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Hyper-V 2.0活用法 ~ライブマイグレーション環境構築を中心に
したHyper-V活用法 日本仮想化技術株式会社
木下 兼一 [email protected]
自己紹介 • 木下 兼一(きのした けんいち) • 技術部所属 • 社内では主にHyper-V・XenServer関係の検証を担当
• 最近は自転車の方が詳しくなっているかもしれない・・・・・
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内容 • Hyper-Vの最新動向 • Hyper-Vでライブマイグレーション・フェイルオーバークラスタ環境を構築する際のポイント
• Hyper-Vで仮想化ライセンスについて
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Hyper-V最新動向
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Hyper-Vの最新動向 • ライブマイグレーション対応(Hyper-V 2.0)
– Hyper-V Server 2008 R2もライブマイグレーションに対応
• Red Hat Enterprise Linux 5.2,5.3,5.4のHyper-V上での動作をサポート – 統合サービスがLinuxカーネル2.6.32にマージ
• SCVMM 2008 R2がリリース
仮想化に必要とされる機能は一通り揃った 5
環境構築のポイント
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Hyper-VとAD • ライブマイグレーション環境やフェイルオーバー環境を構築する際にMicrosoft Cluster Service(MSCS)でクラスターを作るためにActive Directoryの構築は必須
• 仮想マシンの配布や集中管理を行う場合はSCVMMを使用することになるが、SCVMMもActive Directoryが必須
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ライブマイグレーション環境構築手順
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ライブマイグレーション環境 • 複数のHyper-VホストでMicrosoft Cluster
Service(MSCS)によるクラスターを構築し、その上で仮想マシンを動作させる
• 必要なもの – Active Directory ドメインコントローラー – Hyper-V ホスト(2台以上) – 共有ストレージ(FC or iSCSI)
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環境構築の注意点 • iSCSIターゲットがSCSI-3 Persistent
Reservationに対応していること • 共有ストレージには仮想マシン作成用の
LUN他にクォーラム領域用のLUNが必須(最低512MB)
• 仮想マシン作成用のLUNをMSCSに登録後Cluster Shared Volume領域に設定
• Hyper-Vホスト同士は同系列のCPUを使用する
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Active Directoryドメイン
MSCS
CSV
Hype-V ホスト1
Active Directory ドメインコントローラ
Hyper-V ホスト2
共有ストレージ (iSCSI Target)
ライブマイグレーション 構成図
VM
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AD構築とストレージ接続 1. AD構築
– ADは仮想マシンではなく、物理サーバーを別途用意した方が良い
2. Hyper-VホストをActive Directoryに登録 – Hyper-Vホスト名とIPアドレスが自動的にDNSに登録される
3. Hyper-Vホストから共有ストレージに接続 – iSCSIターゲットはPersistent Reservation対応が必要
– 接続後にLUNをNTFSでフォーマット
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MSCS構築とVM登録 4. MSCSを構築 5. MSCSをCluster Shared Volume(CSV)に設定
6. CSVに仮想マシン(VM)を作成 – 作成場所をCSVにする以外は、通常の仮想マシン作成手順でOK
7. VMをMSCSの管理対象に追加 – フェイルオーバークラスタマネージャーで登録 – 追加時に仮想マシンをシャットダウンしておく
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ライブマイグレーション構築完了後の状態
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フェイルオーバークラスターマネージャーのサービスに仮想マシンが登録され、仮想マシンを選択すると移行 メニューが表示される
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ライブマイグレーション実行 1. 他マシンより仮想マシンへリモートデスクトップで接続 2. リモートデスクトップで仮想マシンアプリケーション(タスクマネージャー等)を起動
3. Hyper-Vホストの[フェイルオーバークラスタマネージャー]の仮想マシンを選択、右の[仮想マシンを別ノードにライブマイグレーション]をクリックして移動先のHyper-Vホストを選択するとライブマイグレーションが開始
– リモートデスクトップが切断されない – 仮想マシン上のアプリケーションが終了しない
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ライブマイグレーションまとめ • ADが必要なことと、共有ストレージにクォーラム領域が必要である以外は他の仮想化環境のライブマイグレーション環境構築と変わらない
• 環境を構成するマシンが多くなるのでHyper-Vホストを多数使用した環境での運用向き
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Windowsのサーバーライセンス • ライセンスは2種類存在する 1. サーバライセンス
– OSを実行する権利 – メディアやプロダクトキーのことではない
2. CAL – サーバーにクライアントがアクセスするために必要なライセンス
正しくサーバーライセンスを用意しましょう 17
Windows Server 2008 R2のライセンス形態
エディション 物理インスタンス 仮想インスタンス
Windows Web Server 2008 R2
仮想or物理のどちらか 1つ
仮想or物理のどちらか 1つ
Windows Server 2008 R2 Standard Edition
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Windows Server 2008 R2 Enterprise Edition
1 4
Windows Server 2008 R2 Datacenter Edition
1 無制限
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ホスト1
Windows Server 2008 R2 Enterprise Edition License
×1(VM×4)
ホスト2
Windows Server 2008 R2 Enterprise Edition License
×1(VM×4)
正しいライセンスの例
• ホスト1では4仮想インスタンス実行可能
ライブマイグレーション
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間違ったライセンスの例
• ホスト1では4仮想インスタンス実行可能
ホスト1
Windows Server 2008 R2 Enterprise Edition License
×1(=VM×4)
ホスト2
Windows Server 2008 R2 Enterprise Edition License
×1(=VM×4)
仮想インスタンスの制限を超えてしまう
ライブマイグレーション
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ライセンス補足 • Windows Server 2008 R2 Datacenter Edition
– ボリュームライセンスのみ – 仮想インスタンスの実行数無制限
• Windows Server 2008 R2 Standard & Enterprise Edition – ライセンスで認められた仮想インスタンスを全て動作している際、物理インスタンスは管理とサービスのみ使用可
• 仮想インスタンスのライセンスは他の仮想環境(VMware・XenServer)でも有効
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その他の関連機能 • System Center Virtual Machine
Manager(SCVMM) – 仮想化マシンの管理 – 仮想マシンの配布 – P2V移行機能(Windows のみ対応) – ストレージマイグレーション機能(Quick Storage
Migration) • Microsoft Virtual Desktop Infrastructure(MS VDI)
– Hyper-Vの仮想マシンをリモートのデスクトップ環境として配布
– デスクトップはユーザー毎に提供の形となる – 配布環境はWindows XP SP3以降の環境対応
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Active Directory ドメイン
Remote Desktop Controller
Remote Desktop Host
クライアントPC
MS VDI 構成図
Hyper-V Active Directory ドメインコントローラ
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まとめ • 複数ホストでマイグレーションやフェイルオーバー運用等を行う場合は、Active Directory ドメインの構築が必須
• 仮想マシンを別ホストに移行する際のライセンスに関して注意が必要
• 環境移行は計画的に
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