10,000

計算式10,000

(1+0.10)5

Q3)解答 下記表のとおり、6,209 million MNTとなる。

6,209

(単位:million MNT)

103

現価係数

年利率r%でn年運用した際、P MNTをn年後に得られるとすると、それぞれの現在価値は下記の現価係数にPを乗じることにより表すことができる。

→前頁の例題よりP=10,000million、r=10%、n=5年とすると、10,000×0.6209=6,209となる。

104

現在 1年後 2年後 3年後 4年後 5年後 n年後

現価係数

r = 5% 1 0.9524 0.9070 0.8638 0.8227 0.7835

r = 10% 1 0.9091 0.8264 0.7513 0.6830 0.6209

1

(1 + r)2

1

(1 + r)3

1

(1 + r)4

1

(1 + r)5

1

(1 + r)n

1

(1 + 0.05)n

1

(1 + 0.10)n

1

(1 + r)1

1

(1 + r)0

投資の判断と資本コスト(例題)

Q4)前の「貨幣の時間的価値」の例題は、読み替えると、今6,209millomMNTの現金を投資すれば、5年後に10,000millomMNTの現金を得られる投資案件であるということがいえます。ただし、あなたは今6,209millomMNTの現金を持っていないので、どこからか調達する必要があります。下記の1)から3)いずれかの形で資金を調達することができた場合、あなたはこの投資案件に投資するでしょうか?

1) 金融機関から年利率8%、5年後元利一括払いの借入をすることができた場合2) 自社の株式を発行して、投資家から資金調達した場合。ただしこの株式を購入した投資家は、他人にいつでも売却することが可能なものとし、また配当は不要とする。3) 1枚1,000MNTで買った宝くじが偶然当選し、6,209millomMNTを賞金として得た場合。

105

資本コストと割引率

採用される投資案は、各種資金調達に伴うコスト(=資本コスト)を上回る利益をもたらす必要がある。したがって、r=資本コスト となる。

利率(割引率)=r をどのように設定するか?

資本コスト投資案が必要とする最低の利益率

資本の調達源泉

調達に伴うコスト

・株式 ・株式の期待収益率・支払配当金

・借入金・社債

・支払利息

106

NPV(正味現在価値)法

NPVは、将来的なキャッシュ・フローを現在価値に割り戻した上で、当初の投資額を差し引いたもの

NPV 投資案実行する

ゼロ

NPV

ゼロ 投資案実行しない

107

NPV法による投資意思決定の評価(例題1)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

CF

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値

Q5) 0年度末に270 million MNTの設備を現金で購入すると、1年度末から3年度末にわたって毎年100 million MNTの現金(将来キャッシュ・フロー=CF)を得られる投資案がある。この投資案を採用するべきかどうか、正味現在価値法を用いて下表の空欄を埋め、検討してください。なお、資本コスト率を5%とする。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、( million MNT)となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

毎年度のCF割引現在価値の合計が正味現在価値(NPV)となる。

108

NPV法による投資意思決定の評価(解答1)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

CF -270 100 100 100

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値 -270 95.24 90.7 86.38

Q5)解答 以下のとおりであり、この投資案を採用すべきである。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、(2.32 million MNT(=95.24+90.7+86.38-270>0))となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

109

NPV法による投資意思決定の評価(例題2)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

CF

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値

正味現在価値

Q6) 0年度末に270 million MNTの設備を現金で購入すると、1年度末と2年度末にそれぞれ50、3年度に200 million MNTの現金(将来キャッシュ・フロー=CF)を得られる投資案がある。この投資案を採用するべきかどうか、正味現在価値法を用いて下表の空欄を埋め、検討してください。なお、資本コストを5%とする。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、( million MNT)となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

110

NPV法による投資意思決定の評価(解答2)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

CF -270 50 50 200

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値 -270 47.62 45.35 172.76

正味現在価値 -4.27

Q6)解答 以下のとおりであり、この投資案を採用すべきではない。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、(-4.27 million MNT(=47.62+45.35+172.76-270<0))となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

111

将来キャッシュ・フローの予測方法(簡便的な方法)

① 設備投資によって生じるそれぞれの期の売上の増加分、費用の増加分を予測し、税引前利益を算出する。

② ①に法人所得税率(10%)をかけて、法人所得税の支払分を差し引く③ ②に現金支出を伴わない費用(固定費)である減価償却費(投資した設備分)を加える。

※ 設備を何年か後に売却あるいは廃棄処分する予定がある場合、その売却・廃棄処分によるキャッシュ・フロー(税金分を考慮)を加減する。

112

<計算式>① 売上の増加分ー費用の増加分=税引前利益② 税引前利益×法人所得税額=法人所得税支払額

税引前利益ー法人所得税支払額=税引後利益③ 税引後利益+減価償却費(投資した設備分)=毎年の将来キャッシュフロー(CF)

※ (設備売却または処分によるキャッシュ・フロー)-(売却・処分損益(→損はマイナス)×法人所得税率)

将来キャッシュ・フローの予測(例題1)

Q7) F社では、0年度末に270millionMNTの設備を現金で購入しようとしている。この投資案を実行した場合の1年度末~3年度末の将来キャッシュ・フローを予測し、次頁の[ ]内に数値を記入してください。なお、投資案を実行した場合の売上高の増加分などの予測値は以下のとおりである。

1. 毎期の売上高の増加分はそれぞれ次頁に記載された数値のとおりと予測された。

2. 毎期の変動費の増加分はそれぞれ売上高の増加分の20%と予測された。3. 毎期の固定費の増加分の予測はそれぞれ次頁のとおりと予測された。これには

減価償却費の増加分が含まれる。4. 減価償却は、残存価額ゼロ、耐用年数3年の定額法で行う。5. 法人所得税率は10%である。6. 3年度末にこの設備は廃棄するものとする。よって設備の売却損益は生じない。

また処分費用もかからないとする。7. 単位はすべてmillionMNTである。

113

将来キャッシュ・フローの予測(解答用紙1)

年度 0年度 1年度末 2年度末 3年度末

売上高(増加分) 250 200 180

変動費(増加分) [ ] [ ] [ ]

固定費(増加分) 150 150 124

税引前利益(増加分) [ ] [ ] [ ]

法人所得税(増加分) [ ] [ ] [ ]

税引後利益(増加分) [ ] [ ] [ ]

減価償却費(増加分) [ ] [ ] [ ]

将来CF -270 [ ] [ ] [ ]

(単位:million MNT)

114

将来キャッシュ・フローの予測(解答1)

年度 0年度 1年度末 2年度末 3年度末

売上高(増加分) 250 200 180

変動費(増加分) 50 40 36

固定費(増加分) 150 150 124

税引前利益(増加分) 50 10 20

法人所得税(増加分) 5 1 2

税引後利益(増加分) 45 9 18

減価償却費(増加分) 90 90 90

将来CF -270 135 99 108

(単位:million MNT)

115

将来キャッシュフローの予測(例題2)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

将来CF

処分費用のCF - - -

CF合計

r=5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値

正味現在価値

Q8) 前頁Q7のようにF社の将来キャッシュ・フローを予測したものの、3年度末に設備を廃棄する際処分費用が60かかることが判明しました。将来キャッシュ・フローを修正し、この投資案を採用するべきかどうか、正味現在価値法を用いて下表の空欄を埋め、検討してください。なお、資本コスト率を5%とし、3年度末のF社の全体的な税引前利益はこの処分費用を考慮しても黒字になるものとする。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、( million MNT)となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

116

Appendix

将来キャッシュフローの予測(解答2)

0年度末 1年度末 2年度末 3年度末

将来CF -270 135 99 108

処分費用のCF - - - -54

CF合計 -270 135 99 54

r =5%の現価係数 - 0.9524 0.9070 0.8638

CFの割引現在価値 -270 128.57 89.79 46.65

正味現在価値 -4.99

Q8)解答 以下のとおりであり、この投資案を採用すべきではない。なお、3年度末のCFは、108+{廃棄処分によるCF-(廃棄損×法人所得税率)}より、

108+{-60-(ー60×10%)}=54となる。

(単位:million MNT)

→正味現在価値は、(-4.99 million MNT(=128.57+89.79+46.65-270<0))となる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

117

Appendix

IRR(内部利益率)法

計算が複雑となることに注意

IRR(内部利益率)=NPVがゼロとなる割引率のこと

資本コスト 投資案実行する< IRR

資本コスト > IRR 投資案実行しない

118

IRR法による投資意思決定の評価(例題)

Q9) 0年度末に270 million MNTの設備を現金で購入すると、1年度末から3年度末にわたって毎年100 million MNTの現金を得られる投資案がある。この投資案を採用するべきかどうか、内部利益率(IRR)法を用いて検討してください。なお、資本コストを5%とする。

解答→IRRは、( 5.46 )%となり、資本コストより( 高く・低く ) なる。よって、この投資案を (採用すべきである・採用すべきではない)。

IRRをXとおくと、NPVがゼロとなるXを求めるには、下記の式を解けばよい

270=

計算が複雑なため、ExcelのIRR関数を用いると、X= 5.46%

100+

100+

100

(1+X) (1+X)2 (1+X)3

119

NPV法とIRR法の比較

メリット デメリット

NPV法

• 貨幣の時間的価値を考慮している。

• IRR法のように複雑な計算を要しない。

• 複数の投資案からひとつを採用する際に正しい評価ができる。

• 資本コストの算定に見積要素が含まれる。

IRR法

• 貨幣の時間的価値を考慮している。

• 資本コストがわからない場合でも内部利益率が算定できる。

• 規模の異なる複数の投資案を比較する場合には、額(規模)を無視してしまう

• 計算が複雑。但しExcelなどのスプレッドシートを利用すればこの問題は解決する。

120

ディスカッション

Q) あなたには、今手持ちの現金が十分にあり、どんな設備投資案に投資しようとする場合でも、借入金や株主発行等の資金調達をする必要がないと仮定します。一方、銀行預金の利息は年利10%と高めの利率となっています。このような状況ですと、単純に考えれば、内部利益率が10%以下の投資案に投資するよりも、銀行預金をした方が有利ということになります。ここで、内部利益率が9%と見積もられる投資案件がありました。あなたは経営者としてこの案件に投資しますか?検討してみてください。

121

期待値と投資意思決定の評価(例題)

Q9) 今後の経済情勢によって、将来キャッシュフローが変化し、下記のような確率で内部利益率が変動する投資案Xがあります。資本コストを5%としたとき、投資案Xに投資するべきでしょうか?

解答投資案XのIRRの期待値は、4.1%(=5%×30%+4%×50%+3%×20%)<5%となる。よって投資案Xには投資すべきではない。

122

経済情勢 良化 普通 悪化

確率 30% 50% 20%

XのIRR 5% 4% 3%

将来予測の不確実性

投資意思決定の評価においては、NPV法、IRR法などどのような方法を使っても、将来キャッシュ・フローまたは会計的利益の予測や見積もりが必要なため、どうしても不確実性は伴うものである。たとえ前頁の例題のように期待値を用いても、経済情勢と確率を予測しなければならないので、どんなに緻密に計算をしても不確実性が伴うことになる。

→ 完璧な方法ではない。

123

ただし、4つの方法のいずれも使わずに投資意思決定を行うのは、経営上のリスクが高い。

資本コストの構造

資本コスト

(加重平均資本コスト:WACC)

自己資本コスト(%)=安全資産利子率

+β×マーケットリスクプレミアム(MRP)

負債コスト(%)

=負債利子率×(1-法人所得税率)

注意)資本コストで割引く対象は税引後FCFなので、負債コストの計算も税引後の数値を用いる。

両者の時価残高割合で加重平均する

124

Appendix

自己資本コストの求め方

自己資本コストは、株式の期待収益率そのものということができる。株式期待収益率は、リスクフリー投資の利回り(=国債利子率)に株式への投資を誘引するために必要となるリスクプレミアムを加味した値であり、一般的に下記のような算式となる。これを(Capital Asset Pricing Model : CAPM)という。

自己資本コスト=安全資産利子率+β×(株式市場全体の投資収益率-安全資産利子率)

リスクフリー投資の利回り。通常は10年満期国債の利子率

マーケットリスクプレミアム(Market Risk Premium)

ベータ値と読み、株式市場全体(株価指数)に対する、各個別銘柄の株価の感応度のことをいう。例えばβ値が2の場合、市場全体の株価指数が1%変動したとき、その企業の株価は2%変動することになる。各企業によって異なるものである。

125

Appendix

マーケットリスクプレミアム

マーケットリスクプレミアム(Market Risk Premium)は、過去の実績から算定するものであるが、企業評価実施者が過去何年間分のMRPを採用するかによって、その数値が若干異なってくる。下記のデータは、各国のファイナンス研究者や実務家へのアンケートによって収集、集計されたMRPの水準である。

Countries Japan USA China Korea Mongolia

MRPの中央値(Median) 6.1% 5.7% 7.8% 6.8 ?

(参考)S&Pによる国債格付け

A+ AA+ A+ AA B-

(出典)Market Risk Premium and Risk Free Rate used for 41 countries in 2017-IESE Business School; Pablo Fernandez, Vitaly Pershin and Isabel F. Acin

126

Appendix

リスクとリターン

国債金利=時間価値+インフレ率

2.5%

10%

リスク(β値)0 1

国債

リスクプレミアム

平均的な株式

ハイリスク・ハイリターンリターン

(期待収益率)

リターン

確率1.0

(100%)

0.5

2.5% 10%

株式

国債

<リスクとリターンの変動性>

127

Appendix

ご清聴ありがとうございました

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баярлалаа

128


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