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New Competitive Environment and Paradigm Shift for ......2014/10/14  · 2014 年2月 2...

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化 ムーディーズ・アナリティックス ディレクター 野 裕 [email protected] 20142
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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

ムーディーズ・アナリティックス

ディレクター

水 野 裕 二

[email protected]

2014年2月

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

日本の銀行業界をめぐる複雑なパズル ~キューブの謎を解くコツは真ん中の動かないピースに注目すること

自己資本比率規制

レバレッジ比率規制

LCR規制

NSFR規制

大口信用供与規制

ボルカールール

G-SIFI・D-SIB規制

ストレステスト

リスクアペタイト

フレームワーク

リスクデータ集計

リスク文化

金融モニタリング

経営情報システム

日中流動性規制

収益目標の達成

再建破綻処理計画

グループ管理

米国量的緩和の縮小

中国シャドーバンキング問題

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

目次

1. 銀行業界のパラダイム変化

2. アジアを中心とする海外への進出

3. バランスシート・コントロールを実践する

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

1.銀行業界のパラダイム変化

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

グローバル主要銀行は金融危機後の規制導入ラッシュに対応し、バランスシート・コントロールを図ってきた

出所:Moody’s CreditView Bank Financials & Analytics (Banking FM)

【グローバル主要銀行18行】

ウェルズファーゴ、シティ、モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、バンクオブアメリカ、JPモルガン、バークレーズ、ユニクレジット、クレディスイス、ドイチェ、HSBC、UBS、ソシエテジェネラル、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバ、みずほFG、三菱UFJFG、三井住友FG

ポートフォリオ平均

ポートフォリオ・メディアン

ポートフォリオ平均

ポートフォリオ・メディアン

ポートフォリオ平均

ポートフォリオ・メディアン

【総資産】

【不良債権比率】

【Tier1自己資本比率】

注:モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスを除く

☞ バーゼル自己資本比率を改善

バーゼル3とストレステストの強化に対応し、自己資本比率は大幅に改善。

☞ 総資産の伸びは抑制気味

自己資本、レバレッジへの規制強化を踏まえて、総資産の伸びを抑制。総資産を伸ばす場合でもリスクウェイト率をコントロールし、RWAを抑制。

☞ 不良債権比率は安定化から低下傾向

欧州の一部の銀行を除き、不良債権比率には低下傾向。

規制環境・業務環境に適応するためのバランスシート・コントロールが進んでいる

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

グローバル主要銀行の目下の課題は収益力の更なる強化

【収益率 (RWAに対するネット・インカム比率)】

【ネット金利マージン】

ポートフォリオ平均

ポートフォリオ・メディアン

ポートフォリオ平均

ポートフォリオ・メディアン

注:モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスを除く

注:モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックスを除く

出所:Moody’s CreditView Bank Financials & Analytics (Banking FM)

【ネット金利マージンの国別比較】

(ムーディーズ格付対象行に基づくデータ)

☞ 伸び悩む収益率

主要18行の収益率は過去数年、大きな改善が見られず、横ばい傾向が継続

☞ ネット金利マージンは縮小傾向

主要18行のネット金利マージンは縮小傾向

☞ 国別のネット金利マージンには大きな差異があるも、全般に縮小傾向

米国が突出して高く、日本は最低水準。

【銀行業界の収益性を抑えている主要因】

・金融危機後の世界的な低成長、経済回復の遅れ

・世界的に見られるイールド絶対水準の低さ

・量的緩和によるカネ余り傾向を背景とした競争過多

・様々な金融規制導入による制約

【しかし、環境変化の兆しも・・・】

・緩やかに進む世界経済回復

・経済回復、Taperingによる金利上昇の兆し

・新興国・中国シャドーバンキングなどの波乱要因

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

しかし、収益力の改善を焦り過ぎるとリスクアペタイトに歪みが生じる ~収益達成とリスク管理には常に相反するリスクが伴う

【ムーディーズ格付対象の米銀のROE推移(2003-2012)】

【米国HY債市場のコベナンツ・クォリティ・インデックス(2011年3月-2014年1月)】

☞金融危機後、米銀のROEは回復してきたが、その絶対水準は危機前に及ばない

金融危機後の金融規制強化の制約と緩やかな景気回復による需要の伸び悩みにより、高ROEを実現しにくい体質に変化している。危機前のROE水準は「長期目標」化。

FRB量的緩和による「カネ余り」と激化する競争状況の中で最大限の収益を引き出す努力

☞一方、米銀では与信の審査基準が緩和されるというリスクアペタイトの歪みが発生

米国HY債市場のコベナンツ・クォリティは金融危機後、緩和傾向が続いており、2013年には過去最高の緩和状況を記録した。

コベナンツ・クォリティは下に行くほど緩くなり、審査基準が緩和されていることを示す

・収益達成とリスク管理は相反する結果を招きやすい

・両者のバランスを取るリスクアペタイトが必要

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

米銀は収益と資本調達の2本柱により自己資本強化を進めてきたが、レバレッジ比率は今後の課題

ムーディーズ格付のある米国銀行の資本構成の推移(2008-2012年)

米国銀行の有形普通株資本の対RWA比と対有形資産比(2007-2012年)

☞ 米国銀行の自己資本は改善

2008年から2012年までの資本構成の推移を見ると、ネットインカムと普通株の発行による資本積み上げへの寄与度が高いことが分かる。

ムーディーズ格付のある米銀全体でのTier1自己資本比率の平均値(2012年末)は12.45%に達している。

☞ 米国銀行のレバレッジ比率には改善の傾向が示されていない

将来的に規制化されるレバレッジ比率を有形資産額を使用して試算すると、その値は大きくは改善していない。

RWAベースの自己資本比率は改善しているため、米銀のBSコントロールはRWAに意識が向いていることが分かる。

自己資本比率については一定の達成感

レバレッジ比率への対応はこれからの課題

(TCE=Tangible Common Equity)

レバレッジ比率の代替値を示す緑のバーは大きくは変化していない

米銀は収益の積み上げと資本調達によって自己資本を強化してきた

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

銀行の信用力は改善/「破綻しない銀行」を目指す競争に終止符

【グローバル主要銀行18行のEDF推移】

【米国主要4銀行のEDF推移(3年間)】

JPモルガン、シティバンク、バンクオブアメリカ、ウェルズファーゴ

【日本メガ3行のEDF推移(3年間)】

三菱UFJFG、三井住友FG、みずほFG

75パーセンタイル

50パーセンタイル

25パーセンタイル

ウェルズファーゴ

シティ

JPモルガン

バンクオブアメリカ

みずほFG

三菱UFJFG

三井住友FG

【主要銀行のデフォルト確率は低下】

・欧州では信用力が懸念される金融機関が残る一方、米国や日本の大手銀行では過去3年間にデフォルト確率が大幅に低下。

・金融危機後の破綻が懸念される対象としての時代は終わり、これ以上、信用力で差を付けることが難しい状況に。

出所:ムーディーズ・アナリティックス、2014年2月6日時点 (注)EDFはムーディーズ・アナリティックスが独自に算出しているデフォルト確率

「破綻しない銀行」を目指す競争は終焉し、収益力で評価される時代に

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

もはや「金融危機後」ではない/FED量的緩和縮小による環境変化

【FEDによる資金供給は終焉を迎える(FEDバランスシートの推移(2008-))】

☞ 米国景気の緩やかな回復とともに、FEDによる量的緩和は段階的に縮小される見通し

☞ 米国内のみならず世界のキャピタル・マーケットに余剰資金を送りこんできたフローの終焉

☞ 世界的な金利上昇と新興国からの資本流出の傾向がすでに見られている

【新興国への資本流入推移】

資本流入はFRD量的緩和と共に増加、Tapering後は明らかに減少傾向(2009-)

【イエレンFRB議長による議会証言のポイント(2014年2月11日)】

【下院金融委員会での証言サマリー(2014年2月11日)】

金融緩和の縮小は継続する。ただし、資産買入はあらかじめ決まった道筋にあるわけではない。

長期失業が高水準を維持するなど、労働市場は正常な状態には戻っていない。

インフレ率の最近の低さは原油価格は輸入物価の下落など一時的なものである可能性が高い。今後は上昇してFRBが目標とする2%に近づく。

世界の金融市場に「カネ余り」の恩恵をもたらしてきた米国量的緩和は段階的な縮小局面に向かう

(注) 「もはや戦後ではない」は1956年経済白書で有名になった用語だが、本来の意図は明るい未来を表現することにあったのではなく、「戦後復興による成長は終わってしまった。今後の成長機会をどこに見出せばよいのか?」という問題の投げかけであった。

債券買入により膨張を続けてきたFEDバランスシート

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

今後は、新興国を中心とした市場ボラティリティ、グローバルには緩やかに進む金利上昇が予想される ~問われるリスク選別眼

【各国長期金利の今後5年間の推移予測】 ~今後は緩やかな金利上昇時代へ突入~

米国

香港

ドイツ

日本

各国10年金利の今後5年間の推移予測(ムーディーズ・アナリティックスのベース ライン・シナリオ、Data Buffetより)

【金利上昇が銀行にもたらす功罪】

・企業の資金需要の後退(景気

回復による増加効果を相殺)

・住宅ローン需要の後退

・ネット金利マージンの拡大

・国債トレーディング損益のブレ

・欧州では不良債権悪化の可能性

☞世界主要国の長期金利は今後5年間で緩やかな上昇局面を迎える

世界的に景気が緩やかに回復することに伴い、長期金利も緩やかに上昇

新興国では株・為替市場のボラティリティが発生

【米国の株価と長期金利は連動している】 【新興国の対ドル為替レート変動】

2013年1月を100と設定して指数化

業務環境変化に対応するリスク選別眼の必要性

• 金利上昇局面において功罪入り混じる影響の見極め

• 海外市場では脆弱な市場にボラティリティ発生リスク

• 弱気心理の伝播による一時的なクラッシュ

(青は良い影響、赤は悪い影響)

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

「金融危機後」の終焉によるパラダイム変化

【外部環境】 金融危機後の高ボラティリティ 緩やかな経済成長

【規制対応】 新規制の導入ラッシュ対応 リスク選別眼を活かした自律対応

規制対応 アジア進出・収益の強化

【主要課題】 破綻しない銀行 規制の制約を乗り越える収益力

【邦銀フォーカス】

【市場環境】 システミック・リスクの懸念 米国量的緩和の縮小

【求められる機能】 最低限の費用によるシステム対応 バランスシート・コントロール能力

「金融危機後」の時代 パラダイム変化

デフォルト率上昇、銀行破綻、経済低迷 デフォルト率の安定化、景気の緩やかな回復

欧州ソブリン危機、市場の脆弱性、シャドーバンキング 量的緩和の終焉、新興国におけるボラティリティ

バーゼル3、G-SIFI等の新規制ラッシュへの対応 規制の最低値クリアは当たり前の時代に

強い自己資本、流動性リスク管理、レバレッジ抑制 規制にがんじがらめにされた中でも収益を達成

市場プレーヤー資格としての規制対応 欧米銀行撤退のスキをつき、新たな収益源を目指す

最低限の費用、リソースによる最低限の対応 パラダイム変化に対応するBSコントロール能力

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

新たに導入される金融規制の達成を収益目標達成と関連付ける =B/Sコントロールとリスクアペタイト・フレームワークの必要性

銀行には収益達成という制約条件が存在するために、各種の規制がパズル化する

=収益達成という制約条件を考えない限り、方程式の解は得られない。

バーゼル自己資本比率

レバレッジ比率

流動性リスク管理 収益達成 低流動性アセットへの注力

高リスク・アセットへの注力

低収益ゆえにボリューム増強

各種の規制を高いレベルでクリアしつつ、成長産業としての収益達成能力を示すこと

【銀行業界の課題】

しかし、収益達成と規制達成は矛盾することがある

各種の規制達成値は際限なく高い方が望ましい、ということはあり得ない。最適化の対象とすべきもの。

収益と規制のパズルの矛盾はどこで発生するのか?

バランスシートの将来の姿をめぐって発生する

営業部門とリスク管理部門の間で発生する

どのようなアセット戦略を用いて収益を達成するか、に関する意見の相違

収益を達成したい営業部門とリスクを抑制したリスク管理部門の間の対立

リスクアペタイト・フレームワーク

バランスシート・コントロール

【パラダイム変化に対応する キーコンセプト】

将来のバランスシートを予測し、理想的な姿を検討する

リスク・リターン両面の戦略をリスクアペタイトとして検討する

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

2.アジアを中心とする海外への進出

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

大手邦銀はグローバルな市場で戦える力を既に蓄えている 【邦銀は海外競合他行に比べ良好な資産内容を維持】

各国のムーディーズ格付対象銀行の不良債権比率

【邦銀の流動性はグローバルな銀行システムの中で最高水準】

各国のムーディーズ格付対象銀行の預貸率(x)と市場資金比率(y)

【邦銀の自己資本比率は当面の国債利回り上昇リスクを十分に吸収可能である】

邦銀の2013年3月末のTier1比率と国債利回りの100bp上昇が与える影響

国債利回り100bp上昇時でもムーディーズ格付対象銀行のTier1比率は11.6%から10.8%への下落にとどまる。

【邦銀の強み・弱み】

強い自己資本

良好な資産内容

高い流動性

アベノミクス(?)

弱点は低い収益性

左下に行くほど流動性プロファイルが優れている

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

邦銀が目指すアジア市場は日本より収益性が高く、成長余力がある

アジア各国の銀行業界 縦軸は上に行くほど収益性が高い

横軸は右に行くほど不良債権比率が低い

【アジア各国のクレジット成長率(2008年=100)】

☞ アジア市場のクレジット成長率は非常に高い。(特に高成長の10か国) これらの国々では銀行ビジネス機会は多いが、一方で既に競争も激化。

☞ ただし、クレジット成長率の高い国々では資産価格バブルも発生している。

【アジア各国の住宅価格(2008年=100)

【アジア各国の銀行業界の収益性と資産クォリティ】

高成長国:ベトナム、インドネシア、中国、インド、スリランカ、香港、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア

低成長国:オーストラリア、台湾、韓国、 ニュージーランド、日本

一部の国々で不動産価格の急騰が見られている

☞ アジア各国の銀行業界の多くは日本と比べて収益性が高く、不良債権比率も低い。特に収益性について言えば、日本より低いのは台湾しかない。

<参入障壁の高さをどうクリアするか?>

各国ローカル銀行との提携

自力展開による拡張

買収戦略

実現スピードが 重要ファクター

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

アジアを中心にM&Aによる業容拡大を積極化させるメガ銀行 【日本のメガバンクによる2010年以降の主な海外買収案件】

☞ メガ銀行のみならず、他のアジアの銀行による買収案件も見られている。

Guangzhou Yue Xiu Holdings (中国)によるChong Hing Bankの買収案件(ペンディング中)

CTBCによる東京スター銀行の買収

Taipei Fubon Commercial BankによるFirst Sino Bank(中国)の買収(ペンディング)

China Construction Bank(中国)によるBanco Industrial E Commercial S.A.(ブラジル)の買収(合意済)

DBS BankによるBank Danamon Indonesia (インドネシア)の買収

既存の銀行を買収することは参入障壁の高さ、実現スピードの両面でメリットが大きい。

ただし、アジアが全て理想的な市場であるということは必ずしも保証されていない。

【アジア市場進出の懸念事項】

~本当に収益に貢献する戦略となるか?

1)業務環境とリスク

2)資産クォリティ状況(不良債権)

3)収益性状況

【バランスシート・コントロール】

リスクアペタイト構築

バランスシート予測

収益シミュレーション

諸規制達成の最適解

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

しかし、海外進出にはリスク選別眼が必要

(アジア進出のケース)

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

1)アジア各国の銀行業界を取り巻く業務環境とリスク

インド、モンゴル、ベトナムは成長鈍化、高インフレ、通貨プレッシャー等のマクロ問題に直面。モンゴル、ベトナムでは企業ガバナンス問題もリスク。

中国では強いクレジット成長がレバレッジを増加。GDP成長の安定化と金融改革政策によりリスク軽減。

韓国では政府が成長を支援する政策余地が大。高い家計負債とノンバンクの速いクレジット成長がリスク。

日本ではアベノミクスが成長と資産を押し上げる。税率引き上げとイールド上昇がリスク要因。

台湾はクレジット成長が緩

やかで成長は安定的。企業

レバレッジの悪化が懸念。

フィリピンはポジティブなアウトライアーとして強い経済成長を示すが、クレジット拡大はGDPに比して緩やか。

タイ、マレーシア、インドネシアでは家計負債上昇が懸念、成長は安定的。タイでは政局不安がリスク。

ニュージーランドでは景気刺激策が成長を支援、家計負債と住宅価格の上昇が懸念

オーストラリアでは天然資源セクターの投資減少が景気転調に。住宅価格は再上昇するも速いクレジット成長がそれを煽る様子はない。

香港・シンガポールでは資産バブル激化。銀行業界が母国よりもリスキーな資産を求める傾向が見られる。

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

2)アジア各国の銀行業界が直面している資産クォリティ状況

香港・シンガポールでは不良債権比率が極めて低いが、資産バブルのリスクは増加している。

インド・モンゴル・ベトナムで

は金利上昇、通貨下落、需要

低下に伴い資産リスクが企

業収益と負債支払能力の足

かせになりうる。

中国では不良債権の増加に直面する可能性があるが、政府関連の債務者に対する政府支援によってリスク軽減。

韓国では資産下落圧力はいくつかの業界に限定されるも、与信コストは他国よりも高い水準。

日本では上向く景気により資産クォリティが支えられるが、上昇する貸出金利に耐えられない債務者での延滞が増大する可能性。保有株式の利益は資本を増強する可能性がある。

台湾では輸出鈍化により企業業績に下方圧力がかかり、わずかに延滞が増加する可能性がある。

フィリピンでは貸出損失は過去最低、台風災害による資産悪化の可能性はない。

オーストラリアでは天然資源セクターにおける投資が減速することにより、資産に悪化圧力がかかる。

タイ・マレーシア・インドネシア

では家計のレバレッジ増加と

輸出業界の弱化により資産

クォリティに悪化圧力。高LT

V住宅ローンも脆弱。

ニュージーランドでは資産

クォリティの改善が進むが高

い家計負債と住宅価格のリ

スクにさらされている。

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

3)アジア各国の銀行業界が直面している収益性状況

インド・ベトナムでは貸出

ニーズ低下と上昇する調達

コストにより収益に下方圧

力。モンゴルでは2ケタ成長

のローンが収益性を安定化

させている。

中国では金利自由化の進展によ

り利鞘へ下方圧力が増加、ROA

低下と与信費用増加も見られる。

韓国では貸出ニーズ低迷と低金利により利鞘がさらに圧縮。与信費用の増加も見られる。手数料を引き下げよとの社会的圧力もある。

香港では中国本土に貸出をシフトすることで利鞘を維持。強い貸出成長、低い与信費用、低金利によって収益が維持される見通し。

シンガポールでは預金競争激化により収益に下方圧力。貸出成長低下と高与信費用が収益の足かせに。

ニュージランドでは競争激化により収益に下方圧力。強い貸出成長と安定した与信費用が収益を支える。

タイ・マレーシア・インドネシアでは堅調な貸出成長とフィー収入が利鞘縮小を相殺し、収益性は安定。

台湾では堅調な貸出・フィー収入により低収益性がわずかに改善の見通も。高与信費用も見込まれる。

日本では利鞘は縮小トレンドだが、強い貸出ニーズ、低い与信費用、海外拡大の継続が収益を支える。

フィリピンでは企業向け利鞘に下方圧力あるも、高利鞘のセグメントへシフト。強い貸出成長と低い与信費用が収益を支える。

オーストラリアでは寡占市場構造により収益性が支えられるも、預金競争が激化。低い貸出成長とやや高い与信費用が収益に下方圧力。

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

海外業務展開(アジア進出)において必要とされる機能 リスク選別眼を銀行組織の意思決定フレームワークとして実現させる

収益達成の主戦場となる各市場動向の精査

1)業務環境とリスク

2)資産クォリティ

3)収益性

海外業務の展開(アジア進出)

(提携、自力展開、買収) 収益目標の達成

【戦略】 【目標】

BSコントロール

リスクアペタイト BSの将来予測 規制達成状況 収益シミュレーション

各シナリオ下での規制達成状況のシミュレーション

1)規制予測値のレンジ化

2)リスクアペタイトとしての経営承認

各シナリオ下でのバランスシートのシミュレーション

1)グループレベル集計

2)拠点別集計

3)アセットクラス別集計

各シナリオ下での収益達成シミュレーション(ストレステスト)

1)ベースライン

2)市場悪化シナリオ

3)危機的シナリオ

リスクアペタイトをリスクとリターンの両面で精査する

リスクアペタイトによるバランスシート影響を予測する

バランスシート影響から収益シナリオを再検証する

各シナリオ下における規制達成状況を精査する

リスク選別眼を一連のフレームワークとして整合的に実現する

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

3.バランスシート・コントロールを実践する

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

海外業務の展開(アジア進出)の最終目標は収益目標への貢献 ⇒リスク選別眼を反映するバランスシート・コントロール

諸規制の達成予測

バランスシート予測

リスクアペタイト運営

収益目標

海外業務の展開

収益シミュレーション

【収益目標への貢献を実現するための4つの柱】

自己資本比率、レバレッジ比率、流動性リスク指標(LCR、NSFR)の達成状況の予測

収益達成を前提とした場合におけるリスク量レンジ算出、諸規制値の達成値

海外業務展開において発生するバランスシート変化の予測、収益結果のシミュレーション

グループレベルの収益達成シナリオのシミュレーション

リスク選別眼

4つの柱を通じて実現するバランスシート・コントロール

<変化する外部環境>

業務環境とリスク

資産クォリティ状況

収益性状況

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

リスク視点を強化するために、EC(経済資本)の力を借りる

バランスシート・コントロールの実現を担保するツール・セット

諸規制の達成 バランスシート予測

リスクアペタイト運営

収益目標

収益シミュレーション

リミット設定

プライシング設定

グループ管理 データ統合 規制計算エンジン

• リスクに応じたリスクリミット設定によるビジネス行動のコントロール(与信リスクの国・業種リミット等)

• リスクに応じた所要スプレッドの設定(ファンド・トランスファー・プライシング)

• 本店の全営業部門、支店、海外拠点、子会社、関連会社を通じた統合的な管理

• リスクアペタイトの下に結集した全グループの経営プロセス

• 全グループ横断的なリスク把握と集計

• グループ統一のプラットフォームによるITガバナンス

• 全グループを通じて整合的に構築された統合データ基盤

• 取引データ、債務者属性データ、市場インプットデータ、リスク指標(KRI)、経営指標(KPI)の統合管理

• 高度なデータモデルとエラー検証によるデータ・クォリティ(モデル化に耐える水準)

• リスク指標や経営指標を速やかに経営陣に報告する経営情報システム

• 複数のシナリオを速やかに計算できる高度なシミュレーション機能

• 日次バッチで更新されるデータに基づいて最新の規制指標を算出

• 複数の規制を統合DBに基づいて整合的に算出できるERMインフラ

• 各国で細かい設定が異なる規制を同一プラットフォームで管理する機能

業務面のコントロール

IT面のコントロール

バランスシート・コントロールを実現するためのITフレームワークを明確に意識し、長期計画を立案する

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

米国ストレステスト実務で定着するPPNRモデリングの実例 【C&Iローンのスプレッド予測モデル】

【Time Deposit(定期預金)残高予測モデル】

【C&Iローンの残高予測モデル】

【米国CCARストレステストで実践されるPPNR(引当前ネット収益)モデリング】

☞ 米国FRBがCCARで要求している内容に従い、大手米銀は今後3年間のストレス後の自己資本状況を算出している。その際、四半期ごとにバランスシートの予測をモデリングして予測する実務が定着している。

☞ 左の3つのチャートが示しているのは、ローンのスプレッド、定期預金の残高、ローン残高の3項目について、FRBが指定するマクロ経済指標(3つのシナリオに区分)を用いて、各項目の将来予測モデルを構築し、その精度(fittedとして表示)と予測値(シナリオ毎に表示)を示している。

【PPNRモデリングの中で分岐する2つのアプローチ】

グラニュラーモデル: 個々の取引先の財務データを使用して、マクロ経済指標との関連度をモデリングする

トップダウンモデル: 取引先をポートフォリオに区分し、マクロ経済指標との関連度をモデリングする

どちらが優れているかは一概に言えないが、ホールセール・アセットについてはグラニュラーモデルの方が望ましいと考えられている。

【米国で既に経験されている教訓】

データ基盤をおろそかにしていると、モデリングの高度化ができない

モデリングの高度化ができないと、BS予測精度が向上しない

予測精度が向上しないと、収益計画達成がままならない

注)CCARでは調達サイド予測は要件として求められていないが、ムーディーズ・アナリティックスにはコンサル依頼が来ている。

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

PPNRモデリングで必要とされるバランスシートの質・量の予測

【米国CCARで算出される主要項目】

引当前ネット収益(PPNR)

税引き前利益

税引き後利益

株主資本の変化額

規制資本の変化額

【PPNR算出に必要とされるB/S項目】

主要アセットクラスの残高推移予測

主要ローンアセットに関するスプレッド推移予測

主要アセットクラスから発生するクレジット損失

いずれも四半期ごと3年分必要

【税引き前利益算出に必要とされる損失前提】

デフォルト確率(国、業種、アセットクラス、格付別のデフォルト確率のタームストラクチャー推移予測)

デフォルト時損失率(同上)

いずれも四半期ごと3年分必要

注)EC管理には更にコリレーション前提が必要

Q1のB/S

資産

負債

資本

P/L

Q1のP/L Q2のB/S

資産

負債

資本

P/L

Q2のP/L Q3のB/S

資産

負債

資本

P/L

Q3のP/L

Q1 Q3 Q2

Q12まで

繰り返す

会計・規制上のアウトプット リスク(質)の予測 ボリューム(量)の予測

【PPNRモデリングのプロセス】

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

業務戦略を設定する際のチェックリスト ~業務拡大を前に必要な機能が揃っているかどうか確認する

収益目標

その結果として生じるインパクトを算出するモデルの能力は十分か?

その結果として生じるインパクトを算出する計算エンジンの能力は十分か?

(規制達成シミュレーションが可能か?)

一連の作業をサポートする統合的データ基盤はあるか?

一連の作業をグループレベルで実現できるIT基盤はあるか?

その戦略は将来のリスクを正しく反映したものか?

その戦略はリスクアペタイトとして適切に設定されているか?

【バランスシート・コントロール】

【モデリング能力】

【計算エンジン能力】

【統合的データベース機能】

【グループレベル管理】

【リスクアペタイト】

【リスク選別眼】

【業務戦略】

その戦略はビジネスの現場に具体的に示達されているか?

どの市場でいかに戦うか?

【リミット設定・プライシング設定】

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

これからのリスク管理インフラに求められる主な機能拡張

バーゼル資本規制

キャッシュフロー計算

統合データベース

経営情報システム

PPNRモデリング

リスク指標モデリング

リスク・シナリオ構築

グループ管理

【計算エンジン機能】 【ITインフラ機能】 【モデリング機能】

• 各種分析に使用するマクロ経済シナリオを複数通り設定

• マクロ経済指標とバランスシート項目の間の関係をモデリング

• 預金者や債務者などによる顧客行動をモデリングする

• マクロ経済指標とリスク指標(PD、LGD、コリレーション、信用遷移等)との間の関係をモデリングする

• 統合合DBに基づいて日次更新されるデータに基づき、スピーディーに算出

• モデリング結果に応じて前提条件を変化させたシミュレーションを実施する機能

• グループ全体でのデータ取得から算出までをオートメーション化

• 各国で細かい設定が異なる規制を同一プラットフォーム上で管理

• モデリングで得られた前提条件をキャッシュフローとして展開する能力

• 将来のバランスシート及び流動性状況を算出する機能

• 取引データ、債務者属性データ、市場インプットデータ等をグループレベルで統合的に管理

• 本店の全営業部門、支店、海外拠点、子会社、関連会社を通じた統合的かつ同一プラットフォーム上でのデータ管理

• リスク指標や経営指標を速やかに経営陣に報告する経営情報システム

モデリング、計算エンジン、ITインフラの面でリスク選別眼を反映させるための改善が必要

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

本資料で参照したリサーチ・レポート、データサービス、ソフトウェア

【ムーディーズ・リサーチ・レポート】

Banking System Outlook / Japan (Oct 27, 2013)

Banking System Outlook / United States of America (May 8, 2013)

Special Comment “QE Tapering: Impact Differs Amongst Emerging Markets” (Feb 6, 2014)

Special Comment “The evolution of risk-weighted assets during the recent financial crisis” (Jan 14, 2014)

Special Comment “Bond Covenant Quality Improves For Third Month in a Row in January” (Feb 11,2014)

2014 Outlook – Global Banks (Dec 2013)

2014 Outlook – Asian Banks (Dec 2013)

【ムーディーズ・アナリティックスのデータサービス】

Credit Edge Plus (上場企業デフォルト確率であるEDFを提供するサービス)

Credit View / Bank Financials & Analytics (Banking FM)(金融機関の財務情報を提供するサービス)

Moody’s Data Buffet(世界のマクロ経済データを提供するサービス)

【ムーディーズ・アナリティックスのソフトウェア・プロダクト】

Risk Authority (バーゼルⅢ規制対応ソフトウェア)

Risk Confidence (ALM管理ソフトウェア)

Risk Foundation (統合データウェアハウス・システム)

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日本の銀行の新たな競争環境とパラダイム変化

収益達成 規制達成

ムーディーズ・アナリティックス

ムーディーズ・アナリティックスは皆さまをサポートします

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ムーディーズの信用格付及びムーディーズの刊行物は、個人投資家の利用を意図しておらず、個人投資家が

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Moody's Corporation (以下「MCO」といいます)が全額出資する信用格付会社であるMISは、同社が格付を行っている負債証券(社債、地方債、債券、手形及びCP を含みます)及び優先株式の発行者の大部分が、MISが行う評価・格付サービスに対して、格付の付与に先立ち、1500 ドルから約250 万ドルの手数料をMIS

に支払うことに同意していることを、ここに開示します。また、MCO及びMISは、MISの格付及び格付過程の独立性を確保するための方針と手続を整備しています。MCO の取締役と格付対象会社との間、及び、MIS

から格付を付与され、かつMCO の株式の5%以上を保有していることをSEC に公式に報告している会社間に存在し得る特定の利害関係に関する情報は、ムーディーズのウェブサイトwww.moodys.com上に"Shareholder Relations-Corporate Governance-Director and Shareholder Affiliation Policy"という表題で毎年、掲載されます。

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内からこの文書に継続的にアクセスした場合、貴殿は、ムーディーズに対して、貴殿が「ホールセール顧客」であるか又は「ホールセール顧客」の代表者としてこの文書にアクセスしていること、及び、貴殿又は貴殿が代表する法人が、直接又は間接に、この文書又はその内容を2001年会社法761G条の定める意味におけ

る「リテール顧客」に配布しないことを表明したことになります。ムーディーズの信用格付は、発行者の債務の信用力についての意見であり、発行者のエクイティ証券又はリテール顧客が取得可能なその他の形式の証券について意見を述べるものではありません。リテール顧客が、ムーディーズの信用格付に基づいて投資判断をするのは危険です。もし、疑問がある場合には、ご自身のフィナンシャル・アドバイザーその他の専門家に相談することを推奨します。

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