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重点領域研究 成果報告書 - Waseda University€¦ · 重点領域研究 成果報告書...

Date post: 02-Aug-2020
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重点領域研究 成果報告書 WASEDA Bioscience Research Institute in Singapore (WABIOS) 2016.4 1
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重点領域研究 成果報告書

WASEDA Bioscience Research Institute in Singapore

(WABIOS) 2016.4

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WABIOS 3つの主な活動内容

① 研究

産・学・官のパートナーとの共同研究 国際共著論文執筆 および 特許出願 国内・海外の研究助成金の獲得 国際シンポジウム・イベントの開催

共同研究先の博士課程学生指導 現地大学・ポリテクのインターンシップ学生受入指導 本学の修士・博士課程学生の短期研究受入指導 日本から来訪する大学生・高校生への模擬講義

② 教育 ③ 広報

政治家・官僚・ビジネス・アカデミアなど幅広い来客対応 研究・教育の国際化を進める”WASEDA”の広告塔的役割 シンポジウム・イベント開催時のプレス・メディア対応 日本から来訪する高校生グループへの本学進学アピール

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①-1 4つの研究テーマと成果

従来はマクロに捉えられていた「仕事(力)」と「熱(温度)」をミクロ・ナノレベルで扱う技術を開発し、メゾスコピック領域での新しい事象の発見と、生物(細胞)機能の操作と解明を目的とした研究を行いました。特に細胞温度計測のテーマでは、本分野における早稲田大学の世界的プレゼンスを示しました。

細胞内デリバリー可能な機能性蛍光プローブの実現から、in vivo 応用が可能なシステム構築を目指しました。例えば独自のスクリーニング法により、His-tagタンパク質に対して高い親和性を有するアダプター分子を開発しました。また細胞内デリバリー可能なイメージングシステムの実現、そのin vivo応用を目指した技術開発を行いました。

生体の情報伝達過程を可視化するために、蛍光タンパク質を基本としたバイオ機能性材料を新規に開発、改良、発展させました。例えば細胞内シグナル分子cAMP、ATPや、分泌といった細胞機能を可視化するプローブを開発しました。また、この機能性材料を、生物個体内に導入することで、生きたまま生体内の機能動態を可視化しつつ、解析することを目指しました。

ナノ粒子を担体とする人工赤血球、薬物送達システムに関連するナノ医薬品・医療技術の創出を目指す研究を行いました。例えば、温度に応答して薬物を放出する脂質ナノ粒子を開発し、局所でナノ粒子から薬物を放出できるようになりました。標的部位を可視化しながらピンポイントで治療するための次世代薬物送達システムへの発展が期待できます。

バイオサイエンスやバイオメディカルサイエンスの国際的なハブとしての機能を国家的に目指しているシンガポールにおいて、 バイオポリスは中核となる研究拠点です。 そのバイオポリス内に早稲田大学の研究所を開設し、A*STAR、シンガポール国立大学(NUS)、シンガポール国立南洋理工大学(NTU)を中心とした研究機関、大学に所属する世界屈指の研究者たちとともに連携・共同・融合研究を展開することで、最先端の情報を先取りし、新しい学問領域を開拓することを目指しました。

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①-2 研究業績 -国際共著論文の増加- 年を経るごとにシンガポールの共同研究相手(NUS、NTU、A*STAR等)との成果の割合が増えました。これまで続けてきた各所との共同研究の成果が、着実に論文としてまとめられています。JSPSの5ヶ国研究交流プログラムもあるため、海外の研究機関に所属する研究者との国際共著論文の比率は、2016年以降もさらに高まるものと思われます。

過去4年間の論文数の推移 (北口・宗・鈴木の3グループ分)

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2012年 2013年 2014年 2015年

国内共著論文 国際共著論文

①-3 研究資金の獲得 科研費等の日本国内の研究助成金だけでなく、現地の共同研究パートナーと組み、シンガポール政府関連の各種研究費を複数獲得しながら研究を進めました。

・ 第2回・JST-A*STAR 戦略的国際共同研究プログラム 3年間 / 総額2,000万円 ・ Singapore Polytechnic R&D (TIEFA) Grant 1年間 / 総額SGD66,300 ・ MOE (教育省) Academic Research Fund, Tier 1 Grant 3年間 / 総額SGD150,000

シンガポール関連の研究費

・ 文部科学省 私立大学戦略的基盤形成支援事業、JSPS 研究拠点形成事業 (Core to Core Program) 等

本学の日本国内の大型研究費獲得への貢献

・ JSPS科研費・JSTさきがけ・AMED 等 総額約1億4,000万円

日本国内の研究助成金 (北口・宗・鈴木の3グループ分)

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①-4 開催イベント・シンポジウム

JSPS Core-to-Core Program (2014年9月13日@鴨川)

JST-A*STAR Joint Workshop (2015年1月12日@Singapore)

JSPS Core-to-Core Program (2014年9月8日@UCLA, USA)

2nd Waseda-SP Joint Symposium (2014年12月8日@早稲田)

多くの国際的なシンポジウムを企画・主催、またはゲストスピーカーとして参加し、積極的に研究交流および情報発信を行いました。

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JSPS Core-to-Core Program (2015年9月7日@MBI・NUS, Singapore)

3rd Waseda-SP Joint Symposium (2015年11月26日@SP, Singapore)

1St Waseda-SP Joint Symposium (2013年12月10日@SP, Singapore)

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①-5 Singapore Polytechnic (SP)との連携を強化 2013年12月、本学の重点領域研究機構とSPのTechnology Development Officeとの間でMOUが締結され、研究と教育の両面での協力が合意されました。まずは毎年一回、研究分野を協議のうえ、ジョイントシンポジウムを開催することになりました。

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①-6 SP-Waseda Joint Biomedical Lab 開所式開催 SPのCentre for Biomedical & Life Sciencesのフロアに、SP-Waseda Joint Biomedical Lab(約200m2)が完成しました。 2015年11月26日、現地の協力関係者および日系メディア・ローカルメディアを集めて開所式セレモニーが開催されました。

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②-1 教育活動(模擬講義)

JSTのスーパーサイエンスハイスクールに採択された高校生グループや、大学生グループに対してレクチャー(模擬講義)を実施しました。

主任研究員(日本語)+外国人研究スタッフ(英語)のペアリングが特徴で、引率の先生方、受講された学生からも大変好評でした。

甲南大学 渋谷教育学園高校

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北海道大学

土佐塾高校 早稲田渋谷シンガポール校

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②-2 教育活動(研究指導)

現地の大学(NUS・NTU)やポリテクからインターンシップの学生を定常的に受け入れて、研究指導を行いました(3ヶ月~半年)。

またWABIOSの共同研究先に所属する博士課程学生や、本学の学生がWABIOSにて短期で研究・実習をする際の指導も行いました。

NTU インターンシップ学部学生の指導 IIT (Istituto Italiano di Tecnologia) 博士課程学生の指導

A*STAR・IMBに留学中の 本学博士課程学生の指導

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③-1 来訪客の対応

主に日本大使館のアレンジで来訪される政治家や、文部科学省等の関係省庁、JST・理研、シンガポールへの進出を検討している企業の経営層、他大学の先生方などに対して当地の状況やWABIOSの取り組みを説明し、他の大学に先駆けて本学が研究・教育の国際化を進めていることをアピールしました。

来訪件数 政治家 省庁等 ビジネス アカデミア 大学生 高校生 合計

2015年 0 5 16 14 4 (60名) 8 (170名) 47

2014年 6 7 9 10 3 (50名) 7 (310名) 42

2013年 7 7 9 17 1 (20名) 5 (315名) 46

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③-2 研究活動の情報発信

本学の学内誌およびウェブサイトに、主任研究員の研究成果やインタビュー、本学学生の研究留学体験などが特集されました。 またWABIOSの当地での取り組みや研究グループが発表した論文が、各種新聞にも掲載されました。

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<2015年9月11日・科学新聞> <2014年1月21日・日経産業新聞>

<2012年3月19日・日刊工業新聞>

<2012年12月6日・日本経済新聞>

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WABIOSは2009年のラボ開設以来、中立な立場で現地の産・官・学 全方位の研究チームとのネットワークを拡充して成果を挙げ(研究)、 多様な学生を受け入れ指導しながら国際的な共同研究を推進し(教育)、 WABIOSを訪問される政治家・関係省庁・民間企業・アカデミア・ 大学生・高校生などに対して積極的に情報を発信してきた(広報)。

同時にWABIOSおよびSP-Waseda Joint Biomedical Labは、本学の先生方の海外での共同研究の拠点として、また学生の研究・教育拠点としても活用されてきた。

今やアジア有数のリサーチハブとなったシンガポールのBiopolisに、 「国際的な研究大学」を目指す本学が、本邦の大学初かつ唯一の 独立した研究拠点を維持・運営してきた意義は大変大きいと考える。

WABIOSの活動 まとめ


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