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ASIA PACIFIC Complete Automation...きだというF i e l d b u s 委員会の満場一致の...

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ASIA PACIFIC JAPAN JUNE 2000 SoftLogix 5が 採掘施設の 厳しい検査に合格 銅材圧延プラント デジタル制御対応の ドライブシステムを導入 MicroLogix1200 ミッドレンジの マイクロコントローラ E3 & E3 PLUS ソリッドステート 過負荷保護 Complete Automation : A Response to Changing Demand コンプリート・オートメーション: ニーズの変化への対応 page 7 -コンプリート・オートメーション-
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Page 1: ASIA PACIFIC Complete Automation...きだというF i e l d b u s 委員会の満場一致の 勧告に従いました。 ODVA (Open DeviceNet Vendor Association, Inc.)のエグゼクティブディ

ASIA PACIFICJAPAN

JUNE 2000

SoftLogix 5が

採掘施設の

厳しい検査に合格

銅材圧延プラント

デジタル制御対応の

ドライブシステムを導入

MicroLogix1200

ミッドレンジの

マイクロコントローラ

E3 & E3 PLUS

ソリッドステート

過負荷保護

Complete Automation : A Response to Changing Demand

コンプリート・オートメーション:ニーズの変化への対応 page 7

-コンプリート・オートメーション-

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2 • JUNE 2000

その名が示すもの

コンプリート・オートメーション

とは、グローバルな自動化機器

企業の単なるマーケティング戦

略でしょうか?ほんの少し、本誌をお読み

になってください。きっと、有益な時間に

なります。読み終わったとき、あなたは

「単なるマーケティング戦略?とんでもな

い!これは本当に価値あるものだ!」と考

えることでしょう。

ロックウェル・オートメーションは、1世紀にわたり、世界的に認

知され、各種技術規格や品質規格に適合する製品を製造しつづけ

ています。これらの製品は、優れた柔軟性と信頼性を備えた統合的

なアーキテクチャーへと進化しました。すなわち、システムを全体

的に構成すると共に、アプリケーション要件に合わせてカスタマイ

ズする有効なソリューションを実現するアーキテクチャーです。

この世界的な認知により、弊社は国内だけでなく、世界中のあ

らゆる場所にソリューションを提供するとともに、製造業のエキス

パートがお客様と密接に連携して必要なものを提供するため、製

造プロセスとビジネス全体のニーズに対応して、これを最適化し強

化することができます。また、弊社は、〈ローカルな〉パートナー

として製品やサービスを世界中のあらゆる場所に提供できるよう努

めています。その結果、お客様のビジネスのさまざまな要素(生

産性、ダウンタイム、生産高、トータル・コスト・オブ・オーナ

シップ、平均故障間隔など)は、〈コンプリート・オートメーショ

ン〉という弊社のアプローチにより、多くの恩恵を受けることに

なります。

本号では、皆様が十分に理解した上で有効に活用できるように、

コンプリート・オートメーションのさまざまな利点をご紹介しま

す。それは、皆様がよくご存知の信頼性や、グローバルなサポー

ト、高性能の製品、シームレスなアーキテクチャーをはるかに超え

るものです。弊社が優れたテクノロジーを実現し、ビジネスを成功

に導き、付加価値を提供するパートナーであることに、皆様はす

ぐにお気づきになるでしょう。コンプリート・オートメーションは、

マーケティング戦略ではありません。皆様にとって、ベスト・オ

ブ・ベストの選択肢なのです。

これが、AUTOMATION TODAY です。

グレッグ・ガイガーロックウェル・オートメーションアジア・パシフィック地域担当プレジデント

グレッグ・ガイガー

Automation Today is published by

ROCKWELL AUTOMATION ASIA PACIFIC LTD

27/F Citicorp Centre, 18 Whitfield Road, Causeway Bay, Hong Kong

Tel: (852) 2887 4788 • Fax: (852) 2508 1846

EDITORIAL

Ross Vaughan • Colin Tilley • Debashish Ghosh

Gail Anderson – [email protected]

Cover Story: Putman Publishing Company, USA

ASIA PACIFIC EDITORIAL SERVICES, DESIGN & PRODUCTION

Relate Technical Communications, Melbourne

Collis Design, Wodonga

ロックウェル・インターナショナル・ジャパン株式会社〒104-0033 東京都中央区新川1-3-17 TEL:03-3206-2786

Automation Todayに関するお問い合わせ先大川りつこ E-Mail:rokawa@jpn.ra.rockwell.com

©2000 Rockwell International Corporation. All rights reserved. The contents of this publication may not be reproduced in whole or part without the consent of the copyright owner.

Global News . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 3ロックウェル・オートメーションのグローバルな活動

Country News . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4RSView32によるアルコール希釈工程の監視制御

Regional News. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 6Asis Pacific地域のニュース

Feature story . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 7コンプリート・オートメーション:ニーズの変化への対応

Application story – New Zealand . . . . . . . . . . . 10SoftLogix 5がニュージーランドの採石施設で活躍

Technical Watch . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 12安全で快適な職場環境の実現に役立つ新技術

Application story – Australia. . . . . . . . . . . . . . . 13未来のディジタル制御に対応するドライブ

Technical Watch . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 15製造企業の成功の鍵となるDNA/RNA

Product Focus. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 17ロックウェル・オートメーション新製品情報

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JUNE 2000 • 3

Global News

Global News

DeviceNetがヨーロッパの規格に

CENELEC (European Committee for

Electrotechnical Standardization:

電子技術規格化に関する欧州委員

会)の投票により、このたびD e v i c e N e tが

EN 50325(コントローラと機器のインタ

ーフェイスに関するI S O 1 1 8 9 8(C A N)

に基づく産業用通信サブシステム)というヨ

ーロッパの規格として承認されました。

D e v i c e N e tはC E N E L E C加盟各国の圧

倒的な支持を得ており、C E N E L E C技術委

員会はD e v i c e N e tを規格として承認すべ

きだというF i e l d b u s委員会の満場一致の

勧告に従いました。

ODVA (Open DeviceNet Vendor

Association, Inc.)のエグゼクティブディ

レクタであるビル・モス氏は、次のように

述べています。「E N 5 0 3 2 5の投票の可決

は、D e v i c e N e tの普及に向けて重要なス

テップとなります。C E N E L E Cの規格化に

より、D e v i c e N e tは規格の有無が重要で

ある公共事業などの分野に使用されるでし

ょう。また多くのユーザーがオープンプラ

ットフォームに移行しているという意味で

も、ヨーロッパにおけるD e v i c e N e tの規格

化は有効です。D e v i c e N e tがネットワー

クに関するヨーロッパの規格に準拠してい

ることは、低価格で高性能のネットワーク

ソリューションをプラントに導入したいと

考えるユーザーに安心感を与えます」

また、ロックウェル・オートメーション

のネットワーク・ビジネス・マネージャー

であるジャック・デレオンは、次のように

述べています。「O D V Aの創設メンバーで

あるロックウェル・オートメーションは、

D e v i c e N e tを強力にサポートし、幅広い

D e v i c e N e t製品を開発しつづけていま

す。今回の規格化は、D e v i c e N e tの普及

を推進する上で不可欠なステップとなるも

のです」

グローバルなOEMをサポートするAutomation Passport

ロックウェル・オートメーションは、

グローバルなO E Mに対するプロ

アクティブなサービスとサポート

プログラムであるAutomation Passport

の開始を発表しました。 A u t o m a t i o n

Passportとは、客先に出荷されたOEM機

器について、ロックウェル・オートメーシ

ョンのサポートエンジニアやパーツなどの利

用を保証するもので、世界各国に製品を出

荷しているOEMを対象としています。

ロックウェル・オートメーションにおけ

るグローバル・テクニカル・サービスの副

社長、マーク・デュラスは、「Automation

P a s s p o r tプログラムは、弊社のグローバ

ルなサポート体制により、世界各国のO E M

パートナーが必要とする時に必要とするサ

ポートを提供します。機器の立ち上げ時や

稼動後に問題が発生した場合でも、ロック

ウェル・オートメーションのサポートを迅

速に利用できる、という安心と信頼をOEM

にもたらします」と述べています。

O E Mは、製品、顧客、技術サポートの

必要性に合わせて、プリペイド式の

Automation Passportサポートレベル

(シルバー、ゴールドまたはプラチナ)が選択

できます。またこのプログラムなら、機器

単位やサイト単位での利用も可能。ロック

ウェル・オートメーションのP a s s p o r tに

関するW e bサイト(w w w . a p a s s p o r t .

c o m)にアクセスいただき、プログラムに

ご登録ください。

ロックウェル・オートメーションがPSDI社と提携

このたびロックウェル・オートメー

ションは、技術サービス事業を拡

張するために、マサチューセッツ

州ベッドフォードを本拠地とする企業資産

保守ソフトウエア企業、P S D I社と戦略的

提携を結びました。

この提携によりロックウェル・オートメ

ーションは、 P S D I社の企業資産管理

( E A M )ソフトウエアであるM A X I M Oの幅

広いインテグレーション能力や販売力を獲

得すると共に、P S D I社の子会社である

M R O . c o m社のM R O (保守、修理、オペレ

ーション)市場向けプロシージャ製品を獲得

します。これによって、ダウンタイムの短

縮、保守費用の抑制、購入効率の向上お

よびスペアパーツの在庫管理を望む顧客に

対して良い結果をもたらすことが期待され

ています。

ロックウェル・オートメーションにおけ

るアセット・マネジメント・ビジネスのゼ

ネラルマネージャー、マイク・ラズキーズ

は、次のように述べています。「私たちは

P S D I社との関係が発展することをうれし

く思います。E A MやM R OのEコマース市

場をリードするP S D I社と、M R Oの現場や

資産管理で豊富な経験をもつ弊社が結び付

くことによって、価値あるサービスをお客

様に提供することができるでしょう」

ロックウェルはP S D I社との提携により、

E A M環境に自動制御機器プラットフォー

ムを導入して、1億7千万U . S .ドルの資産

管理ビジネスを増加することができます。

これにより、M A X I M Oの保守管理コンポ

ーネントに対してプラントフロアの状況が

リアルタイムで提供されます。このテクノ

ロジーとM R O . c o m社のEコマース能力を

組み合わせることで、例えば、モータがベ

アリングの摩耗を自動的に感知して交換を

求めたり、パーツの到着時に変更作業を行

なう保守人員のスケジュールを調整するこ

とも可能になります。

「ロックウェル・オートメーションの強力

なサービス体制ならびにネットワーク製品

と、P S D I社のアーキテクチャーやインテグ

レーション能力が結び付くことにより、資

本集約型産業の投資利益が拡大します」

と、P S D I社の社長兼C E Oであるチップ・

ドラピュー氏も述べています。

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C o u n t ry News

4• JUNE 2000

J A P A N

RSView32によるアルコール希釈工程の監視制御

■プロジェクトの背景1 7 4 3年創業の白鶴酒造株式会社は、

国内の日本酒生産量の3割以上を占める兵

庫県灘地域において、トップの日本酒メー

カーです。先ごろ国税庁醸造研究所が主催

した平成1 2年全国新酒鑑評会においても、

同社の大吟醸酒がみごと金賞を受賞するな

ど、長い歴史に培われた技術で優れたお酒

を生産しています。

白鶴酒造では、手造りの職人技を大切に

する一方で、大量の需要に対応し、安定した

高品質の日本酒を市場へ送るため、生産設

備の自動化にも取り組んでいます。日本で

一番売れているお酒として知られる“まる”

から大吟醸酒までを製造する同社は、日本

酒業界がここ数年低迷を続けるにもかかわ

らず、昨年の出荷量は一昨年の3 5万石*か

ら37万石へと増加しました。

昨年初め、四季醸造工場である本店三号

工場では、設備更新にあたり、これまです

べて人手に頼っていたアルコール希釈工程

の自動化に乗り出しました。日本酒は、造

り始めてから市場に出回るまで最低4ヶ月

はかかるため、年間消費量の約半分が消費

される冬場のピーク時に間に合うよう、プ

ロジェクトが進められました。危険物に指

定されているアルコールを使用する設備を

刷新するためには、建物の構造からバルブ

1つまで消防法の厳しい基準を

クリアしなければならず、莫大

な投資と時間が伴います。この

ため、今回は既存設備を生かし

た設備更新を行うこととなりま

した。このアルコール希釈設備

全体の監視制御には、ロックウ

ェル・オートメーションの認定

システムインテグレーターであ

る東洋紡テクノシステムセンタ

ー( T S C ) * *によりW i n d o w s

N TベースのM M Iソフトウエア

RSView32が導入されました。

■アルコール希釈工程の概要アルコール希釈工程とは、醪に添加する

アルコールを水で最適濃度に希釈するもの

です。大吟醸酒をはじめとする様々な日本

酒でこのアルコール添加が行われ、日本酒

は飲みやすく淡麗なものになりますが、そ

の希釈度合によって味や飲みごこちは大き

く影響されます。なお、全くアルコールを

加えない日本酒は純米酒と称され、一般に

重厚な味わいがあります。アメリカなどの

国々に輸出する場合は、アルコールを添加

するとリキュールと見なされて高い関税が

かかることから、これらの国々への輸出は

純米酒が大勢を占めています。

希釈アルコールを作るには、まずタンク

ローリーで運ばれた純度9 5 . 5%のアルコー

ルを工場内の希釈タンクへ移送します。

6 0%以上のアルコールは、危険物に指定

されているため、管理が厳しく、全工程を

通じてアルコールの流出がないよう細心の

注意がはらわれます。本店三号工場では、

他の醸造工場のアルコールも受け入れるた

め、年間でタンクローリー2 0 0台以上とい

う大量のアルコールを受け入れています。

次にこのアルコールを、水を使って規定

濃度に薄めます。アルコールの濃度は製造

する日本酒の銘柄により微妙に異なります。

水とアルコールを混合すると発熱や容積減

等が起こるため、希釈に際しては、温度や

比重をもとに状況に応じた複雑な計算が行

われます。なお、酒類はすべて国税庁によ

る厳密な管理が行われており、アルコール

濃度も精度と記帳義務が要求されます。担

当者は毎回異なる環境下での作業を、決め

られた時間内で、間違いなく完了する必要

があり、高度な能力が必要です。

さらに、希釈アルコールは複数の貯蔵タ

ンクへ必要量が移送されます。タンクから

タンクへの移送は、人が手でコックを開け

閉めしながら、適切な濃度のものを、正確

な量、決められたタンクへ送らなければな

らず、この作業も熟練者でなければ対応で

きません。

アルコールを希釈、移送、記帳するため

の一連の作業には約2時間半を要します。

全て手作業で行う場合は、この間、人が

つきっきりで作業にあたらなければなりま

せん。限られた時間内で作業の安全性を

チェックしながら複雑な希釈計算を行った

り、希釈アルコールの移送経路を正確に

設定できるのは限られた人材のみです。ま

た、アルコールを扱う作業は、常に危険を

伴ないます。

このため、本店三号工場ではアルコール

を希釈、移送する一連の作業を自動化し、

その監視制御にはロックウェル・オートメ

ーションのRSView32を導入しました。

■RSView32とはR S V i e w 3 2は、自動制御機器やプロセ

スのリアルタイムな監視制御を行うM M Iソ

フトウエア・パッケージで、V B Aプログラ

ミング言語を使用しています。 M F C、

C O M、コンポーネント・テクノロジーをは

じめとするマイクロソフトの技術をベース

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JUNE 2000 • 5

と し 、 Microsoft Windows NTや

Windows 2000上で使用します。グラフ

ィカルディスプレイでA c t i v e Xテクノロジ

ーを利用できる業界初の製品で、監視、制

御、データ収集に必要な全ての機能を使い

やすく統合的に提供します。強力なスケー

ラビリティー機能や生産性の高いツールを

搭載した再利用性の高い設計です。これま

でのF Aコンピューターでは実現できなかっ

た美しいグラフィックもカットアンドペース

トなどの作業で簡単に作成できます。

O D B C、O L E 2 . 0に対応し、グラフィック

データインポート機能やデータベースアク

セス機能を別途購入する必要もなく、開発

に要する時間と費用を大きく削減します。

また、O P Cデータのクライアント機能とサ

ーバー機能を同時に提供する初の産業用

MMIソフトウエアパッケージでもあります。

ロックウェル・オートメーションでは、ロ

ックウェル・ソフトウエアのブランドの下

に、プラントフロアから企業全体を統合す

る数々の優れたソフトウエア製品を提供し

ています。これらは全てマイクロソフトの

テクノロジーに基づいているため、工場の

データをそのまま事務所で使用している

Microsoft ExcelやAccessなどの汎用ソ

フトウエアで利用でき、会社全体の様々な

部署での省力化が実現します。

■RSView32導入の成果○高い技術のシステムインテグレーターに

よる短期間での導入

昨年の4月中旬に東洋紡テクノシステム

センター( T S C )によりスタートしたこのプ

ロジェクトは、7月末~8月末の1ヶ月のオ

ーバーホール期間中に全工事を完了し、9

月より実稼動を開始するという、短期間で

の導入に成功しました。秋口からの日本酒

製造の繁忙期に間に合わせるためには、9

月初めには自動化システムが完成していな

ければなりません。今回のプロジェクトを

○帳票作成の合理化

アルコールは危険物であるため、関係省

庁への多くの帳票提出が義務づけられてい

ます。R S V i e w 3 2は、W i n d o w sベースの

ソフトウエアであるため、プラント内で収

集されたデータの加工も容易です。

○工程管理の簡便化

R S V i e w 3 2では、美しいグラフィック

により、システム全体の様子が一目で把握

できます。また、リアルタイムデータ、履

歴データなど1つのトレンドに対し最大1 6

のデータ表示を行います。なお、システム

に異常が発生した場合、異常が発生した場

所や原因がすぐに把握でき、速やかに対処

することが可能です。

○投資コストの最小化

従来のF Aコンピューターのハード/ソフ

トに比べ、N Tベースの制御監視システム

は、初期コストが低いだけでなく、今後、工

場とオフィスをつなぎ、会社全体の自動化

を促進するなど、将来的にも低コストで柔

軟なシステム構築の可能性を持っています。

○オープンなテクノロジーによる既設設備の流用

R S V i e w 3 2は、工場の監視制御でデフ

ァクトスタンダードと呼ばれる技術への対

応が容易なため、既設制御設備の多くが流

用できます。これにより、投資コストを最

小化するだけでなく、設備寿命を延ばし、

ライフサイクルコストを削減します。

○安全性の向上

アルコールという危険物を扱う作業にお

いて、画面による遠隔操作により、現場で

の安全性が大きく向上しました。

*1石=100升=180㍑

**株式会社東洋紡テクノシステムセンター

事業 : ロックゥエル・オートメーション機

器およびソフトウエア製品の販売、FA/OA

システム開発全般

住所 : 大阪市北区堂島浜2-2-8

TEL : 06-6348-3350

URL : http://www.toyobo.co.jp/seihin/h3/tsc

担当したロックウェル・オートメーション

の認定代理店である東洋紡テクノシステム

センター( T S C )は、ロックウェル製品に対

する広範な知識と高い技術力を持ち、白鶴

酒造からの要望に対し、直接一つ一つ、迅

速かつ正確な対応を行いました。また危険

物取り扱いに関する変更書類を関係省庁に

提出し、実稼動前に認可を得るという煩雑

な作業も東洋紡テクノシステムセンター

( T S C ) に よ り 行 わ れ ま し た 。 ま た 、

R S V i e w 3 2自体も、M i c r o s o f tの技術に

基づいており、豊富なグラフィックや利便

性の高い多くの機能により、複雑なプログ

ラムの開発も、短時間かつ低コストで実現

できました。

○信頼性の向上

これまで必要とされた希釈のための複雑

な計算や、コックの開け閉めなどの作業が

全て自動化され、コンピューターの画面上

で操作が行えるようになりました。これに

より、計算ミスやコック操作のミスといっ

た心配から開放され、アルコールの希釈濃

度の誤差もこれまで0 . 3%程度であったも

のが0 . 2%未満へと改善されました。また、

以前は作業にあたっている本人にしか実際

のシステム状況はわかりませんでしたが、現

在では、画面を見るだけで、誰もがいつで

もリアルタイムでシステム全体の状況を一

目で把握することができます。白鶴酒造に

とって、システムの監視制御はF Aコンピュ

ーターが中心でN Tベースの導入は数少ない

ため、万一エラーが生じた場合はただちに

システムを手動に切り替えられるよう、特

別なプログラムも設定しました。しかし、

1 9 9 9年9月の稼動から今日まで、N Tベ

ースのソフトウエアによるトラブルは、1件

も発生していません。

○省力化

R S V i e w 3 2の導入により、消防法で指

定された危険物である高濃度のアルコール

をタンクローリーから受け入れる作業を除

いては、人が常時現場にはりついている必

要がなくなりました。以前は、アルコール

の希釈を含む発酵、製成プロセスは、1 2

名で行われていましたが、現在は1 1名で行

われています。一方、アルコールの取扱量

は、昨年と比べタンクローリー1 7 0台分か

ら2 1 0~2 2 0台分へと増加しています。

また、これまで熟練者でなければできなか

った作業工程も、簡単なトレーニングを受

ければ誰でも行うことができるようになり

ました。

C o u n t ry News

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6• JUNE 2000

Regional News

インドアーメダバッドで

コンプリート・オートメーション・

ストラテジーを発表

ロックウェル・オートメーション・イン

ドは、同国西部に位置するガジュラット州

アーメダバッドで2月に開催されたセミナー

を皮切りに、 2 0 0 0 年の C o m p l e t e

Automation on the Move (CAOTM)セ

ミナーシリーズを開始しました。

ロックウェル・オートメーションのアジ

ア・パシフィック地域担当プレジデントで

あるグレッグ・ガイガーは、ガジュラット州

の約1 0 0社の顧客企業と2 5社以上のパー

トナー企業に対して、コンプリート・オート

メーション・ストラテジーの概要を、この

インドで初めて明らかにしました。CAOTM

セミナーは、本年度中にインドの多数の都

市で順次開催されます。

中国鉄道および製薬分野で

大規模プロジェクトの受注に成功

最近、ロックウェル・オートメーション中

国は、鉄道と製薬分野において、2つの大

きな契約を結びました。1つは、コーロー

ン・カントン鉄道会社( K C R C )の西部鉄道

プロジェクトの主要請負業者であるシンロ

社との契約。もう1つは、競合する自動化

機器グループとの長期間にわたる入札合戦

の末に勝ち取った、ハルビンで2番目に大き

い製薬プラントとの契約です。

日本マイクロソフトと

ロックウェル・オートメーションの

合同セミナーを東京で開催

ロックウェル・オートメーション・ジャパ

ンは、マイクロソフトとの合同セミナーを6

月8日に東京で開催しました。セミナーで

は、マイクロソフトテクノロジーをフルに活

用したR Sシリーズソフトウエア製品に対す

る、ロックウェル・オートメーション・ジャ

パンの販売推進をサポートします。

韓国ロックウェル・ソフトウエア、

KOFA2000に出展

3月に、コリア・エキジビション・センタ

ーで、アジアパシフィック地域最大の産業

用 自 動 化 機 器 展 示 会 の 1 つ で あ る

K O F A 2 0 0 0が開催され、ロックウェル・

ソフトウエアが注目の的となりました。ロッ

クウェル・オートメーション/ロックウェ

ル・ソフトウエアのブースでは、ソリューシ

ョンを展示すると共に、ソフトウエアに関す

る興味深いプレゼンテーションを行い、多

くのお客様が訪れました。主な展示は、ロ

ックウェル・ソフトウエアの V i e w A n y

W a r eとR S B i z W a r e製品、そして韓国語

版の新しいRSView32などがありました。

台湾Semiconductor Complete

Automationを開催

ロックウェル・オートメーション台湾は、

2 0 0 0年1月に「 S e m i c o n d u c t o r

Complete Automation On the Move」

というセミナーシリーズを開始したことによ

り、同国随一のコンプリート・オートメー

ション・サプライヤーという立場をより強固

なものにしました。このセミナーには、台湾

の半導体企業各社のエンジニアおよびコン

サルタントが多数参加。これらをはじめとす

るさまざまな活動により、台湾随一のテク

ノロジーリーダーとしてさらなる発展を遂げ

ています。

ニュージーランドさまざまな企業が大きな関心を集めた

DeviceNetフォーラム

4月初旬にハミルトンでO D V Aテクノロ

ジーに関するフォーラムが開催され、最新

のD e v i c e N e tテクノロジーがニュージーラ

ンドの企業各社の関心を集めました。

DeviceNet 2000と称するこのフォーラ

ムでは、プラントオートメーションの未来を

実際的な見地から展望すると共に、アメリ

カのタンパで開催されたO D V A年次総会と

ドイツで開催されたハノーバーフェアで発表

された、最新のD e v i c e N e tテクノロジーが

紹介されています。

オーストラリア水/廃水処理企業が

Enviro 2000に参加

本年4月上旬にシドニーでEnviro 2000

が開催され、オーストラリアの水/廃水処理

企業から1 , 5 0 0人以上の専門技術者たちが

参加しました。環境に関する4つの会議と

共に開催されたOzwater & Ozwasteエキ

ジビションでは、訪れた人々が、ロックウェ

ル・オートメーションをはじめとする1 7 0

社以上の参加企業の最新技術に触れまし

た。ロックウェル・オートメーションのブー

スを訪れた人々は、同社の統合アーキテク

チャーに関するデモンストレーションと、水

/廃水処理産業における豊富な経験に大き

な関心を寄せました。

C A O T Mセミナーでプレスに概要説明をするアジア・パシフィック地域担当プレジデント、グレッグ・ガイガー

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JUNE 2000 • 7

F e a t u re Story

コンプリート・オートメーションは、

市場への幅広いアプローチです。

これは、お客様のニーズを理解して、

優れた製品とサービスを

提供することを意味しています。

Complete Au t o m ation: A Response to Changing Demand

コンプリート・オートメーション:ニーズの変化への対応

ロックウェル・オートメーションが

お客様に対し、自動化の最大の

課題を尋ねたところ、最も多い答

えは以下のとおりでした。

●ダウンタイムが発生してはならないた

め、最高レベルの性能をもち、信頼性

の高い製品が必要。

●自分が意志決定の責任をもっており、

最適の投資を行っていることを確認す

る必要があるため、十分な能力をもつ

サプライヤーが必要。

●お客さまのニーズが急速に変化するた

め、変化への迅速な対応。

●当社が必要とするテクノロジーを提供

するだけでなく、当社を最先端のテク

ノロジーへと導くサプライヤー。

●多くの選択肢がある中で、当社のアプ

リケーションに最適な選択肢を判断す

るための信頼できるリソースを必要とし

ています。

●社内のサポートおよびエンジニアリング

が少ないため、当社が必要とするリソ

ースと能力をもつベンダーを必要として

います。

コンプリート・オートメーションは、こ

のような問題に対処するために生まれまし

た。ロックウェルは、お客様の自動化ニー

ズを技術的と経営的な観点から十分に理解

して、単体製品から統合的な自動化ソリュ

ーションまで、お客様に最適のソリューシ

ョンを提供することにより、ニーズにお応

えしたいと考えています。

4つのメリットコンプリート・オートメーションは、信

頼性、柔軟性、生産性向上、トータル・コ

スト・オブ・オーナシップの削減という4

つのメリットの実現を目指しています。

信頼性は、製品の信頼性、スタッフの経

験、長期間にわたるサポート、機器やトレ

ーニングへの過去の投資を保護する形での

新技術の導入によって実現します。また、

お客様のサイトに出向いたり、電話やイン

ターネットにより、製品とサポートを世界

各国に提供できることも信頼性につながり

ます。例えば、ロックウェルのソフトウエ

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アサポート部門では、応対時間を測定して

います。弊社の応対時間は3分未満で、ベ

ンチマークの8 3%。そして、初回問い合

せ時の回答率は64%以上となっています。

インターネットからも多くのサポートが

提供されます。ロックウェル・ソフトウエ

アのW e bサイトは、1年3 6 5日、1日2 4

時間、いつでもご利用いただけます。お客

様は、過去の実績にアクセスしたり、最

新の製品情報の収集、アクティベーショ

ンのリセットの実行、ユーザー登録の送信

や、技術サポートなどを要求することがで

きます。

ロックウェルは長年にわたり、特定の産

業アプリケーションに新しい製品とソリュ

ーションを導入してきました。多くのソリ

ューションにはパートナー企業のテクノロ

ジーやサポートが組み込まれており、ある

ときはチームの一員として、またあるとき

はチームの責任者として、お客様に最適の

方法で他のサプライヤーと共にソリューシ

ョンを提供しています。

生産性向上は、異なる制御分野

に共通するリアルタイム制御エ

ンジン、あらゆるネットワ

ークに共通の通信サー

ビス、そして標準的な

視覚化環境によって

実現します。これら

の要素は、生産性向

上とコスト削減を強力

に推し進める統合アー

キテクチャーを構成します。

そしてシステムの設置、立ち上

げと保守作業を軽減する製品設計、互換性

と再利用性の向上、トランザクションコス

トの削減につながる購入オプションによっ

てトータル・コスト・オブ・オーナシップ

が削減されるのです。

コンプリート・オートメーションは、世

界最大のパートナーネットワークによる製

品とサービスの提供に加えて、ワールドク

ラスの製品、統合アーキテクチャー、グロ

ーバルなサポート体制、付加価値サービス

を実現するものなのです。これらを部分的

に提供する企業は数多くありますが、すべ

てを提供できるのはロックウェル・オート

メーションだけです。

ワールドクラスの製品ロックウェルは、お客様のニーズに対応

するために、さまざまな製品と数多くのオ

プションを製造しています。4つのグローバ

ル・ブランド・ファミリーの各製品は、長

期間にわたり優れた信頼性と性能を提供し

ます。例えば、新しい制御プラットフォー

ムであるC o n t r o l L o g i xは、ディスクリー

ト、モーション、ドライブ、バッチ、そし

てプロセスの各制御を1つのアーキテクチャ

ーに統合します。

C o n t r o l L o g i xの能力を有効に活用して

いるアプリケーションの1つに、 C M P

(Chemical Mechanical Processing)

ラインがあります。これは、半導体のウェ

ーハ表面の平滑化に使用される手法です。

平滑化の最終プロセスでは、表面の誤差を

1 / 1 0 , 0 0 0マイクロメータ未満にしなけれ

ばなりません。そのためには、プラテンの回

転速度、カルーセルの回転速度、キャリア

の回転速度、ヘッドの加圧研磨時間および

スラリーのプロパティを安全かつ正確に制

御する必要があります。これらすべてのパ

ラメータは、ControlLogix1台で制御する

ことができるのです。

多くの自動化機器メーカーは、テクノロ

ジーソリューションを1種類だけしか提供

していませんが、これが適している場合と、

そうでない場合があります。ロックウェ

ル・オートメーションでは、ディスクリー

ト、モーション、ドライブ、バッチ、プロ

セスという5つの制御分野すべてについて、

製品、ソリューション、専門知識を提供す

べきであると考えます。コンプリート・オ

ートメーションとは、テクノロジーの選択

肢をお客様に提供し、アプリケーションに

最適の選択肢をお客様と共に決定すること

を意味します。

まず最初にお客様の話を聞き、必要なテ

クノロジーの決定を手助けした上で、業務

上の問題点を解決する製品を選択、ソリュ

ーションを設計します。こうしてプラント

内で最高レベルで稼動するソリューション

を提供します。

さらに自動車、金属、消費者製品、紙/

パルプ製品、石油、鉱業、公共事業(イン

フラ整備)などの各分野で豊富な経験をもつ

エンジニアが揃っています。エンジニアは、

製造システムの問題点を内側から理解し、

お客様のニーズに合ったソリューション、

すなわちライフサイクルを通じて時間と手

間を省くよう設計された製品を構築します。

例えば、W o r l d P r o xという誘導近接セ

ンサは、コストの削減に役立ち、新しいプ

ロジェクトを立ち上げやすくします。豊富

なバレルサイズと接続オプションにより、シ

ンプルなアプリケーションが実現します。ま

た、3 6 0度のL E Dビューアングルにより、

簡単に取り付けが可能。これらのセンサに

は、過渡ノイズ、短絡、過負荷、誤

パルスと、逆極性の保護機能

が組み込まれているた

め、優れた信頼性が実

現します。

また、ロックウェ

ル・オートメーション

は、お客様の初期自動

化投資の保護に努めてお

り、広範な産業に適合し、

既存のシステムとシームレスに

接続するオープンなシステムとアーキ

テクチャーを設計しています。

同時に大企業ならではの豊富なリソース

と小回りのきく柔軟性を兼ね備えています。

弊社は、幅広い製品を提供していますが、

市場が求めるすべてに対応できるわけでは

ありません。コンプリート・オートメーシ

ョンというオープンなコマーシャルポリシー

は、技術パートナー、代理店、そしてソリ

ューション・プロバイダーと共に、お客様

のアプリケーションに最適の製品とサービ

スを幅広く提供することを意味します。

統合アーキテクチャー急激に変化するニーズへの対応が求めら

れる今日の製造システムでは、柔軟性の高

い制御、リアルタイムのデータ処理、そし

てシステムをグラフィカルに表示する方法

が必要です。ロックウェル・オートメーシ

ョンの統合アーキテクチャーは、このよう

8• JUNE 2000

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JUNE 2000 • 9

ニュージーランドのアンカープロダクツで、粉ミルク製造の監視システムとして採用されている、ロックウェル・ソフトウエアのR S V i e w 3 2。スケーラブルなH M Iソリューションで、V i e w A n y W a r eのプラットフォームの1つです。

なニーズに対応し、機能性、柔軟性、生産

性を向上させ、トータル・コスト・オブ・

オーナシップの削減を実現します。

●L o g i xエンジンは、ディスクリート、モ

ーション、ドライブ、バッチ、プロセス

という5つの制御分野を単一のプラット

フォームに統合し、プロセスの実行を

支援します。

●デバイスレベルで組み込まれた共通の通

信サービスであるN e t L i n xは、使用す

るネットワークに関係なく、情報を最

も効率的に転送します。これにより、

配線システムに依存しない、プラント

フロアとオフィスのデータ統合が実現し

ます。

●V i e w A n y W a r eは、オペレータ・イン

ターフェイスのハードウエアからデスク

トップコンピューターに至るまであらゆ

る画面上で同じグラフィックの共有を

図るストラテジーです。共通のオブジェ

クト定義により、定義したデータをあ

らゆる場所で使用できます。これによ

り、適切なデータを適切なときに適切

な場所に送ることができるのです。

グローバルな供給ネットワークと充実したローカルサービス

生産性を最大化したうえで、コストを最

小化するには、製品、システム、交換部

品、非常時のサポートなどを提供する、信

頼できるサプライヤーが必要です。

コンプリート・オートメーションは、製

品とシステムのグローバルな供給ネットワ

ークと、お客様のニーズに迅速に対応する

5 , 6 0 0社以上の代理店やビジネスパートナ

ー両方を提供します。オープンなコマーシ

ャルポリシーにより、競合企業を含むさま

ざまな企業と柔軟に連携し、ロックウェ

ル・オートメーションならではの能力でお

客様に貢献します。

付加価値サービスワールドワイドなネットワークは、コン

プリート・オートメーションのソリューショ

ンを予算内で行う手助けをします。さらに

ご要望に応じ、あるいは定期的に、幅広い

付加価値サービスを提供します。

例えば、自動化投資ライフサイクルの初

期段階では、システム立ち上げのコンサル

ティング、ソリューションのカスタマイズ、

スタッフの能力評価などを、プロジェクト

の後半では、リアルタイムの製品サポート、

修理/保守サービス、技術トレーニング、

オンサイトエンジニアリングなどのサービ

スがご利用いただけます。さらに、資産管

理とプログラム管理サービスも提供するこ

とができます。

新しい製造プラントでは、自動化システ

ムを稼動し保守するための、社員トレーニ

ングも不可欠です。世界各国で、さまざな

言語によりトレーニングを実施しなければ

ならないこともあります。ロックウェル・

オートメーションのグローバル・テクニカ

ル・サービスのスタッフが、世界各国にお

けるトレーニングを計画、実施します。

お客様のためのソリューションコンプリート・オートメーションは、お

客様の最も重要な自動化の問題を解決する

ことを目指しています。私たちは、お客様

にとってダウンタイムが禁物であることを

理解しており、最高水準の生産性と信頼性

で稼動する製品を提供します。

まずお話を聞き、問題点を理解して、そ

のシステムが業界の最高水準を保つのに必

要なテクノロジーを提供するロックウェル

は、経験豊富な技術者のチームを編成し

て、アプリケーションに最適にソリューシ

ョンの決定を支援します。私たちのオープ

ンなシステムは、製造テクノロジーを簡単

に変更できるように設計されているため、

全体のコストが節減できるのです。

ロックウェル・オートメーションの長期

的なサポート体制により、お客様は安心と

快適さを実感できます。さらに必要に応じ

て、プロジェクトのライフサイクル全体に

わたり、テクノロジー、エンジニアリングサ

ポートそして各種付加価値サービスを提供

します。

上記記事は、コンプリート・オートメー

ションについて4回にわたり紹介するシリー

ズの第1弾です。ロックウェル・オートメー

ションの統合アーキテクチャー、付加価値

サービス、およびワールドクラスの製品に

ついては、次号以降の Automation Today

Asia Pacific で詳しく説明します。

筆者のバークレー・フィッツパトリック

は、ロックウェル・オートメーション社の

ブランド・ストラテジ・アンド・コミュニ

ケーション担当副社長です。

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10• JUNE 2000

Application Story

35トントラックに積まれた最後

の岩石が、隣接するジョーク

ラッシャを通り抜けると、ミ

ルバーン・アグリゲーツ社ボンベイ採石施

設の高台に設置されたコントロールルーム

が振動します。コントロールルームのオペ

レータであるクレイグ・ホックリー氏は、コ

ントロールルームのHMI PCの画面に表示

されたシフト製造記録をチェック。シフト

終了時刻になったため、同僚と共に、新し

いシフト生産高記録をセットしました。

オークランドの5 0 k m南に位置するボン

ベイ採石施設は、ミルバーン・アグリゲー

ツ社がニュージーランド北島に保有するい

くつかの採石施設のうちで、最も新しいも

のです。

現在、年間5 0万トンを生産するこの施

設は、卓越した生産効率を誇り、バルク充

てんアプリケーション用の低品位の“スカ

ルピング”から、高品位の路面シーリング

“チップ”まで、幅広い鉱石製品を提供し

ています。

このプラントは、操業開始から最初の2

年間、制御システムの設計上の欠陥とP C

ベース制御テクノロジーの機能の低さによ

り、さまざまな問題に悩まされていました。

しかし1 9 9 9年前半に、ニュージーランド

のロックウェル・オートメーション I A Sエ

ンジニアリンググループがシステムを再設

計および改良したことにより、プラントの

運命は劇的に変化したのです。

アレン・ブラドリーのP Cベース制御シス

テムであるSoftLogix 5およびR S V i e w

32 SCADAソフトウエアという2つの主要

製品の優れた性能を利用した、I A Sの“コ

ンプリート・オートメーション”というア

プローチが、生産高の大幅な増加の原動力

となっています。

先駆的なアプローチボンベイ採石施設の開発エンジニアであ

るレス・アストン氏は、特に保守的な考え

方と古典的な製造方法で知られる採石産業

で、P Cベース制御への移行を選択するこ

とは先駆的だったと認めています。

ボンベイ採石施設では、粗鉱から、

6 5 m mの道路舗装用石材、1 2 m mの骨

材、高精度の細骨材および砕砂まで、さま

ざまな材料品位を正確に配合して、2 4種

類以上の製品を製造しています。

「多様性が高く、製品の変更が簡単であ

ることが、私たちの絶対的な目標でした。

従来の採石プラントでは、製品を変更する

際に、重量物運搬機器、監視制御用コンソ

ール、メッシュ、クラッシャラインなどのプ

ラント機器の再配置に1~2日が必要でし

た」と、アストン氏。ボンベイ採石施設の

アプローチは、可変速度および逆方向回転

コンベヤを使用した、構成済み製造工程を

巧みに利用しており、その結果、新しい製

品をP C制御画面で簡単に選択できるとい

います。「P C制御システムでは、製品の変

更をレシピにより実行できます。プラント

の稼動中に製品を変更できるため、ダウン

タイムを最小限にすることができるのです」

最初の2年間の操業で、ボンベイ採石施

設は、設計者が心に描いていた“夢のプラ

ント”とは程遠く、操作性が非常に悪いこ

とが判明しました。当初、プラントの制御

システムは、サードパーティ製のP Cベース

制御システム、H M I、そしてアレン・ブラ

ドリーのSLC 500のI/O機器がプラントの

3ヶ所のM C Cルームを介して分散制御さ

れ、光ファイバーのリモートI / Oにより接続

されていました。

最も重要な問題は、P C制御エンジンが、

プラントの4 6台のコンベヤ、5台のクラッ

シャ、7台の振動ふるい、多数の振動フィ

ーダ、ベルト式重量計、レベルインジケータ

の動作を正しくモニタできないことでした。

プラントのI / Oと機器アイソレータのフィ

ールド配線を最小化するために、プラント

の設計者は、アナログ入力を介してモータ

電流をモニタして機器の動作を確認し、基

本インタロックを確立しようと考えました。

しかしプラントの操業前から操業後にかけ

て、多くのP C制御ソフトウエアをアップグ

レードしたにもかかわらず、P C制御ソフト

ウエアは従来の“ブロック転送”フォーマ

ットのアナログ入力を正しく処理できなか

ったのです。

既存システムの設計ソリューションが昏

迷の度合いを深める中、1 9 9 8年後半にエ

ある採石施設が最も困難な自動化テクノロジーに挑んでいます。ニュージーランドのボンベイ採石施設で、アレン・ブ

ラドリーのP Cベース制御であるS o f t L o g ix 5とロックウェル・ソフトウエアのS C A D Aソフトウエアである

RSView32が、施設の“ひび割れ検査”に合格しました。

ある採石施設が最も困難な自動化テクノロジーに挑んでいます。ニュージーランドのボンベイ採石施設で、アレン・ブ

ラドリーのP Cベース制御であるS o f t L o g ix 5とロックウェル・ソフトウエアのS C A D Aソフトウエアである

RSView32が、施設の“ひび割れ検査”に合格しました。

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JUNE 2000 • 11

ンジニアのゲリー・ハグバーグをリーダーと

するロックウェル・オートメーションのI A S

チームがボンベイ採石施設に呼ばれました。

ボンベイ採石施設の首脳陣は、システム

をすべて再設計する必要があることを認め

て、I A Sチームにこれを委託。ハグバーグ

は、数日間にわたり、システムドキュメン

トに目を通し、プラントのオペレーション

チームの意見を聞きました。その結果、ア

ナログ入力や機器のモニタなどの問題だけ

でなく、設計者が製造プロセスを十分に理

解していない、という設計上の重大な欠陥

があることに気づいたのです。

ハグバーグは、次のように回想していま

す。「インタロック、シーケンス制御と各種

操作機能について、多くの問題がありまし

た。従来のシステムでは、シーケンシャ

ル・ファンクション・チャート( S F C )です

べてを処理しようとしていました。私も、

可能であればS F Cの使用を提案しますが、

この場合は適切ではありません。ラダーロ

ジックを使用すれば1つか2つのラングでこ

れを処理できるからです」

「コンプリート・オートメーション」というアプローチ

I A Sが提案したソリューションでは、プ

ラントの既存の制御システムのI / O、通信

およびコントロールルームのP C機器を「今

までどおりの場所で、今までどおりに」使

用できるシステムを実現しています。

I A Sは、制御システムをアレン・ブラド

リーのS o f t L o g ix 5コントローラに変更す

ることを提案しました。S o f t L o g ix 5は、

PLC-5の機能をMicrosoft Windows NT

環境に組み込んだ、ソフトウエアベースの

制御エンジンです。I A Sの変更案の中核は、

「コンプリート・オートメーション」という

アプローチでした。

新しい P Cベースコントローラでは、

W i n d o w sベースの高性能 3 2 ビット

S C A D Aソフトウエアパッケージである、ロ

ックウェル・ソフトウエアのR S V i e w 3 2を

使用しています。R S V i e w 3 2は、ロックウ

ェル・オートメーション製品、M i c r o s o f t

製品および他のサードパーティ製品と簡単

に統合できるよう設計されています。

システムの導入に先立ち、ハグバーグは

数週間にわたり、制御アルゴリズムの研究

および開発を行いました。完成したコント

ローラは、ミルバーン社の立会いと確認に

より、同社のオークランドオフィスであら

ゆる機能がテストおよびシミュレーション

されました。

完成したソフトウエアには、RSView32

のVisual Basic for Applications

( V B A )ツールを使用して開発された、骨材

配合レシピ処理機能と総合的なプラントレ

ポート機能が含まれ、R S V i e w 3 2システ

ムでは、H M I機能を重要視しています。レ

シピパラメータはMicrosoft ACCESSの

シンプルなデータベースに格納され、必要

に応じてV B Aルーチンによって取り出さ

れ、S o f t l o g ix 5の適切なプラント制御パ

ラメータにロードされます。

新しいシステムでは、レシピベースの配

合処理、プラントの操業状況の完全なレポ

ート、および主要コンベヤ( B C 1 4など)の

負荷電流やスループットをモニタして別々

の画面に表示。ボンベイ採石施設の本来

の設計コンセプトが求める機能性をすべて

備 え て い ま す 。 最 も 重 要 な の は 、

S o f t L o g ix 5では( P L C - 5と同様に)オン

ライン変更が可能なため、小さな変更のた

めにプラント全体の操業を停止する必要が

ないことです。

PC制御システムの比較アストン氏は、2つのP Cベースシステム

とその設計者を比較して、ロックウェル・

オートメーションのソリューションの成功

には3つの要因があると考えています。それ

は、I A Sの全体的なシステム設計アプロー

チ、選択された制御コンポーネントの優れ

た統合性、そして製造プロセスの十分な理

解です。

またアストン氏は、P Cベース制御サプラ

イヤーの選定が重要な鍵であると忠告しま

す。制御エンジンだけでなく、あらゆる製品

を幅広く提供でき、信頼のおける大規模な組

織を選ぶことが大切であると彼は言います。

「サプライヤーが豊富な専門知識とバック

アップを提供し、製品を完全にサポートす

ることを確認してください。また、ソフト

ウエアが希望したとおりに機能し、アップ

グレードやバージョンに依存していないこ

とを確認してください。」

ボンベイ採石施設では、最初の2年間は

制御システムのさまざまな問題により、生

産高が1時間当たり3 0 0~3 2 0トンに限

られていたのに対して、現在は1時間当た

り400トンの生産高を記録しています。

プラントの1 9 9 9年の合計生産高は4 5

万トンでした。ミルバーン・アグリゲーツ

社は、いくつかの変更とプラントの微調整

により、2 0 0 0年にはこれを5 2万トンに

増加したいと考えています。

S o f t L o g ix 5とR S V i e w 3 2により、今

後も必要に応じたプラントの柔軟なアップ

グレードや変更が可能です。「以前のシステ

ムでは、すべてが大がかりで、何をするに

も大変でした。S o f t L o g ix 5とR S V i e w

3 2のシステムでは、変更を迅速に行うこと

ができます。ロックウェル・オートメーシ

ョンのシステムは、非常に使い易く、拡張

性に優れています」(アストン氏)

S o f t L o g ix 5とR S V i e w 3 2は、ミルバ

ーン社のボンベイ採石施設が、ロックウェ

ル・オートメーションの高度なテクノロジ

ーとI A Sエンジニアリングのサポートを受け

て、素晴らしい生産高を記録し、システム

が進化するのを見守り続けます。これこそ

まさに“盤石の保証”なのです。

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メルボルンの製鋼企業マーゴン・ス

チール社は、機器が時代遅れにな

り、技術サポートが低下し、交換

部品が入手困難になったことにより、この

ままでは、ダウンタイムが増加して、プラ

ントの効率が低下するおそれがありました。

そこで同社の第1世代のディジタル/アナロ

グ棒鋼製造プロセス制御システムとミル・

スタンド・ドライブD Cコンバータを新しい

システムに移行することを決断しました。

問題となったのは、同社の要求を満たす

優れた製品とローカルサポートを提供し、

移行によるダウンタイムを最小限にとどめ

ることのできる、製品とエンジニアリング

のチームを見つけ出すことでした。

1 6台のスタンドと2 0台のドライブから

構成されるマーゴン・スチール社の棒鋼プ

ラントでは、円形鋼、平形鋼、溝形鋼な

ど、9 0種類以上の製品を製造しています。

通常これらの製品は、顧客の注文に応じて

年間5 2週間、1日2 4時間体制で製造さ

れ、顧客の注文に確実に対応するために最

適の速度と効率が保持されます。

マーゴン・スチール社の鋼材圧延加工マ

ネージャー、アラン・アーミテージ氏と、

棒鋼プラントの電気管理担当者、アンドリ

ュー・トーマス氏が率いるチームは、新し

いシステムに移行するために、世界中の製

品を検討しました。その結果、リライアン

スのA u t o M a x分散電力システム( D P S )と

いう特定目的用マルチ・ドライブ・ディジ

タル制御システムをベースとしたロックウ

ェル・オートメーションのソリューションが

選ばれたのです。

D P Sは、リライアンスのS I G M A汎用オ

ペレータインターフェイスおよび M i l l

M a n a g e r監視制御システムと共に動作し

ます。システム全体の移行の設計・技術サ

ポートは、ロックウェル・オートメーショ

ンの本社、オーストラリアのドライブシス

テム、グローバル・テクニカル・サービス

( G T S )そしてI A Sエンジニアリングの専門

技術者から構成されるチームによって行わ

れました。

ユニークなソリューションD P Sの構造は高度にモジュラー化されて

いるため、マーゴン・スチール社は既存の

ドライブ・サイリスタ・パワー・スタック

やエンクロージャをそのまま使用できます。

既存のレギュレータをA u t o M a xパワー・

モジュール・インターフェイス( P M I )に交換

することにより、ドライブを最小限のダウ

ンタイムで1台ずつ移行できるため、長期

間にわたりプラント全体の操業を停止せず

に済みます。

新しいシステムでは、光ファイバーをベ

ースとしたディジタル通信を採用すると共

に、リモートI / Oを介してプラントフロアと

コントロールルームを接続するため、従来

のディスクリートI / Oネットワークと比べて

大幅に合理化されます。

1 5年にわたり技術サポートの問題に悩

まされていたマーゴン・スチール社にとっ

て、ローカルサービスとサポートは、優先

順位の高い希望項目でした。

ドライブ・システム・チームは、オース

トラリアのドライブシステム、G T SとI A S

エンジニアリングの精鋭スタッフから構成

されていました。また最重要課題であるシ

ステム立ち上げエンジニアリングには、

G T Sのドライブ・システム・エンジニアで、

3 5年の経験をもつ棒鋼プラントのエキスパ

ート、ダリル・ピーターソンが任命されま

した。

クリーブランドにあるロックウェル・オ

ートメーションの金属産業設計センター

(Metals Industry Design Centre)と共

同で設計エレメントが開発され、さらにそ

の間に、多数のドライブレギュレータを

D P Sの直接ディジタル焼成に移行する、第

1回移行作業の準備が進められました。

操業停止期間の大幅な短縮プラントでは、厳しいながらも実現可能

なスケジュールでレギュレータを移行する

ために、長期間の操業停止を予定していま

した。そこでマーゴン・スチール社は、完

全な“ドライラン(予行演習)”を実施する

May 2000 • 13

Application Story

ロックウェル・オートメーションのドライブシステムは、既存の

鋼材圧延プラントのドライブ制御システムを最小限のダウンタイ

ムで移行する、という難問に取り組みました。

DRIVE to a d ig i ta l f u t u r e未来のディジタル制御に対応するドライブ

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14• JUNE 2000

Application Story . . . c o n t i n u e d

Mill Managerにより迅速な製品移行を実現。“Scroll and select”をレシピ画面から選択するだけで200種類のパラメータを簡単ワンタッチで設定。

鋼プラント電機管理担当者、アンドリュー・トーマスと0台のドライブコントローラの1つ-既存のドライブサイスターパワースタック(右)と新A U T O M A Xパワーモュールインターフェイス(左)

ために、旧システムのシステム・コンバー

タ・パネルをドライブシステムのシドニー工

場に送りました。

第1回の移行作業での、操業停止時間は

3 6時間。その後の以降作業で2台または3

台のドライブを移行する際には、操業停止

時間は24時間未満でした。

棒鋼プラントの電気管理担当者、トーマ

ス氏は、次のように回想しています。「主要

施設が操業停止になる前に、1 6台のスタ

ンドのうち1 4台について作業を終了してい

たため、これらのスタンドが正しく稼動す

ることを確認できました。その結果、最終

的な移行作業では、ほとんど問題が発生し

なかったのです」

操業停止前の準備プロジェクトチームは、S I G M Aサーバ、

Mill Managerそして制御用コンソールを

開発するために、3週間におよぶプラント

全体の操業停止の数ヶ月前から、多忙な

日々を送っていました。

新しいコンソールが完成すると、トーマ

ス氏は、2名のスーパーバイザと4名のマー

ゴン社のオペレータと共にドライブシステ

ムを訪れて、画面や表示項目を1つずつ確

認 し ま し た 。 ま た 、 S I G M A と M i l l

M a n a g e rシステムがすべてのD P Sラック、

クライアント、サーバ、Mill Managerと

正しく接続されるかどうかについても、詳

しく調査しました。

S I G M Aの各ポイントは、スケーリングや

ポイントの割当てなどについて、1つずつチ

ェックされました。さらにミルスタンドの下

に取り付けるリモートI / Oエンクロージャの

設置や配線などの作業も、操業停止前に完

了しています。

そのためプラントの操業を停止して行っ

た移行作業は、既存のコントローラとコン

ソールの取り外し、新しいコンソールの取

り付けと接続、プラントフロアのフィール

ド機器とドライブ制御フロアのリモートI / O

パネルの接続だけでした。

移行作業が短期間で終了したため、プラ

ントではゴーストロール(原料を使用せずに

行う試運転)に多くの時間を使うことができ

たのです。

プラントの順調な再稼動実際に、操業開始後に最初に行われた棒

鋼の製造では、まったく障害は発生しませ

んでした。G T Sのシステム立上げエンジニ

アで、棒鋼プラントのエキスパート、ダリ

ル・ピーターソンは、マーゴン社のシステ

ム立上げは「この3 5年間で最も順調に行

われたシステム立ち上げの1つです」と述べ

ています。

マーゴン社のプラントは、システムの移

行により、プラント内のデータをより有効

に活用できるようになり、生産性や製造能

力が向上しました。「旧システムでは、特に

コンバータカードや光学エンコーダなどの

機器で、1週間に1~2回は故障が発生し

ていました。新しいシステムの稼動後、制

御システムでは機器の障害がなく、電気系

統の故障によるダウンタイムが1週間に2時

間も削減されました」(トーマス氏)

Mill ManagerとSIGMAサーバの組み合

せも短期間の移行に貢献しました。従来の

システムでは、製品レシピの2 0 0種類のパ

ラメータを項目ごとに手動で選択しなけれ

ばなりませんでした。この作業には4 0分以

上かかり、エラー箇所を特定しにくい原因

にもなっていました。

新システムでは、Mill Managerのレシ

ピ画面をスクロールして選択するだけで、

パラメータをわずか数秒で選択することが

でき、操作ミスも減少します。

また、SIGMAサーバの強力なデータベー

スにより、マーゴン社の業務管理システム

とのイーサネット通信が実現しています。

これにより、製造スケジュールをプラント

フロアにダウンロードしたり、オフィスのマ

ネージャーがリアルタイムの製造データに

アクセスできます。これこそ「プラントフロ

アとオフィスを結ぶ」真のデータ転送です。

マーゴン社の棒鋼プラント移行プロジェ

クトでは、準備作業を入念に行い、移行作

業を計画的に進めたことにより、ドライブ

システムが成功を収めました。ロックウェ

ル・オートメーションとマーゴン社のチー

ムが力を合わせて実際的なアプローチをと

ったことも、プロジェクトの成功の大きな

要因となっています。ドライブシステムの

アジアパシフィック担当マネージャー、ミ

ッシェル・デイは、次のように述べていま

す。「操業を完全に停止して、ダウンタイム

なしに操業を再開できたことは、このプロ

ジェクトの大きな成功でした。これは、プ

ロジェクトに関わったすべての人々の功績

であり、チーム全体の努力の結果なのです」

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12• JUNE 2000

Technology Wa t c h

安全で快適な職場環境の実現に役立つ新技術

作業環境の安全性を高め、オペレータの傷病休暇を減らす電界効果技術

Zero Force 800Zシリーズのタッチボタンは、電界効果技術に基づいて設計された初めての製品です。特に、信頼性と人間工学について問題を抱えている企業に、この製品をお奨めします。

部品の大量生産を行う産業プロセ

スでは、オペレータが8時間の勤

務時間中に数百回、あるいは数

千回も機器を始動しなければならないこと

があります。そのため筋肉の酷使、反復操

作などの身体的な負担により、筋骨格障害

(職業病)になるおそれがあります。

こうしたさまざまな機器操作はオペレー

タが交替で行うことで、身体的な負担と

緊張が軽減されますが、職業病の危険性

は無くなるわけではありません。例えば、

腱鞘炎や累積性外傷障害により、製造業

者は年間数万時間の製造時間を損失する

と共に、数千億円の保険金を支払ってい

るのです。

従来のスイッチに代わるものこの問題を解決するために、多くのユー

ザーは通常の押しボタンの代わりに、ほん

の少し触れるだけで操作できる光電スイッ

チやコンデンサ型スイッチを使用するよう

になりました。人間工学上の問題に適切に

取り組むことにより、反復動作による障害

は、実際に減少しています。しかし、残念

ながらこの解決方法によってさらに深刻な

問題が発生するのです。光電型のタッチボ

タンは、電子ビームの遮断をスイッチの意

図的な動作と見なします。そのため、ドラ

イバー、ダスター、木片などが操作領域に

落下することにより機器が作動して、重大

な事故を引き起こすおそれがあります。

同様に、コンデンサ型のオペレータイン

ターフェイスにも問題点があります。コン

デンサ型のオペレータインターフェイス

は、比較的強い電界を使用して動作

するため、周辺の電界に反応し

てボタンが誤動作するおそれ

があります。また、コンデ

ンサ型のスイッチは、

感知範囲内に何ら

かの物体があると、

たとえそれがハエであ

っても信号として感知して

しまうので、プロセスの実行中

または保守作業中に機器が作動す

ることにより、危険な状況が発生するお

それがあるのです。

最適のソリューションを提供する新技術このような問題により、人間工学に基づ

く、より安全で信頼性が高いソリューショ

ンを提供することが自動化機器メーカーに

求められています。ロックウェル・オート

メーションは、“電界効果”と呼ばれる新し

い感知技術の開発により、このニーズに対

応します。

特許取得の電界効果技術とマイクロプロ

セッサを組み合わせた、Zero Force

8 0 0 Zタッチ・ボタン・ファミリーは、陽

電荷センサと、これを囲む負電荷リング(図

1 )から構成されます。Zero Forceタッチ

ボタンの曲線形の表面には、センサとリン

グから構成される2つのアセンブリが装備

され、スイッチを作動させるための手の接

触により、いずれも0 . 2秒以内にレジスタ

に反応します。またセンサの電界効果技術

の調整により、人間が行った操作と他の物

体による偶発的な操作を識別できます。

Zero Force 800Zを使用すると、衣類

の接触、流体被膜または液体の飛散による

誤動作が効果的に防止されます。8 0 0 Zの

電界効果センサは、従来のコンデンサ型機

器と比べて非常に低いインピーダンスで動

作するため、機器のS N比(信号振幅に対す

る雑音振幅の比)、さらには電磁や静電イ

ンターフェイスに対する耐性が大幅に向上

するのです。

画期的な設計この新製品に対して、ユーザーは好意的

かつ素早い反応を示しています。ロックウ

ェル・オートメーションでは、ミルウォー

キーのある生産ラインにおいて、次の密閉

機器を作動させるために、5秒間も相当の

力で押し続けなければならなかった従来の

押しボタンの代わりに、新しい“タッチボ

タン”を使用しています。オペレータは、

首や肩の痛みがなくなったといいます。

また、ある空調機器メーカーは、鋼鉄コ

ンプレッサの部品製造機器に使用していた

パーム型ボタンを、Zero Forceタッチボ

タンに移行しました。従来は切削油剤、冷

却剤および高湿の作業環境により、押しボ

タンの誤動作が発生していたのです。誤動

作を元の状態に戻すには2 0分のダウンタ

イムを要し、これは1 3 3個の部品製造の

損失に相当します。また、1回の勤務シフ

トで最大9 0 0回のボタン操作があるため、

経営者側は機器の人間工学面を懸念して

いました。

Z e r o - F o r c eタッチボタンは、操作性を

大幅に改善すると共に、安全上および人間

工学上の問題を解決して、プラントの厳し

い環境に対応します。

8 0 0 Zシリーズのタッチボタンは、安全で

信頼性が高くオペレータの疲労を最小化す

るオペレータインターフェイスにより、プラ

ントに最適のソリューションを提供します。

図1:電界効果技術の概要

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製 造 業 向 け の D N A モ デ ル で あ る

Windows DNA for Manufacturing

( D N A - M )は、マイクロソフトのコアテクノ

ロジーを使用しているため、プラント内の

あらゆるシステムがエンタープライズ情報

の「ディジタル・ナーバス・システム」の

一部となり、プラントを、企業のメインと

なる情報システムに接続します。

Windows DNA for Manufacturingに

は、エンタープライズ・リソース・プラン

ニング( E R P ) /製造リソースプランニング

( M R P )、制御、ヒューマン・マシン・イン

ターフェイスとS C A D A、製造実行システ

ム( M E S )、バッチ、オペレータインターフ

ェイスなどの主要機能が含まれます。

このモデルの中核となっているのは、ソ

フトウエア開発期間を短縮するだけでなく、

アプリケーション間に“接着剤”を提供す

るテクノロジーです。そして製造企業の顧

客から業者、パートナーまでを結ぶ、統合

的な製造環境を実現します。

ロックウェル・ソフトウエアとDNA for Manufacturing

ロックウェル独自の製造業向けソフトウ

エ ア の 戦 略 的 フ レ ー ム ワ ー ク で あ る

Rockwell interNet Applications

Architecture (RNA)は、Microsoftが定

義したD N Aモデルに合わせたシステムを構

築するものです。

ロックウェル・オートメーションは、

Windows DNA for Manufacturingソリ

ューションの主要コンポーネントのいくつ

か を 提 供 し て い ま す 。 こ の 中 に は 、

S C A D A、ヒューマン・マシン・インター

フェイス( H M I )、バッチ、製造企業システ

ム( M E S )とエンタープライズ・リソース・

プランニング( E R P )のインターフェイス、

PCベース制御/通信などの技術があります。

これらの技術は、単独ではD N Aシステム

を構成しませんが、いずれも重要な役割を

果たします。プラントフロアの制御機器と

の通信インターフェイスは、データのやり

製造フロアのリアルタイムな情報

へのアクセスは、製造企業にと

って真の効率化の鍵とな

ります。より良い意思決定の土

台となりますし、サプライチェ

ーンと製造オペレーションをリ

ンクさせ、組織全体を顧客に

さらに近づけます。

これまでハードウエア機器や

ネットワーク接続が大きな進歩

を遂げる一方、ソフトウエアの分

野には解決すべき多くの課題が残

されていました。マイクロソフトの

Windows Distributed interNet

A p p l i c a t i o n s ( D N A )は、このような

ニーズに対応する最新技術です。

DNA/RNA for Manufacturingとは?製造企業では、クライアント製品を分散

環境に移行する際に、以下のようなアプリ

ケーション要件に直面して、システムの開

発や設置が困難になっていました。

●インターネットまたはワイド・エリア・

ネットワーク( W A N )を介して、アプリ

ケーションを幅広く分散したい。

●アプリケーションに必要なデータを複数

の離れた場所に格納したい。

●従来のデータ、アプリケーション、ハー

ドウエアを移行後のシステムで利用し

なければならない。

●製造企業のI T組織が認識していない多

数のユーザーがアプリケーションにアク

セスする。

マイクロソフトは、分散システムのこの

ような問題に対処するために、W i n d o w s

D N Aアーキテクチャーを使用。プレゼンテ

ーション、ビジネスロジック、そしてデータ

ストレージを別々の階層に分けることによ

り、強力なマルチ・レイヤ・ソリューショ

ンを構築します。これにより、インターネ

ット、クライアント/サーバ、P Cの処理モ

デルが1つの枠組みに統合されることにな

ります(図1を参照)。

JUNE 2000 • 15

Technology Wa t c h

製造企業の成功の鍵となるDNA/RNA

製造企業は長年にわたり、プラントフロアとオフィスの間でデータを効率的に統合し、

将来の変更に柔軟に対応できる情報システムを構築することを最終目標としてきました。

DNA/RNAは、その実現に役立ちます。

図1:W i n d o w s D N Aでは、プレゼンテーション、ビジネスロジック、データストレージを別々の階層に分け、インターネット、クライアント/サーバ、P Cの処理モデルを1つの枠組みに統合。

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16• May 2000

Technology Wa t c h . . . c o n t i n u e d

Rockwell interNet Applicationは、マイクロソフトが定義したDNAモデルに合わせたシステムを構築。

取りを制御。また、制御機器とヒューマ

ン・マシン・インターフェイスを接続する

ことにより、プラントフロアの各種機能を

参照し、操作することができます。

D N Aテクノロジーの最も優れた点は、プ

ラントフロアからエンタープライズ情報シ

ステムまでデータを統合する方法を提供し、

企業全体の意思決定に役立つことです。

ロックウェル・ソフトウエアは、同社の

製品と他のアプリケーションの「接着剤」

となるテクノロジーを積極的に提供してい

ます。これには、オペレーティング・シス

テム・プラットフォームの互換性だけでな

く、D N Aの実現に必要なすべてのテクノロ

ジーが含まれています。

COM、DCOMおよびVBAロックウェル・ソフトウエアは、コンポ

ーネント・オブジェクト・モデル( C O M )や

分散C O M ( D C O M )ベースのアプリケーシ

ョンを構築することにより、相互運用性、

柔軟性が高く、広範囲に使用できる製品を

提供することが可能です。

C O Mテクノロジーにより、ソフトウエア

製品のモジュラー性が向上し、ロックウエ

ル・ソフトウエア製品と他のベンダー製品

との統合が強化されます。

その一例が、ロックウェル・ソフトウエ

アのR S S q lというデータログとトランザク

ション処理システムです。 R S S q lは、

C O Mテクノロジーにより「制御システムと

エンタープライズデータベース」の双方向

の リ ン ク を 提 供 し て 、 DNA for

M a n u f a c t u r i n gの統合データベース環境

をサポートします。

ロックウェル・ソフトウエアは、V i s u a l

Basic for Applications (VBA)テクノロ

ジーの利用におけるパイオニアでもありま

す。V B Aの第1の利点は、市販のアプリケ

ーションをカスタマイズして、特定のニー

ズに対応する標準的な方法を提供するた

め、エンドユーザーは固有のスクリプト言

語を習得する必要がないこと。第2の利点

は、V B Aが複数のアプリケーション間でデ

ータを共有する方法や、機能を統合する方

法を提供すること。そして第3の利点は、

ソフトウエア開発者たちが簡易開発ツール

としてV B Aを使用して開発した膨大なソフ

トウエア製品を、エンドユーザーが利用で

きることです。

OLE for Process ControlOLE for Process Control (OPC)は、

パフォーマンス、構造、信頼性という製造

環境のニーズに対応するよう設計されてい

ます。

O P Cは、機器、制御アプリケーション、

エンタープライズアプリケーションを統合

するための、相互運用性のあるオープンな

インターフェイスです。これによりすべての

アプリケーションは、C O Mベースの単一の

アプリケーション・プログラミング・イン

ターフェイスを使用してデータにアクセス

できるため、データの収集や共有が大幅に

簡略化されます。

知識の共有ロックウェル・ソフトウエアは、マイク

ロソフトと共同で開発を進めるだけでなく、

同社の「ソリューションプロバイダ」とい

うプログラムに参加しており、同社の技術

教育センター(Microsoft Technical

Education Center)が認定する最初の産

業用ソフトウエア企業でもあります。

DNA for Manufacturingは、マイクロ

ソフトのコアテクノロジーを利用すると共

に、他の製造ベンダーとパートナーシップ

を結ぶ製造企業にとって、必須のソリュー

ションとなります。

またロックウェル・ソフトウエアは、

D N Aソリューションのいくつかの主要コン

ポーネントを提供して、他のベンダーと共

同で製造企業やプロセス制御企業向けの統

合的な自動化ソリューションを開発すると

共に、エンドユーザーやインテグレータと

知識を共有して、システムを成功へと導き

ます。

プラットフォームとオフィスを結ぶソフトウエア製品

ロックウェル・ソフトウエアは、長年に

わたり製造企業に対して「プラントフロア

とオフィスを結ぶ」ソフトウエア製品を幅

広く提供し続けています。

DNA for Manufacturingの各種テクノ

ロジーの採用により、バーチカルな業界と機

能性に重点をおいて、統合的なソフトウエ

ア製品( P A K )の供給が可能になったのです。

例えば、ProcessPak for Batchには、

R S B a t c h、R S V i e w 3 2、ファンクショ

ン ・ ブ ロ ッ ク ・ プ ロ グ ラ ミ ン グ 用 の

R S F r a m e w o r k sなどのアプリケーション

が含まれます。また、P r o c e s s P a kは、

C O Mの統合機能、V B AおよびO P Cを利

用して、アプリケーション間の相互運用性

や、企業内の他の階層との接続を可能にし

ています。

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JUNE 2000 • 17

P roduct Focus

MicroLogix 1200マイクロコン

トローラは、アレン・ブラドリー

の小型コントローラファミリーの

最新機種です。MicroLogix 1000コント

ローラとMicroLogix 1500コントローラ

の中間に位置するこの機種は、高度な機能

性と拡張可能なI/Oを小型サイズで提供。今

日の市場ニーズに対応する魅力的な制御ソ

リューションとなります。

この製品のプロダクトマネージャー、メイ

ヤー・ジョーンズは、次のように述べていま

す。「MicroLogix 1200により、88点未

満のI / Oを必要とするO E Mやエンドユーザ

ー向けに設計されている小型コントローラ

ファミリーが拡張されることになります。さ

らにこれは、狭いパネルスペースに取り付け

可能なミッドレンジの高性能マイクロコン

トローラに対する市場ニーズを満たすもので

もあるのです」

MicroLogix 1200コントローラは、プ

ロセッサ、組み込みの入出力、電源が統合

化されているため、取り付けや起動を迅速

に行うことができます。ラック不要のモジ

ュラー型設計でシステムコストが節減され、

拡張I / Oユニットにより柔軟性と拡張性が

向上します。さらに、W i n d o w sベースの

プ ロ グ ラ ミ ン グ ソ フ ト ウ エ ア で あ る

R S L o g i xにより、M i c r o L o g i xやS L C

5 0 0コントローラのユーザーが使い慣れた

環境が提供されるのです。

MicroLogix 1200では、2台の2 4点

が有効になります。

通信:MicroLogix 1200コントローラ

には、 D F 1全二重/半二重プロトコルと

D H - 4 8 5プロトコルをサポートする組み込

みのRS-232Cポートがあります。また、デ

バイスレベルのオープンなネットワーク規格

であるD e v i c e N e tの接続オプションも提供

しています。M o d b u sスレーブプロトコル

が組み込まれているため、M o d b u sネット

ワークにより既存のS C A D A / R T Uアプリケ

ーションに簡単に統合できます。

この他にも、6 Kワードの構成可能メモ

リ、2つの内蔵アナログ・トリム・ポテンシ

ョメータ、リアルタイムクロックとメモリモ

ジュール、1 m s e cのタイマー分解能、脱着

式端子台、データファイルのダウンロード保

護など、さまざまな特長があります。

コントローラまたは2台の

4 0点コントローラのいずれ

かが選択可能。また、拡張

I/Oモジュールとして、2つの

8点入力モジュール、1つの

8点出力モジュール、または

1つの4点アナログ組み合わ

せユニットも選択できます。

さらに M i c r o L o g i x

1 2 0 0コントローラには、

コンパクトなサイズ、柔軟

性、高速性、通信という4

つの利点があります。

コンパクトなサイズ:ユニ

ットのサイズが9 0~1 1 0 m mで、狭いパネ

ルスペースに取り付けることができるため、

O E Mの全体コストが節減され、エンドユー

ザーの効率が向上します。

柔軟性:2 4点および4 0点のコントロー

ラオプションと、ディスクリートとアナログ

の拡張I / Oモジュールオプションにより、柔

軟性の高いソリューションとなります。

高速性:2 0 k H zの高速カウンターには、

8種類の動作モードがあり、出力を直接制

御できます。また、4つの割り込み入力で高

速処理が可能となり、さらに4つのラッチ入

力によりパルスをマイクロ秒単位で処理で

きます。

そのため、梱包や印刷などの高速制御ア

プリケーションでは、コスト効果が高くコン

パクトなMicroLogix 1200コントローラ

MicroLogix 1200 - ミッドレンジのマイクロコントローラ

ADR:迅速かつ安全なDeviceNetノードの交換

自動 機 器 交 換 ( A D R ) は 、

D e v i c e N e tスキャナの強力な新

機能です。この機能を使用する

と、D e v i c e N e t上の機器を交換する際に、

ノードアドレスと機器のパラメータが自動的

に構成されます。ロックウェル・オートメー

ションのD e v i c e N e tスキャナに組み込ま

れ、RSNetWorx for DeviceNetソフトウ

構成ソフトウエアでA D R機能を有効にす

ると、D e v i c e N e t上の各ノードのアドレス

と構成がスキャナに格納されます。スキャナ

はノードアドレスを自動的に設定して、機

器の構成パラメータをダウンロードします。

現在、A D R機能は、SLC 500プラッ

トフォーム用の D e v i c e N e tスキャナ

( 1 7 4 7 - S D N )、C o n t r o l L o g i xプラット

フォーム用のD e v i c e N e tスキャナ( 1 7 5 6 -

D N B )そしてC o n t r o l N e tとD e v i c e N e tの

接続機器 ( 1 7 8 8 - C N 2 D N )で使用できま

す。将来的には、P L C - 5プラットフォーム

用のDevice Netスキャナ( 1 7 7 1 - S D N )、

P Cプラットフォーム用のD e v i c e N e tスキ

ャナ( 1 7 8 4 - P C I D S )、コンパクトP Cプラ

ットフォーム用のD e v i c e N e tスキャナ

( 1 7 8 4 - C P C I D S )にもA D R機能が搭載さ

れる予定です。

エアによって起動するA D R機能により、故

障した機器の交換時のダウンタイムが大幅

に減少します。

ロックウェル・オートメーションのネット

ワーク・プロダクト・マネージャー、スコッ

ト・アードマンは、次のように述べていま

す。「A D Rには、アドレスリカバリと構成リ

カバリという2つの主要機能があります。こ

れらの機能により、D e v i c e N e tのユーザー

は、故障した機器を迅速かつ簡単に修復で

きるのです。従来は、ネットワーク上の機

器に故障が発生すると、制御エンジニアが

新しい機器を手動でプログラミングしなけ

ればなりませんでした。A D Rを使用すると、

故障した機器を取り外して、新しい機器を

ネットワーク上に取り付けるだけで、交換

が終了します。その他の作業は、スキャナ

が自動的に行うのです」

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18• JUNE 2000

P roduct Focus

SLC 500ファミリーの拡張

5種類のプロセッサタイプと1 0 0種

類以上のモジュール、各種電源と

アクセサリにより、I / O点数2 0~

4 , 0 0 0点のアプリケーションに幅広く対応

する強力なプラットフォームであるS L C

5 0 0コントローラファミリーに、多数の新

製品が加わります。

●バックアップI / Oスキャナモジュール

( 1 7 4 7 - B S N ):システムの予期しない

シャットダウンを防止するために、冗長

プロセッサを必要とするアプリケーショ

ン用に設計された1 7 4 7 - B S Nは、2台

のSLC 500プロセッサがリモートI / O

ネットワークを介してI / Oを制御します。

プライマリプロセッサは、I / Oを制御。

セカンダリプロセッサは、リモートI / O

ネットワークをモニタして、高速シリア

でそれぞれ選択できます。また、組み込

みのスケーリング機能により、ラダープ

ログラムの複雑なスケーリング機能が不

要となります。

●D C 1 2 / 2 4 V電源( 1 7 4 6 - P 7 ):新し

いD C 1 2 / 2 4 V電源である1 7 4 6 - P 7

により、D C 1 2 Vのバッテリまたは

D C 2 4 Vのシステムから電力が供給され

るので、幅広い入力電圧範囲を必要と

するアプリケーションでSLC 500を使

用できます。SLC 500の高度な機能を

自動車、非常用発電機、太陽エネルギ

ーによるR T Uなどのアプリケーションで

利用が可能。この電源の入力電圧範囲

は D C 1 0 ~ 3 0 V で、出力電力は

D C 1 2 Vのとき2 0 W、D C 2 4 Vのとき

38Wです。

ルリンクを介してプライマリプロセッサ

からデータを直接受け取ります。また

1 7 4 7 - B S Nにより、リモートI / O、

D H +とR S - 2 3 2通信ネットワークをバ

ックアップできます。

●1 6点アナログ入力モジュール( 1 7 4 6 -

N I 1 6 Iおよび - N I 1 6 V ):1 7 4 6 -

N I 1 6 Iと1 7 4 6 - N I 1 6 Vアナログ入力

モジュールは、SLC 500による高密

度、高速で正確なアナログ信号モニタ

を必要とするプロセスアプリケーション

に最適です。各モジュールは、シングル

エンドのアナログ入力機器と互換性の

ある、1 6の構成可能なアナログ入力チ

ャネルを提供。高精度の入力について

は 、 フ ィ ル タ 周 波 数 を ± 2 0 m A

( N I 1 6 I )または±10V (NI16V)の範囲

Manufacturing BusinessWare

は、付加価値サービス、ソフトウ

エア統合ツール、製造ソフトウエ

アアプリケーションを組み合せて、プラント

フロアの製造施設と企業全体の情報システ

ムを強力に結び付けるソリューションを提

供します。

RSBizWare HistorianおよびR S B i z W a r e

C o m p l i a n c e T r a c kは、ロックウェル・ソフ

トウエアがリリースしたM a n u f a c t u r i n g

B u s i n e s s W a r eツールファミリーの最初の

2つの製品です。

RSBizWare Historianは、製造データ

の高度な収集/分析ソリューションを必要と

するユーザーに対して、設計済みのデータモ

デルと分析ツールを提供します。

RSBizWare ComplianceTrackは、規

格適合プロセスを管理、規格適合チェック

リストを作成し、さらに検査を実施して、

検査結果を収集、分析、レポートするため

の製品です。

なお、機器全体の効率のトラック、バッ

チ、スケジューリング、ユニットトラックを

行うR S B i z W a r eアプリケーションが、今年

後半にリリースされる予定です。

Manufacturing BusinessWareにより情報の流れが向上します

ControlLogix 5550コントローラ

フ ァ ー ム ウ エ ア の 機 能 強 化 と

RSLogix 5000ソフトウエアの新

しいリリースにより、複数の制御分野に対

応するC o n t r o l L o g i xシステムの能力が大幅

に拡張されます。これにはモーション制御機

能の拡張、C o n t r o l N e t上のFlex I/Oのサ

ポート、A S C I Iフォーマットのデータモニタ

などが含まれます。

モーション制御の拡張:3つの新しいモーシ

ョン命令と2つの新しい軸タイプにより、モ

ーション制御機能が拡張されます。これに

より、最初のリリースで提供された2 7の既

存の命令が機能強化されると共に、インデ

クシング、位置カムと時間カムのギア、高

速位置合わせなどの幅広い高性能モーショ

ン機能が提供されます。

C o n t r o l N e t上のFlex I/Oのサポート:

C o n t r o l L o g i xでシリーズCのFlex I/O

C o n t r o l N e tアダプタを使用することによ

り、C o n t r o l N e t上のほとんどのFlex I/O

モジュールをサポートして、より高度な分散

I/Oソリューションを提供します。

A S C I Iフォーマットのデータモニタ:従来

のC o n t r o l L o g i xはメモリに格納されたデー

タ値を1 0進数または1 6進数フォーマット

で表示していましたが、今回の拡張により

データタグの内容をA S C I I文字で表示でき

るようになります。

H M Iツールの簡略化:H M Iツールの拡張に

は、トレンドチャートまたはヒストグラムに

より値をモニタできるグラフィカルインター

フェイスが含まれます。また、“T y p e

A h e a d”および“A u t o F i l l”などの便利な

機能とR S W h oを統合することにより、プ

ログラムの開発時間が大幅に短縮されます。

ControlLogixの機能が拡張

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JUNE 2000 • 19

P roduct Focus

E3 & E3 PLUSソリッドステート過負荷保護

小型で強力なPanelView 300の登場

E3およびE3 Plusソリッドステート

過負荷リレーは、アレン・ブラドリ

ーのモジュラー・コントロール・シ

ステム( M C S )製品ラインの最新機種です。

これらの機器は、高度な保護機能や警告機

能に加えて、ネットワークへの直接接続機

能があるため、低コストのモータ制御ソリュ

ーションに優れた柔軟性が提供されます。

E 3とE3 Plus過負荷リレーは、補助

I / O、制御機能や間違った保護モードでの

動作機能など、モータ保護の範囲を超える

高度な機能を豊富に提供しているため、ユ

ーザーはモータの動作をモニターして、製

造ラインのダウンタイムを防止し最小化で

きます。

この製品の特長は、中枢部分で H a l l -

E f f e c tという高精度電流センサを使用して

いることです。標準的な電流トランス( C T )

を使用する他社の製品とは異なり、E 3と

E3 PlusのH a l l - E f f e c t電流センサは、各

位相電流、地絡電流を正確に測定します。

電流の測定値は、幅色い周波数範囲( 2 0~

2 5 0 H z )、ノイズやひずみのあるアプリケ

ーションについて、極めて正確にレポート

されます。

従来の過負荷リレーは“反応型”、すなわ

す。D e v i c e N e tを介してアクセス可能な診

断情報には、機器のトリップ、警告ステー

タス、トリップするまでの時間/リセットす

るまでの時間(過負荷)、過去5回のトリップ

履歴などがあります。

ち、リレーがフォルト条件に反応すると、

リレーをトリップして、製造を停止するもの

でした。一方、E 3とE3 Plusリレーには、

高度な警告機能が装備されているため、ユ

ーザーは製造を中断させる条件に対して事

前に対応できます。

E 3とE3 Plus過負荷リレーは、熱動過

負荷、位相損、ストール、ジャム、負荷不

足、電流不均衡などに対する幅広い保護機

能を提供します。E3 Plusは、サーミスタ

入力や地絡保護も提供します。

ユーザーはトリップや警告機能に関する

すべてのパラメータを調整できるため、幅広

いアプリケーションに合わせて過負荷リレー

をカスタマイズできます。また、補助入出

力により、制御アーキテクチャーが簡略化

され、補助I / Oの必要性が少なくなります。

E3とE3 Plusリレーは、幅広い機能をコン

パクトな機器で提供することにより、パネル

スペースを節減し、機器の取り付けや始動

時間を短縮し、トラブルシューティングを簡

略化します。

ユーザーは、組み込みのD e v i c e N e tポー

トにより、E3とE3 Plusリレーのステータ

ス情報やデータにアクセスしたり、モータ制

御機能を実行して、生産性を最大化できま

奥行きわずか7 0 m m、電源電圧

D C 2 4 Vのアレン・ブラドリーの

新しいPanelView 300キー

パッドターミナルは、限られたスペース

に低コストかつ高性能のオペレータイン

ターフェイスを提供します。

PanelView 300は、従来のPanel

V i e w製品ファミリーと同様に、幅広い

機能を提供します。例えば、画面セキ

ュリティ、高度なアラーム機能、ログ、

4 6種類の言語に対するオブジェクト・

テキスト・サポート、P Cメモリカード

による簡単なアプリケーション転送、各

種通信オプション、PanelBuilder 32

アプリケーション開発ソフトウエアとの

互換性などです。

3インチのL C Dモノクロディスプレイ

を使用しているため、明度の高い環境

に最適です。また、高度なアラーム機

能により、時系列順、またはアクティ

ブ/非アクティブの基準に従って、アラ

語、ハングル語、日本語を含む4 6種類の

言語で開発できます。テキストファイルを

E x c e lのスプレッドシートにコピーし

て、サポートしているいずれかの言語に

翻訳し、PanelBuilder 32にコピーす

るだけで、既存のアプリケーションの迅

速かつ簡単な翻訳が可能です。

P Cメモリ・カード・オプションによ

り、複数のアプリケーションを1枚のカ

ードに格納できるため、アプリケーシ

ョンやファームウエアのアップグレード

版を簡単にアップロードしたりダウン

ロードすることができます。P Cカード

は、O E Mがアプリケーションをお客様

に転送するための便利なツールでもあ

るのです。

PanelView 300には、DeviceNet、

D F - 1、D H - 4 8 5などの柔軟性の高い

通信オプションが装備されているため、

MicroLogixやSLC 500アプリケーシ

ョンに最適です。

ームをログできます。

画面およびオブジェクトテキストは、中国

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コンプリート・オートメーションは、企業全体のシームレスなデータ交換を実現します。コンプリート・オートメーションは、トータ

ルコストの削減、包括的な技術サポート、

必要な時、必要な場所へ必要なものを提供

するなどあらゆるニーズに総合的におこたえ

する完全な自動化をお届けします。また、

製品単体、企業全体の制御システム、オペ

レーターのトレーニングプログラムなど、ご

提供したさまざまなソリューションが、常に

最適であるよう、継続的なお手伝いをさせ

ていただきます。コンプリート・オートメー

ションは、ロックウェル・オートメーション

ならではのソリューションです。

しかし、ロックウェル・オートメーション単

独で、あらゆるニーズに対応することはでき

ません。ロックウェル・オートメーション

は、世界各国のシステム・インテグレータ

ーやパートナーと協力してコンプリート・オ

ートメーションを実現しています。

コンプリート・オートメーションの詳細につ

きましては、下記サイトをご参照ください。

www.rockwellautomation.com

Welcome to the World ofComplete Automation.

Copyright 2000 Rockwell International CorporationComplete Automation and the Complete Automation graphic

are trademarks of Rockwell AutomationAD BSC1126-R1

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