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2スト50㏄が新車で手に入るB
50㏄で2ストエンジンの新車は外車メーカーのごく一部だけとなっているが、今回は日本でも発売されるTGB製の2スト50㏄スクーターに試乗する機会を得たのでご紹介しよう。ヨーロッパでも人気というスタイリッシュな外見や、チューニングすれば底なしに速くなる2ストモデルは見逃せませんB
TGB。あまり聞きなれない台
湾のメーカーだが、それもそのは
ず、以前はピアジオ向けのパーツ
製作やCVT(オートマチックの部
品)などの製造を経て、今の主軸
はATV、つまりアメリカやヨー
ロッパ向けの4輪バギーとなって
いるからなのだ。
そんな世界を股にかけて活躍す
るTGBはスクーターも製造して
おり、そのラインナップにはヨー
ロッパ向けの2スト50㏄があるとい
う。ヨーロッパでは、非力な50㏄にま
で排ガス規制を課すことを避けて
おり、いまだに50㏄は2ストの販売
が認められている。そんなことか
らヤマハをはじめ、2ストの50㏄を
生産しているメーカーは少なくな
く、このTGBもスタイリッシュさ
が人気のBULLET
RS
50を
生産しているというワケなのだ。
TGBは台湾南部の大都市、
高雄からクルマで30分ほど北上し
た岡山という街にある。従業員数
350名、創業1978年という
立派な会社で、ここの林世昌社
長がこれまた立派な志を持った方
だった。ホンダを尊敬していると
いう林社長は、台湾ベスパの製造
を行っていた当時、オートマチック
のスクーターが台頭してきたこと
に危機感を感じ、独自の研究のす
えに台湾で初めてのCVTパーツ
製造に成功。構造だけでなく品質
を保つのが難しいと言われた(当
時)CVTパーツを安く提供でき
る強みを得た。
このCVT技術はATVにも
活用されているし、同社のス
クーターにも活用されており、
1980年代の林社長の決断と努
力が、今のTGBを支えていると
言っても過言ではない偉業だった
のだ。
出ましたB
▲極寒から高温までをテストする機器。他にも振動を与える機器など、あらゆる検査機器がズラリと並ぶ。
「まずは信頼される商品を」という林社長の言葉を裏付ける工場だ。
▲ず~っと水を浴びせかける検査機器。ATVはヨーロッパの砂漠のレースにも対応する品質が求められるだけに、入念なチェックは怠らない。
▲巨大なA T Vの駆動系(CVT)も生産する技術力があるTGB。なんとATVは550㏄なんてバケモノみたいなエンジンもある。
Special Thanks : Taiwan Golden Bee CO.,LTD(TGB)/Motor NetPhoto : Tsuyoshi Chiwa
これが日本でも手に入る2スト50㏄BULLET RS 50だB
TGB BULLET RS 5024万8000円 Yモーターネット70120-819-272
TGB BULLET RS 12527万8000円 Yモーターネット70120-819-272
広い収納スペースやアナログ式の見やすいメーター、ユーロチャンバー風のマフラーや前後ディスクブレーキ、安定感のある13インチアルミホイールや12V電源、ゆとりのシート下収納など、50㏄にしては豪華すぎるほどの装備を備えたBULLET RS 50。ヨーロッパでも人気だけに、外観のカッコ良さも見逃せない。
●エンジン:空冷2ストローク49.3㏄●全長×全幅×全高(㎜):1830×670×1155●最大出力:3.5kw/7000rpm ●前後タイヤ:130/60-13●総重量:95㎏●燃料タンク容量:6.8ℓ
リヤウイングもクールB
キビキビ走る高い戦力の50㏄だB
扱いやすさや高い実力
スタイルまで兼ね備えたB
これから2人で頑張りますB
2種スクバージョンもあるB
ユーロも認めたカッコ良さB
▶リヤウイングや130/60-13サイズの太いリヤタイヤなど、50㏄とは思えない存在感を放つ。
▼縦2灯のヘッドライトや車体造形のクールさ、そして個性的なグラフィックが全体を引き立たせている。
◀ジェットヘルが余裕で入るシート下スペース。このほか、12V電源も装備しているというから、街の実用度は文句なし。▼ツートーンとなるシートは見栄えもいいが、座った感じがシックリくることもオーナーにとっては大切なポイントだ。
▲ゴールドのアウターチューブとキャリパーがレーシーさを助長。カスタムされたようなディスクローターも斬新だ。
▼1万2000rpmまで刻まれたタコメーターがメインとなり、速度はデジタル表示となる。チューニングした場合などに、このタコメーターは役立つだろう。
▶リヤにはスイングアームも装備され、ディスクブレーキを配備。効きすぎてロックするようなこともなく、絶妙な効き具合に設定されているのも嬉しい。
モトチャンプ顧問Z輪が台湾で試乗B
台湾のScooter Custom Fun誌にも寄稿するZ輪がTGB本社でBULLET RS 50と125を試乗。スタイルの良さだけではなく、ふか~く2台の性能を探ってみました。
ヨーロッパ向けモデルらしく、高回転をキープする変速フィーリングが快適。特に減速した後の再加速時には再び高回転での加速となるので、パワフルなのはもちろん、タイムラグのないダイレクトな加速はレーシーそのもの。カスタムすると飛躍的に速くなる2ストエンジンという点も見逃せない部分で、チャンバーなどが発売されれば、さらに大幅なパワーアップが実現する。前後ディスクやサスペンションもよく動くので、街乗りから峠まで、幅広く高い戦力を発揮してくれるハズだ。
7000rpmをキープして変速していく加速感は、サスガCVTのプロフェッショナルという出来栄え。ステップ形状の良さやユッタリとした乗車姿勢、扱いやすい前後ディスクブレーキや重さを感じない軽快な走りなど、クールなスタイルと高い実力を兼ね備えた二種スクーターと言える。
▼TGBの林社長(右)と、BULLET RS 50を輸入販売するモーターネットの二井社長。
●エンジン:空冷4ストローク124.6㏄●全長×全幅×全高(㎜):1890×670×1155●最大出力:8.6kw/7000rpm●前後タイヤ:130/60-13●総重量:118㎏●燃料タンク容量:6.8ℓ
(業販のお問い合わせは☎06-6323-1023まで)
基本的に50㏄と同じスペックとなる部分が多いRS125。30㎞/h規制や2段階右折など、市街地では2種スクーターのほうが使いやすい場合もあるので、使用する環境によって125㏄は絶大な活躍を約束してくれます。
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速い50㏄をお探しのアナタBかなりカッコいい2スト50㏄
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