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在宅血液透析(HHD)における、自己穿刺(および介助者穿刺)の割合は約97%※1である。穿刺を行わない、留置カテーテルを用いた在宅血液透析について、可能性を検討した。

P-007留置カテーテルを用いた在宅血液透析の可能性

医療法人心信会 池田バスキュラーアクセス透析・内科杉本謄寿、岩下廉史、川原田貴士、古賀福美、鎌田紗貴子、森藤祐美、平口美知子、安田透、池田潔

要旨

訓練の実際

清潔操作、シリンジによるポンピング、血液回路との接続など、患者・スタッフともに統一した手技で訓練を進めることができる。

出口部感染防止のため、グルコン酸クロルヘキシジン含有の保護パッチを使用し、その上からドレッシング材で覆う。

非透析時のガーゼ保護。防水テープで覆うことで、シャワー浴も可能。

患者背景

統一した手技を用いることで少ない経験ながら、平均約3か月の訓練期間を実現。今後さらに短縮していく計画。また、在宅血液透析では、施設透析に比べ透析量を多くとることができている。

在宅血液透析が安定的に行えている患者であっても、自己穿刺に対してストレスを抱えていることは少なくない。また、指導する側のスタッフも、自己穿刺の指導方法修得までには時間を要する。感染に注意した適切な管理の下で、誰でも簡単に、統一した手技で行える留置カテーテルを用いた在宅血液透析は、在宅血液透析の新たな選択肢となり得る。

まとめ

4年以上の院内での安定した継続使用の経験をもとに、カテーテルと在宅血液透析とのコラボレーションを行い、自己穿刺のない在宅血液透析を開始した。

※1.日本在宅血液透析研究会[2013年末HHDレジストリ報告]

接続部をアルコールにて毎回清拭する。また、定期的に接続部キャップを交換することで清潔を保つ。

体外のカテーテル部にテープの糊が残ることも感染の一因となるため、丁寧に清拭する。

年齢 性別 透析歴 カテーテル歴(オペ日起算)

HHD後のシャント状況

訓練期間 HHD歴 透析量(週あたり)

1例目 58歳 男性 7年2か月 11か月 自然閉塞 3か月 9か月 3時間×7回

2例目 53歳 男性 3年1か月 8か月 そのまま 3か月 5か月 3時間×7回

3例目 65歳 男性 5年1か月 5か月 自然閉塞 2か月半 2か月 4.5時間×5回

4例目 69歳 男性 3年7か月 3か月 結紮術施工 3か月 1か月 3時間×7回

回数の制限がない 月14回までの制限

時間の制限がない 4時間透析が一般的

好きな時に行える 決まった時間に行う

自宅で行える 施設での集団治療

初期費用・維持費用の自己負担 医療費以外の負担なし

介助者が必要 スタッフによる管理

自己穿刺の習得がハードルとなる スタッフによる穿刺

入浴などに制限あり 入浴は可能

心負荷(-) シャントによる心負荷(+)

狭窄や閉塞がない シャント閉塞のリスク

穿刺を行わない 穿刺ミスの危険性

出口部、接続部感染 シャント感染

毎回の血液破棄(約10ml)

治療方法による違い

在宅血液透析(HHD) 施設透析

アクセスによる違い

留置カテーテル 自己穿刺(シャント)

透析中心の生活から、生活のなかにある透析へ

自己穿刺の様子

カテーテル在宅血液透析の様子