王城山登山と八ツ場ダム周辺探訪
2020.11.24(火)晴れ一時曇り 前橋~八ッ場~王城山~ダム巡り~山木館泊妻が群馬県内でGOTOキャンペーンを利用したいというので、河原湯温泉に泊まることにし、八ツ場ダム周辺を巡ることにした。3連休後だったが、私が予約した旅館はずっと満杯のようだった。自宅で朝食後、新前橋のペットホテルに犬を預け、8:30に出発。谷川 草津方面の山は雪で白く見え・る。途中で一部開通した上信道を少し走り、八ツ場ダムふれあい館に 10:00に着いてパン等の昼食を購入し、10:20水道タンク上に到着。登山靴に履き替えて 10:30登山開始。
子持山の左に白い谷川岳 白い草津白根山が見えてくる 3合
目の水道タンク上に駐車
王城山神社方面との分岐点 5合目の笠木の赤松 5合目
からは登山道となる
6合目の焙烙(ほうろく)岩 7合目の船窪
8合目で尾根に出る。ベンチで休憩
本当はふもとの王城山神社の 1合目から舗装道路を歩いて登るのだが、今回はパスして 3合目から登った。この上に車止めがあるが、道は 5合目まで舗装してあり、5合目の広場からやっと山道の登山道となる。6合目、7合目を過ぎ、やや急坂を登ると 8合目の中棚尾根の稜線で、ベンチがあるのでここで昼食とする。地元で買ったダムカレーパンが美味しい。ここから左手へ向かうと 9合目があるのだ
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が、お籠り岩で登山道が崩落しているため通行止めになっている。我々は右の急な細尾根を登り、少し
上がると 1123mの王城山山頂である。12:00、小さな祠が 3基あり、南西方面の展望がある。戦後期時代にはここに砦があったようで、古城と称している。四阿山がくっきり見え、その左に湯ノ丸山など
が見える。
分岐路の左にお籠り岩が見える 8合目で食べた八ツ場ダムカレー 痩せ尾根
の急登が少しある
登る途中から四阿山がくっきり 少し展望のある王城山山頂 湯ノ
丸山などの展望がある
山頂から先へ少し下ると休憩小屋があり、少し登り返すと王城山神社の奥宮がある山頂だ。こちらに
子供の疳の虫を切る鋏を納めるそうだが、鋏は見当たらず、記念の記帳だけして引き返す。
コル部に祭礼時用の小屋がある コル部には 10合目の標識もある 西峰には奥宮参拝
の記帳簿が収まっていた
王城山奥宮の小さな社 ここから高間山へのルートがある 古城
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峰へ戻って記念の 1 枚
ダム湖の先に榛名山 樹間の正面奥は浅間山かな 木
の間に赤城山と榛名山
山頂から枯葉の道をひたすら下る ふもとの王城山神社の大杉 王城山
神社本殿
山頂からは登った道を下り、車で 1合目の王城山神社へ行く。ダム関連の新しい道路がいくつかあっ
て分かりにくい。王城山神社で無事下山の報告をし、14:20の水陸両用バスに乗りに行く。3500 円の
切符を買って、八ツ場ふるさと館から乗り込む。バスには道路を運転するハンドルと、船で使用する小
さなハンドルが付いている。窓にはガラスがないので風が寒い。バスと船では適用法律が違うとのこと
で、水上ではシートベルトは外す。湖には魚がいるし、水鳥も飛来している。景色はすこぶるいい。
後ろにスクリューの着いたバス 免許はバスと船の両方が必要とか 船から
見た王城山と丸岩大橋
下船後、やんば見放台からダム全景を眺め、隣の旧知のうどん屋の亭主を訪ねた。私はこの付近はダ
ム関連工事をやっている頃に随分通ってきたところなので懐かしい。今回はダムに水が溜まってから初
めての訪問なので、感慨ひとしおだ。ダムの堰堤上も初めて歩いた。夜は新設なった河原湯温泉町に泊
まる。
旧河原湯温泉街は今ではダムの湖底の下になっており、ダムを造るか作らないかで翻弄された街だ。
当時反対していた人たちも、今の八ツ場ダムを見ると思いが錯綜することだろう。
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工事中に何度も上った見放台からダムを見る ダム堰堤上から各方面を見た 旧河原湯温泉から
移築した山木館に泊
2020.11.25(水)曇り後晴れ 吾妻渓谷~品木ダム~奥四万ダム~四万温泉~帰宅
朝湯に行って寛ぎ、朝食後は吾妻渓谷へ向かう。この地区は、ナビや地図と現状が一致しないので、
勘で車を走らせる。ダムの右岸下手に十二沢 PAという所がある。ここから吾妻渓谷を探訪できること
を初めて知った。駐車場から歩道を下ると猿橋というのが吾妻渓谷に架かっている。猿橋は大月の橋が
有名だが、ここの橋はそれに似た片跳ね橋と言う構造で観光用に造ったようだ。
山木館から見た王城山、八ツ場大橋 移設した新河原湯温泉駅にて 吾妻渓谷に
新設された猿橋
日本一短かった JR 樽沢トンネルを見上げる 昔からあった鹿飛橋を渡る 鹿飛橋から見た吾
妻渓谷は見事(横転)
宿で 2 日有効の地域クーポンを頂いたので、浅間酒造でお土産を買い、草津温泉へ向かう。今回は草
津の湯畑は車から見ただけで通過し、国交省の品木ダム水質管理所へ行く。11:00に着いて、早速品木
ダムの重要性と、草津温泉からの強酸性の湯川に石灰溶液を混入すると中性に変化する仕組みを学習す
る。実際に試験紙を湯川の水に入れると色が変化するので判る。この中和施設が無ければ湯川~吾妻川
は強酸性の水となり、魚は住めないし、飲料・農業用にも使えない。八ツ場ダムの水も使えない。強酸
性の水では鉄もコンクリートもすぐに劣化し、五寸釘は 10 日で針金に なってしまう。
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草津に向かう前方に草津白根山 湯畑には大勢の人が居るが通過した 学習室で強酸性水
のすごさを学ぶ
湯川に接して水の実験施設がある 右:湯川の㏗2が、左:中和後 ph7に変わる 橋からセメント中和剤
を湯川に落としている
その後途中で栗生楽泉園へ立ち寄る。ここは草津の殺菌効果の高い温泉でハンセン病(らい病)を治
療するために創られた国立療養所だ。かつて重監房に入れられ、裁判で人権を訴えた人達が居た所だ。
今は資料館だけがある。療養所は近代化されて、今も治療に当たっている。
中和剤で白濁した湯川→品木ダムへ 今も療養者が居る栗生楽泉園 重監房跡は基礎
だけが残る
楽泉園から少し下ると、強酸性の湯川の水は中和されながら下り、品木ダムに集められ、石灰等の堆
積物は定期的に除去されている。石灰石は秩父の武甲山などから運ばれてきている。この中和作業は休
むことなく続けられており、もし中和設備が破壊されれば、影響は利根川から東京に及ぶのだろう。
白濁した品木ダム湖 沈殿物を定期的に浚渫する設備 ブロンズか
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ら石像に変わった若山牧水像
車は品木ダムから六合村に下り、道の駅で昼食を摂り、暮坂峠を越えて四万温泉へ向かう。暮坂峠に
ある牧水のブロンズ像 は数年前に片足が不届き物に切断され盗まれた 。その時の片足の像を私は見たが、
今回は石像に作り替えられていた。悪い奴が居るものだ。
沢渡温泉街は療養者の利用が多い町だが、狭いので通過して四万温泉の奥四万湖へ行った。奥四万湖
は吉永小百合のCMで有名なった所で、美しい青色の水を湛えている。この日は風でさざ波があったが、
それでも水は青かった。その後旧国宝の日向見薬師堂を訪問し、私は隣の無料の御夢想の湯に浸った。
狭い浴槽だが、いい湯であった。お礼に 100 円だけ収めた。
四万ブルーの奥四万ダム湖 今は重要文化財となった日向見薬師堂 無料の御夢想
の湯に入ってみた
帰りには四万川の甌穴を見て、一路前橋へ急ぎ、16:20に愛犬と再会した。(2020.11.27記)
・今回は近場の旅だったが、普段行かないようなところを訪れ、GOTOトラベルで楽しめた。
・八ツ場ダムは総工費 5320億円とのこと。道路や鉄道を付け替え、住民や温泉街を移設させ、民主党
政権時に一時中断されたが、計画から 70年近く経って、やっと完成した。国のやることはすごい。
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