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NISSAN CSR NEWSLETTER...2012年3月5日に行われた シミュレー ョン訓練の様子...

Date post: 05-Aug-2020
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大規模災害への対応 日産ではリスクを「事業目標の達成を阻害する要因」と定義しています。リスクをいち早く察知・評価し、必要 な対策を検討・実行することにより、発生確率の低減と発生した場合の損害を最小にとどめる努力をしています。 事業の持続性にかかわるリスク要因を洗い出し、リスクマップを作成、個別のリスクについてはオペレーション ズ・コミッティメンバーレベルの役員がオーナーとなり担当する組織を構築、定期的にオーナーを含むほぼ全て の役員にヒアリングを行い、新たなリスク要因の洗い出し・対策を施すというPDCAを行っています。また、この PDCAの中には大規模災害対策やBCP (事業継続計画)も含まれています。 日産では20112月に本社移転後初となるシミュレーション訓練を実施、東日本大震災では地震発生から30以内に全社災害対策本部を設置することが出来ました。全社災害対策本部では全国の従業員の安否確認、事業所 の被害状況の把握、帰宅困難者の対応、被災工場への支援体制、サプライヤーとの情報共有など日々変わっていく 状況に対応しました。 201235日には東日本大震災から1年を迎えるにあたり、横浜のグローバル本社、追浜工場に加え、関係会 社のジヤトコ(株)も参加したシミュレーション訓練を実施しました 2 。シミュレーション訓練は年々難易度を増 して行われ、今回は東日本大震災の経験を踏まえ、津波被害を考えた避難体制、通信手段の確保やサプライチェーン との連携、一般の方を含めた帰宅困難者の対応などを盛り込んた訓練が行われました。 サプライヤーとの連携 日産では昨年の東日本大震災を受け、第一次サプライヤーについてはBCPの作成を依頼、首都圏、東海/東南海/ 南海地震を想定した高リスク部品の対策明確化など、重要度の高い課題に取り組んでいきます。 201110月に発生したタイの工業地帯での大規模な洪水では、自社工場への直接被害はなかったものの、浸水 したサプライヤーも多く、調達が難しいと思われた部材は3,500点以上におよびました。それらの部材について は、日産の「クロスファンクショナルチーム(CFT)」というさまざまな部門から横断的に人員を集めて仕事を進め る取り組みによって、代替調達の検討、品質の確認、運搬ルートの決定などがスムーズに行われました。また、世 界規模で行われている部品共通化の取り組みによって、迅速な代替部品への調達切り替えが可能になりました。 日産のリスクマネジメント 1 2012 3 5 日に行われたシミュレーション訓練の様子 シミュレーション訓練で報告を受ける志賀 COO(中央) 01 Blue Citizenship NISSAN CSR NEWSLETTER March 2012 Blue Citizenship NISSAN CSR NEWSLETTER
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Page 1: NISSAN CSR NEWSLETTER...2012年3月5日に行われた シミュレー ョン訓練の様子 で報告を受ける志賀COO(中央) PDCAB20103A5/,0FBTO hTB2 tBTp: wp..pt01 March

大規模災害への対応日産ではリスクを「事業目標の達成を阻害する要因」と定義しています。リスクをいち早く察知・評価し、必要

な対策を検討・実行することにより、発生確率の低減と発生した場合の損害を最小にとどめる努力をしています。

事業の持続性にかかわるリスク要因を洗い出し、リスクマップを作成、個別のリスクについてはオペレーション

ズ・コミッティメンバーレベルの役員がオーナーとなり担当する組織を構築、定期的にオーナーを含むほぼ全て

の役員にヒアリングを行い、新たなリスク要因の洗い出し・対策を施すというPDCAを行っています。また、この

PDCAの中には大規模災害対策やBCP(事業継続計画)も含まれています。

日産では2011年2月に本社移転後初となるシミュレーション訓練を実施、東日本大震災では地震発生から30分

以内に全社災害対策本部を設置することが出来ました。全社災害対策本部では全国の従業員の安否確認、事業所

の被害状況の把握、帰宅困難者の対応、被災工場への支援体制、サプライヤーとの情報共有など日々変わっていく

状況に対応しました。

2012年3月5日には東日本大震災から1年を迎えるにあたり、横浜のグローバル本社、追浜工場に加え、関係会

社のジヤトコ(株)も参加したシミュレーション訓練を実施しました*2。シミュレーション訓練は年々難易度を増

して行われ、今回は東日本大震災の経験を踏まえ、津波被害を考えた避難体制、通信手段の確保やサプライチェーン

との連携、一般の方を含めた帰宅困難者の対応などを盛り込んた訓練が行われました。

サプライヤーとの連携日産では昨年の東日本大震災を受け、第一次サプライヤーについてはBCPの作成を依頼、首都圏、東海/東南海/

南海地震を想定した高リスク部品の対策明確化など、重要度の高い課題に取り組んでいきます。

2011年10月に発生したタイの工業地帯での大規模な洪水では、自社工場への直接被害はなかったものの、浸水

したサプライヤーも多く、調達が難しいと思われた部材は3,500点以上におよびました。それらの部材について

は、日産の「クロスファンクショナルチーム(CFT)」というさまざまな部門から横断的に人員を集めて仕事を進め

る取り組みによって、代替調達の検討、品質の確認、運搬ルートの決定などがスムーズに行われました。また、世

界規模で行われている部品共通化の取り組みによって、迅速な代替部品への調達切り替えが可能になりました。

日産のリスクマネジメント* 1

2012年3月5日に行われたシミュレーション訓練の様子 シミュレーション訓練で報告を受ける志賀 COO(中央)

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March 2012

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関連リンク

*1 日産のリスクマネジメントについてはこちらをご覧ください。http://www.nissan-global.com/JP/COMPANY/CSR/CORPORATE_GOVERNANCE/

*2 2012年 3月 5日に行われたシミュレーション訓練の模様および役員へのインタビューについてはこちらをご覧ください。訓練の模様:http://reports.nissan-global.com/JP/?p=2237役員インタビュー:http://blog.nissan-global.com/JP/?p=2165

この NISSAN CSR NEWSLETTERでは、日産の CSR「ブルーシチズンシップ」についての最新情報をお伝えしていきます。

・Community -東日本大震災 被災地への継続支援 -*今号で予定していた被災地支援活動については、次号に掲載予定となりました。ご了承ください。

次号予告

いつ起こるか分からない大規模災害に対して、シミュレーション訓練を重ね、またサプライヤーとの連携を強

化することで災害時に起こりうる「想定」の範囲を広げ、あらゆることを想定したリスクマネジメントを行うこと

が大変重要だと日産では考えています。

March 2012

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