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Kobe University Repository : Kernel · 命題2-階層制と分権制の選択...

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Kobe University Repository : Kernel タイトル Title 管理者の環境認知と組織的意思決定 : 単純なコンティンジェンシーモ デル(Manager's Environment Cognition and Organizational Decision Making : A Simple Contingency Model) 著者 Author(s) 末廣, 英生 掲載誌・巻号・ページ Citation 国民経済雑誌,152(2):87-108 刊行日 Issue date 1985-08 資源タイプ Resource Type Departmental Bulletin Paper / 紀要論文 版区分 Resource Version publisher 権利 Rights DOI JaLCDOI 10.24546/00173486 URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/00173486 PDF issue: 2020-05-22
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Kobe University Repository : Kernel

タイトルTit le

管理者の環境認知と組織的意思決定 : 単純なコンティンジェンシーモデル(Manager's Environment Cognit ion and Organizat ional DecisionMaking : A Simple Cont ingency Model)

著者Author(s) 末廣, 英生

掲載誌・巻号・ページCitat ion 国民経済雑誌,152(2):87-108

刊行日Issue date 1985-08

資源タイプResource Type Departmental Bullet in Paper / 紀要論文

版区分Resource Version publisher

権利Rights

DOI

JaLCDOI 10.24546/00173486

URL http://www.lib.kobe-u.ac.jp/handle_kernel/00173486

PDF issue: 2020-05-22

管理者の環境認知 と組織的意思決定

- 単純なコンティンジェンシーモデル-

末 贋 英 生

Ⅰ 問 題

組織とは,2人以上の人間の意識的に調整された行為の体系である。それは,

通常,管理者と部下の関係を基礎とする組織構造によって実現される。この管

理者は,組織において多様な戟能を果たす。代表的な機能は,次である。

i)計画-プログラム化しうる問題について,部下がなすべき仕事をあらか

じめ決定し,標準作業手続きを作成すること。

ii)意思決定-プログラム化されない問題が発生した時,部下がなすべき仕

事を,そのつど決定すること。

iii)監視-部下が,指示された作業を忠実に実行しているかどうかをチェッ

クすること。

企業組織にとっては,第2番目の意思決定機能が最も重要である。管理岳の他

の側面を捨象し,意思決定磯能のみを考えたものを, 「管理者」と呼ぶことに

する。本稿が取 り扱 う問題は,次である。

問:tllj.L

「管理者」の存在は,組織にとって常に有益であろうか?

組織論においてほ,この問題は,1960年代末から,経験的方法によって分析

された。p-レンス&ローシュ [2]に始まる,このコソティンジェソシ-理論

が到達した結論は,次の通 りである。

コソティンジェソシ-理論の結論

望ましい組織構造のタイプは,企業が直面する環境に依存して変わるので,

88 第 152巻 第 2 号

「管理者」の存在が組織にとって常に有益であるとは限らない。

この経験則を統一的に説明しうる理論は,いまだ提唱されていない。我々は,

最も単純なモデルについて,この経験則に対応する結論を導きたい。

Ⅰ王 仮 説 ・モ デ ル

コンティンジェンシー理論が考えている組織をモデル化するために,その組

織観を構成する基本要因を反省してみると,次の2つの仮説が出発点となって

いることがわかる。

仮説1-情報プロセシングパラダイム (加護野 [1])

組織は,自己が直面する環境に対して何をなすべきかを決定するために,

環境から情報を取 り入れ,それを加工し,問題を解決する,情報処理の体

系である。

些説21・・限界合理性仮説 (マーチ&サイモン [3])

組織内の個人は,当該組織が解決すべき問題を処理するために必要な情報

処理能力に較べて,微小な能力しか持たない。1

今,仮説1において,組織が解 くべき問題は記述されているとしよう。する

と,上の仮説から, 「管理者」の相反する2側面が導かれる。

PositiveAspect

メンバーの行動を決定する際に,もしも 「管理者」が存在しなければ,令

メンバーは環境から自分が取 り入れた (仮説 1)限られた情報にのみ依拠

せざるをえないから (仮説2), 各メンバ-の決定に,情報の不足と相互

の-慣性の欠如が生じる。

NegativeAspect

メンバーの上位に 「管理者」があって意思決定を行なう場合には, 「管理

者」もまた限界合理性によって制約されているから,各メンバ-が環境か

1 日襟形成の問題も,組織的意思決定において,等しく重要である。そこにおける 「管理者」の役

割については,末贋 [8]を参照。

管理者の環境認知と組織的意思決定 89

ら,取 り入れた情報のすべてを同時に処理することはできない (仮説 2)。

そのかわ りに,各メンバーは,各自が環境から取 り入れた情報を加工 ・要

約した結果を 「管理者」に報告し, 「管理者」は,これらの報告を総合し

て環境の状態を読み取 り,決定を下す (仮説 1)。 その結果,各メンバー

の情報は,報告過程においてロスを生じる。

この2側面を表わす最も単純なモデルとして,我々は,次の階層的意思決定

モデルを用いる。すなわち,組織は,「管理者」i-0 とメンバーi-1・2とか

ら成る。組織のパフォーマンスは,各メンバ-の行動 a.∈R (i-1・2) と各

メンバ-の収益性パラメ-メ-のペアー FL-(FLl,Fe2)で表わされる環境の状態

によって,2次形式

u(al,a2】p)-2FLlal+2FL2a21a12-a22-ala2

で決まる。起こりうべき環境の状態は表 1に示す4通 りであり,その生起に関

して,組織内の個人 i-0・1・2は事前的にはラ 表1

プラスの意味で完全無知,すなわち,(〃1,〃2)の

事前確率は各事象とも等しく‡である。各メンバ

- iは,どの環境が生起しているかを知るために

情報収集を行なう。この環境観察過程は,次の2つの意味で制約的である。第

1に,メンバー iの調査は,自己の収益性パラメーターの生起,つまり,FLi-

FEi(H)orFL-(L)?に専門化して行なわれる。第2に,調査の結果,メンバーi

は2つの収益性指標 Ai-高収益性に敏感な指標,Bi-低収益性に敏感な指標,

を入手するが,各指標がとりうる値は Ai-AI(H)orAi(L),Bl-B乙(H)or

Bi(L)で,このいずれが生じるかは,メンバーiの収益性パラメータ- FLiの

みに依存する確率分布 (表2,表3に示す)による。その結果,両方の指標が

表2 FL.・(H)が生じた時 表3 FLi(L)が生じた時

90 第 152巻 第 2 号

共に高収益性 zlh-(AT(H),Bl(H))を示せば Fll(H)の生起が確信でき,逆

に両方の指標が共に低収益性 zil-(Al(L),Bl(L)) を示せば FLi(L)の生起が

確信できるが,Alの指標が高収益性を示 し,BI・の指標が低収益性を示す とい

った中間の観察結果 zL'n-(4 (H),B.(L))の場合には,実際の収益性が FLi(H)

であるか FLl(L)であるかを判別できない。 この観察データ Z再ま, メンバ-i

に よって要約され, 「管理者」に報告される。「管理者」は, この情報源を,2

次の中か ら選択的に設計できる。

i)Bl方式- 「管理者」は,情報経路をメンバー i-1に特化 し, メンバー

i-1の情報 zlをそのまま受け取 り, メンバー i-2の情報 Z2はまった く

受け取 らない。

ii)β2方式-β1方式の逆のタイプの特化

iii)B。方式・・・「管理者」は,情報経路を メンバー i-1・2の問に分散させ

る。 メンバー iは,観察データ Zl

に対 し, こ.A-ill(H) が生起 した と

い う判断 or∈Ll-jLi(L)が生起 した

とい う判断,のいず れ か を報 告 す

る。 この報告関数 pLには表 4の2つの3

タイプがあって,その組み合わせか ら,

βo方式には表 5に示す 4タイプがある。

各報告形式の下 で,「管 理 者」は,各報 告

∈-zlOrZ20r(∈1,∈2) に対 して,両 メンバ4

ーの行動 (al,a2)を指定す る。

2 仮説2が操作可能であるためには,情報が合理性に与える負荷を定量化しなければならない。今,

個人i-0・1・2-の情報負荷 #iを

#i-当該情報源の下での,情報空間の本源事象の数

で定義すると,各メソバーi-1・2は♯i-4(ただし,(AL(L),Bl(耳))は決して生起しえないから,

実質上は#i-3)であるのに対して,「管理者」もBl,Bz,B。のいずれの方式においても♯0-4で

ある。これは,組織内の個人 1'-0・1・2の合理性水準を等しいと見なしているということである0

3 メソ/もーiの報告形式として,∈8-∈lh or∈81なるtwovaluedの形式 (この時♯0-4が満たさ

管理者の環境認知と組織的意思決定 91

以上の階層的意思決定手続きと代替的に,組織は, 「管理者」を必要としな

い分権的意思決定手続きをとることもできる。その場合には,各メンバー i-

1・2ほ,自己の観察データZ再こ対し自己の行動aiを単独で決定する。この決

定関数 ∂l:Ziいa再も クラス 4-(∂i:(Zlh,zi'n,Zll)-R)の中から事前に指定

され,両メンバーに知らされている。

ⅢⅠ 命題 ;情報量と組織構造

組織が,階層的意思決定手続きないし分権的意思決定手続きの特定のタイプ

を選択すると,組織構造が決まる。組織は,組織のパフォーマンスの期待値U

-Euが最大となるよう,組織構造を設計する。

いかなる組織構造が選択されるか,という問題に関するコソティンジェンシ

-理論の結論 (Ⅰ節の結論の内容を成す下位命題)は,次のようにまとめられ

る。

金星1二度艶墜隆運医

組織にとって重要な不確実性に対処できるメソバーの情報が用いられる。

命題2-階層制と分権制の選択

環境の不確実性が低ければ階層的意思決定手続きが,逆であれば分権的意

思決定手続きが用いられる。

我々は,Ⅱ節のモデルについて,この2つの命題の妥当性を検討したい。こ

れらの命題が操作可能であるためには,不確実性の尺度を定義する必要がある。

れる)のクラスでは,他に,各 zlに対して∈lhと∈llを一定の確率で混合する方式が考えられるo

Lかし,混合報告形式のパフォーマソスほ,追加的ノイズのゆえに,本文中の純粋報告形式のそれ

よりも劣ることがわかる (末虞 [9]を参照)。また,

pL(ZB)-∈8h forZF Zth

こ.I forI,- I.'';

;/iforzl-Zll

たる純粋報告形式のパフオ-マソスが本文中の形式のそれよりも劣ることも明らかである。

4 「管理者」がメソバ-i-1.A2の行動を指定する方法として,複数の行動を一定確率で混合する

形式も考えられる。しかし,その時のパフォーマンスは,純粋形式のそれよりも劣る (宮沢 【51を

参照)0

92 第 152 巻 第 2 号

情報の量概念には種々のものがあるが (野口 [6]を参照), ここでは,次の3

つの概念を用いる。

i)情報負荷-当該情報を処理するために個人に要求される合理性の水準を

表わす指標。注2で定義された #iを用いる。

ii)情報量-当該情報によって,事象の生起に関する不確実性が引き下げら

れる程度を示す指標。当該情報によっても残される不確実性の程度と逆方5

向のユニークな関係にある。後者を nat単位のエソトロピーで表わす。

iii)情報価値-当該情報処理体系によって,組織のパフォーマンスが引き上

げられる程度を示す指標。当該情報処理体系の下で達成可能な最大の平均

パフオ-マンスと同方向のユニ-クな関係にある。後者を maxU で表わ

す。6

これらの概念を用いて上記の命題を書き直し,我々は,次の命題を検討しよう。

命題 1′

「管理者」の情報量は,エントロピーの低い情報を持つメンバーからの報

告によって,より大となる。

命題2′

メンバーの情報量が大である時には,階層的意思決定手続きの情報価値は,

分権的意思決定手続きのそれよりも大であり,逆は逆。

Ⅳ メンバーの情報量

まず,各メンバーi-1・2が環境から取 り入れ

る情報の情報量を求めよう。

今, メンバ- i-1が zlh,zlm,ZIEの各々の観

察データを受け取る時の,環境 〃-(〃1,〝2)の生

表6 zlhを受け取る時

5 事象 S1,--,Snのいずれが生起するかを問題にする時,事象 SJの生起確率が PJと考えられrl

るならば,nat単位のェソトロピーは H-=三一(∑PJlogPJ)で与えられる。ここに,logは自然対数。)-1

宮沢 [5]を参照。

6 情報負荷の概念は,Il節でのモデル構成のた削 こすでに用いた。

管理者の環境認知と敵織的意思決定

表7 21mを受け取る時

FL2(H)I llhli-てi二両T+(1-ll)1 1-ll2 (1-hl)+(1-ll)

〃2(エ)

1 1-hlI2二亘≡軒 下往二Ji51 1-Jl二 Ll-い +Ll二日

表8 zllを受け取る時

93

起に関する事後確率法則は,表 6,表 7,表 8のようになる。したがって,各

観察データを受け取った時のエントロピ-紘

H(zlh)-log2

H(zl-)-log2-〔百二競 売 log召二震 転

.1,・Il./.1/ I.I" .ト .・・.i:・I.1"∴H(zll)-log2

となるOところが,各観察データ Zlh,Z1-,glJが生じる周辺確率は,各々与hl,

i(ト hl)・喜(ト ll),与llf3から,メンバーi-1が直面する平均エソトロピ

-Hlは

H1-log2-号[ (i-hl)log-(1# (h

・(ト ll)log鼓 す〕

となる。 Iil≡

メンバー i=1が直面する平均 (0,1)荏ェントロピーは,彼の環境観察過

程における確率/ミラメータ- (ll,

hl) の関数である。それは, パ ラ

メーターの境界値で

Hllll=1-log2

HIJhl=1-10g2

HlIll=hl=0-log4〟 1 -10g4

図 1

→事I11-log2

(1,0)

94 第 152巻 第 2 号

7となって,(0,1)×(0,1)では

,-:-;.II-

% Hl-

となる。したがって,確率/iラメーターの領域 [0,1]×[0,1]上での Hlの分

布は,図1のようになる (実線はHlの等高線,矢印はHiの増大方向を示す)0

メンバー i-2が直面する平均エントロピーH2 についても,まった く同様

になる。

Ⅴ 報告と情報ロス

次に,階層的意思決定手続きの報告過程を考察する。この過程において,令

メンバ-i-112が環境から取 り入れた情報がどの程度失なわれるかは,報告

形式による。

メソバーi-1について考えると,Bl方式の場合には,明らかに情報ロスLl

(β1) はゼロである。

他方,B2方式の場合には, 「管理者」がメンバーi-1から空の情報を受け

取ることによって直面する平均エソトロピーH.(B21.=1)は log4だからL,こ

の時の情報ロス Ll(B2)-Ho(B2】i=1)-Hlは

Ll(B2)-log

+I

となる。

最後に,Bo方式の場合には, 報告形式をHタイプとするかLタイプとする

かによって異なる。Hタイプであるとすると, 「管理者」が∈1h,(11の各報告を

受け取る周辺確率は 吐 姐 ,喜llで,各報告を受け取-た時の事後確率2

法則は表9,表10の通 りであるから,それによって 「管理者」が直面す る平

7 事象 SJの生起確率が PJ-0と考えられる時,PjlogPJ-0と約束する。宮沢 [5]を参照。

管理者の環境認知と組織的意思決定

表9 ;lhを受け取る時 表10 ∈1gを受け取る時

95

均エントロピー Ho(Boll-1; H)はlog21illogw llこす+(1-ll)log

議 左 〕となる。したが-て,この時の情報ロスL"Bo;H)-Ho(Boll-1;

H)-Hlは

Ll(Bo;H)-

-(1-ll)log読 み 〕となる。Lタイプの時の情報ロス Ll(Bo;L) も同様である。両者によって,

Bo方式を用いる時のメンバ-i-1の情報 ロス Ll(Bo)は

Ll(Bo)-minlLl(Bo;H),Ll(Bo;L)]

となる。

さて,以上の各報告形式による情報 ロスが相互に

Ll(Bl)≦Ll(Bo)≦Ll(B2)

であることは容易に確かめられる。各報告形式による情報 ロスの,確率パラメ

-クー (ll,hl)-の依存関係は,Ll(Bl) は一売,Ll(B2) は図1に示される

Hlの依存関係の逆 となる。Ll(Bo)は,

立 上1(Bo;H)-寸 ogて粘 <o

1-hl

音 Ll(Bo;H)--ilogて「軒 司 i二 百 ,0

Ll(Bo;H)](ll,h,)-Ll(Bo;L)1(ll,,hl,) forvll-hl',hl-ll'

より,HタイプとLタイプの切 り換えが [0,1]×[0,1]の対角線 ll-hl上にあ

って,そこでの情報 ロス Ll(Bo)lll=hlは

96 第 152巻 第 2 号

宜 Ll(Bo)Ill-hl-与logH E l)J

最 上1(Bo)lLl-hl-

l 1

一首・T_T ・T.h <O

となるから, ll-hl-1 で

Bo方式によるメンバ- i-

1の情報ロス が最 大 となる

(図2)。

メソ/ミ-i-2について

ち,まったく同様になる。

(0,1)

(0,0)図 2

VI 「管理者」の環境アクセスのパターン選択

以上の準備の下で,まず,階層的意思決定手続きにおいて βO,β1,β2のどの

報告形式が選択されるべきかを考えよう。そのた削 こは,両メンバ- i-1・2

からの情報ロスを比較考量しなければならない。

今,Bo,Bl,B2 の各報告形式の下で 「管理者」が直面する平均エントロピ-

を Ho(Bo),Ho(Bl),Ho(B2)とお く。すると,

Ho(Bl)-HI Ho(B2)-H2

である。他方,Bo方式を用いた場合は次のようになる。Bohh方式をとりあげ

ることにすると,「管理者」が両メンバ-から受け取る報告ペアーのタイプと

その周辺確率分布ほ

(∈1h,62h)--・Whh-i-(1+(1-ll)・(1112)I(1-ll)(1-l2))

(;1h・∈21)・・・・・.Wh,-i-(1+(1-ll))l2

((1l・62h)-.・・Wlh-ill(1十(1- l2))

(Eュl,∈21)-・・・・W ll-i lll2

管理者の環境認知と組織的意思決定 97

で,各報告ペアーを受け取った時の事後確率法則は表11,表12,表13,表14の

ようになる。

表11 (∈1h,∈2h)を受け取る時

表12 (Elh,;21)を受け取る時 表13 (∈1l,∈2h)を受け取る時

表14 (;lJ,∈2りを受け取る時

よって,

Ho(Bohh)-WhhHhh+WhlHhl+WlhHlh+WILE,I

Hhh--+(1-ll)+(1-l2)+(1-ll)(1-l2)

1

+(1-ll)+(1-l2)+(1-ll)(1-l2)

1-l2

(1-ll)+(1-l2)+(1-ll)(1-l2)

1-72

+(1-72)+(1-71)(1-72)

1-71

(llll)+(1-l2)+(1-ll)(1-l2)

1-71

+(1-ll)+(1-l2)+(1-ll)(1-l2)

(llll)(1112)

(llll)+(1-l2)+(1-ll)(1-l2)

(1-ll)(1-l2)

(1-71)十(1-72)+(1-71)

98 第 152巻 第 2 号

Hh,i--〔丁子去育 logTfて圭二が 了責 至打log議 毛 ㌻〕

Hll-0

となる.これは,両メンバ-の確率パラメータ- (ll,l2) の関数で,その依存

関係は図3のようになる (証明は Appendixlを参照)。βo方式の他のタイプ

もまったく同様である。

図 3

さて,両メンバーの確率パラメーターのペアー ((ll,hl),(l2,h2))の各々の値

に対し

min(Ho(Bl),Ho(B2),Ho(BohA),Ho(Bohl),Ho(Both),Ho(Boll))

を与える報告形式を求めよう。

まず,単独情報経路同士の比較,および複数情報経路同士の比較は,単純で

ある。すなわち,次が容易にわかるD

i)Bl方式と B2方式の選択は,図1において, min(Hll(ll,hl),H2[(l2,h2))

を与えるメンバーの情報のみを用いればよい。

ii)βo方式の中の4タイプの問の選択は,

Ho(Bohh)≦Ho(Both),Ho(Bohl)≦Ho(Boll)forhl≦tl

管理者の環境認知と組織的意思決定 99

Ho(Bohh)≦Ho(Bohl),Ho(Bolh)≦Ho(Boll)forh2≦ l2

となり, i-1・2とも

ifhi<llthenHタイプを選択

ifh.-lithenHタイ プとLタイプは無差別

ifhi>llthenLタイプを選択

となる。

問題は β1,月2方式とβo方式の比較である。今,単独情報経路が選択される

とすれば,それは,βo方式を用いた時の報告による情報ロスが大であるためと

予想される。そこで,メンバー i-1 の確率パラメーターが,Ⅴ節で求めた情

報ロス最大封 1-hl諸 であ - たとして,メソバーi-2の確率/ミラメータ-

(l2,h2) の各々の値に対して Bl,B2方式と Bo方式を比較しよう。すると,

o<El2*-h2*<i(-ll-hl)

S.t.ifO≦l2<l2*&0≦h2<h2*thenBl方式を選択

ifl2>l2*orh2>h2* thenBo方式を選択

otherwise thenβ1方式と βo方式は無差別

となることがわかる (証明

は Appendix2)。 この結果

は,次のことを意味する。

(図1,図2,図4を合わ (0,号)

せて参照)。

i)メンバー i-2の情 (0,hf)

報量が小さい時には,

情報経路を複数化する

ことによって生じるメ

ンバ- i-1 の情報ロ

スの方が大であるので,

(lB*,0) (i,o)

BlとBoを比較 く=

図 4

相対的に情報量の大きいメンバ- i-1に特化する。

⇒ B2とB。を此較

100 第 152巻 第 2 号

:ii)メンバーi-2の情報量が,メンバ-i-1 のそれと同じく中程度にな

ると,両メンバーの情報を総合した方が有利となる。

iii)メンバ- i-2の情報量が大の領域では,情報経路を複数化してもメソ

バ ーi-2の報告は情報 ロスが小さくなるから,メンバー i-2への特化

にスイッチするよりも,Bo方式の下でメンバーi-1の情報も合わせて利

用した方がよい。

この結果は・メンバーi-1の確率パラメ-クーが ll-hl諸 であることに

依存している。そこで,メンバーi-1 の情報量が変化することによる影響を,

各メンバーの確率パラメーターが l.・-hL(i-1・2)となる対称性のケースにつ

いて調べよう。すると,

0≦Vll≦1,0≦El2*(ll)<ll(等号は l1-0orlの時)

S.t.ifO≦72<72*(Jl) thenβ1方式を選択

ifJ2-72*(Jl) thenβ 1 方式と βo方式は無差別

ifl2*(ll)<l2≦ll thenBo方式を選択

となって,

o<Ell<1 S・t老 l 2 * ( l l ) ≦O forllgll

である(0≦VJ2≦1に対しても

同様。証明は Appendix3)。

この結果は,次のことを意味

する (図1,図2,図5を合

わせて参照)0

i)i-1・2のいずれか一

方がIi-0 で情報量がゼ

ロならば,他方のメソバ

ーの確率パラメーターが

(0,1)にある限 り,当該

メソバ-iの情報は決し

ll*(l2) Bo方式lI≡?l lT.(ll)

) 一一一一一 一B2方式 :

li

(tl,0)(i,o) (1,0)

図 5

管理者の環境認知と組織的意思決定 101

て用いられることはない。

ii)i-1・2のいずれか一方が Il-1 で完全情報ならば必ず Bo方式が用い

られる。

iii)一方のメンバーの情報のみが用いられる可能性は,当該メンバ-の情報

が情報量ゼロと完全情報の中間であれば常に存在するが,

イ)当該メソバーの情報の不確実性が中程度で,その結果,報告による

情報ロスが大

ロ)他方のメンバーの情報量が,当該メンバーの情報量に較べて十分小

さい

の2条件が満たされるほど,その傾向が強い。

iv)両方のメンバーの情報量が同程度であれば,それによる不確実性が低,

中,高のいずれであっても,βo方式が用いられる。

Ⅴ)一方のメンバーの情報量が十分大であれば,他のメンバーの情報量が極

端に小さくないかぎりβo方式が用いられる可能性が大となる。

ここに,図4の結果は,より一般的にも妥当することが確認される。すなわち,

図5の′1-1 の垂直線が, 図4における右上 りの対角線にあたる (破線部同

士および実線部同士が各々対応)。

V瓦Ⅰ 階層制と分権制の選択

「管理者」の環境アクセスパターソの最適選択が得られたので,それに基づ

いて,階層制と分権制の選択問題を扱うことができる。これを,各メンバ-の

確率パラメ-メ-が対称的で,かつ,両メンバーの情報量が等しいl-ll-hl-

l2-h2のケースについて検討しよう。

まず,階層的意思決定手続きを考えると,Ⅵ節より, 「管理者」は,確率パ

ラメーターJの水準に関わ りなく,同様に望ましい4タイプの βo方式の中か

ら1つの報告形式を選択するO 今, Bohh方式を選択するとしよう。この時,組

織の平均パフォーマンスは

102 第 152 巻 第 2 号

U(Bohh)-Uoh'+Uohl+Uolh+Uoll

iUohh-iu(alhh,a2hhl(pl(H),p2(H)))弓 (1-i)u(alhh,a2hhl(pl(H),

・2(L)))+去(111)u(alhh,a2hhl(pl(L),p2(H)))

・1-(1-i)2u(alhh・a2hhkpl(L),p2(L)))

Uohl-ilu(alhl,a2hl)(pl(H),p2(L)))

・与(lJ)lu(alhl,a2hll(pl(L),p2(L)))

Uolh-‡lu(allh,a21hl(pl(L),F12(H)))

・与l(1-I)u(allh,a21hL(〃1(L),p2(L)))

Uo'l-il2u(alll,a211)(pl(L),p2(L)))

と書ける。ここに, 「管理者」によるメンバーの行動指定を,表15のように表

わした。

表15

報告ペアー

行 動 指 定

これに関して maxU(Bohh)の最適解を求めると

(;lhh,;2hh)-(i手1玩 ,i T.711Tq )

(;lhl,a2hl)-(i7詩 二打,一号 了手謹二打 )

(&llh・a'2lk)-仁i 育 て壬二町,i 了手てh )人 ′ヽ(alll,aZll)-(0,0)

となり,この最適な階層的意思決定手続きを用いた時の組織の平均パ マ ォー マ

ンスほ

∫maxU(Bohh)-i+‡ 丁行 司γ

管理者の環境認知と組織的意思決定 103

となる。

一方,分権的意思決定手続き (F方式)を用いる場合には,あらかじめ効率

的な決定関数のペアー< A(∂1,∂2)S。t・U(F))(81,8B)≧U(F)r(81,∂2)forV(∂1,∂2)∈AIXA2

を指定しておかねばならない。そのための条件が,ラドナー [7], マルジャッ

ク&ラドナー [4]によって,次のように得られている。

PBPS条件 (PersonbyPersonSatisfactoryCondition)

メソ/I-i-1または i-2のいずれか一方の関数塑∂Bを変更することに

よっては,組織の平均パフォーマンスU(F)が改善されない時,すなわち

U(F)I(81,8,)≧U(F)l(∂1,BAR)forv∂1∈AI

U(F))(81,82)≧U(F))(81,82)forV∂2∈A2

である時,当該決定関数のペア- (∂1,∂2)は PBPS条件を満たすというO

すなわち,彼らは次の結果を証明した。

夏型

ランダムな変数 FL-(ill,FL2) を任意に固定した時,目的関数uが (al,a2)

に関して凹かつ微分可能であれば,PBI)S条件を満たす決定関数のペアー

は,最適決定関数である。

我々のモデルは定理の前提条件を満ちすから,PBPS条件によって最適決定閑8

数を求めることができ,

∂1(Zlh)-∂2(Z2h)-ibl(21-)-∂2(Z2-)-与 ∂1(Zll)-∂2(Z21)--‡となる。この最適な分権的意思決定手続きを用いた時,組織の平均パフォーマ

ソスは

maxU(F)-i+喜l

となる。

8 我々のモデルでは,観察データは有限個だから,本文中の定理がなりたつことはみやすい。

104 第 152 巻 第 2 号

以上,階層的意思決定手続きと分権的意思決定手続きを比較すると,図6の

ようになる。この結果は,

次のことを意味する (図11

を合わせて参照)。 すなわ

ち,環境が相対的に確実に

なれば,メンバー間の行動 i

調整が重要となって,階層

的意思決定手続きの方が効1

率的であるが,環境の不確 3

実性が高まると,行動調整

よりも情報ロスの方が重大

となって,分権的意思決定

手続きの方が効率的となる。

・1

図 6

V王II 結 論

本稿の分析の目的,結論,限界を要約しておく。本稿の目的は,同程度に限

られた情報処理能力しか持たない諸個人が,環境から部分的情報を取 り入れ,

加工することによって意思決定を行なう組織の最も単純なモデルにおいて,環

境の不確実性のタイプと組織構造の関係を分析することであった。 コンティン

ジェンシー理論において導かれた経験則に対応する2つの命題 (Ⅲ節の命題 1/,

命題2′)を検討した。その結果は,次の通 りである。

i)階鹿的意思決定手続きにおいて, 「管理者」は,環境の不確実性をより

逓減させ うるメソ/ミ←の情報を用いる。

ii)しかし,情報経路をメンバー間に分散させるか否かは,報告過程におけ

る情報 ロスにも依存する。環境の不確実性を十分逓減しうるメンバーの情

報は,報告によるロスが小さいので,逆に,他のメンバーの情報を併用す

る可能性を開く。

管理者の環境認知と組織的意思決定 105

iii)両 メソバーの情報が同程度に有用である状況において,環境の不確実性

が低ければ階層的意思決定手続きが,逆であれば分権的意思決定手続きが

用いられる。

一方,この分析は,次の点に基本的限界がある。

i)モデルが特殊である。特に,環境の生起に関して事前情報がゼロであ り,

目的関数の形状が両メンバーで対称的に設定されている。

ii)その結果,特定のメンバーの情報の組織にとっての重要性は,もっぱら,

その環境観察過程のパラメータ-で表わされ,環境の生起自身の不確実性

の程度,当該 メンバーの行動の影響力の要因は無視されている。

Appendix

1 H.(B。hh)の llへの依存閑係は

宣 Hhh-宜 Hkl-耳研 log(1-ll)<0 1i-Hhh-Hlhl

Jl-1

より

宣 Ho(Bohh)-旦 笠』(Hlh-首hh)・Whh% Hhh-÷ Hhl

・whl% Hhl<0

となることがわかる。l2に関してもまったく同様である。

2 Bo方式に属する4つのタイプのうち,h2≦l2なる(l2,h2)の閉3角形領域において

B.hh方式をとりあげれば十分である (i-1に関しては,HタイプとLタイプは無差別

であり,i-2に関しては,l2-h2に関してHタイプとLタイプが対称的となる)O こ

の領域では Ho(Bohh)Ill-h1-号 は l2のみの [0・1]上連続な単調減少関数となり (図

3を参照),

1im〔Ho(Bohh)iI,-hl-3- Ho(Bl)Lll-hl-1〕-logv,-i>0J2・-01im〔Ho(Bohh)lil-h1-㌢ Ho(Bl)Ll,-hl-i〕-寸 og3<Ol2-1

となるから,中間値の定理によって

0<耳l2*<1 S.t.H。(B。hIl)喜H.(Bl) forl2妻l2*

がわかる。ここに

Ho(Bohh)!ll-h1-号-Ho(Bl)1ll=h1-㌢ 与log穿くo forl2-i

106 第 152巻 第 2 号

より,この値は0<l2*くi の範囲にあることがわかるOよって・Bohh方式と Bl方

式の選択が問題となる,図4の (0,0)-(i,i)の右下の扇型において,Bl方式が

選択される (0,0)-(l2*,l2*)-(l2*,0)の3角形領域と, B。hh方式が選択される残り

の領域とが得られる。3角形 (0,0)-(1,1)-(1,0)からこの扇型を除いた領域では,

B。hh方式と B2 方式の選択が問題となる。今,

1-/):

21Va(1-h2)+(1-l2)%lHo(Bohh)Ill-h1-i-Ho(B2)Ill-hl-i]--flog>0

だから,この領域における Ho(Bohh)1ll-h1-㌢ Ho(B2)Ill-hl-iの最大点は直酎 2=

h2 上にある。そこで,l≡ l2-h2とおいて,関数

g(l)=Ho(Bohh)lll-h1-号-Ho(B2)ill-h1-号l≡l2三=h2 l≡l2-h2

-flog2寸 og3-illog了子音二が (I-i)log了毒 気 〕-(1+(1-I))log2

を調べると,

g′( i)-0, g′′(l)ニ ー ‡ 1与 了 手をすく0

より l尋 に最大点があ-て,最大値はg(i)-与log主等く0である。ゆえに,問題

の領域全体で H。(Bohh)<H。(B2),よって B。hh方式が選択される。

3 ll≧ l2 なる (ll,l2) の閉3角形領域において B。hh方式とBl方式を比較すれば十分

である (B。方式に属する4つのタイプは無差別で,ll≦l2なるケ-スに関してはBohh

方式と B2方式をまったく同様に比較できる)0

まず,次がわかる。

i)直線 l1-l2上では H。(B。hh)くH。(Bl)(ただし,ll-l2-0の時は等号)

●/ H。(B。hh)Ll≡ll=l2-Ho(Bl)ll≡l1-l2

-(1+(1-i))logt1+(1-i))-(1-i)log(1-i)-(1+(Ill))log2

意 -〔EO(B.hh)Ll≡l1-l2-Ho(Bl)Il-ll-lZ〕

--log雪 竺テ牡 +log2く0 (l-0の時は等号)

1im〔H。(B。hh)Ll≡ll=l2-H。(Bl)ll≡ll-l2〕-0l-o

であるから。

ii)直線 l2-0上では H。(Bohh)>H.(Bl)(ただし,ll=Oorlの時は等号)

管理者の環境認知と組織的意思決定 107

・/ Ho(B。hh)tl2=0-HD(Bl)ll2-0

-与〔〈1+(トll))log〈1.(1-ll)ド (lJ l)log(1-ll)]-(1-ll)log2

品 〔Ho(Bohh)ll2-0-Ho(Bl)ll2-0〕-一首 1二百 d L布 く01 1

H.(B.hh)Tl2=OIHo(Bl)ll2-0-0 forl1-0or1

であるから。

iii)% lHo(Bohh)-Ho(Bl)]<0

・: 鼻 〔Ho(Bohh)-Ho(Bl)〕--育 -了音 了手去 二百<01 1

豊芯 〔Ho(Bohh,-Ho'Bl)〕ニーilog2< 0

であるからO

以上から,中間値の定理によって

0≦Vll≦1,0≦Tl2*(ll)<ll(等号は l1-0orlの時)

S.t.Ho(B。hh)喜H.(Bl)forl2妻l2*(ll)がわかる。他方

一錠 〔Ho(Bohh)-H"Bl)〕ニーす 1二㌃ 了手去二田<01 1

豊〔昔 Ho(Bohh)一昔 Ho(Bl,〕-i'og2>0

豊〔昔 Ho(Bohh,-% Ho(Bl)]---

より

o≦vl2≦1,0<Ell(l2)<1 S・t・j lT〔Ho(Bohh)-Ho(Bl)〕喜Oforll;tl(lB)

がわかる。この関数 ll(l2)によって ll≧l2なる (lt,l2) の閉3角形を2等分すると,

その左側では l2*(ll)は単調増大,右側では単調減少である.しかるに,l2*(ll)は,

この閉3角形内を (0,0)から (1,0)に至る1価関数のグラフであるから,ll(l2) と

少な くとも1回交わる。両者が最初に交わる点を (ll,l2*(ll))とすると,l2*(ll)は単

調に増大して (71,72*(Jl))に至り,後は単調に減少して (1,0)に至る。

参 考 文 献

[1] 加護野忠男, 『経営組織の環境適応』,白桃書房,1980年。

108 第 152巻 第 2 号

[2] Lawrence,P.R.,andW.Lorsch,OrganizationandEnvironment,.ManagingDIHe-

rentiationandIntegration,HarvardUniversityPress,1967・(吉田博訳,『東城の条件適

応理論』,産業能率大学出版部,1977年)0

[3] March,J.GリandH・A・Simon,Organizations,JohnWiley& Sons,1958・(土

屋守章訳,『オ-ガニゼ-ションズ』,ダイヤモンド社,1977年)。

[4] Marschak,JリandR・Radner,EconomicTheoryof Team∫,YaleUniversityPress,

1972.

[5] 宮沢光一,『情報 ・決定理論序説』,岩波書店,1971年。

[6] 野口悠紀雄,『情報の経済理論』,東洋経済新報社,1974年。

[7] Radner,R・,"Teams",inDecisionandOrganizationeditedbyMcGuire,C・Bリ

andR.Radner,North-Holland,1972.

[8] 末席英生, 『部門間コンフリクトとアジェンダ設定- 組織的意志決定における

不可能性定理- 』,国民経済雑誌,第150巻第2号。

[9] 末席英生, 『ボスの価値について』,mimeo,1984年12月。


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