~誰もが安全・安心で、
快適に暮らせるまちを目指して~
上越市では平成11年3月に「上越市人にやさしいまちづくり条例」を制定し、平成13年3月
には条例の理念を総合的・体系的に実現するため、「上越市人にやさしいまちづくり推進計
画」を策定いたしました。
この間、誰もが安全・安心で、快適に暮らせるまちを目指し、意識上の障壁を含めたあら
ゆる障壁を取り除いた「人にやさしいまちづくり」を推進するための取組を進めてまいりま
したが、このたび、第 4 次となる「人にやさしいまちづくり推進計画」を策定いたしました。
他の先進国に例を見ない急速な少子高齢社会の進展により社会構造が大きく変化する中、
高齢者や障害を持つ方々の社会参加の意欲の高まりとともに、まちづくりに求められるもの
も大きく変わってきました。私たちの社会はこれまでにも増して、人にやさしいまち―あら
ゆる障壁のない、誰もが安全に安心して、快適に暮らせるまち―であることが求められてお
ります。
その中で、今一度「上越市人にやさしいまちづくり条例」の理念に立ち返り、あらゆる障
壁のないまちづくりを目指し、バリアフリーの考え方をさらに進め、すべての人に配慮した
ユニバーサルデザインの考え方を取り入れながら人にやさしいまちづくりを推進するという
方向性を示すとともに、
本計画では、条例の理念である、人としての尊厳を保ちながら、自らの意思で行動し、住
み慣れた地域で安心して暮らせるまちをつくるために、男性も女性も、老いも若きも、障害
のある人もない人も、ともに支え合い、助け合いながら、意識上の障壁を含むあらゆる障壁
のないまちの実現を目指し、7つの基本方針を設定し、この基本方針に基づき、基本目標、施
策の方向、そして実施すべき事業を定めました。
今後は、本計画に基づき、市民の皆さんや事業者の皆さんからのより一層のご理解ご協力
をいただきながら、人にやさしいまちの実現に向けた事業を積極的に展開してまいりたいと
考えております。
最後に、計画の策定に当たっては、上越市人にやさしいまちづくり推進会議の委員の皆さ
んをはじめ、パブリックコメントなどを通じて市民の皆さんからもご意見、ご議論いただき
ました関係各位に対し心から感謝を申し上げます。
平成29年3月
上越市長 村 山 秀 幸
目 次
第1章 計画策定の趣旨と背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 計画の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 計画の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)国内の動き
(2)県の動き
(3)上越市の動き
3 上越市人にやさしいまちづくり条例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)条例検討の経過
(2)条例の概要
第2章 推進計画の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 計画の目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 計画の基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3 計画の位置付け ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4 計画の期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5 計画の施策体系 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第3章 現況と課題・施策の方向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 誰もが理解し合えるまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)人にやさしいまちづくりの考え方を理解し認め合うための広報や教育・学
習を推進します。また、日常生活の中で起きた困りごとについての相談
窓口や支援体制を整えます。
①人にやさしいまちづくりの普及啓発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
②相談・支援体制の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 誰もが学べるまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)児童・生徒のニーズに応じた支援を推進するとともに、市民の生涯を通
じた多様な学習機会の拡充を推進します。
①自立・共生を目指す学校教育環境の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
②市民の多様な学習機会の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3 誰もが働けるまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)誰もが生きがいをもって自分らしく暮らせるよう、雇用機会の確保と職
業能力の向上を図ります。
①雇用機会の創出 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
②職業能力や人材の育成 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4 誰もが健康に暮らせるまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)誰もが健康な生活を送るための健診の推進や保健指導の充実を図ります。
①健診・保健指導等の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)誰もが安心して適切な医療が受けられるよう医療体制の充実を図ります。
【事前配布資料】
①地域医療体制の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(3)誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう各種支援を推進します。
①高齢者福祉の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
②障害者福祉の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
③育児支援の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5 誰もが互いに支え合うまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)ボランティア参加、地域活動、市民活動への支援を推進し、ボランティ
アを必要とする人の利用促進を図ります。
①福祉に関するボランティア活動や地域での支え合い活動のための環
境づくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6 誰もが安心して暮らせるまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)防災に関する情報提供や避難時に必要な施策、自助・共助による防災体
制の整備を推進します。
①防災対策や避難支援体制の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
②自主防災活動の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)冬期間の安全な通行空間の確保と除雪に必要な施策を推進します。
①除雪対策の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
7 誰もが快適に暮らせるまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)誰もが安全かつ快適に利用できるよう施設整備を推進します。
①公共施設におけるユニバーサルデザインの推進 ・・・・・・・・・・・・・・
②民間施設におけるユニバーサルデザインの推進 ・・・・・・・・・・・・・・
③誰もが暮らしやすい居住環境の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8 誰もが移動しやすいまちづくり ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)誰もが安全かつ快適に移動できるよう歩道・道路整備を推進します。
①安全安心な歩道・道路の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)誰もが安全かつ快適に移動できるよう地域公共交通の向上を推進します。
①地域公共交通の利便性の向上と安全安心な運行 ・・・・・・・・・・・・・・
第4章 計画の推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 「こころのバリアフリー」の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2 市としての取組 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3 市民の協力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4 事業者の協力 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5 推進管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6 重点推進地域の指定 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
資料編 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
上越市人にやさしいまちづくり条例
上越市人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査結果分析報告書
第4次人にやさしいまちづくり推進計画 体系図【事前配布資料】
施策の方向基本目標基本方針
2 誰もが学べるまちづくり
1 誰もが理解し合えるまちづくり
(1)児童・生徒のニーズに応じた支援を推進するとともに、市民の生涯を通じた多様な学習機会の拡充を推進します。①自立・共生を目指す学校教育環境の充実②市民の多様な学習機会の充実
誰もが互いを尊重し理解し合えるまちの実現を目指します。
(1)人にやさしいまちづくりの考え方を理解し認め合うための広報や教育・学習を推進します。また、日常生活の中で起きた困りごとについての相談窓口や支援体制を整えます。①人にやさしいまちづくりの普及啓発②相談・支援体制の充実
誰もが自分の持てる力を発揮し、生涯を通じて学べるまちを目指します。
目指すべき人にやさしいまちの姿 基本的な考え方
(3)誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう各種支援を推進します。①高齢者福祉の推進②障害者福祉の推進③育児支援の充実
誰もが自分の持てる能力を生かしながら、生きがいをもって働けるまちを目指します。3 誰もが働けるまちづくり
(1)誰もが健康な生活を送るための健診の推進や保健指導の充実を図ります。①健診・保健指導等の推進
(2)誰もが安心して適切な医療が受けられるよう医療体制の充実を図ります。①地域医療体制の充実4 誰もが健康に暮らせるまちづくり 誰もが生涯を通じて、住み慣れた地域で、健や
かに暮らせるまちを目指します。
(1)誰もが生きがいをもって自分らしく暮らせるよう、雇用機会の確保と職業能力の向上を図ります。①雇用機会の創出②職業能力や人材の育成
あらゆる障壁の
誰もが安全・安心で快
<取り除くべき障壁>
制度的
物理的
(1)ボランティア参加、地域活動、市民活動への支援を推進し、ボランティアを必要とする人の利用促進を図ります。①福祉に関するボランティア活動や地域での支え合い活動のための環境づくり
(1)防災に関する情報提供や避難時に必要な施策、自助・共助による防災体制の整備を推進します。①防災対策や避難支援体制の充実②自主防災活動の推進
共に支え合うための自主的な活動が促進されるまちを目指します。
6 誰もが安心して暮らせるまちづくり(2)冬期間の安全な通行空間の確保と除雪に必要な施策を推進します。①除雪対策の充実
誰もが災害時や降雪時に安全に行動することができる災害に強いまちを目指します。
5 誰もが互いに支え合うまちづくり
ないまちづくり
快適に暮らせるまち
文化・情報面
意識上
(1)誰もが安全かつ快適に移動できるよう歩道・道路整備を推進します。①安全安心な歩道・道路の整備
8 誰もが移動しやすいまちづくり 誰もが安全かつ快適に生活交通を利用し、社会参加できるまちを目指します。
7 誰もが快適に暮らせるまちづくり公共空間や居住空間において、誰もが利用しやすく、住みやすく、安全に生活できるまちを目指します。
(2)誰もが安全かつ快適に移動できるよう地域公共交通の向上を推進します。①地域公共交通の利便性の向上と安全安心な運行
(1)誰もが安全かつ快適に利用できるよう施設整備を推進します。①公共施設におけるユニバーサルデザインの推進②民間施設におけるユニバーサルデザインの推進③誰もが暮らしやすい居住環境の整備
相談・支援体制の充実
福祉に関する市民活動団体等への支援
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
1
1 誰もが理解し合えるまちづくり
■基本目標
誰もが互いを尊重し理解し合えるまちの実現を目指します。
1.現 状
○ 平成 27 年度に実施した市民意識調査の結果では、市が「人にやさしいまちづくり」を推進して
いることを、「知っているし内容も理解している」、「知っているし内容も何となく理解している」
と答えた人は合わせて 20.7%で、人にやさしいまちづくりの取組についての認知度が非常に低い
ことがわかりました。年代別においては、「聞いたことはあるが内容は知らない」、「全く聞いたこ
とがない」と答えた人の割合は、60 歳代で 69.8%、70 歳以上では 58.7%である一方で、40 歳代
で 86.7%、30 歳代で 88.5%、20 歳代で 88.4%と年代が若くなるにつれて認知度が低くなってい
ます。「行政が中心となり、民間を含めて進めるべき」「幼少期から学ぶことが大切」というご意
見もいただきました。
○ 高齢者関係団体、障害者関係団体、子育て関係団体からは、「概念としては知っているが、市が
どのように推進しているかはわからない」「耳にしたことはあるが具体的にわからない」「目に見
える形でアピールしたり、具体的な提言を一般市民から募集したりすれば認知度も高まるかもし
れない」等のご意見が寄せられました。
○ 関連する言葉の認知度では、「ユニバーサルデザイン」を知っている人の割合が 66.6%に達し
ている一方で、言葉の内容まで知っている人は 36.1%と低い割合となりました。
「バリアフリー」については、言葉の内容まで知っている人の割合が 82.2%に達しています。
年代別においては、20 歳代から 50 歳代までの幅広い世代で言葉と内容の認知度が 9 割以上に
達しています。
<H27 上越市人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査結果>
○ 市が、だれもが快適に暮らせる「人にやさしいまちづくり」を推進していることを知っていますか。
●年代別比較
市では、あらゆる障壁のない誰もが安全・安心で快適に暮らせるまちの実現を目指し、ユニバ
ーサルデザインの考え方を市民に普及啓発するとともに、教員や市の職員を対象とした研修会を
開催してきました。
また、公共施設の新設・改修において、ユニバーサルデザインを取り入れた整備を進めるほか、
誰もがわかりやすく利用しやすいサービスや情報の提供に努めています。
「人にやさしいまちづくり」を進める上で、「物理的障壁」「制度的障壁」「文化・情報面で
の障壁」「意識上の障壁」という4つの障壁があり、このうち取り除く必要性が最も高いのは「意
識上の障壁」と言われています。
障害のある人もない人も、高齢者も若者も女性も男性もすべてにおいて互いを尊重し、また助
け合い支え合うことが自然な行動になるよう意識を変えていく、あるいは心を育てていくことが
大切です。
ここでは、「誰もが理解し合えるまちづくり」の基本方針の下、基本目標を「誰もが互いを尊
重し理解し合えるまちの実現を目指します」とし、施策の方向を定めます。
4.4% 16.3% 42.2% 30.7% 6.4%
1 知っているし内容も理解している 2 知っているし内容も何となく理解している3 聞いたことはあるが内容は知らない 4 全く聞いたことがない無回答
[値]
2.6%
2.2%
1.7%
1.7%
1.1%
22.3%
20.0%
14.1%
9.9%
6.9%
5.3%
41.7%
47.4%
45.0%
40.3%
37.6%
29.5%
17.0%
22.4%
34.7%
46.4%
50.9%
58.9%
9.2%
7.5%
4.1%
1.7%
2.9%
5.3%
70歳以上
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
2
○ 「ユニバーサルデザイン」という言葉を知っていますか。
●年代別比較
○ 「バリアフリー」という言葉を知っていますか。
●年代別比較
2.課 題
○ あらゆる障壁のない、誰もが安全に安心して快適に暮らせるまちの実現のためには、高齢者や
障害のある人だけを対象とするバリアフリーの考え方にとどまらず、可能な限り「みんな」が利
用しやすいユニバーサルデザインの考え方を市民一人ひとりが正しく認識することが必要です。
○ 意識上の障壁・心の壁は最優先で取り除かなければならないものであり、様々な啓発活動を行
うとともに、相談・支援体制を整え、すべての人に正しい理解が広まるよう取り組んでいく必要
があります。
3.施策の方向
(1)人にやさしいまちづくりの考え方を理解し認め合うための広報や教育・学習を推進します。
また、日常生活の中で起きた困りごとについての相談窓口や支援体制を整えます。
① 人にやさしいまちづくりの普及啓発
人にやさしいまちづくりやユニバーサルデザインの考え方を広く普及し、誰もが相手の特徴を
認め合い、思いやりの心をもち行動するまちの実現のため、啓発活動、学校や地域での学習推進
を図ります。
(事業例)
・職員研修・教員研修の実施、普及啓発パンフレット・冊子配布
・ユニバーサルデザインに配慮した広報紙面づくり
・市ホームページの翻訳機能、市勢要覧の翻訳資料発行
②相談・支援体制の充実
日常生活の中で抱えている悩みや問題について相談しやすい環境を作るほか、社会参画のために
必要な支援に取り組みます。
(事業例)
・障害者相談、高齢者相談、女性相談、外国人相談、消費生活相談等の実施
・子どもの虐待、いじめ、差別、その他子どもの権利侵害の予防・対応
【評価指標】(案)
人にやさしいまちづくり推進の取組を理解している人の割合を %とする
ユニバーサルデザインの言葉や内容を理解している人の割合を %とする
15.2% 20.9% 30.5% 25.5% 8.0%
61.8% 20.4% 5.0% 5.6% 7.2%
6.8%
9.9%
21.6%
21.0%
22.0%
36.8%
15.1%
21.9%
25.3%
24.5%
22.0%
25.3%
31.7%
33.7%
28.4%
31.8%
28.3%
18.9%
30.6%
27.4%
21.3%
20.2%
26.0%
15.8%
15.7%
[値]
3.4%
2.6%
1.7%
3.2%
70歳以上
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
1 知っているし内容も理解している 2 知っているし内容も何となく理解している3 聞いたことはあるが内容は知らない 4 全く聞いたことがない無回答
45.8%
64.9%
70.0%
74.2%
69.4%
71.6%
18.1%
20.3%
24.1%
19.3%
23.7%
21.1%
10.0%
4.2%
[値]
1.3%
[値]
[値]
11.8%
4.7%
[値]
[値]
[値]
3.2%
14.4%
5.9%
1.9%
4.3%
1.7%
[値]
70歳以上
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
3
バリアフリーの言葉や内容を理解している人の割合を %とする
※各事業については、年度ごとに目標を定めて実施し、別に進捗状況を管理していきます。
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
3
2 誰もが学べるまちづくり
■基本目標
誰もが自分の持てる力を発揮し、生涯を通じて学べるまちを目指します。
1.現 状
○ 市民意識調査の結果では、高齢者、障害者等が学べる環境が整っていると、「あまり思わない」、
「全く思わない」と答えた人の割合が 63.4%であり、高齢者、障害者等が学べる環境が整ってい
ないと感じる人の割合が高い結果となりました。男女別において大きな差はなく、男性で65.6%、
女性で 62.1%の人が高齢者、障害者等が学べる環境が整っていないと感じています。年代別にお
いては、60 歳代以下の 7割近くの人が高齢者、障害者等が学べる環境が整っていないと感じてい
る結果となりました。
○ 中には、「聴覚障害のある子どもへの小学校以降の対応が不十分である」「市立の特別支援学校
の設立を要望する」というご意見が寄せられました。
○ 市民の声アンケートの結果においては、子どもたちが充実した学校生活を送っていると「感じ
る」、「ある程度そう感じる」と答えた人の割合が 65.5%、また、生涯学習活動が盛んであると
「感じる」、「ある程度そう感じる」と答えた人の割合が 33.8%でした。
<H27 上越市人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査結果>
○ 高齢者、障害者等が学べる環境が整っていると思いますか。
●男女別比較
●年代別比較
<H26 市民の声アンケート>
○ 子どもたちが充実した学校生活を送っていると感じますか。
市では、地域の歴史や文化、自然環境などの特性や強みを生かしながら、幼児から高齢者まで
学びを通じて、ふるさとへの誇りと愛着を実感し、自信を持って将来につないでいくことのでき
る活力あるまちづくりを進めています。
学校教育においては、ハード・ソフト面から学校教育環境の整備を進めており、ハード面では、
学校施設整備計画に基づく施設・設備の計画的な整備を行うことにより、学校の安全性向上と防
犯対策、教育環境の質的な向上に努めてきました。ソフト面では、特別な支援を要する児童生徒
にきめ細かく対応するための取組を進めているほか、障害の有無にかかわらず誰もがわかりやす
い授業づくりに取り組むなど、児童生徒一人一人にきめ細かな支援を行うインクルーシブ教育を
推進しています。
また、社会教育においては、市民が将来にわたり学び続けることができるよう、様々な分野の
学習機会やスポーツ活動の場を提供するとともに、公民館活動を通じて家族の触れ合いやコミュ
ニケーションの大切さを伝えるなど、家庭教育の支援にも取り組んできました。
時代の変化や市民のニーズを踏まえ、多様な学びの機会やスポーツ活動の場を提供することで、
個人の趣味や教養が深まり、その成果が発揮されることで地域や社会の発展に還元されることが
大切です。
ここでは、「誰もが学べるまちづくり」の基本方針の下、基本目標を「誰もが自分の持てる力を
発揮し、生涯を通じて学べるまちを目指します」とし、施策の方向を定めます。
1.4%
30.7% 53.8% 9.6% 4.5%
1 そう思う 2 ある程度そう思う 3 あまり思わない 4 全く思わない 無回答
全体
1.6%
1.2%
32.0%
28.9%
53.2%
55.1%
8.9%
10.5%
4.3%
4.4%
女性
男性
2.8%
0.9%
0.3%
0.4%
1.2%
2.1%
38.9%
26.9%
25.3%
31.3%
24.9%
31.6%
42.6%
57.8%
61.6%
55.8%
64.2%
50.5%
9.6%
9.0%
10.9%
9.0%
6.9%
13.7%
6.1%
5.4%
1.9%
[値]
2.9%
2.1%
70歳以上
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
4
○ 生涯学習活動が盛んであると感じますか。
2.課 題
○ 学校教育において、一人ひとりの子どものニーズを的確に把握し、自らの力を最大限に発揮で
きるよう、学習上又は生活上の困難を改善・克服するために必要な指導や支援が必要です。
○ 特別な支援や介護を必要とする児童、低所得世帯の児童などが増加傾向にあることから、全て
の子どもたちが充実した学校生活を送ることができる環境の整えるため、様々な支援の充実が必
要です。
○ 社会教育において、急速に変化する社会に対応するために学習意欲が高まる中、高齢者、障害
のある人を含め、誰もが生涯を通じて学び、社会参加できる環境を整えることが求められていま
す。
○ 東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けた機運の高まりに伴い、子どもから高齢者や
障害のある人まで、誰もが生涯にわたりスポーツに親しみ、参加できる機会を増やすことが必要
です。
3.施策の方向
(1)児童・生徒のニーズに応じた支援を推進するとともに、市民の生涯を通じた多様な学習機
会の拡充を推進します。
①自立・共生を目指す学校教育環境の充実
支援を必要とする児童生徒へのきめ細かな教育を行うほか、安心して教育を受けるための環境
を整えます。
(事業例)
・特別な支援を必要とする児童生徒の就学相談
・教育補助員などの配置による特別な支援を必要とする児童生徒の学習や学校生活の支援
・幼稚園児の入園料・保育料の補助
・奨学金の貸付
②市民の多様な学習機会の充実
生涯を通じて学んだりスポーツに参加したりできる機会や環境の充実を図り、誰もが自らの持
てる力を発揮し、生きがいのある暮らしを推進します。
(事業例)
・公民館における高齢者を対象とした趣味・教養講座の開催
・録音図書や点字図書の作製・貸し出し
・ライフステージに応じたスポーツ活動機会の充実
・市民が主体的に参画するスポーツ団体の支援
【評価指標】(案)
『高齢者、障害者等が学べる環境が整っていると感じる市民の割合』を %とす
る
※各事業については、年度ごとに目標を定めて実施し、別に進捗状況を管理していきます。
9.9% 55.6% 22.9%
3.8%
7.9%
そう感じる ある程度感じる あまり感じない 全く感じない 無回答
3.3%
30.5% 51.7% 9.1% 5.4%
そう感じる ある程度感じる あまり感じない 全く感じない 無回答
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
5
3 誰もが働けるまちづくり
■基本目標
誰もが自分の持てる能力を生かしながら、生きがいをもって働けるまちを
目指します。
1.現 状
○ 市民意識調査の結果では、高齢者、障害者等が働ける環境が整っていると「あまり思わない」、
「全く思わない」と答えた人の割合が 74.9%であり、高齢者、障害者等が働ける環境が整ってい
ないと感じる人の割合が高い結果となりました。男女別においても、男性で 77.8%、女性で 72.6%
の人が高齢者、障害者等が働ける環境が整っていないと感じています。年代別では、特に 40 歳代、
50 歳代、60 歳代の人が 8割近くの人が高齢者、障害者等が働ける環境が整っていないと感じてい
ることがわかりました。
○ 中には、高齢者にとって「働く場がない」、障害者にとって「賃金が低い」、「障害への理解が足
りない」、「企業内で障害や特性について学ぶべき」、「経営に余裕がなければ受入れは難しい」等
のご意見が寄せられました。
○ 市民の声アンケートの結果においても、働く場が整っていると「感じる」、「ある程度そう感じ
る」と答えた人の割合が 21.6%、就業能力開発など就業支援に「満足している」、「やや満足して
いる」と答えた人の割合が 8.0%と非常に低い結果となりました。
<H27 上越市人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査結果>
○ 高齢者、障害者等が働ける環境が整っていると思いますか。
●男女別比較
●年代別比較
<H26 市民の声アンケート>
人が生活していく上で、その糧を得るための仕事は欠かせないものです。また、「誇り」や「生
きがい」のある仕事に就くことによって、生活の豊かさだけでなく、心の豊かさを得ることがで
きます。
市では、関係機関や企業と連携し、就労や社会参画を支援するため各種セミナーや合同説明会
を開催したほか、職業訓練や技術・技能の向上、人材育成に取り組んできました。
しかし、社会構造や産業構造の変化、雇用形態の多様化などから、非正規雇用が拡大しており、
雇用環境は依然厳しい状況にあります。
事業者、関係機関、行政が連携を図り、雇用機会の拡大、雇用環境の改善、新しい雇用の創出
等に取り組み、障害のある人もない人も、高齢者も若者も、女性も男性も、誰もが安心して、生
きがいを持って働き続けられる労働環境が整っていることが大切です。
ここでは、「誰もが働けるまちづくり」の基本方針の下、基本目標を「誰もが自分の持てる能力
を生かしながら、生きがいをもって働けるまちを目指します」とし、施策の方向を定めます。
0.8%
21.6% 60.9% 14.0%
2.7%
1 そう思う 2 ある程度そう思う 3 あまり思わない 4 全く思わない 無回答
全体
0.8%
0.7%
23.5%
19.5%
59.2%
63.3%
13.4%
14.5%
3.0%
1.9%
女性
男性
1.5%
0.5%
0.4%
1.7%
25.1%
16.0%
15.6%
22.7%
29.5%
32.6%
57.2%
65.1%
65.0%
64.8%
55.5%
52.6%
12.7%
15.1%
17.8%
11.2%
11.6%
12.6%
3.5%
3.3%
1.6%
0.9%
1.7%
2.1%
70歳以上
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
6
○ 働く場が整っていると感じる。
○ 就業能力開発など、就業支援に満足している。
2.課 題
○ 社会構造や産業構造の変化に伴い、企業の経営状況も変動します。市民生活の基盤である雇用
の安定を図るためには、関係機関が連携し、求人と求職のミスマッチの改善など現況に即した雇
用問題対策に取り組む必要があります。
○ 高齢者、障害者等をはじめ誰もがその持てる能力を生かし、自分らしく生きがいをもって働け
るよう、雇用機会の拡大、新たな雇用分野の開拓に努めなければなりません。
○ 働く意欲のある人の職場定着を促進するためにも、事業者等の理解と意識啓発を推進し、職場
環境の改善につながるよう働きかけることも必要です。
○ また、職業訓練等を通じた職業能力や人材の育成を支援し、就労につながる施策を推進してい
く必要があります。
3.施策の方向
(1)誰もが生きがいをもって自分らしく暮らせるよう、雇用機会の確保と職業能力の向上を図
ります。
①雇用機会の創出
雇用環境の向上のため、事業者等への意識啓発や雇用促進を推進するほか、新たな雇用分野の
開拓に努めます。
(事業例)
・関係機関と連携した障害者合同就職面接会等の開催
・障害者の雇用機会創出のための分野開拓
・男女の均等な待遇の確保など雇用環境改善の推進
②職業能力や人材の育成
就労及び職場定着を促進するため、関係機関、企業等との連携を強化し、技術・技能の向上、
人
材の育成に取り組みます。
(事業例)
・障害者や母子家庭等への資格取得・教育訓練費用の助成
・支援員による障害者や母子家庭等の就労支援
・女性の再就職への支援
【評価指標】(案)
『高齢者、障害者等が働く場が整っていると感じる市民の割合』を %とする
※各事業については、年度ごとに目標を定めて実施し、別に進捗状況を管理していきます。
1.2%
20.4% 52.2% 21.2% 5.1%
そう感じる ある程度感じる あまり感じない 全く感じない 無回答
0.9%
7.1% 60.4% 17.0% 5.4% 9.2%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
7
4 誰もが健康に暮らせるまちづくり
■基本目標
誰もが生涯を通じて、住み慣れた地域で、健やかに暮らせるまちを目指します。
1.現 状
○ 福祉に関するサービスが整っていると「感じている」「ある程度そう感じる」と答えた人の割合
は 62.6%である一方で、障害のある人の自立・社会参加の支援の満足度は 13.3%、高齢者の介護
サービスの満足度は 34.8%、レクリエーションなど高齢者への生きがいづくりの支援の満足度は
19.5%、子育て支援の満足度は 28.0%、保育サービスの満足度は 29.6%と、個別のサービスにつ
いての満足度になると低いことがわかります。
○ また、医療に関するサービスが整っていると「感じている」「ある程度そう感じる」と答えた人
の割合は 60.1%に上りますが、救急・休日・夜間の医療体制の充実についての満足度は 34.1%に
留まっています。
※介護予防
要介護状態の発生をできる限り防ぐ(遅らせる)こと、また要介護状態にあってもその悪化をできる限り防ぐ
こと、さらには軽減を目指すこと
<H26 市民の声アンケート結果>
○ 妊娠・出産後の支援など母子保健活動の推進
○ 健康意識の向上など健康づくりの推進
○ 福祉に関するサービスが整っている
○ 障害のある人の自立・社会参加の支援
○ 高齢者の介護サービスの充実
○ レクリエーションなど高齢者への生きがいづくりの支援
○ 医療費助成や育児相談など、子育て支援の満足度
○ 保育園の時間延長などの保育サービスの満足度
市では、市民の生涯を通じた健康維持を図るため、疾病の発症と重症化の予防、疾病の早期発
見・早期治療のため、各種予防接種や健康診査等を推進してきました。
また、居住地域にかかわらず、市民が安定的に医療サービスを受けられるよう、市内の病院と
診療所等との地域医療連携体制を構築しました。
高齢者への支援については、介護予防※や生きがいづくりを推進する一方、介護が必要になっ
た人に対しては、一人ひとりの状態に応じ、適切なサービスを提供する環境整備に取り組んでい
ます。障害のある人については、障害の状態に応じた様々なサービスや社会参画を進めるための
支援を行っています。また、子育ての不安感や孤立感を緩和するため、子育て支援情報の提供、
子育て相談等を行い、保護者同士の交流の場やネットワークづくりに努めてきました。
今後も生涯を通じた人生の各段階で、心と体の健やかさを保てる環境が整い、安心して自分ら
しく暮らせるまちを目指します。
ここでは、「誰もが健康に暮らせるまちづくり」の基本方針の下、基本目標を「誰もが生涯を通
じて、住み慣れた地域で、健やかに暮らせるまちを目指します」とし、施策の方向を定めます。
2.5%
20.3% 58.9% 7.0%
1.8%
9.4%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
3.5%
25.0% 56.8% 7.1%
1.5%
6.2%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
1.3%
12.0% 63.4% 14.8%
3.3%
5.2%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
4.6% 30.2% 44.6% 13.0%
3.2%
4.4%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
2.4%
17.1% 62.8% 9.9%
2.9%
5.1%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
3.2%
24.8% 51.1% 11.3%
3.8%
5.8%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
4.9%
24.7% 51.5% 8.2%
2.5%
8.2%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
12.2% 50.4% 30.3%
3.2%4.0%そう感じる ある程度感じる あまり感じない 全く感じない 無記入
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
8
○ 医療に関するサービスが整っている
○ 救急・休日・夜間の医療体制の充実
2.課 題
○ 医療・福祉・介護サービスへのニーズは多様化していますが、高齢化が一層進む中、生涯を通
じた人生の各段階に合わせて、安定したサービスを提供していくことが必要です。
○ 自分らしく暮らせる健康寿命の延伸を図るためには、市民一人ひとりが適切な生活習慣の保持
と健康づくりに取り組むことが大切であることから、市民にそれらに対する正しい知識を普及す
るとともに、市民の主体的な取組が行われるための環境の整備を図ることが必要です。
○ 地域医療体制においては、人口減少等に伴う患者数の減少や医師の地域偏在に対応した機能的
な運営体制の整備、軽症患者の救急外来への適正受診のさらなる啓発が必要となっています。
○ 高齢者が住み慣れた地域で生き生きと暮らせるよう、介護予防や生きがいづくり・居場所づく
りの推進、支援が必要な人には見守り体制を強化する取組が求められています。
○ 障害のある人には、地域での自立した生活、外出・移動、社会参加に必要な支援を充実させる
ことが必要です。
○ 核家族化の進展、地域のつながりの希薄化、共働き家庭の増加など子育て家庭を取り巻く環境
の変化に伴い、子育ての負担や不安、孤立感を抱える保護者が増加していることから、保護者ニ
ーズを敏感に捉え、安心して子育てができる環境づくりを進める必要があります。
3.施策の方向
(1)誰もが健康な生活を送るための健診の推進や保健指導の充実を図ります。
①健診・保健指導等の推進
各種予防接種や健康診査、保健指導等を実施し、年齢や障害の有無を問わず、市民のこころと
体の健やかさを保ちます。
(事業例)
・妊婦・産婦・新生児への訪問指導、乳幼児健診
・障害者とその家族を対象とした健診
(2)誰もが安心して適切な医療が受けられるよう医療体制の充実を図ります。
①地域医療体制の充実
必要な時に必要な医療が受けられるよう地域医療体制を確保し、市民の医療不安を解消します。
(事業例)
・各診療所の開設
・中ノ俣地区、吉川区川谷地区における患者輸送バスの定期運行
(3)誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう各種支援を推進します。
①高齢者福祉の推進
高齢者の介護予防や生きがいづくりに取り組むとともに、最適な福祉サービスの提供に取り組
みます。
(事業例)
・すこやかサロン(地域支え合い事業)おける地域住民との交流や健康増進活動
・シニアセンターにおける常設ギャラリーの展示、談話室の提供
②障害者福祉の推進
障害のある人の状態に応じた様々なサービスを提供し、社会参画に関する環境整備に取り組み
ます。
(事業例)
・障害者のタクシー利用料金助成、リフト付福祉バス・乗用車の運行
・手話奉仕員等の養成・派遣
③育児支援の充実
保護者の生活実態や多様化するニーズを十分に踏まえた上で、子どもの健やかな成長の支援に
取り組みます。
(事業例)
・病児保育事業、病後児保育事業
・24 時間保育事業(ファミリーヘルプ保育園)
【評価指標】(案)
『福祉、医療等のサービスが整っていると感じる市民の割合』を %とする
※各事業については、年度ごとに目標を定めて実施し、別に進行状況を管理していきます。
12.5% 47.6% 32.4%
3.9% 3.6%そう感じる ある程度感じる あまり感じない 全く感じない 無回答
5.3% 28.8% 39.4% 16.3% 5.4% 4.8%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
9
5 誰もが互いに支え合うまちづくり
■基本目標
共に支え合うための自主的な活動が促進されるまちを目指します。
1.現 状
○ 市民意識調査の結果では、ボランティア活動への参加について、「参加したことがある人」と「関
心がある人」を合わせると、全体の 83.3%の人がボランティアに興味を持っていることを示す結
果となりました。しかし「参加したことがある人」はその半数以下の 35.6%に留まりました。
○ 中には、「ごみ拾いや演奏活動などできることからやっている」、「参加したいが連絡先がわから
ない」「有償にしてはどうか」など、参加の有無にかかわらずボランティアに対する関心が見られ
る意見が寄せられました。
○ 機会があれば、高齢者、障害者等に関係するボランティア活動に参加してみたいという人は、
「そう思う」、「ある程度そう思う」割合が 46.1%、「あまり思わない」、「全く思わない」割合が
50.7%であり、高齢者、障害者等に関するボランティア参加には消極的、という結果となりまし
た。男女別においては、女性のほうが参加してみたいと思う人の割合が 9.6 ポイント高く、年代
別においては、20 代と 50 代で半数を超えているものの、それ以外の年代では半数の満たない結
果となっています。
○ 市民の声アンケートの結果においては、地域福祉を支える市民ボランティア活動への支援に、
「満足している」、「やや満足している」と答えた人の割合が 18.5%と非常に低い結果となりまし
た。
<H27 上越市人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査結果>
○ あなたは、ボランティア活動に参加したことがありますか。
○ 機会があれば、高齢者、障害者等に関係するボランティア活動に参加してみたいと思いますか。
●男女別比較
●年代別比較
<H26 市民の声アンケート>
市では、市民活動の促進に向けて、NPO・ボランティアセンターを拠点として、ボランティア
に関するニーズ情報の収集、提供及びボランティアをしたい人、してもらいたい人の仲介役を担
うとともに、市民が主体的に地域の課題解決に取り組む事例集を発行するなど、市民活動の促進
に向けた意識啓発・周知にも取り組んできました。
このような取組により、市民の主体的な活動が広がりつつある一方で、中山間地域においては、
人口減少や少子化、高齢化等の問題も深刻に進んでいます。
こうした地域の実情を踏まえて、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし、市民が社会参加し
やすい環境を整えるため、地域や人が互いに支え合える仕組みを構築することが大切です。
ここでは、「誰もが互いに支え合うまちづくり」の基本方針の下、基本目標を「共に支え合うた
めの自主的な活動が促進されるまちを目指します」とし、施策の方向を定めます。
8.1% 27.5% 47.7% 13.7%
3.0%
1 定期的・継続的な活動に参加したことがある2 単発的な活動に参加したことがある3 ボランティア活動に興味・関心はあるが、参加したことはない4 ボランティア活動に興味・関心はなく、参加したこともない無回答
7.9% 38.2% 40.8% 9.9%
3.2%1 そう思う 2 ある程度そう思う 3 あまり思わない 4 全く思わない 無回答
全体
10.3%
5.2%
40.4%
35.9%
35.9%
46.8%
9.7%
10.0%
3.8%
2.1%
女性
男性
9.2%
8.0%
9.4%
6.4%
5.8%
[値]
31.2%
41.5%
40.9%
37.8%
42.2%
47.4%
38.0%
42.0%
40.9%
47.6%
42.8%
32.6%
15.5%
5.4%
7.8%
7.7%
8.1%
14.7%
6.1%
[値]
[値]
0.4%
1.2%
2.1%
70歳以上
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
10
○ 地域福祉を支える市民ボランティア活動への支援
2.課 題
○ 少子化や高齢化、地域ごとの世帯構成の変化、ライフスタイルの多様化などを背景として人
間関係の希薄化や自主的なまちづくり活動の衰退、地域での課題解決力の低下が懸念されてお
り、市民一人ひとりが地域や公共の課題を自らの課題として受け止め、解決に向けて主体的に
取り組むことができるよう、条件の整備と機運の醸成を図っていく必要があります。
○ ボランティアや市民活動等に関心のある人が、自主的に、できる範囲でまちづくりや支援に参
加でき、また、支援や援助を受けたい人が受けたい時にサービスを受けられるよう、情報の受発
信や相談窓口等の機能を持つ拠点のさらなる充実が必要です。
3.施策の方向
(1)ボランティア参加、地域活動、市民活動への支援を推進し、ボランティアを必要とする人
の利用促進を図ります。
①福祉に関するボランティア活動や地域での支え合い活動のための環境づくり
福祉に関するボランティア活動への意識啓発やボランティアの育成を図るとともに、ボランテ
ィア活動等の情報提供、ボランティアをしたい人、してもらいたい人の仲介、相談等の機能を強
化するとともに、地域における生活支援や見守り支援等に取り組みます。
(事業例)
・NPO・ボランティアセンター、ファミリーサポートセンターの運営
・地域コミュニティ活動サポート事業
・地域の支え合い体制構築のための有償ボランティア養成
・高齢者見守り支援ネットワーク事業、認知症サポーター養成講座
【評価指標】(案)
『ボランティアに参加したことのある市民の割合』を %とする
※各事業については、年度ごとに目標を定めて実施し、別に進捗状況を管理していきます。
2.0%
16.5% 65.8% 8.1%
1.5%
6.1%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
11
6 誰もが安心して暮らせるまちづくり
■基本目標
誰もが災害時や降雪時に安全に行動することができる災害に強いまちを目指し
ます。
1.現 状
○ 市民意識調査の結果では、災害時にどのように行動すればよいか「知っている」、「ある程度知
っている」と答えた人の割合は 73.6%、「あまり知らない」、「全く知らない」と答えた人の割合
は 23.7%であり、災害時の行動について認識していない人が 4人に 1人ほどいることを示してい
ます。男女別では、男性より女性が、年代別では高齢の人より若い年代が、災害時における自分
のとるべき行動を認識していない傾向が見られます。
○ 高齢者関係団体、障害者関係団体の皆さんから聞き取ったご意見の中には、「それぞれの地域で
防災訓練をしているのでそれなりに理解していると思うが、マンネリ化している。」「自分のこと
だけでなく、自分の周りの障害者の方をどう助けるかということを知っておくべき。」などのご意
見が寄せられました。
○ また、冬期間の自宅等の除雪について、自身や誰かの助けを借りて対応「できている」、「ある
程度できている」と答えた人の割合は 90.2%ですが、まだ 1割近くの人が除雪に対応できていな
いことがわかりました。
<H27 上越市人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査結果>
○ あなたは、災害時にどのように行動すればよいか知っていますか。
●男女別比較
上越市は、その地勢・気候上の特性から、地震、水害、土砂災害、津波、突風、豪雪など、多
種多様な自然災害を引き起こす要因が潜在しており、人々は生活していく上で様々な不安を抱え
ています。
市では、災害等から市民の生命・身体・財産を守るため、地域防災計画に基づき、災害の予防
等に必要な対策、災害時の初動マニュアルの作成などを進めたほか、危機管理に関する職員研修
訓練を継続実施し、職員の災害対応能力の向上を図るとともに、関係機関との連携体制の強化に
努めてきました。
近年、全国では、毎年のように人的被害を含む深刻な被害を及ぼす自然災害が発生しており、
こうした災害の教訓を踏まえた災害への対応力の強化が求められています。
そのためには、防災対策のさらなる強化を図るとともに、自助・共助の力を生かした地域防災
力の維持・向上が必要です。
ここでは、「誰もが安心して暮らせるまちづくり」の基本方針の下、基本目標を「誰もが災害時
や降雪時に安全に行動することができる災害に強いまちを目指します」とし、施策の方向を定め
ます。
11.6% 62.0% 21.5%
2.2%2.7%
1 知っている 2 ある程度知っている 3 あまり知らない 4 全く知らない 無回答
全体
8.1%
15.6%
61.6%
62.7%
24.8%
17.9%
2.7%
1.6%
2.8%
2.2%
女性
男性
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
12
●年代別比較
○ あなたは、冬期間の自宅等の除雪について、ご自身や誰かの助けを借りて対応できていますか。
2.課 題
○ 災害による被害の未然防止または軽減を図り、災害発生時に迅速に対応するためには、的確な
情報発信やハザードマップの提供等を通じた災害への対応力の強化が必要です。
○ 高齢者、障害のある人、けがや病気の人、子ども、外国人など、災害についての知識不足や情
報入手が困難、自力での避難が困難な人を支援する取組を強化することも必要です。
○ 避難所の運営に当たっては、避難者の安全の確保、生活環境の維持、要配慮者に対するケア及
び男女の視点の違いやプライバシーの確保に十分に配慮し、市民が安心して避難できる環境づく
りを行う必要があります。
○ また、一般の避難所での避難生活が困難と思われる方々のための福祉避難所の確保・運営体制
の整備も求められています。
○ さらに、高齢化の進行が自主防災活動の担い手不足と活動の減退につながり、組織の維持ある
いは結成自体が困難となる状況も見られます。こうしたことから、自助・共助の力を生かした自
主防災組織の活動をさらに支援していくとともに、集落の範囲を超えた支援体制の構築も必要と
なっています。
○ また、冬期間における安全安心な生活環境を維持するため、車両や歩行者の通行空間を確保す
るほか、中山間地における集落内の生活道路や住居の除雪を支援する体制も必要です。
3.施策の方向
(1)防災に関する情報提供や避難時に必要な施策、自助・共助による防災体制の整備を推進し
ます。
①防災対策や避難支援体制の充実
災害時に被害を防止または軽減するため、的確な情報発信と避難体制の整備に取り組みます。
(事業例)
・安全メール、防災行政無線等による情報発信
・ハザードマップの作成・配布
・災害時要配慮者名簿の作成、要配慮者に配慮した災害対応計画・避難体制の整備
②自主防災活動の推進
災害時に地域の災害対応力が発揮できるよう、自主防災組織の活動を支援します。
(事業例)
・自主防災組織への防災アドバイザーの派遣
・防災資機材整備等の補助
・防災士の養成
(2)冬期間の安全な通行空間の確保と除雪に必要な施策を推進します。
①除雪対策の充実
道路・歩道の除雪により安全に通行できる空間を確保するとともに、住居周辺の除雪について
も労力の確保や協力体制を整備します。
(事業例)
・要援護世帯の雪害時の安否確認や除雪支援の必要性等の情報収集
・小中学校の通学路や主要生活道路の除雪の推進
・住民組織等の除雪等ボランティア活動支援
63.0% 27.2% 4.5%
2.4%3.0%
1 できている 2 ある程度できている 3 あまりできていない 4 全くできていない 無回答
14.9%
11.6%
10.0%
12.0%
6.4%
7.4%
59.6%
69.1%
61.3%
61.8%
59.5%
53.7%
17.7%
14.9%
26.6%
24.9%
31.2%
30.5%
3.9%
1.4%
1.3%
0.9%
1.2%
4.2%
3.9%
3.1%
0.9%
0.4%
1.7%
4.2%
70歳以上
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
13
【評価指標】(案)
『災害にどう対応すべきか理解している市民の割合』を %とする
※各事業については、年度ごとに目標を定めて実施し、別に進捗状況を管理していきます。
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
13
7 誰もが快適に暮らせるまちづくり
■基本目標
公共空間や居住空間において、誰もが利用しやすく、住みやすく、安全に
生活できるまちを目指します。
1.現 状
○ 平成 28 年度における「公共建築物ユニバーサルデザイン指針」に基づく全対象施設の指針適
合率は 61.8%であり、前回、平成 25 年度調査の 59.7%と比べ 2.1 ポイント上昇しています。
○ 人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査の結果では、市の施設について、高齢者、障害
者等が安全で快適に利用できていると「思う」「ある程度そう思う」と答えた人の割合は57.4%、
民間施設については46.9%に留まりました。また、自分の住宅が安全で快適に生活できると「思
う」「ある程度そう思う」と答えた人の割合は 44.8%でした。
○ 平成 26 年度に実施した市民の声アンケートの結果では、障害のある人、高齢者などが安全安心
に生活できるバリアフリーの環境づくりに、「満足している」「やや満足している」と答えた人の
割合は 18.8%に留まっています。
○ 障害者関係団体、子育て関係団体からは、施設に関して「男性トイレにおむつ替え、ベビーキ
ープ、子ども用トイレが少ない」「施設の職員が手話で挨拶してくれたり階段の昇り降りを介助し
てくれたり、という心のこもった受入れをしてくれるだけで施設を利用しやすくなる」等のご意
見があったほか、良くなった点として、「店や公共施設で車椅子の人のための駐車場に妊婦や乳幼
児連れも駐車可能のマークが増えてきた」とのご意見も聞かれました。
<H28 市施設のユニバーサルデザイン適合状況調査結果>
○ ユニバーサルデザイン指針への適合率の推移
区分 平成 19 年度
適合率
平成 22 年度
適合率
平成 25 年度
適合率
平成 28 年度
適合率 増減
施設数 703 715 688 606 ▲82
適合率
全体共通 43.7% 47.8% 50.1% 52.6% +2.5%
移動空間 47.4% 57.1% 61.6% 63.6% +2.0%
個別空間 53.7% 61.30% 65.7% 67.7% +2.0%
情報・案内 45.0% 46.4% 50.8% 51.5% +0.7%
避難 50.9% 60.7% 66.2% 68.0% +1.8%
雪対策 53.5% 57.4% 58.3% 58.9% +0.6%
全体適合率 51.4% 55.9% 59.7% 61.8% +2.1%
<H27 上越市人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査結果>
○ 市の施設は、高齢者、障害者等が安全で、快適に利用できているかと思いますか。
○ 民間の施設は、高齢者、障害者等が安全で、快適に利用できていると思いますか。
○ あなたの住宅は、高齢者、障害者等が安全で、快適に生活できる住宅だと思いますか。
<H26 市民の声アンケート結果>
○ 障害のある人、高齢者などが安全安心に生活できるバリアフリーの環境づくり
市では、誰もが安全、安心で快適に利用できる施設整備を推進するため、平成 19 年に策定し
た「公共建築物ユニバーサルデザイン指針」に基づき、公共施設の整備を進めています。多くの
人が利用する民間の公共的施設についても、「新潟県福祉のまちづくり条例」に基づき、安全かつ
快適に利用できる構造及び設備となるよう事業者への指導や助言を行っています。
また、高齢者や障害のある人が住み慣れた住宅で自立した生活を送ることができるよう、住宅
のリフォームを支援してきました。
私たちが住宅や施設を利用する際に大きな障壁となるのが、入口などの段差、階段、路上の放
置自転車、あるいは車椅子を使用している人が使いにくい狭いトイレなど、目に見えたり実感で
きたりする「物理的障壁」です。
建物やまちのユニバーサルデザイン化が図られてきているものの、まだまだ物理的障壁によっ
て不便を感じることが多く、さらなる整備の推進が必要です。
ここでは、「誰もが快適に暮らせるまちづくり」の基本方針の下、基本目標を「公共空間や居住
空間において、誰もが利用しやすく、住みやすく、安全に生活できるまちを目指します」とし、
施策の方向を定めます。
5.1% 52.3% 34.8%
4.0%4.0%
1 そう思う 2 ある程度そう思う 3 あまり思わない 4 全く思わない 無回答
2.8%
44.1% 44.1%
4.5%4.5%
7.9% 36.9% 39.6% 13.0%
2.5%1.5%
17.3% 55.4% 17.1%
3.7%
5.1%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
14
2.課 題
○ 公共施設などにおいて、障害のある人やない人、高齢者や若者、子どもや妊婦などすべての人
の利用を完全に確保することは難しいことですが、できるだけ多くの人が利用できるような施設
に近づけていくことは可能です。市と事業者はユニバーサルデザインの視点を持ち、人にやさし
い施設の整備に努める必要があります。
○ 将来を見据えた誰もが安心して暮らせる家づくりは、障害のある人だけの問題ではなく、誰も
が直面する問題として認識する必要があります。誰もがいつでも、いくつになっても快適に暮ら
せる家を建てられるように支援することが必要です。
3.施策の方向
(1)誰もが安全かつ快適に利用できるよう施設整備を推進します。
①公共施設におけるユニバーサルデザインの推進 市の施設を誰もが安全・安心で快適に利用できるようにするため、「公共建築物ユニバーサルデ
ザイン指針」に基づく整備を推進します。
(事業例)
・公共建築物ユニバーサルデザイン指針に基づく市の施設(学校施設・集会施設・体育施設・
観光施設等)の整備
・わかりやすい誘導・案内看板等の設置
②民間施設におけるユニバーサルデザインの推進
民間の公共的施設が誰もが使いやすい施設となるよう、新潟県福祉のまちづくり条例に基づき
協議や指導、助言を行います。
(事業例)
・新潟県福祉のまちづくり条例整備マニュアルに基づく民間施設(病院、社会福祉施設、商業
施設等)の整備に係る協議・指導・助言
③誰もが暮らしやすい居住環境の整備
高齢者や障害のある人などが在宅で自立した生活ができるよう、住宅リフォームを支援します。
(事業例)
・高齢者、障害者の住宅リフォーム補助金の交付
【評価指標】
『市内の施設等が誰もが利用しやすいと感じている市民の割合』を %とする
※各事業については、年度ごとに目標を定めて実施し、別に進捗状況を管理していきます。
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
15
8 誰もが移動しやすいまちづくり
■基本目標
誰もが安全かつ快適に生活交通を利用し、社会参加できるまちを目指します。
1.現 状
○ 人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査の結果では、歩道や道路は、高齢者、障害者等
が安全で安心して利用できていると「思う」「ある程度そう思う」と答えた人の割合は 28.5%と
いう低い結果となりました。「あまり思わない」「全く思わない」と答えた人の割合は 70.3%と高
く、特に 50 歳代において 82.4%と高い一方で、70 歳以上では 54.3%となっています。「雁木の
足元に段差があり歩きづらい」「歩道を高齢者でも安心してゆっくり歩けるようにしてもらいたい」
などのご意見がありました。
○ また、鉄道や路線バスなどの公共交通機関は、高齢者、障害者等が安全で安心して利用できて
いると「思う」「ある程度そう思う」と答えた人の割合は 28.5%と低く、「あまり思わない」「全
く思わない」と答えた人の割合は 69.6%という高い結果となりました。特に 50 歳代において
80.0%と高い一方で、70 歳以上では 60.7%という結果となりました。「バス・電車の本数が少な
い」「上越妙高・上野間を職員の支援で安心して行って来られた」などのご意見がありました。
○ 市民の声アンケートの結果では、バスや鉄道などの便がよいと「感じる」「ある程度感じる」と
答えた人の割合は 30.2%、また、鉄道やバスなどの利便性の向上に「満足している」「やや満足
し
ている」と答えた人の割合は 16.7%と低い結果となりました。
○ 子育て関係団体からは、「歩道の段差や狭さがベビーカー使用者には移動しづらい」「学校と駅の
間はもっと街灯があるといい」等のご意見が挙げられました。
<H27 上越市人にやさしいまちづくりに関する市民意識調査結果>
○ 歩道や道路は、高齢者、障害者等が安全で安心して利用できていると思いますか。
●年代別比較
市では、道路や橋梁などの市民生活に欠かせないインフラ整備について、長寿命化対策や各種
整備計画に基づく効率的かつ効果的な施設整備に取り組んできました。また、今日の車社会の中
で歩道本来の機能である「安全な歩行者空間の確保」という観点から、通学路はもちろんのこと、
幹線道路で自動車交通量が多く交通事故発生の恐れがある区間や駅、公園周辺などの多くの人が
集まる場所の整備を優先的に行ってきました。
生活交通の維持・確保については、実証運行を始めとするバス運行の見直しを進め、路線の整
理・新設やデマンドバスの運行、乗合タクシーの試験運行などに取り組むほか、地域内の鉄道の
安定的な経営と利用促進等の検討を進めてきました。
地域経済や市民の安全・安心で快適な日常生活を支えるとともに、交流の促進に資するため、
歩道・道路の整備、持続可能な生活交通の維持・確保をさらに進めていく必要があります。
ここでは、「誰もが移動しやすいまちづくり」の基本方針の下、「誰もが安全かつ計的に生活交
通を利用し、社会参加できるまちをめざします」を基本目標とし、施策の方向を定めます。
2.4%
26.1% 54.5% 15.8%
1.2%
1 そう思う 2 ある程度そう思う 3 あまり思わない 4 全く思わない 無回答
5.4%
0.9%
0.6%
0.9%
1.7%
2.1%
38.9%
20.8%
16.0%
21.0%
24.9%
27.4%
43.0%
62.7%
61.3%
58.4%
54.9%
51.6%
11.3%
15.1%
21.1%
18.9%
17.3%
17.9%
1.5%
0.5%
0.9%
0.9%
1.2%
1.1%
70歳以上
60代
50代
40代
30代
20代
全体
第 3 章 現況と課題・施策の方向 【事前配布資料】
16
○ 鉄道や路線バスなどの公共交通機関は、高齢者、障害者等が安全で快適に利用できていると思いますか。
●年代別比較
<H26 市民の声アンケート結果>
○ バスや鉄道などの交通の便がよい。
○ 鉄道やバスなどの利便性の向上。
2.課 題
○ 今日の車社会の中で、道路整備が集中的に進められ、今もなお増え続けている状況の中で、道
路施設の老朽化が急速に進行しており、補修や更新の必要な時期が到来しています。利便性や安
全性、さらに利用者の満足度が求められる中、歩道の幅が狭い、段差がある、急勾配であるなど、
高齢者や障害のある人、ベビーカーを利用する人などには利用しにくい状態の箇所もあることか
ら、継続して、誰もが安心して利用できる歩道の整備も求められています。
○ 高齢者や障害のある人、妊婦や育児中の親、小・中学・高校生、運転免許を持たない人など、誰
もが自由に行動範囲を広げ、多くの人の社会参加を促進するためにも、安全で安心な移動を保障す
る公共交通の役割が大きくなっています。地域の実情に即した路線バスや鉄道の効率的な運行形態、
路線バスに代わる輸送手段を検討していく必要があります。
3.施策の方向
(1)誰もが安全かつ快適に移動できるよう歩道・道路整備を推進します。
①安全安心な歩道・道路の整備 誰もが安全に安心して移動できるよう、歩道、道路の整備を推進します。
(事業例)
・障壁(幅・段差・勾配等)の無い歩道・道路整備の推進
・街灯・カーブミラーの整備
(2) 誰もが安全かつ快適に移動できるよう地域公共交通の向上を推進します。
①地域公共交通の利便性の向上と安全安心な運行
地域の実情にあった公共交通の採用、再編成を促進し、地域公共交通を維持・確保するととも
に、安全・安心で快適な運行の向上とわかりやすい運行情報や利用案内の提供を行います。
(事業例)
・利便性の向上、持続可能性の観点を踏まえたバス路線の再編
・交通事業者への運営支援による生活交通の維持確保
・福祉タクシーの導入促進
【評価指標】(案)
『公共交通機関の利用が安全かつ快適と感じている市民の割合』を %とする
『歩道や道路の利用が安全かつ安心と感じている市民の割合』を %とする
※各事業については、年度ごとに目標を定めて実施し、別に進捗状況を管理していきます。
7.1% 23.1% 40.0% 27.1%
2.7%そう感じる ある程度感じる あまり感じない 全く感じない 無回答
2.0%
14.7% 38.5% 26.8% 12.5% 5.5%
満足している やや満足している どちらともいえない やや不満である 不満である 無回答
全体
4.4%
1.2%
0.6%
0.9%
0.6%
3.2%
33.0%
22.2%
18.1%
26.2%
28.9%
32.6%
45.6%
59.2%
59.7%
51.9%
56.6%
48.4%
15.1%
15.3%
20.3%
19.7%
12.7%
13.7%
1.8%
2.1%
1.3%
1.3%
1.2%
2.1%
70歳以上
60歳代
50歳代
40歳代
30歳代
20歳代
2.1%
26.4% 53.3% 16.3%
1.9%1 そう思う 2 ある程度そう思う 3 あまり思わない 4 全く思わない 無回答
基本方針 基本目標 施策の方向
Ⅰ 誰もが理解し合えるまちづくり
【ご意見】・「理解し合う」人だけが対象と感じる
誰もが互いを尊重し理解し合う人にやさしいまちの実現を目指します ↓
誰もが互いを尊重し理解し合えるまちの実現を目指します
【ご意見】・「高齢者、障害者等」は「高齢者、障害者」だけに感じる ・「等」に入る人は様々である
➤人にやさしいまちづくりの考え方を理解し認め合うための広報や教育・学習を推進するほか、高齢者、障害者等が生活に必要な相談や支援体制を整えます。 ↓
➤人にやさしいまちづくりの考え方を理解し認め合うための広報や教育・学習を推進します。また、日常生活の中で起きた困りごとについての相談窓口や支援体制を整えます。
Ⅱ 誰もが学べるまちづくり
【ご意見】・「高めながら」は迫られると感じる
誰もが自分の持てる力を高めながら、生涯を通じて学べるまちを目指します ↓
誰もが自分の持てる力を発揮し、生涯を通じて学べるまちを目指します
【ご意見】・「特別な支援を必要とする児童生徒」だけを支援するように感じる ・若者に社会保障や年金システムを学ぶ施策を検討してほしい
➤特別な支援を必要とする児童・生徒のニーズに応じた支援を推進するほか、高齢者、障害者等の生涯を通じた多様な学習機会の拡充を推進します①特別支援教育の推進②高齢者、障害者等の多様な学習機会の充実 ↓
➤ 児童・生徒のニーズに応じた支援を推進するとともに、市民の生涯を通じた多様な学習機会の拡充を推進します①自立・共生を目指す学校教育環境の充実②市民の多様な学習機会の充実
Ⅲ 誰もが働けるまちづくり
【ご意見】・「能力を生かしながら」の表現はどうか
誰もが能力を生かしながら、生きがいをもって働けるまちを目指します
↓
誰もが自分の持てる能力を生かしながら、生きがいをもって働けるまちを目指します
【ご意見】・「高齢者、障害者等」に子育て中の女性が抜けている ・女性の働く場に制限があるので対象としてほしい
➤高齢者、障害者等が生きがいをもって自分らしく暮らせるよう、雇用機会の確保と職業能力の向上を図ります①高齢者、障害者等の雇用機会の創出 ↓
➤誰もが生きがいをもって自分らしく暮らせるよう、雇用機会の確保と職業能力の向上を図ります① 雇用機会の創出②職業能力や人材の育成
人にやさしいまちづくり推進会議での意見を踏まえた計画への反映状況
基本方針 基本目標 施策の方向
Ⅳ 誰もが健康に暮らせるまちづくり 誰もが生涯を通じて、住み慣れた地域で、健やかに暮らせるまちを目指します
【ご意見】・「高齢者、障害者等」に子どもを入れてほしい ・生まれてから切れ目のない支援という表現がほしい ・「高齢者、障害者等」という言葉に違和感がある ・健康増進という施策を入れてほしい
➤高齢者、障害者等が健康な生活を送るための健診の推進や保健指導の充実を図ります①健診・保健指導等の推進
➤高齢者、障害者等が安心して適切な医療が受けられるよう医療体制の充実を図ります①地域医療体制の充実
➤高齢者、障害者等が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう各種支援を推進します。①高齢者福祉の推進②障害者福祉の推進
↓
➤誰もが健康な生活を送るための健診の推進や保健指導の充実を図ります①健診・保健指導等の推進
➤誰もが安心して適切な医療が受けられるよう医療体制の充実を図ります①地域医療体制の充実
➤誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう各種支援を推進します。①高齢者福祉の推進②障害者福祉の推進
Ⅴ 誰もが互いに支え合うまちづくり 共に支え合うための自主的な活動が促進されるまちを目指します
【ご意見】・ボランティアを利用できる対象を広げてほしい
➤高齢者、障害者等に関するボランティア参加、地域活動、市民活動への支援を推進し、ボランティアを必要とする人の利用促進を図ります。
↓
➤ ボランティア参加、地域活動、市民活動への支援を推進し、ボランティアを必要とする人の利用促進を図ります。
基本方針 基本目標 施策の方向
Ⅵ 誰もが安心して暮らせるまちづくり
誰もが災害時や降雪時に安全に行動することができる災害に強いまちを目指します
【ご意見】・避難所となる施設に暖をとれる設備を検討してほしい ・除雪作業で屋根から落下しないよう、住宅の雪国対策を検討してほしい
➤高齢者、障害者等への防災に関する情報提供や避難時に必要な施策、自助・共助による防災体制の整備を推進します
➤高齢者、障害者等への冬期間の安全な通行空間の確保と除雪に必要な施策を推進します①高齢者、障害者等に配慮した除雪対策の充実
↓
➤ 防災に関する情報提供や避難時に必要な施策、自助・共助による防災体制の整備を推進します
➤ 冬期間の安全な通行空間の確保と除雪に必要な施策を推進します① 除雪対策の充実
【ご意見】「住みよい」は住宅だけにあてはまるので「利用しやすい」等がよい
Ⅶ 誰もが住みよいまちづくり
↓
Ⅶ 誰もが快適に暮らせるまちづくり
公共空間や居住空間において、誰もが利用しやすく、住みやすく、安全に生活できるまちを目指します
➤高齢者、障害者等が安全かつ快適に利用できるよう施設整備を推進します③ 高齢者、障害者等に配慮した居住環境の整備高齢者や障害のある人などが在宅で自立した生活ができるよう、住宅リフォームを支援します
↓
➤誰もが安全かつ快適に利用できるよう施設整備を推進します③ 誰もが暮らしやすい居住環境の整備高齢者や障害のある人などが在宅で自立した生活ができるよう、住宅リフォームを支援します
Ⅷ 誰もが移動しやすいまちづくり 誰もが安全かつ快適に生活交通を利用し、社会参加できるまちを目指します
【ご意見】・バスやタクシー以外の移動体制を進めてほしい
➤高齢者、障害者等が安全かつ快適に移動できるよう歩道・道路整備を推進します。
➤高齢者、障害者等が安全かつ快適に移動できるよう公共車両等に必要な施策を推進します。
↓
➤誰もが安全かつ快適に移動できるよう歩道・道路整備を推進します。
➤誰もが安全かつ快適に移動できるよう地域公共交通の向上を推進します
【H28.11.28 当日配布資料】
基本方針 発言者 ご意見 対応内容
松本委員
基本目標「誰もが互いを尊重し理解し合う人にやさしいまちの実現を目指します」は 「理解し合う」人だけが対象と感じる。
「誰もが互いを尊重し理解し合えるまちの実現を目指します」に修正しました。
松本委員
「高齢者、障害者等」は「高齢者、障害者」だけに感じる。「等」に入る人は様々である。
「高齢者、障害者等」という表記を削除するなど、対象を絞りすぎない表現に修正しました。※以降、同様に修正
堀川委員
「誰もが自分が持てる力を高めながら生涯を通じて学べるまちを目指します」の「高めながら」は迫られる感じがする。
「誰もが自分の持てる力を発揮し、生涯を通じて学べるまちを目指します」に修正しました。
松本委員
社会保障や年金システム等の制度について若者に学んでもらう施策も検討してほしい。
「誰もが理解し合えるまちづくり」で、普及啓発に関する取組を記載しており、各制度や各種サービスの案内等、誰もが情報を共有できるような施策で対応します。
堀川委員特別な支援を必要とする児童・生徒だけを支援するように感じる。
「特別な」という表現を削除し、ニーズに応じた支援に取り組むことを記載しました。
井部委員山縣委員
「能力を生かしながら」という表現はどうか。
「自分の持てる能力を生かしながら」という表現に修正しました。
山縣委員堀川委員
・「高齢者、障害者等」に子育て中の女性が抜けている。・女性の働く場の視点が抜けている。
「高齢者、障害者等」という表記を削除しました。本文に「男性も女性も」の表現を加えるとともに事業例の中でも女性の視点が見えるようにしました。
山縣委員堀川委員川澄委員
・「高齢者、障害者等」に子どもを入れてほしい。・生まれてから切れ目のない支援という表現がほしい。・「高齢者、障害者等」という言葉に違和感がある。
「高齢者、障害者等」という表記を削除しました。本文に「生涯を通じた人生の各段階」を加えました。
松本委員
・健康増進という施策を入れてほしい。
「上越市健康増進計画」に基づいた施策が推進されている中、本計画では人にやさしいまちづくりの視点から事業を推進していきます。
5 誰もが互いに支え合うまちづくり 閏間委員
・ボランティア利用の対象を広げてほしい。
ボランティアを受けたい人の要望に応えられるよう、環境づくりについて記載しました。
6 誰もが安心して暮らせるまちづくり
松本委員
・避難所となる施設に暖をとれる設備を検討してほしい。・除雪作業で屋根から落下しないよう、住宅の雪国対策を検討してほしい。
避難支援体制の充実を図り、避難者の安全や生活環境の維持等、安心して避難できる環境づくりについて記載しました。克雪住宅支援については施策に位置付けています。屋根の雪下ろしが必要な地域や住宅については、住民組織等による除雪活動の支援について記載しました。
7 誰もが住みよいまちづく 松本委員
・「誰もが住みよいまちづくり」の「住みよい」は住宅だけにあてはまるので「利用しやすい」等がよい。
住宅にも施設にも共通する「誰もが快適に暮らせるまちづくり」に修正しました。
8 誰もが移動しやすいまちづくり 閏間委員
バスやタクシー以外の移動体制を進めてほしい。
誰もが安全かつ快適に移動できる地域公共交通の向上の推進を記載しました。
1 誰もが理解し合えるまちづくり
2 誰もが学べるまちづくり
3 誰もが働けるまちづくり
4 誰もが健康に暮らせるまちづくり
人にやさしいまちづくり推進会議での意見を踏まえた計画への反映状況